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経済産業省が17日発表した04年度「中小繊維製造業者自立事業」の申請件数は、予想に反して数では03年度の575件を下回る270件となったが、内容は前年度以上に充実したものが多く、審査後の採択件数は昨年の110件を上回る見通しである。
経済産業省、厚生労働省、文部科学省が共同で作成する「ものづくり白書」が明らかに。製造業の67%が請負や業務委託を活用しており、正社員よりも人件費が安く繁閑に合わせ人数を調整しやすい請負や派遣に依存しすぎると、技術伝承や品質に悪影響が及びかねないと指摘。製造業の競争力の分析と展望を示すもので、技術の担い手になる人材の育成など中期的な経営改革の重要性を提言している。
中小企業庁の03年度「商店街実態調査」によると、大型店の出店が郊外にシフトしている傾向を反映して、商店街の課題が近隣の大型店との競合から、後継者難や個店の改善など足下の問題に移っていることが明らかになった。最近の景況は97%が停滞または衰退としており、厳しさを増している。
消費者政策の基本理念などを示す消費者保護基本法改正案が5月26日の参議院本会議で、全会一致で可決、成立した。消費者政策をこれまでの「保護」から「自立支援」に転換させる内容で、法律名も消費者基本法に改めた。国の施策として、契約や勧誘の適正化への取組みを明記。事業者に対しては、取引の公正さの確保や消費者への情報提供、苦情の適切な処理を責務として盛り込んだ。消費者保護基本法の抜本改正は今回が初めて。
公正取引委員会が発表した「03年度下請法の運用状況と企業間取引公正化の取組み調査」結果によると、下請法違反行為に対して措置した件数は合計1,365件で、うち勧告は前年度倍増の8件と過去20年間で最多となった。警告は前年並の1,357件。繊維製品にかかわる下請け取引では87件に警告した。発注時の書面交付義務違反1,125件と関係書類の保存義務違反142件が全体の6割を占め、代金支払いの遅延392件、長期手形184件、下請代金の減額も134件と多い。
経済産業省繊維課の集計によると、バブル崩壊以降、繊維製品の最終消費は縮小の一途をたどっており、02年における繊維製品全体の小売販売額は14兆9,860億円と、ピ−クの91年対比で26%減少。しかし、家計の可処分所得は同じ期間に4.6%増加しており、「低価格戦略で繊維製品の単価を下げたものの、売り上げ増にはつながらず、他産業の消費に回った」ことが判明。また繊維製品の販売業界側は、百貨店など既存業態が減少する一方、ユニクロ、しまむらなど新興勢力のみが大きく売り上げを伸ばしており、流通が再編途上にあることを裏付けた。
経済産業省の「03年度電子商取引に関する実態・市場規模調査」によると、インターネット技術を使ったBtoB(企業間電子商取引)は77兆円(前年比67%増)、BtoC(消費者向け電子商取引)は4兆円(65%増)と大きく伸びた。携帯電話などを利用するモバイルBtoCは8千億円(2.4倍)に拡大した。衣料・アクセサリー分野で携帯端末の利用が商品購買チャネルの一つとして定着している。
経済産業省は04年度電子タグ実証実験事業の採択案件を決めた。44件の応募の中で7案件選定。個別に申請した日本百貨店協会と日本アパレル産業協会の案件は共同実施の形で採択された。
経済産業省は04年度予算に若年者対策として113億円を確保し、政府がまとめた「若者自立・挑戦プランの強化の基本方向」や関係府省と連携して実施する。基本的方向は製造現場やサ−ビス産業の人材育成に向けて産学連携やベテラン人材の活用に取り組むなど6施策からなり、年内に行動計画をまとめる。
“「新たな価値創造経済」に向けて”をテ−マとする04年版通商白書は、全3章構成で、中核部分は第2章の「新たな価値創造経済」と競争軸の進化、第3章の「新たな価値創造経済」への移行と東アジア経済統合。今回は競争力の源泉として「知的資産」という概念を新たに問題提起した。白書によると経済のグロ−バル化の中で先進国企業の競争は「規模と価格の競争」から「質と個性化の競争」に転換していく必要があり、その個性化競争を支えるのが知的資産である、としている。
6月22日付で就任した経済産業省の石毛博行製造産業局長は、「差異化による国際競争力の向上、自由貿易協定(FTA)を視野に入れた輸出拡大、知的資産の充実と保護、経済と環境の両立という課題の解決に向けスピ−ドをあげて環境整備に取り組む」と語った。繊維産業を含む製造業が国際競争力を強化するためには、「従来の量的生産性の向上ではなく、他企業・他国と違う差異化したモノづくりに付加価値の源泉を求める必要がある」と指摘。さらに同局としてはFTAに積極的に取り組むことで、「輸出に向けた 産業界の前向きの力を引き出す」考えだ。
日本工業標準調査会は28日、第13回消費生活技術専門委員会を開き、繊維製品の吸水性試験方法など3件を含む14件のJIS改正案を一部修正の上、了承した。繊維製品の吸水性試験方法はJIS Z 8301に基づき規格様式を変更した。沈降法で沈降しないものがある場合の待機時間を3時間から1時間に改正する。ウレタン衣料生地試験方法も規格様式を変更し、浸透浸せき法での浸せき時間を30分に改めた。織物と編物のバギング試験方法ではJIS L 0105を試験の条件とするように改正した。改正−JIS L 0879熱処理に対する染色堅ろう度試験方法,JIS L 1061織物及び編物のバギング試験方法,JIS L 1066ウレタン衣料生地試験方法,JIS L 0808標準染色濃度表,JIS L 0878高温蒸熱処理に対する染色堅ろう度試験方法。(詳しくはJISC−日本工業標準調査会−工業標準案への意見受付公告http://www.jisc.go.jp参照)
経済産業省の審議会である日本工業標準調査会の第7回総会で、04年度基準認証政策の計画が報告された。「工業標準化法の一部を改正する法律案」が6月に成立、04年10月から新JNLA(日本試験場認定)が、05年度から新JISマーク表示制度がスタートするため、新制度の普及の働きかけを強める。
紙繊維が注目されている。なかでも王子ファイバーの「OJO+」(オージョ)は、紙固有の特徴に加えて、親会社の王子製紙の製紙技術を駆使し、市場を牽引している。オージョはマニラ麻を原料とする紙を極細のテープ状にスリットし、撚糸したもの。原料にはエクアドル産のマニラ麻を選定。高い耐水性、耐アルカリ処理、耐酸性などで、従来の紙繊維にはなかった加工領域の広がりを可能にした。①製紙製造段階で原料を均等に配置する。②薄く均質な紙を作る技術。③細い糸を作るためのスリット技術。④撚糸技術−など日本の製紙工業技術のノウハウが集約されている。
東レは婦人・紳士服地で防透けの新素材、ナイロン長繊維使いの「ボディシェルエール」とポリエステル短繊維使い「ボディシェルキュート」の織物を開発。ボディシェルエールは芯部に可視光線や紫外線を遮蔽する無機粒子高配合のナイロンポリマーを8角形の星型に配列し、鞘部に透明性、吸放湿性に優れたナイロンポリマーを配した長繊維。特殊複合構造から高い透け防止、吸放湿(ムレ感軽減)、クーリング、紫外線カット効果を持つ。無地染め品のアパレル入り値は1,300〜1,700円/m(130〜140cm幅)。ボディシェルキュートは、従来品の防透けポリエステル長繊維「ボディシェルSP」の短繊維を使用した織物。
ガラ紡と呼はれる日本独自の紡績技法がある。ガラガラと回転する円筒にわたを詰め、わたの端をつまんで引つ張ると、筒の回転で撚りがかかり、糸の撚りは不規則で糸の太さは不均一。太くて柔らかくて弱い。しかも紡績速度は遅い。戦後の一時期まで岡崎市や豊田市にはたくさんのガラ紡工場があったが、今では見ることもなくなった。日清ニット(尾西市)はガラ紡を現在によみがえらせ、ウール(新毛)によるガラ紡糸の生産に成功した。ウールでのガラ紡は前例がない。素朴で懐かしいぬくもりが持ち味。ユニークなのはガラ紡機にコンピューターを設置し、ガラ紡糸の特徴をさらに引き立たせた点にある。
クラボウ、デュポン、一村産業は、デュポンの生分解ポリエステル樹脂「バイオマックス」を原料とする生分解ポリエステル素材「クラボウ・バイオネイチャー」を開発した。バイオマックス65%・綿35%混紡の30番手のカットソーを開発し、ユニフォーム、学販、カジュアルまで幅広い用途に対応していく。従来、生分解樹脂は耐熱性や劣化などの問題があり、染色仕上げ工程が必要な衣料素材としては難しかったが、バイオマックスは織物に近い物性であるため可能になった。
デニム素材に変化が起きている。綿の牙城で合繊複合の“合繊デニム”が増えている。狙いは軽さと速乾性。デニムメーカーは定番商品として位置づけはじめ、合繊メーカーは新たな糸を提案するなど、今後益々広がりそうだ。ここでいう合繊デニムとは、定番のポリウレタン混ではなく、ポリエステルやナイロン、綿混のこと。特徴・採用理由は「軽い」「速乾」「丈夫」。見た目はそのまま、隠し味として機能を発揮する。合繊デニムの中でも広がりを見せるのが軽量デニムだ。
旭化成せんいはスパンデックス「ロイカ」の6番目のサブブランド「ロイカHP」(ハイパフォーマンス)を開発。細デニールで薄く軽く仕上がり、ハイパワーを保持する。糸の走行安定性に優れ、糸加工やファブリケーションでの高速度化に適応できる。天然・合成繊維を問わず他素材との複合とその染色加工が可能。色合わせなどのため、高温で数度にわたる再染色でもパワー低下は少ない。近年、薄地化や再染色性に対するニーズが高く、それに応えることができる。糸種は17、22、33デシテックス。価格はレギュラー品の20%アップを想定している。
糸が自分から熱を出す。東洋紡の「エクス」は、人の体や動物だけのものと思われがちな“発熱”という作用を持たせた繊維だ。この風変わりな繊維は96年の発売以来、着実に成長し、暖冬で泣いた03年度にも肌着換算で600万枚の販売を達成した。吸収した水分を熱に変える働きのある繊維。たとえば、肌寒い外にいても人間の体が目に見えない汗をかいているため、それを繊維が含むと、温度が上がる仕組み。綿の4倍ほどの吸収力から、熱に変換することで冷えや湿気を解消してしまう。ウールにはそれに近い性質があるが、アクリレート系「エクス」は2倍発熱する。
帝人ファイバーは、フィブリル品位を安定させたポリエステル捲縮加工糸「ラピタス」、毛羽立ちを抑制したポリエステル紡績糸「スパンヌーヴォー」を開発。同社は、既にフィブリル調長繊維を出しているが、高度な管理を必要とした。今回は易フィブリルポリマー、特殊断面POY(半延伸糸)、特殊仮撚り加工を組み合わせることでフィブリルの品位を安定。撚り変化などにより、ウォームタイプからドライタイプ、薄地から厚地までの展開も可能。糸価格は750円/kg。スパンヌーヴォーは、高中空、異型断面、マイクロ、再生の4タイプの原綿を使用、特殊な毛羽制御技術で得た紡績糸。糸価格は1,000円/kg。
韓国合繊メーカー大手、暁星のスパンデックスの生産能力が年内にも米インビスタ(旧社名:デュポン テキスタイル アンド インテリア)を追い抜き、世界トップメーカーに躍り出ることが確実になった。暁星の現在の生産拠点と能力は、韓国国内の安養工場7,000t、亀尾工場20,000t、中国の嘉興工場13,000t。さらに年内には中国・珠海工場18,000tが稼働し、これに安養工場を除く各工場の能力増分を上乗せすると合計62,000tに達する。中国は単品量産型、韓国は高機能型商品を中心に生産する。
梅雨から真夏にかけて役立つ素材として注目されているのが「部屋干し対応素材」と「UV(紫外線)カット素材」。長雨のほか、共働き、花粉、防犯などさまざまな理由から衣料を室内に干すケースが増えており、「部屋干し対応素材」開発が相次いでいる。吸水速乾性に抗菌防臭加工をプラスし、室内でも早く乾き、雑菌の繁殖による生臭いにおいを防ぐ仕組みだ。一方、紫外線は5〜8月がピーク、梅雨時の合間も紫外線は多く、UVカット素材は婦人アウター、スポーツ、日傘など雑貨で活躍している。
カワボウ繊維は美濃和紙製品を拡大している。ウール複合などの原糸を製造販売するだけでなく、テキスタイルや製品での展開も進めている。美濃和紙使いの繊維は、自社設備による精紡交撚糸が基本。100%タイプやウール、綿、レーヨンなどの複合素材を「リバーライン」の名称で生産している。今年4月には、和紙の精紡交撚技術が製造特許を認められた。テキスタイルでは紳士ジャケット向けのウール複合、婦人向けのレーヨン複合ストレッチなどの衣料用のほか、バッグの表地などの資材用途にも販路が拡大している。
クラレなどが開 発したヌバック調素材「エルモザ」は同業他社も認める高質感、高発色で話題の素材。天然皮革、従来の人工皮革では表現できなかった領域を開拓したファッション素材として、世界から注目されている。ヌバック調素材は、ポリエステル織編物の表面をひっかき、ヌバック(動物皮の表面を起毛したもの)に似せた素材。エルモザは織物がベース。秘密は極細糸にある。独自の縮れて膨らみのある極細糸を使用。光の反射が少なく深い黒が出る。糸が縮れている分、薄地で起毛しても損傷が少ない。高度織技術で緻密かつ薄くドレープ性がある。開発の裏話も紹介されている。価格は2,000円前後/m。
ユニチカは従来品に比べて強度が1.5倍あるビニロン繊維を開発した。汎用繊維と価格が高いスーパー繊維の中間にあたる商品として、ゴムの補強材やロープなどの産業資材向けに売り込む。開発した繊維は航空・宇宙用途や防護衣料用途に使われるスーパー繊維の約80%の強度を持ちながら、価格は2,000〜5,000円/sと半分以下に抑えたのが特徴。原料は従来のビニロン繊維と同じで、製造工程を改良した。
東レは、制電・撥水機能を両立させた梳毛調のポリエステル長繊維織物「エレフィナ」を開発。糸は芯鞘構造で、芯糸にブラック素材で初めて制電ポリマーを配合した収縮加工糸を、その周りに色の深みを表現する糸をループさせながら絡めている。制電性との両立が難しい撥水機能は、新しい薬剤によるもので、洗濯耐久性も改善した。家庭洗濯を20回繰り返した後も、スポーツ素材並みの撥水性と、アパレルメーカーが指定する制電性を維持した。しなやかさと膨らみ感、洗濯した後もまとわりつかずにシルエットが出せるという。148cm幅で価格(アパレル入り)は1,300〜1,500円/m。
東レとインビスタの折半出資会社であるオペロンテックスは、04年秋に店頭に並ぶ商品から、ストレッチとストレッチバック性および洗濯収縮で同社の基準を満たすストレッチ素材の商標を「ライクラ」に一本化する方針。世界的にPTT繊維もライクラのブランドに統一するインビスタが動きに同調したもの。また、東レグルー プではPTT繊維を含む素材の表示に関して、より厳密な表記が行えるよう関係省庁と調整を進めていることを明らかにした。現状ではPTT繊維も「ポリエステル」とだけ表示されるが、このポリエステルの部分の内訳としてPETとPTTの混率を表記しようというもの。
帝人ファイバーがポリエステル長繊維のブラックフォーマル素材「ネロイ」を開発。「シルブラック」を超える深い黒、ソフトな風合いが特徴で、最高級素材に位置付ける。ネロイは高水準の深色性と、深色性とは両立しにくかった摩擦強度、ソフトな風合いを兼ね備える。深色性はこれまで同社の頂点素材シルブラックを超え、深色性を表す数値であるL値8(シルブラックは9)を実現。やわらかさの指標、見掛けヤング率ではウール並みの数値を持つ。技術ポイントは、ポリマー改良による単糸の部分ランダム結晶化。アパレル入り値は、W幅当たり1,500〜2,000円/m。
オルドスカシミや集団公司は中国科学研究所と共同で、ナノテクノロジーを駆使し、防水、防油、防汚効果を持つカシミヤニットを開発。日本向けは、今秋冬から馬渕繊維(高松市)が販売する。ナノテク・カシミヤはカシミヤセーターの表面に気体の膜をコーティングし、水滴、油などが付いても簡単に取り除ける。浮遊物が表面に付くことを防止し、抗菌効果も向上する。生産工程で皮膚に影響を及ぼす化学物質は使用していない。国際環境保全機構部門による検査分析で、直接、触れることができるとの証明がある。中国では昨年から販売している。
日清紡績のナノテクノロジー加工「ナノサイエンス」シリーズとハイブリッド無機化コットン「ガイアコット」が取り上げられ、ナノサイエンスには次の6領域(機能)がある。。①撥水(性能を大幅に改善した新撥水加工)。②汚れ対策(吸水性及びある程度撥油性も優れる新防汚加工)。③臭い対策(銀微粒子による抗菌防臭加工)。④スキンケア(疑似角質ナノポリマー使用によるスキンケア)。⑤ソフト(ナノサイズの薬剤で吸水性と風合い耐久性を併せ持つソフト加工)。⑥ノーアイロン(ナノレベルの架橋反応コントロールによるノーアイロンシャツ地)。
帝人ファイバーは、汗を生地の表面に素早く移動させて乾燥させる薄膜の加工技術を開発、05年春夏シーズンから、吸汗・速乾織編物「さらっとコンポ」として販売する。この加工は、ナノオーダーの皮膜によるもの。生地の裏面に、微細で立体的な吸汗ポイントを作ること、異なる二つの機能層にすることで、吸い上げた汗を速やかに拡散し、乾燥させる仕組みが可能となった。未加工のものと比べると、速乾性は約1.5倍に、べとつき、濡れ感は約50%抑制する効果がある。洗濯20回の耐久性も確認されている。アパレル入りの価格(ダブル幅)は1,200〜1,500円/m。
繊維評価技術協議会では、医療機関内で使用される白衣など繊維製品の制菌性評価について、従来の菌液吸収法ではなく、用途に適した菌転写法を選択するよう動いている。この試験方法は、従来法とくらべて乾燥度合いが高く、菌との接触時間が短いので、制菌剤に即効性が求められる。日華化学では、抗菌機構、即効性、洗濯耐久性の観点から抗菌化合物を再度見直した結果、菌転写法に対応する薬剤「ニッカノンPM−17」を開発した。抗菌成分はカチオン系化合物で、綿および綿混紡素材が対象。薬剤の特徴、抗菌試験結果等が掲載されている。
東レでは上品な光沢とナチュラルな表面感を表現する加工技術を開発、今秋冬から「ソリュートペルラ」素材として販売する。この素材は真珠や天然皮革のような奥行きのある光沢感を目指した織物。極細繊維やシルキー素材の表面に特殊なポリマーを多層に薄く覆い、微細でランダムな亀裂を加えている。価格はダブル幅1,400円以上/m、シングル幅が1,100円以上/mとなる。
ユニチカはPLA(ポリ乳酸)繊維「テラマック」の真空転写プリント技術を確立し、ファッション素材として前進させた。PLA繊維は、生分解性やカーボンニュートラルが特徴の地球にやさしい繊維だが、熱に弱いのが難点。衣料分野ではアイロン掛けや多彩なカラー、プリントのいらないインナーなどに限られていた。PLA繊維の転写プリントは初めて。ユニチカと田中金整理工業(京都市)が共同で確立した。プリントすると繊維の強度や風合いを損ないかねないが、染料と温度、時間、圧力、真空度などの条件がうまく揃い、成功。織編物の両方に可能。
日本ドナルドソンは耐水圧・透湿素材「テトラテックス」でアウターウエア市場を拡大する。同素材はPTFE(ポリテトラフロロエチレン)を特殊延伸加工し、微多孔質フィルムにして各種の布にラミネートしたもの。水、薬品、粉塵の侵入を防ぐとともに、透湿性が高いためにムレ感や体の冷えを防ぐ機能を持つ。さらに、PTFEに樹脂コーティングを行うことで耐紫外線機能が付加され、生地の黄変を防ぐ。このため白地の布にも使用できる。現在、小松精練と共同で素材開発・販売を行っており、ポリエステルやナイロンを中心に約40品番の基布のバリエーションを揃える。平均価格は1,500〜1,600円/m。
百貨店各社が浴衣の販売に力を入れ始めた。人気ブランドやデザイナーと共同開発した独自商品が目立つ。伊勢丹本店はファッションデザイナーと共同開発した浴衣の展示販売を開始、三越本店はブランド浴衣の三越限定柄・色を16品目販売する。高島屋新宿店は画家の竹下夢二が描いた原画をデザインした浴衣などを販売するとともに、人気ブランドの高島屋限定品も扱う。小田急百貨店新宿店は浴衣売り場を昨年の1.5倍に拡大し、ブランド浴衣を販売する。大丸は全国の各店で女性向けだけでなく、男性向けブランド浴衣を拡充している。
クリーニング業とアパレル、流通業など関連業界との情報交流、技術交流が活発になっている。事故例など、お互いの情報を共有することで衣料に関するトラブルを防止していこうというもので、5月にはアパレルではダイドーリミテッド、流通では東武百貨店が衣料品トラブルに関する情報展を開催した。
婦人服縫製業の辻洋装店はこのほど、婦人服オーダー用の「仮縫いシステム」を開発した。仮縫いシステムの開発は婦人服オーダー用のパターンソフトを独自に作成することにより、フィト性の向上と採寸・仮縫い・仕上げまでのリードタイム短縮やコスト削減が目的。23体形にそれぞれダーツ処理、プリンセスライン、パネルラインの三つの型を揃え、合計69型のパターンを作成。
百貨店の水着売り場がにぎわい始めた。水着だけではなく、上に羽織る商品が目立ち、例年以上に華やか。東武百貨店池袋本店は過去最大規模の水着売り場を開設した。ビキニ上下にショートパンツかスカートを加えた「三点セット」やさらにタンクトップを加えた「四点セット」などウエア付き水着を販売する。三越本店ではイスラエルの世界的なブランド水着を販売し、シャツブラウスなどを合わせると9万円前後の高級品。高島屋はニューヨークに住む写真家が撮影した写真を転写したデザインが特徴である。阪急百貨店梅田本店は水着と合わせるアクセサリー、小物のコーナーを設けた。伊勢丹本店は独自商品「ラインストーン付きビキニ」を。各社とも売れ行きは順調という。
イオンは着古したら店頭の回収箱に入れてリサイクルできる女性用衣料を発売した。この衣料は20〜30歳代の女性を対象にした商品で、ポリエステル繊維を90%使ったポロシャツやTシャツなど四品目。着古したらこのブランドを展開する展開する35店で回収する。帝人の繊維子会社で化学的に分解し、新品と同等の品質のポリエステル繊維に再生する。ポリエステル繊維の完全リサイクルは、回収が容易な制服やカーテンで例があるが、大手小売業が製品に採用するのは初めてである。
夏向けのシャツ類が百貨店の店頭に並び始めたが、今年は「和柄もよう」が目立つのが特徴である。高島屋大阪店では「WAで粋なお父さん」というイベントを開き、京友禅のアロハシャツを販売する。伊勢丹本店は「京友禅Tシャツコレクション」を開く。職人が手で染めるため生産量は少ない。阪急百貨店梅田本店は紳士服売り場に「和ショップ」を設け、主に50代の男性向けを意識し、落ち着いた感じの風合いのシャツを中心に販売。近鉄百貨店阿倍野本店は女性向け和柄Tシャツを、東急百貨店東横店は和風デザインの婦人服に力を入れている。
量販店に卸販売するアパレルメーカーが、委託販売や消化取引を拡大している。従来婦人・紳士衣料の平場は、季節商品の水着やフォーマルウエアなどを除いて完全買い取りが中心で、00年前後には8〜9割を占めていたが、ここにきて「ある量販店は5割を切っている」。量販店は準百貨店になるとか、平場がなくなるという危機感がでている。
コナカは襟の部分に磁石と鉱石の加工粉末などの特殊素材を入れた紳士用ワイシャツを発売する。襟から磁気と遠赤外線が発生して血行を促進、肩や首のコリを和らげるという。「磁気治療器シャツ」と名付けて、医療用具の認定も受けた。色は白のみで、普通のシャツと外見上の違いはなく、洗濯、クリーニングしても効果は持続する。磁石などを入れた衣料は、紳士用シャツでは珍しい。
大手百貨店が、共通商品の卸販売だけでなく、平場の商品編集や運営ノウハウ、中元・歳暮をはじめとしたギフトや催事などの仕組みの供与を通じて、提携先への取扱高を拡大している。百貨店業界が将来、少数グループに再編されるという予測が、提携先との関係緊密化を急がしている。
団塊世代がビジネスウエアを手放す時期が近づいてきた。あと4年で大半が「定年」を迎えることになる。だが、ビジネスウエアのマーケット規模が、そのままカジュアルスタイルの市場に移行するとは限らない。団塊の世代はライフスタイルにこだわりを持つが、ファッションはあくまでその一部に過ぎない。スーツを脱いでネクタイを外したこの世代を満足させる売り場、商品を提供できるのか。流通サイドには「固定概念」に縛られない新しい取り組みが求められる。
全国の専門店やアパレルメーカーに対して「出店したくないSC」「退店したいSC」などマイナス評価についてアンケートと聞き取り調査を行った。出店したくないSCは「家賃など条件が合わないところ」という理由が最も多いものの、「意思疎通」や「MD力」「集客力」の3点が出退店を決めるポイントにしていることが分かった。
日本通販協会がまとめた03年度「通販110番」による相談件数は4,762件、前年度比21%の大幅増、苦情も大幅に増え、少数企業の特殊要因が大きく影響している。広告媒体別では、折り込み84%増、インターネット18%増、テレビは横ばいであった。
米ウォルマートは4月末から開始した一部商品での無線ICタグ利用の実用実験を行い、読み取りのミスなどは発生せず、成功だったと発表した。納入業者8社と商品21点を、物流センターと8店舗で、バーコードの代わりに無線ICタグを装着し、タグの種類や装着場所を変えて商品管理を行う実験を開始した。来年1月から大口納入業者100社を対象に、本格的な実用を開始する計画。
紳士服専門店が新規出店を拡大する。青山商事、アオキインターナショナル、はるやま商事の上位三社の今期の合計出店数は前期比四割増の95店。四位のコナカも来期に今期より11多い25店を開く計画。出店地域は各社とも需要増が見込める首都圏を第一候補としている。紳士服専門店では最近、低価格一辺倒の志向が後退し、高額商品も売れ始めている。男性消費回復の兆しをとらえ、積極出店で販売拡大を狙う。
収益体質改善へ、なお多くの企業がコスト削減に明け暮れるなか、成長力の高い有力専門店が、攻めの発想から出発する、新しい「常識」を導きだそうとしている。具体的には、「パート活用より正社員を見直せ」「持てざる経営より資産保有に勝機」「選択と集中より選択と攻めの分散を」となっている。
日本百貨店協会と日本アパレル産業協会が共同で設置した「コラボレーション取引推進協議会」は、取引改革に関する調査報告や先行事例集、NBを含めたコラボレーション取引普及の課題をまとめた。取引改革は進展しているが、百貨店販路のアパレル事業は長期低落傾向から脱しておらず、コラボレーション取引を活用したBPR(業務革新)が急務としている。
00年頃のギャルブームの中核的存在であった当時の高校生は今、セックスアピールをさらに強く打ち出す大人ギャルに成長している。当時、『Cawaii!』(主婦の友社)が草分けとなり新しい高校生像が主役となった。その後、女性誌は『ViVi』(講談社)、『S-Cawaii!』(主婦の友社)が4年前からマーケットをリードした。そして『BLENDA』(角川春樹事務所)がさらにマーケットを広げてきた。そして今年は雑誌の創刊も相次ぎ、消費者にセクシーの中にも細かなマーケットが成長する気配だ。
人気商業施設の渋谷109で設立間もない無名ブランドを集積した売り場「109ステージ」が注目を集めている。敷金や賃料を低くして次代の有望ブランドを発掘し、他の商業施設との差異化を図る試みである。5月中旬の開店直後から好成績を残すテナントもでており、一般テナントと比較しても販売額は遜色ない水準のものもある。今後この売り場が軌道に乗るようなら、同様の手法でテナントの育成を目指す施設が増えそうだ。
インターネットの普及によりサイト上の不正商品の流通が急増、対策強化が課題となっている。著名ブランドのバッグに絞った昨年の5月調査では「偽造品が8割を超えた」こともあり、特にオークションサイトが問題。「権利保護基盤の強化に関する専門調査委員会」では取り締まり強化を「とりまとめ」に盛り込もうとしている。
日本通信販売協会の03年「全国通信販売利用実態調査」によると、全体的に利用率が頭打ち傾向にある中、インターネット販売の比率が大幅に伸びて3割に達する一方、ダイレクトメールの利用率が低下した。
英小売調査企業、M+Mプラネット・リテールは、03年度スーパー業態の世界ランキングをまとめた。ユーロ高・ドル安傾向を反映し、上位各社の勢いは「欧高米低」となったが、米ウォルマート・ストアーズの独走状態には変わりない。日本の企業は、17位にイオン、18位にイトーヨーカ堂、30位にダイエーが入っている。
日本百貨店協会は地方百貨店協議会で、百貨店を核とした地方都市の中心市街地再生を目指す「地域商業活性化プロジェクト」を発足。活性化を担う人材作りなどソフト面を中心に提言をまとめる。
CS放送やケーブルテレビなどに番組を持つ主要10社の03年度売上高が前年度に比べて24%増の1,295億円になる見通しである。生放送で機動的に商品を提供する大手が市場をけん引している。各社とも一般小売店にない独自商品を強化しており、メーカーも流通チャネルとして無視できなくなった。
バーゲンセールは夏は7月中旬以降、冬は1月下旬が適当―このところバーゲンの早期化に是正を求める声が高まってきた。今夏は一部の商業施設で25日から開催し、7月1日にはバーゲン一色になる。年々、早まるバーゲンに対して「正価販売期が短くなり、利益を圧迫。消費者の価格不信も招いている」と、一様に危機感を募らせる。「どこかで歯止めをかけなければ」という切実な声を受けて、日本専門店協会が具体的な行動を起こそうとしている。
ブランド品のリサイクル業態が好調だ。その背景には消費者の意識変化がある。ブランド品の大衆化に伴うステータスの低下、中古品の売買に対する抵抗感の希薄化など、“2次流通”という呼び方も生まれるほどの変化が起きている。ブランド品のリサイクルは、真がん力や企業に対する信用がないと簡単に参入できない業態といわれてきたが、消費者の変化を受けて市場はしばらく広がりそうな気配だ。
量販店向け主力アパレルは、量販店平場でのFA(ファッションアドバイザー)付きコーナー展開に本格着手している。同売り場の活性化提案として、トータルコーディネートによるコーナー取りが浸透してきたが、さらに一歩踏み込み、自主的な売り場運営・管理まで視野に入れる動きだ。ただ、平場として通常価格より高い価格設定といえども値ごろさが必須となるなか、FA付きにおける経費などを吸収する売上高・利益が確保できるのかどうか、今後の運営に商品力・仕組みが問われることになる。
急速な経済成長が続く中国。所得水準の上昇は北京、上海、広州の三大都市から周辺の地方都市にも広がり、巨大な市場が形成されつつある。沿海部の都市(北京、鎮江、常州、上海、宜興、温州、恵州、東莞、広州、肇慶)では高所得者を先頭に、富を手にした中国人が豊かな消費活動を繰り広げている。
大型ショッピングセンターやファッションビルへのアパレル大手の戦略に見られるように、流通変化に対応した各社のチャネル施策が注目される。これら新チャネルへの事業展開が、各社成長戦略の大きなウエートを占めるといってよい。だが「あくまでも主軸は百貨店」と多くの経営者は述べる。SCやFBにも競合による差別化が求められる。また、ここにきて対百貨店においてもクオリティーに重きを置いた意欲的なブランド開発が見られる。
「松・竹・梅」価格がデフレ克服の秘策として様々な分野に広がりつつある。アパレル関連の例を挙げれば、ツープライスを売り物にする青山商事は、3店でこれらより高い3万円台のスーツを投入した。アオキインターナショナル、コナカも足並みをそろえている。いずれも表だって宣伝していないが、現在の二段階価格が飽きられる前に、もう一段上の価格帯で消費者の「値ごろ」をひそかに探る。三越銀座店では昨年3月からジーンズの品ぞろえを拡充。価格の上限をそれまでの2万円台から33,000円に引き上げた。その結果、消費者の2万円台に対する抵抗感がなくなった。イオンでも同様な現象があり、かつての「松」が「竹」に変わったとたん、売上が急伸したという。
まず生活の周辺で見かけるカビを、カラー写真を交えて6種類紹介する。次にカビの増殖試験方法を述べ、カビが生地を劣化させる、色素を沈着させるなどの汚染を起こすことを示す。さらにその防除方法、カビのシミ抜き方法を説明。カビ対策の行き届いた講義である。
クリーニングメルヘン(秋山安男社長、茨城県ひたちなか市)によるハンガーに掛けたまま洗浄、脱液する石油系ドライ機が完成した。シャワーのたたき洗い、洗濯槽の漬け込みで洗浄され、洗濯槽では低周波とオゾンが加えられる。溶剤は完全回収方式で、カートリッジフィルタにより清浄に保たれる。1時間当たりの処理能力は、背広が60点、セーターが100点。特徴は、シワができにくい、きれいに洗い上がる、全自動なので一人で運転可能など。6月から販売体制つくりを始める。
複数のリネンサプライ業が、テクノオーシャン(伊丹市)製の電子波水処理装置を導入し、次の効果を得た。①給水管内の赤さび・スケールの減少 。②蒸気用の重油使用料が減少 。③洗濯物の乾燥時間の短縮 。④白物、色物ともきれいな仕上がり 。⑤しわ伸ばしが容易 。⑥CCDなど排水の質が向上。この装置は、放出された電子が水分子に振動を与え、管壁の錆や無機物を溶出する。この装置は、おしぼり業界、ホーム業界にも導入が広がっている。
東京洗染機械製作所は、ユニフォームの管理向けに「ICチップ」を使用した「自動認識システム」を提案している。チップが持つ固有の情報をアンテナがキャッチし、パソコンで情報を処理する。クレームの削減、誤配の削減、購入コストの削減が図れる。ICチップは欧州でユニフォームの400工場が4,000万個、米国の80工場で1,000万個利用されているのに対して日本では数工場が50〜60万個使用しているに過ぎない。日本では官民あげてICタグの普及に取り組んでおり、リネン業界での本格的な普及が期待される。
超微粒子気泡による水洗いで知られるナチュラルクリーンが、国内初の深夜宅配を開発した軽貨物運送業者(グランディオ)、さらに高級アパレル向けに特化した倉庫業を展開する物流業者(OTS)と組んで、首都圏を対象に「24時間宅配サービス」をスタートした。グランティオの配送システムで昼間や共稼ぎ夫婦、富裕層などのCL需要を見込み、午前2時、3時の集配・宅配にも応え、着るシーズンを終えた衣料は6ヶ月保管を促す。
改正の主な内容*「利用者の利益の擁護を図る」ことを明記。*業務用車両に必要な衛生措置を講ずることを明記。*洗濯物の受け渡しの際に洗濯物の処理方法について説明するよう努めること。*苦情受付先を明示すること。*無店舗業者に都道府県への届出を義務付けること。*改正内容の詳細は厚生労働省健康局生活衛生課。TEL03(3595)2301
日本消費者協会は、クリーニング業界を対象として本年の「サービス実施調査」を行い、苦情について次の結果を得た。3年以内にクリーニング事故を体験した消費者は15%。苦情を受け付けたクリーニング店は12%。苦情申し出に対する店の対応に満足した消費者は36%、不満派が39%で、不満の理由は「横柄」「ミスを認めない」であった。またクリーニング店の苦情受け付け時期は、返却後1週間以内は33%に過ぎず、次回着用時が29%に達した。返却時の相互確認が必要と指摘している。
クリーンサワが開発したグリーンDry機(三菱重工)は、パークの蒸留液を被洗物に噴射する方式で、ソープを用いない。導入する会社が増えると共に、特にソープを用いないことによる次の効果が明らかになった。。①ソープによる抱水がないので型くずれが減る。したがってプレスの人手や蒸気量が減る。。②衣類へのソープ残留がないので、編み目が復元する。。③シミ抜きが容易。。④フィルター不要で経費削減。。⑤土壌や大気の汚染が減る。
日本石鹸洗剤工業会の3年ごとの定点調査「洗濯・掃除」が発表された。主な結果は次の通り。。①ドライマーク専用洗剤の利用者が増えて84%となった(39%)。かっこ内は前回調査である。。②おしゃれ着用中性洗剤の利用者が増えて67%になった(53%)。。③働く女性の特徴は乾燥方法にあり、下着の場合、64.1%が室内干しであった。一方、主婦合計では屋外干しが76%で、室内は13%であった。
インターネット上に自分の所持する衣服を登録しておくと、その衣服のクリーニング・集配・保管からリフォーム・リサイクルまで対応してくれるサイトができた。「きれい計画ドットコム・マイクローゼット」で、(株)夢大陸(下関市)が白洋舎と提携して運営する。当面は福岡市内を対象とするが、将来はさらに機能を増やした個人の動産管理システムとし、他の都市や店舗にも展開する予定である。
岩手県立県民生活センターは、「透湿・撥水性」をうたったレインウエアの試買テストを実施した。その結果、撥水性については、問題はなく雨が中まで浸透してくることはなかった。また、透湿性については実験的には透湿性の表示のあるもののほうが湿気をかなり多く発散させることがわかった。しかし、購入時には消費者は、季節や用途等を考慮して商品選択することが望ましい。
ボーナス商戦を控え新型洗濯機の発売が相次いでいる。三洋電機は水や洗剤で洗った後、約80℃のスチームを噴射して皮脂やシミなどを溶かし出す新製品を発売する。乾燥時には120℃のスチームを吹きかけ、アイロンのような効果を出してしわや静電気を押さえる。松下電器産業は特殊フィルターを使って花粉を除去できる洗濯乾燥機を発売予定。日立ホーム&ライフソリューションは流線型の底板で衣類を上下に動かし、押し洗いとたたき洗い、もみ洗いの効果を同時に実現する「ビートウォッシュ」を実現する。
(社)北海道消費者協会では、「洗剤がいらない」「通常より少ない量ですむ」「環境にやさしい」などをうたい、洗濯機に入れるだけで洗浄効果があるとされる洗濯ボール5銘柄の効果をテストした。人工汚染布でのテストでは洗剤不使用の場合洗濯ボールの使用の有無にかかわらず大差はない。標準使用量の3分の1の洗剤を併用した場合、いずれの洗浄効率も25%で差はなかった。洗濯ボール不使用で洗剤を標準使用量使用の場合、洗浄効率61%で洗剤不使用と比較して4.4倍。3分の1使用の場合と比較しても2.4倍に上昇。ボールの材質・表示の「環境良品」「地球に優しい」などの表示は根拠に問題がある。今回の人工汚染布によるテストでは、洗濯ボール使用による洗浄効果は認められなかった。
関西消費者協会の機関誌「消費者情報」は、上記のテーマで特集を組み、衣料品マーケットの現状と今後、被服品に関する消費者相談、その他、機能性繊維やストレッチ素材について触れている。
日経MJの買い物時間調査で、消費者の4人に1人が平日に日常品以外の買い物をすることが分かった。「衣料品や耐久消費財などは週末に買う」という小売業界の常識が崩れつつある。深夜営業やインターネットの普及、ボーナスの使途時期の分散が影響している。
埼玉県生活科学センターでは、エプロンやかっぽう着など、台所で着用することの多い衣類の燃焼性について防炎衣類(8銘柄)と一般衣類(9銘柄)との比較テストをした。テスト方法は腕が傾いて袖に炎が移るような台所で起こる衣類への着火を想定。衣類を45度に傾け下からバーナーの炎で3秒間加熱した。テストの結果一般衣類ではウール以外はすべて炎を取り去っても、燃え続け全焼。防炎衣類では、わずかに着火するが、炎を取り去ると消火し、少し焦げて全焼するものはなかった。同センターでは「衣類の着火事故を未然防止するには、防炎衣類の着用が有効。高齢者のいる家庭での利用を薦めている。
香川県費生活センターは,半そでシャツ6銘柄と比較対照品として綿100%の従来品2銘柄の計8銘柄(290円〜1,200円)について、どのくらい汗を吸って速く乾くのかテストした。吸水性を重視するなら綿100%素材を選んだほうがよく、乾燥性を重視するなら、ポリエステルなどの混紡製品がよいという結果が出た。
ワールドは「ジ・エンポリアム」などで販売していた他社製品の女性向け綿トレーナーを回収すると発表した。「表面の起毛部分の可燃性が高く、身体に危険を及ぼす可能性がある」ことが、消費者からの指摘で判明した。販売していた店舗と同社のホームページなどで消費者に告知し、購入店舗への持ち込みと神戸市の本社への送付によって回収する。
商店街の活性化活動で、美化活動や様々なイベントを実施し、商店街と地域住民を橋渡しする役割も担うなど、女子大生が活躍している。人材不足に悩む商店街からの評判も上々、自己実現やビジネスとして活動に取り組む学生も多い。高知市と高知女子大、広島市と広島修道大、小平市と文化女子大などの例が紹介されている。
日本航空システムはこれまで焼却処分していた客室乗務員などの制服をリサイクルする。まず経 営統合前の旧型制服約250トンを自動車の防音、吸音材に再資源化する。焼却に比べ費用は二倍かかるが、環境負荷低減を進める。
日本ファッション協会が04年度から3カ年計画で、経済産業省の支援を受けて推進する「ジャパンファッションフェア(JFF)」構想が動き出した。。①展示会事業、。②海外展示会出展事業、。③新進デザイナー育成事業の3本柱で構成されているが、戦略会議が開かれ、個別事業の連携により相乗効果を発揮していく。
日本繊維技術士センター(JTCC)は、新プロジェクトとして新たな技術資格制度発足、繊維技術士の国際間の相互認証取得などに取り組む方針を決めた。JTCCに加え、繊維学会、ファッション産学人材育成機構、日本ファッション協会、日本衣料管理協会の5団体を中心に協議を進めており、近く推進委員会を設ける予定である。
18歳人口の減少と就職難で、4年制大学、短大、専門学校の服飾系の各校は、産学協同型教育の推進で存在意義を内外に訴求し、活路を開こうとしていることが、繊研の「ファッションスクールアンケート」でわかった。それも学生数の多い大手校で導入に拍車がかかっている。
①8月19〜20日
②日本科学未来館 みらいCANホール
③ファイバーが生み出す力とパワー:マッスルファイバーとテンドンファイバー、人口ファイバーと人間ファイバーそして‘いのちの糸’をつむぐオリンピック、他
④繊維学会 申込先:「みらいせんい展」推進機構実行推進委員会
TEL 045-924-5790
①8月23日
②日本科学未来館 みらいCANホール
③PAN系炭素繊維の誕生と将来、航空機用複合材料の研究開発−国家プロジェクトの紹介−、航空宇宙用構造物への炭素繊維材料の展開、他
④繊維学会 申込先:同上
①8月27〜28日
②JR新大阪駅1階バス乗り場前の待合室集合
③潟Nラレ岡山事業所(人口皮革及び不織布の製造工程見学)、潟Vョーワ(糸の開発から織物の企画までの工程見学)、大原美術館(日本で最初の西洋美術中心の美術館)、他
④日本繊維製品消費科学会 申込先:日本紡績検査協会 開発部 嶋崎良知
TEL 06-6762-5881
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:中島利誠/発行人:大谷芳男