ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧(2003年度:第20巻〜)→
経済産業省が衣料品などのリサイクルを促すため設けた「繊維製品3Rシステム検討会」が動き出した。日本化学繊維協会、日本繊維輸入組合、日本被服工業組合連合会、日本アパレル産業協会の4団体からヒアリングを受け、今後も関連する各団体からリサイクル進行状況を聴聞、あるべき姿を模索する。
財務省による09年の知的財産侵害品の輸入差し止め件数は、中国や韓国からの偽ブランドバックが減少し、前年17%減の2万1893件になった。全体に郵便物で輸入するのが圧倒的に多く、少量ずつ持ち込むケースが増えている。
10年度から5年間の政府の消費者基本計画によると、消費者事故に関する専門的な調査委員会の新設を検討、11年度の早い時期に具体案を明らかにする。リコール制度は利用者の立場を重視して見直す方針を掲げるなど、消費者の安心・安全の確保を推進する。
全国の消費者センターや各省庁に寄せられる製品などの事故情報を集約した消費者庁の「事故情報データバンク」が4月から稼動。ばらばらな情報を一元化し、消費者が製品事故などの情報を検索しやすくなるが、一部事故情報が含まれない上、消費者の書き込み情報の公開がみられず、課題が多い。
経済産業省が中小企業基盤機構と繊維製品リサイクル推進のための事業で、「繊維製品リサイクル調査報告書」をまとめた。技術でリサイクル可能な商品設計、廃棄繊維の分別、識別など前処理ルールの検討、技術開発の促進、回収で消費者への普及啓発、協力店拡大、インセンティブの付与を掲げた。
消費者庁が09年9月に設立されてから、半年あまりたち、監視機能をもつ消費者委員会が協議を始めるなど、表示のあり方が変わるとしている。ただ、消費者団体と企業側で意見の食い違いが見られるなど、体型的な基準作りは時間がかかりそう。
2010年版の中小企業白書から、08年秋の金融危機で大きく落ち込んだ業況は緩やかに持ち直しつつあるものの、小売業を中心に製品単価の大幅下落に直面している実態が明らかになった。また、省エネへの取り組みでは、投資費用がかさむため約5割が実施できていない。
経済産業省は外国企業の対日投資の拡大を狙って、特例的に税制や入国手続きを優遇する制度の検討に入った。外資の優遇では欧米やアジアに後れを取っており、対内直接投資の国内総生産(GDP)比を現行の3.6%から早期に欧米並みの2ケタに引き上げる考えだ。アジア統括部門や研究開発などの付加価値の高い部門に的を絞って外国企業の誘致を進める。
経済産業省の「今後の繊維・ファッション産業のあり方に関する研究会」最終報告書がまとまり、同省ホームページに公表された。報告書の内容は来年度の繊維予算要求にも反映される予定で、JFW(東京発日本ファッション・ウィーク)については「今までの取り組みが継続できるように側面支援をしていきたい」としている。繊維産業の今後の方向性として@内需依存体質から脱却しアジアを中心に拡大する海外市場の開拓推進A繊維素材・技術を環境や健康分野に広げ、繊維の市場拡大を図るBファッション産業を今後の成長産業として期待されている文化産業の中心的担い手へ飛躍させるC事業者間の連携を推進し、お互いの強みを生かすことによって、新興国企業が台頭する激しい国際競争を戦う―を掲げている。
環境省は今後5年間の環境分野に関する研究開発の戦略案をまとめた。途上国向けに地球温暖化と公害対策を両立する廃棄物処理などのシステム開発や、温暖問題が引き起こす生態系への影響の解明など、17の重点課題を決めた。
縄文時代から存在している組紐・組物の歴史からひも解き、組物の構造、特徴、用途を解説した。また、組物の構造からくる自在な三次元形状形成性をいかし、複合材料の補強材としての利用の可能性を述べた。
p82〜105 高性能スペシャリティー繊維の概要紹介(鞠谷雄士)、ポリアリレート繊維の特性と用途(頼光周平)、高強度ポリエチレン繊維の製造法と特性・用途(大田康雄)、アセテート繊維の歴史・製法・用途(金谷庄次)およびポリ乳酸繊維「テラマック」の特性と用途(山田太志)の特集である。
防護服素材として使用されている高強度繊維、耐熱性繊維、耐薬品性繊維、生物/化学物質防護繊維、透湿防水材、強度補強材について性能と開発の歴史・市場動向などを解説した。
カシミヤ原料(整毛)価格が上昇している。世界的に高級品の売れ行き不振が続く中で、落ち込んでいたが、09年10月以降、モンゴル産カシミヤに次いで中国の内モンゴル産も上向きに転じてきた。カシミヤの需要は今ひとつ回復力に欠けているが、専業筋によると、中国のカシミヤメーカーが原料買い付けに入っているためで、少なくとも今年春、新毛が出てくる頃までは、強含みに推移すると見ている。
クラレクラフレックスは積水化学工業との共同で、断熱・遮熱に優れた障子シート「サーモバリア」を開発した。4月1日から発売。両社は、クラレクラフレックスが展開するスチームジェット不織布「フレクスター」の断熱性、透光性、強度などに着目し、約2年の開発期間をかけて「サーモバリア」を完成させた。夏は日射を効果的にカットし、冬は室内の保温、窓付近の冷気遮断に効果を発揮する。透光性に優れているため、従来の遮断障子シートに比べ約3倍の明るさが得られるのも特徴。
クラボウは綿の風合いと画期的な「早乾き」機能を両立させた紡績糸「一屋干し(いちやぼし)」を開発、今春から原糸販売を開始する。衣料、タオル、寝具など広い範囲で訴求する。同社が昨年7月に立ち上げた社内プロジェクト「紡績技術開発グループ」が開発した技術「サーフェス・ストラクチャー・メソッド(表面形成方式)を採用した。「一屋干し」を使ったフライス編みによる試験で、洗濯機による脱水後、残留水分率が10%以下になるまでの時間は、通常の綿100%に比べ6分の1程度に短縮される。
産業廃棄物である梅の種を炭にした梅炭が注目されている。既に梅炭を練り込んだ紙は市場に出ている。この紙から抄繊糸をつくり、婦人ニット製品などが製品化されている。製品化のチームは、山陽製紙、企画会社のサンライジング、糸メーカーの滝善、ニットメーカーのアイソトープなど。エコロジー性、消臭などの機能性、通常よりも強いシャリ感に特徴がある。想定の小売価格は8,000〜10,000円。
気化熱で冷却効果を出すキャップ、裏側にメッシュ生地を縫い込み、蒸気を抜くニット帽子である。アパレル業界向けに生産する。水を浴びたときの気化熱の作用で涼しくなるキャップは帝人ファイバーの吸湿・放熱性に優れた「ベルオアシス」を使用している。蒸れないニット帽子の裏側は、フリース素材とメッシュ素材で、メッシュ素材の部分から蒸気を逃がす。
絹織物の古織(東京・八王子)は経・緯糸に10中(10D)のシルクを使ったストール「10D」を完成した。現在出回っているシルクは、21中が主流で最も細いもので14中とされる。今まで国内には存在しなかった超極細糸による軽量性や繊細さを持つ。撚り工程、レピア織機の製織スピードを工夫している。ストールは180cm×38cmで約9g、スカーフは58cm2あたり4gの軽さを実現した。
ウール100%で家庭洗濯・乾燥ができるイージーケア製品を提供しているテックール会が、婦人服向けやジャージーなどに幅を広げ、市場の拡大を目指している。テックールはウール100%生地のウォッシャブル加工をベースに、裏地や芯地など副資材使い、縫製仕様などを工夫して、ウール100%製品でも、家庭洗濯のシワが少ない、外観保持性が高いなどの特徴を持たせたもの。具体的にはツーウェー、ワンウェーのストレッチパンツ、リクルートスーツ、旅行用のジャージー商品、セーターなどでのテックール使用を拡大する。
夏のニット製品向けにさわやかな肌触りが特徴の新紡績糸を開発し4月から販売する。精製セルロース繊維「テンセル」と星型断面ポリエステル長繊維使いの「セオアルファ」の精紡交撚糸である。テンセルが持つ柔らかさとひんやりした触感とセオアルファの吸水速乾性が特徴である。
レースが5年ぶりに浮上する兆しが見え始めている。レディスヤングの10年春夏企画では、種類や使い方もそのバリエーションが広がっており、トレンドの中にはまりそうだ。しかし、レースメーカーや問屋などは「レース市況はよくなっている」との見方はあるものの「量的な発注はまだ受けていない」ところが多く、本格化には至っていない。アパレルの仕入れが従来にもまして慎重で、仕込みを引き付けている。ここでは、JC(ジャパン・クリエーション)に出展するレース企業などから状況を聞いている。
帝人ファイバーの高機能ポリエステル繊維クッション材「エルク」がゴールドウインが発売したモーターサイクル・ライダー用プロテクターのクッション材として採用された。「エルク」を採用したことで、プロテクターは弾力性、通気性に優れ、夏場などのバイクライディングでも蒸れにくく、洗濯性にも優れているという。
アルペンは、東レと共同開発した涼感ドライウエア「アイ・クール」を発売した。このウエアは、体から発する汗や水分に反応して、生地が熱を吸収し衣服内温度を下げる涼感機能を持つ先端テクノロジー製品。
麻織物の滋賀麻工業(滋賀県愛知郡)は11年春夏向け差別化素材として、世界で最も細いラミー糸企画とコンニャク加工糸を使った「近江蒟蒻上布」企画の二つを新たに展開する。世界最細のラミー糸企画はラミー麻の160番手糸をタテ・ヨコ糸に用いた素材で、透けるような薄さ、麻独特のシャリ感に加え、ソフトさと軽さに優れる。近江蒟蒻上布はコンニャク芋を水に溶解して糊状にし、ラミー糸一本一本に糊付け加工を施す。糸に光沢と適度なシャリ感、清涼感を持たせ、ソフトさや軽さが加わるのが特徴で、仕立て後も製品ラインが崩れにくい。
帝人ファイバーは、通常のポリエステル並みの強度を持った常圧カチオン可染ポリエステルポリマー「V4」を開発した。「V4」ポリマーを使ったカチオン可染ポリエステル繊維は、単糸繊度1dtexのハイマルチ糸、断面が四つ山形状の「ウェーブロン」をはじめとした異型断面糸で、100度以下の常温・常圧下で濃色の染色加工が可能となる。繊維強度は1dtex当たりカチオンタイプで、最高レベルの3.8センチニュートンであり、分子レベルで改質した。繊維自体の耐熱強度も向上し、仮撚加工糸も展開できるとしている。
紫外線カットや吸汗速乾、抗菌防臭などの機能があるメリノパフォーム素材を採用したジャージを紹介している。スポーツウールをベースにしたポリエステル・ウールの2層構造である。19.5μより細い豪州メリノウールを使い、天然の温湿度調整機能を生かすほか、ポリエステルとの2層構造によって運動時でもクールでドライな着心地を維持できる素材である。
繊研新聞社のアンケート調査によると、11年春夏向けテキスタイルに必要なキーワードとして、「ナチュラル」と「軽さ」が同票を集めてトップに立った。うち、両キーワードを重複して選んだ企業が半分近くあり、互いの要素が連動していることがうかがえる。
日清紡テキスタイルは、綿と天然繊維の複合素材シリーズ「ナチュレッシュ」を発売する。ナチュレッシュは、ホワイトリネン混、シルク混、「テンセル」混の3種類を揃える。綿は光沢感に優れるスーピマ綿だけを使用。ホワイトリネンは欧州産で、繊度が16μとカシミヤ並みの素材を使い、細さにこだわった。シルクはA級シルクを38mmにカットしたものを使用した。番手は40〜100番で、織糸やニット糸、双糸や単糸ともに生産が可能である。
レンチングは、UVカット薬剤を練り込んだ紫外線防止素材「テンセルSUN」を開発した。今年度から販売を本格化し、アクティブスポーツやアウトドア用途の衣料へ販路を開拓する。同素材はテンセルそのものが持つ肌触りの良さ、水分吸収性能が高いなどの機能に加え、練り込み技術によるUVカットの薬剤の付加で、その機能は半永久的に持続する。ミネラルから抽出されたものを使用することから日光放射線を長期的にガードし、洗濯耐久性にも優れる。
カイハラは、肌触りの良さと柔らかさが特徴のウール調デニムを開発した。ウールは一切使っていないため、洗濯や洗い加工にも耐え、ウール混よりも割安なのがポイント。新デニムは「トライネル・デニム」と名づけた。経糸はロープ染色したポリエステル混綿、緯糸は「モダール」混綿を使い、混率はポリエステル46%・モダール44%・綿8%・ポリウレタン2%。織布の表裏両面に起毛加工、ソフト加工を施すことでウールライクな肌触りを表現、織りと加工で毛玉も防止した。
二酸化チタンを使った光触媒加工「ガイアクリーン」による有機物分解の作用が花粉にも有効なことが明らかになった。ブラックライト1時間照射によるスギ花粉アレルゲンの低減効果について、マスクでは99%、カーテンでは99.4%の低減効果があることが分かった。有機物の一つで花粉症の原因となる花粉アレルゲンが、光触媒による分解作用によって、ほぼ100%なくなったとし、部屋に持ち込んで花粉を撒き散らすマスク、花粉が付いても自然に分解するカーテンなど、花粉対策の新たな切り口を提供するものとしている。
綿100%でW&W性4級レベルの生地による、日清紡のノーアイロンシャツ「アポロコット」について、開発の経緯や商品の特徴が紹介されている。アポロコットは、米国のアポロ計画にちなんで命名されたもの。そのキーテクノロジーは、従来の形態安定シャツに比べて、加工剤が万遍なく固着し、理想的な架橋反応を起こしていることにある。
同一条件下で染色した絹と羊毛の呈色の違いを検討した結果、ヘマテインは羊毛のコルテックスに染着せず細胞膜複合体に染着していること、また、その微量金属イオンの影響があることが分かった。
短繊維織物の無地染め染色・整理の大和染工(浜松市)が5月20日に、磐田工場の染色・整理の操業を停止する。リーマンショック後、衣料品の不振と低価格化、原材料費の高騰が続き、環境が好転する見通しが極めて低いと判断した。同社は短繊維無地染め、捺染の大手染工場としてピークの91年5月期の売上高は約71億円であったが、その後縮小、05年には本社工場を閉鎖、磐田工場に集約していた。
カビの異常繁殖は付着物の物性劣化や腐敗を引き起こし、カビ自体がアレルギーの原因物質であるアレルゲンとなることもある。それだけに、カビの異常繁殖を抑える機能素材のニーズも高まってきた。今回の特集では、新しい機能加工として登場した「抗かび加工」を取り上げると同時に、機能性を担保するマークとして注目が高まる繊維評価技術協議会の「抗かび加工SEKマーク(SEK緑マーク)」を紹介する。検査方法と基準は日本から国際標準化機構(ISO)に提案されており、ISO化も間近だ。日本発の新機能加工の現在を追う。
靴下の岡本は、世界初となる「編針のない編機」を開発した。従来の編み針の役目を、円盤状の「ローター」が担うもので、同原理(ロータリー原理)も独自開発した。24日に大阪本社で靴下丸編み機のプロトタイプ(試作機)を発表。3年後をめどに靴下編み機を中心に、実用化を目指す。従来機と比較すると、編み針の往復運動がないため@エネルギーの省力化A編み機の小型化Bなめらかな引き込みによる糸の損傷の減少Cパーツ交換・セッティングの簡便さ、などのメリットを持つ。
火災から人命を護る機能と安全性から企画されたもの−@REACH(欧州の化学物質規制)を含む脱ハロゲン防炎加工の動向(越智清一、繊維評価技術協議会)、Aノンハロゲン防炎加工(久保昌彦、ダイワボウノイ)、B綿の防炎加工(北川晃三、ダイワタオル協同組合)、Cポリエステル繊維の染色同時加工用非ハロゲン難燃加工剤の開発(岩城輝文、大京化学)。
室町時代から徳島で生産されていた天然藍染料「すくも」を表す阿波藍の歴史と技法、生産と消費動向を紹介したものである。
安定性が低い高機能性化合物をシクロデキストリン(CD)の環状構造内に包接・固定することにより新機能材料を創ることができると考えられ、CDとイソシアネート混合液にポリエステル布を含浸・熱処理してCDを固定し、種々の処理による加工布の耐洗濯性、吸着性能を評価した。
毛染色整理大手の艶金興業(一宮市)は10日、繊維事業からの撤退を決定。7月をメドに各工場、事業所の稼働を停止する。繊維事業については同日、同社とソトーとの間でソトーへの譲渡で基本合意書を締結した。同社は1889年に染色整理加工業として創業。90年代には同社5工場、子会社工場合わせてグループで10工場が稼働。日本最大規模の染色整理加工業として知られてきた老舗である。
セーレンは、子会社のナゴヤセーレン(名古屋市)の染色加工事業を撤収し、本体の勝山、新田などの工場に事業を移管する。ナゴヤセーレンは、インナー資材やユニフォームをはじめとした衣料、土木用繊維の染色加工、ラミネートなどを行って、利益は出ており、収益構造は悪くないというが、不動産業として活用した方がより大きな利益を生むと判断した。染色加工事業の縮小が急速に進んでいる。
伝統の染織技法をきもの以外の分野に生かした商品開発が進んでいる。長期低迷による販売不振を余儀なくされている和装業界の中で「従来と同じことをやっていたのではジリ貧」として、新しい発想と切り口で次世代を見据えたビジネスを提案。本業を重視しながらも「企業の存続を賭けた試み」に力を注ぐ。小売業では3月末に専門店のみやび(広島)が京都・祇園に京友禅ブラウス、手描き友禅Tシャツ&カットソー、陶器などを扱う新業態ショップをオープンし、話題を呼んでいる。一方、メーカーでは帯地をはじめ草木染のテキスタイルをつくる「ひなや」(京都)が洋装で積極的なものづくりを進めている。
米国ラスベガスで開かれたカジュアル合同展では、サーフ、スケートボード、スポーツといったストリートカルチャーをモチーフにしたブランドが注目された。懐かしい70〜80年代風のプリントや配色、リラックス感のあるフードパーカーなどを今のスタイルに落とし込む。
百貨店やミセス専門店からは日本製ニットを再強化する動きが出ている。アパレルメーカーの大半が海外生産にシフトし、国内の物作り機能が空洞化するなか、国内での素材開発や編み立て工場との取り組みを強めることで差別化を図る。三越のセーター・ブラウス担当バイヤーは「顧客から日本製への要望が大きい。安心・信頼に応えるため、物作りへの取り組みを強めている」。本店のミセス向け自主編集売り場では従来、オリジナル開発の中国製カシミヤセーターを販売してきたが、「今後、日本製にもトライする」という。
大手・上場アパレル企業が組織を大幅に再編している。営業や間接部門などの組織統合のほか、新規事業開発部門の新設、海外事業の再編などがその柱。業績低迷が続き、構造改革が迫られる中で、各社は組織のスリム化・効率化を進めて収益改善をはかると同時に、新たな成長に向けた体制を整える。第一の柱は組織統合による業務運営の効率化、スピードアップと営業体制の再強化だ。新規事業開発や海外事業を強化するための体制作りも進む。新規事業ではネット通販分野を強化、海外事業は「現地対応の強化」が成長のポイントだ。
中国生産が大きな変わり目を迎えている。対日生産の拠点である上海地区は、生産コストの上昇と労働力不足で生産地としての競争力に陰りが見える半面、日本市場の求めるファッションを理解する企画提案型アパレル生産地になりつつある。脚光を浴びている広州地区は、巨大な生地調達能力と、製品仕入れ、OEM(相手先ブランドによる生産)両面による短納期小ロット供給の拠点として存在感を増している。
三陽商会ブランド事業部はこのほど「マッキントッシュ フィロソフィー」メンズで、シワになりにくく手洗い可能なトロッタージャケット≠発売した。生地は、形状記憶のポリエステル100%のオリジナル。回復しやすく、濡れても伸縮率が変化しない。さらに軽く、肩パッドなどがなくても美しいラインを保つことが特徴。手洗い後、ハンガーに掛けて陰干しをするだけで、元の状態に回復する。
低価格ジーンズの登場や長引くジーンズ不振によりジーンズメーカーにとっては厳しい環境が続く。最近では主力販路であるカジュアルチェーン店がPBのジーンズを強化したり、店頭在庫の圧縮、取り扱いブランドの削減に動いており、NBはさらに苦境に追い込まれている。
百貨店主力の大手アパレルが駅ビル、ファッションビル(FB)向けに新ブランド、業態開発を積極化している。M&Aも含めた新会社による運営で今春新規立ち上げが集中した。百貨店の拡大が厳しい中、販路開拓に本腰を入れ成長への確実な布石を打つ。
トリンプ・インターナショナル・ジャパンは、SPA(製造小売業)型下着ショップ「アモスタイル」でカップから背中部分までほぼ縫い目のない新感覚のブラジャー「アンライン」を今月下旬から発売する。ブラジャーのワイヤーとカップ部分のクッションを2枚の生地で挟み、特殊な技術で接着したもの。カップ部分のみならず、ブラジャー全体にほぼ縫い目がないのが最大の特徴となっている。カップの下返と脇、背中部分などは小さな波型にカットしてあるため、体のラインにフィットする。
オンワード樫山メンズ事業部はこのほど、ニットジャージー素材で軽くソフトな着心地とテーラード仕立てを両立させた「エアージャケット」を開発し、4月1日から「五大陸」「J・プレス」「ダックス」など主力ブランドで展開する。生地は名古屋・尾州の老舗生地メーカーと取り組み、糸の段階から伸縮性が高くシワになりにくいニットジャージーを、副資材は軽さと形を保つための接着芯や、表地に合わせてストレッチ性を高めた裏地をオリジナル開発した。縫製は、従来のシャツ工場と異なる本格的なクロージング工場と取り組んでいる。
レディスバッグ主体の海外ブランドが日本国内のメンズ市場開拓に本腰を入れ始めた。いずれもレディス市場を一定網羅したブランドばかりで、メンズ客の取り込みで売り上げの上積みを狙う。マーケティングや商品開発などレディスで培われたノウハウを活用する点で共通するが、販売戦略は微妙に異なる。
冬肌着として"薄"、"軽"、"暖"をキーワードにした商品が定着した。そもそも下着メーカー各社が展開する肌着は快適性や保温性を重視した機能素材を多く利用するのが常だが、ここに来て高機能肌着に注目が集まっている。これまで肌着は秋冬のシェアが高かったが、昨年頃から夏を快適に過ごすことに焦点を絞った夏向け肌着が活気づいている。
中国の杉杉集団の中核アパレル企業である寧波杉杉(寧波市)は欧州著名ブランド「エル」(ELLE)とマスターライセンス契約を結び、今秋冬物から同ブランドを中国で販売する。昨年、提携した伊藤忠商事が日本で確立したライセンスビジネスのノウハウと、福建省の中堅アパレルのFC展開のスピード感を生かし、5年で2億元(30億円)の売り上げを目指す。ライセンスブランドのビジネスモデルは中国では未確立であり、寧波杉杉はメンズ、レディスでの成長を見込んでいる。
カンボジア、ラオスの縫製輸出09年は主力の欧米向け不振で約2割の減少をした。今後は欧米市場の復調を切望する一方で、日本など取引が少ない国への輸出、投資誘致にも期待をかけている。
子供用衣類に起因する潜在的な事故を未然に防止し、安心・安全の確保を目的に、全日本婦人子供服工業組合連合会、日本織物中央卸商業組合連合会、協同組合関西ファッション連合の3団体が協力して策定した「子供衣類の設計に関する安全対策ガイドライン」の改訂版がこのほど作成された。対象は1〜12歳の子供服で、このうち注意すべき重要な部分の例としては、上着におけるフードや紐に関し、7〜8歳未満の製品についてはフードや襟部分に引き紐を採用しないことが望ましいとしている。
ワコールは、カップ内の汗蒸れを軽減するブラジャー「スースーブラ」を今月中旬から発売する。科学的に調査の結果、胸部の中でも一番早く発汗するのが脇下周辺で、バスト下部のバージスラインも早い段階で発汗することがわかった。同商品は、バージスラインがメッシュ、バスト下部がメッシュ調の土台、カップ部分がメッシュ素材と発汗量の多い部位順に通気性の高い素材を採用した。カップ裏のパッド受けは、吸水性の高いメッシュ調の生地で、パッドもパンチされた高通気パッドとなっている。
日本ブランドを扱う店がニューヨークでじわじわと増えている。売れる要素の共通点は「他にないデザインや素材感」。希少価値を求める顧客に"商品勝負"で静かに売れている。
ニットの対応領域が広がっている。ここ数年の間にメンズ、レディスとも重衣料の用途開拓が進展、ジャケットやボトムなどに進出している。ニット=軽衣料という図式が崩れ、多彩なシーンでの活躍が目立つ。素材メーカーのテキスタイル展開をみても、ニット比率が上昇、再拡大の原動力の1つとして気を吐いている。
メンズインポートウエアの10〜11年秋冬向け商戦に、"不況明け"の兆しが見えている。先月までに各ブランドとも展示商談を終え、多くが小売店からの受注を伸ばしている。不況でショップ側の仕入れ控えが続いていたが、秋冬は前年比倍増の受注額を得るブランドもあるほど商況が変化した。小売店側もポジティブなMDへの期待感を持っている。リーマンショックから2年、今の日本市場に対応した商品企画を進めてきたブランドや企業には、今年後半に期待感が膨らむ。
昨年来ユニクロが市場を席巻している中、GMSなどを主力販路とする量販系アパレルも、それに打ち勝つため今秋冬物はMD戦略の転換期にある。よりオリジナル性がある高付加価値で、明快な差別化商品を打ち出そうとしている。同じアイテムでも、競合の中で決定的な違いがある商品づくりをするべく、商品の絞込みと長期開発型のMDに集中している。いわば、ユニクロ開発スタイルを逆手に取り、市場の一角を切り崩そうという開発モデルを目指したといえそうだ。
中国での生産状況がタイト化している。経済成長に伴う人件費高騰の問題だけでなく、最近は労働者の確保自体が難しくなっている状況だ。また、工場側が工賃の低い日本向け生産を渋る様相も、ここにきて再び激しくなってきた。とはいえ、ASEAN(東南アジア諸国連合)への産地シフトは強まるが、簡単には進められない側面もある。今後の衣料品生産がどうなっていくのか、現状では難しい局面を迎えている。
米デトロイトのグローバルディレクター、アイラ・ケーリッシュ氏が、今後10年間の先進国と新興国の小売市場について、@新興国からの世界的な小売業の出現Aソーシャル・ネットワーキング・サービスの活用B合理的な品揃えC小売市場の二極化、の傾向が強まると予測している。
米カジュアル専門店は不況の影響が比較的少なく、09年度決算が9社中エアロポステル、アーバン・アウトフィッターズ、Jクルー、ザ・バックルの4社が増収増益となった。粗利益率も改善基調にある。
昨年来、ウェブを介してのブランド発信が定番化している。当初はヤングブランドが主流だったものが、現在はラグジュアリーブランドも多くのサイトを通じて訴求。また"口コミ"のような限定的なサイトに頼るメーカーも存在し、ウェブをめぐるファッションの様相は激変している。
スーパーや百貨店、専門店など大手小売りが店舗改装を拡大している。消費不振で新規出店による成長が難しい中、低価格志向への対応など主力店を中心とした大規模な改装で客を奪い合う構図が鮮明となっている。
世界の衣料品専門店大手の09年度通期決算で、売上高で首位にたったのはH&Mで、先進国と新興国の双方で旺盛な出店を続けたため。衣料専門店は流行を反映した手ごろな衣料品の販売で世界的に成長するSPAが中心。中産階級の所得の伸びが見込める中国やインドなどでシュア拡大を競っている。
総合スーパー各社が就職や進学など新生活に向けた需要の取り込みへ割安な衣料品を相次いで発売する。節約志向を強める消費者の購入意欲を刺激する考え。
日本百貨店協会は会員企業が10年前より4割減少しているのを受け、4月から運営をスリム化する。関東を除く6地区の事務所を廃止するほか、地区ごとの売上高集計をやめ、毎月発行していた会報誌も廃刊しインターネットで配信する。
中国での内販を目指す日本ブランドの中国進出が再び強まっている。その背景には成長を続ける中国市場がある。ただ、マーケットの拡大と並行して同質化やオーバーストアも顕在化しており、競合が激しさを増している。こうした中で上海梅龍鎮伊勢丹や上海久光百貨のように有力店が改装して差別化する動きも加速しており、さまざまなジャンルで日本ブランドが進出できる可能性が広がっている。
発信情報停止依頼数がこの2、3年減少しており、インターネットにおける侵害品流通において、有力オークションサイト、ショッピングモールでは数年の対策が効果を表し大きく改善した。一方で一部ケータイオークションや海外ホスティングの物販サイトなどの被害が目立つ。
総合人材サービスのインテリジェンスが自社のアルバイト情報誌やインターネットへの求人広告を集計したアルバイト時給の調査で、10年2月の全国平均は前年同月比2.1%高く、3ヵ月連続上昇である。景気の回復局面では正社員の賃金より先にパートやアルバイトの時給が上がる傾向にあるが、正社員よりパートやアルバイトの採用を増やそうとするためという。
高島屋とエイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)が経営統合の中止を発表した。両社は3年以内の経営統合を視野に資本・業務提携し、統合に向けた各種共同作業を進めていた。資本・業務提携は当面維持するものの、自社の百貨店事業モデルの再構築を最優先課題としており、将来の事業規模拡大の前提となる新たな百貨店づくり=「再創造」に、それぞれの考え方で挑む。
個性派子供服ブランドが「期間限定ショップ」を設置するケースが増えている。主に百貨店などに出店し、既存販路が手薄いエリアへの拡販や、新規店への認知度アップなどが目的だ。オリジナリティーのある企画と価格帯のバランスは百貨店顧客にも受けており、計画値以上の実績を確保する傾向も。新規客を誘致したい百貨店、直営展開へのトライアルととらえるメーカー双方の思惑が重なり、市場活性化への期待がかかる。
レディスブランドで、実店舗をオープンする前にネット販売やブログを活用してファンづくりをする手法が増えてきた。あらかじめ知名度を上げてマーケティングをしておくことで実店舗のリスクを極力減らし、一気にブレークすることを狙っている。
大阪の百貨店がヤングレディス層の取り込みに乗り出している。商環境が変化する中、新規顧客の開拓を目指す狙いがあるようだ。ヤングレディス層は従来、百貨店が苦手としてきた客層だが、競合過多や個人消費の冷え込みが危機感を増幅させたものと見られる。
国内専門店の業績二極化が加速している。ファーストリテイリング、しまむら、ポイントは過去最高の増収増益となり、成長性、収益性ともに強さをみせた。一方、大半の専門店は減収減益に赤字も増え、格差がより大きく開いた。
ユニクロや米ファストファッション大手のフォーエバー21など低価格を武器とする衣料などの専門店が相次ぎ大手百貨店に出店する。これまで手薄だった都心の好立地を押さえて成長を加速したい専門店と、デフレ基調の中で集客力強化を急ぐ百貨店への低価格専門店の進出拡大で駅前など一等地の商業地図はさらに様変わりしそうだ。
百貨店の10年2月期連結は、09年2月期に引き続き各社とも総じて減収減益となり厳しい結果となった。主力となる利益率の高い衣料品、高額品の売り上げ不振が響いた。来店客数は前年並みに推移しているものの、買い上げ点数減、客単価のダウンで、市況の冷え込みをカバーするまでには至らなかった。ただ年を明けてから軒並みマイナス幅を改善しており、今期の業績見込みでは各社前期クリアを計画している。
オークション情報の専門会社オークファンによると、日本のネットオークション上で取引されるファッションアイテムが年間1100億円に上ることが分かった。日本のファッションEコマースは、主要3社合計でも流通総額500億円強と見られ、年5000億円のアウトレットに次ぐ第3の巨大市場が、既存の流通を経由しないネット上の個人取引で形成されていることになる。
紳士服のコナカや靴専門店のチヨダなど衣料・雑貨店の大手が、期間限定店で営業を展開する。百貨店やショッピングセンターで増えている空きスペースを活用し、低コストで出店。空白地域への進出や新型店の事業性を検証して、本格出店につなげる。
シニアの間で実際の店舗をとっかかりにしてインターネット通販を本格的に始める動きが広がっている。店内に置いたパソコンで店員から使い方を教えてもらったり、通販でも店頭で実物などを確認したうえで注文できたりする店が増えているため。
米大型店50社の09年度決算は、前年比0.1%増とほぼ横ばいだった。赤字は08年度の15社から8社に半減し、好調だったホリデー商戦を機に「回復の手応え」を確実にした。2年続いた市場の低迷で、不採算部門の売却や店閉鎖、リストラ、商品改革と在庫調整、販売管理費の圧縮など企業努力が実り、収益性が向上している。
大手百貨店が人員削減を進め、店舗運営の効率化を急ぐ予定。5社で消費不振が深刻になった08年度末に比べ2割弱少ない2万2千人程度になる見込み。
ユニクロがこの秋冬向けに発売したダウンジャケット類の取扱い絵表示を「手洗い不可」「ドライも不可」とし、付記表示で「クリーニング店での水洗い」を推奨した。そのため消費者およびクリーニング店から「水洗いできるのか」という疑問が寄せられたユニクロは、全ク連に「クリーニング店への水洗い周知」を要請した。ところが全ク連は「水洗いが可能である検証作業が必要」とし、検証を申し入れた。ところがユニクロは「第三者の機関で検証済み」として拒否。そこで全ク連は主婦連に持ち込み、主婦連は消費者庁に上げた。同庁は両者がさらに話し合うことを薦めている。
環境省は、国等の機関が環境に配慮した製品を優先的に調達購入したり、情報提供することに関わる法律(グリーン購入法)に基づく特定調達品目及びその判断基準の見直しを行っているが、本年度から「クリーニング」も特定調達品目(分野:役務)に設定。4月1日から施行。
(財)全国生活衛生営業指導センターは「クリーニング業・省エネルギーガイドライン」をまとめ、その内容をイラスト入りで分かりやすく解説した普及用小冊子「クリーニング店の省エネ対策」を作製した。「今すぐできる省エネ対策」「設備投資で省エネ対策」「利用者と連携」の3つの側面から、クリーニング店での省エネの取り組みと経費削減効果を紹介している。
日本繊維製品・クリーニング協議会は、同会ホームページの会員限定の新メニューとして「クリーニング用語辞典」をアップした。クリーニングやアパレルなどに関連する用語を50音順に並べ、辞書形式で説明を加えたもの。約900語登録。閲覧するにはIDとパスワードが必要。
住宅・商業地のクリーニング工場で禁止されている引火性の石油系溶剤が使用されていた問題で、国土交通省は法解釈を見直し、管理を厳格にすることなどを条件に溶剤の使用を認める方針を決め、6月中にも指針をまとめる。同省は全業者の約3万8千工場を対象に実態調査を進めているが、大半が違法状態との予測もあり、零細業者の廃業が相次ぐ恐れがあるため、消防庁や厚生労働省にも協力を求めてワーキングチームを設け、緩和策を検討、基準作りを進めている。
石油系溶剤と建築基準法に係る大手業者の違法操業の問題で、全国クリーニング協議会は業の根底を揺るがす事態と捉え、民主党議員を顧問にした「建築基準法検討会議」を構築し、業界の総意をまとめて緊急対策及び中長期ガイドライン作りへと繋げていくと発表した。
ズボンなど耐久性折目加工の普及を図る日本折目加工クリーナーズ協議会は、09年の折目加工本数の実績確定値を発表した。リントラクは175,850本で前年比97.2%とややダウンしたが、シロセットは103,170本で前年比107.7%と健闘、合計では279,020本で前年比100.8%であった。
夏季の冷房設定温度を28℃として積極的に取り組んでいるオフィスを対象とし着衣の実態調査を行った。平均着衣量は男性で0.54clo、女性で0.52cloであった。本調査オフィスの執務環境の質が作業性に与える影響として、「低下させている」側に申告した割合は72%、「集中しにくい」側に申告した割合は62%であった。作業効率を上げるためには、気流の工夫を行う必要性が示唆された。
高齢化の進む日本では、足からの健康を維持・促進しようというシューズは、確かな需要のもとにじっくりと市場を形成している。手足など体の機能不全や疾患を歩くことで予防する重要性を消費者へアピールする。3Dインソールで、健康な足裏を形成して正しい歩行を促し、防滑ソールで転倒を予防して安全に歩くサポートをする。
4月号は「被服の快適性研究」の特集号で、収録されている報文は、以下の通り。@コンピュータシミュレーションによるヘルメット装着時の温度分布および温熱快適感の予測可能性に関する研究、A着衣のゆとりの違いが着衣熱抵抗に及ぼす影響、B女性の衣服の快適性に関する基礎的研究、C紳士服裏地素材の風合い評価、D濡れ条件のもとで防水靴および非防水靴の着用が血圧変動に及ぼす影響、E下着の着心地評価のための接触面圧分布シミュレーション(英文)、F若年日本女性における日中の足部容積変動、G高齢者用パンツ型紙おむつのはき心地に関する研究、H服に付着した体臭成分のガスクロマトログラフマススペクトルによる分析、I共焦点レーザ顕微鏡による皮膚表面性状の分析、J吸湿性の異なる肌着着用時の平均皮膚温に及ぼす発汗レベルの影響(資料)
欧州連合(EU)は3月23日子供服の1割以上が安全基準に違反していると発表。11の加盟国や関係機関が2008〜2010年、7歳以下向けを中心とした子供服16,300着を調べた結果2,118に一つ以上の基準違反が見つかった。そのうち7割がベビー服などの乳幼児用衣類だった。ひもによる窒息事故や死亡を含む重大事故が発生していることから、7歳以下の子供服のフード・首周りひもは禁止。7歳〜14歳向けの子供服のフード・首周りひもを付ける場合7.5cm以下にする。子供服や胸の部分に付けるひもは14cm以下にする等の安全基準を設けている。
消費者庁と国民生活センターは、赤ちゃん用抱っこひもに関わる死亡事故が英国で発生していることから窒息や転落事故への注意を呼びかけた。また、米国での自主回収を受けて日本の輸入業者も自主回収を実施。自主回収の対象は米国インファンティーノ社製のベビー用抱っこひも。米国消費者製品安全委員会は、生まれて数ヶ月の乳児は首の筋肉が弱くスリングの布などで鼻や口をふさがれると1〜2分で窒息死する恐れがあるほか、丸まった状態であごが胸についてしまうと気道が狭められ、ゆっくり窒息するおそれがあると警告している。
資生堂は日焼け止め化粧品「アネッサ」を売り込むためユニクロが今春発売した女性向けの「UVカットカーディガン」シリーズの色使いを資生堂が監修。その代わりカーディガン購入者にアネッサの日焼け止めクリームを先着29万名に店頭で無料配布。共同のウエブサイトも展開している。コーセーは、男性向け化粧品への本格参入にあたり、今年2月からスポーツ用品大手のアディダスと協力して、「アディダススキンプロテクション」の販売を始めた。
ダウンの吹き出しとは、ダウンジャケットを縫製する際に、縫い目からダウンが飛び出してしまうトラブルである。ミシン針に関する対策では、ミシン針が生地にあける穴を小さくすること、針でダウンを引き上げないようにすることが重要である。前者に対しては細い針を使うことが基本であるが、パッカリング防止用のNS・SFシリーズ針を使用すると効果が上がる。LPコーティング針は滑りがよく、非粘着性の高い針であり、ダウンの吹き出しが軽減されることがある。ミシン針以外の対策としてはダウンと表地の間にもう一枚生地を挟むと、ダウンが出にくくなる。
日本リネンサプライ協会、日本病院寝具協会、日本ダストコントロール協会、日本ダイアパー事業振興会の4社団法人が連携し、任意団体「日本テキスタイルサプライ協議会」を設立、3月に発足会を行った。会員3400社、従業員18万人、売上7400億円となる。今後は対外的なアピールや国内外の研修に取り組む。
帝国データバンクによると、繊維・アパレル関連の09年倒産件数は797件で、01年以降で最悪となった。製造業と小売業は前年に比べ減ったが、百貨店やスーパーの衣料品は不振が続いており、納入している卸がしわ寄せを受け、大幅に増えた。
09年、中国経済は国際金融危機の影響により01年以降で最も困難な環境に置かれたが、政府による積極的財政政策、適度な金融緩和など国際金融危機に対する包括計画が実施された。この結果経済成長率は下落傾向から増勢に転じた。年間のGDP(国内総生産)実質成長率8.7%を維持し、09年の政府目標である「8%の確保」を達成した。
神戸ファッション美術館は、18世紀から現代までの作品を用いて、面白くて幾分危険なファッションの魅力を物語る「ファッション奇譚―服飾(モード)に属する危険(スキャンダラス)な小選集(アンソロジー)―」を4月15日〜6月27日まで開催する。同展では、女性は苦しいコルセットの装着をどうして何百年も止めなかったのか、マドレーヌ・ヴィオネがレーベルに拇印するほど類似品を嫌った理由、中国の纏足やチャイナドレスの秘密など、展示を通して華やかさの裏にあるファッションの魅力を探っている。
NPO日本救援衣料センターが、4月下旬から5月初旬の予定でアフガニスタンに向けて送り込む衣料救援物資によって、1983年以来、累型で1万トンを超えることになった。センターは82年にイトキンをはじめ7社で立ち上げ、これまで71カ国570回に及ぶ支援を行ってきている。
中国に進出した日系企業の集まりである中国日本商会は、中国へ投資する際の問題点や障壁を23分野にわたって洗い出した意見書を公表した。「中国経済と日本企業2010年白書」と題した意見書は中国各地に進出する日系企業が直面する投資環境上の課題を分野別、業種別、進出地域別に取り上げた。中国の商務省、工業情報化省など政府関係部署に順次手渡す。[繊維・アパレル分野の中国当局への意見]模倣品に対する罰則や罰金の明確化と取り締まり強化。
09年度に国内で供給された衣料品のうち、家庭で不用になったものが再生・再利用された比率は約21%と、5年前と同水準にとどまる見通しである。中小企業基盤機構の調査で、環境保護や節約意識の高まりで小売店の「下取り」セールやリサイクル店の利用が関心を集めたが、不用衣料の大半はなお資源活用が進んでいない。
@7月1日〜2日A東京工業大学大岡山キャンバス百年記念館B天然繊維、合成繊維、不織布、糸加工、染色、感覚計測、アパレル企業の考える品質管理、他C繊維学会 TEL:03-3441-5627
■大阪会場@7月23日Aドーンセンター■東京会場@7月29日A日本女子大学新泉山館B無縫製衣料用経編機の最新技術と今後、溶着縫製機器とその特性、ホールガーメントニットの特徴、他C日本繊維製品消費科学会 TEL:06-6358-1441
@8月5日A日本規格協会B企業における良い製品づくり、品質管理活動に関連する基礎知識、より良い製品づくりのための心構えと行動C日本規格協会 TEL03-3583-8008
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:中島利誠/発行人:大谷芳男