ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧（2003年度:第20巻～）→
産業構造審議会の09年版不公正貿易報告書は、118件の貿易政策･措置の問題点を指摘している。内訳は米国36件、中国24件、ASEAN21件など。新規案件はインドネシアの衣料品などの輸入制限措置、ウクライナの関税引き下げ(13%)など5件。問題点として、中国の模倣品･海賊版等の不正商品や中古衣料品の輸入禁止、米国の高関税品目などがある。
中小企業基盤整備機構が03～07年度支援した川中自立事業の結果報告書がまとまった。｢(大変)よい効果が得られた｣と回答した企業が86%あり、事業に対し高い評価があったことが伺える。
宝石や呉服などで悪徳商法から消費者保護の観点で見直された、割賦販売法と特定商取引法が改正され、12月に施行される。ただ、クレジットカードも規制に含まれることになり、カード入会時の審査の煩雑化や購買制限などで消費者のカード離れが起きる可能性もあり、小売業やカード会社からの問題も指摘されている。
外務省、経済産業省、観光庁は7月仏パリで開かれる日本ポップカルチャーイベント｢ジャパンエキスポ09｣で、日本ポップカルチャーの普及拡大とコンテンツ産業の海外販路拡大を後押しする。連動してラフォーレ原宿と現地でファッションショーを開催する。
繊維廃棄物が焼却もしくは埋め立て処分されているのを、資源として有効活用していくため、経済産業省はリサイクル･モデル事業に乗り出す。プロジェクトチームを結成、実証実験を実施、リサイクルシステムを年度内にまとめ、提案する。
繊維製品品質表示規定の一部改正案が経済産業省09年度消費経済審議会品質表示部会で了承、10年8月適用予定。改正は①特殊な表示方法(列記表示の対象製品)の見直し②混用率の許容範囲の見直し③混用率に関する特例(除外可能な繊維)の見直し④JIS改正に伴うはっ水性表示の変更⑤ポリ乳酸繊維の水分率追加など。
経済産業省発表の09年版通商白書は、世界的経済危機の中で、ピンチをチャンスに変える施策として①内外一体の経済対策②ボリューム･ゾーン･イノベーションの推進③低炭素革命の世界展開④資源国への産業協力などの重層的展開の4本柱の戦略を提言している。
改正省エネが10年4月から施行される。改正は、従来の事業所単位から事業者単位へと適用対象が変わる。事業所全てのエネルギー使用量合計が年間1500klであれば、使用状況届出書を各経済局に提出し、特定事業者の指定を受けなければならない。また、小売のチェーン店や学校、病院、商業ビル、銀行など様々な業種が網にかけられる見通し。
この規格は、繊維製品のしわに対する生地の回復性能をモンサント法によって評価する試験方法について規定したものであるが、引用JIS規格の改廃及び試験の実態等を踏まえ、規格内容の充実を図るため、改正を行うものである。主な改正点は、次のとおりである。①規格様式の変更(JIS Z8301:2005)及び引用JISの改廃に伴い整合化する。②前回の改正で5N(510g)に改正したが、試験の現状に合わせ4.9N(500g)に戻す。③A法(10N荷重法)とB法(4,9N荷重法)について内容の区分けを明確化する。これに伴い、B法の装置規格と操作手順を明確化する。④非イオン界面活性剤をJIS L0860の引用に切り替える。⑤附属書(規定)針金法は使用頻度が少なくないことから附属書(参考)にする。
この規格は、繊維製品のしわ付けされた後の生地の外観を評価する方法について規定したものであるが、引用している規格や対応する国際規格の動向を踏まえて、規格内容の充実を図るため、改正を行うものである。主な改正点は、次のとおりである。①規格様式の変更(JIS Z8301:2005)及び引用JISの改廃に伴い整合化する。②図3の観察装置をISOの規格と整合化する。③上部フランジの重りの調査方法が不明確であったため、明確化する。④試験結果の丸め方を記載する。⑤標題を防しわ性試験方法第1部のモンサント法と表現を合わせる。
この規格は、洗毛され、加工された羊毛繊維(回収羊毛を含む)の試験方法について規定したものであるが、一部の試験で用いられる染料が人体へ悪影響を及ぼす恐れがあるため、改正を行うものである。主な改正点は、次のとおりである。①試験方法として、7.21.3(着色法のc)(ベンゾパープリン法)を削除する。
ナイロン糸に銀をコーティングし、メッシュ状に編み上げた電磁波シールドクロスを導電布として、これを絶縁体の生地の表面と裏面に貼り合わせるなどした表面導電性生地を、電源供給、信号線、静電シールド、タッチセンサー(着るピアノ)の試作などへの応用利用を試み、ウェアラブルコンピューティングの基盤技術としての可能性を検討している。
地球温暖化防止のためには3Rが重要であるが、繊維製品では製造時に出る｢屑繊維｣と使用済み衣服の｢ぼろ｣の合計の12%しか有効利用されていない。これらの繊維屑を｢プラスチック成型素材｣｢複合材料強化材｣｢木材代替材料｣としてマテリアルリサイクルの手法を解説している。
ユニチカは植物由来のポリ乳酸(PLA)素材｢テラマック｣で、ABS樹脂に劣らない性能を持つ樹脂を開発した。成形性や外観もよく、体重計で採用された。ABS樹脂と同程度の加工性を持ち、同じ設備で成形することができる。耐熱、耐久、耐衝撃や透明、難燃などを組み合わせた数タイプのグレードを開発した。このうち｢耐熱、耐久、耐衝撃｣タイプがタニタの体重計｢HS-302｣本体外装の一部に採用された。成形性に優れることから外観などが評価された。使用率は数10%で、ABS樹脂を使用した場合と比べ、CO2の排出量を約20%削減できる。
東レ合繊クラスターは、昨年設置した営業企画分科会(委員長会社小松精練)のプロモーション素材第1弾となる環境配慮型ストレッチテキスタイルを｢ヴァーチャレックス｣の商標で販売開始する。原料の一部が植物由来の環境配慮型原糸｢T-400｣(PTT複合繊維)を中心としたストレッチテキスタイル。T-400使いの糸や織物は、従来のポリエステルとは異なり、安定した品質、品位や商品として必要な耐久性を持たせるために、糸の加工から生地の設計、高度な織布技術と染色加工の高い知見と技術が求められた。まさにクラスターの技術集積が生かされた素材である。生地値はアパレル入り1,000～1,500/m。
婦人服地卸のミヤジンテキスタイル(大阪)は、2010年春夏向けテキスタイルで、天照石練り込み繊維を使った婦人パンツ素材｢MJサルーテ｣を開発した。天照石はゲルマニウムよりも遠赤外線を放出し、血行促進、抗菌防臭、むくみ対策に効果を発揮する。微粉末化し、レーヨンに練り込んで綿と複合した紡績糸を合繊糸卸から婦人アウター用途として独占的に購入した。天照石混の糸を肌側に、ポリエステルを表側に配して織り、伸縮性、イージーケア性を持たせ、エレガントに仕上げた。天照石の混率は約10%。
小松精練はこのほど、独特のドライ感、きしみ感、ナチュラルな表情を持った新素材｢コットーネ－EN｣を開発した。ファッション衣料、ファッション資材(バッグほか)向けに6月から本格展開する。小松精練は、合繊の加工で蓄積してきた加工技術や新たに導入した専用設備、独自の薬剤を活用し、合繊でも天然繊維でもない質感を強調した綿100%および綿複合の新素材｢コットーネ－EN｣を開発した。関連特許を1件出願中。形態安定性の高い天日干し調のしわ感を有しているほか、独特のドライ感やきしみ感が備わっている。
NI帝人商事の子会社、帝建は、耐熱アラミド繊維を使った防暑対策製品｢クールワーカー｣を開発し、今月中旬から発売する。炉前作業や溶接作業、消火活動時のような高温環境下での作業では常に危険性を伴うだけでなく、作業性の快適性を満足させた耐熱服、防火服は従来なく、快適性の改善が望まれていた。同社は耐熱アラミド繊維使用の耐熱マスクに相変化物質(PCM=物質がある温度で溶解･凝固を繰り返し、その際、熱の吸放出作用を示す物質)温度調節機能素材を組み合わせることで高温環境下での遮熱性、安全性、快適性を向上させた防暑対策製品クールワーカーの開発に成功した。
蝶理は、東京･中目黒の野菜スイーツ専門店｢パティスリーポタジエ｣と協業し、約20色の｢野菜パレット｣を発表した。原料の野菜は、通常は廃棄処分される規格外品で、色素を固定させる化学染料は2～3%に抑えた。ポロシャツはトマト、タマネギ、ブルーベリー、ニンジンの4色展開した。パティスリーポタジエは、企業やアーティストなど幅広い分野の協業で知られているが、繊維業界は初めてである。
オーミケンシは、赤外線を熱エネルギーに変えて発熱する繊維｢ソーラタッチ｣を開発した。インナー、スポーツ、アウター、雑貨などの用途で展開する。レーヨンに練り込んだ金属酸化物の微粒子が赤外線を吸収し、発熱する仕組み。広い領域の赤外線を吸収できるため、発熱量の多いことが特徴。同社の実験によると、綿と比べて温度が2-4°Ｃ上昇するという。練り込みのため洗濯耐久性に優れ、半永久的に機能性が持続。レーヨンの風合いも損なわれない。混紡などでほかの素材と複合することもできる。
セーレンは10～11年秋冬向けスポーツ用で、太陽光を蓄熱して衣服内の温度を約4度上げる｢フィールサーモ｣を開発した。フィールサーモは糸の中心部に、近赤外線を吸収するポリマーを練り込んだポリエステルフィラメントである。糸は白いため、どんな色にも染められ、表側だけでなく肌側に使っても効果がある。ゴルフなどのシャツ地からアウター用織物まで揃う。
シキボウは、カビの発育を抑える繊維｢ノーサム｣を開発した。5月28日、繊維評価技術協議会(繊技協)の認証を受け、初めてとなる抗カビ加工繊維SEKマークを取得した。09年秋冬向けから販売し、靴下、布団カバー、ユニフォーム、シャツなど幅広い用途で展開する。カビの種類は8万を超える。そのため日常の環境に多く見られるアオカビ、クロカビ、白癬(はくせん)菌のほか、クロコウジカビを試験対象とした。｢ノーサム｣は、選定のカビ4種に抗カビ効果が認められた。口に入ったり皮膚に触れたりしても安全なことも確認済み。後加工のため、今ある素材に対応でき、洗濯耐久性にも優れる。
深喜毛織は、最高級カシミヤ｢キャッシュ｣シリーズに、10～11年秋冬物からベビーカシミヤの｢ベビー･キャッシュ｣を加える。高級差別化路線を継続しつつ、低価格志向に合わせて商品の裾野を広げ、安定した収益確保に努める。ベビー･キャッシュは、太さが13～14μmとカシミヤの中でも最も細い。白度が高く、しなやかでぬめりがある。生後4～6カ月のカシミヤ山羊1頭から取れる量は約10g、年間産毛量は2～3t。22番単糸の織物をコート、ジャケット、マフラー用に提案する。価格は、カシミヤとビキューナの中間で手が届きやすく、高級品の定番として育てたい考え。
インビスタはデニムの新製品として、形状を維持しやすい｢ライクラ･ラスティングフィット｣を発表した。ライクラ･ラスティングフィットは、PTT(ポリトリメチレンテレフタレート)繊維｢T400｣を使用している。長時間にわたり形状を持続する糸の特性により、衣類の伸びやたるみを防ぐ。繰り返し着用した後でもストレッチ性を維持し、縮みにくく、衣類の形状を保持しやすく、他の伸縮素材とは異なるしっかりとしたフィット感をもたらす。
西川リビングは09年秋冬向け寝具として、ミルフィーユのような特殊3層構造の健康敷き布団｢快圧ふとんΣ｣を発売した。快圧シリーズの体圧分散機能を生かしながらソフトに仕上げたタイプで、横向き寝や寝返りなど様々な姿勢に対応できるように、女性や高齢者などの声をもとに開発した。中層は高反発ウレタンを使用し、頭部と足元以外に凹凸加工を施して沈み込みを防いだ。下層は固めのウレタンで体を支え、底面に湿気を逃がす通気溝を加えた。側地の表はポリエステルのダブルラッセル素材、マチ部分と裏は綿を使用している。
NI帝人商事は、4種類のポリエステル機能素材を使った敷布団｢次世代快眠敷き布団｣を発売する。中芯は、帝人ファイバーの差別化素材を活用した。特殊成型加工によるシート状のポリエステル不織布｢ファイバークッション｣は、部分的に硬くできる特性を生かし、寝姿勢を安定させる。｢V-LAP｣は、繊維の並びをタテ方向に配した不織布構造体で、高反発、軽量、通気性など優れる。中綿は、かさ高性や弾力感に優れたインビスタの｢デュラライフ｣、側地にはNI帝人商事の高密度織物｢グレイセス｣を採用した。
フジボウは、3月に発足した｢繊維差別化商品開発ワーキングチーム｣が中心になり、素材から製品まで一貫生産した商品の開発を進めている。このチームは4つのワーキングチームの一つで、糸、織編物加工、製品、営業担当など9人のメンバーで構成する。第1弾として接触冷感の高級肌着｢ロモス･アイスドコットン｣を新発売した。特殊加工で綿を改質、皮膚から受ける熱量を高めたほか、表面を平滑にする編地の工夫などで涼しさを出した(キューマックス数値0.2以上)。汗が落ちた時の拡散性にも優れる。価格は5,040円(税込み)。
デニム向けの素材開発が、綿以外で相次いでいる。デニムは市場規模が大きいので、まとまった数量の販売が期待できるのが第一の理由。デニムがアパレル業界で定着し、多様な素材使いが求められていることも背景にある。モヘヤでは、カンデブー協会が20～22μmの細番化を図り、控えめな光沢、ぬめり感などの新しい風合いを作り出している。また、南アフリカのデニム･プロジェクトは、太さ30μm台のモヘヤ10%混デニムを試作。レンチング社は｢ボタニック･デニム｣として、テンセル20～25%混デニムの販促プロモーションを始めた。ベルギー･リネンを使ったデニム生地の提案もある。
2010年春夏、防炎機能がある素材で、日常着向けの提案が増えている。既存のユニフォーム用と比べ、着心地の良さに配慮し、｢安心･安全｣を提供できる素材として需要の掘り起こしを狙っている。クラボウは、難燃性のアクリル系繊維と綿の混紡｢ブレバノ｣で、キャンプ用アウトドア衣料やエプロンのほか、アウターやインナーにも向くニットを作った。ユニチカ通商は、死亡理由で、引火による事故が多い点に着目。耐炎性･難燃性の高いポリアミド繊維｢ケルメルファイバー｣で、高齢者のパジャマなどを想定したニットを作る。アラミド繊維と比べて風合いが柔らかい。
合繊メーカーの2010～11年秋冬向けスポーツ素材は、消費者が実感しやすい｢軽量｣、｢暖かさ｣が共通したキーワードになっている。かさ高加工、特殊加工による防風透湿性付与、蓄熱保温素材、吸湿発熱機能付与など、本紙では、各社のあったか素材を紹介している。
ユニチカテキスタイルは、低温プラズマ加工技術による高耐久機能加工素材｢ナノフェイズ｣シリーズを開発した。09～10年秋冬向けからユニフォーム、カジュアル衣料、インナー、寝装などの用途に展開する。同社は放電プラズマにより、ポリエステル繊維の表面をナノ分子レベルで改質する独自の加工技術を20年以上前に確立している。吸水･防水性を付与した｢デュアルプラスEM｣をベースに各種機能を加えたのがナノフェイズだ。制菌のナノフェイズUF、消臭のナノフェイズDE、制電のナノフェイズASの3種があり、ポリエステル100%やポリエステル綿混やリヨセル混の織･編物に加工できる。
スケール除去によって防縮加工された羊毛を中性洗剤で水洗いした場合、形態や風合い･防しわ性などの特性はあまり変化しないことが報告されている。ここでは、繊維の強伸度などの物理特性への影響を検討した。その結果、中性洗剤で洗濯すると防縮加工の種類によって差がみられるが、いずれの場合も羊毛繊維の強度と伸度ともに低下がみられた。一方、SEMによる表面と破断面の観察では表面･内部ともに変化が見られなかった。強伸度の低下は、中性洗剤が繊維内部の細胞膜複合体成分を抽出させることによると考えられた。
小松精練はこのほど独特の凸凹感を持たせた新しいデコラティブファブリック｢トスポ－NⅡ｣を開発した。5月からファッション衣料や資材(バッグほか)、スポーツ衣料向けに投入する。小松精練によると、薬剤をナノレベルで繊維1本1本に被膜浸透させているため、合繊や天然繊維を問わず、下晒し品や染め上げ品、機能加工が付与されたファブリック、ボンディング品にも後加工することができる立体染色という。独自に開発した特殊な薬剤と設備改良によって、糸の収縮がコントロールされているため、従来品にはない凸凹感に富んだ表面感が得られるのが特徴。
二酸化チタンを使った光触媒加工｢ガイアクリーン｣による滅菌や消臭の機能が、インフルエンザウイルスにも有効なことが分かった。加工剤を販売している衣料付属品卸の廣瀬又一(東京)が、新型インフルエンザと同種のA型インフルエンザウイルスに関し、ウイルス研究で知られている北里環境科学センター(相模原市)に、光触媒マスク素材の抗ウイルス性試験を依頼。ガイアクリーン加工がウイルスの不活性化に効果があるとの調査結果を得た。また、山形大学などがウイルスについて光触媒による不活性化の研究結果をまとめているという。スマイル(東京)と共同で同加工の不織布マスクを販売する。
リーバイストラウスジャパンは色落ちやヒゲ加工などのあたりの出方を着用者がコントロールできるジーンズ｢インプリント｣を2009～2010年秋冬から販売する。技術的な詳細は明らかにしていないが、特殊染料を使うことで実現した。通常のデニムより色落ちしやすく、お湯で洗うと更に色落ちが進む。逆に裏返して洗うと色落ちのスピードが抑えられる。
日清紡テキスタイルは、後加工技術で差別化した商品を強化。綿100%シャツ地で家庭洗濯後もそのまま着用できる｢究極のノーアイロンシャツ｣の新加工｢アポロ加工｣およびデニムでは色落ちしない新加工｢IP加工｣を開発した。アポロ加工は、生地での加工後の強さ、風合いなどを考慮、綿花の選択から糸、織物段階での技術も組み合わせ、洗濯後もW&W性4級と従来のノーアイロンシャツ地の性能を一段と進化させた。IP加工は、色落ちしにくいデニムの性能を一段と向上させたもの。洗濯後も退色しないジーンズの他、色落ちする部分を作ることもできる。
1966年創業の豊和(岡山県)は、デニム産地では後発であったが、トレンドに合わせて、ワンウォッシュ、ブリーチ、ストーンウォッシュやケミカル加工に対応し、ピーク時は年間60万点を加工した。近年の開発で重視しているのが、環境配慮。昨年、デニムの洗いでは初めて、空気から生成するオゾンで脱色する｢エアーウォッシュ｣加工を確立した。草木染めの量産化は、03年に岡山県工業技術センターの支援を受けて開発。一般に天然染料は染まりにくく、繰り返し液に浸すなど手間や時間がかかるが、高圧高温の染色釜で、一度にボトムなら50本、Tシャツなら100枚の製品染めに成功、特許も申請した。
倉敷紡績の｢EBRIQ｣は、産官学共同｢経済産業省地域新生コンソーシアム研究開発事業｣の成果、電子線グラフト重合技術による天然繊維の改質技術を活用し、天然繊維に半永久的に機能性を持たせた素材を連続生産できる世界初の技術による。シリーズとして、吸湿発熱、消臭、抗菌および接触冷感がある。①繰り返しの洗濯でも繊維から機能薬剤が脱落せず、半永久的に機能性を持続できる。②機能薬剤が繊維の表面で効率的に働き、即効性や高性能の機能が実現できる。③反応効率が高く加工薬剤のロスが少ないので、少量の加工薬剤で高い効果が得られ、環境への負担を抑制できる。
愛知県産業技術研究所尾張繊維技術センターは、羊毛から取り出した成分の再繊維化に成功し、全国で初めて羊毛再生繊維を製造する技術を開発した。衣料向けのほか廃水処理、細胞研究などへの応用が期待できる。同センターでは安全性の高いリン系の薬品を使い、ケラチンを溶解する手法を開発するとともに、塩析沈殿法によって短時間でケラチン紡糸液を調整する技術を確立した。羊毛からケラチンを抽出し、精紡、紡糸する。
強力デオドラント機能ポロシャツを紹介している。このポロシャツは、レーヨン繊維にカルボキシル基を化学結合させた糸を縫製糸に使った。アンモニア臭などの分子はカルボキシル基にキャッチされて無臭になる。これらの分子は、洗濯すると衣類から離れて、消臭効果が復元する。
髙島屋は、家庭の洗濯機で洗える紳士スーツのプライベートブランド(PB=自主企画)商品を発売した。オンワード樫山との共同企画によるもの。洗える紳士スーツは紳士服専門店が扱っているが、百貨店がPBで投入するのは珍しい。商品は紳士服PB｢ラフィネールアッシュ｣の一つで｢ヴェールライン｣。ポリエステル55%、ウール42%、ポリウレタン3%。生地に繊維が細い高級ウールを使いながら、イスラエル企業が開発した特殊加工技術によって耐久性を高めた。洗濯機で洗った後に陰干しするだけで形崩れしないという。価格は洗濯用ネット付きで71,400円。
郊外紳士服専門店で増え続けているレディースのリクルート、キャリアスーツ。これを商品供給の面で支えているのが、これまで紳士服を納入してきた紳士服メーカーだ。紳士服に比べて、商品回転が速いレディスウエアの中で、リクルートやキャリアスーツは比較的、紳士服に近い商品だ。かつて、ロードサイド店が紳士服のシェアを奪ったように、メンズの仕組みを使って、婦人スーツのシェアを取り込もうとしている。
甲冑をイメージした紳士物のパンツが人気だ。若い女性の聞で｢戦国ブーム｣が起きている影響で、家族や彼氏用に受験など勝負日のプレゼントとして買うケースが多いようだ。1枚1,240円と高めだが、生産が追いつかない状況が続いている。織田信長や武田信玄など戦国時代に活躍した武将が身を守るために装着した甲冑の模様を伸縮性と通気性に優れた生地に印刷。昨年12月に発売し、インターネットで話題を集めて人気に火が付き、すでに一万枚近く売れた。販充元の衣料品企画販充ログイン(東京)の広報担当者は｢その土地ゆかりの武将にも挑戦していきたい｣と、地方での限定販売も検討している。
はるやま商事は，従来品と比べて7.5度涼しいサマーフォーマルウエアを発売した。ユニチカテキスタイルが開発した特殊染色技法涼感素材｢クールブラック｣を採用した。この素材はウールを原綿と織物状態で特殊染色技法を施すことで，赤外線を大幅にカットし，生地温度の上昇を抑制できる。着用時の温度調査では従来品より、7.5度下げることができたという。フォーマルに相応しい質感と深い黒も兼ね備えている。
日本ジーンズ協議会(常見修二理事長)は08年度のジーンズ生産着数を発表した。統計は前年同期比で10.9%減、65,782,000点となった。トップス、ボトムスいずれも減少した。カラージーンズ部門のメンズの増加が要因で微減にとどまった。ショートパンツ(レディース)ハーフパンツ(メンズ)類が伸びを見せたが、季節性の高い商品であり、全体を押し上げる力にはなっていない。主力のブルージーンズがメンズ、レディースとともにかつて無いほどの大きな減産を余儀なくされたため、ボトムス合計では今回初めて2ケタの減産となった。
オーダーシャツを企画するエニーズ(大阪･川崎昌子社長)が4月からレディースのオーダーシャツの販売を始めた。メンズのオーダーシャツは珍しくないが、レディース向けは皆無だった。同社は直営店舗とネット上でレディースとメンズのオーダースーツを販売、ネットでは29,000円を裾値に39,000円、49,000円を販売する。紳士服専門店のレディーススーツが増える中、同社のモデルは女性目線で独自のパターンを作った。ボディーラインが引き立つシルエットが特徴だ。オーダーシャツの上代では9,800円。10種類の生地から好きなデザインを選べる。
米国の景気は昨年12月～今年2月に底を打ったものの、好転するまでにはまだかなり時間がかかり、今は｢安定しかかっている｣時期という見方が広がっている。ファッションビジネスは依然、ラグジュアリー分野が落ち込み、百貨店も厳しい。｢最悪の時期｣は過ぎたものの、不況の先の変化は、読めない。
飲食や工場向けのレンタルユニフォーム市場が拡大している。ユニフォームは企業が一括購入し、従業員に貸与してきたが、在庫管理や追加フォロー、クリーニングなどのメンテナンスに取り組むレンタル業者の優位性が高まっている。最近はICチップによるセキュリティーなどのサービスも充実、コストも削減できるレンタルへの引き合いはますます高まりそうだ。
衣料専門店がお客に無料で渡す包装用の袋｢ショ袋(ショップの袋)｣をセカンドバッグに活用する若い女性が増えている。｢ショッパー｣とも呼ばれ,一昔前は舶来高級ブランドの袋が珍重されたが、最近では手ごろなブランドの人気が高まっている。珍しいものならネット上で1枚1000円近くで取引されることもある。節約志向の高まりで、勤め先や学校にお弁当を持って行くのに使う人も多く、ブランド側も実用性の高い丈夫な素材を増やしている。
この10年、市場に供給されるアパレル製品の小売価格は、下落の一途をたどってきた。しかし、ここにきて増えているのは、ある程度アイテムを絞ってロットを増やし、リードタイムにも余裕を持たせることで、｢小売価格は引き下げつつ、商品価値は据え置きか、ワンランク引き上げよう｣とする動きだ。
YKKファスニングプロダクツ販売は、縦に伸びるストレッチファスナー｢ソフレックス｣を本格販売する。コイルファスナーのテープ部分に、ポリウレタンをポリエステルでカバリングした糸を使った。ファスナーが縦に伸びると、エレメント(かみ合わせ部分)にすき間ができて、左右が外れる恐れがあったが、歯がかみ合う部分を大きく、深くすることで、問題を解決。エレメントをテープに縫い付ける糸もストレッチ素材を使った。縦に伸びるファスナーは世界的にも珍しく、日本を含む11カ国で特許を出願中という。これにより、約12%(1㎏荷重時)の伸度を実現している。
衣料品販売が苦戦する中、2009年秋冬婦人服のトレンドとは何か。
日経MJは百貨店やセレクトショップのバイヤー、専門店ビルで若い女性に人気のブランド企画担当者ら8人に売れ筋予想商品を聞いた。主流派は1980年代調で黒にピンクなど原色を合わせた強い色調。革のライダーズジャケットも注目株だ。不況でファッションも冒険したくないせいか、定番的なデザインのツイード素材ジャケットも人気を集めそうだ。
大手アパレルメーカーは百貨店向け婦人服の今秋冬物で、ブランドを横断した素材調達･開発を強化している。1ブランド単位ではなく、複数のブランドで大量に調達してスケールメリットを出し、コストを抑制するのが大きな狙い。素材メーカーと全社レベルで取り込むことで、｢品質の向上と商品の独自性を追求する｣目的もある。各社とも素材調達だけでなく、生産面でのコスト削減策にも取り組み、｢品質を維持･向上｣しながら、価格を引き下げる。
好調に売り上げを伸ばしてきたライフスタイルストアにとっても昨年来の不景気は売り場に大きな打撃を与えている。消費減退は売り上げ苦戦に直結した。一方でライフスタイルストア自体も隆盛から数年が経ち、店舗増だけでない成長への踊り場に差し掛かっていた。不況を契機にしてライフスタイルストアの新しい挑戦が広がっている。
大手から中堅までSPA化を進めてきた専門店で、自社生産と仕入れ比率の見直しが進んでいる。本来自店の独自性を出すために始めたはずの自主企画、生産で商品の同質化が進み、売れない中で小売の在庫リスクが高まっているため。
衣料品を扱う専門店チェーンで、過去最低価格の上下組み合わせ自由のスーツやポロシャツを前年の半値にするなど値下げの動きが加速している。仕入先の絞込みなど調達方法を改善し、コストを圧縮で対応している。
米国で生まれたアウトレットモールが日本に本格上陸して10年、ファッショビジネスの新たな販売チャネルとして成熟期を迎えている。ファッションビジネスにどのような効果と変化をもたらしたかを検証している。
新規顧客の開発やアウトレット業態の好調が全体を押し上げ、ファッション系Eコマース上場3社の08年度売上が2桁の増収になった。今期も2桁近い増収を見込んでおり、ファッション分野でEコマースが爆発的に拡大する可能性が高まっている。
今年注目の街、東京。原宿。米カジュアル衣料品店｢フォーエバー21｣の1号店が開業し、近隣には｢ヘネス･アンド･モーリッツ(H&M)｣やスペインの｢ザラ｣、｢ユニクロ｣などファストファッションがひしめく。消費不振と言われるが、この旬の街を訪れる人の懐事情はどうか。5月末の平日、小雨が降る中、消費者約70人に尋ねてみた。不況を憂いるのではなく、商品やサービスの低価格化を前向きにとらえ、身の丈に合わせた消費を楽しむ人が目立った。
百貨店の売上が低迷している要因は、人口減や少子高齢化といった環境変化、大型SCやインターネット販売など小売チャネルの多様化、人々のライフスタイルや価値観の多様化、品揃えの同質化などが挙げられている。だが、日本コンサルタントグループの｢第6回百貨店接客販売力調査｣の分析によると、それ以外にも、強みだった｢きめ細かい接客サービス｣が客の期待通りに徹底されていないと指摘している。
ブランド名、希少性、おしゃれ度に関係なく、家庭の中古衣料をリサイクル販売する古着店の注目度が高まっている。洋服を持ち込む人、購入する客が急増し、供給と需要のバランスも整ってきた。小売業態として確立されそうな様相だ。これまでの古着屋にあった｢おしゃれへのこだわり｣はない。｢安心感｣｢タンスの整理ニーズ｣｢お宝探し感覚｣のファスト古着を提供する。新品ショップが忘れかけている商売の原点がある。
繊研新聞社が実施した08年度小売業衣料品売上高調査で、ユニクロが3年連続で1位となった。衣料品販売の不振が続き、多くの企業が売上高を落とす中、ユニクロは一人勝ちの様相を見せ、前期比8.8%の増収となった。上位10社で増収はユニクロだけ。上位100社の売上高合計は、7兆1006億円。総売上高としては、4年ぶりに減少に転じた。業態別では、専門店が比較的健闘するも、百貨店と量販店は総じて苦戦した。
小売業などで相次いで定額給付金にちなんだ販売促進セールを実施した。消費者の節約志向は根強く。スーパーの生活必需品などがよく売れたが、高額品が多い百貨店では盛り上がりを欠いた。
繊研新聞社が実施した08年度小売業衣料品売上高調査の部門別が発表された。婦人服は3年連続でワールド、紳士服は6年連続で青山商事、子供服は3年連続で西松屋チェーンがそれぞれ首位を確保した。部門とも、上位50社の総売上高は、前年実績を下回る厳しい結果に終わった。
中国人観光客の日本での消費拡大に期待が集まっている。国内需要の伸びが見込めないなか、大型の景気対策を打ち出した中国はいち早く効果を生み出しており、富裕層の消費意欲は旺盛だ。中国から日本を訪れる人の数は増加の一途をたどり、昨年はついに100万人を突破した。7月から解禁される中国人観光客へのビザ発給も、追い風になるとの見方も強い。日本の小売業にとって、増え続ける中国人観光客をどう取り込むかが大きなテーマとなっている。
日本経済新聞社調査によると、小売業の47%の企業が09年度中に商品の値下げを計画している(08年度は9%)。厳しい消費不振で価格競争が避けられなかったため。また、40%強が経営統合や提携を検討。
下取りセールが4月以降、急速に広がっている。対象商品も拡大の一途で、メーカーが実施するケースも現れた。背景にあるのは今春夏商戦の売り上げ不振、実施組の多くで来店客数が大幅に伸び、増収となった。社会貢献、環境保護、企業イメージの向上等の目的もあり、導入店、対象品目は拡大している。一方で新規買い上げ効果は期待を下回り、経費やコストの増加による収益悪化の恐れも懸念されている。
日本百貨店協会がまとめた08年度の百貨店の業界のインターネット通販売上高は前年度比23%増えた。2年連続の2ケタ増で、ネット会員数は50%伸びた。百貨店全体の売上は減少が続くなかで中元･歳暮などのネット受注を強化、アパレルなどのネット上の品揃えを拡充する動きもある。
欧州カジュアル衣料品大手3社の2009年の直近の四半期決算が出そろった。世界的な経済危機の影響でスペインのインディテックス(ZARA)とイタリアのべネトンが減益となった一方、スウェーデンのへネス･アンド･モーリッツ(H＆M)は増益を確保。日本など手薄だった地域への積極的な出店の有無などが業績の明暗を分けた。
今秋に向けても小売価格を下げる動きが強まっているが、一方で中小専門店の中には、価格下げにくみせず、価値あるものを大切に売っていこうという姿勢も表れている。｢これ以上下げても客数は増えないし、利益を減らすばかり｣と、価格下げに血眼になるメーカー、専門店を横目に、淡々と商売を続ける。競合が激しくなり商圏が狭まれば、大切にしなければならないのは目の前の顧客。顧客を裏切るような価格設定や、ぞんざいな接客こそ致命傷になりかねない。との認識だ。
日本経済新聞社の第37回専門店調査08年度によると、比較可能な414社の売上高は21兆円で前年度比2%増と、前回調査7%増を大きく下回り、消費税引き上げ後の不況に見舞われた97年度以来の低い伸びにとどまった。中で、高収益を確保したのは店舗投資を抑え、割安なPB商品を投入したり効率販売を磨いた企業群である。
7月に入ってスタートしたセールに勢いがない。前倒しして6月に実施した各種セール･催事に需要を先食いされて、開始と同時に早くも失速といった状態である。不振を予想して価格は例年以上に下がっているから、売上前年確保などは難題となる。
洗剤用酵素は洗剤の洗浄力を向上させるために使用されてきたが、近年環境負荷を低減するという目的でも利用されるようになっている。本稿では、洗剤用酵素の性質とその効果の解説記事である。プロテアーゼは蛋白質のペプチド結合を分解するために、蛋白汚れを分解し、界面活性剤と相乗的に洗浄力を向上させる。最近では、ある種のプロテアーゼの溶菌効果と汚れの除去により、室内干しの不快臭が防止できることから、室内干し用の洗剤にもプロテアーゼは使用されるようになった。その他、リパーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、マンナナーゼなどが解説されている。
有機溶剤による汚染土壌の浄化技術は、土壌ガス吸引法や、ホットソイル法、加熱処理法など、さまざまな手法が試されている。天然のままでは分解されにくい化学物質を分解してくれる微生物の力を利用して、汚染土壌の浄化を促進する｢バイオレメディエーション｣は、今後の活用が期待される技術である。日本では、ドライクリーニング溶剤のテトラクロロエチレンをエチレンまで連続的に完全分解できる菌は確認されていないが、アメリカでは1997年に発見され、利用されている。
RALとはドイツが1925年に制定した品質規格である。EU各国に拡大中。年に1回、ホーヘンシュタイン研究所(ドイツ)の監察を受けるが、今回は記者が監察に同行して立ち会った。RALには日本では7社12工場が取得しているが、今回、監察を受けたのは新日本ウエックス社(名古屋･リネンサプライ)。まず洗濯品質について、白度、変色、損傷などを試験布で評価する。次に残存細菌を衛生規格に基づいて求める。機械の裏側から天井の埃まで調べる。主な病院や外資系ホテルに通用する品質を目標とする。
GfKジャパンによる売れ筋ランキング(全国家電量販店約4500店)が分析されている。従来ドラム式が強かったが、ここにきて縦型も健闘。09年度予測は前年度2万台増で130万台、全体に占める洗濯乾燥機の割合は3割まで高まり、本格的な普及期に入っている。
(財)全国生活衛生営業指導センターから、クリーニング師研修および業務従事者講習の実施状況が発表された。平成17年～19年度における全国のクリーニング師研修受講者数は19,492人で、全体のクリーニング師数(59,754人)に対し32.6%の受講率となった。最も受講率の高かったのは、静岡県の56.5%､最も低かったのは沖縄県の16%。受講人数が最も多かったのは愛知県の1,469人(受講率44.7%)。業務従事者講習受講者数は全国で14,372人、総務省企業統計を元に算出した受講対象者数の23.3%。最も受講率の高かったのは、鳥取県の90.1%､最も低かったのは沖縄県の0.6%。受講人数が最も多かったのは東京都の1,574人(受講率22.7%)。
クリーニング業界の規模縮小により工場閉鎖や廃業が増え、業務用洗濯機の買い取り依頼が増えている。一方、購入側も機械設備が老朽化してきたが、新たな設備投資をするのは厳しいと感じ、廉価な中古機が注目されてきた。実際、中古機械は品質に大きな差はないが、価格は新品の半値から四分の一である。本紙には｢中古機械特集｣として、クリーニング用の中古機を扱う専業会社が数社紹介されており、いずれもオーバーホール･調整･アフターサービスに自信を示す。
洗濯代行は家庭の洗濯物を回収し水洗い、乾燥したうえ、たたんで届ける米国生まれのサービス。アイロンがけはなく、まさに普段の洗濯の代行。リピーターが多いが、毛布など季節の変わり目の利用も目立つ。
繊維製品の下着類等は、ホルムアルデヒドの溶出量が規制されているが、子供が直接身につける可能性のあるものの中で規制の対象外で、実態が不明な物もある。都の消費生活部生活安全課は、子供用繊維製品等に含まれるホルムアルデヒドを調査。家庭用品規制法の規制対象外で、子供が使用すると考えられる繊維製品等76商品(衣類、帽子、履物、髪留め等)を調査した結果、比較的安価な毛皮付き髪留め(1250～510ppm)、トレーナーのフロッキープリント部分(380ppm)、帽子(250ppm)から高濃度のホルムアルデヒドが検出された。ホルムアルデヒドは3回の洗濯で、帽子が8割、トレーナーのフロッキー部分で4割が除去された。都は、消費者へ洗濯してからの使用をアドバイスし、国や業界団体等へ情報提供を行った。
4月末に主な夏物衣料の支出を消費者に聞いた結果、Tシャツが男性5割、女性6割とトップで、次がジーンズで3割であった。支出額の前年比見込みでは、｢増えそう｣が11%、｢同程度｣が46%、｢減りそう｣が19%であった。
マスターカードワールドワイドによる08年アジア･太平洋地域オンラインショッピング調査によると、利用者の購入頻度は前年比で増加傾向にある。日本は購入頻度で3.9回から4.3回に、利用額で614ドルから677ドルに増えた。
井上プリーツはゴールデンウィーク期間中に都内で行った｢プリーツ･マーケティング･リサーチ2009｣の結果をまとめた。この調査は80年から定点観測してきたもので，新宿、銀座、原宿、渋谷で実施した。今年購入したいボトムでは、昨年に引き続きショートパンツが最も人気を集めた。これはヤング(18～23歳)，キャリア(23～39歳)で圧倒的人気を集めたのが理由である。昨年からのチュニック丈のブラウスにショートパンツの重ね着スタイルが継続し、ファッショントレンドは大きく変化していないことが分かった。2位はティアード、3位がミニ、以下、パンツ、ギャザー、フレアー、キュロット、プリーツの順。
今年で5年目を迎えたクールビズ。当初｢ノーネクタイ、ノー上着｣という軽装だった。だが今では、冷えたスーツや涼しげなネクタイも売り出されるほどの様変わり。ただ、ビジネスの現場で｢正装｣を脱ぎ捨てるのは、相変わらず難しい。紳士服大手はるやま商事では通気性の良さを強調するワイシャツ･パンツが並ぶ。ひときわ目立つ｢アイススーツ｣は専用の内ポケットがあり、付属の保冷剤を入れて体を冷やす上着。保冷剤は冷凍庫で冷やし、温まって液状になっても、25度以下になれば再び固まり冷たくなる。デザインよりも涼しさという機能が重要視され効果のわかりやすさが人気。
繊維評価技術協議会(繊技協)が、機能加工を施した繊維製品の安全性、性能を保障する｢製品認証｣マークの対象を広げている。マークのスタートは89年の抗菌防臭加工SEKマーク。Sは清潔、Eは衛生、Kは快適をキーワードにしたもので、その後、制菌加工を加えた。新たに抗カビ加工と光触媒消臭加工の認証も始めた。さらに7月には防汚加工マーク準備委員会を立ち上げる。JISの試験方法に基づき、繊技協関係試験機関で組織した関西地区委員会で、加工剤メーカー、染色加工メーカーなどの協力も得て、来年7月には新マークでの認証を開始する予定。
靴を快適に着用するための要因には、靴のサイズ、足と靴のフィット性、足への圧力、靴構成素材の性能、靴内の温度湿度などが考えられる。近年の健康志向の中で靴の機能性について関心が持たれ、足の携帯測定の研究、靴の機能性評価や履き心地に関する解説などが発表されている。本稿では、｢足部快適性への靴下の影響｣、｢靴の構成素材による快適性｣、｢靴内水分量と着用者の各種主観的感覚｣、｢靴内汗成分の挙動と蓄積｣、｢靴開口部における足部の快適性｣などに視点を置き、靴内気候を中心に足部の着用快適性との関係について概説した。
数量減と単価下落で売上が3割減るという毛織物産地、尾州の深刻な状況は、産地分業を前提とした仕組みが成り立つ限界点に達している。グローバル生産で採算点を取り戻すか、国内生地の実需に対応した合理的な製造法にシフトできるのか、模索が始まっている。
東レ、三菱商事、ワールドなどの大手企業が、綿･ポリエステルなど混紡素材を使った衣料品のリサイクル事業に乗り出す。店頭で古着を回収し、綿は石油代替燃料のバイオエタノールに、合成繊維も繊維原料に再生する。混紡素材をすべて再資源化する取り組みは珍しい。軌道に乗れば他の消費財に比べて出遅れていた衣料品のリサイクルを後押ししそうだ。このほか、帝人や良品計画、環境ベンチャーの日本環境設計(東京)などが参加、経済産業省が約5,000万円を拠出して支援する。酵素で綿を分解し、分離されたポリエステル、ナイロンはそれぞれ帝人、東レが自社のリサイクル工場で合繊の原料にする。
富山、石川、福井の北陸3県が産地活性化に向け連携強化に乗り出した。官民で作った｢クラスター協議会｣が発足、狙いは販路開拓や人材育成、研究開発など各事業でスケールメリットを発揮するため。
服飾資材企業のベトナム事業が順調に進んでいる。国内、中国とも世界不況で日系アパレルのベトナム生産が増大している。服飾資材の現地調達意欲も高まっており、フル稼働状態という。島田商事はホーチミンで腰裏生産を開始して1年になる。｢新規得意先と取り組む武器｣として、操業当初から日系アパレルや縫製工場からの問い合わせが相次いでいる。清川は07年3月から工場を稼働。マーベルトやインサイドベルトなどの生産を開始しており、ベトナム縫製を手がける重要な日系の得意先に加え欧米企業との取り組みも始まりつつある。
川島織物セルコンと新日本製鉄、三菱商事の3社はカーテンなどの繊維製品をほぼ100%再利用する事業で提携。新日鉄の独自技術である、コークス炉内で繊維を無酸素状態で化学原料に熱分解するケミカルリサイクルを活用する。容器包装材などの原料として再利用する。三菱商事は製品の引き取り･回収などの環境整備を進める。川島は再利用可能なカーテンの新ブランド｢FELTA(フェルタ)｣を年間15万枚販売する計画。一方で、2020年3月までに約20万枚(約200トン)を回収する。目標が達成できれば、焼却処理する場合と比べ約457,400トンの二酸化炭素(CO2)削減効果が見込めるという。
クラレトレーディングは、商標｢エコトーク｣による環境対応型ビジネスを本格化する。展開する5分野は①マテリアル②ニュープロセス③リサイクル④エンバイロンメント⑤ライフスタイル。自社基準により、二酸化炭素削減率(10～30%が一つ星、30～50%が二つ星、50%以上が三つ星)を中心に、遮熱効果、消臭性能を3段階で評価する。認定した11商品には商標を付け、提供する予定。アルカリ処理不要の極細繊維｢マイクロミント｣、大和染工と協業したオゾン漂白、新日本製鉄の協力による繊維製品のケミカルリサイクルなどがある。
国民生活センター危害情報システムに寄せられた｢つけ爪｣に関連した相談は、昨年10月現在、施術に関するもの24件、つけ爪用具などに関するもの8件、病院危害情報6件、の38件が寄せられた。爪に、接着剤や樹脂の溶剤を使い続けると皮膚がかぶれたり、爪が脆くなったりするほか、アレルギーの不安もある。また、消毒しないで着け続けると、つけ爪と自分の爪の隙間にカビやバクテリアが繁殖する事もある。市販のつけ爪の材料は、注意表示の義務がなく輸入品も多い。
①8月27日 ②大阪府立女性総合センター(ドーンセンター)③ポリ乳酸の現状と将来展望、花王の包装容器、他④日本繊維製品消費科学会 TEL06-6358-1441
①9月10日②大阪産業創造館③安全安心新製品で付加価値市場を創成する、消費者政策の現状と消費者庁構想、繊維製品に含有する化学物質の安全性について、人に優しいインナーウエア、育児商品開発は赤ちゃんを知ることから、消費者が望む企業のあり方や企業活動、他④日本繊維製品消費科学会 TEL06-6358-1441
発行：一般社団法人日本衣料管理協会 会長：中島利誠／発行人：大谷芳男