ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧(2003年度:第20巻〜)→
内閣府は、国民生活センターが管理する「PIO-NET」を、経済産業省、金融庁、警察庁、公正取引委員会など各省庁とオンラインでつなぐことについての検討会を立ちあげる。経産省が「悪質業者を早期に取り締まり、消費者被害の拡大防止に活用したい」としたためだが、同センターは「個人情報保護などで相談者からの信頼が揺らぐ」と反対している
経済統計の制約により経済産業省の商業販売統計など個人消費の実態が見えにくくなっている。インターネット販売や宅配の普及などで卸売業と小売業の販売データのギャップが拡大。家具や家電製品などの高額消費でも好不調の両面を示すデータが混在している。国内総生産(GDP)の6割弱を占める個人消費の構造変化を統計が十分に反映してない格好で、景気診断に微妙な影響を与える可能性もある
政府が支援した中小繊維製造事業者自立事業の成果調査が発表された。実施事業者の9割が「短期に下請け比率の減少・自主企画の増加」を体験し、「企業の存在感を高めた」など、この取り組みにプラスの評価を下している。調査対象は、平成15、16年度の実施事業者243社。特徴的なのはすべての業種で実施後、短期間のうちに賃加工・OEM生産比率が減少する一方、自社企画の提案型受注生産や自社リスクでの製造・販売が増加した。しかし自立化事業で店舗の開設を計画していた事業者は91社(40%)あったが、その約3割が取り止め、若しくは撤退しており、販売面では難しさが浮かび上がっている
中小企業庁は6月に施行された中小企業ものづくり基盤技術高度化法に基づく「特化研究開発事業」で、全体で399件を認定、うち織染加工の技術分野は15件であった。高感性化に向けた異素材縫製物の織染加工等技術の開発、四軸織物による複合材料製造技術の開発、ハイブリッド・ファッション創造加工技術開発のための次世代縫製と製品染め関連基盤技術の開発等
公正取引委員会の07年度概算要求は86億4100万円で前年度比4%増となった。@迅速かつ実効性のある法運用Aルールある競争社会の推進B競争環境の積極的な創造C競争政策の運営基盤の強化、の4つの重点課題に取り組む。ルールある競争社会の推進対策では、新設された大規模小売業告示に基づく厳正な法執行を行う。中小企業に不当な不利益を与える優越的地位の乱用や不当廉売の行為などに対して迅速・厳正に対処する。独占禁止法の執行力強化のための体制整備、景品表示法の運用体制充実のため、合計65人の増員を要求する
主な改正点は、1.「蛍光増白度スケール」を「蛍光スケール」に改め、JIS L 1916(繊維製品の白色度測定方法)の定義に整合させる。2.「蛍光増白度堅牢度スケール」及び「蛍光増白対光堅牢度スケール」を削除する。3.「収縮率」を「寸法変化率」に改め、JIS L 1057(織物及び編物のアイロン収縮率試験方法)の定義に整合させる。4.「抗菌性」の定義をJIS L 1902(繊維製品の抗菌性試験方法・抗菌効果)の定義に整合させる。5.「酸化窒素ガス試験器」を「窒素酸化物試験装置」と改め、JIS L 0855(窒素酸化物に対する染色堅ろう度試験方法)の定義に整合する
主な改正点は、1.国際規格の規定用語をこの規格に組み入れるとともに、その用語に対しては、この規格の用語欄において注を追加し、対応英語を太字で示すなど明確化する。2.定義欄に多用されていた“メリヤス”という用語は現在用いられなくなったため、“ニット”に変更する
主な改正点は、(1)成熟度試験のうち「染色による方法」において、現在、試験に使用している染料の一部が製造中止などにより入手が困難な状況のため、カラー・インデックスから試験目的に合った染料を選んで用いることに改める。(2)油脂分の試験において、抽出溶剤を四塩化炭素(試薬)からジメチルエタノールに改める
主な改正点は、1.「7.試験方法」について、ローター形摩擦溶融試験器及び円形摩擦溶融試験器を構成する「回転円盤」及び「試験片の把持具」の表面を平滑に保つために使用する、「研磨紙」の種類を「CC240番」を「P240番」に「CC600番」を「P800番」にそれぞれ改めた。2.「4.試験及び試験片の採取及び準備」及び「5.試験場所」について、JIS L 0105を引用するように改めた
主な改正点は、1.「表題」及び「1.適用範囲」について、「収縮率」を「寸法変化率」に改め、「10.計算」も「寸法変化率(%)」を求める式に改める。2.「4.試験の条件」及び「7.資料の採取及び試験片の作成」について、JIS L 0105を引用するように改める
主な改正点は、1.「7.1d」ドライクリーニング法」について、洗濯操作のうち、ドライクリーニング法に用いる試験液をJIS L 1018(ニット生地試験方法)及びJIS L 1096(一般織物試験方法)に規定する試験液に改める。2.「9.3外観判定法」について、観察装置、判定用標語に用いる判定用標準立体レブリカ及び試験片の大きさをISOの規定に整合させる
主な改正点は、1.現行JISでは、「摩擦ゴムドラム」の堅さをJIS K 6301(加硫ゴム物理試験方法)に規定する「スプリング式堅さ試験器A型」で測定すると規定しているが、JIS K6301がJIS K6251〜JIS K6260に分割されたため、JIS K6253(加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法)に規定するタイプAディロメータによって測定したとき、硬さが55〜60のものに改正する。2.「4.試験場所」について、JIS L 0105に規定する方法を追加し、試験実施上の試験条件を明確にする
主な改正点は、1.「試験及び試験片の採取及び準備」について、JIS L 0105(繊維製品物理試験方法通則)に規定する内容を引用する。2.「試験場所」の項目を追加し、JIS L 0105に規定する内容を引用することにより、試験実施上の試験場所の条件を明確にする
東レの短繊維事業部トレロン課はこのほど、保湿成分を配合したアクリル・レーヨン混紡糸「ミルキーモイスト」を開発した。06秋冬向けから、インナー用途を主体に、シーツなど寝装にも展開する。ミルキーモイストは、マイクロアクリル「シルウォーム」とダイワボウレーヨンの牛乳タンパク練り込みレーヨン「ミレー」との混紡糸。ミレーは8種類の必須アミノ酸を含め、18種類の天然アミノ酸を持つ。セリン、アラニン、リジンなど天然保湿因子であるアミノ酸も含まれる。また、天然アミノ酸の働きにより、緩やかな抗菌作用も期待できるという
京大の矢野浩之教授らは植物繊維「セルロース」を原料にした金属並みに頑丈で軽い新素材を開発した。セルロースをナノテクノロジーで強化した。セルロースはもともと高強度であり、数nmの細い繊維が束になった構造をしている。矢野教授らは、この束を水溶液に分散させ特殊な機械でほぐし、繊維同士が密着しやすいようにした。これを板状に固めて試験したところ、半分の重さでもアルミ合金と同等の強度があった。さらにフェノール樹脂を加えて固めると、重さは1/5でも軟鋼に匹敵する強度を持つという。従来の樹脂や金属材料の代替材料として実用化を狙う
三菱レイヨンは、07年春夏向けにアクリル長繊維「シルパロン」の六葉断面糸「ビードライ」と綿の複合糸およびシルパロン・綿の「ハイビスカス」とレーヨンとの複合糸を開発。先染め糸は提携先の三山がそれぞれ96色のカラーストックで販売する。前者は、ビードライの150dの加工糸と綿の30番単糸を複合。吸水速乾性と特殊加工による膨らみ感とストレッチが、これまでのシルパロンと綿との複合糸にはない特徴である。後者のハイビスカスとレーヨンの複合糸は、ドライタッチのシルパロンにはない、しっとりとした触感と上品な光沢が特徴。トレンドを意識してシルキー調に仕上げた
合繊メーカー各社のブラックフォーマル向けポリエステル織物のシェア(市場占有率)争いが、し烈になってきた。その背景には、合繊への需要が安定している分野であることや、糸の開発から製織、染色に至るまで日本の技術に海外が追いつけないことがある。各社は06年度に入り、相次いで新原糸を出した。新素材の投入で拡販への体制が整ったとするところが多く、シェア争いはさらに加速しそうである。ここでは、合繊各社のブラックフォーマル新素材を紹介している
布団の中わたとして使われている、ポリエステル短繊維について、素材メーカーでは、保温性、衛生性、快適性、安全性、風合、クッション性などを改良した種々の改質わたを上市している。東洋紡績の主要な改質わた(かさ高、クッション性、羽毛ライク、抗菌防臭・防ダニ、吸湿性付与)について、機能付与方法、特徴などを説明している
クラレトレーディングは07〜08年秋冬向けスポーツ素材で、PBT(ポリブチレンテレフタレート)とポリエステルのサイドバイサイド型コンジュゲートヤーン「ビューフィット」を開発。「エルモザ」や「ランプ」で培った得意の2成分紡糸技術を応用することで、難しかったハイカウント化に成功した。従来の約半分の細さ(1d強)による、しなやかでソフトストレッチと肌触りが特徴。フィットネスやウエルネス分野へ提案する。繊維の分子自体が伸縮するため糸は捲縮しておらず、薄地作りが可能。染色堅ろう度や耐久性(耐塩素、耐日光、耐洗濯)も優れる
東洋紡は、07秋冬インナー素材として「ウォーモ」「極衣」の2素材を新たに開発した。ウォーモは、0.5デシテックスレベルの超極細アクリル短繊維と中空ナイロン長繊維を複合させた長短複合糸使い素材。軽さ、しなやかさと保温性を両立した。極衣は、同じく0.5デシテックスの超極細アクリル短繊維を使うことで、パウダータッチな滑らかさと優れた抗ピリング性、吸水速乾性を実現した。そのほか、07秋冬インナー素材としてセルロース系繊維に吸湿物質を分子レベルで結合させた吸湿素材「リフレス」や衣服内環境コントロール素材「ウォームナビ」など、快適性を科学的に追求した「薄くて軽い」保温素材を重点的に投入する
通常のポリ乳酸は、L−乳酸が主体であるが、D−乳酸を共重合することにより融点の異なるポリ乳酸を得ることが出来る。これらのポリマーを複合することにより、テラマックの新しい原糸として、低融点PLA(ポリ乳酸)と低融点PLAとの芯鞘構造とした融着繊維、及びレギュラーPLAと変性PLAをサイドバイサイドとした潜在捲縮繊維などを開発した。その他に、テラマックの制菌性、難燃性などの機能性についても解説している
旭化成せんいは「薄く、軽く、着用感が少ない」をテーマに、07〜08年秋冬向けインナー素材を開発。全般に薄地・軽量化を進めながら、難黄変、吸湿発熱などの機能性とトレンドを意識した感性の両立を目指した。新素材は肌着向けの素材で、吸湿発熱機能をアップした「サーモギアW」。キュプラとアクリル複合のサーモギアに、防縮ウールを混用した。従来よりも1℃吸湿発熱性が上がるため、吸湿発熱性はそのままに薄く仕上げることもできる。ポリウレタンでは、難黄変の「ロイカFW」と常圧可染ポリエステルを組み合わせたファンデーション用たて編「オルノ」があり、アパレルの評価は高い
小松精練は北陸産地の糸加工メーカーや機屋、ニッターなどとの連携による素材、商品開発の促進を目的に、「チーム・ホクリク」を組織し、活動を開始した。今月パリで開かれるプルミエール・ヴィジョンで小松精練のブース内にチーム・ホクリクのコーナーも設置し、国際舞台にデビューする。チーム・ホクリクは、北陸3県の糸加工メーカーから機屋、染色、ニッターなど約30社で構成。テキスタイルデザイナーなどマーケティングの外部専門スタッフとも連携し、糸から織編のファブリケーション、染色加工まで一貫した物作りの中で、商品開発、素材開発を行い、市場への販売につなげる
クラレは差別化人工皮革「パーカッシオ」でストレッチ品を開発し、今月から販売する。パーカッシオは同社の人工皮革の差別化品として5年前に開発したもので、天然皮革並みの高級感ある触感や外観、通気性や軽さを備える。販売価格は主力の人工皮革「クラリーノ」のほぼ倍であるが、テニス、ゴルフ、ファッション、ビジネス、ウオーキングなど各種シューズで広めてきた。新開発のストレッチは、従来と違った不織布構造や特殊ポリウレタン樹脂により機能を持たせた。すでに、ウオーキングシューズで引き合いがある。現在は靴用途が中心であるが、衣料や鞄、インテリアなど多用途展開をめざす
第26回中日工程技術検討会に招聘されて参加し、紡織組として紡織産業総合研究所と交流。世界の化学繊維の生産は、中国の急拡大により、欧米日が縮小均衡を強いられている中、台湾はほぼ横ばいで推移している。化学繊維産業の施策は、技術開発、構造改革、川上〜川下の有機的な協力、紡織産業のインフラの設立、環境保護である。特化化学繊維として、台湾人造繊維製造工業同業組合「高科技新機能性人造繊維紹介」より、製造会社、機能性素材、極細繊維、異形断面・染色性改良繊維、原着・白度改良繊維、新繊維、産業用高性能繊維、不織布用短繊維が一覧表で紹介されている
フジイコーポレーションは、カシミヤ100%をふんわりと軽く仕上げる「エアリア」加工とその製品洗い加工「エアリアウォッシュ」を開発。エアリアはカシミヤに空気をまとったような軽さと膨らみを与える加工。同じ厚みでも20%軽い。これに洗いをかけ、アタリやビンテージ感を出したのがエアリアウォッシュで、洗い加工に起こりやすいフェルト化やピリングを防ぎ、柔らかさを保っている。ジーンズにも合うジャケット素材として、大手レディスアパレル3社と大手メンズアパレル2社が採用。小売価格は、カシミヤ100%のジャケットで15万〜19万円、30%混で56,000〜59,000円、18%混で47,000〜49,000円
セルロースの改質加工をレビューしている。亜リン酸セルロース化することによる洗濯耐久性のある防炎加工、ベンゾイル化セルロース(セルロースの疎水化)による綿/ポリエステル混の分散染料による染色、水溶性にしたカルボキシルメチル(CM)化セルロース、同物質の応用例として、CM化綿布帛に亜鉛または銅を担持させることにより洗濯耐久性のある制菌・消臭機能の付与、スライバーの状態でのマーセライズ加工(ソフト化)、高圧水蒸気処理による防縮・防しわ性付与などについて紹介している
和装染工場でインクジェット染色機の導入が進んでいる。伝統の友禅染めに最新の染色機で挑戦する動きで、野村染工が先行。現在は振袖の生産が中心だが、各社が研究を進めており、今後、広がる可能性がある。昨年からインクジェットの商品に京友禅証紙が発行されるようになったことも後押ししている。伝統を重視する京友禅業界だが、京友禅協同組合連合会は「京友禅の歴史は最先端の技術導入の歴史。今の最先端がインクジェットなら、それを導入するのになんら問題はない」と肯定する。平均年齢が60歳以上といわれる京友禅染め職人の高齢化と職人数の減少対策でもある
アイ・エフ・ビー(大阪市)はクロム、ホルマリン、化学染料を使わない無公害レザー「ポルティラ」の開発に成功。なめしにクロムを使わずに、柔らかな風合いで色も赤系以外は表現できる。同社は「世界初の新技術を世界基準にして、疲弊している国内産地を活性化するとともに、中国やインドに勝てるレザーにしたい」と強い意欲をみせている。クラボウから合成染料を使わない着色技術「エコ・トーン」の技術供与を受けたことで、皮革の発色に成功。繊維の安全性に関する国際基準「エコテツクススタンダード100」の認証も受けた。現在、月間生産量は婦人ジャケット換算で約200着。需要が伸びれは増設する
ダイワボウノイは活性酸素を分解する機能を持つ白金ナノコロイドを生地に付与した機能加工素材「プラチナエリート」を新たに開発した。この種の機能加工素材は、国内紡績で初めてという。07春夏向けからパジャマ、肌着、シャツ、パンツ、ふとん側地などの用途に向けて販売を開始する。生地に付与する白金ナノコロイドはプラチナをナノレベルに微粒子化したもの。活性酸素を分解する物質の多くは特定の活性酸素にしか作用しないが、プラチナは多種類の活性酸素に作用するという。また、プラチナ自身が変化せず、触媒として作用するため、その分解能力が持続する
(上)[同誌41(7)、〔06・7・10〕p448〜452]では、中国繊維業界の構図、紡織・加工企業の分布、品質規格に対する認識の格差(失敗例を含む)、染色技術のレベルが紹介された。本号では、各種堅ろう度の具体的改善を取り上げ、使用されている各種繊維の染色堅ろう度向上剤と洗浄剤、改善策、改善前後の判定事例を報告している。項目に洗濯・水・汗、塩素、色泣き(大丸法)、摩擦、汗・耐光がある。十数年来、中国で染色薬剤の販売に携わった筆者(上海大祥化学工業有限公司・総経理/センカ取締役)の中国染色業界考でもある
染色物の色修正は、色相・濃度の相違、染ムラ等が生じたときに必要になる。ダイスタージャパンは、色修正に適用可能な助剤をあげ、素材別に色修正レサイプを紹介。セルロース繊維では、直接染料染めの脱フィックス、一般の直接染料と2種のSirius染料に分けた脱色、反応染料の色修正・脱色、スレン染料の脱色につき、各々の処方が示されている。ポリエステルではキャリアを併用した色修正・脱色、ウールでは酸性染料と含金染料の色修正、ナイロンの色修正・脱色、アクリルでは高親和型カチオン染料の色修正と中〜低親和型カチオン染料の色修正・脱色に対する各レサイプがある
商社にとっての主力事業であるOEMビジネス(相手先ブランド生産)が変化を見せつつある。基本的にこれまでのOEM事業は、アパレルや小売業などから仕事を受ける“在庫リスクが比較的少ない効率的事業”として取り組まれてきたが、昨今では生産から物流までの商社機能を駆使したり、自社で企画提案を行うなど、アパレルやSPA(アパレル製造小売業)に向けた“企画提案型”が主流になりつつある。こうした中で、在阪の専門商社は東京市場対策を強化しており、組織・システムの再構築や生産背景の確立など、各社で東京市場を意識した内部的変革が始まっている
この春、雑誌やウェブサイトで注目されたのが「生デニム」や「ワンウォッシュ」。生デニムはのりづけした生地を縫製したジーンズ。1度洗ってのりを落としたものをワンウォッシュと呼ぶ。ここ数年、生地の色を落としたり、ほつれさせたりするなど、着古した感じが流行。その反動か、加工をしていない、本来の色を残した「濃色ジーンズ」が新鮮に映るようだ。素材にこだわるファンが多いメンズでは生デニムが人気。セレクトショップ大手のユナイテッドアローズでは「型数は前シーズンの2倍。秋冬から買い替え需要が高まる」と見る
盛夏物紳士肌着の動きが活発で、2年続きの好調な商戦になりそうだ。2年目になるクールビズキャンペーンと6,7月に気温が上昇し、メーカーに2ケタ増が目立つ。GMSでも春夏シーズン全体の扱いを上方修正するケースがある。前年2ケタ伸ばした秋冬物も、今年その実績をさらに上乗せする傾向だ。基幹商品に威力がついてきた
来春夏に向かってワンピースへの期待が高まっている。服地素材商戦でアパレルからのワンピース向け素材を要望する声が今夏から急増、「店頭消化率も高かった」ことでアパレル、コンバーターとも自信を深め、ワンピース素材が広がっている。エレガンスの流れを受けて、半袖やノースリーブ、襟や胸元、ウエストに変化をつけたワンピースなど、多彩なデザインが今夏店頭で目立った。夏はポリエステルのスムースが、秋ではスムースに加え、ベルベットオパールが広がっている
日本繊維産業連盟(前田勝之助会長)は7月31日に常任委員会を開き、次の繊維ビジョン策定に向け、「今の問題、中期の課題を明らかにし、それを実行に移すため製造から小売りまでの繊維にかかわるすべての業界が一致団結」(前田会長)するよう強調した。また、経済産業省でも「来年5-6月のとりまとめに向けて、産業構造審議会で審議を開始する前に繊産連、関係業界の有識者、経産省のビジョン担当者でブレーン・ストーミングの場を新設する」方針を明らかにした
アパレル製品のタグに「企画・デザイン=日本、縫製=中国」などと記されたものが増えた。かつて原産国表示は不当表示が主要問題だったが、製品輸入の激増と海外生産様式の多様化により、改めて「原産国表示」のあり方が問われている。そこで、中小企業基盤整備機構と日本アパレル産業協会は7月末、「アパレル業界における原産国表示ガイドセミナー」を開いた。アパ産協の「アパレル業界における原産国表示マニュアル」を基に、品質管理小委員会の藤吉一隆委員長(レナウンアパレル科学研究所社長)が解説した。ここではその内容をまとめ、マニュアルを解説している
大手スーパーが子供服で戦略商品を相次ぎ出している。いずれも大人向けブランドの子供版。イトーヨーカ堂は既存の小学生向け自社ブランドを全廃し、30〜40代向けのカジュアル衣料ブランドに小学生向け衣料を追加する。イオンは30代女性向けの婦人服ブランドに今春、3〜9歳児用の子供服を加えた。平和堂でも同様に大人向けのブランドで小学校高学年の女児向けの衣料品を売り出した。この背景には、少子化で子供服市場は縮小しているものの、団塊ジュニアなどの若年ファミリーに親子で同じブランドの衣料品を買ってもらい、売り上げを伸ばす狙いだ
三陽商会は、中国での内販に着手する。5月に輸出入貿易と、中国国内における卸売業務などを行う現地法人を上海に設立したが、12月にも上海に直営店を開設することになったため、小売業務を中国政府に追加申請し、9月末にも正式に認可される見通しである。直営店で販売するブランドは「フラジール」と「ジョアンナ・ホー」。現地法人の名称は上海三陽時装商貿易有限公司。5月23日に中国市場で衣料品や関連雑貨の卸売り、貿易業務、企画生産管理業務などを行う会社として設立。中国では、小売の物件が確定して初めて小売業の申請ができるということになっているため、同社は上海で直営店の場所を確保し、中国政府に小売業の追加を申請、9月末にも正式許可が下りる見通しになっている
専門店を主販路にする中堅レディスアパレルでベテランのデザイナーが体系が、微妙に変化していく40〜50代を若く見せる服作りで、活躍している。企業側はこれまでの実績を信頼し、デザイナーの裁量の幅を広げている。展示会でデザイナーが細部まで説明する光景は、“アパレルビジネスの核心は物作り”を再認識させる。だが、ベテランばかりが目立つ状況には、後継者不足の問題も見え隠れする
米大手アパレルメーカー・グッズ35社の05年度決算は、合計で売上高が前期比9%増、純利益は12%増であった。百貨店売場の縮小とディスカウンターのPB拡大により、大手は小売り進出を含む総合化が進み、市場にあふれる資金もあって、「国際市場に通用するパワーブランド」をめぐるM&Aで業界再編が進んでいる
中国アパレル企業の今年上期(1〜6月)経営業績は、売上高が2432億元(1元=約14.5円)前年同月比28%の増収となった。利益総額は103億元で、売り上げの伸びを上回る31%の増益を確保した。また、上期のアパレル小売り総額は前年同期比18.1%増となり、マクロの中国消費動向を示す社会消費品小売総額の伸び率を4.8ポイント上回った
シャツ製造大手が東南アジアやインドでの生産強化に乗り出している。各社はすでに中国に工場を持っているが、米欧と中国の貿易摩擦で自主規制が足かせになっている。トミヤアパレルは来年7月を目途にベトナム北部に新工場を設立。三分の一は第三国向けのOEMにあてる。山喜は今年1月、ラオスに工場を新設。生産量の5割を欧州向けに輸出する。フレックスジャパンは年内にもインドの合弁工場を増強。各社は中国の工場で日本向け製品を生産し、欧米向け製品は東南アジアで生産する計画
日経MJがまとめた05年度専門店調査では、前年度比伸び率が7%と04年度の4%を上回っている。上位企業が体力を武器に新規ショッピングセンター内などへの積極的に出店を進め、売上全体を引き上げる構図が鮮明化した。衣料関係では、婦人服で出店策が成長を左右し、紳士服でクールビズが増収させ、カジュアルで上位の伸びが顕著だった
アウトレットモールの新設・増床(増設)が再び活発化してきた。首都圏や関西圏を軸に全国主要都市周辺で目立ってきている。米国の300カ所4兆円に対し、日本の30カ所4千億円からして、まだ成長できると開発側は踏んでいる
カジュアル衣料専門店が、中国での出店を本格化している。主要顧客に想定している中流層以上が増えており、08年の北京五輪に向けた大型商業施設の建設ラッシュも追い風になっている
日本アパレル産業協会が「アパレル業界次世代EDI標準策定委員会」を開いた。量販店・スーパー業界とアパレル業界がEDI標準化を話し合うのは初めてで、今年度は標準業務プロセスと標準メッセージの運用のインフラモデルを検討策定する
百貨店統一ハンガーが96年秋冬にスタートして、今年で10年目に入る。この間の出荷本数は1億5千万本となり、4トントラック7500台以上のハンガーゴミを削除出きる
日本百貨店協会によると、参加百貨店の05年度のネット販売売上合計は121億円(回答25社)で、この5年間で12.5倍に拡大した。ただ、本格活用はこれからで、売上全体の0.3%に過ぎない
この数年の技術進歩を背景に「ウェブ2・0」の時代が到来したといわれているインターネット社会。BtoC(消費者向け電子商取引)市場規模は、経済産業省などによる05年度の市場調査で約3兆5000億円となり、ファッション分野でのEコマース(EC、電子商取引)もネット専業通販の台頭で競合が激化している。カタログを主力媒体としてきた大手通販各社は、次世代型ネット社会への環境変化を踏まえ、消費者主導を意識したEC事業に力を注ぐ
「まちづくり3法」の改正に関連し、繊研新聞社が実施したアンケート調査によると、専門店が注目している出店立地、形態は、駅ビル、ファッションビルが断トツで、中心市街地の路面が再評価される一方、郊外SCの改装を狙うところも多い。多くの専門店が、郊外大型SCの出店規制が強化される08年までに、新設SCに積極出店し、都市部出店をにらんだ業態開発も進めている
東京・銀座の百貨店が相次ぎ改装に動きだした。9日、改装オープンした有楽町西武や2007年秋の開業を目指す丸井を含む「有楽町・数寄屋橋」グループは仕事帰りの若いOLを争奪する。一方、三越や松屋が並ぶ「銀座通り陣営」は、上向く高額消費をつかもうと、富裕層へのアピールを競う。一帯の商業地図は2つの方向へ塗り分けられようとしている
昨年から今年にかけ、専門店の販売スタッフの時給が836円から891円(繊研調査)へ上昇している。景気回復などを背景に販売スタッフ採用難の傾向が強まり、多くの専門店がパート、アルバイトの時給アップや正社員の待遇改善を進めている
クリーニング綜合研究所は、従来はアセテートに多かったガス変退色が、最近は綿素材に増えていると注意。平成16年度が20件、17年度が19件の発生に対し、平成18年度は1月から6月までの半年ですでに15件に達した。綿素材のジャケット、コート、ズボンに多い。ガスや石油の暖房から発生する酸化窒素ガスまたは亜硫酸ガスが、保管中の衣料に作用したと考えられる
〈社〉繊維評価技術協議会の開催した講演会から、2件の基調講演を紹介した。第1テーマ「洗濯の機械力」は、東京家政大学片山倫子教授が、これまでの評価研究を歴史的に紹介し評価した。現在、広く用いられているデンマークのMA法は、被洗物の汚れに応じてMA値が決められているものの、洗浄力と機械力を対比して把握しにくいなど問題点が多い。第2テーマ「洗剤最前線」は、日本石鹸洗剤工業会の鈴木哲夫委員長が、家庭洗濯について洗濯機と洗剤の推移を論じた。洗濯機の節水化により浴比が低下して洗浄力が低下した、洗濯方式が多様化して適する洗剤の選択が必要になった等が指摘された
クリーニング綜合研究所は、「平成17年度事故衣料品統計」を発表した。責任所在別では、事故品467件中、266件が「顧客」原因である。その内訳は、色の変化113件、損傷123件、シミと汚れ30件である。色の変化の原因は、紫外線、ガス、汗と紫外線の複合の順。損傷の原因は、物理作用、虫、経時変化の順である。責任がメーカーの場合、海外製品〈中国、イタリア、フランスなど〉の割合が多かった。素材別では、1種類成分のもの239件のうち、綿105件、毛64件、絹30件、ポリエステル23件である
クリーニングしたスーツを保管しておいたところ、上下に脱色した斑点状の色ムラが現われた。素材はセルローズ系再生繊維。この色ムラの原因がカビであることを、次の方法で確認した。(1)ブラックライト:ムラ個所に蛍光色が現われ、カビのアミノ酸によると考えられる。(2)リトマス紙によるpH試験で弱酸性になった。この結果、生じた色ムラは、カビ菌による染料の酸化分解のためと判断できる。鮮明な写真が添付され、問題個所が理解しやすい
シニアコミュニケーション調査によると、2025年には50歳以上人口が全体の大きな割合を占めるシニア型社会になり、そこでは独立心旺盛な女性が夫を情報操作するため、市場は女性がリードするという。そうした夫婦の距離感に商品開発の芽が存在すると指摘している
国民生活センターのまとめによると、05年度に全国の消費生活センターで受け付けた消費生活相談は、約127万5千件で、前年度より34%減った。電話情報サービス関係などの架空請求が約41万件減の約26万件になったことが影響。相談の内容は多い順に契約・解約83%、販売方法45%、価格・料金11%。相談に関する契約・購入金額は総額6427億円(前年比12%増)、1件当たり111万円(同54%増)だった。また、生命や身体への危害・危険情報は約1万9千件で、8%増えた
肌着の触感に及ぼす環境温度条件の影響を求めた。試料の編み布地は、夏用、冬用それぞれ5種類、コントロール〈綿〉1種類である。環境温度22℃、28℃、34℃のもとで、手触りの官能評価を7項目について行った。被験者は成人女性16名である。7項目中1項目(冷たさ)のみで環境温度の影響が有意であった。2項目の嗜好性評価では、夏用試料は34℃で、冬用試料は22℃で好まれた。また試料別では、4種類の試料で環境条件の差による評価の差が有意であった
①エコマーク 佐野裕,p443〜448 繊維製品のエコマーク基準は、2003年に全面的な改定を行い、現在の「衣服」、「家庭用繊維製品」「工業用繊維製品」の3つに整理・統合した。また、商品ライフステージ環境負荷項目の総合的観点から基準を全面的に見直した。有害物質などの使用・排出に関する規定は、新規に追加した重要な項目である。その他、次の内容がある。②繊維・皮革製品の安全性を認証する国際スタンダード エコテックス規格100 野畠厚雄 p449〜453③ザ・ウールマーク・カンパニーのライセンス活動とQA活動 p454〜458
全国のセンターには、衣料品のクリーニング苦情相談が毎年9000件程度寄せられている。これらの相談を分析し変色等の原因テストと、実態調査の読者アンケートをした。相談の多い上位3品目は、紛失、シミ、変色。クリーニングトラブルの多い季節は、衣替えシーズンの5,6、11月だった。パーマ液による変色再現テストでは、それだけでは目立たない場合でも、ドライクリーニングの仕上げの熱処理で変色が進み、シミが目立った。絵表示や注意表示どおり洗っても染色堅ろう度が低く、色柄がにじみ出る場合もあった。改正クリーニング業法が適切に行なわれているかのアンケートも行った
不良の原因は決して単純なものではなく、多岐、多層に複数の要因が絡み合っている。設計、製造、購入部品に起因するものの他、市場に出た後の時間経過による変質などがある。原因の分析では、例えば設計で「やれば出来たのにやらなかった」が4割近く、「知らなかったためにミスを犯したり見逃してしまった」が、6割近くと大半を占める。工数が足りないために論理設計時の検証が不足したなど、ある意味で止むを得なかった、と思われるような「やれなかった」ために起きた不良は5%に満たない。4割近くの「やらなかった」は、管理や本人の意識、士気の問題である。6割近くの「知らなかった」は教育の問題である。5%の「やれなかった」という問題こそ、人を増やすとか、設備を導入するとか、経営レベルで解決しなければならない、重い課題なのである。品質の問題にどう対処するかは、トップの意志次第であり、日頃から醸成されている、企業文化に大きく左右される
中国の国家統計局と発展改革委員会が実施した企業調査(大中企業1万8千社)で、ほぼ半数が人民元上昇により輸出に影響が出ると予想している。生産・経営の問題としては「原材料価格の上昇」「製品価格の下落」「資金調達」が目立ち、先行きへの懸念が高まっている
化繊協会がまとめた「ロシア繊維産業・市場調査」によると、設備老朽化や国内繊維産業の縮小から一部を除いて復活は困難としている。市場では中間層が台頭し、05年対日輸入が前年比42%も増加した
中国の国家統計局と発展改革委員会が実施した企業調査(大中企業1万8千社)で、ほぼ半数が人民元上昇により輸出に影響が出ると予想している。生産・経営の問題としては「原材料価格の上昇」「製品価格の下落」「資金調達」が目立ち、先行きへの懸念が高まっている
人材育成の手段や昇格の条件にするなど、繊維製品品質管理士資格の取得を推進する企業が増えている。ワコールと東レの取り組みが紹介されている
日本貿易振興機構(ジェトロ)の「06年版ジェトロ貿易投資白書」で、新興国市場の中では中国に続きインドが、市場として将来性に関心が集まっている。また、模倣品被害額は世界貿易の5〜7%程度とOECDは推定、05年で6千億ドルと膨大なものとなる
東レ繊維事業本部は、環境対応事業を強化する。リサイクル事業は、使用エネルギーなども勘案した「最適リサイクル」を掲げた「エコドリーム」として進める。具体的にはナイロン繊維は使用済み製品を粗原料に戻すケミカルリサイクルで対応。ポリエステル繊維はマテリアルリサイクルをベースに、ケミカルリサイクルの導入も検討している。先行するポリエステルのマテリアルリサイクル事業の売り上げ規模は05年度に58億円、年間14,000トン。06年度にはこれを77億円、16,000トンに拡大する計画。一方の環境対応素材はポリ乳酸、大豆繊維、竹繊維など。またPTT繊維のバイオ原料利用などを挙げる
今年の上期の輸出が前年同期比26%増と、織機の中国向け輸出が再び増加している。主力織機となるエアジェット織機は、すでに1年分の注文を受けている。中国では織機の革新化を進めており、日本からの輸出はさらに増加していくものとみられ、日本の織物生産・輸出にも影響を及ぼそう
①10月17日
②日本繊維製品品質技術センター(QTEC)
③最近の中国事情、クレーム事例、QTEC所内見学
④日本繊維製品消費科学会関東支部 申込先:日本女子大学家政学部 島崎恒蔵 TEL 03-5981-3483
①10月24日
②扇町インキュベーションプラザ
③家庭用合成洗剤のこの10年と今(花王、ライオン、P&Gの場合)
④日本繊維製品消費科学会 TEL 06-6358-1441
①10月26日
②コーマ
③最近のソックス商品開発について、ソックスの編みたて・染色仕上げ工程全般の見学C日本繊維製品消費科学会関西支部 申込先:京都女子大学生活造形学科
矢井田修 TEL 075-531-7174
①10月27日
②大阪科学技術センター
③PSE法とリサイクル、ルイ・ヴィトンの人気分析、大阪商店街調査報告(学生のセレクト店)、ソフトなインフラストラクチャーの構築、他
④日本繊維機械学会 TEL 06-6443-4691
①11月17日
②大阪科学技術センター
③機能加工の動向(新しいナノテク加工を中心として)、機能加工剤の動向(新しい染色技術を可能にする加工剤)、染色加工機械の動向(新しい染色加工に使用される機器)、他
④日本繊維機械学会
TEL 06-6443-4691
①11月20日
②花王(株)すみだ事業場
③光の色を応用したベースメイク商品の開発、美髪技術の開発、すみだ事業場化粧品工場・美容センターの見学、他
④日本繊維製品消費科学会関東支部 申込先:日本女子大学家政学部 島崎恒蔵 TEL 03-5981-3483
①12月2日
②京都テルサ
③水洗不可衣料の洗濯、水系洗濯の基本と最近の洗濯機の動向、アパレルリサイクルの現状と問題点、他
④日本家政学会被服整理学部会 申込先:京都教育大学 後藤景子
TEL 075-644-8318
①12月5日
②品川区総合区民会館「きゅりあん」
③最近の繊維製品クレームの傾向とその取扱いについて、テキスタイル素材とその取扱い、ライフスタイルの変化に合わせた衣料の手入れ、他
④日本繊維機械学会 TEL 06-6443-4691
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:中島利誠/発行人:大谷芳男