ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧(2003年度:第20巻〜)→
経済産業省の「02年簡易延長産業連関表」によると、日本企業の投資や輸出に誘発された中国からの衣料品輸入が急増している。中国からの衣料品輸入は、国内消費により87%、投資により10%、輸出により3%と、まだ投資や輸出による誘発は少ないものの、95年の3倍以上になっている。
経済産業省は、繊維産業の高付加価値化とサプライチェーン構築のために必要な人材を明確化し、確保するための繊維人材研究会を開催した。検討を通じ、必要な人材のプログラムを確保するともに、人材のマッチングやインターンシップ制度などの枠組みを構築、当面は教育プログラム確定を急ぎ、来年度の育成事業に反映する。
経済産業省は「SCMの推進のための商慣行改善調査」を実施、「歴史的に形成された日本の商慣行をサプライチェ−ンの全体最適の観点から見直す必要がある」とする報告書を公表。報告書は「意識の違いが大きく、SCMの前提となる協働の基礎が十分でないことを示唆している」とも指摘。今後、改善に向け、サプライチェ−ン全体のト−タルコスト削減の視点で商慣行を見直し、SCM推進にあたっては各事業者の機能、負担コスト、配分利益を明確にする必要があると提言。併せて、個々の取引の中で、契約形態と実態を一致させる努力も必要とつけ加えている。
経済産業省は、北京で中国商務部と次長級の「日中繊維対話」を行い、TSG(繊維セーフガ−ド)調査を実施しているタ オルをはじめ、最近の日中繊維貿易について幅広く意見交換した。中国側は、03年、1〜10月の日中の総貿易額が1000億ドルを超え、年間では過去最大になるとの見通しを示し、「多少の貿易摩擦があるのは自然なこと。繊維についても双方が最大の貿易相手国となり、貿易摩擦については安易に政治問題化せず議論を通じて、さらなる貿易の発展を目指す」ことで意見が一致した。タオルについては中国側は「日本への輸出の伸びは減り、安定している。調査延長には理由がない」と遺憾の意を表明。日本側は「安定していることは認識しているが、調査期限の今年4月までの動向をみて判断したい」と対応した。
公正取引委員会は、消費税法改正による「消費税総額表示」実施を前に、独禁法や景品法上の考え方や同法に違反する行為の事例などをまとめたQ&A集を作り、公表した。仕入価格の引き下げや納品伝票の内税化の要請、仕入価格の端数切り捨てなど、企業や業界団体から質問・相談があった事柄をまとめている。
04年度繊維関連予算案の総額は前年度比50%増の14億円になる。中小企業総合事業団の繊維関連基金(30億円)を活用する中小繊維製造業自立事業と地域・中小企業関係技術開発制度の活用額(10億円)を合わせ、繊維政策の執行ベースでは60億円を超える規模になる。自立事業、国内展示会などの輸出振興、人材育成などを柱としており、繊維ビジョンを全面的に実践する予算になっている。さらに、復活折衝では、Jブランドの育成支援で9億円などを確保した。
経済産業省は、訪問販売などを規制する特定商取引法を改正する。販売目的を隠して自宅を訪問し勧誘することを禁じたり、虚偽の勧誘で契約した場合消費者がいつでも解約できるようにする。キャッチセールスや点検商法など、消費者からの苦情が増えている商法への規制を強化し、被害拡大を防ぐ。
経済産業省は、繊維に関するFTA(自由貿易協定)の官民共通意識を醸成するため、日本繊維産業連盟と研究会を発足させる。WTOが全ての加盟国に等しく関税を適用するのに対して、FTAは特定地域のみで関税を撤廃するため、比較的利害が一致する2国間で交渉を進めやすい。経産省では、サービス、投資、知的財産権などの経済諸制度の調和を含めた経済全体の連携を目指したEPA(経済連携協定)を志向しているが、各産業を所轄する現課ベースでは当該品目を対象としたFTAを優先する方向にある。
カネボウ合繊、ベルテックスは、割繊型ポリエステル超極細糸と、これを使ったピーチタッチのスエード素材「ベルアモール」を開発。原糸は、17分割の花形に溶解割繊する「コスモアルファスーパー」(84dtex、50F)で、従来の「コスモアルファ」(9分割、84dtex、25F)を改良したもの。溶解割繊後の単糸は0.06dtex。しなやかな風合い、きめ細かなピーチタッチ、軽量、落ち着いた色調が特徴。製織後に原糸を溶解割繊することで毛羽を抑え、独自の染色技術により濃色を実現、染色堅ろう度をクリアした。アパレル入り1,200円/m。04〜05年秋冬から婦人、紳士アウターを中心に販売する。
伊藤忠商事はセーレンと共同で、米社から温度調整機能のある繊維素材を独自に開発、製造する権利を取得した。熱を吸収、放出する成分を含んだカプセルを糸や生地に塗布した素材。伊藤忠は権利取得で独自開発を進め、スポーツウエアが中心だった用途を寝具やスーツなどの衣料品向けに拡大する。
野村産業、東レ、クラボウ、日本毛織は、バンブー・レーヨン素材 (糸、テキスタイル)の品質保証「竹マーク」を制定したと発表した。4社に中央毛織、トーア紡を加えた6社が04年からおのおのが設けた基準でラベルを供給して品質レベルを守り、消費者への訴求を高める。バンブー素材は自然の抗菌・消臭性や光沢、綿以上の吸湿性などに加え、竹は日本人好みの凛としたイメージがあり人気を呼んでいる。また木材パルプに比べ成長が著しく早いためエコ素材としても評価される。
旭化成は次世代のタイヤやコンクリートの補強材に使う高強度繊維を事業化する。旭化成が開発したポリケトン繊維で、広く補強材に使われるアラミド繊維に比べ強度は8割程度だが、同繊維よりゴムとの接着性が高い。エチレンと一酸化炭素という比較的安価な原料から作るため、価格もアラミド繊維より安く、2,000円/kg以下に抑えられる。来春に試験プラントの建設に着手、04年末から年50〜60トン規模で生産を始める。06年度に生産能力を1,000〜2,000トンに増やす計画で、タイヤメーカーや建材メーカーなどに売り込む。
日本エクスラン工業は、除菌機能の強い光触媒繊維「銀世界」を開発、東洋紡が来春販売する。銀世界は、銀イオンを練り込んだアクリル繊維。銀イオンが微生物の細胞膜を壊す仕組みで、大腸菌やサルモネラ菌など細菌のほか、通常は難しいカビや白癬菌など真菌も除菌できる。バスマットに付いた白癬菌の場合、6時間で99.99%除菌できたという。製品に10%程度混ぜて使うと効果があり、靴下、肌着、タオル、バスマット、スリッパなど生活資材用として売り込む。価格は通常のアクリル繊維の数倍し、1,000円/kg以上の見込み。
ポリエステルなど3大合繊の国際競争力喪失と反比例して、独自性の高いオンリーワン素材に関心が集まっているため、合繊の新素材開発が一層進みそうである。予想される新タイプ合繊は、旭化成せんいの「ポリケトン」、東洋紡の「dowxla」、帝人の「テオネックス」、クラレの「ジェネスタ」である。旭化成せんいが「ソロテックス」事業化に成功して以来、合繊各社は手持ちのポリマーを見直し、進めるようになった。ここでは、小型でも収益性の高い新ポリマー、複合紡糸、ナノテク、バイオ技術活用の繊維や新加工を紹介している。
倉敷紡績が手掛けているヘンプ、ケナフ、カポック、バンブー、月桃およびイグサについて紹介されている。バンブーには、バンブーレーヨンとバンブーコットンがあり、同社は竹の表皮の繊維部分を開繊し、綿と混紡したバンブーコットンを開発してきた。現在、10〜20%竹混紡糸を生産し、番手は10〜20番手が中心。竹10%混紡糸でSEKの抗菌防臭基準を満たす結果を得ている。月桃は、琉球列島に多く見られるショウガ科、ハナミョウガ属の多年草。葉の部分は、既に食品、化粧品、芳香剤などに利用されているが、廃棄されている茎を活用して繊維素材の開発が進められている。
東レは、竹を原料にビスコース法で製造された「竹せんい」を使用することで、吸放湿性や抗菌防臭性など竹が持つ本来の機能を生かした新しい植物再生繊維複合素材「爽竹」を開発。同社のマイナスイオン発生加工素材「アクアヒール」で培った評価技術により「竹せんい」にマイナスイオン発生特性があることを業界で初めて確認している。爽竹は、「竹せんい」を20%以上含んだポリエステル、ナイロン、アクリルなどの合成繊維との複合織編物であり、その特性値や用途展開マップが示されている。
繊維事業で独自ポリマー戦略を進めるクラレ、クラレトレーディングは、高耐熱性樹脂「ジェネスタ」の繊維化技術を確立、オートクレーブ処理(高温高圧蒸気処理)を行う医療関係のユニフォーム向けなどの用途での商品化をめざす。ジェネスタはテレフタル酸とクラレが独自に開発したC-9ジアミンからなる半芳香族ポリアミド。このポリマーをベースに、特殊なジアミンを組み合わせて繊維用ポリマーを開発、繊維化技術を確立したもので「PA19MT」(仮称)繊維として市場開拓をめざす。融点はポリエステル並みだが、ガラス転移温度が120℃と突出して高いのが特徴。
ありそうで、なかった草木染めの毛織物が登場した。高級な天然繊維使いで知られる大阪・泉州産地の細川毛織が京都の村田染工に反物の染めを依頼、染料メーカーの洛東化成工業(滋賀県大津市)と研究して一年ほどで工業化にこぎ着けた。ごく淡い色から黒まで17色を準備。04〜05年秋冬から販売する。
東洋紡はポリエステル・ファイバーフィル(つめ綿)の特殊シリコン加工品で特許2件を取得した。ふとんや中綿衣料のウォッシャブル化に優位性が発揮できるとし「コンフォロフト」「シュレープ」(中綿素材商標)として販売する。特許は洗濯しても固くならず、滑りのよさを保つ一定水準の効果に与えられたもの。00年に公告され、異議申し立てがあったが、その後特許として確定した。
カネボウ繊維はナノ・テクノロジーを応用して、水分・湿気の吸着を抑えた防シワ加工ウール素材「ナノトレンド」を04年春夏向けから販売する。ウールの圧力などによるシワが繊維の水分率と密接にかかわっていることを発見。疎水性加工剤を繊維にイオン結合させ、0.3nmの水分子の吸着を抑えた。従来の樹脂による防シワ加工に比べ、加重測定でのシワ回復性が高く、ナノ技術により素材本来の風合いを損なわない。クリーニング耐久性もあり、他の機能加工との組み合わせも可能。基本素材はウール100%やウール高混率を対象としており、価格は1,200〜1,500円。
丸紅は04〜05年秋冬向けから、東洋クロスが開発した有機溶剤を使用しない銀面調衣料用合成皮革を販売する。素材の特徴は、豊かなドレープ性とソフトでナチュラルな風合い、目付は230g/u。0.5デニールの極細ナイロントリコットを基布に、水性ポリウレタン樹脂と加工技術を組み合わせた。家庭での水洗いも可能としている。基本カラーはブラック、ブラウン、キャメル、べージュ、レッド、ホワイトの6タイプ。主用途はコート、ジャケット、スカートなど。国内向けではブランド名は付けずに販売するが、輸出では「ナトゥレーザ・ロイヤル」として販売する。輸出は欧州向けを先行させる。
ディア(シカ革)専業メーカーの藤岡勇吉本店(奈良県)は、シカ革の白ヌメ技術を確立。ヌメは、植物タンニン(渋)を使った皮革のなめし技術。天然素材(シカ革)を天然の植物でなめすが、後の経時変化や再現性の問題などから、高度な技術が必要とされ、特に白を出すことは困難と見られていた。それをドイツの薬品メーカーと協力して克服。シカ革は製品洗いをし、手で揉み解すことで、他の革にないソフトなタッチになる特徴を持つことから、ディアを革という特殊な素材ととらえず、綿や毛、シルクなどと同じ天然素材のテキスタイルとして、従来は使われることが少なかったアパレル向けに販売を広げていく方針。
東洋紡はアクリレート系微粒子「シークレットパウダー」を利用した合繊の快適性テキスタイル開発に力を入れており、スポーツウエアを中心に展開している。「エアードライブ」はナイロン織物へのコーティング加工品で、シークレットパウダーをアクリル樹脂へ均一微分散する技術開発で生まれた。衣服内温度をコントロールし、無孔で結露を防ぐ機能を持つ。「アクアベント」は同じナイロン織物のコーティングでウレタン樹脂中へシークレットパウダーを均一微分散する技術開発で、透湿防水効果が狙いである。「エクスライブ」はポリエステル織物への加工で、水系モノマーに分散化し、グラフト重合で耐久固定化したのが特徴。吸放湿性、吸湿発熱性、放湿冷却に加え消臭、抗菌、制電、ペーハーコントロールなど多様な機能性が実証されている。
日清紡はレンゴーが持つゼオライトの加工技術を、綿織物や不織布に応用したゼオライトと綿の複合素材「ガイヤコット」を開発。繊維加工では、ゼオライトパウダーをバインダーで固着する方法を取るが、ガイヤコットは綿繊維の非結晶領域で合成ゼオライトを結晶化させるという全く新しい方法により、強力な固着耐久性と高固着率を実現したもの。ガイヤコットのイメージ図、商品特性として消臭性能、抗菌性能および安全性が示されている。加工は綿わたから製品まで可能だが、当面は生地を対象とし、加工費は薄地織物で100円/m以下に抑える考え。
オンワード樫山は女性パンツを作成する為のボディーを独自開発した。アパレル会社は通常市販のボディーを使用しており、自社開発は珍しい。三次元計測により現代の若い女性の下半身を再現。人気が高まっている「美脚パンツ」の開発に利用する。
国内の中小縫製業の多くが慢性的な人手不足に対応するため、外国人研修・技能実習制度の活用が拡大していしている。02年度で外国人研修生の入国者、そのうち20%が衣服縫製業で、他の業種に比べ群を抜いており、実習生を含めると国内縫製業に携わる従業員の1割に達する。
04年春夏の婦人服で、プリントが広がっている。コレクショントレンドである。スイートやフェミニンな流れが強まっているのが背景である。エアリーなワンピースやスカートを中心に、イエロー、グリーン、ピンクなどの明るい色使いの大胆な柄が一段と増えている。花や幾何学柄のほか、フルーツや菓子などモチーフのバリエーションも広がっている。
百貨店や大手スーパーのリクルート商戦がヤマ場を迎えている。学生の就職活動は例年よりさらに前倒しされ、長期化する傾向で、各社は着心地や着回しを重視した商品をそろえている。阪急百貨店梅田本店は独自商品として、表地と裏地にストレッチ素材を使った婦人物ジャケットを発売した。伊勢丹新宿本店は女子学生向けに「ちら見え防止」のシャツを売り出した。高島屋新宿店は就職後も着回せるようグレーや二つボタンのスーツを充実させた。男子学生ではスリムな体型が増えているため、大丸神戸店では細く見えすぎないジャケットとタックのないパンツが売れている。イトーヨーカ堂は専用売り場を設置し、上下を別々に選べる。
デサントは筋肉のバランスを整えるウエアー「パワーコンポ」を発売する。鍛えやすい太もも外側の筋肉と普段は意識しにくい内側の筋肉のバランスを取りケガや疲労を起こしにくくする。パンツとシャツからなり、パンツの素材は部位によって収縮率が違う。太ももに巻いたテープは普段は意識しづらい内転筋という筋肉に働きかける。パンツを着用すると筋肉疲労によるひざの開きが意識しやすくなり、フォームが崩れにくくなる。
04年に開催される展示会・見本市など日程と開催地を示し、中国で51件、その他の海外で200件、国内で49件を紹介している。
ワコールはレースをふんだんに使い職人が手作りした下着の高級ブランドを新設する。美意識が強く、下着にこだわる女性を対象に高品質の商品やサービスを提供する。デザインは京都の伝統工芸「箔」を表現したものやフランス製の高級レースを多用したものなど、7シリーズを用意する。
日本ファッション協会は04年度からジャパンファッションフェア(JFF)構想を推進する。世界に向けたジャパンファッションの発信や国際的に通用する人材育成など、我が国のファッション産業の競争力を強化する狙いで、①展示会開催事業②海外展示会出典事業③新進デザイナー育成事業の3本柱で構成する。
カート・サイモンは小売業の成長のための4つの戦略を提唱。それは@新しいカテゴリーを作る先駆者A歴史的なカテゴリーの境界線を再定義する境界線の拡大B新進商品の商業化C既に確立している競合他社と成熟したカテゴリーでシェアを増やす競争力のある特性で、165例で検証、どの戦略を選ぶかは、既存の商品、ブランド、能力などで変わるとしている。
総額表示の義務付けについて、日本百貨店協会は過渡期の対応として外税方式の総額表示を実施する。具体的には「税込1万290円(本体価格9,800円)」あるいは「税込1万290円(本体9,800円)」の表示に変える。消費者の誤認を避けるため、当分の間は「税込」を表示し、「本体価格」も明示する。
4月から移行される消費税総額表示で量販店は多額のコスト負担と価格戦略もからみ、切り替え時の統一運用は事実上不可能となっている。ジャストプライスや端数カットでメーカーにとっても負担が求められる状況も出てきている。
小売業を支えるパート労働者の活用が新たな課題として浮上している。パートを鍛えなおさないと激しい販売競争にうち勝てなくなってきた。04年の年金改革でパート労働者への厚生年金適用が拡大されるなど、経営者にとっては制度変更によるコスト上昇も視野に入れる必要が出てきた。生産性を高め優秀なパートを選別する動きが広がっている。
今、最も商品やサービスに魅力があり、ショッピングセンター全体の集客につながるテナントはどこか。日経MJは各地のデベロッパーがSCに是非誘致したいと考えている「キラーテナント」を調査した。結果は「ハッシュアッシュ」など複数の店舗ブランドで出店攻勢をかけるワールドと、地方で人気が高いスターバックスがトップとなった。ともに安定したブランド力が強み。
郊外の大型SCで、ファッション系テナントの営業時間延長が実質的に午後10時で固まりつつある。核店舗のGMS(総合小売業)は午後11時以降の営業が珍しくなくなっており、一緒にSCを構成する専門店街にも10時以降の営業を求めてきた。しかし、テナントとの間で「10時まで」という交渉が進み、デベロッパー側にも11時まではやれないことへの理解が広がっている。
テレビ通販の専門企業が、連絡協議会の結成に向け、準備会を開催。急成長の一方で誇大宣伝や苦情の増加など問題点も表面化していることから、対応を協議する。まず有力企業10社前後による準備会を開催後、連絡協議会へと発展をめざす。
日経MJが全国小売・外食などの主要企業(回答100社)に実施した4月から始まる消費税総額表示義務化によるアンケートで、他社の動きを見極めたいとして最終決定を先延ばしする一方、取引条件をめぐるせめぎ合いなどに頭を悩ましている実態が明らかになった。表示方法では、総額のみが54%、総額に本体価格併記23%、本体価格に総額併記14%となっている。
関西地区の商業施設で固定客づくりの販促手段として、携帯電話を使ったeメールマーケティングが注目されている。イベントやバーゲンの告知など、従来はテレビなどのマスメディアやチラシ、ハガキのDM(ダイレクトメール)などに依存していた広告宣伝の手法に比べ、情報をタイムリーに送ることができ、顧客との双方向のコミュニケーションも可能。費用の高いテレビCMや郵送費などがかかるDMと違って、コストも安い。いまのところヤングの携帯世代向けが中心とはいえ、集客増と顧客の囲い込みが欠かせない商業施設にとっては、販促の新しい手段となりそうだ。
百貨店が「新しさと驚きの連打」をキーワードに掲げ、それを実現するための舞台の一つとして、期間限定のプロモーションスペースを設けている。婦人服売り場を中心に続々と登場し、ほかにない魅力を発信する場として注目度を高めている。
日本ショッピングセンター協会の03年10大ニュースは、上位から、大都市に大型店オープン、丸の内の本格的再開発の始まり、カルフール国内7店に拡大、テスコがシートゥーネットワークを買収、イオングループの出店ラッシュなどとなっている。
日経による04年の流通業界予測で、スーパーでは低価格を武器にした新業態・スーパーセンターの市場争奪戦激化、百貨店誕生100周年も成長路線が見いだせず、さらに消費税総額表示など新たなコスト負担が各社の体力を一段と疲弊させるとしている。
有力商業施設を中心にした「定期借家契約」の導入に伴って、テナント保証金や家賃のあり方が変わりつつある。契約期間の終了後にテナントを自由に入れ替えることができるうえ、中途解約不可の契約もできるのが定期借家契約。高額な立退き料を払う必要もなく入れ替えが容易で、安定した賃料収入が見込めるなど、デベロッパー側に圧倒的に有利だ。
スーパー大手が23時以降の深夜営業を拡大する。2月末で約7割に達する見通しで、食品のほか、衣料品や家庭用品の売り場も対象とし、増収を狙う。都市部を中心とする消費スタイルの変化にきめ細かく対応するため。
日本アパレル産業協会のアパレル業界標準RFID(Radio Finder Identification:無線タグ)システム推進委員会は、実証実験の実施計画を決めた。実験は、婦人アウターなどハンガー商品を中心としたグループとドレスシャツなどケース商品グループで縫製工場の出荷からアパレル流通センター、百貨店店頭までの過程を対象に、業務処理時間やコスト削減、処理制度を検証し、導入の定量的・定性的効果を分析、年度内に報告書をまとめる。
ポリエステル100%の平織布にフィブリル加工とシワ加工を施した生地を試験し、次の結果を得た。水洗い、ドライとも可能である。ただしドライでは繰り返し洗濯でフィブリルに変化が生じる可能性があるので、ネット使用が望ましい。仕上げ時のシワ加工の変化は、スチームでは問題ないが乾熱アイロンではわずかにふくらみが消失した。
三洋電機テクノクリーン社によるシリコーンを溶剤とするドライ機(SCLー8160,16kg)。アメリカのグリーンアース社からシリコーン溶剤の日本国内のマスターライセンスを得た。溶剤は東レ・ダウコーニング、ソープは日本油脂から供給される。これら各社の溶剤費用補助により、クリーニングコストが軽減できた。この方式の特徴は、処理時間の短縮、高い洗浄力、人体や環境に対する安全にある。また撥水加工を付加することも可能である。
メンズのセレクトショップや高級ブランドでアフターケアの強化、特にクリーニングが新しいサービスとして脚光を浴びている。低価格競争の激しいクリーニング業界にとって、高級衣料をねらった新たなマーケットの開拓につながり、ブランドにとっても顧客の信頼度向上や来店頻度が高まるメリットがある。
愛知県県民生活中央県民生活プラザは,クリーニング店(24店舗)に、合成皮革製ズボンをドライクリーニングしてもらい、引き取り後に、腰・大腿部・裾・ポケット部分の残留溶剤を測定した。テストの結果、溶剤の残留が認められたものは24点のうち3点で、これらは臭いもかなり強くあった。残留箇所は、一部に集中しているものもあればほぼ全体に残留しているものもあった。ハンガーにかけて室内に干すと5〜6時間から一晩で消えた。なお、店から口頭で「皮膚障害・化学やけど」について説明があったのは5店舗だった。
クリーニングチェーン「喜久屋」(本社・東京)は、インターネットで全国から衣類の保管を受け付けるサービス[e-closet(イークロゼット、http://www.e-closet.com/)]を始めた。スーツなら15〜16着は入る袋が自宅に送られ、預けたい服を入れて宅配で送る仕組み。服はクリーニングの上、専用倉庫で最長6ヶ月まで保管。期間終了後は段ボール箱で返送する。スーツ上下が1250円、ワンピース950円、スカート500円等で、同社のクリーニング代と同額。配送料は代金が1万円以上なら無料。
潟Wャヴスが発売するフッ素系新溶剤「365LIVE」の紹介。この溶剤はフランスで生産されているHFC-365mfc(ソルカン)70%と旭硝子製のFCIC(AK-225)30%の混合溶剤である。両溶剤ともオゾン層破壊係数や温暖化係数が低いが、前者は燃焼範囲を持つのでAK-225を混合して改善した。また溶解力(KB値)や沸点も改善されている。22kgが31,300円。なおAK-225は金属、プラスティックの洗浄用にフロン113の代替溶剤として開発されたので、プラスティックへの影響は小さいが、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ウレタン、フッ素ゴムには変化を与える。この溶剤の専用機(10kg)で大阪都心(中央区淡路町)に出店し、クリーニング品質の良さを特徴とするフランス屋の実例が紹介されている。
日本衣料管理協会の使用実態調査によると、中高年男性が購入したスーツは、百貨店でほぼ半数購入、価格は4万3千円台、購入時にまずサイズ、次いで品質を重視している。中高年女性は、男性同様百貨店で4割が購入、価格は3万4千円台、身につけて似合うかどうかを重視して購入している。
長崎県消費生活センター 毎日着用する肌着は、低価格であっても直接肌に触れるもので「品質」「安全性」を調査。平成14年11月に肌着類22銘柄(単価100〜390円、税抜き)の表示や縫製を確認し、基本的な品質性能やホルムアルデヒド含有量などを調べ、JISの下着類基準と比較。表示は3銘柄表示者名と連絡先なし。安全性には問題なかったが、洗濯1回から6銘柄が基準を超える寸法変化が見られ洗濯を繰り返す事で斜行などが見られる。また100円は縫製が悪かった。
静岡県内で、「布団類」の相談が急増している。相談の約6割が、60歳以上の高齢者からよせられている。15年7月から9月までによせられた消費生活相談をまとめたところ、前年同期、76件だった「布団類」の相談が125件で約1.6倍に増加していることがわかった。相談の商品別では、第4位、60歳以上に限定すると第1位とトラブルが多発している。布団類の相談の多くは、SF商法や点検商法によるものが多い。契約金額は、品物にもよるが、羽毛布団の場合、60万円から80万円と高額になる。高齢者宅に消費者センターの電話番号の入ったステッカーを配布し、センターへの相談をよびかけている。
傘やレインコート、スポーツ衣料など、多くの繊維製品にも応用されているはっ水加工の「効果が感じられない」などの声が名古屋市消費生活センターによせられ、はっ水加工の衣料品12銘柄の機能性などをテストした。水洗いを繰り返したところ、全ての銘柄ではっ水効果が低下した。3〜5回の水洗いで効果が殆どなくなってしまう銘柄がある一方で、10回以上水洗いを繰返してもある程度のはっ水効果を保つ銘柄もあった。「アイロン掛けによりはっ水効果が持続する」旨の表示をした銘柄について実施した結果、低下した効果が元の状態まで回復した。また防汚効果については、調味料を滴下し、一分後にふき取って汚れの付着具合を調べた。しょうゆではどの銘柄もはじいた。ケチャップやマヨネーズは、シミになった。センターは、「食べこぼしはすぐにふき取り、アイロンがけなどの手入れもかかさずに」とアドバイス。業界には、手入れ方法の詳しい表示を要望した。
日本百貨店協会の調査によると、百貨店の年間衣料品販売額は3兆4,000億円。一方で、販売機会のロスによる売り逃しは8,800億円に達し、販売総額の26%に相当する。同協会は「8,800億円は百貨店・アパレル業界に対する顧客の失望感の総量だ」と指摘する。同協会は欠品を減らすため、日本アパレル産業協会と共同で「コラボレ−ション取引」の普及に取り組む。納品率を契約書に記すなど取引条件の見直しで問題を解決する試みだ。完全実施で機会ロスのうち5,500億円をなくせると同協会は主張する。
富田茂樹(株苧m舎洗濯科学研究所)が外観変化の苦情事例として、毛羽立ち、毛羽乱れ、毛玉の発生、糸引け(スナッグ)、シワ(着用やクリーニングによるもの、シワ加工が施されているもの、クリーニング後発生するもの)について、またその他の苦情事例として、反転(リバース)、モール糸の飛び出し、モール糸の脱落、ゴムの劣化、ポリウレタン糸抜け、ポリウレタン糸の飛び出し、ポリウレタン製肩パッドの劣化、中わたの吹き出し、ポリ塩化ビニール製品の硬化、光沢の消失、金属繊維の切断について写真入りで解説。
HOW研究所がサンケイリビング新聞読者350名を対象にした調査の結果。クリーニングトラブルの経験は50%が「ある」と答え、特に40代では64%に達している。トラブルの内容の上位5種類は、ボタンの破損・紛失23%、汚れが落ちていない18%、色落ち17%、寸法変化14%、クリーニング品、付属品の紛失14%であった。またクリーニング店への要望は、仕上がり、安さ、割引き制度、受付の対応という順序であった。
ISOなど国際標準規格を決定する国際機関のトップに日本人が相次いで就任している。ISOには03年9月に開かれた総会で、田中正躬氏日本化学協会専務理事が次回会長への就任が決まった。国際電気通信連合(ITU)には、内海善雄氏が事務局長に99年に就任し、02年に再任されて現在2期目を務めている。電気電子製品の国際的な安全規格等を定める国際電気標準会議(IEC)は06年に100周年を迎える。この会長を務めるのが高柳誠一東芝技術顧問で会長2年目になる。同氏は東芝副社長の実績がある。
アジアファッション連合会が発足した。日本ファッション協会、中国服装設計師協会、韓国ファッション協会は10日、東京で同連合会の発足式を行った。目的は①日本、中国、韓国それぞれの生活文化(ファッション)およびマーケット特性の相互理解②3国が相互にマーケット参入することに対する販促支援③国相互の文化に根ざすアジアファッションの発掘(人材を含む)および欧米マーケットへの発信。相互信頼の下に協力し、3国の生活文化の向上、ファッションビジネスの振興を図る。
日本能率協会コンサルティングの「モノづくり実態調査」報告書によると、「勝ち組(売上高・粗利益とも10%以上増加しているウィナー企業)」の7割が販売価格上昇、3割が製造原価も上昇しており、原価が上がっても魅力ある商品の市場投入を意識しているという。生産力向上の改善活動を通じて期待する効果は、品質が61%と2位のコスト21%を大きく引き離している。そこには、コスト削減以上に高付加価値製品の創出、早期市場投入を意識していると分析している。
成田空港で持ち込みを差し止められた有名ブランドのコピー商品が増え、税関が旅行者に任意放棄させたコピー商品は今年9月までで前年の2.2倍になっている。コピー商品と知って持ち込もちこむと、税関法5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、または併科と定められているが、旅行者がコピーとは知らず、少量な場合には任意放棄すれば罪を問わない。
アンケート調査の結果、ずり落ちやすいことがソックスに対する不満として最も多いことが解った。市販ソックスの着用試験の結果と、5種類のソックスを試作し評価を行った結果から、ずり落ちにくく締め付けすぎないソックスをつくるには、レッグ部分の広い範囲に弾性糸を編み込み、レッグ部分全体の衣服圧を高める工夫をすることが有効であると解った。また、足の大きさに適合したサイズのソックスを着用することも、ずり落ち防止に重要であることが判明した。
日本インテリアファブリックス協会(NIF)は、需要の最大基盤である新築需要が減少する中、リフォームを中心とする家庭用需要の開拓と輸出努力の積み重ねを重点目標とするインテリアファブリックス産業活性化ビジョンを策定した。今後とり組むべき課題として、取引改善のため仕入れ・販売先業との間の取引条件の標準化・明文化や行政との連携強化など8項目を挙げると同時に、今後の数値目標を04年度に対し08年度で会員売上高が床面積を20ポイント上回るようにしている。
旭化成は次世代のタイヤやコンクリートの補強材に使う高強度繊維を事業化する。事業化するのは同社が開発したポリケトン繊維で、金属塩の水溶液を使う溶剤を新たに開発したことで、量産化が可能になった。広く補強材に使われるアラミド繊維に比べれば強度は八割程度だが、同繊維よりゴムとの接着性が高い。エチレンと一酸化炭素という比較的安価な原料から作られるため、価格はアラミドより安く、キロあたり2,000円以下に抑えられる。ランフラットタイヤなどの次世代タイヤや耐震ビルの補強材、工場のガスフィルターや分離膜などとしての用途を見込んでいる。
服飾系教育機関で、学生に企業実務を経験させるインターンシップを、実務の流れを習得するには従来の1〜3週間の企業研修では不十分と、長期化する傾向がある。また、企業・団体の課題を期間限定して取り組ませる産学協業型授業も目立ってきている。
ダイワボウは気管支喘息やアトピー性皮膚炎の原因とされるダニのふんや死骸を無害化する機能を持たせた布団を発売する。原因物質(アレルゲン)を吸着・分解する加工を中綿や羽毛に施した。信州大学との共同研究でフタロシアニンという物質がアレルゲンを吸着・分解することを発見したもので、実験では繊維1gでダニ三千匹分のアレルゲンを無害化した。アレルゲンそのものを無害化する布団は始めてとのこと。
①2月17日
②中央大学駿河台記念館
③消費者対応部門の中堅者としての役割とチャレンジ(顧客視点経営に求められる姿とは)、お客様相談室における顧客満足と顧客心理(よりよいお客様対応のために)
④消費者関連専門家会議
TEL 03-3353-4999
①2月18日
②静岡県浜松工業技術センター
③最近の機能性繊維の開発動向、繊維の機能加工、最新の繊維安全性について
④静岡県浜松工業技術センター繊維新製品開発技術スタッフ 田端、小杉 TEL 053-428-4153
①2月19日
②東京都北区滝野川西区民センター
③繊維材料の燃焼性評価試験とその現状、コーンカロリーメータの活用と物性試験機の現状、コーンカロリーメータ・物性試験機見学・試験
④繊維学会 問い合わせ先:日本女子大学家政学部 島崎恒蔵 TEL 03-5981-3483
①2月23日
②国際ファッションセンター
③経産省の受託事業の川中製造業自立のための事例調査とカリキュラム開発の報告会、入場無料
④IFI(ファッション産業人材育成機構) TEL 03-5610-5700
①2月24日〜25日
②大阪科学技術センター
③化合繊概論、再生セルロース繊維、合成繊維の高次加工−染色加工、特化化合繊の開発動向、スーパー繊維とその用途展開、他
④日本繊維機械学会
TEL 06-6443-4691
①3月1日〜2日
②日本規格協会本部大講堂
③よい仕事をするためには、ばらつきの世界、データを上手に活用するための道具、工程の管理と標準化、問題解決の考え方と進め方、他
④日本規格協会
TEL 03-3583-8008
①3月4日〜5日
②キャンパスプラザ京都
③原材料から製品化への新たな流れ、環境対応型繊維産業の創出、ナノ技術による繊維産業創成、シルク素材の昨今と新産業への展開
④日本繊維機械学会 TEL 06-6443-4691
①3月5日
②大阪市立北区民センター
③今年の春夏物のファッショントレンド、染色・加工とクリーニング(アパレル業界の視点から、クリーニング業界の視点から、消費者の視点から)
④日本繊維製品消費科学会 申込先:学会センター関西内「日本繊維製品消費科学会」係
TEL 06-6873-2780
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:中島利誠/発行人:大谷芳男