ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧(2003年度:第20巻〜)→
経済産業省は、第3回繊維人材育成研究会で、リソースセンター(RC)では産地の特徴を生かしたプログラムに特化、ファッション人材育成機構ではこれまで培った教育ノウハウをRCに提供し、連携することが望ましいとし、教育プログラム案を議論した。また、人材育成事業で、来年度予算で1億5千万円程度確保したことを明らかにした。
公正取引委員会は、消費税総額表示義務付けに向けて、優越的地位の乱用が行われていないかを把握するため、納入業者と小売業者を対象に実態調査を行う。衣料品、飲食料品、日用品、食器などの納入業者3,500社と、小売業者300社を対象に調査を行う。その結果、独禁法や下請法に違反する行為が認められた場合には「厳正に対処する」方針である。
中小企業庁は、「中小企業IT化推進計画U」を策定した。Tにより03年度末に中小企業の半数程度がインターネットを活用した電子商取引が実施できるという目標を達成したので、Uでは企業間の信頼関係による取引連携の実現など、経営革新のためのIT活用推進の方向性を示している。
自民党は消費者問題の作業部会で、消費者保護基本法改正案の骨子を提示した。消費者が自らの利益を守るために自主的に行動できるよう自立の支援を積極的に進めることを明記。安全性の確保や被害救済などで消費者の権利を認めることや、政策面で国際強調や環境保全に配慮することも打ち出した。消費者保護基本法は制定から約35年が経過した。近年、規制改革の進展や情報技術(IT)化などによって、消費者を取り巻く環境が大きく変わっており、改正することになった。
経済産業省がまとめた1月の商業販売統計速報によると、小売業は10兆4,150億円で前年同月比1.3%増加したが、中でも織物・衣服・身の回り品関係は2.5%増と、98年4月の2.9%増以来69ヶ月ぶりの高い伸びを示した。前年同月に比べ土曜日が1日多かったほか、冬物など季節衣料品がセ−ルを中心に好調に推移したためで、引き続き減少傾向にある大型小売店と対照的な動きとなった。
経済産業省は日本工業規格(JIS)マ−ク制度を刷新し、国の指定機関が実施していたマ−クの認証業務を民間企業に開放する。JISマ−クをつけられる商品は現在643品目に限られているが、JIS規格に適合した商品にはすべて付けられるようにする。今の通常国会に工業標準化法改正案を提出し、05年10月施行を目指す。改正後は、国か国の指定を受けた6機関による工場審査を経て認定していたJISマ−クが製品ごとの認証制度に変わり民間登録業者による認証で得られるようになる。
クラレ、クラレトレーディングは、ポリエステルと「エバール」(エチレン・ビニルアルコール共重合体)との芯鞘複合繊維の境界面をナノレベルのヒダ状に制御し、剥離などの欠点を改善する技術を確立した。これによって高い発色性と濃色度の向上も得られることから「ブラック・ソフィスタ」(仮称)としてブラックフォーマルなどに販売する。さらに、今回のナノレベルでポリマー層の厚みを制御する二液精密溶融技術は、エバールを含む酢酸ビニル系ポリマーの特性を踏まえた紡糸技術であり、他種ポリマーなどとの複合への応用も可能としており、新素材、新用途開発に結びつける考えだ。
NI帝人商事は、アセテートとポリエステルの混繊糸使いで、撥水性と制電性を併せ持つ高密度透湿防水織物「リッチテックプラス」を開発。たて・よことも、アセテート66%・ポリエステル34%の混繊糸であり、アセテートの吸湿性が制電機能を補完するため、制電剤の使用量を抑制して撥水性能の低下を防いだ。アセテートが極細糸の9倍の太さを持つため、汚れがつきにくい。アセテートの発色性の良さやドライな風合いも特徴。耐水圧も350o以上で、日常防水機能がある。価格は従来のポリエステル高密度織物「リッチテック」の5割高。スポーツウェア向けに輸出先行、国内にも広げる。
帝人ファイバーは、05年春夏向けスポーツ素材で、「エアーインプレッション」(仮称)、「ブラインドメッシュ」(仮称)を開発。通気性に優れ着るほど涼しい<Tマーシェルで新需要の創出を目指す。前者はニット並みの高い通気性を持つ織物。特殊織構造により通気量は100cm2/cm2・s以上。フルダルのハイマルチ糸を使い、UVカットや透け防止、吸汗速乾性、ソフト風合いを併せ持つ。後者はフルダル・マイクロファイバー(30D)使いの高密度特殊構造ニット。メッシュのような超軽量と高通気性が特徴。柔らかく、コンパクト性があり、UVカットや透け防止性は維持している。
欧米で勃興した合成繊維は、日本では新合繊時代を境にピークアウトしたが、長年蓄積した技術力を駆使して先進国型・合繊国として存在感を維持続けるのか、分岐点に立っている。その中で、久しく途絶えていた新タイプの合繊の開発が活発になってきた。ポリケトンなどの新登場型合繊、PLAなどの量産期待合繊の一覧表を付して、技術立国・日本の合繊が検証されている。また、人・地球に優しく、エコ、無染色、天然原料で環境対応などをキーワードとした素材開発・加工開発に言及し、 美容・健康素材例の機能目的別一覧表が掲載されている。
フジックスは「ミューファン」素材対応のミューファンミシン糸を開発した。ミューファン織布は特殊な純銀糸を4〜5mm間隔で織り、または編み込んだ素材で、抗菌効果に優れている。現在この素材が様々な分野に拡大されているため、その縫製に必要なミューファンミシン糸が開発されたもの。この縫い糸は純銀のラメ糸を特殊な技法によってポリエステル糸と交撚糸化したもので、抗菌性、熱遮断効果などがある。
クラボウの北条工場は、ラベンダーの茎や、レモングラスの葉から抽出した繊維と綿の混紡糸を商品化した。北条工場は、紡績素材としてあまり使われていない植物の皮や茎の紡績を得意にしていることで有名。最近では、月桃の茎を紡績糸にしたことで話題になった。今回のラベンダー混、レモングラス混も、同工場ならではの技術を生かして作ったもの。ラベンダーは、北海道を中心に日本各地の農場から取り寄せて使用する。エッセンシャルオイルを生地に付着させることで、ラベンダーの香りも付与する。レモングラスは、熱帯アジアに自生するススキの一種で、レモンの香りがする。
東レは高吸汗速乾ニット「フィールドセンサー」の新シリーズとして、大量の汗でもすばやく拡散する「フィールドセンサーDX」(ドライマックス)を04年春夏向けから本格販売する。トップアスリート向けから始め、一般スポーツウェア、カジュアルウェアに広げる。フィールドセンサーは、部分撥水加工技術と多層編構造によって毛細管現象を利用したもの。新素材は肌面に通常の加工糸に加え、新開発のテトロン撥水加工糸を最適配置し、肌面の非撥水の吸水箇所を点状に集中させることで、吸水・拡散効果を高めた。従来品よりウェア肌面にとどまる汗は4分の1、表面の拡散は2倍、乾燥時間は3分の2ほどである。
東レは05年春夏用スポーツ素材で、新素材「ディコット」(仮称)、「エアータスティック」(仮称)、「アセコメット」を販売する。ディコットは中空率45%のナイロン6フィラメントを使った軽量織物。これまで中空率の高い糸でも40%がトップクラスだった。仮撚りも可能。エアータスティックは、13〜30dtexの細いナイロンフィラメントを特殊仮撚りした軽量織物。ナイロン6のほか一部ナイロン66を使用。ストレッチ機能、透湿防水などの加工を付与でき、ソフトシェルに適した素材。アセコメットは汗じみ防止ポリエステルニット。汗を生地の中間層に保水して表面をぬらすことなく蒸散する。
染料や顔料の必要が無い繊維。ポリエステルとナイロンの屈折率の違いを活かし、長繊維の縦方向に交互に積み重ねてある。その層は径20ミクロンに満たない中に60以上。透明で微細な層の集積によって、光の屈折や分散、反射の作用を糸自身が採り込んだ。プリズムで見られるように、自然界にある虹の色が出せる原理。帝人ファイバーはモルフォ蝶のような青と赤、紫、緑の4色を販売している。同じ糸でも光の角度や強さで変化するため、視覚に訴える力は無限という声もある。研究を始めて以来、実に10年近い年月を経て、商業生産への道が広がってきた。
ユニチカファイバーは05年春夏向けスポーツ素材で、吸放湿ポリエステル「ハイグラ−E」を開発。シーズンの重点素材はナノテク加工「ナノ・テックス」や吸放湿ナイロン「ハイグラシリーズ」など。ハイグラ−Eは吸放湿ナイロンハイグラのポリエステル版。ポリエステルに親水性新吸湿ポリマーを均一に練り込んだ。通常ポリエステルの約6倍の吸放湿性を持つ。昨年7月から始めたナノ・テックスは、顧客からスポーツ用途だけでなくカジュアル用途の要望があり、ユニチカテキスタイル、ユニチカサカイへ扱いが広がった。
東レと姫路工大の畠山賢一助教授は電波を吸収する紙を共同開発した。導電性の新型繊維を紙の中に分散させた。ラジオやテレビ、携帯電話などの電波のほか、パソコンとインターネットを無線でつなぐ通信機器で使う数GHzの電波も吸収する。従来も炭素系の材料を使った電波吸収体はあるが、1GHz以上の電波では電波吸収効率が低下する問題があった。新型繊維は導電性の有機結晶を含む合成繊維で、紙にあたった電波は内部の繊維部分で摩擦熱が発生し、吸収される。繊維長や重なり具合を工夫すれば、100GHz程度まで99%電波を吸収できるという。
合繊メーカーの05年春夏向けスポーツ素材が出揃った。素材が命の業界では、新機能いかんで需要は掘り起こせると開発熱が高まる。吸汗速乾機能が進化し、一段と不快感を取り除いた「快適ドライ」、「超ドライ」や極細糸使いの「超軽量」など新機能が充実している。ドライ機能プラスα、肌のぬれ感軽減、汗じみ抑制などがあげられ、05年春夏スポーツ新素材が各社別に紹介されている。ドライ機能のほかに、開発の一つの流れをくむのが「超軽量」素材。1年ほど前から超極細糸を使った高密度織物の軽量・薄地化が相次ぎ、高中空糸の素材が加わっている。
中国のハルピン亜麻集団有限公司は、リネンの形態安定加工品を日本の技術協力を得て開発、日本向けの販売を開始する。形態安定加工は綿、毛製品では普及しているがリネンでは珍しい。原料リネンはフランス産に厳選。加工は液体アンモニア加工と樹脂加工を組み合わせて完成させた。洗たく後(タンブル乾燥10回)のW&W性は3.7級、寸法変化率はたて・よこ1.5%以内におさえられ、家庭洗たくができる。展示会では、特に小売店からのサンプル請求が多かった。
セーレンは、05年春夏向けのスポーツ素材で、吸水速乾機能を高める「ハイパレックスドライ」加工、光触媒技術の「シャインエフェクト」加工を販売する。ハイパレックスドライは、ポリエステル素材を改質させる特殊な後加工。糸の太さを問わず、表面にミクロの溝をつくることで表面積が増加、吸水性を高めるとともに、蒸発・乾燥しやすくなる。薬剤加工に比べて、洗濯耐久性も向上している。シャインエフェクトは、太陽の光を利用して、繊維の汚れを分解し、落ちやすくする。光触媒の自助的なクリーニング効果も特徴の一つである。
小松精練は積水化学工業との共同で、繊維上に付着したダニアレルゲン(ダニアレルギーを引き起こす原因物質)を低減する後加工「アレルバスター」を開発した。寝装、寝具、カーテン、ソファ、クッションなどの用途を狙いポリエステル100%、同綿混などのテキスタイルを投入する。同素材は積水が開発したフェノール系ポリマーを小松精練の特殊加工技術で繊維状に固着させるもの。ダニに由来するアレルゲンの80%以上を不活性化し、人体への影響を低減する。
精製セルロース繊維「リヨセル」「テンセル」のフィブリル化防止剤「プリシェードNF」が一方社樹脂工業から出されている。この薬剤は、精製セルロース繊維に存在する「フィブリルの芽」と呼ばれる部分を架橋し、洗濯等の物理力を受ける際の成長を抑制する。上記の芽を削る酵素処理とは異なり、繊維間をきっちり固定化するため、繰り返し洗濯にも耐える。また、処理後も通常の染色処方が適用でき、均染性、発色性、染色堅ろう度も良好で、ホルマリンなどの有害物質も発生しないという。他のフィブリル化防止剤との比較、電子顕微鏡写真も示されている。
東洋紡、トミヤアパレル、住友商事の3社は共同で、綿100%で従来品に比べて形態安定性、吸水速乾性を大幅に向上させたシャツ「ナノプルーフ」を開発。ナノプルーフは、気相を使って架橋結合する東洋紡の形態安定加工のVP加工をさらにすすめ、ナノテクノロジーで水の分子並みの大きさの架橋構造を実現した。繊維の内部まで均一に架橋構造ができ、形態安定性が向上。また、すべての繊維間が架橋結合しているため、水で繊維が膨らまず脱水時の水切れが向上したという。価格は従来品とほぼ同一で、シャツで百貨店向け6,900〜8,900円、専門店向け3,900〜5,900円、量販店向け3,900〜4,900円。
ユニチカのケアトリートメント素材として、光触媒応用繊維素材「サンフィニッシュ」とマイナスイオン発生素材「リライフ」が取り上げられている。前者はアナターゼ型酸化チタンの酸化力を応用したもの。光触媒のメカニズム、消臭性、抗菌性および一般衣料と比べて洗濯面で清潔度の保持しにくい寝装用(側地)を中心とした商品展開が説明されている。後者は数mμまで微砕紛したマイナスイオン発生鉱物とフィトンチットのマイクロカプセルを洗濯耐久性に優れ、風合いの硬化の少ない特殊バインダーで固着したもの。マイナスイオン発生機構、性能、商品展開が示されている。
日清紡は形態安定加工「SSP」を進化させた「SSPオングストローム」を秋冬向けから販売する。ナノ技術のさらに10分の1のオングストローム単位での改良により、綿100%ながら、W&W性3.5級以上、パッカリング抑制4級以上を可能にした。形態安定加工は樹脂架橋剤を綿セルロースにナノ単位で反応させるが、架橋反応が十分に制御できず、樹脂を増やすと固くなり、強度も低下した。今回はオングストローム単位で架橋反応の精度を高めることで、ノーアイロン効果を向上させ、シワになりにくく、快適な風合いを保つ。プリーツ保持性も高い。抗菌防臭、吸水、防汚加工なども付与できる。
公害規制の強化で環境に優しい天然染料が見直され、欧州では良質の青色染料の原料となるアブラナ科のホソバタイセイが注目されている。EUは01年に360万ユーロを投じ、大規模な栽培を奨励する機関「スピンディゴ」を発足、これまで英国、フィンランド、ドイツ、イタリア、スペインの農家が栽培に踏み切った。化学染料とは一線を画する鮮やかなインディゴカラーが特徴で、すでにイタリアの「コーポ・ノーべ」やロンドンの新進ブランド「ブーディカ」がタイセイ染めのコレクションを発表するなど、実用化の波が広がり始めた。1トンの葉から900gの青色染料が抽出でき、約4万円の値段がつくという。
野崎染色(京都府亀岡市)は、シルクを家庭洗濯機で洗っても擦れが起きにくく、形態も安定する「ボンソワーリ加工」を開発、受注加工を開始する。従来の樹脂加工やホルマリン、有機溶剤などとは違い、環境や体に悪影響を与えない薬剤を使って、シルクのタンパク質を架橋結合で改質する。弱水流の機械洗濯で収縮せず、擦れやピルの発生が大幅に抑制され、シルクの風合いや光沢感などの特性がそのまま維持される。自生地の段階で加工しておけば、高速の液流染色に耐えられ、プリントなどもしやすくなり、生産コストも軽減される。シルク100%素材だけでなく、シルク複合もすべて対応できる。
日本繊維輸入組合が日本貿易統計をもとにした03年の輸入統計によれば、ニット・布帛製をあわせたアパレル輸入は数量が9%増、金額が3%増となり、数量はこれまでの最高だった01年の31億4千万点を抜き、史上最高を更新した。このうち中国は91%と初めて90%台になったほか、金額でも82.6%を占め突出ぶりが目立っている。こうした中国一国集中による供給のリスキー構造は、昨年のSARS問題や中国の電力事情などから、懸念の声もある。
下着メーカーがブラジャーで一万円を上回る高級品を相次いで発売している。これまで高級品は輸入物が中心だったが、日本人好みの商品が求められているとの判断がある。ワコールの熟練者が縫製した商品については本誌に既報(20巻6号)。トリンプ・インターナショナル・ジャパンは大柄なレースや花柄をあしらった日本独自企画の新商品を加える。またグンゼは高級レースをあしらった商品を百貨店向けに導入している。
華やかでありながらどこか和める和風のデザインの生活雑貨と衣料を専門に扱う高知のブランド「ほにや」がファンを増やしている。すべて綿やポリエステルなど家庭で洗える素材で、特別な手入れは不要。銀座三越内にある銀座店では約30種類ある「前掛け」が売れ筋で、カラフルな和の花柄とデニムを合わせるなど斬新なデザインである。同社の商品開発の原則は「和洋折衷のマンション生活でも自然に使えること」という。
ダイドーリミテッドは、米ブルックスブラザーズのスーツのOEM(相手先ブランドによる生産)を本格化する。03年1万着生産で足がかりをつくり、今年も1万着を供給、5年後には5万着規模をめざしている。こうした実績を背景に欧米への輸出も具体化する考えで、すでに数社にOEM提案している。製品は、ダイドーの中国における毛紡織・縫製一貫工場、大同利美得(上海)で作る。
百貨店を主力販路とする大手アパレルが直営店に近い売り方ができる「消化仕入れ」方式の卸取引を広げている。新ブランドで導入するほか、既存商品でも契約変更を進める。
セブン−イレブン・ジャパンとワコールはむくみにくく、吸汗性のある快適な履き心地を目指したパンティストッキングを共同開発し、発売する。百貨店などで扱うワコールの主力商品に比べて価格を半分以下に抑えた。むくみにくい、脚がきれいに見える、吸湿・吸汗性がある、といった現代女性のニーズに基づいて、パンティー部の立体設計により自然なヒップラインを実現し、消臭性を備えた糸・吸湿性のある糸の複数使用により汗やムレによって発生する脚のにおいを抑える一方、サラッとした履き心地を目指した。現代女性のサイズデータにあわせて、股下丈を長めに設計している。
ワコールは妊婦向け衣料の新ブランドを立ち上げ、8月より発売する。妊娠しても仕事を続けたい20〜30歳代を主な購買層と想定している。妊婦期の身体に配慮した機能性を持たせながら、ファッション性を高めた。綿など着心地のよい天然素材を採用し、スカートやパンツにはサイズ調整機能を持たせている。ワコールが実施した調査によると、現代の妊婦は20年前に比較すると、腹部が小さくウエストのくびれもある体形を維持しているという。
日本百貨店協会、日本チェーンストア協会が発表した03年販売統計によると、百貨店は2.8%減、チェーンは3.2%減といずれも97年から7年連続して減少した。春に気温の上昇が遅れ、長梅雨・冷夏の一方で残暑となり、暖冬が重なり、天候不順が衣料品販売を直撃、百貨店は3.6%減、チェーンは4.1%減であった。
昨年夏以降、米国小売業界全体の販売は回復基調にあるが、安売り店の攻勢や輸入品との競合で価格競争が激化し、経営環境は厳しさを増している。従って、販売が回復しても、人員削減の動きが相次いでいるという。
最近、企業のホームページの中で他社の買い物サイトへの入り口を設けるというアフィリエイト・プログラムと呼ばれるマーケティング手法が盛んになっている。生け花から下着まで急増しており、サイトとサイトとの仲介ビジネスなども拡大している。セシールでは、インターネットで獲得した5万人の内8千人はこの手法によるものであるという。
用語解説
アフィリエイト・プログラム(affiliate program)
ウェブサイトを利用した広告・販売形態のひとつ。オンラインで商品やサービスを提供するECサイトと提携を結んで、自らのサイトに広告・リンクを掲載し、そのリンクから直接発生したアクセスや注文等の成果に応じて報酬を得る。バナー広告に限らず、商品画像等多彩な方法でリンク付けが可能。
欧米に売り先を求める新興メーカー、新進デザイナーが増えている。背景には日本発のカジュアルに対する海外バイヤーの見方の変化がある。受注の仕方が変わり、受注額が増え、継続的な取引を要望する海外の店が増えている。売り上げの回収、継続的な受注のためのショールームの確保や合同展への連続参加、輸出業務など、まだ課題は多いが、バイヤーの変化に勇気づけられて新興メーカーの海外進出が熱気を帯びている。
日本能率協会コンサルティング(JMACの「サービス・販売現場情報活用に関する実態調査」によると、「客の声」「客の買物行動」「従業員の声」などの現場情報を活用している企業ほど営業利益率が高いことが分かった。全体として情報活用は不十分なのが実態となっている。
米欧の小売り大手が商品情報を読みとれるICタグを相次ぎ実用化する。ウォルマートは上位100社程度の取引先とICタグ導入の協議に入った。衣料品や日用品など広範な商品が対象。独メトロは上位取引先100社に今年11月までにICタグの装着を要請。英大手スーパーのマークス・アンド・スペンサーはICタグを付けた紳士衣料品を販売する実験を行った。ウォルマートやメトロなどが情報処理の規格に採用するのはEPCと呼ぶ商品コード。日本ではEPCと異なる商品コードや周波数で実験が進んできたが、今後は米欧の方式にも対応しようとの気運が一段と高まる公算が大きい。
日本の中堅・中小アパレル、新興・個性派ブランドを一堂に集めたジャパンブランド館が、春から秋にかけて上海で相次いでオープンする。「フォーユー」と銘打ったレディスファッション・ショップが4月下旬に淮海中路に開店するのに次いで、9月には南京西路に尚海風(上海の風)「日本城」の開業が計画されている。トレンドの日本ブランドを集積した商業施設のオープンは初めて。
大規模小売店舗立地法に基づく03年の新設届け出件数745件、前年比30%増と、同法施行後最も多かった。専門店チェーンなどが郊外のロードサイドに積極出店したことが反映している。
日経産業消費研究所によるカジュアル購入先調査によると、ユニクロなどの専門店が最も多いが、今後はアウトレットで買いたいと思う消費者が増えており、安く買えるルートに人気が集まっている。
産地メーカーの脱下請けOEM、実需直結路線が強まるなかで、最終製品を手がけているところを中心に小売店ルート開拓活動が活発化してきた。ニットが先行しているが、タオルやファッション雑貨、和装小物などでいろいろな動きが生じている。この取り組みの前提となるのが商品のPR、展示会出店攻勢が目立つ。出展を通じての成功事例も少なくない。
日経産業消費研究所が昨年夏に行った「第16回企業イメージ調査」で百貨店、総合スーパー、コンビニエンスストアの3業種で集計してみると、「顧客ニーズへの対応に熱心である」とのイメージでイトーヨーカ堂(1位)、「地球環境に気を使っている」(1位はセブン−イレブン・ジャパン)でイオンを挙げている消費者が目立って増えた。他に1位に輝いたのは、「センスがよい」が伊勢丹、「信頼性がある」が高島屋、「伝統がある」が三越と、各社各様に挙げられている。
大手の輸入卸は、今年も新ブランドの導入や育成を強める。輸入卸各社からは、有力ブランドがジャパン社に移る例が多い。最近では、次世代の柱と期待されていたブランドの輸入販売権も移るケースが増えており、その穴を埋めるブランドの導入も急務になっている。また、ここ数年はセレクトショップなど販路拡大のために、個性的なブランドを相次いで導入してきた。これらの中から次世代の主力ブランドを見つけだすことも課題だ。
OLを中心に広がるエレガンスファッションが、今年また新たな動きを見せている。ブームの始まりから5年になるが、市場はいぜん広がる一方だ。カジュアル要素の強いブランドも台頭してきて、百貨店やファッションビルはエレガンス系の集積を強めている。新進SPA(製造小売業)を含む新ブランドの進出も目覚しい。大きなトレンド転換がない中、多くの企業がこのジャンルに突進しているといった様相だ。
百貨店が顧客の声をもとに開発する自主企画を拡充している。伊勢丹が今春夏から、自主企画の「オンリーアイ」キャンペーンに、支店の平場活性化を目的とする自主平場「ユニットショップ」を加えるなど、対象売り場や商品分野を広げる一方、三越と東武百貨店は今春から、新企画を立ち上げる。
女性のかばんというイメージが強いトートバッグを持つ男性が増えている。パソコンなどが楽に入る収納力の高さに加え「仕事でも休日でも」「男でも女でも」どちらにも使えるあいまいさが魅力の秘密のようだ。カジュアルな用途では若者を中心にほぼ定番となり、ビジネスに使うサラリーマンも徐々に増えている。
きもの業界で新業態ショップへの模索が増えている。この10年来、歴史的経過からきもの市場の先細りが懸念され続けてきたが、ここへきて消費者の「和」へのあこがれが表面化してきた。特に都心のヤングを中心とするアンティークきものの日常的な着用や、ゆかたブームなどが起爆剤となり、業界全体のアクションを呼び起こしている。
平成元年の被服費支出、クリーニング代支出をそれぞれ100とし、平成14年までの経年変化を追った。支出のピークは、被服費が平成3年の109.7、クリーニング代が平成4年の111.7であり、それ以降はよく似た減少傾向を示した結果、平成14年には被服費が64.1、クリーニング代が62.8まで低下した。このように新品の被服購入費と着用した衣服のクリーニング支出には高い相関が見られ、両者は家計の節約志向が酷似していると考えられた。
西海岸のクリーニング業を3週間視察した田口潤(白洋舎)の報告。(1)カリフォルニア州では、非パーク形容剤を使用する業者の一覧がネット上に公開され、消費者は溶剤を指定して注文を出す。(2)徹底的にスピードアップをはかる。午前11時までは当日渡し。急ぎ対応はドライ2時間、ランドリー4時間。(3)受付業務は、多くのカウンターでしみや修理の注文を詳細に受ける一方、特別な注文のない商品は受領証を渡すだけで短時間に済ます。料金体系も素材、サイズ、装飾品別に積み上げていく単純な方式である。
全ク連の表記システムが、次の諸点で改善された。(1)事故事例の写真の貼付(2)事故の回避策と解決の経過を追加(3)新事故情報の一覧(4)緊急事項の呼びかけ(5)更新情報のメール発信。このシステムを利用するには、法人の場合は入会金1万円、年会費2万円、個人の場合は入会金2千円、年会費3千円を払い込めばよい。
家計の消費意欲が回復に向かっていることを示すデータが増えているが、日経産業研究所が四半期ごとの購入計画調査と04年上半期でも主要10分野のうち6分野で前年を上回っている。その度合いが高い順に、趣味の耐久財、外衣、音響・AV機器、旅行、スポーツ用品、家具・インテリアとなっており、外衣は計画世帯が14.85で、1.4ポイント増加している。
日経産業消費研究所が昨年12月に実施した「衣料支出の3年前比較」調査によると、支出が減っているが50%で、増えているのが17%と、その差は33ポイントにもなっている。買い控えの多い順に、コート、スーツ、ジャケット・ブレザー、パンツ・ズボンとなり、重衣料と呼ばれる比較的高価な商品が敬遠されていることがわかる。
国民生活センターは、花粉などの捕集を謳うマスク14銘柄(ポリプロピレンやポリエステルの不織布を主に使用が7銘柄、ガーゼを主に使用が7銘柄)、参考品として花粉の捕集を謳っていないガーゼだけを使用した普通品1銘柄、計15銘柄の捕集性能、表示、フィット感と捕集性能の関係をテストした。マスク自体の捕集性能は、素材やフィルターの種類、価格に関わらず、99.9〜100%であった。だが、ウィルスやたばこの煙など極めて小さい微粒子の捕集率は、一部の銘柄を除き、特殊なフィルターを組み合わせた不織布マスクが高く、不織布やガーゼの単一素材のものは低かった。捕集率は着装時のフィット性が大きく影響する。
愛知県生活センターでは、シックハウス症候群の原因物質を吸着・分解するというカーテンを5銘柄、普通のカーテン2銘柄を比較対照商品として効果や品質等をテストした。全銘柄とも家庭用品品質表示法による表示は適正だった。ホルムアルデヒドを吸着・分解する触媒となる金属を蛍光X線で調べたところ全銘柄からチタンが、2銘柄から亜鉛が検出した。光・洗濯・摩擦に対する染色堅ろう度は、全銘柄とも問題はなかった。ホルムアルデヒドの除去率は、全銘柄99.9%以上であった。しかし現状では、価格は一般品に比べ高く、普及率は低い。
日本経済新聞社のシニア調査によると、六十代は45%がパソコンを使いこなし、三人に二人が孫や子より自分のものを買いたいと思っている。高い消費意欲がみられる一方で「シニア向け」とうたった商品を買ったことがない人が74%に達するなど、「シニア扱い」されることに拒絶反応を示している。シニア向け商品は71%が「デザインが地味」と感じ、「気持ちは若いほう」と答えた人は87%に達する。「母娘客を観察すると、ファッション志向は同じ」(婦人服専門店)、「六十代は十人十色の価値観を持ち、ビッグブランドにもなびかない」(大手百貨店)という側面もある。じっくりモノを選ぶ姿勢が窺える。
石油ドライした合皮パンツを一日着用したところ、脚が赤く腫れ上がった。医師側は症例が少なかったので見通しが立たず、被害者は裁判に訴えなかったので、和解まで1年半を要した。被害者は最後まで痛みが残り、外観も完治しなかったので、和解金額は慰謝料90万円、治療費53万円ほか合計168万円に達した。全ク連は、衣類に残留した石油溶剤は、臭いも色も感知できないので、ドライチェッカーを工程に組み込んで検出する以外はないと警告している。
埼玉県生活科学センター 2年前から着用している毛100%の女性用タートルネックセーターを初めてクリーニングに出し、受け取り後、部分的に変色していることに気づいた。苦情品は白色で全体的に黄ばんでいた。残留物質の定性試験を行ったところ、亜硝酸が検出。変色原因は、酸化窒素ガス等に含まれる亜硝酸によるものと推測される。(酸化窒素ガスは自動車の排気ガスやストーブなどの燃焼ガスに含まれていて、タンスなどに長期保管中に発生する。)保管の際、ポリ袋から衣類を出し、そのまま長期間保管せず、時々広げて虫干しすることが大切。
総務省は商品にICチップを取り付けて物流などを管理する「ICタグ」の大規模な実験を04年春から始める。オムロンや富士通、東大など200の企業、研究機関が参加する見込み。ICタグの実用化が近いと見ている。「食品」「防災」といった18分野を選び、情報を読み取る手法などの標準化を目指す。ICタグは商品などの情報を記録したチップをつけて、センサーで情報を読み取る仕組み。チップの大きさが1mm以下でも、物流の管理に利用されているバーコードより多くの情報が入力できる。データの書き換えや追加も可能で、食品などにつければ、生産地や流通経路などの情報を記録できる。既に、大手スーパー、百貨店など多くの企業で実用化を進めている。
7つ道具①プロセス機能展開法②是正処置法③予防処置法④変化点管理法⑤アウトソースマネジメント法⑥QMS評価法⑦QMS改善アプローチ法
¥1,365 福丸典芳著 申込み先:日本規格協会 TEL 03-3583-8002
岐阜市立女子短期大学デザイン学科は、文部科学省「特色ある大学教育支援プログラム」に「大学と地域・社会との連携の工夫」で公立短大として唯一採択され。具体的には「デザインを通した地域との交流による教育」をカリキュラム化し、インターンシップや生涯学習施設での作品展示の他、リカレント教育としてTESの受験対策講座を実施する。
暮れから1月に実施した繊研調査によるファッションビジネス関連企業の「05年新卒採用計画」によると、まだ未定で流動的ではあるが、人数を明らかにしている企業では大幅に増やす計画のところもあり、採用の手控えによる人件費抑制を見直し、若い力で組織を活性化する動きの強まりを反映する結果となった。
繊研による表題の調査によると、景気全体は繊維・流通企業の3割が回復していると認識しているが、「個人消費は変わらない」が8割を占め、「持ち直している」は1割にも満たないとなり、政府の月例経済報告の景気の持ち直しの認識と相当のギャップが生じていることがわかった。
調査会社インテージによると、4月の消費税総額表示導入を目前に控え、消費者の認知度が7割を超えているという。最も分かり易い表示方法では、総額と本体価格、消費税額の3つを併記する方式をあげている。
日本衣料理協会は04年度からTES登録更新試験の実施方法を変更する。論文試験のテーマを2つから1つにし、評価基準にTESとしての見識、創造性を加えた。さらに、試験を受けないで更新できる措置をTES会出席が16回から8回へ、また更新実績が3回から2回に緩和された。
①4月16日
②福井県工業技術センター
③ポリ乳酸繊維ラクトロンとその用途展開について、「着る化粧品」の開発について、高機能弾性繊維について、他
④繊維学会北陸支部他
申込:福井大学工学部生物応用化学科 前田寧 TEL 0776-27-8638
①4月16日
②大阪科学技術センター
③環境地盤工学分野におけるジオシンセティックス利用−廃棄物処理場を中心に、ジオシンセティックスと剛壁面を用いた補強盛土工法、海洋土木におけるジオシンセティックス利用、他
④日本繊維機械学会 TEL 06-6443-4691
①4月23日
②京都大学化学研究所
③ファイバー構造にみるナノサイエンス、繊維の力学物性とナノテクノロジー、生分解性高分子にみるナノファイバーテクノロジー、他
④繊維学会先端繊維素材研究委員会他共催
申込:京都大学化学研究所材料物性基礎研究部門U内 TEL 0774-38-3142
①5月13日〜14日
②大阪市立工業研究所
③界面科学と界面活性剤のあゆみ、界面活性剤の合成と精製、泡の化学、ぬれと洗浄の化学、界面活性剤と環境、他
④日本油化学会関西支部
問合せ先:大阪市立工業研究所工業化学課 山村伸吾 TEL 06-6963-8035
①5月20日〜21日
②大阪科学技術センター
③セルロース系繊維の染色加工、ウール・シルクの染色加工、合繊の染色加工、染色加工の品質保証、染色加工と環境問題、他
④日本繊維機械学会 TEL 06-6443-4691
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:中島利誠/発行人:大谷芳男