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経済産業省は、03年度中小繊維製造事業者自立事業の中間的な成果を確認するため調査した。実際の事業がスタートして、まだ半年だが、国内の新規販路の拡大が6割を越えるなど順調に推移している。「店舗などの販売拠点を開設できたか」の設問に対し、対象案件67件のうち37件が「開設できた」と答えている。
経済産業省が、タオルのTSG(繊維セーフガード)の調査終了を決めた。TSG措置発動の可否判断の重要な指標とされる直近1年間の輸入数量が6.6%増で、発動水準に達していないと判断したため。
財務省関税局がまとめた03年の知的財産権侵害疑義物品の輸入差止め件数は、前年比6.2%増の7,412件、点数では逆に22.3%減の77万1,000点となった。品目別では、件数でバッグ類が5,420件で52.5%を占め、次いでTシャツ、マフラ−など衣料品が1,006件で9.7%。前年と比較すると、件数では衣類が1.3倍、時計類が1.6倍、靴類が1.4倍。
繊維産業における取引慣行・取引条件の実態が、全体として改善していることが判明。同事業団が主要団体傘下の735社を対象に実態調査をまとめたもので、販売先との16項目にわたる取引慣行が前回調査に比べすべて改善した。SCM体制の早期実現を提言しており、生産や流通のロスを大幅に削減すること で国際競争力を強化し、強力な産業への飛躍を目指している。販売先との間で、対象となる取引慣行の改善が進んでいる項目は、@リベ−ト要求A売掛期間B押付販売C従業員派遣D後値決め。逆に取引慣行の改善が進んでいない項目は、@現金比率A書面契約率B歩引C見本品負担D手形サイトがワ−スト5である。
第9回の繊維製品3R推進会議を迎え、3つの進捗事例を報告した。高島屋の紳士服リサイクル実験は03年9月実験で前回の10倍以上の約7千着を回収した。寝装寝具協の布団では、目標を上回る1,620枚を回収、サーマルリサイクルに使用された。ただ、アパ産協のエコメイトマークの普及事業は計画に届かなかった。
経済産業省が発表した03年度商業販売統計速報らによると、03年度の大型店販売額は、百貨店が既存店ベースで前年比2.4%減、スーパーが3.9%減と、ともに前年割れ。百貨店の衣料品は2年連続下げ幅が縮小、スーパーの衣料品も2年ぶりに下げ幅が縮小した。百貨店では婦人・子供服・洋品が4%減。織物・衣服・身の回り品小売業も3.9%減で、2年ぶりに下げ幅が縮小した。
経済産業省は法令順守や環境保全など企業の社会的責任(CSR)に関する取組みを促すため、政府による支援策の検討に入った。不祥事などに対応するリスク管理能力の向上策、CSRに関する取組みを開示する基準などについて幅広く検討し、有識者懇談会が今夏にも報告書をまとめる。
用語解説
CSRとSRI
CSRとはCorporate Social Responsibilityの略で「企業の社会的責任」のこと。経営に社会的公平性や法令順守の徹底、環境への配慮などを取り込むことで、経済的な利益だけでなく、環境保全、雇用確保、人権などについても企業が「良き地球市民」としてバランスよく責任を果たすべきだとの考えに基づく。欧米から始まり、日本でも企業統治の新しいあり方として注目される。企業がCSRにどれだけ力を入れているかを投資先の選定基準とする社会的責任投資(SRI=Socially Responsible Investment)も広がっている。
財務省によると、昨年度のアジア向け黒字は約6兆2,000億円。直近2年間で3倍に急拡大した。日本経済のアジアへの外需依存が一段と鮮明になっている。昨年度のアジア向け貿易黒字は6兆円を突破し、対米黒字にほぼ匹敵する規模に膨んだ。アジア市場の成長を背景に、現地工場向けの半導体や液晶などの電子部品に加え、最近は消費財の輸出も急増。現在は赤字の対中貿易も黒字転換が近いとの見方もあり、今年度中にアジア向け黒字が米国向けを逆転する可能性も出てきた。
経済産業省は、現在公募中の04年度「中小繊維製造業者自立事業」への申請が前年度を上回るペースで進んでいることから、「03年度の30億円を上回る50億円の補助金を用意する」(中嶋誠製造産業局次長)ことを明らかにした。経済省は03年度の同事業で、申請575件のうち110件を採択、1件あたりの助成額は平均3,000万円。業種別にはニット製衣料品19件・25社、織物縫製16件・23社、化合繊織物が12件・12社だった。中嶋次長は2〜3年前までは繊維・アパレルは、“守り”の業界といわれたが、「国内だけでなく海外市場も開拓できる。他産業と同様に素材、技術、デザイン、ブランド力を生かして国内外に攻めてゆけないはずがないという流れが出ている」と指摘。
L0801:04 染色堅ろう度試験方法通則 (改正)、L0804:04 変退色用グレースケール(改正)、L0841:04 日光に対する染色堅ろう度試験方法(改正)、L0842:04 紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験方法(改正)、L0846:04 水に対する染色堅ろう度試験方法(改正)、L0847:04 海水に対する染色堅ろう度試験方法(改正)、L0848:04 汗に対する染色堅ろう度試験方法(改正)、L0849:04 摩擦に対する染色堅ろう度試験方法(改正)。
NI帝人商事は古河電気工業と連携し、機能性敷きふとん素材「バイオクリア」、「バイオクリア・ジュニア」、「フォームエースDX」を開発した。これまでも連携して発泡ポリエチレン製敷きふとん芯材「フォームエース」を展開してきたが、新製品は「フォームエース」に練りこみ蓄熱の機能を付加したもの。「バイオクリア」は蓄熱に加え、防ダニ、抗菌・防臭の機能加工を施した。練り込み蓄熱に絞ったのが「バイオクリア・ジュニア」、防ダニと抗菌・防臭を付与したのが「フォームエースDX」。今後は軽量、保温性などの特徴を生かし、敷物、カーペット、フローリングの吸音材などインテリア用途の商品化も進める。
「ここに技あり」暑さ寒さを調節してくれる服。三菱レイヨン・テキスタイルの「ベントクール」はそんな夢を一歩、形に近づけた素材である。世界で唯一、ジアセテートとトリアセテートを生産する三菱レイヨングループならではの開発の積み重ねが生み出した。動く繊維とは、湿気を与えると岸に波が押し寄せるようにサーッと編み目が広がり、空気を吹きかけて湿気を飛ばすと、今度はたちまち編み目が元にもどっていく姿を言う。こんな動きをする理由は、ジアセテートとトリアセテートの2種類の原料を複合紡糸という方法で張り合わせて一本の糸にし、水をよく吸うジアセテートと吸わないトリアセテートとの寸法差から、バネのようなねじれを生じさせて伸び縮みさせるというものである。また、ベントクールは後加工ではないので洗濯しても機能が劣化しないというのも特長である。
第一織物は、中小繊維製造事業者自立事業の支援を受けて、コーティングやラミネートなしで防風性とストレッチ性という相反する機能を併せて持つポリエステル100%の高密度織物「プライアンテックス」を開発。PTT繊維「ソロテックス」を使用するなど糸の設計と加工、高密度織物の製造技術などを駆使したもの。当面の織物は15品種。3品種は限定販売、12品種は市販する。基本品種5品番は備蓄、裏起毛など7品種はオーダー生産する。ファッション衣料向けには機能よりも、風合いを重視した「プライアンテックスライト」を開発、5品種を備蓄。インターネットによるユーザーへの直販も手掛ける。
青山商事は「風通るスーツ」を発売する。生地を薄くしても復元力が強く、しわになりにくいPTT繊維を使う商品と湿気を吸収・放出しやすい竹繊維を使う商品を用意した。生地は帝人、日本毛織と共同企画したもので、従来ウールと混用することが難しかったが、二社との協力で商品化できた。竹繊維は東レが開発したが、吸放湿性が高く、抗菌・防臭効果があるという。
新興産業は和紙糸「息吹」を開発、衣料、リビング用途などに本格販売する一方、従来にないソフトで独特の風合いを出したニューデニムを開発・販売する。息吹の原料はマニラ麻100%で、製紙メーカー、和紙を細くカットするスリット業者、糸にする撚り業者などを厳選、新しい和紙糸を得た。特に風合いがソフトで軽い。製品にすると適度なハリとコシ、ドレープ性があることなどが特徴。糸は6〜45綿番手の各種タイプを揃える。価格は平均3,500円/s。繊維商社が独自に糸から開発、ブランドも付けて商品展開するのは珍しく、今後ファブレス(工場を持たない企業)として新たな方向を追求するものとして注目される。
三菱レイヨンは輝度が従来品の倍の高性能蓄光繊維「オーロライト」を開発し販売に力を入れている。オーロライトは蓄光剤をウールなどと同じ常温で染まるポリエステルにくるんだ複合糸であり、蓄光剤が太陽光や蛍光灯、白熱灯などからエネルギーを吸収し、発光することで、より輝度が高く長持ちするようにしたもの。舞台衣装や結婚式などの特殊な使われ方をしてきたが、今後はスクールセーターの縁取りなど、一般衣料に取り組む。価格は84dtex、800円。
芯地が今、変化している。アパレルメーカーにとって、芯地は物作りの要だが、ファッショントレンドや表素材が多様化するにつれ、その役割が見直されてきた。上質に仕立てる“技”は芯地にあり。製品のシルエット、使われる生地、着心地を高める芯地の最近の動きを追った。04〜05年秋冬向けの婦人服では、クチュールの手法を取り入れた構築的なシルエットが注目されている。織物を使った複合芯地では、保形性・ハリ感を持たせるなら短繊維、ドレープ性を出すには加工糸と使い分ける。ツイードなどざっくりした表素材を安定させるには、不織布芯地も効果的だ。いずれにしても、素材を傷めないように樹脂の改良が進められている。
東京理科大学発ベンチャーで機能素材開発の日本ボロンは、植物由来の生分解性樹脂を使った白衣を開発した。繊維はトウモロコシなどのでんぷんを発酵して作るポリ乳酸で、土壌の微生物の働きで炭酸ガスと水になるほか、燃焼する際、通常の合繊よりも発生熱量や有害物質も少ない。廃棄物業者などは環境に対する配慮を求められており、需要は多いと判断した。生産は合繊メーカー2社程度に委託する。縫製費用を抑えるなどし、価格は合繊の白衣と同程度の一着千円以下に設定するという。
東洋紡は8日、世界で初めてアルミ系ポリエステル重合触媒を開発したと発表した。従来品に比べ環境負荷が小さく、透明性などが優れているのが特徴。東洋紡は自社のポリエステル生産で新品種に切り替える一方で、他の合繊メーカーに外販、技術ライセンスを計画している。ポリエステルの触媒は現在、重金属の一種アンチモンが多く使われており環境対応の観点から代替触媒の開発が業界のテーマとなっている。その点、アルミニウムは生活になじみ深い軽金属であり、触媒に適していることを東洋紡が見いだし、商業化に踏み切った。
三菱レイヨン・テキスタイルは、“動く繊維”「ベントクール」に続くアセテート複合紡糸の第2弾を05年春夏向けに開発。ジアセテート「リンダ」をトリアセテート「ソアロン」でサンドした3層複合紡糸「オプション」。糸側面に細かい溝とヒダ(ミクロリンクル構造)を持ち、深みのある色と落ち着いた光沢感が特徴。高温染色で深色性が特徴のソアロンの間に、低温で濃く染まるリンダを複合することで、L値10を切る深色性を実現した。
伊藤忠商事はこのほど、山梨大学の技術移転機関、山梨ティー・エル・オーと共同で、直径540nmと世界で最も細い超極細のポリ乳酸(PLA)繊維を量産する技術を開発した。衣料向けのほか、PLAの性質を生かした新しい用途開発に取り組む。540nmは0.0026デニールに相当する。新たに開発した技術は、チップから紡糸する際に、炭酸ガスのレーザーを3方向から照射して分子配列を調整するというもの。これにより、強度を維持したまま、融点も下げずに極細化することが出来た。また、毎分200mのヤーンスピードを実現し、量産が可能になった。
デサントはアテネ五輪にむけてバイオミメティクス(自然界のデザイン・機能を応用する科学)を採用した新競泳水着を発売した。鳥類カワセミの翼の構造を応用、素材表面に羽毛の微細な凹凸を模したビーズプリントを施し、競泳時に体の回りに乱流層をつくることで流水抵抗を従来比5.5%抑える。撥水性は表面の油分と表面構造で保水率10%以下に抑えた「濡れない水着」が特徴。
帝人コードレは環境に配慮した新しい人工皮革を開発したと発表した。年内に国内工場に専用設備を設け、05年7月からスポーツシューズや家具用のシート向けなどに販売する。新しい人工皮革は製造工程で有機溶剤を全く使わない。従来品より耐久性を高め、風合いをより天然皮革に近づけた。販売価格は従来品と同水準を予定している。
新内外綿は、05年春夏向けニット素材展を開催。テーマは「創造の森」。ファンシー素材など特色ある糸作り技術を基礎とした編み立て、加工を凝らし、ニット生地、製品を提案。特化素材では、ヒノキ成分をレーヨンに練り込んだヒノキ繊維「ヒノキオ」、クリアな表面感とソフトなドレープのある「セルパーク」などを開発。形状変化糸ではナチュラルな形状変化からコンピューター・スラブまでの「バンピーボール」、杢糸技術と形状変化技術を組み合わせた「ニューバンピーボール」、色状変化糸では後染めタイプの杢糸「モクスター・アーコット」など。
御幸毛織は、盛夏用紳士スーツ地「シャリック」で、品質と伸縮性を向上させた「ニュー・ストレッチシャリック」を販売する。良質ウールと伸縮性のあるPTT繊維の強撚糸を緯糸に使用。215g/m2の適度な軽さと、1cm2当たり毎秒190〜200mlの通気性を持ち、よこ伸度12%の伸縮性を備える。仕立て映えと着心地の良さを追求し、最適なストレッチ性を付与した。仕立て上がり予想価格(税込み)はオーダーで18万円、イージーオーダーで13万円。シャリックは80年に発売、現在まで100万着分以上を販売してきたロングセラー商品。新しい機能を加え進化させることで盛夏用紳士服地の需要を拡大する。
オーストリアのセルロース繊維メーカー、レンチングは、英国のセルロース繊維メーカー、テンセル・グループの事業全体を4日付で買収したと発表。これにより、新生レンチングのリヨセルの生産規模は、3倍の年産12万tになる。同買収案件はテンセル・グループの株式を保有する投資会社コルサディ(オランダ)が、レンチングに100%売却したもの。売却額は未公開。テンセル・グループのリヨセル「テンセル」の年間生産能力は、米・モービル工場と英・グリムズビー工場で合わせて8万トン、レンチングの「リヨセル・バイ・レンチング」はハイリゲンクロイツ工場を中心に4万tだった。
「ここに技あり」近年、花粉症やアトピー性皮膚炎などさまざまなアレルギーで悩んでいる人は増加の一途をたどっている。この時期、特に多いのが、今や“国民病”とも言われる花粉症である。衣料品では花粉が付きにくい素材が販売されているが、シキボウが開発した花粉症対策繊維「カウンターペインP」は、さらに天然ミネラル成分でアレルゲン(原因物質)を吸着するという“ダブル効果”を持つ。今年の花粉飛散量は例年より少ないといわれるが、室内に花粉を持ち込まず、わずかに残った花粉も退治する効果が注目される。
グンゼは、ベーシック肌着について三つのやさしさをコンセプトに、顧客にとって価値ある商品・売り場提案で活性化を目指している。その三つとは@素肌にやさしい(スキンケア・健康)A人にやさしい(ユニバーサルデザイン・バリアフリー商品・介護支援・快適商品)B地球にやさしい(エコロジー・省エネルギー・省資源・リサイクル)。具体例として、水だけで洗えるインナー「エコマジック」、バリアフリーデザインの電磁波プロテクター製品、ナノテクノロジー応用によるスキンケア加工「ナノファイン加工」が紹介されている。
カネボウ繊維は「ビューティ・ヘルスケア」衣料商材の一つとして、ラズベリーケトンの脂肪分解促進作用に着目し、マイクロカプセル化して繊維に付与した「ベルベリー」を開発。ラズベリーケトンは、脂肪分解促進作用に加えて、脂肪燃焼促進作用および脂肪吸収抑制作用(食事で摂取した脂肪の吸収を緩やかにして脂肪蓄積を防ぐ)を有し、ダイエットのためのトリプル作用を発揮するという。現在、サポートパンツ、スパッツ、ストッキング、シャツ、ブラウスなどの衣料用途を中心に展開。さらに、羽毛布団、羊毛布団、カバー等の寝装用途向けに開発を継続中。
日清紡は、ナノ技術を応用して撥水性、防汚性、スキンケア性、ソフト性のそれぞれを付与する加工を商品化した。新開発の撥水加工は、撥水基の生地表面への整列をナノ・レベルで制御することにより、通気性を損なうことなく耐久性の高い撥水性、撥油性を付与する。防汚加工は、ナノ・サイズの加工剤を用いたもので、吸水性を保ちながらエンジンオイルなどに対する撥油性も備える。スキンケア加工は、皮膚の構成成分に似たナノ・サイズの擬似角質ポリマーを生地に固着させるもので、角質層と同じような水分コントロール機能や皮膚のバリア性を備える。またソフト加工は、シリコーンなどの分子を数10ナノ・レベルに制御し、繊維内部まで浸透させることを可能にし、洗濯による風合い耐久性と吸水性を高めた。
カネボウ繊維は8日、セラミドの合成を促進するビタミン(ナイアシンアミド)などを独自のナノ技術で付与した生地や糸を商品化、商標「ナノフィーユ」で発売すると発表した。「肌の水分蒸散を防ぎ、美肌機能をリカバリー」することなどが売り物である。ナイアシンアミドは、水分の蒸発を防ぎ、外部の刺激から肌を防御するセラミドの合成を促進するとされる。カネボウ繊維は、それを含む複数の加工剤を独自に調合。同加工剤を用いて繊維表面に水分と油分の層を5〜10nmのピッチで30〜50層形成させた。
トリンプは肩や腰の位置に磁石を埋め込んだ下着を発売した。医療用具の認定を受けており、磁気が血行をよくして肩こりなどをやわらげる効果がある。発売したのはニット製シャツ・ショーツ「磁気治療器 コリピタインナー」と、ブラジャー用ストラップ「磁気治療器 コリピタストラップ」。
ユニチカテキスタイルの機能性加工群から、健康を切り口とした3加工を紹介。「温泉マジック」は、①遠赤外線による発熱効果②生地のpHコントロール効果①天然ミネラル成分の付与効果を同時にもつ。③では厳選した粘土鉱物系成分でスベスベ感を実現。「アクティベート」はビタミンE加工素材。ビタミンEのはたらき@抗酸化作用②血行促進作用①ホルモン分泌調整作用により、①メラミンの排出②肩こり・しもやけ・冷え性などの緩和を期待。「ヴィーナススリム」は、スリミング加工素材で、グレープフルーツの天然抽出エキスとトナリン(ヒマワリオイル)による2タイプがある。
大手紡績は、05年春夏向けニット糸で、室内干しや乾燥機付き洗濯機に対応する素材を強化している。日清紡は「洗濯応援企画」の一環として乾燥機対応素材「ちぢみま洗」を開発。今後、洗濯機は乾燥機能付きが普及するとみられており、洗濯10回でもたて・よこ5%以内の収縮に抑えた。シキボウのニット部門も、室内干し対応の「ルームドライ」を開発。速乾性、抗菌性、消臭性の3機能を組み合わせることで、室内干しでもにおいの発生を抑える。また、日清紡の銀ナノ粒子を繊維に浸透させた「エージーフレッシュ」は抗菌防臭効果が高く、室内干しにも対応できる。
「ここに技あり」富士紡績「V−UP」が火付け役になったビタミン加工素材。それは、体内でビタミンに変わる物質プロビタミンを加工した生地。ビタミンは酸化しやすく、水溶性のため水に溶けやすいが、酸化や水に強いプロビタミンを特殊薬剤とともに生地に染み込ませた。通常の洗濯では溶けにくく、皮脂に少しずつ溶け出す。溶け出したプロビタミンは肌へ移行し、体内でビタミンCとEに変わる。ビタミンCは美白、シワ予防、日焼けを防ぐ効果があり、Eと組み合わせると相乗効果を発揮する。開発から3年目の今年、「着るビタミン」シリーズがスタート。その間の経緯が報告されている。
クラボウと福岡県工業技術センターは、染料を使わない羊毛の着色技術を開発。環境への優しさを売り物に、黒やネービーなど濃色の重衣料で5月から「エコ・トーン」として商品化する。価格は、従来品に比べ純毛の製品ベースで20%ほど高めとなる見込み。通常、羊毛の染色はクロムなどを含む合成染料を使うため、廃液処理などによる環境負荷が大きい。今回は、動物繊維のたんぱく質が持つ官能基と、天然由来成分のポリフェノール(没食子酸)を一定条件の下で反応させて、繊維自らが発色するようにしたのがポイント。合成染料使いに比べ、環境負荷値は、最大で60%削減できるという。
綿100%素材に半永久的にプリーツ加工を施した商品がこの4月から販売される。日清紡の「SSPA(エスエスピーオングストローム)」をベース素材に、井上プリーツの技術を生かしてこの商品が生まれワールドから商品化された。綿の上質な風合いを持ちながら、家庭洗濯して脱水でついたシワも乾かすだけで消えるので、ノーアイロンで着用でき、着ジワがつきにくいという特徴を持っている。ノースリーブブラウス28,000円。
「光触媒と繊維への応用」(徳島大学・高麗寛紀)を総説として、「わが社の光関連技術の応用素材と加工」(カネボウ繊維・布生敏一)、「光触媒担持不織布の機能と効果」(日本バイリーン・中村達郎)、『光素材「サンフィニッシュ」「サングラン」「デュアルプラスEM」』(ユニチカテキスタイル・竹内富士男)、『可視光応答型光触媒加工繊維素材「V−CAT」』(小松精練・金法順正)、『光触媒加工「サンチタニア」』(ソトー・左高宏光)、「光触媒用酸化チタンの開発と適用例」(テイカ)及び「機能性インクの展開」(林化学工業・川崎孝雄)が掲載されている。
「脚を長く美しく見せる」特徴をうたった男性用パンツが増えている。女性の間で定番商品となった「美脚パンツ」の男性版。オンワード樫山は4月から男性用美脚パンツを本格展開する。ひざの位置やヒップのポケットを通常より高く設け、はきにくくならないようアイロンを使って立体的に縫製し、自然な丸みを持たせた。はるやま商事は「脚長スーツ」を発売。同様にひざ位置を高くする設計や立体縫製が施してあり、上着部分も脚の長さを引き立たせるために着丈を短くするなど工夫を凝らした。メーカーズシャツ鎌倉は、日本人の脚の長さやお尻の形を細かく研究した独特の裁断が売り物である。
都立産業技術研究所は「簡易避難服」を完成し、一般公開する。これは産官の共同開発研究制度に基づく事業で「墨田地場産業の育成を促進し東京発の魅力ある商品作りをアピール」する目的で推進されたもの。従来の防災避難服が現場作業者対応であるのに対し、都民が災害時の移動中に自らの安全を確保するというコンセプトで開発した。同制度は研究成果を民間企業に還元することを前提としており、防災グッズとしてのみならず、一般衣料展開にも興味を持った民間企業へ積極的に技術提案していきたい、としている。
冬服のイメージが強いツイードが20歳代後半〜30歳代の女性を中心に春夏の装いとして人気を集めている。ツイードは英国の伝統的な織物で、本来は毛織物だが、素材は綿など薄手で多様化している。人気に火がついたのは昨年10月に行われた「シャネル」のファッションショーがきっかけである。華やかなパステル色のツイードが女性らしく上品な雰囲気を持つ素材として注目された。ワールドはジャケット、ワンピースなどを販売。ウール製の冬物が好調だったため、綿素材の春夏仕様もそろえた。ラメ入りで上品な印象を与える。サンエー・インターナショナルのOL向けブランドは春夏向けツイードジャケットが一週間で約150着売れた。千趣会の通販ブランドではミセス向けカタログに約20点のツイード商品が掲載されており、人気はミセスにも広がっている。
クリーニングに出さずに家庭の洗濯乾燥機で手入れができるウール100%の衣料品が増えている。青山商事は家庭で洗って乾かせるスラックスを春物から発売した。ビジネスマン向けを中心に今夏までに5万着を販売する計画である。アオキインターナショナルは同様のスラックスを02年から発売。今年は10万着に増える見込みである。オンワード樫山、フェニックスはゴルフウエアとして発売している。伊勢丹本店、松坂屋名古屋店もこのタイプのゴルフ用スラックスの売り上げは順調という。こうした商品は「トータル・イージー・ケア・ウール」と呼ばれ、縮んだり形状が崩れたりせず、ハンガーにつるしておくだけでプレス加工が戻り、アイロンかけも要らない。消費者にPRするためウール製品業界は専用のロゴマークを作成し、取扱説明のタグを付けている。
機能性を高めたスポーツウエアーである「コンディショニングウエアー」。従来は下半身全体を覆うタイツ型が主流だった。ミズノなど各社は最近、ひざ丈よりも短いタイプや上半身向けのものなど、多様なウエアーを続々発売している。ミズノのコンディショニングウエアーは運動時の人間の身体形状に合わせた立体構造をしている。筋肉に適度な刺激を与えたり緩和することで、運動機能の向上や疲労軽減効果が得られる。ワコールではハーフタイプを発売した。すその長さがひざ上までしかないため、暑い時期でも快適に着用できる。ハーフタイプにはひざを覆う部分がないが、帯状の素材の太さに変えることで、重心を安定させられ、従来の下半身を覆うタイプと同様の効果が得られる。縫い目をなくすことで着心地を向上させたのはゴールドウイン。
ふりふり、ひらひら―。フリルを前面に押し出し、女性らしさを強調したファッションが受けている。なかでも「ティアード」と呼ばれる、フリルなどを何層も重ねたデザインは、10〜60代の幅広い女性の支持を集め、今春一気に開花した。アパレル業界は初夏以降も売れ行きの伸びが期待できると、「ふりふり」を強調した商材の投入に力を入れる構えだ。
「東京エレガンス」と呼ばれる、20代OL向けファッションが注目を集めている。素材とカッティングに重点を置き、デザインは極めてシンプル。きれいにみせることに特化し、強い個性を排除したのが奏功し、ヒット商品も生まれている。ヤングの顧客離れが進む百貨店の期待も大きい。
西陣織は景気低迷や和装離れの影響で需要減少が続いているが、西陣織工業組合は、産地振興の切り札として「西陣一条帯」を打ち出した。この帯は蝶結びができれば、誰でも結べる帯を目指し開発されたもの。和装離れの主因は、帯結びにあると考えたことによる。一条帯の特徴は、通常の袋帯に比べて幅で約7cm、長さで約70cm短い。また帯の両端部の約90cmは薄手に柔らかく織ってある。このため結びやすく、前で蝶結びをして背中に回せば、簡単に着付けができる。
量販店系SCの夜間営業延長が本格化して1年以上が経過した。家主の営業延長要求に対応してきた専門店では、多くが延長前の懸念通り、費用対効果はマイナスもしくは極めて低く、人材確保に困難と、今後の対応を見直す専門店も多い。
繊維ファッションSCM協議会によるTA(テキスタイル−アパレル)プロジェクト経営トップ合同会議で、TA間の新しい取引形態を含む新ビジネスモデルが提唱された。内容は、需要の不確実性に対応した幅を持った数量確定による発注と納品率を基本とする取引契約などである。
日本百貨店協会認定の「百貨店プロセールス資格制度」の第1期生の資格認定者「フィッティングアドバイザー・レディス」の1級23人、2級179人(合格率74%)が選ばれた。今年上期からは「メンズ」の講座と資格制度も立ち上げる。この制度は、接客販売力の向上が目的で、百貨店業界に共通した能力評価の基準と仕組みを作ることで、従業員の能力開発の意欲を高め、加盟店の人材育成も支援する。
伊勢丹本店でメンズ館を改装、高島屋東京店で1.5倍に広げ、三越や大丸は高級品の品ぞろえを増やすなど、百貨店各社が紳士服部門の売り場を刷新する。景気回復感の高まりとともに、紳士服の販売が上向きつつあり、男性消費を取り組む狙いがある。
日本専門店協会は、昨年4月に日本ショッピングセンター協会が発表した「SCにおける保証金契約の作成、締結に関するガイドライン」に対して、その後の保証金・敷金の状況などを調査、特に「敷金に一本化が望ましい」とした保証金について、改善の方向にあるものの、一部のデベロッパーでは保証名目でテナントに負担を強いるケースもあり、一本化したところでも高額になっている。まだまだ対等でなく、片務的な契約状況になっているとしている。
イオンは独自商品の開発方法を刷新する。従来の方法を見直し、原料調達からデザイン、製造まで一貫生産管理体制を築く。同様の仕組みの「ユニクロ」など専門店に対抗、流行に即応した商品でコストも引き下げる。まず春夏物の婦人靴・カバンから始め、衣料品にも広げる。社外のデザイナーを活用し、中国など海外の委託工場で生産する。イオンが新手法で商品開発に乗り出すのは、売上高の三割を占める衣料品などファッション分野の立て直しが業績回復に欠かせないとの判断による。
輸入品の流通リスクを軽減する新手の輸入ビジネスが登場してきた。リスクの焦点は現地に近い価格設定、正確な納期、代金の回収問題。パリ、ロンドンで短期で買い付けた商品、新興ブランドを束ねて短サイクルで輸入することでハードルを下げる試み。背景には海外ブランドに再注目する小売店の増加がある。海外の合同展が増え、ブランド発掘条件は広がっている。築いた輸入の仕組みを、逆に輸出に活用する動きもある。
日本信販が調査した「第13回クレジットカード消費者調査」によると、カードの保有率と利用者率は03年で過去最高に、職業別では主婦とビジネスマンの利用が増加している。利用場所では、百貨店や大型スーパーが上位になっている。
「私は20代のころと変わらない」。こんな大人の女性が増えている。彼女たちはミセスとくくられることを嫌がるが、特別な仕事についていなくても、おしゃれを諦めない女性たちは少なくない。お気に入りの服を着こなすためにジムやエステに通って、自分に磨きをかけている。結婚しているかどうかも実は関係ない。普通の大人の女性の、おしゃれに対する意識が劇的に変化している。
三陽商会は来店客を自動認知するシステムを直営店に導入した。時間別の来店客数を分析し、店舗運営を効率化する。繁忙時には販売員を増やして顧客対応し、閑散時には商品納入など販売力を強化する。店舗の出入り口の天井にセンサーを設置し、入店した顧客を認知する。店舗の規模や立地などで変化する繁閑時間を細かく分析し、納品時間や販売員のシフトを調整し、売り上げ機会の損失を防ぐ。また購買率の把握も可能になる。
一世を風靡したDC(デザイナー・キャラクター)ブランドや老舗海外ブランドの復活、急回復が相次いでいる。ブランドも顧客とともに年をとっていくが、若いクリエーターの起用で若返りを図り、ヤングや団塊ジュニアを取り込む。新規開発では知名度を上げるのに時間がかかるが、こうしたブランドの知名度はもともと高く、即効性も期待できる。既存顧客と若い客層の両方を狙える可能性もあり、従来の年代別ターゲット型ブランドにはできない新しい形のビジネスとしても関心が高まっている。
おしゃれを楽しむ若者が集うセレクトショップ。トレンド感があり自分の主張を表現できるアイテムが揃っていることから、近年右肩上がりの成長を続けている。インナーとアウターの際が薄れファッションアイテムとしてとらえるようになったことが、セレクトショップにおけるインナー人気を加速している。
アパレル企業の中国内販への参入が相次ぐ中で、先行するイトキン、ワールドはさらに意欲的な拡大策を取り他社をリードする。イトキンは「クランプリュス」「オフオン」「a・v・v」など大型ワイドショップ系の展開を本格化、各地で開発が進む大型ショッピングセンターも含め今年度一気に出店を加速する。ワールドは今年約40店舗出店、150店舗まで広げる。
大手アパレル企業中心に、30代後半から40代の女性を対象とするブランドを百貨店向けに開発する動きが活発になってきた。いずれも「高感度・上質感」を切り口とし、百貨店で隙間になっている、既存の海外ラグジュアリーブランドと国内プレタポルテブランドの中間領域を狙っている。百貨店の主力客層である団塊ジュニアが近い将来、この世代に突入することを見据えた開発でもあり、SCなどとの差別化を進めるうえでも、売り場にとっては新しいゾーニングの構築が急務となる。
百貨店各社が来店客に対して買い物の相談を受けたり助言したりする「コンシェルジェ」を導入し始めた。旗艦店と呼ばれる主要な店舗が中心だが、売り場やメーカーにこだわらず、幅広い商品知識を持った担当者を揃えている。
皮の構造と特性、製革工程、特徴と取扱い方を体系的に述べ、次にクリーニング業の受付時のチェックポイント、クリーニング処理工程、保管、クレーム事例を表や写真も加えて示している。網羅された内容がよく整理され、わかりやすい解説である。
全ク連クリーニング綜合研究所では、毎年、各大学のテキスタイルアドバイザー実習を受け入れているが、今年も2月下旬に6大学13名を対象に行われた。事故品鑑定実習、アイロン仕上げ実習などのカリキュラムをこなしたが、クリーニングの知識が驚くほどないという。
高料金の衣類のクリーニングが広がっている。汚れ落ちがよく、スーツ一着で2〜4千円と高料金の水洗いクリーニングや、夜間の集配送など。家庭用洗濯機の高機能化などで需要が減少する中、クリーニング各社は付加価値の高いサービスで新規開拓に乗り出している。
厚生労働省が「平成14年度クリーニング所施設数」を発表した。総施設数は5年連続のダウンの15万7,112施設(前年より2,689減という過去最大の大幅減)。一般施設(機械設備のあるCL施設)が1,464減の4万2,307施設。取次所も1,346減の11万2,607施設。
EM菌は、河川の浄化や畜舎などの発酵臭の防止に効果がある。この菌を混入したドライクリーニング用ソープを、ツー・エム化成(東大阪市)が製造し、イーエムジャパン(鎌倉市)が発売する。従来のソープに比べ、非イオン化により洗浄力と再汚染防止に優れ、抗酸化力により黄ばみ防止や無臭化に効果がある。
ポリウレタンは空気中の水分で加水分解して劣化する。ほかにも光・熱・塩素・汗などによる劣化も進むので、3〜6年の寿命である。これは製造時からの年数なので、消費者が購入したときから数えると在庫や売り場の期間が除かれて寿命はさらに短くなる。しかも例えば生地の裏面コーティングのように見逃しやすい箇所に利用されている。これらが原因になるクリーニングトラブルを警告し、留意事項と対策を述べている。
愛知県中央県民生活プラザでは、ドライクリーニングした衣料の溶剤の残留状況と皮膚障害について消費者へどのような呼びかけがされているか。名古屋市内の24店舗に、合成皮革製ズボンのドライクリーニングを委託した。その結果仕上がり日数は、平均7日。受け取り後、溶剤臭があったのは6店舗あり、このうち3店舗の商品はかなり強く臭った。消費者への説明事項は経年劣化が8店舗、皮膚障害・化学やけどが5店舗、受け取り日に着用しないが1店舗、袋等から出して保管が4店舗、合成皮革製品についてのポスターなどの掲示が5店舗であった。合成皮革製品は余裕を持ってクリーニングに出すよう助言。
携帯電話で注文を受ける無店舗クリーニング業者に対し、品物が返却されない、名詞の電話番号で連絡がとれない、事故に責任を取らない等の苦情が寄せられた。全国で19件であるが、一般紙や時事・共同などの通信社が取り上げたので、「090クリーニングトラブル」として広く知られた。その結果、外交・宅配のアポイントに従来から電話を使っていた業者まで悪く見られ、実害が出かねないと全ク連は憂慮している。
クリーニング業法の改正案が4月9日に参議院で可決されて成立した。改正の第1の柱は、090クリーニングトラブルとして取り上げられた電話受注による宅配クリーニング等、店舗を設けないで取次業を行う者に対し、開業時の届け出を義務づけたことである。またこうした業者が利用する業務用車両にも「必要な衛生措置を講ずる」ことを明文化した。
「クリーニングに出すことはできません」というシャツが発売される。艶金興業がザ・ウールマークカンパニーの支援を受け、マシンウォッシャブル可能なドレスシャツ「ヴィヴァラーナ」を開発、5月より楽天市場でネット販売をする。ウールを82%使用しているため、商業ランドリーの40℃以上の高温とアルカリ洗剤での洗浄で収縮・黄変が起こり、ドライクリーニングでは逆汚染で色が変化することがあることを理由としている。家庭で40℃以下の弱洗い、ウールマーク洗剤で洗う。タンブル乾燥、アイロンがけ可能。
全ク連中央青年部会が、平成15年度CLサービスに関する消費者2万人アンケート報告書を発表した。今回の調査は、①組合加盟店と非加盟店に対する意識の違い、②価格と品質のいずれかの重要度、③バブル時と現在の消費者指向の変化等。組合が定めるLDマークの認知度は低いが、加盟店は技術が良く衣類に対する知識があると評価している。また、店構えやハンガーリサイクルについてはポイントが低かった。質重視か価格重視かについては、品質重視が約65%。一番良く利用するCL店は、①家に近い、②技術が良い、③仕上がりが良い、④対応が親切・丁寧、⑤低料金・割引制度の順で選んでいる。
独立行政法人製品評価技術基盤機構 経済産業大臣から示された中期目標に基づき、市場から製品を買い上げ、安全性及び品質を把握するモニタリングテストを実施。カシミヤ100%表示の衣料では、12銘柄中6銘柄不適合。内容は、カシミヤ以外の繊維が繊維製品品質表示規程で定める許容範囲を超えたもの、組成表示・表示者名・家庭用洗濯等の取扱い方法を示す記号等が不適合であった。
総務省がまとめた03年の家計調査は、消費支出で勤労者世帯が実収入の減少で前年を下回ったが、法人経営者や自由営業者は上回っており、職業によって大きな格差が生じている。ちなみに、被服及び履物は総体で実質13年連続減少している。
東京都消費生活総合センターは、消費者が自分で敷きつめるタイプの「タイルカーペット」14銘柄について、製品から発揮する化学物質を調査した。厚生労働省で室内濃度指針値が定められている化学物質を対象に、揮発量がどのぐらいなのか調査した。その結果、トルエン、キシレンエチルベンゼンの揮発量が比較的多かった。放散速度を小形チャンバー法で測定した結果をもとに室内濃度を推定したところ、室内濃度指針値を超えるものはなかった。トルエンなどの揮発量は、タイルカーペットを敷いた後、1週間程度で急速に減少するので、しばらくの間は小まめに換気する必要がある。
北海道立消費生活センター(北海道消費者協会)では、肌着以外の婦人衣料17、紳士用12、子供用9、その他7、計45点の表示についてテストした。家庭用品品質表示法に抵触する表示が45点中12点見られた。原産国表示の無いもの2点。組成表示では不適正表示商品8点中、表示と実際の組成が異なっているものが3点。混用率、表示用語の不適正なものもあった。表示者名は、97年改正前の品質表示者承認番号のものや、表示者氏名と連絡先の無いものもあった。100円衣料といえども適正な表示が必要。コスト優先でなく、表示管理体制の確立を望むとし、消費者には、繰り返し使うなど環境、リサイクルに対応した消費行動を求めている。
繊維を餌として積極的に食害する昆虫は10種類であるが、代表的な衣類害虫4種類について、生態食害性、衣類の保管について述べられている。その害虫は、ヒメマルカツオブシムシ、ヒメカツオブシムシ、イガとコイガ。生態の概要、食害性と食害痕では、表や写真を挿入して説明されている。防除・保管では、室内の清掃、整理を徹底し、通気を良くしたり虫干しを行い、害虫の餌となる乾物類や昆虫類の死骸ならびに繊維製品上の洗剤の残留や食べこぼしなどのシミを取り除くことを基本に、各種の対策、適切な防虫剤の使用が推奨されている。
ピックアップワンの頁の記事として、光の知識と紫外線対策が取り上げられている。「光の種類」では、紫外線の分類と特徴、「光の害から守る」では、サングラス、繊維製品(衣料品・日傘など)やUVケア化粧品の選び方が図表を使って分かりやすく説明されている。また、タンスに生えたカビ(洋服に付着)に関する商品トラブルの例も解説されている。問い合わせ先:消費科学研究所 06-6615-5285(大阪)/03-3820-7330(東京)。
全日本婦人子供服工業組合連合会が、品質管理、営業担当者向け教育用小冊子「繊維製品品質クレーム処理マニュアル・PL、Q&A」を刊行した。多発する消費者からの品質、クリーニングに関するクレームヘの対処法を実務経験が豊富な品質管理担当者が具体的な項目をあげた。定価2,100円。問い合わせは同連合会、03-3866-8920。
ISO9001で業績向上マーケティングを構築するという副題で、2ヶ月連載で寄稿されている。要旨は次の通り①人づくり、ものづくり、に加えてお客様づくりが大切。②ISOでは世界最高は作れない。ISOの基本的な考え方は日本のものづくりには合わない。③ISOの本質を見抜き活用することが大切。④ISOでは業績が向上しない。⑤ISO活動を阻害する二大要因は、規格をあまり堅く守りすぎること、マネジメントに比重を置きすぎていること。⑥オペレーション(攻め)でマネジメントを引っ張る必要がある。⑦マーケティングは信者つくりである。⑧マーケティングの究極の目標はセールスコストの少ない売り方をすること。⑨ISOの認証は入門証である。
中小企業庁が消費税の総額表示義務付けを前に実施した「小売業と下請事業者の取引に関する調査」によると、下請事業者が優越的な地位を利用した不当要請を27%が受けている。その内容としては、「値札変更などに伴う経費の一方的負担」が21%、次いで「システム変更に関わる経費を一方的な負担」が14%、「内税化に伴う端数切り捨て」が7%、「一方的な下請代金引き下げ」が6%となっている。
公正取引委員会は消費税総額表示義務付け前の不当な仕入れ価格引き下げなど優越的地位の濫用の調査によると、小売業者から「納入価格の引き下げ要請があった」とする納入業者は18%あったが、「値札付けのため従業員派遣要請があった」は5%にとどまった。同時に、問題点の指摘が多かった小売業者48社に対し、個別のヒアリング調査も実施、改善状況を監視し、独禁法違反行為には厳正に対処する。
消費税込みの総額表示で四割が値上がりしたと感じる一方、四人に一人は値下がり感を持っている。日本経済新聞社が実施したアンケート調査で消費者の感じ方にばらつきが生じていることがわかった。総額表示の義務化については、70.5%が「導入以前に具体的に知っていた」と回答。総額表示の導入については約56%が理解を示した。一方、総額表示を「消費税率引き上げの布石」とみる回答者は87.7%。移行後の価格をどう感じるかについては「値上がりした」が39%なのに対し、「値下がりした」も26.9%あった。コンビニなどでは値上がり感を持つ回答者が多く、一部で実質値下げをしたカジュアル衣料と家電量販店では値下がり感が強い。大手スーパーでも特売商品などを値下げしている。
消費税込みの総額表示義務付けから1ヶ月。懸念された消費者の買い控えについては、価格戦略によって明暗が分かれた。消費税分を価格に上乗せしたスーパーは総じて苦戦。一方、値下げで価格を据え置いた専門店などは、値頃感の維持で客数の落ち込みを回避している。逆風を受けた企業の中には、早くも値付けの見直しを検討している。
昨年末に解散した東京糸問屋協同組合に代わって「東京縫糸卸協会」が発足した。東京糸問屋協同組合の前身は1851(嘉永四)年の設立で、その後改組を繰り返しながら152年にわたって続いてきた。協同組合は解散したものの、新団体の必要性を求める声は高く、準備を今年2月から進めてきた。発足時の会員は18社だが、今後30社程度まで増えると見込んでいる。糸商、メーカー、発売元が同じテーブルに着いたのが特徴という。
日本羽毛協会は、ふとんなど羽毛製品のリフォームを積極的に推進している。リユースをはじめ循環型社会の形成に向けた対応や悪徳な点検商法の追放を目指すもの。普及促進のため「安心マーク」に加えて、新たにリフォーム安心マークを設けた。
用語解説
点検商法
消費者の不安感を起こさせ、強引に売りつける悪質商法(訪問販売)のひとつ。「無料でクリーニングなど点検を装い、ダニがいる」などと言って、高額羽毛ふとんを買わせる悪質な手口で売りつけるもので、消費者契約法で消費者の保護の対象になっている。日本羽毛寝具製造業協同組合は増加する点検商法対策をホームページ(www.nichiukyo.org)上でも訴えている。
繊維製品品質管理士(TES)の04年度の試験実施要領を紹介すると同時に、社内でTES資格者や取得者を増やし推進役を担っている6人が、TESの役割や背景、受験者への期待を語っている。
①6月6日、13日、27日
②新宿消費生活センター、
③基礎知識(家庭用繊維製品の流通、消費と消費者問題)、論文・事例の講義と演習
④NACS東日本支部研修委員 福長 TEL 03-3999-5303(午後19時〜22時のみ)
①6月7日、28日
②倉敷ファッションセンター
③基礎知識演習、事例解析・論文作成演習、論文の添削と指導、事例解析演習の添削と指導、他
④倉敷ファッションセンターTEL 086-474-6800
①7月9日
②大阪科学技術センター
③快適機能テキスタイルの開発動向、百貨店における機能性素材・機能性加工の考え方、機能性繊維製品の性能評価、他
④日本繊維機械学会TEL 06-6443-4691
①7月27日〜29日
②九州大学21世紀交流プラザ
③高分子とは、光情報関連材料、機能加工、環境調和材料、他
④繊維学会西部支部他 申込先:九州大学大学院農学研究院森林資源科学部門 北岡卓也TEL 092-642-2993
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:中島利誠/発行人:大谷芳男