ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧(2003年度:第20巻〜)→
官民一体となって、日本ブランドの価値を高め、世界に発信する「新日本様式協議会」が発足。経済産業省が設置した「新日本様式・ブランド推進懇談会」の提言を受け、それを実践・推進する組織で、幅広い業界・業種・団体からも参加を募り、3カ年行動計画に基づき、6つのキャンペーンと28の行動プログラムに取り組む。
JC(ジャパン・クリエーション)実行委員会は新人事と新組織を立ち上げた。川上の7工連代表によるものから繊産連、素材・川中製造業、商社、アパレルなど全繊維ベースで力を結集、繊維国際見本市を目指す。07春夏展は4月19〜21日、東京流通センターで開くが、07秋冬展は日程等未定。
経済産業省は、日本繊維産業連盟の06年活動方針に盛り込まれた新繊維ビジョンの作成に向けて、秋にも産業構造審議会の繊維産業部会とその下部組織である基本政策小委員会の合同部会を開き、検討を開始する。自立事業終了後の08年度新政策に反映させるには、予算の関係で07年度夏前には答申する必要がある。
日本貿易統計速報(財務省)によると、05年の衣類輸入は35億6千万枚(前年比3%増)、2兆1千億円(6%増)と過去最高。平均価格はニット製が同5%高、布帛製が2%高と、7年ぶりにプラス、脱デフレトレンドに転じた。国別では、中国が数量で91%、金額で82%とシェアを依然上げ続けている。
自民党が経済産業部会で繊維・ファッション政策小委員会の設置を決めた。昨年11月の繊維対策特別委員会の廃止に伴う措置。「繊維産業を川上から川下まで俯瞰し、構造的問題の総合的理解に立ち、21世紀の日本を支える産業としての発展を促す政策」を検討する。当面の課題は繭糸価格など「生糸3点セット」。今後は 日本ブランドの国際的認知の向上、ファッションビジネスの振興 高コスト構造の是正、高付加価値型生産・流通構造への転換促進、技術・経営革新の促進などのテ−マがあがっている。
経済産業省は、原油価格が今年1月以降、再度上昇傾向にあることから、9業種56社の大企業と、1474社の中小企業を対象に影響調査を実施。繊維の大企業では影響が若干拡大、中小企業では染色の9割以上で収益が圧迫されている実態が明らかになった。中小企業の中でも影響の大きい染色業は、全社費用に占める石油・石油製品関連費用の割合が約24%に達しており、9割以上で「収益を圧迫されている」状況にある。
政府は、悪質業者による勧誘や契約でのトラブル対策を目的とした消費者契約法案を閣議決定した。個人の被害者に代わって消費者団体に、差し止め請求権を認める「消費者団体訴訟制度」を創設する。開会中の通常国会で成立させ、07年春の施行を目指す。業者が多くの消費者に不当な勧誘や契約を行うか、その恐れがある場合に限り、業者の行為の差し止めを請求できる権利を認める。
経済産業省で消費経済審議会品質表示部会が開かれ、繊維製品品質表示規定の一部改正案が提出された。同改正案のポイントは①組成繊維の定義を見直し、「上衣又はコートの詰物(中わた)」を対象に追加②指定用語を見直し、「ポリ乳酸」を追加③混用率を見直し、列記表示の対象品を追加―の3点。
主な改正点は、サイドネックポイントの高さ、前中心丈などの用語51点を追加する。
主な改正点は、1.露光方法をJIS L 0801(染色堅ろう度試験方法通則)に整合させる。2.ブラックパネル温度計の規定をJIS L 0842(紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験方法)と整合させる。
この規格は、繊維製品の防汚性の試験方法について標準化を行い、生産及び使用の合理化、品質の向上を図るために制定するものである。1.適用範囲 2.引用規格 3.定義 4.試料及び試験片の採取及び準備 5.試験場所 6.試験の種類 7.装置及び材料 8.試験方法 9.判定 10.試験記録
1kg当たり2,000〜3,000円台で推移していた生糸の価格が4,000円台に高騰している。それは、日本国内の約77%の流通シェアを占める中国産生糸の高騰によるもの。浙江省、山東省、江蘇省など中国のシルク主力産地での天候不順による秋繭の不作、中国内需の高まり、インド市場での需要の伸び、欧州向け織物輸出の堅調な推移などが高騰の要因。ファッション衣料向けのテキスタイルトレンドは春夏、秋冬を問わず、ここ数シーズン「軽い」「ソフト」「上質感」が重要なキーワード。シルクはこれを体現するのに最も適した天然素材として欠かせないだけに、日本国内の各産地は困惑している。
揚原織物工業は国内でも数少ないベルベットの専業メーカー。特にレーヨンベルベットの生産で差別化を図る。原糸へのこだわり、織布から起毛、染色加工までの一貫生産による高い品質の物作りで、幅広い顧客の支持を得ている。ベルベットは、たてパイル織の一種。たて糸の一部を接結糸にして、たて二重織物を織りながら、織機に取り付けたカッターで接結糸の中心を切断する。1枚の生地が切られ2枚の生地になり、その切り開かれた部分がパイルになる。このパイルの1本1本の切断面が均一であることや、パイルが整然と垂直に立ち上がることで、生地としての色の深みや優美な素材感が得られる。
ダイワボウレーヨンは、吸放湿、弱酸性を保つpHコントロール機能、抗菌性を併せ持つ快適レーヨン「パラモス」を開発した。1月からわた売りを開始し、月10〜20トンの販売をめざす。パラモスには三つの機能をもつカルボキシル基をもつ物質を練り込んだ。アルカリ性のレーヨンに酸性の同物質を練りこむと凝固しやすく開発は難しかったが、分散剤や分散技術で克服した。吸放湿、抗菌など単独の機能をもつレーヨンは多いが、複数の機能を備える例は少ない。肌着、靴下などのインナー、ニーズがあれば不織布分野にも提案する。原綿価格はレギュラーの3倍以上。アクリルなど他素材と複合する場合、パラモスを30%ほど使うと、効果が期待できる。
スパンデックスメーカーの再編が進んでいる。国内スパンデックスメーカーでは、機能糸戦略を加速させているが競合が激しい。
デニムのクロキは06〜07年秋冬に向けた新素材として、帝人ファイバーの光発色繊維「モルフォテックス」を使った「GB」の販売に入る。これまで、シャツやブレザー用の軽めの生地を生産してきたが、12オンスクラスの本格的なジーンズ向けを想定し、独自に織り方も工夫した。GBは、たて糸にモルフォテックス、よこ糸にインディゴやブラック染めの綿糸を使う。モルフォの発色を生かすため、糸の組み合わせとデニムの組織を改良し、上品に輝くGBシリーズに仕上げた。よこ糸を替えることで、ユーザー独自のデニムを無限に作ることが可能としている。
東洋紡はソフトナチュラルな風合いを持つ梳毛糸「シングロード」を新たに開発した。06年春夏から紳士スーツのクールビズ向け素材などで展開を始める。シングロードは「高級なウールをカジュアルに着こなしたい」というニーズに対応するために開発したウール100%糸。毛羽を従来の半分にまで抑える特殊な糸構造によってヌメリ感をなくし、綿や麻のようなナチュラルな風合いを持たせた。また、繊維束の抱合力は従来比3倍で、様々な後加工が可能。後加工後の毛羽も抑えることができるという。織物にした際には軽量で通気性に優れ、クリアな表面感になるため柄がすっきりと出る。
日経産業,〔06・2・27(25)〕
トリノ冬季五輪では選手だけでなく、スポーツ用品メーカーも技術の粋を競い合っている。ミズノは選手の動作を三次元CGで再現し、皮膚の伸縮量や方向、速度などを解析し、スケートスーツに首や臀部、ひざ周辺には部分的に伸縮しにくい素材を使用して、パワーのロスを抑える。デサントはカナダチームにウエアを供給するが、これはカルガリー大学などと共同開発した素材で、表面に多数のくぼみを設け空気抵抗を低減している。アルペンスキー競技ではスイスチームにイルカの皮膚を模した凹凸をもつウエアを提供している。
リーフ(京都市)は、独自に開発したカシミヤの中空糸で横編み製品を開発した。1枚からの受注に応え、3月中旬から百貨店、専門店への卸販売を本格化する。カシミヤ原料と水溶性ビニロンを同時に紡績、最終工程の縮絨段階で水溶性ビニロンを溶解させ、糸の中に中空状態を作る。風合いがよりソフトになる上、軽く、バルキー性に富み、しわにもなりにくく、ピルも発生しにくい。紡毛の設備で細番梳毛糸並みの細さが実現でき、60番双糸を16ゲージで編みたてても18ゲージクラス以上に仕上がるなど薄地にでき、製品は従来の1/3〜1/4の軽さに仕上がる。小売価格はタンクトツプ12,000円、カーディガン15,000円など。
オーミケンシはテキスタイル事業で、新たにデニム市場に機能レーヨンを投入した。今夏後半には、光触媒レーヨン繊維「サンダイヤ」を使ったジーンズが大手ナショナルブランド1社から発売される予定。「サンダイヤ」は光触媒酸化チタン「ジュピターS」を繊維に練り込んだ機能レーヨン。綿と混紡し、現在、糸作りを行っている。光触媒は酸化チタンを繊維に練りこむことで、光に当たると強力な酸化力が生じ、接触してきた有機物を二酸化炭素と水とに分解させる働きがある。これにより「サンダイヤ」では消臭・抗菌・汚れの分解・UVカットなどの機能を発揮する。今後、新しい切り口としてレーヨン・デニムをさらにアピールする考えである。
人工皮革の開発の歴史とその製法を解説している。また、新たな取組みである「快適、感性、機能」を訴求した製品として、高い感性と通気性に優れる銀綿調素材、ストレッチ性スエード素材などの製法と特徴などを紹介している。
クモの糸の秘密として、クモの巣と糸の性質、クモから学ぶ危機管理、クモは紫外線を利用する、その糸から学ぶ信頼性など、興味深い内容で記述されている。ジョロウグモの成虫の牽引糸の弾性率は12.9GPaであった。また、牽引糸は2本あり、1本の糸の弾性限界強度とそのクモの重量とがほぼ一致した。クモの糸は絹糸のように紫外線で劣化するが、紫外線による分子量の低下による強度劣化と同時に架橋反応も起こり、特にUV−A照射では、応力は時間とともに逆に増大し、かなり上昇して極大値を示してから低下することがわかった。
日本を代表する夏の肌着「アサメリー」が誕生したのは1953年。高級綿を使ったZZの極細超強撚糸をフライスで編み立てた製品は、シャリ感を持ちながら、しなやかに肌にフィットする。50年以上にわたって夏の肌着のトップランナーとして走り続ける。アングル(現アングル・ミユキ)は大正期、欧州から輸入した綿強撚糸を天竺で編んだ肌着を開発し、「麻加工メリヤス」として販売していた。強撚の天竺は洗濯すると斜行しやすいため、より高い品質を求め、フライス編による試行錯誤を繰り返した。糸や編機、加工などの改良と工夫で生まれたのがアサメリー。その足跡と特徴が語られている。
3月5日に閉幕したパリコレでは「売れる服」に傾斜してきた欧州老舗ブランドに変化の兆しが見えた。シンプルなデザインの中に注文服のような高級感の漂う作品が目を引いた。この記事では、有名ブランドの作品の主な特徴を解説しており、多くのブランドが創業以来の伝統に現代的な解釈を加えることに成功しているが、デザイナー交替や辞任により、ブランドイメージを維持する難しさも伝えている。全体を通し、服のデザインはシンプルであるが、素材やディティールに凝るなどの高級感が増し、刺繍や柄ものは少なく、色は黒を基調にした暗めが多いという。
東レはナノテクを生かし、耐久性に優れた防汚・撥水撥油加工「タップガードNT」を開発。防汚加工には、汚れにくさ(SG性)と落としやすさ(SR性)の二つの機能がある。これまで両立させると性能が低下したため、洗濯が前提となるものはSR性を重視したものが多かった。今回は従来よりも高いSG性を実現。独自の食品防汚評価テストでは、家庭洗濯50回後にSG、SR性は3級以上、撥水・撥油性も4級以上を確認した。あらゆる素材に加工できるが、当面ポリエステルやナイロン織物から始め、ポリエステル綿混などへ広げる。生地値は従来加工のおよそ2倍で、1m当り未加工品の100〜150円増となる見込み。
花粉症を引き起こす原因となるアレルゲンの働きを抑制する機能を持つカーテン素材「アレルバスターカーテン」を小松精練が開発した。東レ合繊クラスターでの開発商品第一号となるもので、カーテンメーカー4社が製品化し本格販売に入る。アレルバスターは、積水化学工業が開発した特殊加工剤で、アレルギーの原因となるアレルゲンを高機能フェノール系ポリマーが包み込み、活動を抑制するもの。加工によって性能や耐洗濯性が飛躍的に上昇、毎シーズン洗濯しても最低5年間効果が継続するという。
チバ・スペシャルティ・ケミカルズでは、反応染料型UV吸収加工剤「TINOFAST CEL LIQ.」と蛍光増白剤型UV吸収加工剤「TINOFAST WEC LIQ.」を発売。前者は、主にUV-Bを吸収し、オフホワイト、淡色に推奨されている。反応染料の染色工程に投入すればよい。後者は、蛍光増白とUV-B吸収機能を合体した化合物であり、Tシャツ用など蛍光増白素材のUVカット加工に適する。UPF値は、TINOFAST CELおよび高白度のTINOFAST WECで、最高の50+を得ている。(抄録者注:UPF(Urtraviolet Protection Factor)は、オーストラリア/ニュージーランド規格の紫外線防護ファクター)
職人芸によるソトーの梳毛ミルド加工。縮絨や洗絨などの整理工程によりフラノやサキソニーのような微細な起毛の状態に加工する。また表面がふっくらとして柔らかい表情になる。紡毛、梳毛ともに加工されるが、糸が細い梳毛生地では、安定したミルド加工は難しい。さらにスーパーファインウールが増えるに従って、梳毛ミルド加工は最もハイレベルの技術が必要なものになっている。梳毛では一般的に紳士スーツやスラックスに加工。最近では薄く軽くを要望し始めた婦人服分野でも需要が増えている。同社は梳毛ミルド加工こそが、毛染色整理のクオリティーを見る上のバロメーターという。
日本のデニム業界はクラボウ、日清紡、カイハラが御三家。それに、主に広島、岡山県の機屋が生産している。坂本デニムはデニムの糸染め工場で、クラボウと地元両県の機屋などの糸を染色、40%のシェアを占めるトップ企業。坂本デニムの設立は1892年、今年が創業115年になる。元々はアメリカを追いかけてきたが、約10年前には追い越し、教科書は無くなった。この頃から藍染め、日本の色を原点にした色など時代が求める新たな色を生み出し、染めてきた色数は、ブルーだけで2,000色。「ジャパンデニム」がプレミアムジーンズなど高級ゾーンで一人勝ちし、世界で高い評価を受けている。
スパンデックス(ポリウレタン弾性糸)の加工上の問題点として、@紡糸時・織編時に使用するオイルの除去性A染色後の染色堅ろう度B製品のストレッチバック性があげられる。このうち、紡糸工程で用いられるシリコンオイルは、繊維に強固に付着していて除去が困難なため、染色のスポットムラの原因になることがある。特に、スパンデックス混用品では、精練工程中で一旦離脱したオイルが再付着するトラブルがあり、その解決が最重要課題である。この問題に対応する強力精練剤として、一方社油脂工業の「トライポンBP-10」が、データに基づいて紹介されている。
数年前から「男はオシャレになった」と言われているが、それはあくまでもファッションに敏感な層。40−50代の多くは仕事となれば相変わらず紺やグレーの地味で無難なスーツを着たままだ。ところが昨年あたりからカラフルな「きれいめ」な色の商品を求める人が増え始めた。今春夏はこの色の変化がうねりとなって、男たちの装いやスタイルそのものを大きく揺り動かし、新たな市場をも生み出そうとしている。
06〜07年秋冬ミラノ・メンズコレクションは、英国を背景にしたトラディショナルなラインやカントリースポーツのイメージが広がった。デニムを軸にしたハードなロックのイメージは影を潜め、しっとりとエレガントなテーラーリングへ傾倒している。メタリックなベルトやチェーンのアクセサリー、レパード柄をはじめとするアニマル柄のアイテムをミックスすることで、新しいイメージに仕上げている。トラッドに変化を加える上で、さまざまなレイヤードスタイルも増えている。シルエットは依然としてシャープなラインが中心であるが、ジョドパーズのようなボリューム感のあるパンツやひざ下がフレアになったラインも登場している。しかし、いずれにしてもすっきりとしたラインを形作っている。
マルキュー系SPA(製造小売業)のショップやその卒業組を狙うグラマラスカジュアルのショップで、海外で買い付けたキャッチーな商品が目につく。見慣れないテーストやアイディアが可愛くて、客もちょっとハイテンションで買って行くことが多いようだ。これらのショップの作り方のポイントは、“インポートっぽさ”。それを表現するのに必要なわけだが、オリジナルだけでは平坦になりがちな店を元気に見せ、複数購買にもつなげることができる。
女性の下着は、本来は体のシルエットを美しく整え、胸をしっかりと支える快適なものだが、デザインや見た目を重視して裏部と、かえって体のシルエットを崩し、健康への悪影響もある。下着との付き合い方を見直している。
サンリット産業は襟の折り返しを行わず身頃と一体化した「ビズラペル」ジャケットを発表した。同製品は一般のジャケットと見分けがつかないが、ラペルの裾を除いて折り返しがなく、身頃に固定されているのが特長。襟が固定されることによって、着崩れしにくく家庭洗濯対応などの消費性能が高まる。さらに軽量化と縫製しやすくなることから、品質精度が高まるなどのメリットがあるという。
「国内縫製業は斜陽産業ではない。成熟した市場が求める、将来性ある産業」と提言する業界技術交流グループが、その可能性を開く「セル生産方式」の研究会を1月発足した。国内生産の価値を追求する縫製メーカーも加わり、実ビジネス対応型の骨太の取り組みが始まった。
下着メーカーやアパレル各社が相次ぎ紳士向けの「美脚・美尻」商品を拡充する。パタンニングの工夫で脚を細く見せる美脚パンツは人気が定着し、紳士服業界で定番品になりつつある。各社は、デザインに凝った美脚パンツや男性用では珍しい補正用ガードルなど、従来に無い特徴の新製品を投入し、さらに需要を掘り起こす考えだ。
一世を風靡(ふうび)した3つのワンポイントブランド(クロコダイル、ゴールデンベア、マンシングウエア)が「ちょっと上質」をキーワードによみがえった。ファッション性を強調した衣料や雑貨などを拡充。GMS(総合スーパー)内で百貨店のような重厚な売り場を設けたり、組み合わせ提案できるような什器をそろえた。男性だけでなく、GMSの主要客である女性の財布のひもを緩めさせる商品も増やす。
男性肌着の最王手、グンゼの宮津工場(京都府宮津市)。若者に人気で、収益源に育ったブランド「ボディワイルド」の生産を引きうける。手がける品目は年間3600種類。需要予測から物流拠点までの機関は5週間と海外生産に比べ「鮮度」が売りだ。ここで用いられているのがTOC(制約条件の理論)と呼ばれる、全体最適を重視する手法だ。その具体的な解決策「DBR(ドラム・バッファー・ロープ)」が効果を発揮している。これは一番時間のかかる工程を選び、それを軸に全体の生産計画を組むやり方だ。これを導入して40%だった週次納品達成率は80%に改善。生産リードタイムも25日から15日に短縮した。
5年以上にわたって好調を続けてきたプレミアムジーンズが大きな転換期を迎えている。新規参入はいぜん多いものの、過当競争からブランドの淘汰が始まり、各メーカーはマーケティング戦略の練り直しを求められている。投資の対象となってきたブランドは、売り上げの拡大を求められており、セカンドラインの発売やアイテム拡大などの動きがつよまっている。
異なる施設のCS(顧客満足)担当者やスタッフが集まる「CSトリニティ」の結成から1年。他社のCS政策を学び、定期的に情報交換することでCS政策のより質的向上をめざすというこの組織が、参加する施設も全国的に広がり、課題も見えるなど、着実に成果をあげ始めている。
日本百貨店協会は「06年版百貨店IT白書」を発刊、01年に初めて取りまとめて以来、5年ぶりに百貨店業界でのIT活用を総括している。これまで各社個別の取り組みだった活用が、この5年間で業界一丸となって業務改革や業界標準の策定、共通情報基盤整備が実施され、量的拡大と質的向上を伴う急激な変化を遂げたと、総括している。
全国百貨店の05年年間売上高は、前年比0.2%減の約7兆8400億円となり、既存店ベースで9年連続で前年を下回った。04年に続き総額で8兆円を割り込んだ。紳士服のクールビズや厳しい寒さによる重衣料の活発な動きなどがスポット的に盛り上がったが、年前半とくに2月の落ち込みが大きく全体を押し下げた。ただ、減少幅は04年(2.8%減)に比べると大きく改善した。
便利で利用者も増えているが、ネット通販のトラブルを危惧する声もある。そこで、業者・商品選びから受け取った後の確認までの利用方法の7ヵ条をまとめた。ショップの信頼性・商品の詳細や代金・決済方法・納期と返品条件の確認、注文確認メールなどの印刷・保管、受け取り後の直ちの確認、通販協会への110番を紹介している。
リペア(修理)リフォームといった「お直し」市場で新興勢力が台頭してきた。節約型の従来のサービスと異なり、高級紳士靴や宝飾品の分野で高度な専門技術やデザイン力を武器に、消費者の支持を広げる。百貨店も集客の新機軸として連携を強める。店の片隅の裏方サービスから表舞台に踊りだした。
スーパーなど流通企業で、組合がパート労働者の賃上げを求める動きが広がってきた。UIゼンセン同盟では昨年より3割多い百以上の労組が要求を掲げる見込み。ここ数年、人件費削減のため正社員からパートへの業務シフトが進んだが、人手不足の深刻化で優秀な人材の確保が難しくなったため。
郊外型の大型小売店であるホームセンターの出店攻勢が鈍ってきた。スーパーなどの市場を奪いながら成長してきたが、大手9社が06年度に予定する出店数は140店舗弱と、05年度見込みに比べ10店ほど減少、業界全体の店舗数も05年初めて減少した。人口減時代を迎え、商業集積の市街地回帰が予想される中、郊外型消費をリードしてきたホームセンターの事業モデルも転機が訪れている。
全米小売り協会(NRF)06年度大会のテーマは「期待を超える解決策」で、そのアイデアが豊富だったと、尾原IFIビジネススクール学長が報告している。この大会に20年参加出席しており、米国の流通業界の革新の検証を可能にしており、日本の変化のスピード感のなさが感じられるとしている。
百貨店やスーパーの苦戦が続く中、駅ビル・ファッションビルが好調に売れ行きを伸ばしている。首都圏11施設の05年の全館売上高は10施設が前年実績を上回り、主力の衣料品も同様にプラス基調を示した。ターゲットを絞り込んだMDで買い回り性を高める、テナントを積極的に入れ替え新鮮さを保つ―といった都心立地という利便性に頼らない、自助努力が成果を上げている。
アイ・マーケティングアドバンスのインターネットによる大型スーパーの消費者調査で、消費者の利用度が高いのがジャスコ、店員の対応や経営でイトーヨーカドーであった。店舗間競争が激しさを増す中で、消費者が多角的に店やブランドを評価し賢く使い分けている実態がわかった。
05年の大規模小売店舗立地法(大店立地法)に基づく出店届け出件数は前年に比べ44件減の25件だが、売場面積1万u以上の大型店は4件増の108件であった。大店立地法施行後では最多。改正されるまちづくり三法が07年に施行される見通しで、駆け込み申請が増える可能性もありそう。
大手百貨店は、商品仕入れとMD構築の機能を本部に一本化させる政策を強めている。従来、店舗別や地域別仕入れの比率が高かったが、商品計画の精度を上げ、欠品を削減し売れ筋商品を確保するには、窓口一本化で重点取引先との関係を緊密化することが不可欠と判断した。スケールメリットを生かし、取引先から逆選別されかねない小規模店のMDを活性化するほか、自主MDの事業拡大に拍車をかける狙いもある。
全ク連クリーニング技術部会が、全国の業者を対象に、ドライクリーニングの洗浄水準を調査した。自社の水準を知りたいという要望に応えた初の試みである。参加施設436件。試験は、洗浄率を調べる汚染布と、再汚染率を調べる白布をドライクリーニングし、洗浄結果を色差計で計測する。結果は、洗浄率の平均はパークで30.7、石油で26.8であった。50%を超える施設もある一方、15%に達しない施設もあり、後者はお客の苦情に繋がると考えられた。再汚染率は不織布が高い数字を示したが、詳細は技術情報、35(11)〔06・2〕p3〜6を参照されたい。
三洋電機は空気だけでも、または水を用いても洗える家庭用洗濯乾燥機「エアウオッシュ」を、3月から発売する。オゾンを発生させる装置を搭載した。空気洗浄の場合は、ドラムの被洗物にオゾンを含んだ空気が噴射され、約30分で除菌・消臭ができる。水洗いの場合は、すすぎで使用した水をオゾンで浄化し、次の洗いに用いるので、使う水量は従来の半分で済む。この新機種の出現によって、家庭洗濯がさらに商業洗濯の分野を奪うのか注目されている。
ドライクリーニングの事故のうち、「際ツキ」事故を取り上げている。「際ツキ」とはドライクリーニング・乾燥を行った後、縫製品の縫い目に沿って発生するシミを意味する。シミの正体は、溶剤中の汚れやソープの「不揮発性残渣」であるが、どうしてそのような事故が起こるのかを日本のクリーニング業界の歴史から遡って解説しており、またこの業界の実態や問題点にも触れている。最後にメーカーとクリーニング業界との意見交換の必要性の指摘もある。
歩行動作中の口ゴム部圧迫力の変化を計測することによって脚部動作および圧迫力変化と口ゴム部のずり落ちとの関係を検討している。かかと回り前面部分および足首くるぶし部分よりも上部に伸縮性の大きな編組織(パール編)を挿入すると、引き下げる力が緩和され、口ゴム部のずり落ちを軽減できる。歩行動作としては、足の蹴り上げが大きいほど、ずり落ちが大きくなるが、上述の方法はこの点からもずり落ち防止法として効果がある。
不織布の開発動向の紹介。芯地では、アパレル製品の過酷な後加工に耐えられる接着性を得るために、ダブルドットが開発された。これは非熱可塑性の第一層と、接着樹脂の第二層から成る。第一層は、基布側への接着樹脂のしみ出しを防ぐとともに、第二層の接着力をバックアップする。中入れ綿では保温性向上のために、細デニール、中空カプセル、2層構造などの手段がとられた。マスクでは、特に産業用途において、顔形状にフィットし、かつ低い吸気抵抗と高い粒子捕集効率が要請されるので、不織布フィルター素材の三重構造が開発された。
名古屋市消費生活センターは乳児用衣類から基準値を超えたホルムアルデヒドが検出された違反事件があったことを受け、綿100%の乳幼児用衣類4銘柄の商品テストをした。違反事例はいずれも空気中のホルムアルデヒドが衣類のプリント部分に吸収されたことが原因だったことから、布部分とプリント部分の切れ端を子供服売り場とホルムアルデヒドを発生させた容器の2カ所に放置してテスト。子供服売り場では28日目にプリント部分で基準値を超えた。容器内では、1銘柄以外すべて14日で基準値を超えた。購入時は袋入りを選び、使用時には洗濯をする。収納場所に要注意とアドバイスしている。
洗濯乾燥機の市場では各メーカーの最上級機種に売れ筋が集中しており、多彩な新機能が消費者の支持を得ている。量販店各社はドラム式洗濯乾燥機を中心に売り場を構成しており、節水とヒートポンプの搭載、温水ジェット泡洗浄機能、バイオ・スチーム洗浄機能、運転音・振動低減設計、槽内の防かびなど、特徴も様々である。洗濯機に占める洗濯乾燥機の販売シェアは、店頭では三分の一に拡大し、本格普及期を迎えつつある。
日華化学が花粉に予防効果のある加工剤「プライムガード4」を発売した。外出着に事前に加工しておけば、花粉の付着を防ぎ、付着しても手で払うだけで簡単に落とせる。スプレー専用なので、少量の過去処理が可能である。繊維表面に膜を形成するので、ハウスダスト(塵、ダニの死骸)からも衣類を守れる。
岩手県立県民生活センターは、吸湿して発熱する繊維を使用したアンダーウエアについて、表示,保温性、透湿性、洗濯による変化などを16銘柄についてテストした。表示に関しては、全銘柄とも繊維製品表示法が守られていた。通気性は銘柄で差が見られたが、透湿性は差がなかった。吸水性は肌側で測定したが10分経過しても吸水しないのが1銘柄あった。洗濯による変化は、縦方向で縮む銘柄がほとんどだったが、横方向では、縮む銘柄と伸びる銘柄は、ほぼ半々だった。発熱測定方法は、温度測定、測定条件、比較対照素材(組成)に各社違いがあり、測定方法の統一が望まれる。
靴下市場ではレギュラー靴下一辺倒ではなく、消費者ニーズも多様化している。たとえば締付力の強い弾性靴下が市場では認知されているが、他方、口ゴムの締付力が緩い靴下の要望も高齢化社会への進展とともに増加すると見込まれる。本編は「口ゴムなし靴下」について種類と特徴を述べている。口ゴムの締め付けが緩い商品群としては、口ゴムを使用しないものと、使用するが締め付けを弱くしたタイプがあり、それらの製造法にも触れている。
静岡県環境衛生科学研究所は、防虫剤に使われるパラジクロロベンゼンが収納容器の外にどのくらい揮散するかをプラスチック製2タイプ、木製、ダンボール紙製4種類の収納容器でテストした。夏は成分が揮散しやすいので、押入れの濃度は冬よりずっと高い。容器2箱置いた押入れ内の濃度は、1箱の時の倍以上になった。容器の形態で防虫剤成分の漏れだす量が異なる。衣類に残った防虫成分は3日間の陰干しでほとんど揮散した。防虫剤使用時は、密閉製のある容器を。高温下では、換気に注意し標準使用量を守るようアドバイス。
全ク連クリーニング綜合研究所は先頃続出した海外製品の要注意事故例を発表した。事故事例として「アルマーニ」の紳士スーツでポリウレタン混のウール生地で、ケアラベルに沿ってクリーニングされたにもかかわらず、ポリウレタン糸が吹き出したというもの。同研究所によると、この素材はポリウレタンの芯にウールを巻き付けた構造の糸を使用しており、クリーニング時に芯糸が溶剤を吸い込んで膨潤し、生地表面に吹き出したという。国内アパレルメーカーに対しても、同様の事故の防止を訴えている。
カシミヤ&キャメル製造業者協会(CCMI)が、同協会内にスーパーファイン・ウール評議会を新設した。欧州、米国、日本市場でのスーパーファイン・ウールのラベル表示管理が目的。構成は、ロロ・ピアーナやエルメネジルド・ゼニアを含むイタリア11社、スイス1社、米国1社の計13製造業者。IWTO(国際羊毛繊維機構)が定めたスーパーファインの素材や太さの規格に合った正しいラベル表示がされているかどうかを調査し、正確な表示を促進する。調査の結果、偽表示や誤表示が認められた場合は、表示の訂正や販売停止を求める。スーパーファイン・ウール素材の分析調査も請け負う。
ファッション戦略会議は第3回「東京発日本ファッション・ウィーク」(JFWイン東京)の会期を07年春夏パリ・コレクション(10月3〜10日)より先に9月4〜7日とし、主会場は東京国際フォーラムに決めた。3月18〜24日の第2回は前回同様聖徳記念絵画館前の特設テントで30メゾンが出展予定。
ア・ベイシング・エイブ(ベイブ)(04年12月)、ユニクロ(05年9月)、NAVE(06年2月予定)、サマンマタバサ(06年春予定)など日本のファッションブランドのニューヨーク進出が相次いでいる。様々な人種や職業の人々が集まるニューヨークは、新しい流行を作り出すためでなく、それを世界に広める情報発信力があり、それに期待しているという。
繊維ファッション産業でCSR(企業の社会的説明責任)を遂行する手段として大手アパレルや小売業が導入する取引先との行動規範(CoC)に加え、メーカー・工場で導入する包括的なマネジメントシステム「CSM-2000」の認証を得ようとする動きが目立ってきた。認証を得ることで、世界の小売業や有名ブランド先からトップクラスの事業所と認められ、対欧米輸出強化につながる。この認証は、日本ではエコテック・ジャパンが制定、指導や支援業務を担当。
瀧定大阪が若手クリエーター支援のために設立したテクスタイルデポは、本格化して約半年が経過、服飾専門学校を中心に会員数は4,000人となった。会員登録すれば0.5mから生地を買えるネット通販システム。さらに起業した個性派アパレルメーカーなど法人会員の獲得に力を注ぐ。品揃えは瀧定大阪の素材が中心。今後、産地メーカーなどと取り組んでオリジナル素材を増やす考えだ。東京・恵比寿と大阪・北堀江にショールームもある。ネット販売に対応する多数の生地見本(北堀江で500点)のほか、学生や新進クリエーターの作品、ブランドを展示販売しており、コミュニケーションの場にもなっている。
ウエアラブルコンピュータとして衣服に組み込み、様々な機能を衣服に持たせる技術開発が進んでいる。ウェアラブル環境情報ネット推進機構(WIN)などは冷暖房服を開発中。背中部分にペルチェ素子を組み込み、体温に応じてコンピュータが素子を制御し、個人差を考慮して快適に過ごせるようにする。東大の川原圭博助手がWINと開発しているのは、センサーで測った心拍数、気温などをもとに体の状態や天気に応じてアドバイスをしてくれる賢いスポーツウエアである。また慶応大の脇田玲講師による発光ダイオードや体温センサーを使いファッション性を追求する試みもある。
コロモ・ドット・コムが1月末で解散。ストリートファッションやショップカルチャーなどの情報発信事業は、日本ファッショ協会が、求人情報提供のジョブサーチ事業を日本アパレル産業が継承する。
日経シンガポール社と日経リサーチは、アジア10力国・地域で日系企業の現地従業員給与・待遇調査を実施。表のような結果を得ている。
品質情報研究所では、消費段階、クリーニング現場での事故原因を解析し、これを繊維素材別にまとめた書籍『トラブルで知るファッション素材』を出版した。約200点の豊富な図版と事例によって構成された同書は、商品企画、バイヤー、販売員、クリーニング従事者にとっての実践的でわかりやすい内容となっている。書店では扱ってない。申込先:品質情報研究所 FAX0426-77-7820
①5月26日
②大阪科学技術センター
③世界のウエアラブルコンピュータ応用製品の最先端、ウエアラブルファッションの最新動向、ウエアラブルコンピュータの未来、他
④日本繊維機械学会 TEL 06-6443-4691
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:中島利誠/発行人:大谷芳男