ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧(2003年度:第20巻〜)→
経済産業省は、03年版通商白書を公表。副題を「海外ダイナミズムの取り込みを通じた日本経済の再活性化」とした今回の白書は、日本経済の活性化に向けて東アジアとの経済連携を強化し、多層的なアプロ−チによる対外経済政策推進を求めている。これは昨年の白書のメッセ−ジと同じ方向だが、今年は、東アジアでの日本企業の戦略的な取組みがすでに成功事例を多数生み出しており、持続的なイノベ−ションに必要な経済システムの変化も始まっていることを強調しているのが特徴である。
総務省は02年度平均の全国の消費者物価指数を発表。価格変動の激しい生鮮食料品を除く総合指数は98.2と前年度比0.8%下落、戦後はじめて5年連続のマイナスになった。パソコンや家電製品などの値下がりが続き、最近5年間の下落率は2.4%に達した。年度平均の物価下落率は01年度と並び最大。
経済産業省は「第7回繊維製品3R推進協議会」を開き、当初の方向性模索への議論から、主要団体のアクションプラン作成・発表を終了、10月からはアクションプランの評価と見直し、確定など実施への第3ステージに入ることとなった。
国民生活審議会(首相の諮問機関)の消費者政策部会は、消費者政策の見直しに向けた最終報告をまとめた。企業の不正行為などを告発した人を保護する内部告発者保護制度のほか、個人に代わり消費者団体が不当な勧誘行為の差止めを請求できる消費者団体訴訟制度の必要性を盛り込んだ。消費者政策を担う内閣府は最終報告を受け、来年の通常国会をめどに内部告発者保護の新法を国会に提出する方針。その後、約35年ぶりとなる消費者保護基本法の抜本改正作業を進める。
竹中経済財政・金融担当相は、閣議に03年版の国民生活白書を提出。デフレが雇用や消費など国民生活に悪影響を及ぼす構図を整理したうえで、特に正社員として働いていないフリ−タ−など若年層の雇用環境が厳しさを増している点を強調。技術の習得の遅れなど生産性の低下や少子化の加速を通じ日本社会全体を脅かす恐れがあると警鐘を鳴らし、政策や企業などの対応を促している。
産業構造審議会(経済相の諮問機関)繊維産業分科会・基本政策小委員会は、新繊維ビジョン「日本の繊維産業の進むべき方向ととるべき政策」案を取りまとめた。ビジョン案は、日本繊維産業にとって「今後、5年間は最後の改革期間であり、今年を『改革元年』とし、構造改革を集中的に行うべき」との課題を掲げ、この改革推進を支援する国の施策を明示している。その裏付けとして、「国が繊維関係基金を取り崩して総動員すべき」と明言し、「これが基金を活用した最後の施策」との覚悟を関係者に求めている。小委員会はこれで議論を終え、ビジョン案への意見をー般から集めた後、同ビジョンを決議する。
公正取引委員会の「ブランド力と競争政策に関する実態調査」によると、経営統合によって複数の有力ブランドを抱えた企業は協調的な値上げがしやすくなり、小売りを価格拘束するなど、ブランドで商品価値を高める正当な企業行動に反する不公正取引が生じる恐れがあると指摘している。
経済産業省は、戦略的デザイン活用研究会がまとめた「デザインは、ブランド確立近道」と題する報告書を発表、競争力強化に向けての40の提言を行った。それを「デザイン政策ルネッサンス」と位置づけており、繊維では「パリ、ミラノに負けないわが国のブランドイメージ確立が大きな課題」として、データベース整備や人材育成を支援する。
政府は02年度の「ものづくり基盤技術振興基本法第8条に基づく年次報告」(ものづくり白書)を公表。副題を「日本製造業の復権に向けた戦略的取組み」とした今年の白書は、日本の製造業が引き続いて経済の推進力となるためには、東アジアでの事業展開とともに、技術開発などによる国内立地製造業の競争力の維持強化が重要との基本認識を明確にしている。競争力強化のための取組みとして、高付加価値をもたらす技術・IT・デザインの戦略的開発・活用、開発した技術の保全管理、海外における新たな市場開拓の推進、「選択と集中」・企業改革の推進をあげている。
経済産業省は、繊維産業の国内生産減少により各産地を中心に深刻な事態に陥っている点を重視、繊維産業再生には輸出振興などが緊急の課題として、「繊維製品海外市場開拓調査」を日本繊維産業連盟に委託、このほど報告書をまとめた。それによると、興隆する中国の富裕層をはじめとするアジア市場の需要に対し、コスト競争力のあるアジア諸国の加工能力を活用した国際分業の重要性を強調、技術を集約して個性あふれるオリジナルな商品を通じてジャパン・ブランドを確立し、官民一体で輸出振興戦略を構築するよう提言している。
経済産業省は、02年度補正および03年度の提案公募型技術開発事業について、繊維関係で5件(前年度2件)を採択。これは「川中の自立事業だけでなく、川上、川下も強化して繊維産業全体の競争力強化」を図るのが狙い。全体では2,399件の申請のうち342件が、繊維関係では13件の申請のうち、次の5件が採択された。 ・連続生産を目指した電子線グラフト重合法による繊維機能強化技術の開発(福井県産業技術センタ−) ・斜め織り織物の開発と高性能・高機能 繊維系製品の開発(新産業創造研究所) ・スチ−ムジェットを用いたウ−ル製品の新しい製造・加工方法(三菱レイヨン・エンジニアリング) ・環境に優しい羊毛繊維の連続防縮加工装置の開発(クラボウ) ・高性能で経済性のあるCLFE(炭素長繊維強化エンジニアリングプラスチック)成型材料のマスタ−ペレット化における開発(丸八)
今年度の「中小繊維製造業者自立事業」には、575件の申請があった。個別審査に入り、7月末に交付先を決定する。今年度の事業予算は30億円で、繊維課では1件3,000万円、100件程度の補助金交付を想定していたが、各案件の内容と照らしながら、採択案件の目安を見直す方向である。
中小企業庁は、中小企業の事業化に直結する実用化技術開発を支援する03年度「創造技術研究開発費補助金」の採択案件を決めた。584件の公募から繊維等関連業界の花菱縫製(岩規市)、紅三(足利市)、細谷信吉商店(山形市)を含む176件が採択された。補助金は1件当たり4,500万円以内で事業費の1/2以内。繊維関係は「地域新生コンソーシアム研究開発事業」が2件、「地域新規産業創造技術開発費補助金」が2件、「創造技術研究開発補助金」が補正で1件、今年度当初で3件と、今年度に実施される地域での実用化技術開発事業は計8件となる。またこの助成制度を5年間継続させるために、経産省は法律改正を国会に図るなど、行政側も熱のこもった姿勢を見せている。
ユニチカテキスタイルが提案する溶剤紡糸セルロース繊維「リヨセル・バイ・レンチング」(以下、リヨセル)の技術解説。紡績〜染色加工までを同社の技術により製造された素材を「SyLPH」の商標で販売。リヨセルの特性では、ポリノジック、レーヨン、綿および羊毛との比較表があり、同繊維は引張強さが大きく、特に湿潤強度が優れている。原綿にはフィブリル化特性のある従来タイプのほか、フィブリル化を押さえたTypeLFが開発されており、その相違が織物の電子顕微鏡写真で示されている。染色特性、商品展開についても触れられている。
伊藤忠商事と西川産業は今秋冬からインド産オーガニツク・コットン製品の販売に入る。伊藤忠がスイスの糸商・リメイ社と提携、スイス政府公認のオーガニック認定協会であるバイオ・インスペクタの認証を得て、20番手と30番手のコーマ糸の輸入を始める。消費者の環境保全への意識は高いとみて、パンダマークで知られる世界自然保護基金(WFF)ジャパンとライセンス契約し、マークを付けた商品を販売していく。WWFのライセンス商品の最初が西川産業と取り組むタオルシーツやバスタオルといった寝具分野となる。その後、肌着や靴下などへの拡販を狙い、3年後には500トンを販売する計画。
環境意識の高まりの中で、地球と人間の優しさを強く配慮した繊維の開発と展開が進んでいる。それらは、リサイクルしやすい繊維、環境負荷を低減する繊維、省資源・省エネルギー繊維、環境に積極的に寄与する繊維などを含む。製造や加工の過程で地球環境に過大な負荷を掛けないだけでなく、使用後までの様々な過程を見据えた対応が求められている。ここでは、各社の地球環境と人間に優しい繊維の一端を紹介している。
伊藤忠商事は毛羽が非常に少ないコンパクトスパンのウール(コンパクトウール)を販売する。すでに綿では広がっているが、ウールでは今年に入ってから開発がスタート。特徴としては@毛羽を50%以下に抑え、シルキーな風合いや清涼感のある感触A糸弾力アップで単糸使いが可能。B先染めのクリア感など。清涼感を生かした春夏向けやフォーマル向けなど幅広い分野への広がりが期待されている。
04年春夏向けの合繊素材は、シルキー調、ドライ感、パウダータッチの3つがキーワードになっている。ポリエステル長繊維の特徴を生かせるもので、トレンドであるエレガントな風合いを加味して、素材の新鮮さを打ち出している。東レ、帝人ファイバー、ユニチカサカイ、三菱レイヨン・テキスタイル、旭陽産業、カネボウ合繊などの取り組みを紹介している。03春夏はシフォンなどの薄地が人気をよんでいるが、04春夏ではさらに拡大が予測され、プリントの復活も期待される。
インコントロ(赤峰幸生社長)とイタリア高級服地メーカー・グアベロは、04年春夏向け紳士服企画で共同開発素材「Y・アカミネ」ラインを販売する。イタリア素材のデリケートさを持ちながら英国素材のように丈夫で、日本の四季に対応した素材をめざして開発。販売は日本に加え一部イタリアでも行う。イデアビエラやプルミエール・ヴィジョンなどへの出品も検討しており、「日本発の素材が世界に通用すれば日本の人たちの自信につながる」(グアベロ)、「日本の産地の空洞化に対して新たな提案になるのでは」(インコントロ)としている。来春夏はウールを主体とする。価格は1m当たり2,500〜3,000円。
タイ・チェンマイを中心とする北タイの伝統繊維が注目を集めている。シルク、綿、麻、ヘンプ、バナナなどの繊維をはじめ、草木、木の実、ハーブなどを原料にした手染め、手織りによる素材がバラエティー豊かになるとともに年々進化を遂げてきている。OEM(相手先ブランド生産)やデザイナーズブランドの対極にある商品だが、自然という付加価値をベースに「タイらしさ」を表現した素朴な素材とその素材を生かした布製品などが日本の中で着実にマーケットを作りつつある。
シキボウは、クラリアントなど3社で共同開発し、レーザー光線で文字や画像を描くことができるポリエステル繊維を開発した。この繊維は、スイスの機能化学品製造会社クラリアントが開発した繊維用のレーザー発色剤を配合しており、製品にレーザー光線をスポット照射すると、照射された部分が変色するため、精度が高い不滅のマーキングが可能になる。現在、1本の糸に字や絵をマーキングするためのレーザー照射装置や照射条件の検討を浜松工業技術センターと共同で行っている。可能になれば虫眼鏡や顕微鏡で見ないと判別できないような微小な隠しマークを入れることができるようになり、ブランド品の偽造防止にも利用できる。
真空蒸着総合メーカーの麗光(本社京都市)は、ラメ糸シリーズ「レイコー・ラメ・セッション」で、繊維製品の安全性に関する国際規格「エコテックス規格100T類」を取得。従来のラメ糸に使われていたホルマリンを含んでいないため、乳幼児でも使用できるという厳しい基準をクリアした。同シリーズはナイロン・フィルムをベースに錫を蒸着させたラメ糸で、今までのポリエステル・フィルムをベースにアルミニウムを蒸着させたラメ糸に対して、ソフトさや家庭洗濯可能などの機能面を充実。婦人服やセーター以外にも子供服やインナー、スポーツ、インテリアなどへの用途拡大を進める考え。
富士紡は、キトサンを練り込んだポリノジック繊維「キトポリィ」の代替品として、キトサンを練り込んだハイ・ウエット・モジュラス(HWM)レーヨン「キトセル」を10月から販売する。この代替品の製造は、台湾の化合繊製造大手、台湾化繊に委託する。従来品と比べて強力は若干低いが、抗菌性は同等であり、年明けには「キトポリィ」製品が「キトセル」使いに切り替わる形にする。
天然繊維は、優れた技術で時間と手間をかけて仕上げをすれば、その効果が正直に現れる。上質指向の強まりを受けて、スローなファブリックの人気が高まっている。時間をかけ、じっくり熟成した天然素材には、速さだけを追求したファースト・ファブリックにはない味わいと豊かさがある。メーカーのいわなかは、ウールの良さを引き出すダブルシュランクと呼ばれる工程を百貨店向けなどの高級毛織物に採用。御幸毛織は天然石鹸による洗いとペーパープレスにこだわる。
ミズノと三菱レーヨン・テキスタイルは、水分を吸収すると伸び、乾燥すると元に戻る性質の繊維素材「ダイナミックエアリー」を共同開発したと発表。水分を吸うと通気性が高まる。04年4月にもスポーツシャツなど発売。
ドイツのレーヨン長繊維メーカー、エンカは日本での販売を強化する。テキスタイルメーカー、ヤーンメーカーと組んだ生産チーム作りやアパレルメーカーとの共同マーケティングに乗り出す考えで、昨年500トン弱の販売実績から今年は1,000トンに伸ばす計画。日本向けの窓口は旭陽産業と新東京旭。旭化成の生産撤退に伴い、日本での販売を本格化した。当面は12月に開かれるジャパン・クリエーションでPRする予定。エンカのレーヨン長繊維の生産は年間18,000トン。裏地向け、アウター向けが半々で、販売先は欧州が70%を占めている。
高級レディスニットのフェルモ企画(本社東京)は、カナダ・パンフ国立公園産の年産2トン程度の希少繊維「キヴィアック」を管理・出荷するジャック・カルティエ社から日本国内独占販売権を取得。イタリアなどで紡績した後、関連会社で編み立て、製品を上質指向の小売店へ販売を強化している。キヴィアックは、カナダ北部のツンドラ地帯に生息するジャコウ牛の産毛。この毛が「氷河期でも絶滅をまぬがれた要因という。絹のように繊細な糸質による柔らかさと60グラム以下でセーターが作れる軽さを特徴とする。糸値が10万円以上/kg、100%使用の6分袖セーターで小売価格89,000円の超高級品である。
染色後の水洗いなどが不要なポリマー染色技術を開発したデンエンチョウフ・ロマン(本社東京)は、短時間で簡単に染色できる特徴を生かし、アパレルメーカーなどのサンプル見本、中ロットのプリントを受注販売する新会社、ロマンテックスを設立した。ポリマー染色は、染色前に浸透剤と固着剤を混ぜた溶液を含浸させるだけで、色が染まり、染色後のソーピング(洗浄、水洗い、乾燥)が不要という技術。天然繊維、化合繊の糸、織物、皮革などを一般家庭のパソコン用インクジェットプリンターでも染められる。デザインのデータベース化には、カネボウファッション研究所の支援を得ている。
カネボウ繊維は滋賀・長浜工場で染色加工する環境対応型素材群を「ISOP(イソップ)クラブ」と名付け、光触媒消臭繊維など5ブランドで開始する。光触媒消臭繊維として今回開発した「サンアルファ」は、超微粒子の酸化チタンを繊維に強く固着させ、洗濯耐久性に優れ、ソフトな風合いを保つ。これに加え
①落ち綿再利用繊維「ベルライフ」
②生分解繊維「とうもろこし繊維」
③マイナスイオン加工繊維「イオーネ」
④紫外線カット繊維「ナビユーブイ」をISOPクラブとして、長浜工場が利用する琵琶湖のマークの下げ札を設け、「地球、環境、人にやさしい生活」を提案する。
井上プリーツは綿織物のウオッシャブル・プリーツを開発した。綿はしわになりやすく、水洗いするとプリーツを保持することが難しかったが、技術改良に取り組み、実現したもの。反応性樹脂によるセルロース主査間の架橋結合の生成、マーセル化による繊維断面の安定化、プリーツセット(熱処理)最適条件の検討、セット後の洗い加工などが技術コンセプト。これによってしわになりにくく、柔らかいプリーツ製品を実現できる。洗濯でしわが付いても、アイロンで蒸気をあてると、しわが取れ、プリーツが復元するという。
東レは、リン系物質を主成分とする非ハロゲン難燃剤を使用したポリエステル難燃素材「アンフラ−EF」を開発し、1日からカーテンを主とするインテリア用途に発売した。従来のインテリア用難燃素材には、コスト面からハロゲン系難燃素材が主に使われてきたが、ダイオキシン発生の懸念があるため、消費者の環境意識の高まりに伴い、非ハロゲン系難燃剤の開発が要望されていた。東レは、新たに開発した難燃剤と繊維高次加工技術を組み合わせることにより、難燃剤成分をポリエステル繊維製品の繊維内部と表面にむらなく吸着させることを可能にし、安定した難燃性能を付与させることに成功した。
小松精練の黒の染色に新しい質感を持たせた「タトゥープリント」(仮称)加工が好調な販売を続けている。タトゥープリントは、濃染とプリントの技術を組み合わせた加工で、近づいてみると灰色がかった模様がうっすらと浮かび上がる。黒無地の一種に位置付けているが、「黒の深みを影で表現」し、無地感覚で表面変化を持に見られるのが特徴。場面に応じた着回しが必要とされる婦人服市場に対応し、ブラックフォーマルの展示会でも「フォーマルにもカジュアルにも着こなせる」との評価を得ている。キャリア、ミセスを対象にしたアパレルメーカー6、7社が取り入れている。
デジタルプリントの世界的な企業、ストーク(本社オランダ)が日本市場に参入する。輸入販売・代理店業務のアディング(本社東京)と日本におけるデジタルプリント関連の代理店契約を結び、同社を通じて日本国内のアパレル関連メーカーや小売業を対象に事業をスタートする。ストークは欧米のアパレル、スポーツ有力企業を顧客に持つ。プリント柄や素材など先端的な情報を武器に日本市場を開拓し、国内の水着製造・販売やスポーツメーカーなどと取引を始める。今後、アパレルやスポーツ、下着などをはじめ、インテリア関連企業などデジタルプリントを活用する幅広い業界に事業を広げる。
東レのマイクロファイバー事業部は、銀面調の人工皮革「ディパー」と合成皮革「エアヌールを開発、03〜04年秋冬向けから販売する。東レの人工皮革はスエード調「エクセーヌ」が主力だが、銀面調を揃えたことで、「市場の需要に広く対応できる」とみている。新たに開発した2素材は、ナイロン原綿を用いた専用の基布を用いている。0.2デニールの繊維を使用し、加工の方式は湿式、乾式のほか、「どちらとも呼べない」ケースもある。過去にも銀綿調を投入したことはあったが、専用の原綿から開発に取り組んだのは初めてとなる。
第一化成(本社八王子市)は合成皮革「カプリタス」で新タイプ「カプリタス・フィネス」を開発、03〜04秋冬向けから本格販売に入った。特徴は、従来品に比べて、ソフトで軽く、通気性、耐洗濯性に優れている点。カプリタスは、一般に0.7mmの薄さの基布を用いているが、フィネスの基布は0.5〜0.6mmと、より薄くして軽さを追求。基布はキュプラ80%、ナイロン20%の編物を使用し、「コーティング技術を駆使することで、通気性を実現した」という。主な用途は、キャリアゾーンのジャケット、ハーフコート向け。新商品はフィネスのほか、ニットをベースにしたスエード調素材の開発に取り組んでいる。
米国デュポン社が開発したポリエステルエラストマー「ハイトレル」の膜「アクティブメンブレン」が紹介されている。ハイトレルは結晶性芳香族ポリエステル(主にPBT)をハードセグメント、ポリエーテルをソフトセグメントとするブロック共重合体であり、成膜したアクティブメンブレンは、親水性の無孔質膜である。無孔質でありながら透湿性があり、膜厚12μmのファブリックラミネート用でJIS L 1099 A-1法による透湿度は6,000g/u/hrと報告されている。普通、織物や不織布と複合して用いるが、その方法にフィルムラミネーションと押し出しラミネーションがある。
スクリーン捺染機トップメーカーの東伸工業(兵庫県尼崎市)は、新型インクジェツトプリンター「一ノ瀬2020」によるプリントの需要を促進させるため、ユーザーの染色工場など5社と合同で、「ファッション・プロデュース・ビジネス・フェア」(FPB)に出展する。機器メーカーがユーザーを組織し、自社の機器で生産した商品の需要拡大へ乗り出すのは珍しく、新しい販売促進、マーケティング手法として注目される。一ノ瀬2020の生産速度は世界最速(最高60u/hr)、多色ヘッドで深みのある多色が可能、コンベアベルト搬送方式で長尺物、ピース品も加工ができることなどを特徴にしている。
ストッキングメーカーが夏向け商品を拡充している。グンゼが発売した商品は、UV吸収剤を繊維全体に付着させたもので、従来の商品に比べて約40%防止効果を高めている。福助は履くとひんやり感じる素材を使った商品を発売した。さらにカテキン(緑茶から抽出)を付着させて、においの原因となる菌の発生を防ぐ効果がある。アツギはガムなど食品にも使われている成分、エリストールを繊維につけた。肌とストッキングの間の余分な水分や熱を吸収し、涼しく蒸れにくいという。編目が大きく通気性に優れた商品もある。
セーレンは消費者がパソコン上で、約54万通りの組み合わせから好きな女性用水着のデザインを選び商品化するサービスを始めた。セーレンが開発したデジタル染色システム「ビスコテックス」を小売店で操作して、水着の型や柄、上下の組み合わせ、サイズを選び、ネットを使って発注する。注文してから2週間以内に店に商品が届き、消費者は店頭で受け取る仕組み。日経、〔03・5・29(31)〕には「ぴったり水着をオーダーメード」の記事も。
米アパレル・アクセサリーメーカーの大手50社の02年度決算は、平均で前期比売上高1.8%減、当期利益は33%減となった。大手が資金力を背景に中堅メーカーを買収、寡占化が進んでいる。業種ではスポーツが優位に立っている。
ナイガイは愛犬家のためのライフスタイル提案に主眼をおいた新規事業に参入した。米国のドック関連有力ブランド「フィフィ&ロメオ」とライセンス契約を締結し、本格展開をスタートする。「フィフィ&ロメオ」はハンドメイドの良さを活かしたドッグキャリーバッグなどをはじめとする主力のドッグ関連グッズを中心にレディースアパレルやベビーウエア、ステーショナリーから食器までと幅広く事業を展開している。
信州大学繊維学部はこのほど産学共同で「健康衣料と、オンデマンド(対話型受注生産)対応で生産する製造技術」の研究開発を始めた。同研究は健康衣料の開発にアパレル生産システムを適用するとともに、高付加価値製品をユーザーに供給するのが狙い。健康衣料の開発では、健康状態の計測と評価、健康増進機能を持つ衣料(衣服内気候調整による健康増進と体質改善衣料)が対象となる。オンデマンド製造技術の開発では、小ロット生産、低製造原価を可能とする自動縫製技術(立体縫製)等の研究に取り組む。
オンワード樫山は、6月から素材取引先約90社と「標準試験要領」「標準試験書」の運用を開始した。ATネット推進委員会の物性WGが検討してきたもので、導入の動きが他社にも広がれば、検査基準の標準化につながると期待されている。
百貨店の03年度設備投資は、上場大手7社の連結合計で812億円と前期比で35%減少、連結決算が始まって以来最も低い数値。大型投資しても、それに見合う収益の確保が難しいなどの判断が抑制につながっている。
東京・原宿に帽子ショップが続々出店している。98年に「カシラ」(CA4LA)原宿本店がオープンして以降、同店がリードする形で原宿の帽子需要が広がり、ここ数年のヤングの帽子人気の上昇で。一気に帽子ショップが増えた。原宿地区の帽子消費はまだまだ潜在力がありそうだ。
英小売調査会社M+Mプラネット・リテールは02年度世界の小売業の売上高上位100社ランキングをまとめた。上位30社の顔ぶれは前年と変わらないが、経営破綻したKマートが、順位を下げた。日本企業はイトーヨーカ堂(6位)、イオン(20位)、ダイエー(28位)、ユニー(29位)であった。
大手百貨店は今夏のミセス向け婦人服の端境期対策で、盛夏物のプロパー商品を拡大する。昨年までは「秋色夏素材」などで秋のトレンド要素を取り入れた商品を早期投入してきたが、暑さが続くうちはそれらの動きが鈍いため、夏の売れ筋でまとめた期中新企画に切り替えることにした。端境期に売れ筋を確保するため消化率約束の契約を導入したり、逆提案した商品を完全買い取りするといった取り組みは引き続き拡大している。
6月の環境月間に合わせ、量販店各社は清掃活動やレジ袋削減のための「買い物袋持参運動」などに取組む。子供向けに環境負荷軽減効果を発表するなど、内容が年々多彩になってきた。
「アートデニム」「タトゥデニム」と呼ばれる派手な装飾を付けたデニム生地の商品が続々登場している。カジュアルな素材のわりに値が張るが、普通のデニムで満足できず一点ものを求める女性に人気が高く、売れ行きは好調。ジーンズ業界でも中古品に次ぐ、新しい差異化商品として期待を集めている。
「東京・銀座の西並木通りを丸ごとギャラリー」に見立てたファッションイベントが来年3月に産学協同で取り組まれる。女子美術大学や銀座西並木通り商店振興会などが主催する「コミュニティー・コミュニケーション銀座西並木通り−プレファブコート」(仮称)である。この企画の狙いは21世紀のデザインの在り方を衣服から考察することにある。衣服と印刷(プリンター)を媒体にコミュニケーションを試みる。社会に対するデザイン商品の普及、商品化なども視野に入れている。
ワコールと高島屋大阪店は洋服に合わせた下着を薦めるという新しい売り場を設けた。10代後半から20代前半を主な対象とするヤングカジュアル衣料売り場の店頭にTシャツ用ブラジャーとショーツを展示した。カジュアル衣料の販売員も、客からの洋服に合った下着の問い合わせに応じられるようにする。
量販店で実用衣料の専門店型売り場をつくる動きが本格化しようとしている。食品売り場の上層の効率改善は各社の課題だが、衣料品でも1000前後の売り場で日常向けに絞った“業態”なら可能性はある。主力のGMS(総合小売業)よりも価格帯が下の商品を扱うだけに、ローコスト運営の確立が重点になっている。
ジュニアブランドと音楽業界との協業が広がっている。同世代をターゲットにした女性のアイドルグループと、知名度が広く浸透しているジュニアブランドとの相乗効果をねらったものだ。アパレル側はファッションブラントとしてのイメージアップ、音楽業界は新たなファン層の拡大に結びつけようとする試みだ。ジュニアブランドは従来の雑誌媒体や店頭イベントによる販促活動だけでなく、商品イメージを維持・向上させる多面的なブランド戦略に乗り出している。
大型店が前年割れを続けている中で、テレビ通販が成長している。日本通信販売協会によると加盟企業だけで02年度2千億円の市場規模で、成長し続けているという。理由は、対面販売の妙にたどり着くと、分析している。協会調査での購入品目では、婦人衣料品が1位、紳士衣料品が3位、下着が5位と衣料品が上位を占めている。
繊研集計による株式が公開されている小売業96社の最新決算で売上を伸ばしているのは45社、全体では、マイナスが続いているものの、経費削減や粗利益率の改善に力を注いで体質強化に努め、7割が増益になっている。業態別では、専門店は増収になっているが、百貨店や量販店といった大型店が苦戦をしている。
紳士服専門店業界で、流通再編の波が押し寄せつつある。1月にコナカとフタタが資本・業務提携したのに続き、6月7日にはアオキインターナショナルとトリイも資本・業務提携を決め、アオキインターナショナルがトリイを連結対象子会社とすることで合意した。こうした一連の流れは、デフレ環境下で大手紳士服専門店チェーン間に、し烈な価格競争が起きている現況から、各社が規模の拡大によるスケールメリットの発揮を求めることが、背景にある。特に展開エリアが全国区ではない企業同士のグループ化が進んでいきそうだ。
デザインを売るショップが注目を集めている。デザインショップはデザインを楽しみたい多くの人を対象にする。だから、こだわりが強い一品を集めるマニア向けの売り場とは違う。揃えるのは、オリジナル企画、アーティストとのコラボレーション品やデザインされた日常雑貨などだ。バイヤーが世界中から自分が良いと思うものを集めるセレクトショップにはない品揃えだ。売り場環境も、ギャラリーにショップを併設するなど独特だ。
凸版印刷は住金物産と共同で、ICチップを搭載したタグ(荷札)を使ったアパレル業界向け物流管理システムを開発した。10月から実証実験を開始、来年度中に店舗での運用を始める。中国の縫製工場でICタグを衣料に装着し、物流センターから店舗までの流通の全課程を網羅できる。これまで工場内や物流センター内でのICタグ利用はあったが、国をまたぐICタグシステムの構築は初めて。計画では、住金物産の中国の関連工場20社の協力を得て、10万枚程度の衣服にタグを装着、システムの動作状況を確認する。第2段階として04年春に最大300万枚の衣服に装着、小売店舗30店で効果を実証する。最終的には住金物産が1年間に輸入する2〜3億枚の衣服すべてにタグを装着し、物流管理に生かす。
百貨店各社で、紳士用売り場をテコ入れする動きが広がっている。従来のブランド別から、アイテム別に陳列を切り替えて顧客が選びやすくしたり、接客サービスを見直したりして、来店を促す。女性中心だった百貨店も、男性の買い物が楽しめる売り場に変身し始めている。
繊研が全国の専門店(有効回答102社)への調査によると、SCの営業延長に7割を越えて反対、賛成は1割に過ぎなかった。反対理由はコスト増や従業員確保が困難など。直営売り場ばかりでなく、テナントにも夜間営業を求める量販店にとっては、メリットの説明責任を突きつけられたとしている。
全ク連を核とする自主的研究基金で運営されている「クリーニングと公衆衛生に関する研究委員会」は、14年度研究課題の1つで「衣類のドライクリーニング処理後の家庭洗濯による洗濯水中のテトラクロロエチレンの濃度」の調査研究を行い、「ドライを行った衣類を家庭洗濯することは水質環境保全上問題があり、家庭でウエットクリーニングは行わないよう指導普及することが望ましい」と発表した。
東芝お客様部は、「お洗濯に関する主婦調査」データを発表。約4割がクリーニング代節約との回答。クリーニング店に出さずに家で洗うようになったものは、セーターが66%、毛布が50%、ワイシャツは42%、ブラウスは37%となり、この4種類が家計の節約アイテムとなっている。毎月のクリーニング代は、1,000円〜3,000円が66%で全体の3分の2を占め、次は0円で15%であった。
クリーニング各社が新サービスを相次ぎ開始している。白洋舎は従業員が顧客を訪問して衣料を集配する「ルートサービス」を始めた。また通常のクリーニングは数十着を同じ機械に入れて汚れを落とすが、他人の服を別にして、自分の服だけを1着ずつ洗うサービスも用意した。通常料金の3.5倍だが、需要があるという。喜久屋は10月から衣類の保管サービスを全国から受け付ける。顧客はネットでしみ抜きや防水加工などを指定できる。ハッピーは店舗を持たずに宅配便のみを受け付けている。衣料の保管サービスもある。
衣類の汚れの種類や性質、素材による汚れやすさ、家庭洗濯取り扱い絵表示の記号と意味、洗剤の基礎知識、シミ抜きのポイント、環境を考慮した炭と塩を使った洗濯の例等を紹介。そして、ドライクリーニングとランドリーの違い、クリーニング店の選び方、かしこいクリーニング店の利用法、クリーニングトラブルに合わないために注意する事柄が記載されている。また、同センターのクリーニングトラブルの相談は、平成14年度全相談件数(4,000件)の2%であった。
釣りやマリンスポーツで愛用されているライフジャケットは、命を守るために大変有効だがその性能や表示はどうなのか6銘柄をテスト。その結果、サイズは表示が同じでも大きさはバラバラ。浮力は全銘柄とも十分。浮力材の耐久性、生地の丈夫さも問題なし。正しく着用した場合には、脱落はなかった。ジャケットを着用し浮遊した時水面から口までの高さ、浮遊角度ともに性能に問題なし。ジャケットの主要部分が繊維であるにもかかわらず家庭用品品質表示法の対象外のため繊維製品としての表示が不十分。正しい着用方法、取り扱い方法の記載は全体的に不十分であった。購入時は試着をすること。事前に浮力体験をしておくことをアドバイス。
今年買いたいボトムは圧倒的にパンツ。欲しいプリーツはシェル。81年から23年間、井上プリーツが新宿、銀座、原宿、渋谷の街頭で定点観測しているもので、買いたいボトムは昨年に続き圧倒的にパンツ。ヤング、ミッシー、ミセスが1番に挙げ、残るレディーも2位で、パンツルックが根強いことを示している。第2位はフレアスカート、昨年10位だったミニスカートが3位に上昇した。プリーツスカートは昨年の8位から6位に上がった。今年欲しいプリーツスカートでは、第1位がシェル、2位がボックス、3位は上消し下消しと続く。
日経産業消費研究所が首都・近畿圏に住む20〜60代の消費者モニター700人を対象に通販調査をしたところ、過去一年間にカタログやテレビショッピングなど通販を利用したのは70%であった。その中で買ったものは、衣料品37%、健康・栄養食品26%、食品・飲料22%、下着22%、化粧品22%となっている。特に、衣料品は女性が46%、うち30代52%、40代63%と高くなっている。
愛媛県生活センターでは、VOCを吸着・分解すると言う機能性カーテンの試買テストを実施。染色堅ろう度などは問題なかった。ホルムアルデヒドの吸着・分解も十分な効果があった。
ゴルフやテニス衣料について、炎天下で多量の汗が付着しても耐えられる素材か、また、汗の成分や光の照射量が変退色にどのような影響を及ぼすかのテストをした。光と汗の複合作用による変退色は①JIS規格試験②ATTS③照射時間を長くした方法でテスト。①では、10品目全て良好。②,③では一部に変退色あり。テストの結果、汗成分や太陽光の条件により変色するものがあった。クリーニング後の変退色トラブル発生になることもある。汗の付着時間が長いほど発生しやすい。着用後はすみやかに水洗いをする。汗汚れ除去のためには、水洗い可のものを選ぶ。表示(S,M,L)はメーカーにより規格が違うので購入時には、胸囲、胴囲など身体寸法を選ぶことをアドバイス。
回収されたペットボトルから作る繊維の改良が進んでいる。「地球に優しい」がうたい文句だが品質はどうか。滋賀県立消費生活センターでは、染色堅ろう度、防しわ性、ピリング性、燃焼性について9銘柄(ポリエステル55〜65%、綿35〜40%)テストした。JIS規格等と比較して光と洗濯基準は満たしている。摩擦変化も参考基準内。防しわ性は3銘柄が参考基準より劣っていた。火がつくと早いものは約5秒で燃えあがり、着火後いずれも生地が消失するまで燃え続けた。ペットボトルリサイクル製品のアンケート調査では、「省資源」「環境に優しい」のイメージで「購入したい」「条件があえば購入したい」は、98%あり、環境への感心が高い。一方ペットボトルを利用しすぎる生活習慣の見直しを求める声もあった。
日本化学繊維協会が発表した「地球環境行動計画指針」によると、化合繊業界として①地球環境を汚染せず、環境負荷に配慮した生産を行う②地球に優しい商品・技術開発を進める③生産した商品のリサイクルに積極的に取り組む方針。その結果、エネルギー単位を2010年までに90年対比10%削減、産業廃棄物の外部委託最終埋立処理量も40%削減を目指す。
ファッション産業人材育成機構(IFI)は川中製造業で起業や新規事業を立ち上げようとしている人を対象に、FIT講座を参考に実験する。経済産業省が推進している繊維川中中小企業の自立支援「創業・起業促進型人材育成システム開発事業」の一環で、米国講師を招き、カリキュラムを構築する狙い。
繊維総合見本市のJC(ジャパン・クリエーション)が海外企業に門戸をJC2005以降解放することが繊維7工連代表者会議で決まった。年々出展者規模が拡大、来場者が増えているにもかかわらず、海外バイヤーの来場が伸び悩んでいる。彼らをより多く来場してもらい、日本国内だけでなく、グローバルに生きられるテキスタイル企業に脱皮する推進力になると期待されている。
日本貿易保険は、SARSによる損失を海外投資保険の保証対象に加えた。疫病を海外投資保険の補償対象としたのはこれが初めて。投資先企業において@事業の継続不能A破産B銀行による取引停止などの事態が生じた場合、これによって受けた損失を海外投資保険の補償対象とする。
日本アパレル産業協会は旧東京婦人子供服工業組合が開催していた「東京ファッションウイーク」(TFW)を復活させ、国内販売促進事業を強化する。TFWは2000年までの25年間、専門店バイヤーを主力対象に年2回開いてきた。新生TFWは新たなロゴでスタートし、将来は合同展示会やイベントも視野に入れるが、まず展示会スケジュールを統一し、分散され非効率になっている現状を打開する。
東海大学の西義武教授は炭素繊維と金属を強く接合させる実験に成功した。炭素繊維を使うことで、鉄とアルミニウムなど接合できない金属板同士をつないだり、金属の強度を高めたりできるとみている。実験では炭素繊維を約百本束ね、電気を流し発熱した束を鉄板に近づけ、鉄の表面を溶かしながら束を埋め込んだ。一般に金属は冷えて固まると体積が減少し、縮むことで締め付ける力が生まれ、強く接合する。また高強度プラスチックのように炭素繊維を混ぜて強くする発想が金属材料にはなかったが、アルミに炭素繊維を埋め込めば、鉄並みの強さを持つアルミも不可能ではないという。
衣料管理士、テキスタイルアドバイザー(TA)をファッション製品の企画・設計から販売、品質保証、消費者対応までを担うプロとして紹介、設立からの挑戦ぶりを追っている。
ディリーヤマザキは7月15日から8月末日まで全店舗と本部の従業員がTシャツ姿で勤務する。夏場の電力需要逼迫に備え、事務所の温度設定を28℃、店舗は26℃を厳守させる。Tシャツには販売促進キャンペーンのメッセージを記載、宣伝を兼ねる。同社によるとTシャツ着用は、ネクタイ・ワイシャツ姿に比べ体感温度が2〜3℃下がるという。
東京都立産業技術研究所は、03年度の研究発表会を行った。そのうち、繊維技術に関する9つの内容を紹介している。3次元から展開するテキスタイルデザインとその製品化技術の開発、繊維製品の非破壊によるクレーム解析試験の体系化、バナナの廃材を利用した紡績糸及び織物など。
①応募作品 ミシンを活用して小物、インテリア作品を製作したもので、自作で未発表のもの
②応募期間 平成15年7月〜11月10日
③応募先・お問い合わせ先 〒105-0003 東京都港区西新橋1-14-12 不二ビル
(社)日本縫製機械工業会 TEL 03-3597-0470
①8月20日
②大阪市立北区民センター
③企業が危機を乗り越えるための知恵(苦情処理・消費者対応)
④日本繊維製品消費科学会 学会センター関西内「日本繊維製品消費科学会」係 TEL 06-6873-2301
①8月22日
②大阪科学技術センター
③高強度ポリエチレン繊維とゲル紡糸法、PVA繊維と有機溶剤湿式冷却ゲル紡糸、ポリ乳酸繊維の現状と将来展望、極細繊維−その製法と展開、他
④日本繊維機械学会 TEL 06-6443-4691
①8月29日〜30日
②JR天王寺駅横MIO前集合
③島精機製作所:無縫製型(ホールガーメント)編機などのコンピュータ横編機の開発・製造・販売、花王和歌山工場:家庭用製品及び工業用製品の製造、他
④日本繊維製品消費科学会関西支部 申込先:京都女子大学生活造形学科 矢井田修 TEL 075-531-7174
①9月4日
②名古屋市中小企業振興会館
③欧米のクリーニング事情、クレーム事例勉強会報告、洗乾一体型洗濯機と衣料、商業クリーニングにおけるウエットクリーニング、家庭洗濯機最前線、進化する洗剤、水系洗濯後の純毛スーツ仕上げ法、他
④繊維評価技術協議会 TEL 06-6358-7747
①9月10日
②JR名古屋駅西口集合(貸切バス使用)
③■見学:綴織実演および着物ショー(西陣織会館)、緞帳製織工程および帯手織作業(川島織物工場)、美術工芸織物・インテリア製品(川島織物文化館)、他
■講演:シックハウス対応機能カーテンの取り組み
④繊維学会東海支部他共催 申込先:金城学院大学生活環境学部 成瀬正春 TEL 052-798-0180
①9月12日〜13日
②琵琶湖リゾートクラブ
③繊維廃棄物からのものづくり、アパレル製品リサイクルの動向、無縫製ニットウェアホールガーメント、パネルディスカッション「リフォーム・リユース・リサイクルとファッションビジネス、他
④日本繊維製品消費科学会 学会センター関西内「日本繊維製品消費科学会」係 TEL 06-6873-2301
①9月26日
②奈良女子大学生活環境学部
③赤外線サーモグラフィーによる温度計測技術の進歩と最近の話題、小空間における温湿度計測と湿度制御方法について、体圧分布測定装置の紹介と使用例、他
④日本繊維製品消費科学会 学会センター関西内「日本繊維製品消費科学会係 TEL 06-6873-2301
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:中島利誠/発行人:大谷芳男