ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧(2003年度:第20巻〜)→
多くの有名アパレルメーカー、小売店が集まる東京・渋谷労働基準監督署によるアパレル関連企業の労務管理調査を実施、261事業所から回答を得たが、9割が労働者10人未満の事業所だった。その結果は、労働時間が長く、サービス残業も多いと、労務管理上の問題点が多くあり、改善策が急がれる状況であった。
政府の消費者政策会議(会長:小泉首相)は、@消費者の安心・安全の確保A消費者の自立のための基盤整備B消費者トラブルへの機動的な対応、を柱とする消費者基本計画案を決めた。今後5年間の消費者政策の基本方針となるもので、偽造キャッシュカード対策や自動車などのリコール制度の強化・拡充など重点的に行う121の具体的施策を明記。それぞれ実施時期を明示し、政府として監視と評価、検証を毎年行う方針だ。将来的な項目についても実施時期と責任省庁を示したのが特徴。
地球温暖化防止に向けた国民運動の一環として、政府が6月から開始するノー上着、ノーネクタイ運動の中で取り組む。クールファッションのファッションショーは6月5日の環境の日に愛知万博で実施する。クールファッションはかつての“省エネルック”のイメージを超え、ファッショナブルでクールの両方を目指している。
経済産業省は、05年不公正貿易報告書の中で、主要な貿易相手国に対して不公正な貿易政策として改善を求める優先項目13件を発表した。繊維関連では、中国及びアジア各国共通として模倣品・海賊版の横行を挙げている。
公正取引委員会は、繊維業界の一部で「歩引き、積引きなどの名目で下請け代金の減額に該当するおそれのある行為」があるとし、繊維関連業界25団体に「繊維製品の取引の適正化」を強く求める文書を送付した。今後も定期的な調査を実施し、下請代金支払遅延等防止法や独占禁止法に違反する行為には、厳正な措置を探る方針。
財務省が発表した04年度の貿易統計によると、日本と中国本土との貿易総額は6年連続で過去最高を更新。貿易総額の相手国別内訳では中国が20.3%と米国の18.4%を初めて逆転。中国からの衣類・同付属品の輸入は1兆8,944億(4.7%増)。
総務省が発表した家計調査報告によると、勤労者の04年度の1世帯当たり平均消費支出は前年度比で実質0.8%増の33万929円となった。「被服及び履物」は4.5%減だった。うち、和服32.1%減。紳士服7.8%減、婦人服5.4%減、子供服3.9%減で、洋服合計でも6%減、シャツセーター類も2.3%減だった。実収入は実質0.6%増。
経済産業省が発表した04年度の大型店販売額は、百貨店が既存店ベースで前年度比3.2%減、スーパーは4.5%減となった。百貨店は8年連続の減少、スーパーも13年連続の減少。百貨店の衣料品は4.8%減、スーパーの衣料品も6.9%減だった。
百貨店では婦人・子供服・洋品が6.2%減、紳士服・洋品5.9%減、身の回り品0.4%減。スーパーでは婦人・子供服・洋品が6.3%減、紳士服・洋品7.6%減、身の回り品5.2%減。織物・衣服・身の回り品小売業も1.3%減少し、小売業の総販売額は0.6%減となった。
経済産業省は高い技術力がある繊維メーカーを支援するため、繊維メーカーとデザイナー、販売会社の連携支援に乗り出す。優れた素材でデザイナーが洋服をつくり、アパレル業者が世界に売り出すことを狙って、まず6月上旬に経産省主導で三者を引き合わせる展示会を開く。安価な中国製品が流通し、多くの中小メーカーが苦境に陥っているが、布の織り方や品質で有力な企業も多い。一方で若いデザイナーはこのような素材を使う機会が少ない。このため「クリエーション・ビジネス・フォーラム」と呼ぶ展示会を立ち上げ、布の質やデザインに独自性のある商品を売り出そうというもの。
繊維関連のISO規格のうち、次の規格が見直しのため、回付された。Textiles-Tests for colour fastness-2005-07-10 Part E05:Colour fastness to spotting:Acid(酸滴下による染色堅ろう度)。次の規格の05年版が交付された。Fiber ropes-Determination of certain physical and mechanical properties ISO2307:2005(繊維ロープ−物理的および機械的特性の測定)この規格には線密度、置き寸法、リード、伸び、破損強度の試験方法が定められている。
この規格は、織物及び編物のスナッグ試験方法について規定したものであり、主な改正点は、次のとおりである。この試験に使用するICI形メース試験機に関する規定を以下のとおり明確にした。1.メース質量を「約130g」から「(くぎを含む)160g」に改めた。2.シリンダ上部から誘導ロッド中心までの寸法を60oと明確にした。
この規格は、繊維製品の縫目強さの試験方法について規定したものであり、主な改正点は、次のとおりである。試験片の大きさ、試験片のつかみ間隔、試験片の引っ張り強度について、ISOとの整合を図った。
この規格は、繊維製品の洗濯、ドライクリーニング、浸せき、乾燥、仕上げ処理などによる寸法変化の測定方法について規定したものであり、主な改正点は、次のとおりである。試験片の準備については、ISO 3759に整合されるため標準状態になるまで放置した後、測定点の印を付けることから、順序を逆にして、測定点の印をつけた後、標準状態になるまで放置し、二つ印間の距離を測定することとした。
経済産業省の審議会、日本工業標準調査会は、05年度工業標準化業務計画を決めた。繊維関連で制定するテーマは「繊維製品の防汚性試験方法」と「繊維製品の消臭性試験方法−官能試験法」。国際標準を提案するテーマは「TC38(繊維)/WG23(繊維製品の抗菌性試験)」と「TC(同)/SCI(染色堅ろう度試験)/WG3(大気汚染物)」。JIS原案を作成するテーマは「繊維製品の抗菌性試験方法・抗菌効果」。
この規格は、染色堅ろう度試験に用いる添付白布について規定したものであり、主な改正点は、次のとおりである。ISO規格との整合化を図るため、ISO規格で規定している試験用白布を取り入れた。
クラボウはカシミヤの延伸技術を確立し、今秋冬から展開を本格化する。今まで羊毛の延伸技術はあったが、カシミヤでの延伸技術は世界でもクラボウのみという。カシミヤ100%の場合、紡績では通常48単糸の生産までが限界といわれるが、延伸することで72〜82単糸まで生産できる。津工場では5年前から羊毛原料を主体に、化学的作用と物理的作用を組み合わせて繊維そのものを延伸し、元原料よりも細くする技術の研究を進めていた。さらに、羊毛だけでなく、獣毛のモヘア、アルパカにも応用し、一定の技術は確立していたが、今回はカシミヤでも加工ができる段階まで技術が向上したことによるもの。
超長綿と呼ばれる長繊維の綿花の価格が上昇している。エジプト産などの輸入価格は昨年末に比べて22%高くなっている。綿花価格全体の上昇に加え、付加価値の高い衣料の需要が国内で拡大していることが相場を押し上げている。産地がエジプトの他、米カリフォルニア州などに限られることもあって、価格は通常の綿花に比べて6〜7割高い。しかし国内の衣料各社は肌着やポロシャツなどへの利用量を増やし、違いを打ち出そうとしている。
デニム人気を背景に、帝人ファイバーと東レでは、合成繊維と綿を複合した「合繊デニム」を開発し、機能性と風合いを持った素材として好調な売れ行き。合繊他社も開発を進めている。帝人ファイバーは、ポリエステル長繊維「バルコッティ」、「カルキュロ」(不定形断面)。膨らみがあり綿の風合いを損なわない。東レは美脚パンツで人気の防透けポリエステル短繊維「ボディシェルキュート」、資材などに使われる断熱素材PPS(ポリフェニレンサルファイド)繊維「ハウ」の混紡糸をデニム用途へ展開。クラレは多孔中空ポリエステル「エアーミント」、東洋紡はY字断面「トライアクター」で実績をもつ。
新内外綿は「カミドーリー」という植物から採れるセルロース繊維を来春夏向けから販売する。巨大なエンドウ豆に似た、さやに包まれた種子毛を利用。原綿は、カポックに似て中空状で、非常に軽く、保温性に優れ、シルクのようなタッチと光沢感を持つ。強さが綿の10分の1と低いため、スーピマ綿と混紡する。セーター用横編み中心に、糸と生地売りを行う。糸値は2,400/kg。カミドーリーはインドネシア名で、学名はカロトロピス・ギガンティアという潅木(かんぼく)。インドから東南アジアにかけて自生しており、高さは2〜3mに達する。わたは年に一度、乾季の4月頃に収穫される。
澤村は、酸化チタンの練り込み型光触媒ポリエステル短繊維「フォトカ・SS」を開発。光触媒繊維は、後加工が最も多く、練り込み型ではポリエステル長繊維やレーヨンがあるが、ポリエステル短繊維では業界で初めてとしている。光触媒作用で汗や皮脂、カビを分解し、消臭・抗菌、防汚・防カビなどの効果がある。効果は、複合する素材や生地の厚みによって異なるが、混率35%ほどで現われ、練り込みのため半永久的であり、洗濯耐久性に優れる。澤村は薬剤メーカーと合繊メーカーの協力でわたを作り、綿、ポリエステル、ウール・獣毛の紡績メーカー3社で糸を開発した。販売価格は未定。
山崎ビロード工業(福井県)は、100番双糸の綿をグラウンドにウールや麻、絹、綿をパイルにしたベルベットを開発。天然繊維ベルベットシリーズとして、今年秋冬から来春夏向けに販売を開始する。ウールベルベットは、これまで織布段階で毛羽立ちが激しく、商品化が難しかった。今回、尾州の小池織物と共同で190番という細番の糸を使い、毛羽立ちの少ない専用の特殊な糸を開発して完成させた。麻では100番クラスの細番ラミーを使って開発中。絹では細番の絹紡糸を使用している。天然繊維それぞれの特性を生かしてソフトで軽く、光沢感、高級感を持ち、適度に張りや落ち感などが表現されている。
森林資源の保全等を目的とした国際的な「バナナ・グリーンゴールド・プロジェクト」があり、バナナの栽培後に廃棄される茎部を原料として、紙や織物に再利用する技術開発が進められている。東京都立産業技術研究所は、バナナの糸・織物作りを担当し、芭蕉布製造法では多摩美術大学や沖縄県竹富民芸館と、紡績機器法では特殊な開繊カード機で池上機械と共同開発。バナナ廃材から紡績糸や織物の製造が可能になった。今後、製造機器の実用化と技術のマニュアル化を行い、途上国に無償で公開して、国際貢献に役立てる予定。
より軽く、より自然に─繊研新聞社のアンケート調査結果によると、06年春夏のテキスタイル・キーワードは「ナチュラル」が1位になった。01〜02年秋冬から首位を維持していた「上質・高級感」と入れ替わり、前回まで全く挙がっていなかったキーワードが浮上した。軽さや柔らかさなどと合わせて、やすらぎや心地よさへの欲求の強さがうかがえる。その他のキーワードとして、光沢、透明感、手仕事風、薄地、麻、その他後加工がある。同調査は年に2回、大手素材メーカーやテキスタイル産地企業、服地コンバーターなどの協力で実施しているもの。
日本型インパナトーレが活動を始めている。インパナトーレは、イタリアで発達した織物産地で活躍するコーディネーターのこと。生産設備を持たないが、企画機能を持ち、テキスタイルとアパレルとの橋渡し役。糸から染めや織り、工程ごとに最適メーカーを選びコーディネートする。今年度から修士課程にファッションデザイン科を設置した金沢美術工芸大の川本敦久教授は、インパナトーレに関し「提案型の産地に転換しようという大きな流れの中で、ファッションセンスを持ち、総括的に物作りから市場までの視点を持つ人材が求められている」と語っている。
イタリアのコモで開かれてきた高級婦人服素材展「イデア・コモ」は、9月展から「モーダ・イン」、「イデア・ビエラ」、「シャツ・アベニュー」の三つの素材見本市と統合し、会場をミラノに移す。会期は9月13〜16日であり、集客など統合展の相乗効果が期待されている。イデア・コモは統合展とは別に3月末と10月下旬、見本市とは異なる形式で、ワークショップかコンベンションを開き、コモの創造性をアピールする。
先染め織物のショーワ(岡山県)は、06年春夏に向けて麻やオーガニックコットンを使ったデニムを拡充する。たては綿のムラ糸、よこは麻100%糸を使った綿麻複合デニムや、インディゴのロープ染色を施した麻100%デニム、夏と冬の素材のミックスが新しい麻とウールの複合デニムを開発。特に麻100%のインディゴ・ロープ染色は他社にはないもの。高級麻で知られるハードマンのアイリッシュリネンを使用する。オーガニックコットンのデニムでは、アバンティのわたを使ったムラ糸ツイルを原料に合わせて柿渋や墨で自然な色に染めたものや、大正紡績のオーガニック・スーピマのインディゴ染めデニムを開発。
ウール100%素材を後染めによってミックス調やデニム調など異なった素材感に変えるのが、艶金興業の染色整理加工「ミレニアムU」。伝統的な染色整理の技法に、最新機器による加工を融合した、後染めの進化版である。各工程で加工法を抜本的に変更し、表面感や質感、触感などをさらに改良した。後染めだが、先染めのような色のミックス感に加え、上品なカジュアル感も表現する。各工程で新たな技法を取り入れたので、工程数は通常に比べ1.5倍多くなる。しかし効率化を進め加工時間や加工量は通常タイプとほぼ同じにした。その開発ストーリーが紹介されている。
ナノテクノロジー加工を利用したアパレル製品や素材が続々と商品化されている。今春から秋冬物にかけて「汚れ防止」「形態安定」「スキンケア」などをキーワードに、ナノテク衣料が広がり始めた昨年以上に多彩な機能の商品が出回る見通し。ユニチカテキスタイルは「200回洗濯しても汚れをはじきます」という独自の撥水撥油素材を提案。「肌に着けるスキンケア用衣料品」も普及し始めた。また今春物では花粉症対策製品が目立ったのも特色。樫山の「五大陸」の春夏物に、東洋紡テクノウールが開発した花粉やほこりの付着を防ぐ素材を採用。帝人ファイバーが今秋冬向けにポリエステル長繊維で繊維表面に微小凸凹を付けるなどして極細タッチと深い色を実現している。
洗い加工はデニムを中心に、もはや常識になっている。これまでは製品洗いが主流だったが、生地段階の洗い加工が増加。06年春夏のテキスタイルはピカピカの新品に見せずに、自然な雰囲気が漂うことが前提になっている。そのためには、糸や織りの工夫だけでなく、洗いなどの後加工をいくつも組み合わせる。世界でも生地の加工・技術が進んでいる日本では、時間の経過とともに7色が浮き上がってくるデニムも現われた。インディゴ染めジーンズなら、うっすらと白っぽくなるのが当たり前。しかし、染料の組合せと洗い加工により、ブラックやカーキの下から鮮やかな色が見え隠れするもの。
東海染工は06年向けに可視光応答型光触媒加工「キャットライト」と、ナノテクノロジーをつかった撥水撥油加工「ナノJ」を開発。キャットライトは、豊田中央研究所が開発した可視光線でも機能する光触媒「V-CAT」を同研究所と共同開発してセルロース繊維に加工したもの。すでに小松精練が合成繊維、艶金興業がウールでV-CATを使った加工を確立。光触媒によって、汗の臭いや皮脂を分解されるため、抗菌・消臭機能を発揮する。ナノJは、昨年から手掛けている米国ナノテックス社「ナノテックス」加工に対し、コスト重視の顧客に対応するために開発した、同社オリジナルのナノテク撥水撥油加工。
チバ・スペシャルティ・ケミカルズは、あらゆる洗濯温度で高い堅ろう度を持つポリエステル用分散染料「チバ・テラシール・WW」の日本での販売を本格化した。スポーツや作業着など洗濯回数の多い衣料品で、鮮やかな色を長く保てる。染色可能な素材は、レギュラー糸からマイクロファイバー、ポリウレタン混、綿混、撥水、防水、UV(紫外線)カット、防炎など機能加工を施した素材でも高い堅ろう度を保持できる。開発にあたり、日欧米の政府・企業の評価方法・基準を調べ、すべての条件をクリアできるようにした。
カネボウ繊維では、健康に配慮した3素材の販売を本格化する。「ノンコメドドライ」は生地の表面にナノサイズの隙間を持つ多層構造を作り、ニキビの原因となる汗や皮脂を吸収する。「サーマルアシスト」はパラフィンを含有したマイクロカプセルを繊維に付着させ衣服内の温度を調節できるようにした。UVカット、形態安定加工との組み合わせもできる。黄ばみ防止素材の「ステイホワイト」は改質剤で親水性を高め、黄ばみの原因となるオレイン酸を落ちやすくした。綿の風合いや吸湿性はそのままで、しょうゆ、油汚れも落ちやすくなった。3素材とも、洗濯30回程度まで機能を維持できるという。
富士紡績は、発汗による不快感、雨や泥による汚れなどを解消する清潔機能加工シリーズを「清潔着族」に統一して展開する。これまでの汗染み防止加工「ディスノーティス」と吸汗発散機能加工「ツインセット」に、テフコ社の吸湿性を損なわず撥水撥油効果を持つ加工「フィットウイット」、インビスタ社の親水性もある分子レベルの撥水撥油加工「アドバンステフロン」を新たに加え、四つの加工品で新用途を開拓する。このうち、フィットウイットは、生地の表面に極薄の撥水撥油加工を施し汚れがつきにくくする一方、裏側は素材の吸湿性を損なわず汗を吸う機能を維持する加工。価格は1〜2割高くなる。
花粉症対策繊維「カウンターペイン」(シキボウ)、花粉対策加工「クリアガード」(東邦テキスタイル)、日清紡「フレッシュバリア」、花粉対策加工「花粉キャッチ加工」(大阪染工)、花粉・ダニアレルゲン不活性素材「アレルバスター」(小松精練)、花粉ガード加工「ポルテクト」(サカイオーベックス)、花粉付着防止加工「カンフトール」(東海染工)、花粉・ダニアレルゲン沈静化加工剤「パラファインDP-Z」「パラファインANA-2」(大原パラヂウム化学)、花粉リリース加工剤「クインセッターPOL」花粉キャチャー「クインセッターPLC」(コタニ化学工業)について解説されている。
倉敷ファッションセンターは、加齢に伴う体形変化や肥満に合った衣服作りに対応できるよう、標準体形向けに「10代後半」「20〜30代前半」「40代」の3種と、肥満体型向け「20代」のボディを開発、発売した。これらはアパレル企業やレディスユニフォームが注目、販売されており、評価が高まっている。
オンワードの20代向け婦人服が好調。開発コンセプトは「モテ服」。「モテ服とは女性が男性にも女性にもモテるための服のこと。」派手だけど目立ちすぎず、デートや合コンで着た時に可愛らしく、清楚なイメージを与える。モテたいというのは今の女性の大きな購買動機になっていて、これは天候不順とは関係がない。
服地コンバーターのスカート企画が広がっている。数年前から各社が積極的に提案をしているが、店頭での消化率が高いことから、毎シーズン、扱うアパレルメーカーが増加。動きが鈍いといわれる今春夏市場でも健闘している。このスカート企画は、スカートの着分の長さを想定してウェスト部分にストレッチ糸を織り込みシャーリング状に絞り、身頃部分はパネル調のジャカードで柄を演出している。スカート丈に合わせて裁断するので、縫製は横両側を縫うだけで製品が完成する。いわば半製品的な提案で、縫製が簡単なだけでなく、大柄のジャカードによる高級感などが支持されている。
スポーツ用品メーカーが若者向けに街でも着られるスポーツウエアを相次ぎ発売している。アシックスは伝統的な染めの技法を使ったり、虎、竹などの刺繍を着物の花紋のようにちりばめたウインドブレーカーやTシャツを売り出した。ミズノはファッション性を重視し、スエットシャツやTシャツに体の線を美しく見せるラインを採用するとともに、吸汗速乾の効果が高い素材を採用して機能性も売り物にしている。デサントはジャージーの上着と合わせられるデニムのスカートなどを展開している。このような「スポーツカジュアル」と呼ばれる分野が成長を牽引している。
欧米を軸にしたインポート卸各社で、取引条件に応じて価格設定を見直す動きが出ている。ブランド物のインポート卸は従来、卸側が在庫リスクを負担する委託取引を中心に、FOB(本船渡し価格)の4倍以上を小売価格の目安とするのが通常だったが、ブランドによっては約3倍に抑制し、内外価格差を圧縮。小売り側が在庫リスクを持つ完全買取を基本に、価格競争力を高め、新規販路の開拓にも取り組み始めた。価格の割高感を解消し、消化率重視の姿勢を打ち出している。
米国の大手アパレル・グッズ(靴、アクセサリー)35社の04年度決算(一部を除き04年12月期と05年1月期)は、合計で売上高が前期比10.8%増、純利益は2.1倍となった。粗利益率は38.6%で1.8ポイント上昇して、本業の収益力を改善した。04年は6月から減速した小売業の影響で後半、秋物と歳末商品が苦戦したが、リストラによる企業努力で利益率が大きく回復、リーバイスを始め5社が赤字から黒字に転じた。
“シーズン”の概念が崩れている。消費者の買い方が大きく変化、「寒いからウール」などという志向は薄れ、ノースリーブは年間を通じて売れる定番商品となった。四季に沿った従来のシーズンMDでは通用しなくなっている。こうした中、大手アパレル企業は従来の業界常識と消費者ニーズのズレを解消するため、婦人服を中心に、MD改革に取り組み始めた。
世界のカシミヤ原料・製品製造業者による「国際カシミヤ協会」が来年早々に発足する見通しだ。中国・北京で開かれた、第一回中国国際カシミヤフォーラムの中で、オルドスカシミヤ集団公司の王林祥総裁が「国際カシミヤ交流協会の成立」を提案し、中国企業12社とイタリア、英国、日本のカシミヤメーカーなど19社が協会設立の趣意書に賛同した。来春をメドに正式発足する計画だ。
総合大手アパレルの04年度業績は、堅調だった紳士服に対し婦人服は低調な推移。紳士服は需要喚起策も手伝って業績は底打ち。婦人服は百貨店ミセスの不振が続き伸び悩んだ。婦人服については、主力の百貨店ミセスの大きな回復は望めないとし、今年度も既存ベースでの売り上げ伸長には厳しい見通しだ。
米国と違い最大のICタグ需要が考えられる流通業で、日本での導入には2つの壁があるという。1つはどこがコスト負担するかである。商品にRFIDを付ける作業やそのものを供給側かメーカーか負担先が決まっていない。もうひとつはプライバシー問題で、RFIDの持つ無線発信機能を使うことで、店内や店外を商品の動きを追跡でき、個人のプライバシー侵害の可能性が出てくる。これらの動向を流通業、IT企業が見守っている。
先端情報工学研究所はアパレル企業の物流効率化や店舗MD支援を柱に、物流倉庫運営やウェブ通販ビジネス支援などICタグ活用の分野を着実に拡大している。同社を中心にICタグの普及や利用環境整備に取り組む「アリスト・RFID・アライアンス・イニシアチブ」のメンバー企業も56社に増えた。
日本百貨店協会が発表した02月の百貨店売上高は前年同月比で7%減となった。日曜日と営業日数の1日減が主因だが、季節衣料の落ち込みが大きく響いた。衣料は同12%減で、98年3月以来の低水準、中旬以降寒さが戻り、春物の出足が鈍ったため。
売り筋を迅速に生産するアパレル業界で導入が進んでいるQRに基づいたMDでは、消費者の心をつかめないと、商品へのこだわりと自負を取り戻そうと、各社が服づくりの原点に立ち返り始めたとしている。ここでは大手の三陽商会、樫山の対応を紹介している。
成長を続けるインターネットオークション(競売)が、偽造品に“汚染”されている。人気ブランドの特定商品の出品数では、偽造品が真正品を上回るという異常事態。膨大な出品数、匿名性を帯びる業者といったネット特有の壁の前に現状では網をかけるのは難しい。
コンビニエンスストアのサークルKサンクスは、ベネトンジャパンとのライセンス契約に基づき4月7日から「ベネトン」ブランドの雑貨を「サークルK」「サンクス」の全国約6,300店舗で発売する。これまでのライセンス事業は女性向けが中心だったが、若い男性や子供など顧客対象を広げる。提携期間は1年。化粧品、タオル、サングラス、パンティーストッキングなど49品目で、コンビニでニーズの高いアイテムを揃える。ベネトンジャパンは既に、一部ライセンス製品をコンビニで販売しているが、コンビニチェーンとライセンス提携するのはこれが初めてで、業界でも異例。
米小売大型店50社の04年度決算は合計で、前期比で売上高8%増、純利益19%と増収増益、営業利益率も8%と1%ポイント上昇して本業の収益力を高めた。一部専門店が高い伸びをみせる一方、大型合併を通じ、寡占化も進んでいる。
30代前半のいわゆる「団塊ジュニア」はその数の多さとともに、消費行動が積極的といわれる。中でも仕事を持ち可処分所得も多い独身女性の消費意欲が高い。こうした層に向け、インテリアやアパレルの企業が相次ぎ、高級店舗を開業している。ただ、団塊ジュニアは他の世代より流行に流れやすい傾向にあるが飽きやすいともいわれ、各社の試みが成功するか予断を許さない。
店頭のカジュアルウエアが、オレンジやピンクなど新鮮なカラーを訴求している折、スーツを機軸とするメンズファッション業界のオンビジネス提案も、シルエットと機能性をとらえたアイテムを再開発し、ものと着こなしスタイルの両面で上質化する傾向が強い。ロープライス商品が一巡し、既に消費者は目新しいものを求めていたが、オンビジネス市場でようやく積極的な攻めのMDが始まった。
ここ数年ファッション系のB2C物販サイトは増殖を続け、採算ラインに乗ってきた。品揃えで顧客を増やしており、動向を探っている。
繊維産業流通構造改革推進協議会は中小企業基盤整備機構からの04年度委託事業、「小売情報に関するテキスタイル−アパレル間の情報共有事業」の実証実験報告書をまとめた。L-ACT(レディス・アパレル・コンバーター・テキスタイル)プロジェクトのアクションプランに添って、尾州産地などで行ったもの。計画の段階から事前打ち合わせが共有情報の活用に不可欠とした。
勝ち組と言われたイオンとイトーヨーカ堂の05年2月期連結決算は、ともに増収形経常増益だが、単体の業績は大幅減益となった。衣料の不振が要因で、てこ入れで売り場に人と物の投入など組織、MDを見直す方針となった。
ジェトロが米国の大手アパレル・小売企業を対象に調査した「繊維輸入割当の影響と展望」をまとめた。これら企業は輸入規制の動きに対して楽観的であり、制裁措置が実施されても中国からの買い付けが増えると予想している。
トレンドに追われるのではなく、自分の生き方と向き合い、気を張らずにスローな気分で服を楽しみたい。そんな消費者の要望に応えたナチュラルテーストのブランドやショップが広がっている。メーカーの多くは卸売りからスタートし、地方専門店がキッチン什器などを使ったショップを作り、20代〜40代の幅広い客を集客してきた。ナチュラルテーストのアイテムの幅や領域も広がり、新しくできる商業施設に次々と新ショップが誕生している。
80年代に登場し米小売業界を席けんしたカテゴリーキラーと呼ばれる大型専門店が軒並み苦戦している。限られた商品分野で安値を打ち出す商法が、ウォルマート・ストアーズの幅広い品ぞろえに太刀打ちできなくなっているからだ。ウォルマートの大量出店のおりで、廃業や大規模リストラに追い込まれる例も目立つ。
中国商務部による04年度チェーン小売業売上高は上位30社で前期比33%増、前年度の29%増を上回った。外資企業で上位33社も同様な大幅な伸びを示している。小売市場の特徴は@引き続き景気は高揚A年収百万元以上の高所得者が10%を占めBチェーン小売業の積極的な出店C外資の流通自由化に向け新日外資が活発に、となっている。
「アクセシブル・ラグジュアリー(手の届く高級)」。値ごろな価格からこう呼ばれている海外ブランドがいま、注目だ。目安はバッグで7万円を切る水準。先行する米「コーチ」に対し、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンが中国製の商品を武器に参入し、戦いは一気に過熱しそうな勢い。狙うのは無理せずに高級を楽しむ20〜30代女性の“プチセレブ”市場だ。
グラマラス、セレブをキーワードにショップ集積した売り場が、全国のファッションビルに広がっている。エレガンス系ブランドの盛り上がりが一段落し、代わってセレブカジュアルが若い女性のトレンドをリードしているからだ。昨年は話題の中心が関西の新ブランドや新業態、大手アパレルの新ブランドなどだったが、ここへ来て、主役が渋谷109に旗艦店を持つ“まるきゅう系”になったことも見逃せない。
上場小売業の04年度ランキング調査で、コンビニが業界全体の29%に達し、拡大している。百貨店もリストラ効果で前期比7%の営業増益を確保、退潮に歯止めをかけたが、スーパーは深刻な不振だった。
花粉対策に最適な加工剤「プライムガード4」を日華化学が発売した。この商品を衣服にスプレーすることで、繊維表面に膜を作り、花粉、塵埃やダニの死骸等の付着を防止。外出着に加工しておけば、払うだけでダストを落とせるので、衣服による室内へのハウスダストの持ちこみを防げる。効能は次回の洗浄まで持続するが、水系なので雨に濡れると効果が低下する。風合いは、指定量を守れば変化が起こらない。
全ク連青年部・中青会では、「ガス対策注意ポスター」を作成、アピールしている。身の回りで酸性ガス(亜硫酸ガスと酸化窒素ガス)が発生していることに、一般の消費者はほとんど気がついていない。しかし酸化窒素ガスが原因となる衣料事故は意外に多く、CL綜研によると顧客責任事故では色変化の第3位である。酸化窒素ガスは、燃料の高温燃焼により発生するもので、家庭内に発生源が多い。例えば石油ストーブ、ガスコンロ、ガス湯沸し器など。空気のたまりやすい場所やクローゼットに衣類を放置すると、染料がガスによって分解される。またポリ袋の酸化防止剤が酸化窒素ガスと反応して、黄変が起こることもある。
ダイヤモンドクリーニング研究会の田中重基会長が3月末に訪米し、次の報告を行った。米国ではパークが主流で、これよりきれいに洗えるものはないと思い込んでいる。しかし最近はパークに対する政府の規制が非常に厳しく、税金も高騰した。お客や周辺住民も、パークは環境に悪いという印象を持ち始めた。もともと石油系はほとんどない。これらの背景に対処するため、アクアソロという水洗機を韓国の機械メーカーが開発した。ドライに向く衣類を軟水で洗い、機械力と洗剤を併用することによって、ドライよりきれいに仕上がる。ニュージャージー州の機材商社:EMCが開発・販売を行う。
全ク連中央青年部が、平成16年4月に、消費者のクリーニング業に対する意識を把握するために実施した。「クリーニングトラブルが起こったときに、あなたは“どこ”に相談しますか」という問に対しては、「出したクリーニング店」が80%で圧倒的に多く、適切かつ迅速な対応が求められている。ほかには消費者センター7%、他のクリーニング店4%、購入店4%であった。次に問「品物の受け渡しのとき、どのようなアドバイスや相談を望みますか」については、シミ41%、料金34%、取り扱い28%、クリーニング方法27%、納期26%、保管26%となり、ごく基礎的な理解が不充分であることを知った。
最近の商品開発には、健康、人に優しい等のソフト機能が多い。これら機能に対しては、薬事法には明確な基準があるが、景表法では判断基準がはっきりしない。しかも景表法は平成15年11月に改正され、「表示の裏付けとなる合理的根拠を示す資料」の提出を求めた。機能評価のうち、試験評価ならば可能であるが、効果の確認は多数の使用結果が必要であり、これは一企業レベルでは困難である。したがって景表法改正に対し、小売業はPL法制定以上の危機感を持った。筆者は機能を6種類に分類し、それぞれについて評価の判断基準を示した。
京都府生活科学センターは、04年4月から10月までに受けた苦情相談に伴うテスト実施結果をまとめた。<苦情>①クリーニングで模様の一部が白化した。②ダウンジャケットが、クリーニング工場から変色しているのでクリーニングできないと言われた。クリーニングが原因では?③クリーニングで中綿入りジャンパーに穴があいた。④黒いズボンを家で洗濯したら表面に白いものが付着した。<テスト結果>①プリントされている部分の生地表面が摩擦のため脱落し、内部の白い部分が現れたと推定。②保管中にガス・光・湿気などの複合的な影響を受けたことが原因と推定。③何かが付着して穴があいたらしいが付着した時期や付着物特定は不能。④白化した場所と生地の表面の状態から着用時のすり切れが洗濯により顕在化したものと推定。
○外壁を塗装後、塗料を拭き取ったウエスをそのままゴミ袋に入れ置いていたら発火。○塗料を拭き取ったタオルを袋に入れ、それを段ボール箱に入れて台所に置いたら24時間後に出火し台所を焼損。独立行政法人製品評価技術基盤機構によると、ヒマワリ油を主成分とした木用塗料を拭き取ったウエスからの火災事故が発生しているという。塗料の成分は危険なものではない。事故は、ウエスや布に塗料が染み込んだ状態で空気に接触した際に発する酸化熱によりゴミ袋等の中で自然発火したもの。未然・再発防止は焼却又は十分水に浸して廃棄するよう注意を呼びかけている。
デフレの象徴的存在だった衣料品の最近の価格動向を消費者物価統計で分析した結果、全体では価格低下に歯止めがかかったものの、スカートやブラウスなど女性向け品目を中心に高価格帯の購入にシフトする一方、さらに低価格志向を強める選択消費の傾向を鮮明にしている。
大阪府消費生活センターのテスト室で、最近テストを行った事例をセンター発行の「美しい暮し」No.160に掲載。スラックス:4年前オーダーにて作ったスラックス。膝裏の生地の破れ。硬く折れやすいモヘヤが横糸使用されており、繰り返しの着用とアイロンが原因。ワンピース:黒のワンピース(アセテートとレーヨン)をクリーニング後、袋のままタンスに保管。肩や袖、裾など赤く変色。酸化窒素ガスが原因。クリーニング店の袋は通気性が悪いので、長期保管の場合、袋を外し、保管中も時々タンスから出して虫干しするようにしよう。
化学製品PLセンターに、シンクのヌメリ取り剤の使用によるステンレス製の流し台シンクと三角コーナーがサビてしまったという相談が寄せられた。家庭用排水口洗浄剤には塩素系と非塩素系がある。塩素系製品の多くは主成分としてジクロロイソシアヌル酸またはトリクロロイソシアヌル酸が使用されている。これらは水に溶けると漂白・殺菌作用のある次亜塩素酸に変化し微量の塩素ガスが発生する。次亜塩素酸や塩素には金属やゴムを腐食させる性質がある。排水口のゴミ受けカゴに取り付けるタイプの場合、塩素ガスが停滞してステンレスをサビさせる可能性があると説明。任意団体の家庭用排水口洗浄剤協議会では自主基準を設け、注意表示もしている。購入時は表示に注意を喚起。
千葉県消費者センターは、26銘柄の肌着について03年4月〜04年3月までの期間、表示の状況や生地の吸水性、乾燥性、洗濯による寸法の変化について、テストした。バイレック法による吸水速度のテストの結果、銘柄によって大きな違いが見られた。その要因は、素材の違いのほかに、編み方、繊維のより方、樹脂加工の有無などが複合的にかかわり合っているものと考えられる。吸水量は綿100%の方が化学繊維を含むものより大きい。しかし、乾燥時間は化学繊維混紡品のほうが綿100%より短い。吸水性を重視するなら綿素材のものを、乾燥性を重視するなら化学繊維を多く使用した製品を選ぶとよい。また、収縮を防ぐには縦横に形を整えて干すとよい。
岩手県立県民生活センターは、洗濯用合成洗剤17銘柄と洗濯用せっけん3銘柄、合計20銘柄の粉末洗濯用洗剤をテストした。調査項目は、界面活性剤以外の主な成分表示について、また、洗剤1回当たりの価格、1回の使用量、汚れ落ち(油性汚れ・水性汚れ・汚染布)や色落ちについて等である。使用量は洗濯物の量や汚れの度合いによって調節する必要がある。合成洗剤は入れすぎると泡が消えにくくなる。漂白剤入りの場合、衣料品の使用染料によっては色落ちが予想されるので、試し洗いをした方が無難である。
消費の新しいキーワードとして「LOHAS(ロハス)」が急浮上している。「おしゃれで楽しい生活」を前提に、健康的で環境に配慮した商品やサービスを運ぶライフスタイルを指す。どこか理屈っぽいイメージの「エコ」とは違い、「ロハス」はあくまで自分のため。関連ビジネスは衣食住をはじめ、あらゆる分野に広がってきた。
都立産業技術研究所に寄せられた変色事故のうち、糸に起因するもの、編織に起因するもの、縫製に起因するもの、染色・仕上げに起因するものなど製造工程に関わる事例の概説。これら変色事故の対策としては、原因を解析して技術情報を企画・製造などの工程にフィードバックすることが大切であり、その結果、事故防止と品質向上に資することができる。しかし、最近では製品の輸入が圧倒的で、製造部門の多くを海外に依存しているため、技術情報のフィードバックをどのように進めるかが新たな課題となっている。当研究所では各種顕微鏡による繊維製品のクレーム解析の依頼試験や技術相談を受け付けている。また、クレーム解析試験方法並びにクレーム事例に関するホームページを設けている。
東京繊維製品総合研究所は、このほど「プレスあたり標準判定写真」を作成した。「プレスあたり」とは、縫製品がプレスやアイロン処理で目つぶれし、光沢や色相が変化することをいう。この標準写真は、1級〜5級までが1セットで、製品をハンガーなどに掛けて、できるだけ着用に近い状態にし、判定しようとする部位に標準写真を近づけて評価する。1セットで5千円。
横浜商品取引所が4月に国際生糸の上場を休止する。海外からの投資を呼び込もうと02年12月、日本の商品取引所で初の外貨(ドル)建て商品先物を始めたが、売買が低迷したのが原因。
繊維ファッション業界の知的財産政策に関する課題を探っている。不正商品押収ではここ5年間で5倍になり、その8割が偽ブランド品であり、防御としては商標登録が有効としている。
帝人ではPETを高分子レベル(モノマー)まで分解し、他素材や加工剤・染料はそのままの形で除去する技術を開発した。繊維製品については容器包装リサイクル法のような法制度がないので、独自の「エコサークル」を組織した。この組織は、アパレルや流通をメンバーとし、共同で易リサイクル商品を開発・回収し、帝人の技術を利用して繊維に再生する。帝人は04年4月には、PET原料に再生する工場を設置し、すでにユニフォーム、学生服、スポーツウエア等のリサイクルが実現しており、さらに紳士服、婦人服にも拡大して循環型社会の形成を目指している。
皮革技術センターでは都内でピッグスキンを製造している業者に展示スペースを開放し各社の特色あるピッグスキンの展示を行っている。また、東京都では毎冬、ピッグスキンの魅力を多くの方に知ってもらうためにピギーズスペシャルファッションショーを行っている。次回開催は05年12月7〜9日。皮革一般について:都立皮革技術センター TEL 03-3616-1671 ピギーズスペシャルについて:産業労働局商工部経営革新課 TEL 03-5320-4785
衣服は「人間のからだに最も近い文化」と位置づける財団法人「森英恵ファッション文化財団設立」が設立された。ギャラリーではコレクションを展示、才能ある若手がグローバルに活躍できるようサポートする。
9月25日まで開催されている愛知万博は「自然と叡知」をメーンテーマに環境対応、ロボット、デザインの3分野で21世紀型社会モデルの発見をめざしているが、それぞれに繊維ファッション産業との関わり合いを紹介している。
EUの欧州委員会は中国からの繊維製品の流入に対応するためセーフガード発動の検討に入った。EUに繊維製品を輸出してきたモロッコやチュニジア、トルコなどが大きな打撃を受けるおそれがある。中国の繊維製品には米国もセーフガードの発動を検討しており、欧米と中国の新たな通商摩擦に発展しつつある。ただ欧州委は「セーフガード発動には統計データがまだ不十分」との見解を示しており、中国政府に対しても自主的な輸出規制を求める方針である。
取引している工場で不当な低賃金や劣悪な環境で働かされる労働者や子供たちがいたら、企業やブランドに傷がつく。SCMには工場における不公正を未然に防ぐことも含まれる。このため、工場におけるコンプライアンスに焦点を当てた非営利会社「フェア・ファクトリーズ・クリーニングハウス(FCC)」が米国で発足。
TESの7月17日に実施される試験実施要領と資格取得者6人と1団体からのTESへのメッセージが紹介されている。
循環型社会を志向した素材が注目されている。その中で、ユニチカのポリ乳酸繊維「テラマック」に関し、環境インパクトの評価手法としてのLCA(ライフサイクルアセスメント)による考察が行われている。この手法は、製品の原料採取から製造を経て使用後の廃棄処理まで、そのエネルギー使用量・炭酸ガス発生量・有害廃棄物発生量などについて定量的に評価するもの。ここでは、ポリ乳酸と主なプラスチックにつき原料生産、製品製造、廃棄物処理の三つに分け、簡易的な比較検討が行われ、ポリ乳酸の環境に対する低負荷特性が際だっているとしている。
被服に起因する環境負荷がライフスタイル全体の環境負荷に占める割合は全体の20%程度である。環境統合化指標(ELP)を使った繊維製品の環境負荷評価(LCA)の結果が3R推進会議で公表された。繊維製品を1年長く使用することによって環境負荷を約20〜30%削減できる。スーツ、ジャケットなど質量が大きく厚手の生地を用いたものの環境負荷が大きい。
①6月16日〜17日
②東京理科大学森戸記念館
③日本における界面科学の歴史、界面活性剤の分類と合成、界面活性剤の機能、分散の基礎と応用、洗浄の基礎と応用、乳化の基礎と応用、泡の基礎と応用、可溶化の基礎と応用
④日本油化学会
TEL 03-3271-7463
①6月22日
②東京都江戸東京博物館
③メイドイン東京のピックスキンスーベニールの商品開発、天然繊維を用いた生分解性複合材料の開発、機能性アパレル製品の評価について、立体錯視効果を持つ繊維製品の開発、他
④東京都立産業技術研究所(墨田庁舎)
TEL 03-3624-3732
①6月29日
②キャンパスプラザ京都
③繊維とは、天然繊維および合成繊維、染色・仕上げ加工・機能加工、紡糸・延伸、糸加工および布、評価計測・感覚計測、他
④繊維学会 TEL 03-3441-5627
①7月20日
②東京工業大学百年記念館
③ナノファイバーと構造色、ナノファイバー技術を活用した先進消防服の開発に向けて、ナノファイバーの環境技術への応用、ナノ加工ファイバーを用いた光学部材の開発、他
④繊維学会「ナノファイバー技術戦略研究会」 TEL 03-3441-5627
①7月27日
②大阪・扇町インキュベーションプラザ
③最近のクリーニング事情、最近の洗濯事情について、消費者より見た洗濯問題、衣類の取り扱い絵表示の決め方に関する調査結果、クリーニング業者より消費者・アパレルへの要望、クリーニングに関連した課題とその解決法、家庭洗濯機最前線、クリーニング機械最前線、ウェット洗濯後の処理法、被洗物がうける洗濯時の機械力評価について
④繊維評価技術協議会 TEL 06-6358-7747
①8月1日〜3日
②九州大学創立五十周年記念講堂
③高分子とは、高分子の合成−連鎖重合・逐次重合、高分子の固体構造・固体物性、ゴムの構造・物性・機能性、高分子成形加工の基礎、生体・天然高分子、光情報関連材料、高分子アクチュエーター、カーボンナノチューブ、繊維の機能加工・紡糸技術・環境調和材料
④高分子学会九州支部・繊維学会西部支部 申込先:九州大学大学院理学研究院化学部門 安中雅彦 TEL 092-642-2594
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:中島利誠/発行人:大谷芳男