ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧(2003年度:第20巻〜)→
経済産業省は20年度の概算要求を発表。繊維関係は繊維課とデザイン・人間生活システム政策室が「感性価値創造の促進」で新規に9億5000万円を要求、うち「東京発日本ファッションウィーク」(JFW)開催支援で約6億円を要求している。生活者の感性に働きかける共感・感動を得ることで顕在化する商品・サービスの価値(感性価値)の創造を促進するため、デザイン・人間生活システム政策室が「感性価値創造フェア」を開催して日本の感性価値を生かした製品・サ−ビスの国内外での展示を行う。
悪質商法や金融商品販売などのトラブルが相次ぐことに対応して、消費者を保護する法制度の整備が進んでいる。07年6月には消費者団体が業者に不当行為の差し止めを求める消費者団体訴訟制度も始まった。紙面で消費者保護を目的とする法制度の現状と活用法を紹介している。
経済産業省が発表した人体寸法・形状データ「サイズ−JPN04〜06」調査結果で12年前の前回データ(92年〜94年)と比べ、日本人の体格は女性が細身になり、男性は大きくなっていることが分った。女性は25才以上のすべての年代で前回よりも体格が細くなり、男性は30才以上の全年代で、身長、体重、バスト囲、臀突囲とも今回の数値が大きく、前回よりも体格が大きくなっている。詳細データは人間生活工学研究センターのHPを参照。(http://www.hq1.jp/index.shtml)
中小企業庁は05年度版「中小企業の財務諸表」を発行。05年度に繊維工業や衣服製造業、毛皮製造業など繊維ファッション関連の中小企業は、軒並み業績を悪化させ苦しい状況が浮き彫りになった。売上高経常利益率では03年から05年にかけ、繊維工業が1.5%から1.1%に、衣服製造業が1.1%から0.6%に、なめし革・毛皮製造業が0.8%から0.5%に減少した。05年以降は原燃料高騰の影響が顕在化するため、業績は一層低下する。
公正取引委員会が08年の通常国会への提出を目指している独占禁止法改正の基本方針が明らかになった。課徴金を科すことができる違反事件の時効(除斥期間)を現在の3年から5年に延長。消費者保護を強化するため、虚偽に商品表示で消費者を混乱させる不当表示や大企業が中小企業に不利な取引を強いる融合的地位の乱用などの違法行為にも課徴金を科せるようにする。
経済産業省・中小企業庁の「地域産業資源活用事業計画の認定」によると、総計153件のうち繊維関連の案件が20件紹介されている。
経済産業省・中小企業基盤整備機構が10月26日まで東京・霞ヶ関の同省本館ロビーで展示しているパネル・資料で、「新連携」事業の繊維関連15件の概要が明らかになった。同事業は中小企業新事業活動推進法に基づく補助金などの支援策で、事業分野を異にする複数の事業者が経営資源を有効に組み合わせ、新事業を行うことで新たな事業分野の開拓を図るのが目的。
経済産業省が19日発表した「07年度リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰」結果によると、リデュース・リユース・リサイクル推進協議会会長賞に繊維関連ではアシックス、赤平消費者協会、所沢市環境推進連絡協議会が選ばれた。アシックスのテーマは「シューズの企画段階から環境負荷の低減を考慮した商品作り・研究開発」95年に環境基本方針を制定し、企業活動の全ての領域で省資源、省エネ、廃棄物削減、汚染防止などの3R活動に取り組んでいる。
経済産業省は23日「模倣品・海賊版拡散防止条約」(ACTA=仮称)構想を発表し、年内に集中的な協議を開始することを明らかにした。協議開始を予定しているのは知的財産保護に関心の高い国々で米国、EU(欧州共同体)、スイス、カナダ、ニュージーランド、メキシコ、韓国など。同条約構想は、知的財産権の執行にかかわる強力な法的規律と、その執行の強化と国際協力を柱とする、高いレベルでの国際的な法的枠組みの構築を目指している。
日本が提案する抗菌(性)試験方法が相次いで国際標準化機構規格として承認された。今後、抗菌分野の技術力で世界をリードする日本の抗菌製品の海外進出の即品が期待される。
繊維評価技術協議会は、新規マーク制度として光触媒抗菌加工マーク(図)認証業務を始めた。申請受付後、11月22日の認定判定委員会で初回審査を行う。これは光触媒技術が各方面で活用される中、繊維製品で抗菌性に関して、業界で統一した基準をあらたに設け、マーク制度として開始したもの。 EKマークのカラー表示は白地に紫青(DICカラー189)を使用する。
08〜09年秋冬に向けたテキスタイル見本市、ミラノ・ウニカでは、コントラストが明快なダブルフェースが増えている。軽さや重さ、光沢やつや消し、乾いて硬い感じと柔らかさなど、対極の要素を裏表に配した生地が目立つ。同時に、同じ表面の中にも、透明感と厚みなどのいくつもの異なるイメージを盛り込む傾向も強い。クラシックな雰囲気のウールのチエックやヘリンボーンの裏を品の良い無地にした二重織やベルベットの裏側がエナメルのようにつやのあるラミネートなど、高級感のあるなじみ深い生地がリバーシブルになったものが目立つ。重宝される存在になりそうである。
日本エクスラン工業はアクリル短繊維「エクスラン」で、従来にない触感が特徴の3素材を重点素材として打ち出す。エレナはしっとりとぬめり感が強く、繊維が1dtexのため柔らかい。原綿に特殊高分子ポリマーを付与してあり、風合いの耐洗濯性が高い。来秋冬からセーターを中心に衣料全般に向け本格販売する。ハイテストは新素材でドライタッチが特徴。強撚により100%でも清涼感があり、シーズンを問わずアウターやTシャツなどのスポーツ、カジュアル分野に向け提案する。極衣は繊維が0.5dtexと極細で、繊細でふわふわと柔らかい。インナーやカットソーで採用が広がっている。
帝人は1日、米国のPLA(ポリ乳酸)など、バイオポリマーメーカーのネイチャーワークスに出資することで、親会社のカーギルと合意した。資本金は明らかにしていないが、出資比率は半々。11月には米国内で合弁会社として認可が下りる予定。帝人は初めてPLAを手掛けることになる。帝人はポリエステルのケミカル・リサイクル・システムを柱に、環境に配慮した事業を推進しているが、PLAは手掛けていなかった。ネイチャーワークスはまだ赤字だが、世の中全体が二酸化炭素排出の削減などに動く時代を迎え、PLAにも帝人のポリマーと後加工の技術を加えることで、新規の市場開拓も可能と踏んだ。
新内外綿は、精製セルロース「テンセル」の特殊原綿を活用した透け防止新素材「セルテクト」を開発した。08春夏から糸、生地で販売を開始する。同社によると、透け防止機能を持ったテンセル素材は、セルテクトが初めてとなる。セルテクトは、特殊加工を施したテンセル原綿を活用することで透け防止機能を実現すると同時に、UVカット機能も付与した差別化テンセル素材。特殊加工を施す原綿にレギュラーのテンセル原綿を使用したスタンダードタイプと抗フィブリル・ノンホルマリンタイプを使用したLSタイプの2種類をラインアップする。生地は、天竺、スムース、フライスなどニットが中心だが、一部は織物でも展開する予定で、糸・生地ともに当面はインナー用途を中心に投入する。
合繊メーカーはインナー・肌着素材の08年秋冬で、薄くて軽い素材の開発・販促と重点的に取り組んでいる。マイクロファイバー使いの商品群で拡販を目指す機運が高まっているほか、輸出市場からエコ素材導入を先行し、新規需要を創出するための取り組みが始まった。アクリルメーカーもマイクロファイバーを多用しており、08年秋冬商戦は合繊マイクロファイバーによる軽量・極薄企画が店頭をにぎわせそうだ。ここでは、合繊各社のインナー開発素材を紹介している。
クラレと三井物産は高い導電性をもつ先端素材のカーボンナノチュープ(筒状炭素分子)を使い、衣料向けに静電気がたまらない繊維を共同開発した。医療機器の誤作動や電子データ消失の原因となる帯電を防ぐことができ、来春にも病院や工場で着る衣類用に発売する。電子分野が中心だった同チューブを衣料に大量利用するのは初めて。カーボンナノチューブは直径100ナノ(ナノは10億分の1)m以下の円筒の形をした炭素の結晶。導電性や伝熱性などに優れるほか、高い強度と耐熱性などの特徴がある。今回、同チューブを溶かした水溶液をポリエステルに均一に塗り付け高い帯電防止性を実現した。
製造工程や廃棄などで地球環境を汚さない、二酸化炭素の排出を減らすことなど、エコロジー発想による商品開発や営業活動がテキスタイル業界でも具体化してきた。環境保護の取り組みは世界的に広がっているが、欧米などに比べるとコストがかかるなどの理由で日本では対応が遅れていた。しかし、販売先や消費者が環境への関心の高まりを受けエコロジー商品が高くても売れる土壌が築かれつつある、と営業本格化に動き出した。オーガニック綿使用などエコロジー素材を集めたカタログ、飲料や食品などの製造工程で出る廃棄物を染料として使うエコロジー商品などが紹介されている。
NEDOでは次に示す6つのナノファイバーのプロジェクトを実施している。1)超極細繊維の超比表面効果、ナノサイズ効果、超分子配列効果を活用した機能発現型新構造繊維部材基盤技術の開発,2)ナノ構造ファイバーを適用した遮熱、耐熱、快適性に優れる先進消防服の開発,3)熱可塑化したセルロースを溶融紡糸により繊維化し、新規大型繊維素材創出の研究,4)低コストのスーパー繊維を得る高性能ポリケトン繊維の工業化基盤技術の開発,5)自動車の軽量化を目的とした炭素繊維強化複合材料の研究開発,6)ナノレベルの高次構造制御を行い、多様な精密高分子材料の物性の研究などがある。
精密芯鞘構造(繊維モルフォロジー)制御、高生産性を有した湿式紡糸用シースコアノズル加工技術の確立により機能性アクリル繊維「コアブリッド」シリーズを開発した。「コアブリッドエレキル」は繊維芯部に白色系導電微粒子を複合し、高い制電性能を可能にした。「コアブリッドサーモキャッチ」は繊維の芯部に白色系光吸収発熱・導電微粒子を練り込み、太陽光のエネルギーで衣服内環境を暖かく保つことを可能にした。「コアブリッドルーモ」は芯鞘紡糸技術と異種ポリマーブレンド技術の組合せにより、外気温の変化が衣服内へ伝わるのを和らげることを可能にした。「コアブリッドタイニー」は湿式芯鞘技術を用いて芯部にアセテートを導入することで、高い消臭性を発揮することを可能にした。
愛知県産業技術研究所は、籐製品メーカーの野々山籐屋(愛知県)と共同で、籐の端材を繊維化する技術と、着色して新たな籐製品の一部として有効活用する技術の二つを開発。製品を作る際に発生する多くの切れ端を加工しやすい繊維に汎用性を高め、有効利用する目的で開発。170℃前後の水蒸気で煮沸することで、硬い籐を適度に柔らかくすることを可能にした。これにより開繊機を使って繊維化できるようになった。また籐に繊維製品に用いられる染色技術を端材への着色に応用し、耐久性の高い着色を開発。
来年秋冬はテキスタイルの変わり目にさしかかりそうである。繊研新聞社が実施したアンケート調査で、キーワードの上位4位までが、上質さとエレガンスを象徴するもので08年春夏までと変わりがないが、初めて「エコロジー」が、ベスト10入りした。「スポーツ」が2回連続で2ケタの票を得ると同時に、「カジュアル」もランクインした。リラックスした感覚が広がるとともに、“ゼロ”票の項目がなく、トレンドの分散が明確になっている。
旭化成せんいはスパンデックス繊維「ロイカ」で、酸性染料に対して染着性を高めた「ロイカDS」を開発した。11月から副資材を含むインナー、レッグ、アウターへ販売する。一般的にスパンデックスは酸性染料では染まらず、ナイロンなどポリアミド繊維との複合生地を伸ばした際に、染色されていないスパンデックスが露出したり、光って見え、品位を低下させていた。ロイカDSはポリマーに酸性染料を取り込む反応基を付与することで、ポリアミド繊維との同色性や幅広い色展開を実現した。44デシテックスから生産を開始し、順次銘柄や用途を拡大する予定。価格はレギュラー品の約30%高。
クラレはビニロンの繊維内部に硫化銅のナノ粒子を形成させた高導電性繊維「クラロンEC」を開発。ビニロン分子の水酸基が金属イオンと反応しやすいことに着目し、特殊紡糸した後に染色のような工程を通じて硫化銅が中までしみこむように化学反応させた。ナノ粒子を使うことで比表面積が増え、粒子間距離が狭まるため、高い導電性が得られる。また導電経路が繊維内部にあるため曲げや摩擦により導電性低下が押さえられる。主な用途は静電・帯電材(除電ブラシ、静電気除去テープ)、電磁波シールド材、電磁波吸収材(パーテーション、建材・壁材、内装材)などがある。
日本毛織は紡毛の膨らみと梳毛の軽さを併せ持つ紳士服用の新素材「エアロツイン」を開発した。エアロツインの開発ポイントはライト、ウオーム、ソフトの三つ。梳毛糸でありながら、紡毛のようにふっくらとした風合いのある特殊加工短繊維ウールをベースに、カシミヤやアンゴラなどの獣毛を独自技術で複合化した。特殊加工短繊維ウールを使った織物は繊維の間に空気を取り込むため、同じ程度のかさ(体積)の織物に比べ約20%軽い。バルキー性も高く、熱を逃がさない。これに、獣毛を複合することで、しなやかな上品さを演出し、軽くて暖ディズムなスーツの着こなしを提案する。
服地コンバーターの外村は、富士山の溶岩を練り込んだレーヨン糸と綿の混紡糸を開発し、抗菌、消臭などの効果を生かした事業を新たに立ち上げる。OEMによる製品事業を中心に拡大を図る。富士山の溶岩にはミネラルやカルシウム、亜鉛、ナトリウム、カリウムなどの鉱物が豊富に含まれ、抗菌、消臭やUVカット、遠赤外線などの効果があることが科学的に実証されている。同社はこの溶岩を2段階粉砕法でナノレベルの微粉末にして溶岩パウダーを完成させ、より多孔質の性格を持つレーヨンに練り込んだ糸を開発した。抗菌、消臭効果に優れ、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌などは18時間後にほぼ死滅、MRSAにも対応できるとしている。
クラボウは従来のリング精紡糸に比べ1.5倍以上の膨らみ、軽量感があるウール紡績糸「ニューヤーン」を開発した。住友商事と技術連携し、同社100%出資のニュージーランドの紡績サミットウールスピナーズが保有する革新的紡績技術を導入し、実用化したもの。この糸は極めて撚りが甘い構造で@柔らかく嵩高いA甘撚りだが、糸が強く強力変動も小さいB斜行しにくいCチクチクしにくく肌ざわりが良い−などが特徴。200番手以上の細番手の紡績も可能としている。用途はニット、カットソー、靴下、タオル、寝装品など。これまでウールでは不適とされていたスポーツ、インナーにも対応する。
三菱レイヨン・テキスタイルは08〜09年秋冬向けアクリル人工皮革「グローレ」で、衣料用の新素材として銀面調のタイプとスエード調の薄地「サーモニー」を投入する。グローレは、これまで人工皮革の特徴を出しやすいスエード調に集中してきたが、トレンドを踏まえ銀面調を開発した。スエード調のアクリルの不織布をポリウレタンのコーティングで銀面に仕上げているため、織編物を基布とする合成皮革より上質感のある手触りを打ち出す。サーモニーは従来の約半分の細さの(0.07dtex)のアクリル原綿を使った。薄さに加え、より皮革に近い表情が特徴。
クラボウはセルロースとプロテインを結びつけたフィラメント糸「ルナセル」を開発した。同社がフィラメントを事業化するのは初めて。だが、プロテインを完全結合させた新タイプのレーヨン。ルナセルはコットンリンター・パルプを原料とするセルロースと食品用の水溶性プロテインを使い、それぞれの反応基をつなげる成分を入れて架橋させた。通常のセルロース・フィラメント糸にない紡績糸のような膨らみとハリコシ、シルクのようなきしみ感、光沢、ドレープ、レーヨンより優れた染色性を備える。他素材との交織を中心に高級ブラックフォーマルや婦人をターゲットに、綿・羊毛で得意とするカジュアル分野と合わせてフォーマル分野も強化する。
きもの総合加工のきものブレイン(十日町市)は、形態安定機能付き「超撥水ドリームケア」加工と乾式転写技術のインクジェツトプリント染色加工の2事業を始めた。前者のドリームケアは特許技術を利用し、撥水剤をピコ理論に基づいて天然繊維内部で分子結合させるもの。これまでのラミネートやコーティングに比べ、絹などの素材に傷をつけず、風合いも損なわない。後者の染色加工は、一度インクジェツトプリンターで特殊紙にプリント、それを生地に乾式転写し、染色するもの。精密な表現とコストダウンが可能で、染色工程で糊を大量に使用しないため、環境にも優しいという。
三甲テキスタイルはダイヤモンド微粒子を触媒に消臭、抗菌性能を付与する毛織物「ナノトレンドダイヤモンド」を販売する。ロシアの企業が美術品などの長期保存のため開発した技術を導入、原料のカーボンを高温高圧の無酸素状態で爆発させる特殊な製造方法でダイヤモンドに変化させ、ナノサイズの微粒子にして付与する。ダイヤモンド微粒子は表面の無数の凹凸に数多くの吸湿機構があり、においや菌を吸着する。消臭、抗菌効果は、既に普及している光触媒によるものとほぼ同等という。同加工を施した生地の試験(JIS L 1902)結果では、「抗菌効果がある」とされる2.2以上の2.7の静菌活性値を得た。
小松精練は高密度の織物に頼らずに、引き締まった表情の出せる加工法を開発、「テクノビンテージBB」の商標で販売に入る。テクノビンテージBBは「糸や織・編物の可能性を広げる染色加工技術」として、主力商品の「ビンテージ繊維」に次ぐ柱に位置づける素材群。合繊に天日干し風の自然な表情を持たせるビンテージ繊意が、柔らかさや空気を含んだ風合いを特徴とするのに対し、テクノビンテージBBはそれとは対極の「筋肉質な」手触りや引き締まり感を表現し、ビンテージ繊意とは異なる分野を攻める狙いだ。染色加工の各段階で張力を調整する装置を専用に開発、生地を「鍛える」ことで、強い手触りとともに自然な表面や形状記憶織物風の表情も併せ持つ。
浅井絞商店(名古屋市)はジョイジョブス(名古屋市)との協業で、天然素材の天然染料による絞り染め「ナチュラルダイ」を開発、アパレルや寝具向けに発売する。地球環境への対応として、オーガニックコットンのTシャツのほか尾州産地の毛織物などに広げる。ウールは通常、絞り染めしないが、絞り染めで新しい表情が生まれる。例えば、普通の糸に防縮ウール糸を組み合わせ、起伏に富んだ表面に仕上げることができる。すべて手作業のため、一度に染める量は限られており、綿で12m、ウールで8mがロット単位。製品化にはジョイジョブスが裏地や芯地を使わず、絞ったウールの風合いを最大限に生かすように工夫している。
クラボウのエレクトロニクス事業部はインクやワックスを使用せず、スクリーンに塗布した感光乳剤を紫外線により直接露光し、製版する環境配慮・次世代型デジタルダイレクト製版装置「DLE」と専用乳剤を販売している。テキスタイルプリント、のぼり旗などのスクリーン印刷の製版方法は、フィルム製版からワックスジェット、インクジェットというダイレクト製版に移行している。クラボウはドイツのカラー・スキャナー・テクノロジー(CST)と共同で、環境を配慮した、ダイレクト製版で廃棄物となるフィルムやインク、ワックスなどが発生しないDLEを開発した。
染料、助剤価格の高騰で、加工料金引き上げが要請されている。グラフは、ある染色加工メーカーの生地1m当たりの生産コストの内訳。現在、一般的な1万円の婦人服をアパレルが仕入れる価格は、2,000〜2,5000円と推定される。糸から織編、染色、縫製メーカーの製造原価は小売価格の20〜25%で、染色加工費は2%にすきない。染色の弱体化は繊維産業の存亡にかかわる。今回の値上げ問題が繊維全体の生産・流通構造にもメスを入れる動きにつながることが望まれる。
鈴寅(蒲郡市)では、スパッタリングの商業生産を始めて27年になる。スパッタリング技術とは、真空中に不活性ガス(主にArガス)を導入しながら基板とターゲット(成膜させる物質、Cr・Ti)問に直流高電圧を印加し、イオン化したArをターゲットに衝突させて、はじき飛ばされたターゲット物質を繊維などの基板に成膜させる方法である。乾式であり、コーティングする対象物を液体や高温気体にさらすことなくメッキ処理ができる。これらの詳細な技術解説である。(注:商品名は「Masa」で、風合い、通気性は金属膜なしと変わらず、金属膜が付着することで親水性が向上するといわれている。)
日本縫製機械工業会(JASMA)が主催し、08年5月13日−16日にシンガポールで行う「国際アパレルマシンショー JIAM2008 シンガポール」に対し、国内外での支援・協力体制が整ってきている。日本貿易振興機構(ジェトロ)がジェトロ・パビリオンを設けて出品者を募集するほか、中国縫製機械協会(CSMA)、ドイツ縫製・皮革機会工業会(VDMA)も特別協賛による支援を決めている。「JIAM 2008」への出展は、8月23日現在で国内31社・539小間、海外14社・69小間の計45社608小間となっている。
中国縫製に逆風が吹いている。人件費の急激な上昇、人民元の切り上げに伴う為替差損のほかアパレル製品の来料加工(生地、付属品を入れての委託加工)に対する保証金制度導入への懸念など、中国縫製業を取り巻く情勢が急変した。これらの影響で日本向けアパレル製品の単価上昇は避けられない状況だ。日系の商社やGMS(総合小売業)も量産型衣料品を中心とした生産背景の見直しを迫られている。
レギンス、オーバーニーソックス、カラータイツ―最近のレッグファッションがにぎやかだ。これに伴い、靴下メーカーの業績も伸びている。ワンピースやチュニック、ミニスカートが注目される中、足元を見せる重要なアイテムとして人気となっている。靴下やパンティーストッキングに比べて単価も高く、来店客が他の商品も購買して売り上げ増につなげている。タビオ、辻商、チュチュアンナなどは靴下主力のため、不振のブラジャーなどのインナーも扱うメーカーに比べマイナス要因が少なく、前期比2ケタ増。ブームはまだしばらく続くとみている。
国内スポーツ用品各社はスポーツ衣料で培った素材や機能性を生かして、業務用ユニホーム事業を強化している。デサントは9月から病院用の手術衣「ルコックスポルティフ」を発売。手術衣に伸縮性や吸汗速乾性に優れたニット素材を使用した。また、来年春夏向け商品からナース服の簡易オーダーシステムも導入。アシックスは今夏からサービス業などの従業員向けユニホームに参入し、腕を上げる、足を曲げるといった体の動きを解析し、動きやすさを追求した。ミズノは企業向けユニホームに主にスポーツウエアで使う立体裁断技術を投入し、新機能製品の投入を始めた。
BRICSの一つインドで、ファッションビジネスが成長し、新たな発展段階に入っている。ファッションウイークの定期開催で、ファッション全体のレベルが向上し、ラグジュアリーブランドの出店ラッシュに加え、インド版『ヴォーグ』も創刊されるなど、世界市場を見据えた動きが強まっている。
中国で輸入した原材料を製品化し輸出する加工貿易の優遇策見直しが、コストセンターとして位置づけられてきた中国生産の転換を迫りそうだ。中国では8月から加工貿易制限類商品目録が実施され、新たに糸やテキスタイルなどの1853品目が追加された。該当する品目は原材料を輸入時に、保証金を銀行口座に積み立てることが義務付けられ、現地の加工貿易型企業にとって資金繰りに影響する。いまのところ衣料品関連が対象外だが、遠からず適用されるという見方が大半である。
伊婦人服などの欧州の中堅高級ブランドが値ごろ感のある商品を投入している。円に対するユーロ高に連動して大手ブランドが売価を引き上げる中で価格を控えめな水準意思、客層の拡大につなげる。
日本ボディファション協会(NBF)は、ボディファッションにかかわる人材育成を目的とした「インティメイトアドバイザー(IA)認定制度」で08年から会員企業以外の受験者を受け付ける。これまで会員の3年以上の販売職に限ったもので、740人の認定者が誕生している。
NI帝人商事の子会社、帝建は耐熱アラミド繊維を使った「快適耐熱下着」を開発し、今月下旬から販売する。耐熱アラミド繊維「テイジン・コーネックス」と難燃レーヨンをミックスした素材を使い、2層構造のリブ調リバーシブル組織にした。高温の熱エネルギーを遮断し、吸汗加工で綿素材並みか、それ以上の吸汗性を持つという。ターゲットは高炉・電炉・ガラスメーカーなどの炉前作業、鋳造作業、溶解作業向け。消防活動や輻射熱の激しい場所など、過酷な高温作業環境から人体を保護するには、既存の防火服や耐熱服に加え、下着も重要だというのが、今回の開発動機。
御幸グループのアングル・ミユキは07−08年冬のウオームビズ対応商品として、東洋紡と共同開発した体感温度をコントロールする紳士用インナーを発売した。同商品は、同社と東洋紡との共同開発による体感温度をコントロールするニット生地「ウォーミィファクト」を使用。同素材は編み地が複合2重構造になっているのが特徴。編み地の表側にコットンとポリエステル、裏側に東洋紡の「エアーマックス」(中空ポリエステル糸)と「リフレスエア」(レーヨン、中空ポリエステル糸)を使い交編したもの。素材構成はポリエステル57%、綿37%。レーヨン5%、ポリウレタン2%。これによって、@保温性A調湿機能B吸水水拡散性、の3つの機能を併せ持ち、保温のみでなく、暖房時の衣服内のムレや発汗後の冷えを抑えることを実現。
08年春夏は、カラーパンツがレディースジーンズの新しい流れとして注目されている。今秋、カラースキニーに火がついたブランドがあり、カラータイツが売れていることもあって、カラーの再来の気配が濃くなっている。ただ、メーカーや輸入卸は「雑誌への商品貸し出しは増えているが、どれだけ実売につながるか」とまだ半信半疑。9年振りのカラーパンツの復活なるか。
日本繊維新聞社はベビー・子供服アパレルに対し、アンケートに基づく06年度売上高実績調査を実施した。全般的に衣料消費が伸び悩み、ボリュームゾーン中心に価格が上がらないなど厳しい環境だが、比較的堅調な動きを示した。年間売上高3億円以上の企業で「増収」か「減収」かを見てみると、04−05年度と「減収」企業数が「増収」企業数を上回っていたが、06年度は「増収」企業が半数を超えている。企業努力の成果を示したことになるが、特にSPA(製造小売業)型アパレルの好調な伸長率が目立つ。
プレミアムジーンズなど、これまで輸入販売していた海外ジーンズブランドを、日本でライセンス生産する動きが強まっている。カイタックインターナショナルは米ブランド「ヤヌーク」のライセンスのジーンズを来春夏から発売、ビッグジョンも新たに導入した「ペイジ・プレミアム・デニム」のリプロダクションを予定している。プレミアムジーンズが苦戦する中で、日本独自企画を増やし、トレンド変化への対応力を強める。
日本のブランドを複数集めて海外で展示会を開こうという動きが広がっている。実力あるデザイナーブランドが海外をめざすのはこれまでもあったことだが、今の流れは欧米が日本のベーシックを求めていることが背景にある。実際にジーンズなどファクトリーブランドが百貨店やセレクトショップで「売れている」という事例や「預けてくれれば欧州各地を回って売り先を開拓する」と太鼓判を押す海外のショールームも出てきた。世界一とも言われるファッション消費地で鍛えられた技術と品質への認知が高まっている。
中国の通販はまだ歴史が浅く、外資企業に対するカタログやネット販売の規制は相変わらず厳しい。このため通販各社が、ネットやカタログだけでなく、実店舗を展開し、顧客作りを進める動きが活発化してきた。
インターネット調査のミクロミルの1都3県の百貨店調査で、百貨店の利用は月に1回程度が23%と最も多く、月に1回以上は51%となっている。購入商品(1位はギフト、婦人服8位、紳士服10位)、選択ポイント(1位は品揃えの豊富さ)、注目店(1位は伊勢丹)、要望(1位は手頃な価格)などが調査されている。
日経調査で小売りや外食の大手企業83社が雇用するパート労働者は、全従業員の75%を占めた。08年4月に正社員との差別待遇を禁ずる改正パートタイム労働法が施行されるが、全体の9割超が待遇改善の意向を示した。パート依存率が高い業種は人手不足感が強く、人材確保・定着を図る狙いがある。
ネット調査のマイボイスコムの調査によると、会員登録メンバーの百貨店のホームページの閲覧経験者は59%で、そのうちサービスを利用したことがあるのは16%であった。HPの見やすさ、判りやすさが感じられたのは、高島屋15%でトップ。商品を決めたタイミングは、「最初から特定のものに決めていた」17%、「候補を絞った上でHPを参考に決めた」50%と、3分の2の人が目的外の形で利用している。
アパレルのロスを改善するには、小売りの要請に俊敏に対応するSCM体制を作ることが肝要で、その実行を深める手段としてICタグの有効活用がある。商社などの実証実験を例に、今後について紹介している。
東京・恵比寿に“リトルハワイ”と呼ばれる場所がある。JR恵比寿駅の東側。フラダンス衣装を扱うショップだけではなく、ハワイを切り口にしたレストランやカフェ、リゾートウエアのショップも街を作っており、ロハスやスローライフ、ナチュラルな生き方を志向する女性を集めている。
若手を中心に東京のコレクションブランドがネット販売に積極的だ。ブランド側は新販路で、より幅広い層に商品を知ってもらうためのメディアの一つとしてとらえる。通販サイト側は東京ブランドの希少性や魅力が、サイトのロイヤルティーを高めると認識する。協力し合うことでブランドとサイト両方の世界観や価値を高めるサイトを作り上げている。
日本アパレル産業はRFID推進小委員で、UHF帯ICタグの大規模実証実験をし、実導入に向けた課題検証と導入ガイドライン策定の作業に進めている。中小企業基盤整備機構のセミナーで山内委員長による世界のICタグ導入最新動向の報告内容が紹介されている。
百貨店の過去10年は店舗閉鎖や不採算事業からの撤廃、パート比率の向上、希望退職などによる人員削減などリストラの歴史であった。ただ、06年度の従業員1人当たりの売上高でみると、それでも人員過剰の企業も多い。その分、派遣店員の負担が増えそうだが、百貨店と取引先との協力が必要となる。
高見名古屋学芸大学教授が繊研教室で分析。もともとヤングが利用するのは専門店が圧倒的で、百貨店が極端に低くなっており、おしゃれやファッションへの関心が一番高い彼らの、取り込みが急務になっている。
インターネット通販サイトが相次ぎ、実店舗を活用している。新しい商業施設に出店したり、実店舗に通販用商品を展示・紹介したり。いずれも、ネット通販で需要が一巡した商品をより広い消費者に紹介、新規顧客を開拓する狙いがある。
日経MJがまとめた2007年版「eショップ・通信販売調査」で、06年度の通信販売の総合売上高(前年度と比較可能な233社)は05年度に比べ7.5%増加した。伸び率は2年ぶりに鈍化した。けん引役のインターネット通販は24・5%増だった。ネット通販、携帯通販とも、伸び率は過去5回と比較して最も小さかった。ネット通販は本格普及期を迎え、利用者層や取扱商品の広がりが顕著になってきた。
ICカードや携帯電話を専用端末にかざすだけで料金を支払える電子マネーが、9月末時点の延べ会員数は前年同月比89%増の7528万人となり、急速に拡大している。コンビニエンスストアやタクシーなど電子マネーが使える場所が拡大しているのに伴い利用者も増加。
日本商工会議所がまとめた中心市街地活性化などまちづくり状況の調査結果によると、98年の旧まちづくり3法時と比べて「進んでいる」と答えたのは3割で、「後退している」の4割を下回った。人口規模が大きく、基本計画作成が進んでいる地域ほど「進んでいる」回答が多く、特に首長の姿勢が、まちの活性化を左右している様子がうかがえる。
雑誌に載った洋服を探し出したり、自分が好きな風合いの衣料品を組み合わせて選んでくれるインターネットの買い物代行サービスを利用する人が目立つようになった。特に重宝しているのが、仕事の忙しい20〜30代女性や休日に向く服選びにあまり自信が持てない男性たち。店頭で販売員に勧められて衝動買いし、結局は着ないといった無駄遣いも避けられるとあって、ネットの口コミなどでファンが増えている。
男性を主対象にしてきたヤングキャラクターブランドを展開するアパレルメーカーで、このところもう少し上の30歳前後を狙った仕掛けが増えている。既存のブランド内に大人向けのラインを作るケースも目立つ。百貨店はもちろん丸井、パルコなどファッションビルなどの新店や改装でも同じ動きになってきた。大手アパレルでも同じターゲットを狙った新ブランドは順調に滑り出している。
大手紳士服専門店が相次ぎ女性用スーツの販売を拡大する。青山商事は今秋から婦人アパレル企業と組み、ビジネススーツの販売に本格参入した。はるやま商事やAOKIホールディングスもリクルートスーツの品ぞろえを増やす。団塊世代の大量退職などで紳士用スーツの需要は先細りが見込まれており、女性用スーツを新たな収益基盤に育てる。
百貨店では食品や宝飾品の堅調さとは対照的に、9月は10%減、10月5%前後の減少と婦人服売り場が不振にあえいでいる。低迷の要因は平年に比べて気温が高かったことや他業種との競合が大きかった上に、購買行動の変化やMDのズレが見逃せず、今後の仕入れ、販売計画の修正が迫られている。
ドライ溶剤のVOC対策について、現状のデータをまとめた。国内のドライ機は38,524台。そのうち石油機は33,620で、87.3%を占める。そのうち密閉型(ホットマシン)は1,931台に過ぎず、ほとんどが洗浄機と乾燥機が別個(コールドタイプ)である。このタイプのVOC対策は、乾燥機の排出ガスの回収にある。環境省では、溶剤ガス排出量抑制のポイントとして、排気口に脱臭装置の設置、乾燥中の溶剤回収などを挙げている。排気口脱臭では、吸着法も洗浄法も効果を期待できるが、費用が5〜6百万円ほど掛かる。乾燥中の溶剤回収は、回収率が60〜90%になり、回収溶剤は再利用できて経済効果もある。しかし現状は、石油溶剤の使用施設のうち、乾燥機を設置している施設が28,495、その中で回収装置を持つ施設は7,800に過ぎない。またホットタイプへの転換も進んでいない。
米国のロイヤルトーンケミカル社が開発し専用ソープ「ロイヤルトーン」が、天然皮革、毛皮、獣毛製品などを高品質に洗えるチャージ・ソープとして一般のクリーニング工場へ徐々に広がっている。今までは特殊クリーニングに外注のため1カ月かかっていた納期は自社工場処理により1日でできるようになったという工場もある。このソープは、天然の動物性脂分と栄養分を含んでおり、洗浄と、革の脂分と栄養分を補強するコンディショナー効果を併せ持つため、色落ちもせず、短時間で高品質のクリーニングが可能になるという。日本ではロイヤルトーンジャパン(東京)が輸入・販売する。
ポリ乳酸繊維は耐摩耗性が低いので、タンブラー乾燥は推奨できない。また融点が約70℃とポリエステルより90℃も低いので、アイロンがけは「低温あて布、スチーム不可」となる。乳酸繊維は、ハロゲン系や芳香族炭化水素系の溶剤に溶解するので、ドライクリーニング不可である。どうしても必要な場合は、低芳香族系の石油溶剤を使用する。同じ理由から、有機溶剤によるしみ抜きは推奨しない。また強酸、強アルカリに弱いので、漂白は行わない。
日本繊維製品・クリーニング協議会がアパレル業界とクリーニング業界の協働を目的に10月に「第1回日繊ク交流会議」で、クリーニング事故防止に向けた両業界の協力体制構築の課題を明らかにされた。国民生活センターのクリーニング苦情受付は約1万件で推移しており、消費者利益のためには事故情報共有化が必要としている。
繊維製品の消費性能を考えるときに必要になるのが、着用性能とメインテナンス性である。クリーニングの実際(限界)からアパレルおよびテキスタイルの方々へ情報を発信したい(大阪府クリーニング研究所長)。クリーニングトラブルが起こる要因、クレーム事例分析に始まり、ドライクリーニングの解説、ウエットクリーニングとシミ抜きの問題点などが述べられている。製品の性能や限界につき、消費者に対して広報して正確に認識できるようにするとともに、性能劣化を遅延させる技術開発も大切である。繊維製品の未来のため、日頃の情報交換と共通の評価基準が必要である。
埼玉県消費生活支援センターは、全国で始めて、手洗い可能な麻製品、カーディガン、ブラウス、ジャケット、計7銘柄(編み物1、繊維製品6)の商品テストをし、手洗いと洗濯機での手洗いコースとで洗濯した場合の変化をテストした。7銘柄中4銘柄が繊維製品品質規準の寸法変化率を超えて縮んだ。手洗いでは5銘柄で、洗濯機洗いでは、全銘柄で色調が変化。
ボタンの組み合わせ方で5つの用途で使える「抱っこカバー&ひざカバー」「ひざかけ」「対面抱っこ」「よこ抱っこ」「おんぶ」「取り外し」の5つ。素材はスポーツウェアなどに使われる「デルフィ500」を使用した。蒸れを抑えながら防水性の高い素材なので、雨の日にも使える。中生地はフリース。サイズは幅80cm×股下約28cm。たたむとポーチほどの小ささとなる。対象年齢は3歳まで。発売元、グースカンパニー(東京都港区)
イタリアの会社がルーマニアで縫製したズボンを「イタリア製」として販売した衣料販売会社ビームスが、「原産国はルーマニアであり不当な表示だ」とした公正取引委員会を相手に起こした訴訟で、東京高裁は、12日、ビームス側の請求を棄却。景品表示法違反(原産国の不当表示)で同社に対して排除命令を出した公取り委の審決を正当と判断。ズボンは00〜04年に約2万3千着が販売された。
日経の消費者調査で、かざすだけで買い物ができる電子マネーの使い方に、男女で特徴がはっきりした。主婦など女性はポイントや割引などの特典が付くスーパーなどの電子マネー一体型会員カードを重宝、寸暇を惜しむビジネスマンなど男性は一瞬で支払いが済む点を重視する傾向が強い。
松下電器産業の薄型テレビ「ビエラ」の今春発売モデルから、竹の微細加工技術を駆使した「バンブーコーンスピーカー」が採用された。空気を震わせて音を出すスピーカーの振動板を、業界で初めて竹繊維100%で作った。竹は従来の針葉樹よりも生育が早いため、音質の高さだけでなく、環境に優しい面も注目されている。同志社大学と産学協同でインドネシア産竹繊維の表面を毛羽立たせ中国産竹繊維と混ぜて、100%竹繊維の振動板が完成した。広い音域をカバーする為に必要な音速(振動に対する反応速度)も25%アップした。
日経の消費者調査では今冬ウォームビズに対応した服装をする予定の人は31%と昨冬の8%上回った。購入する衣料品では、下着が女性49%、男性25%と最も高い。商品を選ぶポイントは素材・機能性79%、価格(安さ・値頃感)69%に集中。購入場所は大型スーパーが47%で最多となっている。
オーストラリアン・ウール・イノベーション(AWI)は、オーストラリアン・ウール・サービセス(AWS)からウールマークを中心とするザ・ウールマーク・カンパニーの主要資産を買い取った。分離していた豪州羊毛の研究・開発とマーケティング機能がAWIのもとに一体化。AWIは豪州羊毛の総合機関として発足する。ブランド「ウールマーク」などの知的財産権とライセンス事業、マーケット・インテリジェンス、オプティム(延伸ウール)技術などの権利がAWIに移る。ウールマーク部門は当面、現社名をそのまま使用。日本では、東京の日本支社と愛知県一宮市のアジア開発センターの機能がそのまま残る。
繊維産業流通構造改革推進協議会(繊維ファッションSCM推進協議会)は繊維・アパレル企業と量販店との取引の関わる取り決めをまとめた。品質問題に関する責任の範囲や受発注の手法など基本条件を設定、アパレルメーカーや量販店が順守することを求めている。今後も内容を双方で検討し掘り下げていく。
コンビニやスーパーのレジ袋を減らそうという試みが広がっている。レジ袋1枚5円程度の料金をかける有料化の他、ノーレジ袋デー設定や値引きなど様々なアイディアが登場。先行する東京都杉並区は削減計画を義務付ける条約作りに着手するなど実験から一歩踏み出す動きも出始めた。
医療用分野でのシルクのハイブリッド化の研究を紹介。無機物質とのハイブリッド化として、シルクと骨無機成分であるハイドロキシアパタイトのハイブリッド化は人工腱・靱帯のような組織代替材料としての利用が示唆されている。化学分子の化学反応によるハイブリッド化として、フィブロイン分子中のセリン残基に硫酸基をハイブリッドすることで、生体内での細胞増殖因子や血液凝固因子などの生理活性分子に作用し、人工血管等の抗血栓性材料開発が試みられている。グラフト重合による高分子とのハイブリッド化として、重合性の不飽和基をあらかじめシルクに導入し、それを起点とした2段階のグラフと重合技術を開発し、機能性高分子のシルクハイブリッドを行った。この方法でメタクロイルオキシエチルフォスホリルコリン(MPC)ポリマーをシルクにグラフと重合したハイブリッド材料は血小板付着が抑えられ、血液親和性の高い材料として期待されている。また、遺伝子組換えによるハイブリッド化として、シルクフィブロインタンパク質の特徴であるアミノ酸配列繰り返しモチーフと機能性ペプチド配列を組み合わせることで機能性物質を作出しようとする試みが多く報告されている。
香蘭女子短期大学(福岡市)は被服学科で、パターン技術の修得・向上をめざす人材教育「アパレルテクニカルイノベーション講座」を開講する。文部科学省の07年度「社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム」採択事業で、期間は09年度までの3年間。対象はアパレル産業従事者と未経験者で、定員は各コース20人。受講料は無料。指導員は被服学科教師と外部講師で構成。開講中は受講者の技術評価を行い高い教育効果を狙う。評価は指導員と福岡商工会議所、日本アパレル産業協会福岡支部の評価委員が担当、カリキュラム修了者には修了証と履修証明書を発行する。
推進中である中国は2010年を最終年度とする第11次5カ年計画の中で、産業用繊維10年には繊維加工総量の約15%の400万トンの生産を計画していることが明らかになった。技術水準は90年代末のレベルを目標としており、依然として格差が存在するが、外資の技術に負うところが大きく油断できない。
中国で新たに施行される法制度がコスト圧迫の一因として取り上げられている。基本的に法制度によるコスト高は止められないが、中国での生産基盤を持つ各商社では一環体制による機能性の活用や、ローカルスタッフの育成など様々な対応策から打開策を模索している。輸出促進を目的に94年から導入された増値税還付金は当初17%だったものが、11%となる。また、08年1月からは企業所得税の25%への統一と新労働法(労働契約法)も実施される。新労働法は社員の権利を大幅に向上し、守ることを目的としたもの。
繊維ファッション産業に対して、これまで繊維学部や家政学部被服科など工学系のアプローチしか行ってこなかった国公立大学が経営学の観点から目を向け始めている。単位認定される各種の講座が今年度始まり、ファッションビジネス(FB)業界幹部は時代を担う人材の輩出に期待をかける。今年度、国公立大学でFB講座が相次ぎ新設された背景には、第一に国公立大の独立行政法人化や「大学全入時代」による競合激化で産学連携型の教育・研究が導入しやすくなったことがある。
労働力不足と工賃上昇を避けるため、中国の東北部の吉林省や遼寧省にアパレル生産を移す動きが始まっている。増産に対応するため、設備や人員を増やす工場が少なくない。しかし、この地域でも労働力不足の影がちらついている。納期が短い日本向けの工場では「日曜日も休めない。残業も多い」ため、若年層に敬遠されている。08年1月から施行される労働契約法に対応する必要もあり、労働力確保のための環境整備も問われている。
@12月14日A京都工芸繊維大学B静電紡糸によるナノファイバーの創製、静電紡糸と繊維工学、バイオ系ナノファイバーの製造と応用、他C近畿化学協会 TEL 06-6441-5531
@12月19日〜20日A東京工業大学大岡山キャンパスB次世代防火服の開発、ベビー用紙オムツへの繊維材料の応用、繊維技術が支える個の健康―繊維型DNAチップ、世界の水問題と膜利用水処理技術、他C繊維学会関東支部 申込先:東京工業大学谷岡研究室 TEL 03-5734-2426
@1月31日〜2月1日A日本規格協会B品質管理とは何をすることか、データのとり方、ヒストグラム、チェックシート、パレート図、散布図、管理図、工程の管理と標準化、他C日本規格協会 TEL 03-3583-8008
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:中島利誠/発行人:大谷芳男