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厚生労働省はアパレル産業に従事する労働者の能力を評価する統一基準を策定した。仕事の内容をデザイン、縫製、店舗管理など8つの職務に分類、それぞれの職務で4段階のレベルを設け、必要とされる項目を明示した。
環境省は、地球温暖化防止の国民運動を盛り上げるシンボルの統一ロゴマークとともに、「COOL BIZ(クール ビズ)」のロゴマークをそれぞれ制定した。前者の図柄は地球を緑の線で型取り、地球規模による取り組みと全ての人々の参加を表している。後者は、涼しく効率的に格好良く働けるイメージを、分かりやすく表現した。
服飾デザイナーと繊維メーカー、アパレル業者が手を組み、新しいファッションショーを今秋に立ち上げる。本誌、前号(22巻2号)の掲載記事の続報で、中川昭一経済産業相が閣議後の記者会見で構想を明らかにした。発起人は馬場彰日本ファッション協会理事長、平井克彦東レ相談役ら。若手のデザイナーが日本の伝統的な繊維で作った服などを披露し、日本初のブランド育成を目指すとともに、繊維業界の振興につなげる。
経済産業省は、欧米の対中セーフガート(緊急輸入制限)措置発動によって、日本への迂回輸入が増大することが懸念されるため「繊維製品輸入動向監視体制」を敷いた。日本への繊維製品輸入が大幅に増加し、市場撹乱の実態が確認された場合には、中国政府に対して速やかに協議を申し入れるとともに、場合によっては対中繊維特別措置発動も視野に入れた対応も行う。経産省は04年末のWTO繊維協定の失効により、今年1月1日から特定品目の輸入について監視を続けてきたが、最近の欧米の対中セーフガード発動措置と日本への影響を重視し、最大級に近い監視体制を敷いた。
経産、厚労、文科3省が共同で作成し閣議了承された「04年度ものづくり白書」は、製造業の利益の源泉は業種ごとに異なり、繊維製品は利益率の最も高い事業段階が販売事業で66.7%。製造・組立事業の22.2%より多い。
経済産業省が7日に発表した「05年度産学連携製造中核人材育成事業」公募の選定結果によると、繊維産業では一宮地場産業ファッションデザインセンター(FDC)が中核教育機関となって実施する「繊維産業中核人材育成プロジェクト」が採択された。事業総額約22億1,100万円の予定で、約30プロジェクトを採択。
経済産業省が発表した05年1〜3月期の産業活動分析によると、繊維工業の2000年を100とした指数は、生産、出荷とも32期連続の低下となった。生産は需要の低迷を背景に衣類、織物などの業種が減少して前期比1.2%減、出荷も織物、衣類、化学繊維などの減少により2.0%減。
経済産業省の総合資源エネルギー調査会省エネルギー基準部会が開いた荷主判断基準小委員会で、省エネ法改正に伴い、アパレル企業などの荷主事業者に対して義務づけられる規制措置の概要が明らかになった。荷主は年1回の省エネ計画の策定や定期報告が義務づけられ、従わない場合には、同省から勧告、公表、命令の処分を受ける。
経済産業省の奥田製造産業局次長は、日本ブランド発信で省内にファッションを振興する横割りの組織の創設を検討する他、通商問題、模倣品対策で繊維通商問題研究会の継続を強調した。
経済産業省と中小企業基盤整備機構は05年度中小繊維製造事業者自立事業の審査結果を発表した。同事業は03年度から実施しているもので、自ら商品の企画・開発・生産・販売を行い、活路を切り開く意欲と能力を持つ中小の繊維製造事業者に対して助成を行っている。今年度の応募は295件と昨年を上回ったが、採択件数は88件と大幅に減少した。交付する助成金総額は約25億円。業種別のうち縫製(織物)は10件。
特許庁の「04年度模倣被害調査報告書」によると、模倣被害に遭った企業は27%あり、模倣被害率は3割程度であった。過半数の企業が「特許・実用新案」「商標」「意匠」の被害を挙げている。模倣品の品質は約6割が「真正品よりやや劣る」「かなり劣る」とし、価格は「真正品価格の50〜75%」が3割弱と最も多い。
経済産業省は、「新日本様式」(ネオ・ジャパネスク)の確立に向けて、3ヶ年計画で6つのキャンペーンと28の行動プログラムを実施する。服飾を含む「ブランド100選」「ニューリーダー20傑」を選出するほか、新日本様式の製品作りやフェスティバル、海外イベントを開く。行動計画は、同省商務情報政策局に設置された「新日本様式・ブランド推進懇談会」がまとめた報告書で提言された。
財務省貿易統計によると、1〜5月のアパレル輸入は数量15億1,624万点(前年同期比3%増)、金額7,937億1,500万円(4%増)となった。6月以前に輸入数量が15億点を越えたのは初めて。前年に比べ伸び率は鈍化しているが、中国からの輸入は依然増加している。その他アジアでは韓国からの輸入が布帛で大きく伸び、ハンドキャリーによる通関逃れ摘発の影響がうかがえる。ベトナム、フィリピン、インドからの輸入も高い伸び率となっている。
JISマーク制度を定めた工業標準化法(1949年制定)の一部が、昨年6月に改正され、本年10月1日に施行される。主な改正点は次の通り。①現行では国が製造工場の品質管理体制を審査しJIS工場として認定していたのを国に登録された認証機関が認証を行う。②JISマーク対象製品について従来の「指定商品制」が廃止され、認証可能な製品規格があるすべての製品が対象となった。③事業者が製品規格に適合していることを確認する「自己適合宣言」が認められた。これに伴ってJISマークのデザインが変わり、現行のJISマークは平成20年9月30日まで有効となった。
「コンパクト」。ファッションの世界で、生地の質感を表現するキーワードが広がって久しい。とりわけ、高密度織物は目が詰んで締まった感覚を体現する素材として定着した。その生産と技術力で世界に知られるのが、第一織物。コーティング剤やラミネート加工に頼らずに、「超・撥水防水」を織り上げる。登山などのハードなアウトドア用だけにとどまらず、パリやミラノから発信するデザイナーにもファンが多い。ハイテク素材がハイファッションに迎えられたと同時に、同社の活躍の場も広がってきたからだ。打ち込み本数より品揃えを方針とした成功のストーリーが紹介されている。
福井洋傘が発売した「ヌレンザ」は、閉じる瞬間に水滴をはじくため、乾いた状態で持ち歩ける。従来の傘は布地にフッ素樹脂を塗布して、撥水性を高めていたが、「コーティング不要の生地を作ったらどうか」と発想を転換したという。生地メーカーと共同で織りの構造を見直し、水滴をはじき飛ばす超高密度ポリエステルを作り上げた。傘の上で水滴がはねる響きにもこだわり、微妙な布の張り加減にも神経をとがらせる。価格は3万450円と高価だが、すでに千本以上を販売し、現在予約は2〜3ヶ月待ちという。
06年春に向けて、キュプラで2つのアウター用新素材を旭化成せんいが販売を開始した。そのうち「メープル」は、キュプラとナイロンを複合した糸である。キュプラの持つしなやかさや光沢をナイロンと組み合わせることにより引き出している。メープルは熱処理を施すとナチュラルなしわを作ることができる。一方、「コンフォリティ」は、特殊な紡績糸で、糸の毛羽が少ないため肌触りがよい。編物のよこ糸として使うことで特徴を発揮しやすい。糸の価格はアパレル入りで、900〜1,000円/s。
クラレの高強力繊維(ポリアリレート繊維)「ベクトラン」を利用したモノフィラメント「VECRY」を紹介している。通常の高強力繊維をモノフィラメントで利用するとフィブリル化の問題があるため、VECRYは、ベクトランを芯にして、鞘にベクトランと屈曲性ポリマーとを海島状に配したポリマーを用いた複合繊維としている。VECRYは、ステンレス繊維の2倍以上の強さがあり、また、有機繊維では最も細い23μmの繊維経で精密スクリーン紗に利用できる。
最近話題のスマートテキスタイルについて欧州での研究開発動向を中心に紹介している。スマートテキスタイル製品には、相変換物質の応用による温冷対応機能材、形状記憶素材、超分子集合体、電子衣料・資材などが用いられている。未だ開発段階ではあるが、医療診断への応用など非衣料分野を含めて今後の拡大が期待されている。
帝人ファイバーは、従来より大幅に細いポリエステル中空糸「エアロカプセル・マニフ」を開発した。柔らかいタッチと軽量感が特徴で、薄地や綿と複合した中肉・厚地などで展開する。中空糸「エアロカプセル」シリーズは93年の開発以来、軽量や保温性といった機能を生かし、主にスポーツ用途で展開してきた。ただ、1本の糸(単糸繊度)が太く生地が硬くなるため、婦人用途での展開は少なかったという。「マニフ」は単糸繊度を従来の4.6dtexから1.1dtexへ4分の1の細さにするとともに、高い中空率も維持した。細くすることで、軽量、防透け性などの機能に加え、独特の柔らかい風合いも備える。また、綿やウール、麻など天然素材との複合の相性が大幅に向上した。
東レとオペロンテックスは共同で、塩素に対する生地耐久性が従来品の1.5倍の高耐水性水着素材「ブルーオゥ」を開発した。ミズノ「スピード」、デサント「アリーナ」で採用が決まっている。ブルーオゥはポリウレタン弾性繊維「エクストラライフ・ライクラ」と東レの特殊ポリエステル糸との複合ストレッチ編物である。従来品に比べると、塩素の影響を最小限に抑える成分を含有した新ポリマー技術を確立し、耐久性を向上させた。生地値は従来品に比べると10%高くなる。
特許庁は4月、野村産業の持つバンブーに関する特許に対し、特許無効を審決した。野村産業は知的財産高等裁判所に審決取消を求めて上告。審決が出されるのは1年から1年半後とされる。その結果によってはバンブー繊維の戦略は見直しを迫られる。ただし、野村産業と協業する「竹マーク」の大手繊維メーカーは、特許に関係なく4社の協調体制を維持する、と明言する。竹マークは野村産業とライセンス契約を結んだ東レ、クラボウ、日本毛織で事務局を開設、バンブー繊維を20%以上使っていることなど品質基準を満たした商品だけにマーク使用を認めている。
自然なシワの演出で大人気のステンレス使いの生地だが、百貨店などでは「刺さるのでは」などの声が多く、PL法を理由に敬遠する傾向も目立つ。そこで、新しい視覚や風合いを実現する素材として確立するため、坪田織物は繊維試験場などと共同してステンレスの糸種別の様々な数値を検証した。流行に乗って多用されているステンレスは直径50μmが主流だが、同社の場合、「アンダー40(フォーティ)」と銘打って、40、35μmを使う。生地として裁断された際の鋭角さがとれ、痛みが少なくなる。曲げ剛性も半分以下の数値になり、刺さる感覚がほとんどなくなることも分かったという。
リネン(亜麻)の原料事情が劇的に変わりつつある。伝統的にフランス、ベルギー、オランダなど欧州での生産が主流だったが、ここ数年で中国産の収穫高の伸びが著しい。日本の紡績でも「この数年のうちに中国産の生産量が欧州産を超える」(帝国繊維)との見方が広がっている。品質については中国原料は欧州産と比べて「細番手にするとまだ差があるが、太番手用途については遜色ない」(トスコ)水準にまで向上している。一方、最近の欧州のリネン栽培農家は、品質よりも作付け面積の反当たりの収穫高を優先しており、品質劣化問題が、欧州リネン協会でも大きな問題になっている。
東レは運動でかいた汗で体を冷やさない素材を発売し、来年春にアパレルメーカーからスポーツウエアとして販売する。新素材は汗を素早く吸い上げ蒸発させ、速乾性と保温性を両立させた。「サラカラ for ワークアウト」はポリエステル製とナイロン製の二種類。繊維の隙間に毛細管現象で汗がしみこみ、表面から蒸発する。服の表面と内側の繊維の密度を変え、蒸発を早めた。肌表面に残る水分は従来の約四割に減り、保温性は約五割高まるという。
ステンレス鋼線を織り込んだテキスタイルが、専門店向けアパレルを中心に拡大している。ステンレス鋼線の大手メーカー、日本精線は、テキスタイル向け販売量が5年前のブーム時の5倍となり、海外からの問い合わせも増えているため増産を検討。タイプはレギュラー品と錆に強いものの2品番で、太さは30〜50μmが中心であるが、「チクチク感が軽減できる」ことから40μmがよく売れている。価格は1万円以上/kgと高価だが、「混率は7〜15%。使用されている製品の価格は数万円なので問題ない」と見ている。99年にテキスタイル向け販売を本格化後「クレームはきていない」、技術的には13μmまで可能という。
オペロンテックスはスパンデックス「ライクラ」で、ソフトで伸ばしやすく、素早く回復する「ライクラT-906C」と、濃色生地に深みがでる黒原着糸「ブラック・ライクラ」の二つの原糸を開発。そのうち、ブラック・ライクラは、濃色色素を添加した。濃色生地の伸縮時に、透明または白いスパンデックスが表面に露出する「目ムキ」現象を防ぎ、濃色に深みを与えることができる。乾式紡糸の黒原着糸は生産が難しいとされてきたが、同社は量産化に成功、従来の生産ロットの10分の1単位の小ロット生産にも対応する。価格は、ライクラT-906Cがレギュラー品の20〜30%高、ブラック・ライクラは20%高。
音波の伝達速度を測定するソニック法を用い、糊付け布の曲げ剛性を求めた。糊付けの際の糊濃度を変えて、6段階の剛性を得た。布の測定方向は、15度おきとした。ソニック法の剛さ測定結果は、KES法の曲げ剛性値と比較され、糊を付けない場合の数値で測定値を除した比率(基準化値)を用いると、両者はほぼ直線状にプロットされることを知った。また布が変化しても曲げ剛性の推定が可能であった。本研究からソニック法が曲げ剛性を評価できることが導かれた。ソニック法は、試料を切り取ることなく(非破壊試験)、かつ簡便かつ迅速な測定が可能である。
クラボウ綿合繊事業部は、徳島県阿南市産の孟宗竹を微粉化し、生地に特殊技術で付与させた加工素材「竹の衣」を開発した。綿100%素材を中心にポリエステル混素材などに加工でき、寝装具、家庭用品、紳士、婦人服地として6月から発売する。竹に含まれる数多くの有効成分の中でもポリフェノールに抗酸化作用や抗菌作用があるといわれる。孟宗竹をそのまま微粉化、捺染の形式で加工、天然の抗菌性を持たせた。竹は繁殖力が強く、伐採による環境への影響は少ない。
オペロンテックスとインビスタジャパンは06春夏婦人・紳士服向け服地から、ストレッチ素材「ライクラ」と撥水加工「テフロン」を組み合わせた「ケアフリースタイル」を発売する。従来の撥水加工で課題となっていた硬さや蒸れやすさを生地設計により解消した。
表側に撥水・撥油加工のテフロン、裏側の肌面に綿などの吸水性のある素材を使用する。撥水性と吸水性を組み合わせることで、通気性や衣服内湿度も軽減されるという。アパレルメーカーへの訴求にあたっては、テキスタイルメーカーなど10社と共同で行う。ウールのコート地ではいわなか、化合繊のジャケット・パンツでは産元商社の岸商事、綿素材ではクラボウのジーンズ・カジュアル課、桑村繊維、日東紡、麻ではトスコなどとなる。
酸化チタンの光触媒作用を利用した消臭や抗菌、セルフクリーニングなどの多機能を付加した生地の開発が広がっているという。シャツ、スーツ、インテリアまで、開発はさまざま。酸化チタンは光が当たると、有機物を分解する触媒として作用し、消臭や抗菌などの効果が得られるのが光触媒繊維である。これまでは、太陽光の弱い室内では効果が得られないなどが指摘されていた。これらのデメリットを原料使いや、加工法の工夫で、風合いが変わらず、可視光線でも日光と同様な効果が得られるなどの製品が開発されはじめたことについて、この記事では、各企業の加工例とその特徴を紹介している。
クラレトレーディングと浅野撚糸は、水溶性糸「ミントバール」を使い、スパンでも優れた伸縮性の特殊複合加工糸「セルナーレ」を共同開発した。セルナーレの特徴は、純綿など伸縮性の少ない素材をはじめ、天然繊維、化合繊など様々な素材に、スパンデックスと複合撚糸しなくてもスパンデックス混と同等のストレッチ、スパンデックス混のセルナーレなら従来の倍のストレッチ性を実現した点にある。例えば綿とミントバールと特殊技術で複合撚糸し、染色・整理加工時にその織編物を熱水に入れると、ミントバールだけが溶け、残ったクリンプ状の綿糸は、溶解後に出来た隙間によって自由度が高いため、優れたストレッチを発現する。スパンデックスとの3者混の場合は、コアスパンヤーンより約3倍伸び、キックバックは約2倍と格段に機能は向上する。
最近、汚れが付きにくく、付いた汚れが落ちやすい撥水撥油加工の引き合いが市場で強まっている。従来は「風合いが硬い」「洗濯耐久性がない」などいろいろな問題点があったが、時代の流れで解決され、優れた撥水撥油素材を各社が相次いで開発。高温の油などの汚れを防ぐ技術や、口紅やボールペンなど付きにくくて、かつ落ちやすくする加工技術も出てきた。ここでは、ユニチカテキスタイル「エーキューガード」、日清紡「ナノサイエンス」、富士紡「清潔着族」の加工・素材内容を紹介している。
運動で衣服をこすっても強い撥水機能を持つ織物「キューダスXR」を東レが開発した。これまでの耐水撥水加工は洗濯耐久性を追及したものばかりであったが、「キューダスXR」は、摩擦による劣化を抑えた。独自開発した撥水剤や特殊加工技術で、従来よりも撥水基を支える架橋構造を強くした。50回洗濯後の洗濯耐久性は標準的なスプレー法で、5段階の3以上。価格は従来品より、1m当たり100円高となる。
冬物で、花粉リリース効果のある紳士梳毛服地を御幸毛織が開発した。スギやヒノキは1月頃から花粉が飛び始めるので、冬も対策が必要と判断。織物表面を平滑にして、毛羽のない表面に加工した。花粉除去率は、試験段階で82〜96%、花粉がつきにくく、ついても払えば落とせる。百貨店のイージーオーダー売り場で販売する。
繊維製品の差別化で重要な鍵を握る後加工。開発技術のレベルアップ、新技術の開発などに伴い次々と「新加工」が登場してきたが、繊維業界で今、話題になっているのが光触媒技術。抗菌防臭、消臭、防汚などの機能を光触媒の作用で発揮させるもので、太陽光(紫外線)から最近では蛍光灯など、可視光線でも効果が出る技術も開発され、注目を集めている。この光触媒をはじめ、美容健康、温度調節、撥水・撥油、抗菌・防臭を目的とした新加工の動向がまとめられている。さらに、素材メーカー・加工場・問屋の主なブランド、技術・商品特徴、主な用途が一覧表で示されている。
06年春夏向け婦人服素材商戦で、天然繊維や化繊を使用したシワやプリーツなどの加工素材が人気を呼んでいる。家庭洗濯ができるウオッシャブル加工の開発が進んだことで素材バリエーションも拡大した。京都吉忠京都店では綿100%や綿・麻素材で洗えるプリーツ素材を、丸増はシルク100%やイラクサ、麻・レーヨンなどのワッシャー素材を、サンメリーは綿や麻、トリアセテートなどの100%や複合素材を使ったクラッシュやプリーツ、塩縮加工などを提案。天然繊維とセルロースのマシンウオッシュに対応できるシワ加工をてがける高橋練染や、手洗いできる加工を開発した京都起毛でも受注が急増しているという。
05〜06年秋冬メンズの展示会でこだわりのジャケットが増えている。上質なテキスタイルをスペシャルなパターンにのせたジャケットはバイヤーからも好評。ここ数シーズン続いているジャケット&ジーンズのスタイルの広がりを背景にこだわりジャケットが秋冬の本命アイテムに踊り出ている。
日本の商社が国内の小売業と製造小売業態(SPA)に向けて、衣料品を製造加工、供給するその機能をますます拡充している。量販店との取り組みはあるが、同時に、大手アパレルのSPA展開をバックアップしたものづくりが、いま活発に進行している。流通に大型SCが進出し、従来、衣料品の製造卸業であったアパレルが小売業に転進したことで、アパレルのものづくりを商社が肩代わりする。原料からテキスタイルと縫製加工にわたり、グローバルに仕組みを動かすわけだから、これはもう商社しかできない。
三陽商会は縫製を工夫して腕や肩を動かしやすくしたTシャツを売り出す。一般のTシャツは胴体部分である身頃と袖部分を腕の付け根と脇の下を通る線で縫い合わせるが、新製品では袖を長くとり、ランニングシャツ状の身頃と肩甲骨に沿った線で縫い合わせた。腕を動かした際に身頃が引っ張られ、動きが制限されることが少ないという。
アパレルメーカーがデザイナー、パタンナーの新卒採用に再度、力を入れ始めた。アパレル業界では90年代半ば以降、企画・技術系職種の採用を即戦力が期待できる経験者優先にしてきた。業界全体の新人育成機能を担っていた大手・中堅企業が数年にわたり新卒採用を絞り込んだ結果、人材が枯渇した。採用増は、業界を挙げてこの状況を変えようとする動きだ。独自性を強めるには自社の企画力の強化が欠かせないという視点から、デザイン業務の外部委託への反省も見られる。
政府はネクタイや上着なしで夏の職場を過ごす軽装運動「クールビズ」を始めた。紳士服専門店や百貨店などはネクタイなしでも見栄えのするシャツなどの品揃えを強化、特設売り場を用意するなど一斉に動き出した。アオキインターナショナル、青山商事など紳士服専門店大手、オンワード樫山などアパレル大手、イトーヨーカ堂、イオンなどのスーパー、三越などの百貨店ではそれぞれ対応を工夫している。経済波及効果は一千億円との試算もあり、官主導の特需への期待が高まっている。一方、戸惑いを隠せないのがネクタイ業界である。
浜松ホトニクスは、デジタルファッション社と共同で、三次元人体計測システム「ボディラインスキャナ」と三次元デザインツール「ルックステーラーテン」の組み合わせによる最先端の衣類設計の技術を紹介した。三次元人体計測装置はニューバージョンで、計測点数は従来の約2倍で、このデータをもとに、三次元デザインツールを用いて立体に直接テキスタイルデータを貼り付け、衣類をデザインできる。さらにこれを2次元型紙データに展開し、縫い代をつけ裁断データに変換。縫い上がり状態をシミュレーションして、写真に取り込んだ人物に着付けたり、動きを確認できる。
理学電機サービスセンター(川崎市)は、衣料品・雑貨の中の折れ針や異物をエックス線で調べる専用装置「QX3190SC」を開発した。ハンガー付きのままでも検品が可能。スーツ・ジャケットなら手作業の検針機に比べ、5〜10倍の効率が期待でき、7時間で1,500着を処理できる。検品専門企業、アパレルの物流部門などを対象に販売する。検品の画像データはすべて内部に保存でき、ジャケットは100万着分、雑貨なら250万点分を残せる。一品一品に添付するラベル番号を調べれば追跡調査もでき、クレームが発生した場合は、発生過程を特定できる。1台730万円。
「靴には右足、左足があるのに、なぜ靴下は左右同じなのか。」という靴下工場の社長の素朴な疑問から生み出された左右専用の靴下「アールエル(R×L)ソックス」が大ヒットしている。開発した武田レッグウェアーは成功に満足しないで国内、海外で特許を取り、世界市場への進出を目指している。世界初の右左専用ソックスは、違和感のあった親指側のつっぱりと、小指側のたるみを解消し、快適な履き心地を実現した。特に5本指の靴下は5本の指がそれぞれ地面をつかみ、疲れにくいので長時間歩く人に人気。指の1本1本が立体になっており、指の形状を考え設計している。武田社長は、これを特許申請し、日本をはじめ米国・イタリア・ドイツなどで特許を取得している。
ワコールの人間科学研究所は、「より美しく、より健康に、より快適に」という研究方針のもとに設立され、製品開発研究を続けてきた。そのもの作りの例として、コンディショニングウエア「CW-X」が紹介されている。CW-Xは、「スポーツ傷害の予防と再発防止」をテーマとして、「筋肉へのサポート機能を盛り込んだウエア」に端を発している。そして、スポーツ時に最も故障の多い膝を対象に開発した。ウエアの形態を決定するために、スポーツ傷害の対策としてテーピングやサポーターという従来法を調査。誰でもが手軽に筋肉に対して一定のサポート機能が得られることにした。
JUKIは、油汚れを低減させることができる工業用ミシン「MO-6700Dシリーズ」を世界に先駆けて中国で販売する。このシリーズは、3年前から販売している世界初のドライミシン「MO-6100D」とほぼ同じ性能でありながら、価格を半分に抑えたもの。同社のドライ技術とは、油を使用せず特殊な潤滑剤を用いるもので、摺動部品に特殊な表面処理を施しているため、毎分6,000回転での耐久性も実現している。縫製工程の不良品発生の最大の要因である油汚れと、しみ抜き作業を解消することで、コスト低減に貢献する。ファンデーション、子供服、ドレスシャツ、肌着、婦人服、ポロシャツ、水着などに対応する。
今や競技人口が、120万人ともいわれる「フットサル」。その人気ぶりに併せて、プレーで着るTシャツや靴などがストリートファッションとして脚光を浴び始めている。東京・原宿や渋谷にはフットサルのセレクトショップが相次いで誕生。愛好家が仲間同士で立ち上げたブランドも登場し、新たな市場を形成しそうな勢いだ。
地方百貨店が、個人外商の売り上げ拡大に本腰を入れている。郊外SCなどとの競合で店頭の客数減に悩む店舗が増えている中、百貨店が得意とする外商のサービス機能を強化し、業績回復につなげる狙い。
大規模小売店舗立地法に基づく04年度の新規届出件数は、昨年度比6%減となるが、店舗の大型化が進んでいる。面積が1万uを超える届け出は53%増だった。
日本のショッピングセンター協会によると、国内のSCの売り場面積が初めて4千万u超えた。GMSの大規模な出店を続けているためで、国内の小売売り場全体の3割近い比率に達した。
電子タグを使って業務プロセスなどの改善を使った「百貨店業界・アパレル業界における電子タグ実証実験報告書」がまとまった。電子タグが、物流業務の合理化・効率化に寄与するが、婦人靴の場合売上げの1割強の拡大効果があるという。
通信販売の売り上げが引き続き堅調に伸びている。日経産業消費研究所が消費者を対象に調査した結果、通販の購入金額が2、3年前に比べて「増えた」人は40%を超え、「減った」を10ポイント以上上回った。パソコンを使ったインターネット通販の利用者が増えていることによる。情報技術(IT)の普及が商品・サービスの販売に大きな影響を与えていることが改めて明らかになった。
苦戦を強いられ、リストラを続けてきた品揃え専門店がようやく浮上の手ごたえをつかもうとしている。駅ビルやSCから撤退し、もう一度路面に新業態を立ち上げようという動きだ。短期決戦を余儀なくされるテナント出店に見切りをつけ、独自性ある品揃えと地域密着の接客、サービスで持続的成長を目指している。
百貨店がショッピングセンターや駅ビルなどテナントとして小型店を開き始めた。業界全体の売上高が振るわない中で、郊外や地方都市にも足場を広げ、分野を絞った高品質商品で利用客を集める。
大手百貨店が店舗単位から本社の集中仕入れにかじを切り始めた。「個店主義」を脱してチェーンとしての販売力を主張し、仕入れ条件や有力ブランドの誘致で交渉力を高める狙いだ。しかし主力のファッション商品は地域特性を無視しては成り立たない。「集中」で得た果実はいかに「地域密着」の味付けを加えるか。集中と分散のバランスが問われている。
経済産業省が発表した04年商業統計(速報)は、長引く消費低迷と競争激化を反映し、小売り事業所(商店)数が前回調査(02年)比4.8%減の123万8,296店となった。2年で6万店が姿を消した形。半面、ホームセンター、食品スーパー、コンビニエンスストアの事業所は前回に比べ、それぞれ9.1%、4.5%、2.3%増えた。
ユニフォーム市場は、かつてない競合激化時代に入っている。ここ数年、通信販売がこれまで販売の網にかからなかった小規模事業所を中心に、着実に需要を掘り起こしている。流通革命ともいえるBtoB通販が出現して十数年、通販自体が年々伸長しており、その勢いに乗った形だ。ユニフォームメーカーも「リピーターが多い」など期待を寄せる。
大学生のグループが商店主らと協力してイベント企画・実施、インターネットでお店紹介を発信、店の開店の例を挙げている。流通業の将来の顧客でもある大学生を活用した商店街活性化の例である。
日中テレマーケティングシンポジウム中で、中国の04年度ダイレクトマーケティングの市場規模は1千億元(26億ドル)で、テレビとインターネットが中心と報告された。特に、インターネット利用者は05年5月で1億人に達し、1年後には1億5千万人になる予定で、高い成長率が期待されている。
大手量販店で、介護用品売り場を再強化する動きが広がっている。介護保険法実施前の97年ごろに一斉参入したものの、これまでは鳴かず飛ばずだったのが実態。だが、ここへ来てシェアーを獲得しようと売り場を拡大している。成功のポイントは「専門知識を持った販売員による接客」で、かつて主流だった「セルフ販売中心」の考えからの脱却が、方針転換を促しているようだ。
三越、丸井など流通大手五社は経済産業省の支援でITを駆使して、消費者の個別のニーズに合わせた未来型店舗の実験を今秋から始める。国内小売業の売上高は昨年度まで8年連続で減少中であるが、探している商品がなかったり、見つからなかったため消費者が購入を見送る比率は2〜3割に達するとの見方もある。IT活用で潜在需要を掘り起こし、消費を活性化する狙い。丸井は顧客が選んだ婦人服を試着室に持って行くと、ICタグから画像端末に似合うアクセサリーなどの情報を提供する。三越はジーンズなどにICタグを付け、その商品のサイズや色別の在庫の情報を呼び出せるようにする。
見込みで生産、多種類の商品をストックし、専門店に販売する手法が再評価されている。専門店はいつでも仕入れられるし、期近の売れ行きを見て発注することもできる。アパレル、雑貨業界とも機会ロスの低減より在庫の低減に重点を置くようになったため、専門店から見れば期中に仕入れられる商品が少ないという状況がある。当てにされる仕入先となることで、業績を伸ばしているメーカーが目立ってきた。
個人同士で子供服の中古品などを売買するインターネットオークション(競売)の市場が急拡大している。経済産業省などがまとめた電子商取引調査によると、04年度のネット競売市場は、7,840億円と前年度より約35%伸びた。商品別では、取引参加経験のある消費者に落札経験のある商品を聞いたところ、ファッション(25.8%)、本・雑誌(17.8%)、玩具・ゲーム(17.4%)が上位を占めた。
日本商工会議所の「04年度まちづくり問題に関するアンケート」によると、31%の地域で大型店の退店数が増加傾向にあり、その立地場所の51%が中心市街地を占めるという。地域に最も影響が大きい空き地店舗のうち、完全に埋まったものは37%の一方、空き店舗のままが33%、空き地と合わせると4割を超えている。
繊研調査による「04年度小売業衣料品売上高・分野別ランキング」によると、婦人服が三越、紳士服が2年連続青山商事、子供服が赤ちゃん本舗となった。前年と比較可能な企業の売上高合計は、3部門とも前年に続いて前年割れとなった。業態別では、百貨店が全てマイナス、専門店が子供服以外はプラス、量販店は子供服以外がマイナスとなった。
文章で示される注意表示作成の指針を、アパ産協が示した。洗い方、脱水、乾燥、アイロン、着用、手入れ、保管の6項目について、「素材ごとの取り扱い方法」と「適切に取り扱わなかった場合に起きる現象」を、合計83パターンにまとめた。これら「一般表示」と、業界で使用される「専門表示」の2部構成とした。一般表示の各項目は、「取り扱い」「事象」「適用」から成る、指針を小冊子にまとめ、アパレルメーカー、副資材メーカー、百貨店、量販店に配布して、指針の徹底を呼びかける。
平成16年度にクリーニング綜研が手がけた鑑定の特徴と問題点を紹介した。まず統計資料を挙げ、次いで責任所在別に対策を述べた。責任が顧客の場合は、依頼品の受け渡し時に、顧客と相互確認を行うこと、顧客へリーフレット等による情報提供をはかることが対策になる。メーカーに責任のある事故は、海外製品が70%を占める。うちイタリア、フランス製品が35%と大きく、ほとんど高級ブランド品である。原因は染色堅牢度に起因するものが多い。クリーニング業者に責任のある事故は70%が水処理で、過大な機械力や、禁止されている処理が原因であった。いずれも事故部分がカラー写真で示されている。
汚れをデジカメで撮影して得られるRGB値をCIEのXYZ表色系に変換するアプリケーションを作成した。従来はR-X、G-Y、B-Zという1対1の単回帰が用いられたが、相関が低く色相の影響も大きかった。そこでRGBを独立変数とし、XYZそれぞれを従属変数とした重回帰分析を行った。その結果、XYZの測定値と単回帰で求めたXYZの決定係数は0.16〜0.46であったが、重回帰では0.96前後となった。この結果を利用して、赤青緑それぞれの汚れの付着量と重回帰による付着量を比較したところ、XYZいずれも高い相関を示し、色相に関係なく汚れの量を定量できた。
クリーニング店の受付カウンターに設置できるコンパクトなシミ発見機。以前からブラックライトを照射すると、肉眼では見えない汗、アミノ酸、カビ等のシミが、紫外線を吸収して蛍光を発することは知られていた。しかしブラックライトは暗室が必要になるので、広がらなかった。品質情報研究所(八王子、住連木まさし所長)は、暗箱の覗き穴からブラックライトの発する蛍光を観察する装置を開発した。受付カウンターに設置して、依頼品の受付時にお客にシミを確認してもらうことが可能で、シミ抜き需要の拡大も期待できる。
EMとは有用微生物群で、抗酸化物質を作り出し、洗浄物や環境の浄化をはかる。ランドリーに用いると、ワイシャツに仕上がりの白さと色の冴えが出る。石油溶剤用にはEMを配合したソープがツーエム化成により開発され、残臭やシワがなくなる。ミンクやダウンがフワッと仕上がる。カートリッジが3倍もち、ソープは三分の一で済み、コストが減少する。「EMクリーニング研究会」が10年以上取り組み、ようやく脚光を浴びてきた。アメリカでも体臭がドラムに残らないという高評価を得ている。
アメリカで6月に開催された「国際クリーニング会議」で東京ホールセールの講演が世界を感嘆させた。講演は同社が近年開発した「靴丸洗い技術」と「高級バッグのリメーク」である。「靴丸洗い」はブーツ等の「臭い」を除いてほしいという消費者の要望に応えるために開発され、オゾン溶水に消毒液を混入して洗う。04年度は6千7百足を扱った。「バッグのリメーク」は、ブランドバッグを親水性染料に変えて加工し、自然な仕上がり・柔軟・剥離なし等の利点を得た。
日本通信販売協会のモバイル通販を含むモバイルコマースの利用率の調査によると、4人に1人が利用しており、購入商品は下着を含む衣料品がトップを占める。
北海道立消費生活センターは、婦人用肌着7銘柄、ストッキング3銘柄、婦人用ショーツ2銘柄、紳士用肌着1銘柄の合計13銘柄をテストした。ビタミン配合繊維は婦人用ショーツ、タンクトップの2銘柄、スキンケアを期待させる繊維はストッキング、婦人肌着、キャミソール、タンクトップ等8銘柄、ダイエット効果については婦人・紳士用肌着、ストッキングの3銘柄があった。顕微鏡で観察し加工物を確認したが効果について確認することは難しい。繊維製品の美容効果に関する文言の定義・統一された試験・評価方法基準値の設定が望まれる。なお、このテスト調査結果については、公正取引委員会や(社)繊維評価技術協議会に情報提供した。
岩手県立県民生活センターは子ども用ゆかた7銘柄(購入価格999円〜8,800円)を色落ち、収縮、着火性を中心にテストした。また、防炎加工の大人用ゆかたを比較品とした。内訳は日本製3、中国製4、生地が日本製で縫製が韓国のもの1、いずれも綿100%の平織りで柔らかな肌触りだった。結果として、寸法表示が無いものがあった。縫製状態がよくないものもあった。吸水性に大きな違いがあった。また、3銘柄は炎が出て燃え広がった。汗や摩擦により、色落ち色移りが起こりやすくなるので注意が必要である。洗濯で収縮するものもあるので購入時には表示を確認してほしい。
子供の人口が減少するなか、子供ファッションに関心が高く、価格に関わらず、縫製や染色等の耐久性などに関する相談・苦情がみられ、そこで埼玉県消費生活支援センターでは、子ども用Tシャツの品質、性能、安全性(ホルマリン)、耐久性などについてテストを行った。汗と光による相乗作用で変色や退色が進むので、変色を防ぐため炎天下での長時間着用は避け、早めに洗濯をお勧め。ホルマリンについては、商品の価格に関係なく問題ない。
東レの調査によると女性の水着の平均所持枚数は3枚で、「目的や場所での使い分けが増えている」という。女性が海やプールサイドで着るファッション用の他に、スパやスポーツクラブで使う機能重視の水着を買い求めている。西武百貨店池袋店では、買い分け需要に対応し、スポーツ用品売り場の隣にファッション水着の売り場を設けた。機能の点からメーカー各社は、水から出た後の速乾性などを強化した商品を相次いで発売し、猛暑だった昨年を上回る販売を見通している。
今夏の女性用水着の売れ筋はセパレートタイプで、幾通りもの使い方が楽しめるもの。水着の手入れのチェックポイントは、水から上がって休憩するときシャワーで海水やプールの水を洗い流すこと。着たままのシャンプーは色落ちや劣化の原因になるので避けること。プールの滑り台は、水着に大きな摩擦力がかかるのでラメ入りの素材や顔料プリントのものは注意。着用後の水着は中性洗剤で手洗いし、サンオイル、日焼け止めクリームを洗い流す。高温多湿の状態に長時間置かず、タオルでたたくように水気を取り陰干しにすること。
栃木県消費生活センターは、洗濯槽で「少しだけ」乾燥できる機能が付いた洗濯機4銘柄と従来からある衣料乾燥専用機1銘柄の計5銘柄について、乾燥能力、騒音、消費電力などを調べた。乾燥性能は専用機に及ばないが、消費電力が小さく設置スペースを必要としない、防かび機能を兼ねている等の利点がある。しかし、洗濯容量の3〜4割しか完全乾燥できない。また、ヒーター方式とヒーターレス方式があり後者は、熱に弱い衣類など幅広い素材に使用可能だがシワになりやすい。従来の洗濯機より多機能であるためボタン操作が複雑であるから購入時は良く見て購入されたい。
西川リビングは希少動物ビキューニャなどの原毛を100%用いた高級毛布シリーズを9月から発売する。ビキューニャは繊維の太さが12μmと獣毛の中では最も細く、高い保温性や絹のような光沢感がある。価格はカシミヤの5〜10倍。グアナコ、ロイヤルアルパカの原毛を使用した製品もある。いずれもペルー農務省が取扱量と企業を限定しており、希少性が高い。価格はビキューニャの毛布が315万円、ショールが50万4千円、グアナコの毛布が210万円、ロイヤルアルパカの毛布が26万2千5百円。
カケンNews,71,〔05・7・1〕p11
日本化学繊維検査協会が発行。冊子(無料)の希望連絡先:同検査協会の最寄りの事務所、あるいは本部企開発部(竹田)。 TEL 03-3241-7309 FAX:03-3245-0773 E-mail:h-takeda@kaken.or.jp
韓国衣類試験研究院は、JISマークの特定外国検査機関やロシア国家標準機構の指定を受けると共に、ISOにも備えている。国営機関でもあり、韓国国内業界のグローバル化への対応を支援している。
中国市場調査企業のサイバーブレインズの中国人インターネットモニター調査によると、商品が模倣品だと分かっていて、「よく、または、たまに購入する」が58%もいる。その理由として、「本物より安い(49%)」「本物と質がたいして変わらない(39%)」と続いており、模倣品が市場に溢れていることが伺われる。
商社が国内ニットメーカーと組み、無縫製自動機を使ったニット事業を拡大する。住金物産は太田市と甲府市にあるニットメーカーに計20台の無縫製編機を貸し出す。編機は島精機製作所の「ホールガーメント」と呼ぶ編機で、糸からほぼ完成品の状態まで編み上げられる。縫製が要らないためコストが下がる。中国製品の納期は2〜3週間で、国内生産では1週間程度に抑えられる。NI帝人商事は山形県内のニットメーカーと共同で、ホールガーメントを使ったニットの独自製法を開発した。専門学校のメルダス研究所と編機専用のデザインソフトの開発も始める。
「デタルボタン」と呼ばれる夢のボタンは、イラスト、絵画、生地の柄、写真などデジタル画像データさえあれば、どんなモチーフでも無限に印刷ができる。ボタンの種類はポリエステル樹脂に限られるが、特殊なインクジェットプリントの技術を使う事で、不良品の発生が少なく、小ロットから大量生産までに対応できる。
花王の衣類・布製品用消臭スプレー「リセッシュ」。緑茶から取り出した成分で、衣類などについたたばこや汗、料理など気になるにおいを消す。カーテンやカーペット、靴、ぬいぐるみなど、ほとんどの布製品に利用できる。除菌成分も配合しており、布製品に付いた菌の繁殖を抑える。スプレー後に香りが残るものと、残らないものとの2タイプある。価格はオープン、店頭実勢は500円前後。
文化学園の研究機関、文化・服装形態機能研究所はこのほど独自に実施した高齢者衣服調査の結果をまとめた。「生活スタイル」「普段着の服装」「下着」の大きく三つに分けた設問のうち、下着については女性が85%、男性は87%が「満足していると」と回答。反面服全体へは「男性向けはS、女性向けはLの品揃えが少ない」などサイズ展開の充実も求める声が目立った。
①8月30日
②大阪科学技術センター
③ナノテクノロジー応用機能繊維・機能加工技術の現状、ナノ構造制御光干渉繊維「モルフォテックス」、ナノ加工技術「Nano-Tex」加工技術と商品展開、ナノ加工技術「ナノサイエンス」、他
④日本繊維機械学会 TEL 06-6443-4691
①9月1日〜2日
②リゾーピア箱根
③コンディショニングウェアーCW-Xの開発、消防隊員用防火服の性能評価、アパレル用副資材(芯地、中入れ綿)とマスクの最近の技術について、他
④日本繊維製品消費科学会 TEL 06-6358-1441
①9月7日〜9日
②湯沢ニューオータニホテル
③流行色のなぞ、光ファイバーの現状と展望、天然繊維素材産業の現状と展望、環境低負荷型繊維素材、海外繊維研究の現状と展望、バナナ繊維の現状と展望、他
④繊維学会 TEL 03-3441-5627
①9月13日
②JR名古屋駅集合
③岡本株式会社(靴下工場)の見学、大和ハウス総合技術研究所の見学
④日本繊維製品消費科学会東海支部 申込先:名古屋女子大学家政学部 石原久代 TEL 052-852-9579
①9月28日午後1時半〜、午後3時半〜
②TFTビル909研修室
③フリージャーナリスト武田尚子によるトレンド紹介、入場無料
④日本ボディファション協会 TEL 03-5530-5621
快適性を理解するためのQ&A
①9月30日
②神戸女子大学教育センター
③快適性研究:商品開発の立場から、ヒトと衣服と環境を系としてとらえる、ワークショップ(快適性の主な要因、快適な衣服内の気候、体温調節の仕組み)
④日本繊維製品消費科学会事務局 TEL 06-6358-1441
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:中島利誠/発行人:大谷芳男