ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧(2003年度:第20巻〜)→
経済産業省は、わが国繊維製造業の世界的な技術優位性を堅持するため、03年度の繊維技術開発予算を前年度比23.4%増の13億7901万円を計上した。中国などの激しい追い上げを背景に、化合繊の川中などから抜本的な技術開発を求める声も強く、「非衣料分野では最大の切り札」であり、04年度概算要求では先行的に進めている5つの技術開発で4億8500万円と52.5%増を要求するなど技術開発支援を一層強化する方針である。
経済産業省は、中小製造業者の自立支援の一環として、繊維人材育成研究会を立ち上げ、教育訓練プログラム開発とコーディネータ−・専門人材のマッチングシステムを検討する。並行して、自立事業への申請支援も別に実行する。同研究会は松田正夫・大阪繊維リソースセンター顧問を議長に、IFI、各地のリソースセンター、テキスタイル・アパレル関係者などで構成。今年度は、現在ある人材育成プログラムの評価とともに、高度な専門人材のうち育成の緊急性が高いものを特定し、具体的な教育プログラムとマッチングシステム構築を検討する。来年2月までにまとめ、4月には実行に入る。
経済産業省は、中小企業総合事業団の繊維関係基金を廃止・縮小する法案の骨子を固め、来春の通常国会に改正案を提出する。この結果、廃止・縮小される基金に相当する額が、中小繊維製造業者の自立事業に向こう数年間、集中的に投入される。繊維関係3基金の総額は165億円で、廃止・縮小によって自立事業に充てられる額は150億円程度になるとみられる。
経済産業省は繊維製品3R推進会議を開き、LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)調査や日本古着小売業協同組合などの報告を受けた。LCA調査は繊維製品のライフサイクル全体を見通して環境負荷を定量的に把握するもので、これまでに例がない。同調査は最終製品の全製造工程とリサイクルの消費エネルギ−・環境負荷を試算し、新規製造の場合と比較した。リサイクルの方が大幅に消費エネルギ−・環境負荷が小さいという結果が出た。3R推進の理論的な根拠を示したといえる。今後はデ−タの活用が課題となる。
財務省が発表した4〜9月貿易統計(速報)によると、繊維製品の輸入総額は前年同期比5.4%増となった。このうち、衣類・同付属品は8.4%増。前年同期は7割以上を占める中国からの輸入減で3年ぶりに減少したが、今年は再び増加した。同時に発表した9月の中国からの衣類輸入は、2ヶ月ぶりに2ケタ増となった。輸出は繊維および同製品が207億6900万円(0.7%増)、うち合成繊維織物は128億200万円と横ばいだった。
経済産業省の北村俊昭製造産業局長は、日本繊維輸出機構が計画している中小繊維企業の中国でのビジネスをバックアップする拠点開設について、積極的に支援する考えを明らかにした。北村局長は「日本企業がまとまることで大きな効果をあげ、商談の入り口に入った企業も多い。問題はどうビジネスにつなげるか。中小企業をバックアップする仕掛けをつくりたい。輸出機構も同じ考えで、全面的に応援したい」と強調。拠点は北京または上海に設け、日本の繊維産業と中国ビジネス慣習に通じた人材を配置する考えだ。
総務省が発表した10月の東京都区部の消費者物価指数は97.8と、前月比0.2%上昇、前年同月比0.1%の下落となった。前年同月比での下落は99年10月以降4年1ヶ月連続。費目別では、「被服および履物」は98.5と前月比1.5%上昇。前月比は9月の4ヶ月ぶりの上昇に続き2ヶ月連続して上昇した。「被服および履物」の内訳は、前月比では男児ズボンなどが値上がりし「洋服」が2.2%上昇、「シャツ・セーター類」も2.1%上昇した。「生地・糸類」は5.3%の上昇。「衣類関連サ−ビス」の0.5%下落を除き衣料品関連項目すべてが上昇した。
岐阜地区の婦人アパレルメ−カ−の原産地表示について調査していた公正取引委員会は、景品表示法の「原産国の不当表示」の規定に違反する疑いがあるとして、ガロ、宮部、村克の3社に警告した。3社はそれぞれ中国で縫製した婦人服の「中国製」の表示を取り外すなど、一般消費者に国産と誤認される表示をしていた。また、公取委は3社が加盟する岐阜婦人子供服工業組合に対し、今後同様のことを行なわないよう傘下の組合員に周知するとともに、婦人服の表示の適正化に努めるよう指導することを要望した。
副題:すべてのニーズを満たした一組の取り扱い絵表示が理想ではあるが、(それは不可能としても)グローバルベースの調和したシンボルマークに決着しなければならない。ISO TC 38では、取り扱い絵表示の国際的な合意に努力している。現行のISO絵表示規格ISO3758-1994は96年以降改訂を審議中である。このように長期間を要する理由は、各国のこれに関する法律や習慣に配慮しているためである。94年版ISO規格はGINETEXが登録したシンボルマークを使用しており、欧州各国もこれを了承している。このシンボルマークを使用する国に対して使用料を課すことが出来る。取り扱い絵表示の現状は米国、カナダ、メキシコはおおよそASTMの取り扱い表示システムに従っている。ただし、カナダだけが強制力がない。この北アメリカ方式は日本やISOと大きな差はない。しかしながら、真の国際標準のためには若干の問題が残されている。(この論文では、洗濯、漂白、アイロン、ドライクリーニング、絞り方、干し方の各図柄について、北アメリカ、ISO、日本のものを比較して詳細な説明が加えられている。)
三菱レイヨンは、04〜05年秋冬向けインナー素材で、吸湿発熱素材「ルネスα」、超極細抗ピル・制電アクリル「フェーデ」を重点に据える。ルネスαは、アクリルとアセテートを紡糸段階で複合した原綿「A・H・F」に吸湿発熱加工を施したわたと、マイナスイオン発生アクリルとを複合した素材。フェーデは、抗ピルアクリルと制電アクリル「スーパーエキレル」との複合素材。脱衣時に静電気でパチパチしがちな合繊素材だが、近頃は、消費者の制電機能に対する認知とニーズの高まりが追い風になると見ている。
カネボウ合繊は、17dtex(15D/12F)のポリエステルのハイマルチフィラメント「ベガ」を開発。この糸を高密度に織った1u当たり35gの超軽量タフタ「軽密(かるみつ)」をスポーツウエア、コート、傘用途を中心に、04年秋冬向けから販売に入る。特徴は、ハイマルチ糸の紡糸で生じやすい毛羽や糸切れの発生を解消し、特殊製織技術で引裂き強さやダウンプルーフ性を確保したこと。他社の極細糸使いのタフタでは引裂き強さ保持のためシリコンコーティングなどを行うが、軽密は織密度と染色時の加工のみで、たて・よことも1kgの力に耐える。生地の厚みは0.05mm。価格はアパレル入り480〜550円/m。
ライオンは自社のクリームに配合している肌用美白成分の用途拡大に向け、化粧品以外のメーカーに外販を始める。第一弾としてアツギに製品を供給、アツギが美白効果を売り物にした高機能商品として来年から発売する。この美白成分は南米原産のマメ科植物タラから抽 出したエラグ酸。アツギは新型ストッキングにエラグ酸を採用し、美白効果を前面に出して、百貨店で限定販売する。将来は下着にもエラグ酸を利用する方針。5回洗濯しても当初量の約半分が繊維に残るという。
東レは、吸放湿ナイロン「キュープ」で新3タイプを開発、04年春夏向けから販売する。吸汗速乾の「キュープアクア」は、繊維断面がトライポット(シャープなY断面)型。毛細管現象による吸汗性と、繊維の表面積が大きいことによる速乾性に優れる。防透け性のある「キュープラテ」は、ポリマーに、可視光線や紫外線カット率の高い特殊無機粒子を配合し、防透け性とUVカット性を高めた。光透過性と接触冷感性をもつ「キュープクリアクール」は、熱伝導率の高い無機粒子の屈折率をナイロンに近いものに改良し、ナイロンに加えて高い透明性と接触冷感を実現したもの。価格は従来タイプの2割高。
東洋紡は、ポリオレフィン系弾性繊維「ダウXLA」を事業化すると発表。ポリマー(原料)を開発したザ・ダウ・ケミカルカンパニー(本社・米ミシガン州)と提携し、原料供給を受け、東洋紡が糸を製造・販売する。ダウXLA繊維は、スパンデックスと比べてソフト・ストレッチで、220℃までの耐熱性と塩素や硫酸などの耐薬品性が特徴。耐光性もある。同社のスパンデックス「エスパ」とは性能ですみ分ける。糸は44、78、156デニールの3種。主な用途はインナー、アウター、スポーツなどの衣料と、シート、自動車関連などの非衣料。価格設定はこれからだが、通常のスパンデックスの約2倍を想定する。
テキスタイル特集として記載されているものである。「体にやさしい」「環境にやさしい」という消費者志向の高まりから、新しい原料を使った素材開発を活発化しているとし、テキスタイル各社の素材内容がかなり詳しく一覧表で示されている。竹を素材にしたバンブー繊維、植物自体を解きほぐして繊維にした開繊素材、とうもろこしから生まれたポリ乳酸繊維、大豆たんぱく繊維、カポック、バナナ繊維などの特徴・用途などが解説されている。
カネボウ合繊と出光テクノファインは共同で、温度調節機能ナイロンフィラメント「セルモサポート」を開発。カネボウ合繊が得意とするコンジュゲート技術を駆使し、ナイロン繊維の芯部には、出光テクノファインの「石油系のろうそく」を原料とする温度調節ポリマーを使用。人体に近い温度より上昇すると融解し、身体から熱を吸収する。降温時は凝固して、放熱を繰り返す。このため、外気に対し、衣服内の温度変化をゆるやかに保つ特徴がある。インナー、レッグ、スポーツ、カジュアルウエア、生活関連資材などを用途に04年秋冬向けから販売する。価格は5,000円/kg。テキスタイルも展開する。
帝人ファイバーは、ナノテクノロジーを活用し、新ポリマーを用いて強いフィブリル(薄起毛、ケバ)感、繊細さ、ウォーム感を表現したポリエステル素材「ナーブ」を開発。ポリマー・製糸・後加工技術を改良。ポリマーの段階では、配向抑制型の有機添加物により、十数〜数ナノレベルの間でケバ長を管理するようにした。ブラウス用の薄地(90dtex)から、ジャケット、コート用の厚地(170dtex)まで幅広い生地生産ができる。薄地は繊細かつ強いフィブリルタッチ、厚地はウォーム感のあるフィブリルタッチ、共通して軽量、膨らみ感が特徴。生地値は、ダブル幅で1,200〜2,000円/mで、04〜05年秋冬から販売する。
月桃の商品化を進めているクラボウによる解説。月桃(Alpinia Speciosa K.Schum)は、沖縄の言葉で「サンニン」と呼ばれ、ショウガ科の多年生大型草木である。その茎から繊維を採取する。一次開繊は沖縄で行い、クラボウで二次開繊をして紡績原料としている。繊維の中に小さな気泡があり、水分を吸収しやすく乾きやすい性質を備え、一次開繊後の繊度は60dtexを超える。綿との混紡が試みられており、月桃の混用率は5%から始めて、最終30%が目標という。月桃・綿混紡素材は、適度ハリ・コシがあり、清潔感漂う表面感が特長。開繊、紡績、加工、綿混紡品の取り扱い、用途等についても説明されている。
アオキインターナショナルは岐阜大、信州大との産学協同開発による商品化第1号として、メンズスーツを発売。岐阜大学工学部の岡村政明研究室が、ウール100%の紡績糸を熱処理してストレッチ性とバルキー性に優れた糸(S&B梳毛糸)を、信州大学繊維学部の西松豊典研究室が、このS&B梳毛糸を使った織物やスーツの着心地や快適性を数値で計測、評価、解析する科学的システムを開発。従来品よりも着用時の違和感(ストレス)が少ないうえ、保温性も4%ほど高く、癒やしと健康サポートにつながることが立証されたとして、商品は「癒し健康スーツ、ストレッチ&バルキースーツ」(S&Bスーツ)と命名。
テキスタイルネットワーク会(TN、代表:宮本英治みやしん専務)は、米沢、群馬、東京、長野、山梨、浜松、滋賀、京都、今治など全国繊維産地の有力機屋、ニットメーカー、染工場などで組織、98年から毎年合同展を開催している。04〜05年秋冬展の新たな試みとして、造形芸術、デザイン学科、ファッション、染織コースなどの大学生100人による「愛撫する布」展を併催する。学生の作品は「作り出す様々な可能性と意外性を、柔軟な発想と技法で試みた」もの。参加するのは、金沢美術工芸、京都造形芸術、神戸芸術工科、女子美術、東京造形、長岡造形、宝仙学園短期、武蔵野美術、明星の9大学。
帝人ファイバーは、2種類のコンジュゲート糸を芯と鞘に使った複合構造糸使いの梳毛調素材「スペイシル」を開発。鞘糸は70dtex(24F)の細繊度のコンジュゲート低配向糸、芯糸は60dtex(12F)太繊度の高反発糸で、鞘糸が自己伸長することでウールのようなランダムな捲縮を発現、ふくらみ感とソフトなタッチが生まれる。結晶構造を小さく、配向性を低くして染料の吸着性を上げ、さらにアルカリ減量工程で、糸の片側にクラックが入るように工夫して光の鏡面反射を抑制、光沢を抑え、色の深みを高めた。梳毛調素材の最高級品と位置づけ、04〜05年秋冬物から販売を開始する。価格は1,500〜2,000円/m(ダブル幅)。
糸加工の東洋産業(本社岐阜県)は、染色できるポリプロピレン(PP)繊維「ポレフィン」を輸入販売する。PPを特殊加工したもので、量産化に成功、繊維の特徴を保ちながら、わたや糸、生地で染めることができ、プリントも可能。染色堅ろう度は淡色も濃色も基準値をクリアした。PPの用途は日本では産業資材が大半だが、欧米では衣料用として注目されており、同社はインナーやスポーツウエア向けなどに打ち出す。当面の生産量は年150トン、3年後には1,000トンを目標にしている。75、100、150Dを中心に50〜300デニールの糸や生地を販売する。
クラレトレーディングは、04〜05年秋冬向けのスポーツ素材で、糸への撥水加工を開発している。吸汗速乾素材の「スペースマスターUV」などと組み合わせて、アウトドアのインナーやユニフォームシャツといった、薄地の吸水・拡散性を高める。生地加工の特殊3層構造素材「ウォーターマジック」との違いは、裏表両面に撥水機能を持たせられること。ウエア内の汗はベタつかず、外の雨なども弾き飛ばす効果がある。「拡散しきれなかった水分は、糸の内部で動いて落ちていく」仕組みになる。テキスタイル化したあと、染色することもできる。アスレチック分野では、ランニングシャツなどに応用していく考え。
富士紡による汗染みを目立たなくする加工「DISNOTICED(ディスノーティス)」の技術解説。汗をかくと脇の下、胸元、背中、襟周りなど汗染みが出て、恥ずかしい思いをすることがある。衣服の生地が汗を吸わなければ汗染みは出ない。そこで、綿が持つ吸汗性は保持し、汗染みを目立たなくする加工方法を模索した結果、汗が生地裏面(肌側)から表面への拡散するのを防止する仕組みとして、生地表面にのみに非常に薄い撥水層(0.03〜0.05o)を作ることに成功。加工の効果は生地により異なるが、同社評価法のディスノーティス度で未洗濯が60〜90%、10回洗濯後50%以上という。
三木理研工業は、抗菌・芳香カプセルなどを商品化し、繊維への応用を行ってきた。その技術を応用して開発された蓄熱蓄冷マイクロカプセル以下、カプセル)が紹介されている。カプセルの内容物はパラフィンであり、その炭素数により融点が異なり、融点で溶解−凝固を繰り返す。溶解するときは熱を吸収し、凝固するときは熱を放出する。例えば、25℃設定のカプセルは、 25℃を超えると溶解して熱を奪って25℃を保とうとし、逆に冷えると凝固して熱を放出し始め、温度緩衝性が現れる。特徴は、この温度緩衝作用にある。用途の多くは、これからの市場と考えられている。
カネボウ繊維は、美白とリラックス作用を持つ香るホワイトニング繊維「アロマブランシェ」を04年春夏向けから百貨店、専門店販路の衣料・寝装用途で販売する。東南アジア原産のマメ科植物タマリンドなどの果実に含まれる天然香気成分「ピュアホワイトラクトン」には、肌色の悪化や色素沈着などの原因となるメラニン生成抑制効果がある。これにローズなどリラックス作用のある香料も組み合わせ、マイクロカプセル化して繊維に付着させた。綿、綿・ポリエステルなど織編物のほか、合繊でも可能。生地風合いを損なわず、洗濯耐久性もあり、UVカットなど機能加工の組み合わせもできる。
小松精練と日本ドナルドソンは、透湿防水素材「テトラテックス」に新たに発熱、蓄熱機能を付加した「テトラテックスXTC」を開発。テトラテックスはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を特殊延伸加工し、多孔質フィルムとしたもの。高い耐水圧と防風性、優れた透湿性が特徴。XTCはさらに、着用後、人体が発生する赤外線を吸収、蓄熱する機能を付与した。XTCは04年秋冬向けに販売を開始する。
日清紡はナノテクノロジー技術を応用し、高い抗菌防臭効果を発揮する銀ナノテク抗菌防臭加工「エージーフレッシュ」(仮称)を開発。同加工は銀の粒子を4ナノメートルほどに粉砕し、生地表面だけでなく、内部まで浸透させたもの。ナノ粒子はベンチャー企業と共同開発した。従来の銀を生地表面に固着させる加工に比べ、洗濯耐久性が非常に高く、素材本来の風合いも損なわない。SEKマークにも対応している。スキンケアなど各種複合加工も可能。生地は綿などセルロース繊維を含んだ織編物を用い、ユニフォーム、カジュアル、寝装、肌着など幅広い用途で、美合工場の加工品のほぼすべてを対象としている。生地値は通常加工品と比べ、50〜100円/mアップの予定。
新しいポリマー染色を展開するデンエンチョウフロマンは、ポリマー溶液を改良し、染色堅ろう度を向上させた。今回の改良でポリエステルから毛、絹など天然繊維、さらにポリ乳酸繊維、皮革などでも堅ろう度が向上。東京都立産業技術研究所による試験では洗濯、汗などの染色堅ろう度は4〜5級という結果を得ている。改良版からは「ポリマーナノ染色」(仮称)として衣料、グッズ分野で本格展開する。技術ライセンスの供与企業は20社あり、見本反、ラベル作成からジーンズの製品段階でのプリントなどの事業を行っている。米国で特許を取得、世界でも同技術の普及を目指す。
クライアント社(スイス)が開発し、02年3月に日本市場に投入した新しい反応染料「Drimarene CL」をクライアント・ジャパンが紹介。反応染料の固着率を高めることは、長年の懸案事項であった。新染料レンジは、これを高めるとともに、染料の吸尽率、洗浄性、均染性、湿潤堅ろう度等にも優れる。その中で、高い洗浄性と湿潤堅ろう度を特徴とするDrimarene Blue CL-2RLおよび汗日光堅ろう度に卓越するDrimarene Brown CL-2RLを解説。前者の優れた洗浄性は、硬水の影響を受けないという。また、より高い塩素堅ろう度が要求される日本市場向けには、独自にDrimarene Blue CL-2SBを開発している。
ユカアンドアルファ社は中小企業総合事業団の委託事業の一環として、「ユニバーサルファッション対応アパレル製品のCADによるパターン図生成システムに関する研究開発」を行うこととなった。身障者・高齢者・標準体形外を対象にした、個々人のニーズに応じたファッション製品のパターン設計を行うアパレルCADを開発する。
国内の縫製工場が力を一つに、自らの存在アピールと活路を目指し、新たな価値創出へと様々な取り組みが広がっている。東京と千葉のレディス・アパレル関係の専門工場10社が中心となり「KPCアパレル」を設立し、共同受注をスタート。パターン作成から縫製・加工・物流機能を整えている。
はるやま商事とクラレはナイロンを使った人工皮革「ソファラ」を使った紳士カジュアル衣料を開発した。カシミヤのような風合いを持ち、薄くて軽いのが特徴で高級感と機能性をアピールする。「ソファラ」は超極細ナイロンを使用したスエードタイプの人工皮革で、柔らかな風合いを出すことが可能。保温性に富むうえ、重さは天然皮革の二分の一で、撥水性もある。付加価値を求める三十代以上のカジュアルとして提案したい、としている。
グンゼは来年2月、洗剤を使わずに水だけで洗っても汚れが落ちる肌着「エコマジック」を発売する。エコマジックの素材は綿100%だが、綿繊維の先端を水になじむ性質を持つ特殊な構造に変えた。肌着の汚れは皮脂や油分が多く、この特殊な綿とは水と油のようにはじき合う。このため汚れが付きにくく、水で洗うと繊維が水を取り込んで、ついた油分を取り去る。水だけで洗っても従来の肌着を洗剤で洗った場合よりも汚れは落ちるが、洗剤を使えば皮脂の除去率はより高まるという。吸湿性を高め、消臭機能も付けている。
消費低迷の中でも根強い人気の海外高級ブランドも好不況の格差が広がりつつある。好調なブランドは、売場作りや広告戦略などのマーケティングに常に新しい風を吹き込んでいる点と、分析している。
ファイブフォックスはジャージー素材を使った紳士用ビジネススーツを開発した。紳士用スーツは裏地やポケット、胸部の芯、肩パットなど縫製箇所が多く、ニットでは型くずれやしわになりやすい。同社では岐阜県の織物メーカーと共同で主に手作業で縫製し、型崩れを防ぐ製法を開発した。素材は綿にポリウレタンを3%混紡したジャージーを使用する。ジャージーは伸縮性と通気性に優れており、既存のスーツより着心地を高めた。デザインの差異化が難しい紳士用スーツで独自機能をアピールし、需要を喚起する。
東京理科大学と日立メディコが共同にて着用者の腕力を補助する「パワードスーツ」を開発した。高齢者の運動補助や介護者の負担軽減に役立つ。開発したのはベストの関節部に人工筋肉を付けたパワードスーツで簡単に着脱できる。人工筋肉はゴムチューブにナイロン製の繊維を格子状に編んだチューブをかぶせた構造。
ワコールは肌の乾燥を防ぐ保湿機能を高めた冬用肌着を発売した。発熱効果や保湿効果のある繊維の上に、アミノ酸や絹タンパクなどの保湿成分を付着加工した素材を染色加工メーカーと共同開発した。
大手小売業の店舗別売上高を分析した日本経済新聞社の「新・ビッグストア調査」で、2002年度は、百貨店の74%の店舗が減収になったことが分かった。2001年度は半数近くの店が増収を確保したが、厳しい消費環境を映し、減収店が急増した。百貨店以外では総合ス−パ−の売上高が0.8%減、食品ス−パ−が2.0%増、ホ−ムセンタ−が3.9%増と堅調。
日本アパレル産業協会はリサイクルしやすいと認定した衣料品に「エコメイト」と呼ばれるマークをつけるよう会員企業に呼びかけた。「イオン」は直営ブランドの全32店にエコメイトつき製品専用の回収箱を置くことにした。回収後は、故繊維業者に送られ、古着として輸出するものや、カーペットや毛糸などになるものに選別される。また、日本橋高島屋では、紳士服の特別セールの会場に期間を区切ってリサイクル回収の窓口を設けることにした。昨年9月には18日間で150人が621着を持ち込み大好評だった。今年は1,000着の回収を見込んでいるという。
繊研の第30回全国百貨店改装・増床調査によると、03年秋冬は86店が改装する。今春夏は改装計画を延期・凍結する百貨店が増えて件数が減少したが、秋は再び投資が活発化した。全般的な業績悪化が続く逆風下で改装投資の確保を優先して活路を開こうとする姿勢がうかがえる。
このところ雑誌社の通販が注目されている。ヤング向けファッション雑誌が中心となって、クライアントの広告とは別に自社が直接販売する通販のページを設け、着々と業績を伸ばしている。「おしゃれ流行通信マガジン」「まるごと買える!ファッション誌」を正面から掲げる「Look!s」のように、ファッション通販も健闘。注文の仕方は携帯メール、インターネットが圧倒的。
日本アパレル産業協会と日本百貨店協会は、百貨店統一オリコン推進協議会の第1回を開催、統一オリコンの導入・普及に向けた具体的議論をスタートさせた。今後は、アパレルメーカーの物流拠点が集中している都内から始め、地方へ拡大していく考えである。オリコンとは、「折り畳みコンテナ」の略で、洋品などの通い箱として繰り返し再利用するもので、売場から出る段ボールなどのゴミやコスト削減につながる。
「経営の視点」で中間決算の予想を踏まえて、バブル期に流通業の花形だった総合スーパーがたそがれ時を迎えたとしている。今後もワンストップショッピングの利便性を生かし、一定の需要があることは間違いないものの、残存者利潤をかけた厳しい生き残り合戦が展開される。
男性の消費に復活の兆しが見えてきた。02年は女性が消費を支えてきたが、景気回復期待の高まりとともに男性関連商品も売れ始めた。40歳前後の不惑世代が牽引役の一つ。改装オープンした伊勢丹本店のメンズ館の初日の売り上げは前年同日比3倍強に達した。紳士服売り場を縮小した百貨店が多い中での逆バリ戦略が功を奏した。三越では「株価上昇に伴い紳士服とゴルフ用品の売れ行きが良くなる傾向がある」と話している。家庭を持つ男性の場合、景気の悪い時は紳士服などの支出は真っ先に削られるが、景気に明るさが見えれば「妻のお許しが出る」との指摘もある。
どこでもいつでも超高速通信が可能になる「ユビキタス社会」実現のカギを握る無線。技術革新は速いが、既存の通信・放送事業者の抵抗による規制緩和の遅れがその活用を阻んでいる。慎重論が相次ぐのはUWB(超広帯域)通信の解禁に対して混信への危惧のためだが、通信メーカーや大学のUWB研究者は「早く解禁しないと開発競争に遅れる」と口をそろえる。ICタグを使った情報管理システムを使ったあるベンチャーも政府のICタグ標準化に距離を置いている。このシステムを採用した大手アパレル「フランドル」は棚卸しが1/3に効率化されたという。新産業を育む規制緩和が求められている。
ヤングメンズブランドが堅調だ。ヤングの人口が減少傾向にあるため、団塊ジュニアを中心としたアダルトを意識し、異なる業態への出店、対象年齢の拡大、商品の上質化、雑貨・小物の充実などブランドの見直しも進む。ファッション感度が高く、自分でコーディネートできる団塊ジュニア狙いの取り組みは、さらに強まりそうだ。
衣料品はもとより食品まで売っている、まるでオモチャ箱をひっくり返したような面白く、ワクワクさせるような店が出てきた。洋品・雑貨専門店のグレートブリテン(本社東京、徳永邦夫社長)が出した「空」(ゾラ)と衣料専門店のシンシア(本社東京、有本秀明社長)の「シンシアアカデミー」はともに、自分流にこだわる顧客の五感をとらえた「顧客編集嗜好型」ともいうべき業態を提案している。「感動体験」のマーケティングが注目される中、従来の考え方やカテゴリーにとらわれない専門店として新しいビジネスモデルを創出しようとしている。
04年4月から、消費税の総額表示が義務付けられる。総額表示の方法を巡り、価格設定、端数整理、情報システムの変更などの課題が持ち上がり、繊維・ファッション業界の戸惑いは強い。特に、ツープライスやワンプライス業態の場合、価格設定や表示の仕方そのものに特徴があり、顧客の中で価格帯のイメージが定着しているだけに、対応に頭を悩ましている。
百貨店の自主編集ショップが着実に売り上げを伸ばしている。今春夏の売り上げで前年同期比2ケタ増を達成したショップも少なくない。従来、百貨店が扱ってこなかったブランドの投入による新鮮な商品提案と、自主販売の力量向上が売り上げ増につながっている。売り上げ効率では、まだメーカーのワンブランド店に劣るものの、着実に顧客を獲得し始めている。
小島健輔の定例の夏商戦の総括の結果は、冷夏に見舞われ、メンズの回復が目立つ、まだら模様を伝えている。注目されるのは、消費は「階級化」で3極化しているという。具体的には@ラグジュアリー消費の再拡大と高級化への転換Aブリッジブランドの世代交代とクラスストア市場の形成Bリサイクルや均一価格など超低価格市場の拡大を挙げている。
電子メール受配信システムのニュークリアスは、情報システムのアンナプルナと組み、ファッション雑誌に掲載された服飾雑貨品をインターネットを通じて販売するシステムを構築した。ファッション雑誌に掲載されている商品は流行の先端に位置しており、地方ではほとんど販売されていない。ネット通販の仕組みをファッション雑誌に組み込むことで、最先端の流行商品を地方の読者が購入できるようにする。
米国の産業界は単品管理とセキュリティ管理ツールで、従来主流だったバーコードからICタグへの移行期に入っていると、ウォルマートなどへICタグシステムを提案しているアキュソートシステムズが日本のICタグ事情調査視察団に明らかにした。ただ、コスト面からバーコードはなくならず、共存してくものとみている。
百貨店でコート商戦が始まった。複数社の商品を並べて販売する「コート平場」で今年、アパレル各社が投入している高級素材を使った商品だ。三陽商会は目玉商材としてカシミヤ製を発売、東京スタイルシルク製などを売り出した。平場での販売は特徴が出しにくく、苦戦が続いている。素材を前面に打ち出し、消費者をつなぎ留める作戦だ。
凸版印刷はICチップを搭載したタグの新システムを開発した。データの書き込みが可能で、従来より安価な点が売り物。来年の4月から周辺機器も含めて販売する予定である。主に展示会などの入退場管理や生産管理システムとして販売する。タグの価格は現在一個50円だが、量産により20円に下げるのが目標で、ユビキタスIDセンターの使用に適合している。従来のICタグは書き込みができない製品が多かった。
日経MJによる02 年度世界の小売業ランキング「MJ500」によると、売上高でダントツのウォルマートに対し、欧州3社が必死で追いすがる構図が鮮明に出ており、全体的に大手の寡占化が進んでいるという。日本勢は100社の中に12社登場している。
04年度から法人事業税(地方税)に導入される外形標準課税導入が新たな固定費負担として根強い反発がある。企業の所得(利益)に課税している現行の税率を下げる代わりに、人件費や支払利子、資本金などの外形的指標が新たな課税標準として加わるため。さらにコストが上がれば死活問題の声も出ている。
高島屋と三越が開発したEDIの共通基盤「百貨店eマーケットプレイス」は、12月から消化仕入れの商品を含む支払い案内書を電子化、ペーパーレスを進めるなど4つの新メニューを本格稼働する。eMPの特徴は、簡易な手順と値頃な料金でEDIを可能にし、現在百貨店11社と取引先200社が加入しており、05年までに各々30社、1500社の加入をめざしている。
百貨店を中心販路とする大手アパレルメーカーがファッションビル、SC向け事業を一段と拡大する。先行するワールド、イトキン、オンワード樫山、サンエー・インターナショナルなどが出店を加速、東京スタイルは新ブランドで来春から新規参入する。先行企業では団塊ジュニアを対象とした新業態開発の動きも活発だ。百貨店全体の売り上げが低迷する中で、各社とも既存販路を維持しながら、新規販路を開拓していく。
三菱セミナー(8月25日)において、菱重産機は臭素系溶剤「ベクセルクリーン25」の普及状況を、大型機(20〜30s)7台、小型機(7s)5台と報告した。この溶剤の特性がエタンに近いことから、エタンの代替機と位置づけた。
フッ素系炭化水素「365LIVE」70%と「AK225」30%の混合溶剤が、(株)ジャヴス(大阪市)により02年7月に発表されたが、その後の利用実績がこの号と次号〔03・9・25(6)〕で連載して紹介された。従来のフロン113の代替溶剤として、機械も洗い方も大きく変更する必要はなく、洗浄結果にも違いはない。都市部を中心に導入が進み始めている。
石油系溶剤を使用した洗濯物は、溶剤残留判定器(ドライチェッカー)を用いて乾燥状態を確認することを定めた条例が、本年に入って次の各県で施行された。神奈川県、三重県、香川県、熊本県、高知県。全ク連が提案した条例モデルが盛り込まれている。
蒸留した新液のみを使い、短時間でソープなしの洗浄を行うパークドライ機。溶剤の汚れをセンサーで調べ、汚れ方で溶剤の注入を管理する。溶剤がきれいなので洗い上がりが冴える。ソープを使わないので抱水してシワを生じることがない。完全密閉型なので環境にやさしい。クリーンサワ(和歌山市)が菱重産機と開発した。
被洗物をハンガーに吊したままで石油系ドライクリーニングを行う装置。洗浄はシャワー、オゾン、低周波、添加剤などを併用して効果的に行われる。型くずれやシワが生じない。毎分1点の速度で、洗浄・脱液が10〜15分である。その後、スチームトンネルや包装機と連結でき、人件費を節約できる。メルヘン社(茨城県)が完成し、代理店により発売する。
東京都消費生活センターは、家庭用天然ゴム製手袋のアレルギー性接触皮膚炎などの皮膚障害の起因となる水溶性タンパク質や、注意表示について、市販の天然ゴム製手袋23銘柄について調査した。その結果溶出タンパク質量は、50〜1,600μg/gと銘柄による違いが大きい。「脱タンパク処理」の表示がある2銘柄からは、タンパク質がほとんど溶出しなかった。同センターは、業界団体に対し家庭用ゴム手袋についても溶出タンパク質量の自主基準を検討する事、使用上の注意にアレルギーに関する説明を加える事の2点について改善を要望した。
事例1:リヨセル繊維50%混紡のセーターを着用した後に、腋(わき)の下部分が白くなっているのに気がついたという苦情について、調査の結果、汗で濡れた腋の下部分の繊維が、腕振り動作で毛羽立ったということがわかった。繊維の性質が用途に適していなかったと思われる。 事例2:プラスチックフィルムの袋に入れて保管していた白いワンピースが部分的に黄色くなっていた。変色は包装状態でプラスチックフィルムと接していた部分に集中していた。試験の結果、酸化防止剤と窒素酸化物の反応によって生じるスチルベンキノン誘導体(黄色)の着色であるとわかった。
岩手県立県民生活センターは購入価格2,990円〜22,000円のレインウエア6銘柄についてテストした。全体的に通気性は低く、保温性はおおむね生地の厚さに比例した。また、透湿性については、透湿性・撥水性をうたっていないレインウエアよりもかなり高かった。かぎ裂きのできやすさにはバラツキが見られた。洗濯により撥水性が落ちる銘柄もあったが、内側まで水が浸透することはなかった。購入時は使用する状況をよく考えたうえで、表示を見て選択してほしい。
青森県消費生活センターは,20300円〜33000円のスーツ4銘柄についてテストした。その結果、表示については不備不適性なものも見られたが、組成については適正だった。また、引き裂き強さもほとんど基準内だった。洗濯しても問題なかったが、アイロンがけが必要なものもあった。着心地は着用上の問題はないものの、若干硬めだった。
大阪市生活センター 紳士用ウォッシャブルスーツ及びジャケットを購入し、実際に家庭洗濯と商業水洗いを行い、品質面での洗浄差、表示の内容との関連性、品質面での影響、商品寿命などを検証。結果全体にみて十分着用できると考えられた。@ネット使用A中性洗剤使用B流水必ず弱くC脱水20〜30秒D形を整え吊り干し・陰干しEアイロンは素材に応じての6点を注意することで品質維持。
埼玉県生活科学支援センター彩の国くらしプラザ〜くらしの情報によると、ベージュ色のパンツの前身膝下が、薄いオレンジ色に変色。蛍光X線分析計でしみ部分に残留している成分を分析。「臭素」を検出。パーマ第2液が考えられる。パーマをかける際衣類にも注意を。
家電や寝具、衣類等に「マイナスイオン」効果をうたった商品について、東京都、神奈川県在住の20歳以上の男女232人と商品のメーカー64社にアンケートによる消費者意識と効果の実態調査をした。この結果、マイナスイオンという言葉から期待する効果について「リフレッシュ」(84.2%)、「疲労回復」(40.4%)、「保湿」(23.2%)などの回答が多かった。商品を購入・使用した人は、47.8%でこのうち実際に使って「効果を感じた」のは43.2%。反対に「効果が実感できなかった」のは56.8%と過半数を占めた。一方、メーカーへの調査では、67調査対象品のうち、「効果、効能を検証している」のは、55.2%。同センターは、公正取引委員会と厚生労働省にも結果を提供し、監視や指導を求める方針。
博報堂の世界25都市の生活者調査によると、7つの行動形態に分類できるという。香港は世界の凝縮図、北京は安定を望む傾向が強く、米国と欧州は孤独を嫌い、日本は摩擦を回避し「和」を尊重する。
福井県・嶺南消費生活センターによると、軽失禁とは、日常のちょっとしたせきやくしゃみなどのしぐさ、またスポーツをしたり笑ったりした時に意思にかかわらずもれる失禁のこと。そのための商品「軽失禁パンツ」を9銘柄の表示・吸収量について調べた。パット部の組成表示がいろいろでわかりにくく、表示がテスト結果と異なっているものがあった。これらについては、経済産業省から製造業者に指導が行われた。表示量以下でパットが濡れたものがあり、どのような評価で表示量を表示したかがわからず、業界などの統一基準が望まれる。洗濯はネット使用し、乾燥機を使用せず形を整えて干すことをアドバイス。
企業の消費者対応部門の責任者で組織する企業消費者関連専門家会議(ACAP)は、消費者啓発用の展示コ−ナ−を相次いで開設した。7月に兵庫県と神戸市の消費者センター−に常設したのに続き、東京都の消費者センター−にも同様のコ−ナ−を設けた。展示コ−ナ−では、加盟企業が作った消費者向けの啓発資料を展示、配布する。内容は50〜60社の製品・サ−ビスのQ&A、生活便利情報など。分野も食品や家庭用品、衣料品、医薬品、通信、エネルギ−、金融、流通と幅広い。
日銀が示す経済・物価の将来展望(展望リポ−ト)で、2004年度の消費者物価の「大勢見通し」が前年比マイナスとなる方向だ。最近は消費者物価の下落幅が縮小傾向にあるものの、日銀は来年度も小幅な物価下落が続くと判断。デフレ克服にはなお時間がかかるとの認識を示し、現在の量的金融緩和策を堅持する姿勢を強調する方針だ。
千葉県消費生活センターは最近、ボンディング加工の衣類が増え、染みやぶくつきの苦情が寄せられていることから、ジャケット、スプリングコート各2銘柄、フリース4銘柄の表示と品質についてテストした。全銘柄に法律に基づく表示があり、ジャケット、コートの3銘柄を除いて「水洗い可」の表示があった。全銘柄に接着樹脂の経時劣化に関する記載はなかった。変退色(光、汗、光および汗、洗濯、摩擦、アイロン)は、全銘柄で基準を満たしていた。しかし、光および汗試験でボンド状の接着樹脂が表面に浮き出たり、洗濯液に接着樹脂が染み出し、白布を汚染するものもあった。強い紫外線や高湿度環境下で樹脂が劣化してべたつくものもあった。
東京都消費生活総合センター東京くらしねっと78 最近ポリ塩化ビニルを使用した衣料品のクリーニング事故が増えている。バリバリになった、硬化したなど。塩ビを柔らかくするための可塑剤が溶け出しゴワゴワに硬化してしまう。塩ビ加工製品は、一般的には水を使った洗濯が適している。
富田茂樹(株苧m舎洗濯科学研究所)が、シミについての苦情(ウオータースポット、ポリエステル製品の色泣き、綿製品などの色泣き、芯地の樹脂のしみ出し、色移り、動植物性油、タンニン系、タンパク質、水性塗料、水性サインペン、赤インク、カビ、汗や尿の変化したもの)、また、形態変化による苦情(毛製品収縮,ポリプロピレン製品の収縮、レーヨン製品の収縮、芯地の収縮、毛皮・皮革製品の収縮、サーキュラーカット製品の変形、ニットの横使い製品の伸び、スカーフを使った裏地の伸び、湿気によるスーツなどの伸び、ポリウレタン系劣化による伸び)を写真入りで解説。
日本繊維産業連盟と欧州繊維産業連盟(EURATEX)は、WTO新ラウンドにおける繊維・衣料品の交渉について、すべての品目で15%より低い関税水準でのハーモナイゼーション(特定分野の関税を一定率まで下げる方式)実現を求めることで合意した。1月の欧州ミッション派遣から数えて7回に上り、国に任せず民間でも積極的に活動するという繊産連方針に沿ったもので、官民の認識がピタリと重なったことにある。
日本百貨店協会と日本サービス・流通労働組合連合は共同で、新たな資格制度「百貨店プロセールス資格制度」を立ち上げる。百貨店本来の特徴である対面販売の技術を向上させることが目的で、来春には資格を取得した販売員が各店の店頭に立つ。第一弾として婦人服の「フィッティングアドバイザー」の資格試験を実施する。1〜3級の3段階で1、2級の合格者には共通のバッジを支給。百貨店協会に加盟する企業の正社員のほか、契約社員も対象にする。今後は資格制度を婦人服以外にも拡大するという。
繊維産業の輸出事業を推進するため、輸出振興に関心のある日本繊維産業連盟の9団体が団結、「日本繊維輸出機構」が10月8日に発足。輸出事業を総合的かつ戦略的に対応できると、 10月中旬のインターテキスタイル上海の「ジャパン・パビリオン」がひのき舞台となる。発足はテキスタイル団体で構成されているが、今後はアパレルなどを加 え、対応を一層強化する。
繊研調査によると、04年度から法人事業税に導入される外形標準課税に対し、繊維・アパレル流通業界のうち反対が7割、賛成が1割にも満たなく、業界全体に反発が根強いことが分かった。人件費や支払利子、資本金などが新たに課税標準として加わり、企業側にとって一部の高収益企業を除くと実質増税になるため。
PETボトルリサイクル協議会によると、02年度のPETボトル回収率が事業系を含め53%となった。また、再利用品の11万2千トンのうち繊維は5万9千トンと全体の52%を占めている。
日本発のユニヴァーサルデザインを世界に発信し、福祉向上に寄与しようと、業種・業態の枠を超えた新しい組織「国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD)」が11月に発足。参加を予定しているのは35社、繊維関連では、大阪西川、ワコールなどで、将来的には150を見込んでいる。具体的には、UDのビジョン作り、モデルケースと標準化の研究、コンサルティング事業を実施する。
03年度繊維製品品質管理士の試験の問題と模範解答を掲載、TES制度のサポートをしている。
03年度繊維製品品質管理士の試験の合格者262人の所属、氏名の一覧が掲載されている。今年度は1219人が受験、合格率は21.5%であった。
上海で10月に開かれたテキスタイル見本市「インターテキスタイル上海」は、日本、韓国、台湾、イタリア、ドイツなど各国が覇を競うように商品を披露、中国のバイヤーだけでなく、世界最大の縫製国でテキスタイルを見つけようと、各国のバイヤーが集結した。日本企業が集積して統一ブース「ジャパン・パビリオン」を初めて構成、グローバル市場での戦う課題を直に感じていた。
①12月9日
②国際ファッションセンタービル
③帯電防止糸を用いたアパレル製品の開発、染色に関するクレーム事例、ファッション人材育成機構の施設および東京都立産業技術研究所墨田庁舎の見学
④日本繊維製品消費科学会関東支部 申込先:日本女子大学家政学部被服学科 増子富美TEL 03-5981-3481
①12月20日
②大阪科学技術センター
③和装用強撚絹織物の寸法および力学特性の経時変化、エレクトロスピニング法による絹をベースとしたナノファイバーの製作、他
④日本繊維機械学会TEL 06-6443-4691
①12月21日〜22日
②文化女子大学
③個性化対応のアパレルビジネスの実践について、ファッション心理とマーケティング、多様化するスカートデザインとそのパターン設計理論、スラッシュキルトのファッションデザインへの応用と製作実習、他
④日本繊維製品消費科学会 学会センター関西内「日本繊維製品消費科学会」係 TEL 06-6873-2301
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:中島利誠/発行人:大谷芳男