ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧(2003年度:第20巻〜)→
悪質商法や製品事故などのトラブルに遭った場合、全国共通の電話番号にかけると最寄りの相談窓口につながる「消費者ホットライン」が全国稼働した。消費者庁の目玉施策の一つで、番号は「0570-064-370」。
日銀の09年国内企業物価は前年に比べ5.3%低下、60年の統計開始以来過去最大のマイナス幅となった。08年秋以降の世界経済の減速で、原油や資源などの需要が大幅に後退し、価格が低下したことが響いた。
大手小売などによる不公正な取引慣行に実態を調査する方針を、経済産業省近藤政務官が述べた。ただ、フランチャイズチェーンに関する新法は否定した。
「出入国管理及び難民確定法(入管法)」が改正され、10年7月施行されるが、縫製業を中心に動揺がみられる。研修生や・技能実習生の法的保護があるが、日本人と同じ雇用形態となるなど経費増の懸念があるため。
国際商品相場の影響を受けやすい食料とエネルギーを除いた消費者物価の水準が09年に、17年前の92年並みまで落ち込んだ。国内では供給過剰によって厳しい価格競争が続いているため。衣服では、長袖ワイシャツがピークの99年比で12%低下、紳士コートが98年比で18%低下になっている。
経済産業省は日本の産業競争力を強めるため、ファッション・デザインなどの感性・文化産業など5分野を重点的に支援することを決めた。@新興国のインフラ需要の開拓A次世代エネルギーの開発B医療や介護などの社会課題解決サービスCコンテンツやファッションなどの文化産業D宇宙などの先端分野―を戦略分野として示した。
経済産業省は「今後の繊維・ファッション産業のあり方に関する研究会」の第2回会合を2月26日に開き、3つのワーキンググループ(WG)の中間報告を受け、3月末の取りまとめに向けた骨子案を作成した。WGには海外市場開拓とファッション政策の検討に、素材・技術市場化促進が新たに加わった。
経済産業省と国際研修協力機構の統計から、縫製業の外国人労働力への依存度を推計した。経産省の08年の工業統計により、「織物製成人女子・少女服製造業」「織物製シャツ製造業」を縫製業とすると、従業者数は76,317人。07年と08年に研修から技能実習に移行した「婦人子供服製造」「紳士服製造」「布帛縫製」の外国人技能実習生数は25,116人となり、縫製業の全従業員の32.9%を実習生が占めるとみられる。
「もはや買うものはない」という今の消費の常識を裏付ける統計は数知れない。消費者の選別が厳しいのは確かだが、盲信するには及ばない。内閣府の消費者態度指数は国民の購買意欲を示す。「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」の4項目のこれから半年間の見通しをもとに算出。数値が高いほど消費者は支出に前向きだ。50前後で推移したバブル期などと比べれば低いが過去最低だった2008年12月水準(26.2)からは大幅上昇。エコポイントなどによる耐久消費財の特需効果はあるが、「価格と品質のバランスに納得すれば、欲しい商品は買う」といえる。
スマートテキスタイルは周囲の環境の変化に対応して、利用者の好ましい環境に対応する動的変化機能を持つテキスタイル素材である。さらに遠隔情報モニターと制御機能を有し、相変換物質PCMの応用や形状記憶素材など自己調節機能を有する製品が普及している。E-テキスタイルの機能は、センサーや集積回路を布帛に内蔵し、外部情報を感受して、必要先に伝達して、データ処理をしてアクチュエーターを通してフィードバックする。E-テキスタイルは、軍事・消防など防護衣料で開発が進み、戦場や火災の状況把握やフィールバック機能を発揮した用途開発が進んでいる。
愛知県産業技術研究所尾張繊維技術センター(現 愛知県産業労働部)では、センサー機能を有する織物に関する研究に取組んできた。従来の圧力分布を感知できるシート状のセンサーとして、フィルムやゴムなどがあるが、上から押さえたことを検知できる織物を開発した。織物本来の風合いをできるだけ損なわないために、芯に導電繊維、周囲に天然繊維を配置し、織物素材としての物性を損なわない二層構造糸を試作した。試作した織物を圧縮したときに静電容量が変化することを確認し、この織物を監視カーペットや足踏みセンサーとして活用できる有効性を確認した。
p55〜62 先行研究によって明らかになったしっとり感を備えた布を試料として用い、布に対して抱く「しっとり」の視覚・触覚の総合評価において、視覚情報(色)が及ぼす影響を明らかにするために、主観的な評価と分光測色計による測色データとの関係を検討した。
09年の国内綿糸生産は、前年比3割減の4万7千トン程度で、46年の5万8600トンより下回り、戦後最低の水準になる見込みである。毛糸も1万トン割れは確実とみられ、戦後最低水準になる見通し。
帝人テクノプロダクツとホソカワミクロンは、高機能繊維を使った消防服素材を開発した。アラミド繊維と炭素系の超微粒子を組合わせ、遮熱性と熱を分散・放熱する機能性を両立した。既存製品と同等の遮熱性を維持しながら15%軽量化できる。2013年以降の実用化を目指す。
東レグループの東和織物は透水・排水性に優れ、価格も一般的な商品に比べ30%抑えた透水人工芝「スパックターフWT」を開発した。独自の加工法の採用で、一般的な透水人工芝に比べて、約3割ダウンの1平方メートル当たり6900円の低価格を実現した。人工芝の表面に水を透過しやすくする「空隙プレコート加工」、裏面に凹凸を付ける「ドット加工」の2つの加工法を組み合わせた。またパイルに耐薬品性、撥水性の高いポリプロピレンを採用しているので、プールサイドなどの場所にも敷設可能である。
オーストラリアの羊毛相場は21ヶ月ぶりの高水準に達し、東部市場価格指標(EMI)は942豪セントと前年同期比よりも27%高。9/10シーズン第1週に比較しても22%の回復を示しているが、最近の価格急回復は羊毛減産による先行供給不安に加えて消費トレンドのウール帰りへの期待が高まっていることも理由の1つに挙げられる、とオーストラリアン・ウール・イノベーション(AWI)は判断している。
大手SPA(製造小売業)や量販店がPBで販売した低価格の機能インナーは、市場に大きなインパクトを与えた。「機能商品を広く認知させた」とか「素材へのこだわりが出た」との肯定的な見方も多い。合繊メーカーはこの流れを「高機能・高付加価値品をアピールするチャンス」ととらえ、素材の力が発揮しやすい春夏肌着に活路を見いだそうとしている。
11年春夏向けテキスタイルの提案が2月、パリのプルミエール・ヴィジョン(PV)、ミラノ・ウニカ(MU)を皮切りに始まる。カラーで注目される"光"を表現するため、透かしや透明感のある組織や原料が増えるとみられる。華やかで強い色も、重く感じさせない工夫が求められそうだ。伊藤忠ファッションシステムの池西美知子クリエイティブディレクターは、光を感じさせる色に注目し、白っぽい色、カラフルな色やダークカラーの場合は「透明感」を重視している。
防火・消防服について消防庁,防火衣製造会社,素材開発会社の立場から性能評価方法,防火衣の素材と構造と安全性評価,アラミド繊維を使用した積層布帛の遮熱性能比較実験の結果についてそれぞれ解説したものである。
最近の高機能加工繊維の開発には,健康・快適性・ヘルスケアの3項目がキーワードとなっている。繊維関係における防菌防臭加工・制菌加工製品についてその経緯,動向、現状と将来展望がされている。
11年春夏に向けたスポーツ素材の販売戦略が出揃った。合繊メーカーは素材の軽量化、薄手化を目指した開発を強化するとともに、高機能も両立させた新素材の開発が活発化しており、11年春夏に向けては例年以上に新素材を打ち出そうとする機運が強まっている。各社は軽さ、薄さを強調した吸汗速乾素材、クーリング素材を前面にプロモートしている。また、新たに開発した高性能のUVケア素材でレディスアイテムへのアプローチを強めるとともに、販売好調なコンプレッションウエアをターゲットとするストレッチ素材を充実させようと開発に力を入れている。
ラメ糸メーカーの麗光(京都市)は、紡績の丸一繊維(新潟県糸魚川市)と共同で、無撚糸製法による世界初のラメ糸「カイトス」を開発した。従来のラメ糸と違い、肌に触れてもチクチク感がないのが特徴。カイトスはポリエステルフィルムをベースにアルミニウム・クロムを蒸着させたスリット糸のまわりに「モダール」繊維を無撚になるように空気旋回流で覆った素材。麗光が特許を持つ。シルクのような上品な光沢で柔らかい肌触りとともに適度なハリ、コシがあり、短繊維を使いながらも毛羽が少なく、吸水性もいい。
オーミケンシと江崎グリコは、レーヨンに「バイオアミロース」を練り込む高性能繊維「アミセル」を共同開発した。消臭や香り長持ち効果など、様々な機能を付与することができる。砂糖が原料で、土中でも分解されるため、体にも環境にも優しい。糸や生地、不織布の開発を進め、衣料などで展開していく。バイオアミロース(酵素合成アミロース)は、分子内に他の物質を取り込む「包接機能」を持ち、レーヨンに練り込まれた後も、繊維中の分子ポケットの役割を果たす。この分子ポケットに加齢消臭成分や香水などの放香成分を加えることができる。
高速水着ブランド「KOZ」の企画販売をはじめ、オリジナル商品の開発に定評のあるヤマナミの10年商戦の展望を紹介している。新基準への対応や現場の声を商品化する販売方法や商品開発を紹介する。10年春夏の競泳水着として、コスト問題やジュニア層の需要の高まりを受けて、着脱が容易な編物の水着を追求する。
ダイワボウレーヨンはこのほど、積水化学工業の抗アレル物質加工剤「アレルバスター」をレーヨンに練り込んだ抗アレル物質レーヨン「アレルバスター加工レーヨン」の開発に成功した。既存の後加工品とは異なり、高い洗濯耐久性が特徴だ。抗アレル物質性能も確認済み。アレルバスター加工レーヨンは、これまで例のなかったレーヨン練り込みのため原綿自体が抗アレル物質機能を持つ。このため、従来のようにわた加工や後加工の必要がなく、加工コストを低減できるメリットもある。
糸の常識を超えた"ハイテクヤーン"が相次いで提案されている。糸に文字を入れてメッセージを込める、あるいはこれまで使われなかった材料を糸に組み込むことで新しい機能を提供するもの、国内ヤーンの市場が小さくなっており、グローバル化は一方で中国など海外のヤーン相場に引きずられる形で単価を落とし、収益性を下げる要因になっている。このため、新しい考えで糸を作り直し、新市場を開拓する狙いだ。
御幸毛織は、ジャコウ牛の産毛「キヴィアック」を使用した高級メンズスーツ地を発売する。カナダの北極圏ツンドラ地帯に生息するジャコウ牛の産毛は、直径が約8〜20ミクロンと細く、極めて滑らかでつややかな風合いが特徴である。キヴィアックを高級品質メリノウールと混紡し、キヴィアックのつややかさと高級メリノウールの光沢感、しなやかな風合いを併せ持つ生地として提案する。年間の産毛量は、高級獣毛のビキューナ並みの年間3トン程度とされている。
アトピー性皮膚炎の子どもが皮膚をかくことを防ぐカバー商品を紹介している。2層構造の編地で、肌側にレーヨンを配している。肌側を濡らし、保冷、冷却効果を実現する商品である。
東邦テナックスはこのほど、サカイオーベックスと共同で最軽量の炭素繊維織物を開発した。スポーツ用品、パソコンなどの用途に展開する。ゴルフクラブ(シャフト)などに使われるプリレグ(炭素繊維などに樹脂を含浸させたシート)による成形物は、穴を開けるなどの加工時にひび割れを起こすことがあるため、芯のプリレグ表面に炭素繊維織物を巻き付けるのが一般的という。製品トータルを軽く仕上げるため、このほど、東邦テナックスが新たに開発した極薄織物用原糸とサカイの開繊技術とを組み合わせ、成形厚で0.06ミリまでの薄肉化を達成した。
アクアビクスのような水中運動は、浮力の働きで関節にかかる負担が軽減される一方、水の抵抗により陸上で同じ運動をするよりも多くの負担がかかり、効率の良い運動が出来ることで注目を集めている。水中でのエクササイズ運動に適した機能を付加したワコールの水着「アクアコンシャス」を紹介している。
クラボウは安全性の高い消毒成分を繊維表面に固着する抗ウイルス機能繊維加工技術「クレンゼTM」を発表した。この加工は広島大学大学院医歯薬学総合研究科の二川浩志樹教授が開発したウイルスを不活化する機能を持つ固定化消毒成分「Etak®(イータック)」を活用したものである。口腔内の治療や洗浄時に使われている消毒薬をベースとした化合物からできているため、極めて安全性が高く、急性経口毒性試験や変異原性試験、皮膚一次刺激性試験でも高い安全性が実証されている。クラボウではこの化合物を独自技術で繊維に固定化させ、繊維上でウイルスの不活性化を実現した。
撚りをかけたリヨセル繊維束を酒石酸鉄(V)ナトリウム錯体水溶液あるいはNaOH水溶液で処理をすると、繊維の半径方向に約4倍膨潤し長さ方向には約25%収縮した。その際に繊維の光学的異方性は保たれており、同時に繊維にけん縮が発生する。このメカニズムを明らかにし簡単な処理でのけん縮加工を可能とした。
ケラチン繊維に収着した酸化染料中間体の繊維内での酸化染料生成挙動を、羊毛繊維中にプレカーサーおよびカップラー分子をあらかじめ収着させ、その後過酸化水素処理をすることにより検討した。
温室効果ガスにとどまらず、環境配慮、環境保全は世界の潮流となっている。今治産地の染色加工場でも環境に配慮したモノづくりに積極的に取り組んでいる。環境に配慮した新しい加工法で今治産地のタオルに付加価値を加える。ツヅキボウ今治は昨年、苛性ソーダを精練、漂白工程で使わない「TZ酸性酵素法」を発表。4年目を迎えたオゾン漂白は肌着やエコバックなど用途を拡大している。西染工はCO2の削減により、国内クレジット制度の認定を受けた。
大原パラヂウム化学(京都市)はアミノ酸複合型スキンケア加工剤「パラスキンケアAM-G」を開発した。ナノ粒子の銀をシルクアミノ酸(シルクプロテイン)に担持(化学的に物質をくっつけること)させた後、アミノシリコンオイル(柔軟性を付与させるオイル成分)と複合乳化させた。新たに開発した新技術によって、シルクプロテインにナノサイズの銀の粒子を担持させるため、銀の濃度を変色がないレベルまで低減化している。バインダーによる剤の固着ではない、担持にも関わらず洗濯耐久性20回もクリアした。
整理、仕上げ工場の高橋練染(京都市)は、松井色素化学工業所が開発したエコ染料「ダイストーン」専用の仕上げ加工を開発、「エコフィニッシュ」として受注を始めた。エコフィニッシュはダイストーンで染められたプリント、無地染め専用の特殊風合い加工。生地を風であおりながら、ミクロ単位でもみ込み、専用に開発した特殊薬剤を付加することで、よりソフトで、膨らみ感をもった風合いを実現する。あらゆる生地にバインダーなしで直接固着させることができ、蒸しや洗いの工程が必要ないためエネルギーコストも安く、短納期で納められる。
環境負荷の小さい漂白法として過酸化水素に尿素を添加し検討したところ、アルカリ条件下での漂白と同程度の白度が得られ強度低下もなかった。
RPO-PCのオレンジUに対する退色速度はRPO単独の2.2倍、難分解性のReactive Blueの2色素もRPO単独の6倍であり、PC共存下におけるRPO漂白系の有効性を明らかにした。
より快適な生活環境を守るため、ウイルス・アレルゲン不活性化性能は今後重要な性能として、市場に受け入れられると思われる。本稿では紹介しているナノ粒子無菌抗菌剤「ATOMY BALL(S), ATOMYBALL(20NTZ)」は、その透明性から、塗料・繊維製品などの意匠性を損なうことなく、容易に抗菌、防臭性に加え、アレルゲン不活性化性能を付与できる。
小松精練が2月9日から始まった11年春夏向けプルミエール・ヴィジョン(PV)で、柔らかな質感のエレガントな新作生地「ハニービンテージ」を発表した。新作は2タイプ。「ハニービンテージ・WSY」は、程よいストレッチ感が特徴。自然な膨らみをもたらす独自設備の染色方法(3D染色)によって、ぷりぷりとした質感を表現した。もう一つの「ハニービンテージ・T3+」は、よりリッチな触り心地。3D染色とともに、独自開発した薬剤をナノレベルで繊維の一本一本に皮膜浸透させて、優しい膨らみと肌に吸い付くような質感を実現した。いずれもポリエステルとポリエステル複合素材に対し加工が可能だ。
モリト上海は、圧着技術で合繊の布を接結させて快適性や新たなデザインを生み出す「フラットラインコンフォートシステム」を開発、受注加工を本格化する。フラットラインコンフォートシステムは、縫製をせずに異素材を張り合わせる圧着技術。違う素材を平滑に圧着させてつなぎ合わせてデザインと機能性を高めることもでき、伸縮性を阻害しないため、フィット性も維持できる。ファスナーも縫製なしで付き、部分的に通気性素材を用いたベンチレーション加工なども圧着できる。縫製によるごろついた違和感がないため、快適な着用感が得られる。
スーツ購入者を対象にスーツの快適性に関するアンケート調査を実施した。その結果、61%の人がスーツ着用時に「動きにくい」と感じていることが分かった。人間工学を用いてスーツの着心地性能を測定し、新たに伸縮性の高い織物とスーツの型紙を開発し、快適な着心地のスーツ「ロイヤルコンフォートスーツ」を、産学共同研究により開発した。この快適スーツを紹介している。
国内アパレル業界のM&A(企業の合併・買収)は、不況の影響で破綻した企業(事業)の再生型がある一方で、事業拡大型も目立った。特に、年末にかけてはオンワードホールディングスによるアイランドの買収や伊藤忠商事によるレリアンの子会社化(レナウンの保有株式の取得)など、大手アパレルや商社による大型案件が相次いだ。10年も東京スタイルなどが海外企業のM&Aを検討するなどこの流れは続く。しかし、経済環境の悪化で買収対象企業の調査に時間がかかっており、優良案件に絞り込んだ慎重な姿勢もうかがえる。
大手アパレル各社は新年度経営で、既存ブランドの収益力強化に力点を置きながら、新流通販路にネットや中国を中心とした海外市場への拡大に積極的に取り組む。既存ブランドでは収益性を踏まえ、引き続き店舗・ブランドの撤退も進めていく考えで、トータルでの事業拡大は厳しい中でも各社の事業構造変化は一段と進みそうだ。10年度方針に向けた各社経営トップの発言からは、@市況は上期に厳しさが続くが、下期の回復に期待A店頭は低価格一辺倒から価値ある商材に動きBアジア市場の販売とネットへの拡大策の一方、既存の不採算事業の見直しも継続、といったところがほぼ共通するようだ。
09年に日本リ・ファッション協会が誕生した。スローファッションとしてのリ・ファッションの今後の展開と可能性について、江戸克栄文化女子大学准教授が検討している。
婦人アパレルは量販店向けミセス企画の10年夏物で、ファッションの楽しさやトレンド性を訴求しての商品の若返りを重視、特にテイスト・ミックスの着こなしを提案する。消費低迷下、昨季に続き機能素材使いでの付加価値性ある商品を提案する一方、アパレルとしての存在力ある企画訴求で「旬のトレンドや楽しさの売り場づくり提案が重要」と再認識する。デフレという環境下でいえば、価格維持を方向性とした価値訴求の基本との見方もされている。
中国需要が活発になる中、専業アパレルメーカーの積極策が見られる。レッグ業界では各社中国市場開拓を重点にコーポレート、自社ブランドの浸透を図る。ジーンズではエドウインが合弁会社を設立し、今秋から販売を本格化、メードインジャパンの需要増大につなげる。
市場は昨年を通して続いた価格一辺倒から、軸足をやや価値に移す動きが見えてきた。国内の縫製基盤はピーク時の1/3の水準になっており、欠かせない存在だった外国人研修生・技能実習生が、今年7月に施行される改正入管法の適用を受ける。このため、実質的に日本人労働者と同じ扱いになる外国人労働者は減ることが予想され、更なる縫製基盤の縮小は避けられない。悲観論が出るのは当然だが、「やり方によっては生き残っていける」と努力を続けているところもある。他では真似のできない差別化技術を生かしたり、経営資源の一部を他の流通経路(ネットビジネスなど)に振り向けるなど、可能性は残されている。
YKKファスニングプロダクツ販売は、米国が2011年に施行予定のCPSIA(消費者商品安全性改善法)基準を先取りし、鉛新基準値をクリアしたファスナー、スナップボタンなど、ファスニング商品の受注を開始した。CPSIAは12歳以下の子供向け商品に対する鉛などの含有量を規定した米国連邦規制で、法的拘束力を持つ。現在、鉛含有量の基準は300ppmだが、11年には100ppmに強化される。
ニット、カットソーのジャケットが婦人服市場で広がっている。売り上げ低迷が続く市場で数少ないヒットアイテムだ。編み立てや縫製などの工場では例年の数倍の受注状況。大手アパレルの素材担当者も布帛の代替としてのニット使いのアウターはさらに増えるとみている。OLの通勤者の変化に象徴されるカジュアル化の流れを背景に10〜11年秋冬もニットジャケットの人気は続き、カテゴリーの一つとして定着しそうだ。
セレクトショップや百貨店の自主編集売り場で、東京ブランドが大きな塊となって売り上げを伸ばしている。オリジナリティーがありながらリアルに着こなせるデザインのさじ加減、物作りの丁寧さ、東京らしい可愛らしさのあるテイストが支持されている。インポート品に対し値ごろ感がある点も魅力だ。かつてユーロ高を背景にシェアを伸ばしたが、消費者の心をつかみ、為替の変動後も人気は継続している。ブランド数も増えて、大きな魅力となりつつある。
トリンプ・インターナショナル・ジャパンは、通気性の良さを追及した春夏向け肌着「天使の扉涼感エアー」を2月18日から全国のトリンプ製品取扱店で販売する。同商品は、通気性の良さにこだわり開発した肌着。汗をかくと汗の湿度で生地の編み目が開くため、通気性が乾燥時よりも25%高まる。吸水速乾性にも優れているので、汗を素早く処理して不快感を軽減する。裾は、ヘム仕様を採用しアウターに響きにくいのもポイントの1つ。
カットソーメーカーの東洋合繊(大阪府泉大津市)は今夏から、純国産で小売価格1980円の婦人Tシャツを拡販する。徹底したコスト管理で、国内生産で低価格、高品質に挑戦した。10万着の目標に対して、すでに6万5000着の注文が入っており、追加生産する可能性も出てきた。商品は綿40番手単糸の強撚フライスで、襟ぐりにコード刺繍がしてある。縫製は価格競争力のある和歌山の産地や泉州産地に残る内職を活用、コード刺繍も国内工場の閑散期を活用する。
良質の物作りによる本物志向のベーシックカジュアルをトータル展開する新SPA(製造小売業)「イッツ・インターナショナル」が立ち上がる。19日に東京・原宿の明治通りに1号店をオープンする。同社はフランドルと住金物産、帝人グループ(NI帝人商事、帝人ファイバー)、クラボウ、フェニックス・ホンコンなど商社、素材メーカーが共同出資した会社。良質で買いやすい価格の商品を提供することで新市場の創造を目指す。
ユニクロは10年春から年間1000万本以上を販売する中核商品のジーンズを「UJ」(ユージェイ)としてブランド化する。今春は昨年同期比約3倍の54品番を企画。夏までにデザイン性の高い20品番を追加する。コンセプトと価格で三つに分け、幅広い客層のニーズに対応する。年間販売目標は「ブランド化、品揃え、グローバル展開、ジーンズ市場の大きさなどから例年を大きく上回りたい」としている。
今春、レディスインナー市場で、造形機能を持つノンワイヤブラが豊富に揃った。ここ数年、ブラジャーに対するニーズとして楽な着心地が定着し、自宅でのリラックスブラが広がった。そこでメーカーでは、「オンタイムも楽に過ごせる」を切り口に、体のラインをきれいに見せるノンワイヤレス商品を開発してきた。高機能のノンワイヤブラを紹介している。
国内デザイナーのアジア販路が広がっている。これまで欧州や米国の有力店と取引を増やしてきたが、一昨年のリーマンショック以降、じわじわとアジアの店舗が勢力を拡大。中国や香港、台湾、韓国といったエリアをはじめ、近年ではシンガポールなど、東南アジアの店舗も積極的な買い付けを行っている。
アパレルメーカーの専門店向け販売で営業力がポイントになっている。営業スタッフや出張経費を削減したり、新興アパレルも営業強化は後回しにするところも多く、以前ほど営業力を発揮するところが少なくなっている。その中で営業活動を位置づけ、専門店卸の販路拡大や専門店との連携強化など、営業にも力を入れて売り上げをつかんでいるところがある。
ファッションの世界で日本製の素材が改めて注目されている。高級ブランドやデザイナーの間で、モノが売れない時代だけに、他にない魅力ある素材を瞬時に市場に打ち出し、顧客をつかみたいという動きが広がっているためだ。「ジャパン」素材で競争力アップ。冷え込む衣料品消費を暖めるヒントの一端は身近に潜んでいる。
今年のファッションは定番のマリンテイストをベースに、一ひねりした要素を加えるのがトレンド。長引く不況で閉塞感があるからか、安らぎの象徴であるブルー基調に人気が集まっている。この春の流行を指摘するのは松屋銀座本店(東京都中央区)ファッション関連シンクタンク「東京生活研究所」ファッションコーディネーターの岡野涼子さん。マリンテイストとは、ボーダー柄や水玉柄、セーラー服調に象徴されるデザイン。
アウトレットモールが消費者の節約志向を背景に人気を呼んでいる。この年末年始、各地のアウトレットモールの周辺の道路では渋滞が目立ち、アンケートでも75%の人が買い物に行ったことがあると回答。
通販サイトの掲載商品を分野ごとに自動抽出して紹介ページを生成し、消費者が通販サイト名や企業名を知らずしても、目に留まるようにする仕組みを作成した。ニフティ子会社が、ネット通販企業のサイトへの集客を支援するサービスが強化内容である。
米商務省の09年の米小売売上高は前年比6.2%減と、2年連続の減少。マイナス幅は現行統計が始まった92年以降で最大、年前半の個人消費の不振が響いた。
衣料品のリサイクル店が、消費者から引き取ったものの国内では販売できない古着の輸出で協力するため、日本古着小売業共同組合で10年度から具体的な手法を検討する。東南アジアなどの安定的な輸出ルートができれば、リサイクル店はより積極的に古着を引き取れるようになり、たんすに眠る衣料品の再利用が進むとみている。
中国の大都市、上海や北京でSCの開発が加速している。地方都市では依然、百貨店が有力な販路とされているが、大都市では集客力を持つファッションビルが存在感を示す一方で、一部で苦戦する百貨店が出てきている。日系ブランドは、これまで百貨店インショップ主体に中国内販を進めることが多かったが、今後はSCへ直営店を出す必要性が高まってきた。上海市のSC数は現在、計画中も含め94あるとされ、うち開業済みが58、今年から来年にかけての開業が36にのぼる。
1月に丸井今井室蘭店が閉まるなど10年に閉鎖するのは6月までに8店に達する予定である。販売不振が続くなか、大手を中心に今後も不採算店の削減は不可避で、過去最悪だった2000年の11店を上回る可能性も出てきた。
アウトレットモールがデフレで人気を集めている。値引きが珍しい海外高級ブランドも安く手に入るうえ、飲食店なども充実し一日中楽しめ、出店地域も郊外中心から都心にも広がってきたためである。
物流改革に取り組む小売業が増えている。規模拡大に伴う体制の充実・増設が主要な背景であることに変わりはないが、売り上げが伸び悩む中で地価の下落に目をつけ、少しでも経費を抑えようと国内外の拠点機能振り分け等、効率改善に工夫を凝らす企業が目立つ。
カタログ通販大手が女性向けスポーツ衣料の販売を強化する。千趣会は2月に発刊する専門カタログの構成を刷新。商品をブランドごとから、山登りやランニングなど種目ごとの掲載に変え、目的の商品を探しやすくした。ニッセンホールディングスはゴルフウエアのアウトレット商品の販売を始めた。健康志向の高い女性消費者を取り込む。
大手量販店が販売している880円ジーンズなど、目玉として作り込んだ低価格商品が売れている。外部からは、「既存商品の足を引っ張る愚策」と酷評されているが、40〜60代の中高年を中心に新たな顧客を呼び込んで客数を増やし、既存商品とのバッティングも少ない。但し、波及効果は限定的であり、ブームの沈静化を見据え、価値訴求商品の開発を進める商品力強化が課題となっている。
韓国の小売業界10年は、国内外の景気回復と国内消費の復調に合わせ、百貨店、アウトレット、大型GMSなど出店に力を入れている。特に3大百貨店は変化している消費トレンドに対応し、激しいシュア争奪戦を繰り広げる見通し。
商社がOEM(相手先ブランドによる生産)機能を中国や欧米市場での取引拡大に活用しようとする動きが出始めている。各社ともこれまで対日取引向けに構築してきた生産ネットワークを中国の現地企業や中国にバイイングオフィスを構える欧米アパレルや小売業に提案し、OEM取引の市場の多角化を目指す。
2009年の百貨店・スーパーの既存店売上高は景気悪化に伴う深刻な販売不振で、ともに13年連続で前年実績を下回った。ボーナスの減額や雇用不安に直面した消費者が支出を絞り、衣料品や雑貨の販売額は一段と減少。前年まで堅調だった食料品も前年を割り込み「総崩れ」となった。今年に入りマイナス幅の縮小もみられるが、先行きは依然不透明だ。
大手小売業が、店舗販売が縮小する一方、ネット販売は2ケタの成長が続いているため、インターネットを利用した販売を拡大している。スーパー系は食品が多いが、百貨店、専門店系ではネットで注文した衣料の受け取りや試着、サイズ直しができる専用コーナーを展開している。
大手通販は今期(10年12月期)も低価格志向が強まると予想し、既存のカタログ事業の収益性を改善しつつ、インターネット販売事業への思い切ったシフトを進める。ネット事業にカタログ事業以上に重点を置き、ネット独自の新規事業開発を図る。ネット売上高も伸び率がやや鈍化してきているが、さらにネットへの誘導を促進し、顧客対応を強化する。
百貨店の外国人観光客売り上げが急速に回復している。08年9月のリーマンショック以降、前年同月割れが続いていた外国人による売り上げが昨年11月、12月と2カ月連続で前年を大きく上回り、1月も引き続き上伸基調が継続(一部で反動店舗も)。好景気の中国をはじめ、アジア各国からの観光客が堅調なためだ。中国人ビザの改定や春節(旧正月)休暇などで、さらなる需要に期待がかかる。
不況の影響を受けにくいといわれてきた10〜20代のファッション消費に寒風が吹いている。全国的な流行発信拠点である専門店ビル、SHIBUYA109(東京・渋谷)の2009年度の売上は14年ぶりに前年割れになる見通し。小遣いや仕送りに頼る高校生・学生の親の所得減が響いてきたうえに、若者の欧米の格安カジュアル衣料も含め低価格でより魅力的なものを選ぼうとする志向が強まっているためだ。
大手百貨店の09年度連結業績は、不動産開発やスーパーなど非百貨店事業の営業利益の比率が拡大しそうだ。百貨店が大幅に落ち込んでいる一方、非百貨店事業が相対的に安定しているためで、各社は今後多角化を進める方針だ。
国家統計局統計、中国商業聯合会、中国経営協会のリポートや現地報道などに基づき09年の動向と10年の展望をまとめている。金融危機の影響に対応するため09年、中国では国内需要の積極的な拡大が図られ、社会消費品小売総額の実質成長率が17%に達している。
尾原蓉子IFIビジネス・スクール名誉学長の寄稿で、10年1月に開催された米国小売業大会(NRF)の報告で、歴史的な経済危機による苦境の中で、ファッション流通業界は巨大な転換期にあるという。そのキーワードは「ニューノーマル、すなわち新たな常態」への移行である。
旅行で泊まるなら割高な土曜を避け、ネットショッピングは休みか残業の少ない水曜に―。週末に買い物・レジャーを楽しむスタイルが崩れている。経済のサービス化に伴い平日休みの人が増え、節約志向やネット通販の成長も平日への消費シフトを加速。国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費の異変は、企業に商品づくりや売り方の見直しを迫っている。
東京都内の商店街で高齢者の買い物を手助けするサービスが広がっている。客が買った品物を自宅まで届けたり、ひと休みできる休憩所を設けたりして買い物しやすい環境を整え、同時に商店街のにぎわいを取り戻す効果も狙っている。
ストアジャパン社が09年に全国に自治体に提出された出店申請を集計した結果、大型小売店舗立地法が施行され、前年比22%減と急ブレーキがかかっている。総合スーパーはわずか8件、改正まちづくり3法の施行に加え、個人消費の落ち込みが影響している。
実店舗とウェブは相互に補完して客を囲い込むべきで、これを経営トップが理解しないと、ネット事業は成長しないと、千金アパレルウェブ社長は断言している。
日経MJの調査によると、2000年以降に閉鎖した74店の百貨店跡の7割が商業施設として再出発している一方、2割(13店)が空きビルや更地のままで跡利用のめどが立っていない。
超音波シミ抜き機の原理は、振動子で発生させた超音波振動をホーンで増幅して、被洗物中の洗浄液にキャビテーションを生じさせ、その衝撃圧により衣類に付着した汚れを除去するものである。この方式には次の特長がある。多量の洗剤や溶剤が不要。繊維に損傷を生じない。厚手の生地にも効果が顕著。ただし水溶性の汚れを除くには波長が短くて不適合である。さらに本機による効率的な染み抜き方法を紹介している。
昨年末、朝日新聞が業界2位の鰍ォょくとうが建築基準法に違反して全国の住宅・商業地域の約20ヶ所で石油系溶剤を使用していたと報道。昨年7月の業界3位のロイヤルネットワークに続く告発記事で、国土交通省はクリーニング業界に広がる違法操業を重く見て、2月より全クリーニング業者の約3万8千工場を調査することを決めた。虚偽の届出など悪質な違反に対しては即、改善命令がでる可能性もある。
マクロミルが週1回以上洗濯する成人男女に聞いた結果、洗濯に自信を持っていたのが38%、自信がないと答えた人が最も多く挙げたのが「洗い方」であった。他に、洗剤を正しく使っているか、洗い方に気をつけている点、失敗談などを聞いている。
玉井科学研究所が、09年に処理した事故相談は、総件数が210件で、前年より42件減少した。色相変化が最も多く43%を占めた。続いて損傷35%、外観変化13%と続く。最近2年間、損傷の増加が著しいが、原因はデリケートな素材の増加、古い衣料品の再利用、クリーニング後の細部までの点検などが増えたためと玉井所長は指摘している。事故の責任の所在は、顧客が46%と多く、クリーニング店は7%、メーカーは6%であった。クリーニング店由来の事故が多い理由は、それまでの履歴の情報が不足しているためで、防止には受付時の聞き取りが重要と指摘している。
本稿は「クリーニング業者の現状と表示」と「クリーニングの実際と取扱い絵表示」の2部からなっている。繊維製品の取扱い絵表示JIS L 0217とISO 3758の整合化が行われる運びとなっているが、前者は一般家庭人に向けられたもので、後者はJISにはない絵表示がクリーニング業者による繊維製品のケアの取扱い記号に含まれる。具体的には、@ドライクリーニングの特性、A絵表示のトリック、BISOのドライクリーニング記号の注目点、Cウェットクリーニングの表示について、D乾燥に関する表示について、の各事項を述べている。
ウール製品のフェルト化は、ドライで洗えば防げるという単純な特性ではない。ドライでも衣料中や溶剤中に水分があればフェルト化するので、洗濯前に予備乾燥や溶剤管理を実施して、水分を除く必要がある。逆にウェットクリーニングでも、処理中にもみ作用さえ与えなければ、フェルト化することはない。ただしこの場合、生地の残留応力の緩和による収縮や風合い変化は、避けられない。
09年ホームクリーニング総需要額は、前年比7.6%減少の4292億円。総需要のピークは92年の9170億円。全クリーニング所1施設当たりの売上高は、前年比4.9%減の313万9千円で、バブル崩壊以降で最低。
既報の建築基準法48条を国交省がクリーニング業者に適用する件で、業者の85%が廃業に追い込まれると、村井議員(民主党)が国会で質問に立った。同議員は、事態の重大性から国交省は違反の是正よりは安全対策を指導するべきと指摘した。これに対し国交省側からは、進行中の実態調査の結果に基づき、例外許可が可能かどうかの検討を進めているとの回答があった。対象になっている石油系溶剤は88.2%のシェアを占め、他の溶剤にはそれぞれ問題があって、石油系に変わる溶剤がない現況である。
ソルカンはフロン系のドライ溶剤だが、これまで価格が高いことが普及を妨げていた。そこでソルカン用ドライ機を開発してきたJVS潟Wャヴスは、溶剤ロスを低下させたドライ機を発表し、溶剤価格も15〜20%を引き下げると発表した。溶剤ロスはトラブル発生時に増すので、その対策も講じた。石油系溶剤が可燃性から危険視されている現在、ソルカンは注目を浴びている。なおソルカンにも燃焼範囲はあり、この記事の中で、詳細にソルカンの燃焼範囲とその対策を解説している。
マクロミル調査で、毎月の家族のクリーニング代は「千円以上3千円未満」35%、「千円未満」32%、「クリーニングに出さない」15%いた。節約のために普段から心がけていることは、複数回答で「なるべく自宅で洗濯して、クリーニングに出す服を減らす」が66%だった。
60代前後の女性を想定して、体形の「補整」ではなく運動機能を支える発想で生まれた商品が人気だ。例えば、太ももの付け根両脇に縫いつけられたパワーネットがテーピングのように股関節を支え、歩きやすくするガードル、肩甲骨を支えて上半身を動きやすくするシャツなど。また、外反母趾の女性用に内側にストレッチ素材を張り、足の形に合わせて伸びる靴が開発された。最近は、ウォーキングシューズの機能を持ちながら、仕事やフォーマルな場にも履いていける「ドレスコンフォートシューズ」の品揃えも充実してきた。
本稿は、見えない衣服である下着の関心の実態と背景にある心理について、下着に対する"こだわり"の観点から明らかにすることを目的としている。研究1では、下着に対するユーザーの意識、特に、求める心理的機能の実態を明らかにする。研究2では、お気に入りの下着に対する意識を調査し、下着へのこだわりの背景にある心理について明らかにする。
東京都消費生活部は、インターネットの広告表示について定期的に調査をしている。今回インターネット通販で販売している比較的安価なカシミヤ製の繊維製品(ストール類28、セーター類22)を中心に混用率を測定する商品テストを行った。(調査期間09年7〜10月)混用率は、JIS L 1030−2繊維混用率の顕微鏡法で測定。分析の結果表示と実際の繊維組成が家庭用品品質表示法の繊維製品品質表示規定の許容範囲を超えて異なったのは14商品あった。そのうち13商品がカシミヤの混用率が表示された値に満たなかった。
世界有数の紳士服展示会、ピッティ・ウオモが1月、イタリア・フィレンツェで開かれた。今回は約850ブランドが出展、1月12日からの4日間で延べ3万人が来場した。バイヤー数は09年秋冬より3%増加。展示会を運営する最高経営責任者は「現代の都市生活にマッチしたスポーツとフォーマルが融合した服が、新しい素材・新しい価格帯・環境へ配慮した視点で作られている。深い変化が起きつつある」と話している。
姿勢を良くして美しく見せたり、汗じみやにおいを抑えたり…。機能性下着ではユニクロの「ヒートテック」が人気を集め市場が広がった。各社の競争も激しくなっている。ユニクロの女性向け下着「スタイルアップインナー」は背筋やバストラインを美しく見せる効果、イオンは女性向けに引き締め効果のある「ベストスタイル」を強化。イトーヨーカ堂は、消臭機能などを加えた「パワクール」、ワコールの「ここち衣」は特殊な編み構造で、やわらかでさらさらの感触が売り物だ。
大手アパレルや百貨店、ネット通販などでカシミヤの表示と実際の混率が異なるなどの不当表示が後を絶たず、問題が表面化している。全くカシミヤが含まれていなかったり、全てアクリルだったケースもあり、業界の信頼が揺らぎかねず、不当表示を排除する体制作りが求められている。
環境への関心、不要衣料品の廃棄とリサイクルに関するアンケート調査を実施し、被験者を環境意識の高い群と低い群に分類した。環境意識の高い群は,女子学生、母親ともに不要衣料品を有効利用する傾向があった。廃棄とリサイクルの意識を因子分析し、女子学生、母親ともに5つの基本的因子を抽出した。「リサイクル意識向上の手段」の因子について、環境意識の高い群と低い群で因子得点間に有意差があり、死蔵衣料品のリサイクルを向上させるには、環境への関心を高めることが必要といえる。
財団法人ファッション産業人材育成機構は10年度から、ビジネススクールの受講料を平均4割安くする。生徒を派遣する小売店・アパレルなどが軒並み業績不振に陥っているためで、受講しやすくする。
日本ボディファッション協会(NBF)は「2月12日ブラジャーの日」普及キャンペーンの一環として募集したキャッチコピーの最優秀賞に「ブラを変える。私が変わる!」を選んだ。
中国海関総署の09年の繊維輸出は、服装・同付属品が前年比11%減、紡織・糸・織物・同製品が8%となった。ただ、11月より回復が加速している。
サービス産業生産性協議会の日本版CSI(顧客満足度指数)によると、通信販売業の優良企業が81で最も高かった。一方、百貨店業界は72で、その中でも中小規模百貨店は65と低かった。
一宮地場産業ファッションセンター(FDC)はファッション専門学生と共に、オリジナルのテキスタイル作りに取り組んだ。活性化の先行投資と、将来アパレル産業に携わる学生に、テキスタイルの製造工程や現場の技術に実際に触れてもらい、産地として尾州の存在を認識してもらうため。
(独)製品評価技術基盤機構(NITE)が化学物質の安全性を一般市民に知ってもらうための副読本「化学物質と上手に付き合うために−化学物質のリスク評価」を作った(計13頁)。学校に配るなどし、若い世代にも考えてもらう予定である。
@4月21日A大阪科学技術センターB廃棄物処分場のキャッピング材料開発、大気圧低温プラズマジェットを用いたプラズマ誘起液中化学プロセス、他C日本繊維機械学会 Tel:06-6443-4691
@4月23日AドーンセンターB体温調節の神経機構:基礎と最近の話題、温冷感と心地(材質感、手触り感、歩き心地)との関係、風または歩行条件下の衣服の湿熱抵抗変化、他C日本繊維製品消費科学会 Tel:06-6358-1441
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:中島利誠/発行人:大谷芳男