ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧(2003年度:第20巻〜)→
日本工業標準調査会消費者の政策特別委員会は、高齢者・障害者の標準化の進め方について審議し、「アクセシブル・デザイン協議会」を設置することを提案した。目的は、標準ビジョンの見直し、標準化のニーズ調査、産業界の実態調査、作業マニュアルの作成、普及活動となる。
経済産業省は、識別商品のライフサイクル全体(製造・流通・使用・廃棄)の追跡調査を可能にする、業界を超えた電子タグの標準を決めた。流通業界で広く使われているJANコ−ドや国内の繊維標準でもあるCII、米国で使われているDunsなど既存の企業コ−ドを識別する発番機関コードの利用が一番のポイントとなる。従来のバーコードによる商品管理と、互換性のある電子タグによる管理の仕組みの基本が定められたことになる。
経産省は03年度に繊維の川中中小企業対策を抜本的に強化するため、中小企業総合企業団の繊維振興基金を活用して、30億円の予算を手当てすることを決めた。04年度以降も3〜5年の期間百数十億円の規模で実施する方向で、具体的には今後の新繊維ビジョンで議論される。繊研,〔03・5・14(1)〕にも関連記事あり。
経済産業省製造産業局が設置した「戦略的デザイン活用研究会」は製造業の競争力強化を図るため、企業のデザイン戦略と、その支援政策を検討している。第4回会合では国の役割として、IT技術を駆使したデザイン開発や提示のためのシステム開発、デザイン情報に関するデータベースづくりなどの技術インフラの整備と人材育成、啓蒙活動などで各委員の意見が一致した。
経済産業省は、動車、建築、医療、農業、特殊衣料など、繊維製品を材料として使用するユーザー業界からの要望に応え、(社)化学繊維技術改善研究委員会のホームページで「繊維素材のデータベース」を立ち上げた。内容は、化学繊維および天然繊維の糸から織物などに関する各種データ、高強度・高弾性率繊維や各種機能繊維など。http://www.kaizenken.jp/db/db-index.html
財務省発表の02年度貿易統計によると、中国からの衣類・同付属品の輸入額は1兆7,140億2,000万円(前年度比3.7%減)と4年ぶりに減少。このため衣類輸入の総額も2兆1,816億9,300万円(5.3%減)と4年ぶりに減少した。また、繊維製品の輸出総額は9,189億3,500万円(0.9%増)と、わずかだが2年ぶりに増加した。衣類輸入は、EUが1,853億600万円(0.9%増)と2年連続の増加。中国は4年ぶりに減少し、その他の主要な国・地域は減少が続いている。
経産省が実施した「国産繊維製品イメージアップ調査」によると、「単に国産品というだけで消費者に受け入れられるものではない」ことが判明。国産品表示の法的義務付けもWTOルールに抵触するため、高品質、環境配慮、安全をキーワードに、消費者視点のものづくりを強調、工商一体のコラボレーションを構築し、広義の「ジャパンブランド」としての価値を前面に出してゆくことが重要と結論づけた。繊維製品の輸入浸透率8割という梗塞状態からの脱却にもつながるものとして注目される。
経済産業省が発表した商業統計によると、02年度の百貨店販売総額は既存点ベースで前年度比2.3%減と6年連続して減少した。前年度に5年ぶりに増加した衣料品は2.2%減と再び落ち込んだ。スーパーの販売総額は1.7%減で11年連続の減少。02年度の卸売業の販売総額は前年度比2%減で2年連続の減少。小売業は2.9%減で6年連続の減少。繊維関連では、繊維品卸売業が4兆8,930億円(6.8%減)、衣服・身の回り品卸売業が13兆1,680億円(3%減)、織物・衣服・身の回り品小売業が10兆2,000億円(7.7%減)となった。
メタリックヤーンメーカーのミツワ産業は「キュア・オール」の名称で、肌にやさしいソフトな本銀やアルミニウム蒸着の新しいメタリックヤーンを開発した。これまでと原料は同じであるが、特殊後加工によって平滑性、柔軟性のあるヤーンができる。摩擦、耐光堅ろう度が従来のものより1級向上し、酸化、硫化しにくく残留ホルマリンを0.03ppm以下におさえ、マイナスイオンも発生する。チクチクしたり、縫製しにくいなどの問題も解決されたとしている。用途は和装、織物、縫い糸、レース、刺繍糸など幅広い分野。
豊富な農作物を再利用し、地球環境に優しいタンパク質繊維「天絨」が中国で開発された。年産2,000万トンを超える大豆の油かすを原料にした再生植物繊維。カシミヤの温かさや綿の通気性、シルクの光沢を備えた健康・快適のエコ素材として期待される。試験生産していたが、商業化のめどが立ち、今春から年間9,000トンのファイバー生産を本格化。紡績から織布、ニット、染色加工まで一貫生産チームを作り、国内のほかアジア、欧米向け輸出販売に着手する。日本向けは伊藤忠商事が独占販売する。トウモロコシ繊維と同様のスーパー繊維として育てたいという。
蓄光材のエルティーアイ(本社京都市)は長時間残光型の原料と製品「アルファーフラッシュ」を、アパレル製品、ファッション雑貨、レジャー・アウトドア用品、印刷物、表示物などを含む幅広い用途分野で拡販。新しい蓄光材は高輝度で、残光時間が自社製品比で約5倍と大幅に長い。放射性物質を含まず、燃焼時に有害物質を発生させないなど環境基準にも適合。原料として供給するとともに、蓄光機能型避難誘導テープ、シートを自社ブランド、アルファーフラッシュを付けて普及させる。蓄光という機能性とファッション商品の結び付きに市場性が期待できるが、あくまでも安全、救命が企業理念。
三菱レイヨンは、04年春夏向け婦人素材で、シックでエレガントな流れとスポーティーな流れを受け、それぞれトリアセテート「ソアロン」とポリエステル「ソルーナ」で表現する。新素材は、トリアセテート「アドレム」やポリエステル「ノルディス」など8点。アドレムは、ランダム星型断面(写真あり)でドライパウダータッチが特徴。ノルディスはふくらみや反発感、ドレープ性を備えた梳毛調素材。ジアセテート「リンダ」では、PTT繊維「ソロ」と複合したストレッチ涼感素材「ルビオLS」、光沢と膨らみ感、ドレープ性を備える「ドロシー」を訴求する。
三井物産は吸水速乾素材「ドライリリース」を拡販する。米国のオプティマ・パフォーマンス・ファイバーズ(OPF、本社デラウエア州)が日米で特許を取得している吸水速乾素材。糸の外側に綿を、内側にポリエステルを配置している。ポリエステル85%・綿15%のポリエステルリッチでありながら、自然でソフトな綿の風合いが評価されている。現在、ドライリリースを生産する紡績拠点は5ヶ国。アジアでの糸、テキスタイル、製品の独占的製造権は富士紡が有しており、インドネシア、タイで生産。スポーツウエア、インナー向けを中心に販売してきたが、カジュアルウエア、ユニフォームへ広げる方針。
合繊のマツミ(本社福井市)は、03〜04年秋冬向けに、つや消しタイプのサテンを販売する。フルダル・ポリエステル1OO%使いで、自然なストレッチ性も持たせた。サテンは今春夏も光沢の強いタイプがヤング層で人気が高く、秋冬に向けても同様の表面感が継続するとの見方があるが、逆に、光沢を抑えたものを開発、天日干し調の風合いで知られる「ビンテージ繊維」(小松精練)加工で仕上げた。アパレルメーカー入り価格は1m当たり1,000〜1,200円。同社は薄地から厚地まで、幅広く合繊織物を扱う産元問屋。生機や染め品で現物を在庫する体制の一方、糸から後加工までの開発に力を入れている。
服飾資材卸の清川は殺菌、消毒効果を持った銀イオン繊維「アグオン47」を開発、販売した。ポリエステルフィルムを中心にして、酸化チタンと銀イオンをはさみこむ形の5層構造からなったフィルムを6μ、12μにスリットし、消臭性を持ったポリエステルと交撚した糸。約10万の菌が18時間後には検出されない。加齢臭、タバコの臭い、ペット臭、生ゴミ臭も抑える。洗っても効果は落ちず、半永久的に効果が続く。
三菱レイヨンは、旭化成の持つアクリル長繊維に関する技術、一部の生産設備を4月に譲り受けたことを明らかにした。併せて旭化成の「ピューロン」「タクタス」「リーカス」といった商標権を7月に譲り受ける。今回の決定は、旭化成のアクリル長繊維からの撤退に伴うもの。譲り受けた設備は紡糸ではなく糸を偏平に加工する機械。生産能力(年産2,400トン)に変化はない。下期以降は供給不足が懸念され、仮に増設となると、紡糸設備で年産3,000トン体制とする意向。アクリル長繊維は日本だけで生産されており、現在は三菱レイヨンが世界で唯一のメーカー。
富士紡績は、生産を中止したポリノジック「ジュンロン」の代替として、英国・アコーディスの指定外繊維「レクセル」と台湾化繊の強力レーヨン「ビスコーレ」の展開を強化する。ジュンロン生産量は、わたベースで年間1千トンだったが、そのうちの80〜90%はレクセルに、残りはビスコーレで補う。レクセルの主力用途は産業資材で、一部が衣料向けとなる。アコーディス社の「テンセル」を富士紡績の素材評価基準に合わせた。強度や伸度、熱収縮などジュンロンと同等以上で、複雑な加工に耐えられる特徴がある。ビスコーレは、ジュンロンより柔らかい風合いで、100%衣料向けとなる。
トーア紡はウールのコンパクトヤーン「コンパクトファイン」を04年春夏向けから販売する。新技術のコンパクトスピニングシステムを導入、梳毛式コンパクト精紡機の改造を行った。紡績方法はスライバー(繊維束)を乱れのない状態に収束し、毛羽(けば)をラップ状に包み込みながら撚りをかけるもの。これにより、なめらかな風合いや光沢、発色性の良さが表現できる。あらゆる番手、撚り数、原料構成に対応できるのも特徴。コンパクトファインの導入で、きれいめな風合いとシャープでクリアな柄だしが可能になったという。用途はメンズスーツ、ジャケット、パンツ向けに展開する。
クラボウは、沖縄の農産物「月桃」を原料とした新天然繊維素材を開発。月桃は東南アジアに広く分布するショウガ科の多年草で、日本では沖縄に多い。その葉には抗菌・防虫性があり、タンスの虫除けなどとして沖縄では古くから用いられていたが、従来は葉の部分だけが利用されており、約8割残る茎部分は大半が廃棄されていた。クラボウでは愛知・北条工場でヘンプ、ケナフ、竹などの天然繊維を解繊している技術を生かし、月桃の茎部分の繊維化に成功。紡績糸7〜30番手で、月桃5%混から開始して今後は30%混の開発にも取り組む。適度なハリ・コシを持ち、発色性に優れ、清涼感がある。
出光テクノファインはキューピーと共同で、卵から分離させた卵殻膜を配合した衣料用テキスタイル、衣料用繊維仕上げ剤、合成皮革などを開発した。卵殻膜には皮膚の柔軟性やみずみずしさを付与するコラーゲンを生み出す機能があるとされ、皮膚への効果が期待できるという。卵から分離した膜を独自の技術によって水に可溶化し、特殊技術でパウダー化し、さまざまな樹脂と複合する。用途は仕上げ剤、透湿防水剤、衣料用テキスタイル、合成皮革、塗料、フィルム、シート。
糸染め加工を手掛けるサンテクノ(本社愛知県葉栗郡木曽川町)は、アクリル糸での新しいピリング防止加工を開発。アクリルは繊維の中でもピルが発生しやすく、これまでの坑ピル加工では、ほとんどが3級程度しかクリアできなかった。クリアできても加工段階で繊維を傷め、耐久性において問題が指摘されてきた。今回同社が開発したのは、環境を汚さないプロテイン系の特殊な薬剤を使い、「ほぼ5級をクリアした坑ピル加工」としている。体に悪影響を与えず、繊維を傷めることもない。風合いがよりソフトになるのも特徴。すべて糸で加工するが番手を選ばないため、横編みからカットソーまで幅広く対応できる。
日清紡は従来の綿100%形態安定シャツ用素材を進化させたノーアイロンシャツ「ノンケア」を開発した。ナノサイズの間隔で並ぶ綿セルロース鎖同士をナノサイズ樹脂架橋剤で反応させてつなぐことで形態安定性を発現させている。新開発素材に縫製企業のTALが特許をもつパッカリング制御の縫製技術を組み合わせたのが「ノンケア」である。
フジボウの「ディスノーティス」は汗ジミが目立たない後加工素材。効果が実感できる素材としてレディスやTシャツなどのアイテムでの人気が高まっている。綿100%のニット生地の表面には非常に薄い撥水加工を施し、裏側には特殊樹脂加工で汗を瞬時に吸い込み拡散させるようにしている。こうすることで生地の隙間や繊維の表面から水分が蒸発していく。
ダイワボウは今年度からの新中期3ヶ年計画で、人体のかゆみを沈静化する繊維製品を柱商品として育成する計画。すでに昨年3月に科学技術振興事業団から研究費3億円を受給して実用技術の開発を行い、信州大学病院で臨床実験に入っているが、かゆみ沈静化効果は期待通りで、実用化のめどは立っている。同社の消臭繊維「デオメタフィー」は細菌の増殖を制御する機能があり、メディカル分野への応用として発展させるもの。かゆみアレルギーの人は日本人で1千万人以上いるといわれ、実用化になると、大きな需要が期待できるとしている。
トスコは、防シワ・イージーケア機能を持つ「風麻」を04年春夏シーズン向けに販売する。同素材は独自の形態安定用加工剤を使用することにより@ホルムアルデヒド・フリー(ゼロ・ホルマリン)A折り目回復率25〜50%増の防しわ性B洗濯耐久性に優れるC各種ソフト加工との組み合わせによる多彩な風合い出し、などの特徴が得られる。麻素材はこれまで、洗濯による寸法変化やシワになりやすく、直りにくいなどの欠点があった。同社は、機能性や安全性に優れた麻素材の提案で市場を拡大したい意向。製品用途はジャケット、スーツ、パンツを計画。レディスのベターゾーンを中心に訴求する。
ワコールは中国市場の開拓に向け、4月から上海の東華大学服装学院と連携した商品開発を始める。まず始めに昨年11月に設立した「ワコール上海人間科学研究所」が同学院の協力で中国人女性の身体計測を実施する。4月より対象を上海と周辺地域に住む20〜30代の女性を計測し、最終的には5,000人程度の母数を獲得し、中国人女性の体形を類型化したい考え。
紳士服製造・販売のロッキンガムは車いすを使用する人を対象にした紳士服「ウエルスーツ・バイ・ビンテージ」を開発した。従来のスーツより肩周りに余裕を持たせ、ひじやひざは座った状態にあわせる形で曲線に仕立てる。ズボンの尻部分は通常より多めの布で作り、長時間の座った姿勢でも違和感のないように設計されている。
ユニチカはフジタと共同にてシックハウス症候群の原因物質を吸着する活性炭繊維シートを開発した。ホルムアルデヒドなどと反応する薬剤を工夫し、従来の3倍程度、吸着能力や速度を高めた。
大鈴工業(群馬県太田市)は一度編んだニット生地を自動的に解く装置を開発した。従来の巻き取り機はリールが軸に固定され、糸を巻き取る力が一定だったため、人手で糸を引っ張るなどの補助作業が頻繁に必要だった。また異なる種類の糸や細手の糸を用いた生地を解くのが難しかった。
ダイドーリミテッドと三景は、日本企業として初めて繊維製品の総合監査管理システム「CSM-2000」シリーズの認証を取得した。これはエコテックスのドイツ本部が開発した品質、環境、安全衛生・健康、社会的責任、貿易規制の5つの分野を統合した総合監査システムで、ISOやSA、OHSASに準拠、これらを集大成した繊維製品専用の国際基準である。
身に着けて持ち運べるウェアラベル(装着型)・コンピュータが米国で実用段階に入ってきた。現在は業務用や軍需が主体だが、メーカーは一般消費者を狙った商品開発にも取り組んでいる。価格の引き下げが進めば、普及が一気に加速する可能性も高い。
国内縫製の方向性を研究してきたアパ工連は2月に「コラボレート型生産体制の構築」に向けての報告書をまとめた。国内アパレル製造業の成長戦略にとって協業化が重要課題になってきた。報告書は下請け体質から企画提案型企業への脱皮を求め、具体的な行動計画として、フルアイテム生産体制の構築と匠工房による小売業との直接取引きを提案している。協業化によって実現を目指すビジネスモデルは、女性を対象とした「工場発のファッション・オーダー・システム:FOS」事業が提案されている。
カネボウは面ファスナーで着ることができる女性用浴衣を発売する。帯も面ファスナーで簡単に着脱でき、着崩れもしないという。若者の間で浴衣の人気が高まっているが、着付けなどで敬遠する女性もいるため、手軽に着脱できる浴衣を開発したもの。浴衣の図柄は朝顔などの伝統的なものからデニム地紋などを使用した現代的なものまでそろえた。
ワコールとNECがこのほど開発した「技能高度化支援システム」は、縫製作業などにおける身体動作の計測に基づき、未習得者に技能の改善方法を提供するもの。訓練しようとしている技能未習得者の身体動作をモーションキャプチャー装置、データグローブなどの多くの機器で計測し、あらかじめ蓄積されている高度技能保有者の動作データと比較して動作が異なる部分を検出する。その差異に基づき問題の理解を助け技能の改善方法を示す。この研究は99年に通産省の産業技術基盤開発プロジェクト「人間行動適合型生活環境創出システム開発」として新エネルギー・産業技術総合開発機構の委託を受け開発されたもの。
今春夏、プリント素材が活況を呈している。ほぼ10年ぶりにヤングからミセスまで明るいカラーのプリントが売り場をリード、テキスタイル段階での期待も高まっている。世界的にエレガントな流れが進行し、個性と明るさを求める心理が拡大していることで、とくに明るいカラーがポイントになっていることもプリント活性化の要因である。
「エコロジー・リサイクルのライフスタイルを提案」しているイオンが、今秋から店頭で商品回収を開始するため、回収ボックスを試作に乗り出した。アパ産協が制定した「ECOMATE」を昨年取得しており、衣料品リサイクルに弾みがつきそう。
シャツ、ボトムス、帽子など取扱品種を明確に打ち出したワンアイテムショップが台頭している。アイテムを切り口に分かりやすさと、豊富なバリエーションで選ぶ楽しさを両立させた点が人気となっている。
繊維ファッションSCM協議会は、テキスタイルとアパレル業界の間の業務改革を促進する目的で、03年度から新たに「TAプロジェクト」(仮称)をスタートし、アパレル企業と商社・コンバーター、商社・コンバーターとテキスタイル企業との情報共有に基づくコラボレーションに実現を目指す。
団塊ジュニアが出産期を迎えているのを背景に、ファッション性を強調したマタニティーウエアが成長している。既存のウェアでは満足せず、「妊娠していても、おしゃれを楽しみたい」「通勤でも着られるマタニティーウエアが欲しい」という女性たちのニーズをつかもうと、売り場作りも進んでいる。市場性はあるとはいえ、着用期間が短く、リスクも大きいだけに、手をこまねいているアパレルが多いのも実情だ。
最近、和風やアジアンテイストの雑貨の人気が高まっているという。デフレが進みコストダウンを意識しすぎたゆえ、小売店頭の品揃えから魅力ある商品が乏しくなってしまった。その反省から、再び個性的な商品開発が見直される傾向が強まっている。ボリュームにはなりにくいが、和風雑貨に注目が集まるのも、こうした状況とは無縁ではないだろう。
大手小売業が、衣料品でウォルマートへの商品対策を講じ始めた。イオンなどGMS (総合小売業)はもちろんのこと、しまむらも敏感に反応して戦略を練っている。スーパーセンターが進出すれば、価格下落が進むのは必至。ウォルマート傘下の西友を介して、一部メーカーも安価商品の開発に着手し始め、低価格競争をいっそう加速させそうだ。
浜松大学酒巻教授が中小企業庁の調査をベースにした分析で、小規模小売店は急速に減少する中で、厳しい競争を勝ち抜くためには、自店の強さを的確に把握し、顧客に強く訴求することが必要と結論づけている。
ソーホーで店の閉店が相次いでいる。ヴィヴィアン・ウエストウッドは2月末に閉店。メンズウエアーのボー・ブランメルは4月から閉店セールを始め、7月に閉店する予定だ。ソーホーに出店を予定していたH・スターンとエルメネジルド・ゼニアは出店を中止。長いこと「近日開店」の看板を掲げている化粧品のナースも、いつ開店するか予定が立っていない。すでに閉店したテラベルデ・トレーディング・カンパニーやチメラに加え、閉店セール中のLSコレクションなど、雑貨店の閉店も目だ。9・11同時テロの影響を引きずるソーホーは苦境に陥っている。
GMS(総合スーパー)を中心とした量販店の平場が、今年大きな転換点にさしかかろうとしている。婦人アパレル主導型運営のコーナー化進行とともに、販売員をつけるケースが増えてきそうだ。セルフを原則とした量販店の経営理念が今後部分的にしろ崩れ、店舗業態が変化していく。低価格MDの大型専門店への反動とともに、差別化政策でもあるが、将来百貨店のような売り場貸し的な様相も予想される。
米国小売業の02年度決算は、43社中31社が増収となり、純利益の損失は9社にとどまった。上位はリストラ効果で利益改善したものの、中堅企業は赤字決算も多く、企業間格差がさらに開いた。
関東百貨店協会と日本アパレル産業協会は、停滞する紳士服関連の活性化を目的に、コラボレーション活動を展開する。具体的には、@会員間・業界間の情報やノウハウの交流Aドレス・アップマンディなど共同販促の推進B店舗・商品戦略など内外先進事例の研究C改装や話題の商業施設、工場、新業態などの視察研修、に取り組む。
株式を公開するカジュアル専門店8社の2月期決算(2社は中間決算)は、「ユニクロ」のファーストリテイリング(FR)を除くすべての企業で営業、利益が2ケタ増益となった。ユニクロブーム後にMD力強化や裾値の底上げ、ローコスト経営など各社が進めてきた事業の再構築が形になった。収益性が改善する一方で、売り上げの伸びは小さく、足踏み状態の企業もある。今後は出店や顧客の来店頻度を上げるなど売り上げ拡大が課題で、競合は新たな段階を迎えそうだ。
百貨店の03年1月、2月期連結決算は、減収増益基調となった。10社のうち9社が減収で、主力の店頭販売も大半が前年実績を割り込んだ。井筒屋の増収は黒崎店などの増床による。営業利益は3社、経常利益は6社が増益あるいは黒字転換となったが、粗利益率は横ばいや低下のところが多い。増益は販売・管理費の削減効果が大きい。今期は3社が増収増益を目指す。
SARS(重症急性呼吸器症候群)の広がりがアジア地域の日系企業の繊維ビジネスに影響を与えている。アパレル関連のビジネスでは、ちょうど秋冬物のオーダーと来春夏物の企画商談の最盛期に差し掛かるところだが、欧米メーカーのバイイングオフィスが集中する香港や上海へのバイヤーの訪問が激減し企画の遅れが懸念されている。また、ミシン系など縫製に直結する商品のオーダーも大幅に落ち込んでいる。
百貨店各社が、女性客の様々なサイズに対応した服や靴の品ぞろえを強化している。2センチ刻みの丈のパンツや身長が高く細身の女性向けの服が登場。体形にぴったり合う商品を身に付けることで「体のラインをきれいに見せたい」「快適にすごしたい」という消費者の要望に応える。
ペットブームを背景に、セレクトショップなどで犬のための服や雑貨を扱う店が増えている。ライフスタイル提案の一環として導入する店が多く、ディスプレー代わりに売り場の雰囲気をなごませたり、接客のきっかけを作る効果もある。メーカーのブランド開発も活発で、犬を切り口にしたファッションが盛り上がっている。
小売業の世界1、2位である米ウォルマートと仏カ−ルフールがアジア、中南米などを中心に今年度内に1,300店を開く。世界の流通業の勢力地図は2強の構図が強まりそう。だが、強まるデフレと消費低迷で日本では早急な事業拡大に二の足を踏んでいる。
「事業所・企業統計調査」(総務省統計局)によると、01年における「洗濯業」の全国事業所数は9万520件で、前回調査(1996年)より8,590件、8.7%減少している。特にホームクリーニングの「普通洗濯業」が9.1%減っており、「リネンサプライ業」は逆に0.5%増加している。業界の従事者数は約40万人で、うち女性が3分の2にあたる26万人が従事している。洗濯業全体の1事業所当たり従業員数は4.4人。
100円ショップで購入した紳士トランクスを着用し、暑い日にゴルフをしたところ接触部分が赤くなり「化学物質による接触性皮膚炎」と皮膚科で診断された。素材は、綿100%のプリント柄。調査したところ、ホルムアルデヒド基準(75ppm)以下であったが、PH10.0(アルカリを示す)であった。染色工程でアルカリ浴に浸した後の水洗い不足のため、苛性ソーダ等のアルカリ物質が残存し、汗と気温が高い等の相互作用により生じたものと考えられる。
全日本わた寝装品製造共同組合では、羊毛布団部会と品質部会の合同で、低価格の羊毛布団の試買テストを実施したところ、15点中8点が家庭用品質表示法に違反していた。全日綿は、違反品の表示者と販売店に対し、テスト結果を知らせ、改善の勧告書を送る方針である。
兵庫県立生活科学研究所では、ポリウレタン繊維の経時劣化に対する消費者の意識や衣料品業界(アパレルメーカー・大型量販店・素材メーカー)の考え方をアンケート調査し表示の実態を市場調査した。消費者の経時劣化に対する認知度は、約6割が「知らない」。これに対しメーカーは、「多いと思う」が2割、「このようなもの」が約6割。メーカーは消費者の実態を十分把握しているとは言えない。販売店での合成皮革製品の表示実態調査では、縫製年を記載した製品は見あたらなかった。業界では常識になっている劣化を消費者は、製品がベトベト、ボロボロになってはじめて知る。今日、多方面で利用されているポリウレタンの寿命を消費者に知らせていくことが大切である。
青森県消費生活センターは、紳士用スーツの表示、生地特性,型崩れ、色落ち、寸法変化等について4銘柄をテストした。組成表示は全名柄適正。表示者名が正式名称でない略称が1銘柄あった。取扱い絵表示の洗い方で、絵表示に中性洗剤の表示がなく「中性洗剤をご使用下さい」との付記文字表示の不適正が1銘柄あった。原産国表示は上着には全銘柄あったがズボンに表示なしが1銘柄。引裂強さは日本紡績検査協会の品質基準を1銘柄が横方向で下回っていた。収縮率では1銘柄がウェストでマイナス1.8%となったが着用に問題なし。染色堅ろう度は日光、汗、摩擦、洗濯いずれも問題なし。毛・ポリエステル混は洗濯後のシワは気にならないが、毛100%は洗濯後のアイロンが必要。洗濯は上下たたんでネットに入れ弱水流、デリケート洗いを、脱水は1分以内で、シワを伸ばし形を整えて日陰で吊干しすることをアドバイス。
洗濯から乾燥まで、従来のものと同形の洗濯機1台で出来るのは便利で話題性も大きい。縦型洗濯乾燥機は洗濯物の出し入れがしやすい、今までの場所に置ける、などの利点はあるが、全く手を加えないで洗濯から乾燥まで快適に仕上がる夢の機械ではない。シワの問題もある。「白い約束」の販売元、日立ホーム&ライフソリューションではパルセーターを大きくしフラッピング機能をつけて工夫。トレーナーやタオルはシワになりにくいが綿のシャツなどはシワになりやすいと言う。「Lab」の販売元、松下電器産業でも製品の素材や織り方、厚さによりシワになりやすいものがあると言う。コツは、素材、洗濯量、乾燥率に注意して一工夫する事。いずれのメーカーもコース別機能に工夫をしている。購入に当たってはパンフレットを熟読し、自分のライフスタイルに合った機種の選択が必要。
岩手県立県民生活センターは、いわゆるスポーツブランドメーカーのTシャツのテストを実施した。テストしたのは5銘柄で、一般メーカーのTシャツ3銘柄を参考品とした。全ての銘柄で組成は表示通りであった。また、縫製について一部衿、わき部分に縫糸の始末が不良な箇所が見られた。その他、染色堅ろう度、汗と光ではいずれの銘柄も問題なし。摩擦は乾燥状態ではJIS基準の範囲内であったが、湿潤状態ではJIS基準を満たしていないものもあった。耐洗濯試験では、洗濯回数が増えるごとに白い毛羽立ちが目立つようになった。また、参考品でプリント部分のべたつきが発生した他には、寸法変化は基準の範囲内であった。
ISO9001はISO品質の認証を受ける規準となる規格であるが、これを発展させた改善のためのガイドラインを規定したのがISO9004である。この規格の次期改訂に日本の主張を盛り込むための挑戦が行われている。この提案内容がTR Q0005(持続可能な成長の指針),0006(自己評価の指針)である。TRは技術報文の意味で、ISO9000ファミリー規格に日本の主張を取り入れるための行動を10月のTC176総会で起こす計画。
構造品質保証研究所はポリエステル繊維を使った耐震補強工法を開発した。ポリエステル繊維を自動車のシートベルトのように丈夫に編み、包帯のように柱に巻き付けるだけでビルの耐震性能が向上するという。従来工法では鋼板などで鉄筋コンクリート製の柱を囲んで剛性を上げていたが、しなやかなポリエステルが地震による柱のひび割れを抑える。柱の面積1平方メートルあたり2万〜6万円で補強が可能で、従来工法に比べて半分程度で済む。
日本ファッション協会(JFA)は03年度から、アジア諸国・地域との連携強化、ファッションタウン構想の高度化、生活文化の発展に必要な人材育成やデータベース構築のための支援策に着手する。JFAミッション検討懇談会の答申を受け、3ヶ年計画で実施する。
行政、関係団体に消費者、有識者らによる「偽ブランド連絡協議会」は、偽造品排除の目的で今後の指針を検討しているが、焦点が並行輸入の取扱いに移っている。政府が正規代理店ルートとは別に、事実上公認、奨励してきており、対応策は困難を極めている。
日本毛織物等工業組合連合会は「産地再生改革アクションプラン」を策定、産地が生き残るための具体的な行動をまとめた。@生産数量を抑え、利益率の高い事業に転換Aダイレクト販売への転換B企画力と商品力の強化C企業のグループ化、他産地との協業などを提言している。
繊維機械の中国向け輸出が増加、特に織機(02年前年比2.3倍)、編み機(同1.3倍)で目立つ。中国への生産移転が縫製からテキスタイルなどでも本格化、中国の繊維製品のレベルの高まりとみられる。
10月に開催される「インターテキスタイル上海」に日本製品を展示・PRする「ジャパン・パビリオン」が登場する。日本繊維産業連盟の幹事会で経産省繊維課が構想を提案・確認された。このような共同作業は今後も継続される見通しである。
①6月10日
②さんくすホール
③皮革製造法および革の種類とその特徴、革および皮革製品の特性と評価方法、皮革製品の手入れ方法・保管方法・クレーム
④大阪府立産業技術総合研究所「基礎講習会」係
TEL 06-6389-2632
①6月12日〜13日
②都立産業技術研究所(西が丘庁舎)
③3次元CADを使用し、初心者の方でも簡単な形状作成ができるように基本的な操作方法についての実習
④都立産業技術研究所技術企画部研修担当 TEL 03-3909-8103
①6月19日〜20日
②工学院大学高層棟
③界面活性剤の構造と機能、界面活性剤の合成と精製、洗浄の化学、泡の化学、他
④日本油化学会 TEL 03-3271-7463
①6月25日
②東京工業大学百年記念館
③繊維とは? 繊維の物性、染色加工、繊維製品の評価、商品設計・ファッション、繊維の将来動向、他
④繊維学会 TEL 03-3441-5627
①6月26日
②江戸東京博物館
③消臭加工の現状と見通し、生化学反応を利用した消臭法について、消臭加工マーク認証制度、消臭加工試験マニュアル(官能、機器分析、臭気センサー)他
④繊維評価技術協議会 TEL 06-6358-7747
①7月28日〜29日
②日本規格協会
③品質管理とは何をすることか、品質管理の要素、データをとる目的と種類、工程の管理と標準化、他
④日本規格協会 TEL 03-3583-8008
①7月29日
②大阪科学技術センター
③温熱的快適感と脳、熱放散反応の発育・老化特性とその修飾要因、流行と定番の間でゆれる購入心理
④日本繊維機械学会 TEL 06-6443-4691
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:中島利誠/発行人:大谷芳男