ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧(2003年度:第20巻〜)→
経済産業省は流通業界や地方自治体の力を借りて日常の買い物に困る「買い物難民」問題の解決に乗り出した。「ネットスーパー」や送迎バスの運行などの成功例を挙げ、全国でセミナーを開くなど流通各社に支援して商機をとらえるよう促す。
厚生労働省の国民生活基礎調査によると、08年の世帯当たりの平均所得は前年比1.6%減の548万円、2年連続の減少で、1988値以来、20年ぶりの低水準になった。景気が振るわず、家計にも余波が及んだ。09年はリーマン・ショックの影響で、さらに落ち込む予想。
経済産業省「消費者購買動向調査−リーマンショック以降の日本の消費者の実像」によると、ネット販売の利用経験者は9割以上、3ヶ月間の平均利用回数は5.7回、平均利用額は51,300円、男女とも40代の多忙な層、子育て層、要介護者のいる人などで利用率が高い。
景品表示法違反で行政処分を受けた企業は09年度12件と、前年度の40件の4分の1以下にとどまった。業界を横断するような複数の企業にまたがる違反事例が少なかったことが要因。担当が公正取引委員会から職員の少ない消費者庁に移り、調査に専念しにくくなったことも影響しているようだ。
公正取引委員会の「大規模小売業者と納入業者との取引に関する実態調査報告者」で、05年に優越的地位の乱用行為を規制する告示を出して以降、09年が05年に比べ不当な返品(46%から8%)、不当な従業員の派遣要請(35%から7%)などの全類型で、大幅に減少していた。業態別には、ホームセンター、ドラッグストア、食品スーパー、ディスカウントストア、総合スーパー、百貨店、通販の順に不当行為が高かった。
経済産業省は日本の産業政策の指針となる「産業構造ビジョン2010」案を公表。日本経済を成長軌道に再び乗せるために、インフラの海外輸出や環境・エネルギ−産業などの戦略5分野で稼ぐとの方針を示し、法人税の大幅引き下げや産業再編の円滑化、政府の支援機能の強化などを打ち出した。同省はまず来年度の税制改正で5%程度の法人税引き下げを目指す。
経済産業省は、文化産業振興事業を強化するため、製造産業局に「クール・ジャパン室」を新設した。デザイン、ファッション、アニメ、映画などの文化産業は「産業構造ビジョン」で、今後の経済産業を支える戦略分野として期待されている。
「通商白書2010」ではアジアの中間所得者層が10年間で2倍超に増えると試算したうえで、20年にはアジアの消費市場が16兆ドルを超えるとの見通しを示した。アジアなどの新たな需要を取り込むことで、日本の内外需の好循環を生み出す構造改革の必要性を訴えた。
兵庫県立工業技術センターは、このほど播州織の産地振興を目的に京都工芸繊維大学・繊維科学センターと研究などで取り組んでゆくことを明らかにした。両者は、今後、@京都工繊大を通じ入手する海外高級綿による新製品の共同開発A生分解性繊維等を活かした環境低負荷型繊維素材の開発B教育・研究交流の推進―に取り組み播州織の産地振興を図る。
JIS L 1018 ニット生地試験方法 (切替JIS:JIS L 1096 織物及び編物の生地試験方法)
JIS L 1906 一般長繊維不織布試験方法
JIS L 0204-2 繊維用語(原料部門)―第2部:化学繊維
JIS L 1013 化学繊維フィラメント糸試験方法
JIS L 1015 化学繊維ステープル試験方法
JIS L 1095 一般紡績糸試験方法
JIS L 1096 織物及び編物の生地試験方法
JIS L 1907 繊維製品の吸水性試験方法
JIS L 1901 繊維製品の寸法変化測定方法
JIS L 1913 一般不織布試験方法
ナイロンポリマーの中に吸湿性の高い特殊な成分を練り込み、衣服内の湿気を吸って外に放出し、着用時のむれを軽減する高吸放湿ナイロン長繊維を、三角形の中空構造にした繊維を紹介している。更に、女性用機能性下着への展開についても紹介している。
京都大学や東京大学では企業と共同し、植物繊維を用いて、環境負荷の少ない工業用材料を作る研究で成果が相次いでいる。京大の矢野浩之教授と王子製紙、星光PMCなどはパルプの繊維を数nm〜数十nmにほぐした「バイオナノファイバー」を作製。その複合材をトヨタ車体や日産自動車、スズキに提供し、各社に内・外装材としての性能を評価してもらう。車体重量の1割の軽量化が目標。
青文テキスタイルは、トスコと共同開発し、ラミー100番手を使用したハイゲージジャージーを完成させた。ラミーは細番手になると糸切れしやすく、湿度管理の難易度が高いため、100番手の細さは世界的にも珍しい。生機の状態で柔らかく、密度が高いためラミネートによる光沢加工とも相性が良い。2月の日本貿易振興機構主催のミラノ合同展では、既存の麻シリーズがトップメゾンから最も好評を得た。
麻産地の滋賀県能登川の機屋は、11年春夏向けで、ナチュラルなトレンドが重視されつつある中、上質な原料にこだわりながら、改めて麻本来の風合い、複合での変化による新しい質感や機能の開発に力を入れる。たとえば、リネン100番手の透けるような質感素材、ラミー100番手のジャージーのほか、バンブーやナイロンなどによる複合、シルク・麻、シルクやレーヨン複合などがある。
KBセーレンは、差別化原糸の開発と工業資材分野への深耕を推進中だ。13日、その具体的な取り組みとして液晶ポリエステル繊維「ZXION(ゼクシオン)」とポリフェニレンサルファイド繊維「GRADIO(グラディオ)」を発表。高次元の機能を備えた細繊度エンプラ繊維を提案する。ゼクシオンは、高強度で絶縁に近い低誘導伝率、350℃にも耐えられる耐熱性などの機能を合わせ持つ。積層板やIT関連での市場展開を予定。グラディオは、耐薬品性や耐熱性、難燃性に優れる。用途は不織布フィルターや紙、車両資材など。
オーミケンシは、ケナフやジュートなどの草本や紙パックなど有機廃材を主原料とするレーヨン「リテラ」シリーズを新たに販売する。一年草などの主原料を使うことで、肥料を使わず、二酸化炭素(CO2)を固定化できるため環境に優しい点が特徴だ。リテラは、草本など短い時間で生育する資源を多く利用、環境配慮商品を示すバイオマスマークの認証を受けた。ケナフやジュートなど途上国で生育している原料が多いため、将来はフェアトレードも進める方針。一年草のため、気候変動により収穫量が左右されるが、複数の原材料を揃えることで安定供給を可能にした。
日本化学繊維協会は、「中国の高機能繊維の現状と繊維産業の研究開発体制」をテーマにした調査をまとめた。中国の高機能繊維は品質に課題があるものの生産設備は拡大しており、質的にも進展している。また、研究開発体制は繊維系学科を特色とする大学が14校、研究機関が7カ所と日本と比較して質量ともに充実しており、花形産業として優秀で豊富な人材が集まっているという。
アレルギーやアトピーは基本的に慢性疾患であるため根治させることは難しい。必要なのは、症状悪化のリスクを低減し、症状をコントロールすることで生活のクオリティーを高めることである。その際、ひとつの助けになるのが繊維製品。アレルゲンを不活化する機能加工や、その素材を使った製品が多く登場する。そこで今回の特集では、これら抗アレルゲン加工や製品に焦点を当てた。また、積水化学工業が開発した「アレルバスター」の最新動向も紹介する。
前号に引き続き特殊繊維の内容と特性を解説したものである。内容はPBO繊維の構造と特性(村瀬浩貴)、PPS繊維概論と実用例(藤山友道)、カーボン繊維(川上大輔)、高熱伝導性炭素繊維「ラヒーマ」(原寛・佐野弘樹)、ポリプロピレン繊維(五十嵐明・木野内渡)およびフェノール樹脂繊維-カイノール-(木村勝・高瀬徹)である。
東レは、白・淡色でも透けにくい「ボディシェル」シリーズで、一段と透けにくく、吸汗速乾性も付与した「ボディシェルドライ」を新たに開発。防透け性の向上で薄地が可能となり、従来のパンツ用のほか、ジャケットやシャツへ用途を広げる。新原糸は、従来と同様、芯部に高い濃度でセラミックを含有しつつ、今回、新たに断面形状の異なる2タイプの芯鞘複合糸からなる異形断面混繊に特徴。
セルロース繊維「テンセル」で、機能性を付加した素材開発が相次いでいる。肌触りの良さやドレープ性などテンセルが持つ風合いに、接触冷感やUVカットなどの機能を加えて差別化するのが狙いである。
沖縄さとうきび機能研究所は、榎本(静岡県浜松市)などと共同でサトウキビの外皮から作った繊維で、ゆかた地「粟国布」(あぐにふ)を開発した。糸は粟国島で進めている「さとうきびの総合利用」プロジェクトの一環で、シキボウと共同開発されたサトウキビ繊維と綿の混紡糸である。経糸に綿糸、緯糸に混紡糸を使い、洗い加工を施すことでゆかた用生地に仕上げた。生地は綿よりしわになりにくく、麻のような涼感を持っている。
東洋紡STCのユニホーム事業部は、シャワー洗浄できるウール混生地「アクイーズ」を開発した。アクイーズは長短複合紡績糸「マナード」を使い、軽撥水・軽撥油加工を組み合わせた。混率はウール50%、ポリエステル50%である。マナードは毛細管現象によって水はけが向上するよう再設計した。生地表面に2〜3分、約40度のシャワーをかけると、ほとんどの水・油系の生活汚れを落とすことができる。夜洗浄し、ハンガーにつるせば、約5時間で乾き切り、翌朝着用できる。しわもなく、アイロンかけの手間がかからない。
紳士服専門店のエフワンは、柔らかく、シワになりにくい麻地のジャケットを発表した。福井県の縫製会社ギャラックスと組み、通常は伸縮性が高い生地で使う丸編みでも糸切れが起こりにくい技術を確立し、生地を編むことで柔らかい仕上がりにした。
衣料品市場で、快適や安心・安全に焦点を当てた商品のニーズが高まっている。代表的なのが吸湿発熱機能インナー。昨年の冬も市場を席巻した。最近ではドレスシャツなど他のアイテムにも機能性を求める動きが飛び火した。立ち止まって考えると、ブームになるはるか以前から、日本の紡績などが優れた機能性繊維を用意していたからだ。つまり、現在まで蓄積された素材の力が、現在の市場を飾ったといっても言い過ぎではあるまい。そこで今回の特集では、最新の快適・安心・安全素材を紹介する。
ユニチカは、これまでフィルム化が困難とされていた高耐熱性熱可塑性芳香族系ポリアミド樹脂を原料とする2軸延伸フィルムの開発に成功した。融点で300℃以上、ガラス転移温度で120℃を示すなど、従来の熱可塑性フィルムの中でトップクラスの耐熱性を有するのが特徴。高耐熱性フィルムは電気・電子部品用途で幅広く使われており、中でも携帯電話や携帯音楽機器、パソコンなどのフレキシブルプリント基板(FPC)用途で需要拡大が見込まれているという。
東レは制電・撥水素材「エレペレ」シリーズで11年秋冬向けから進化版3商品を新たに加え、拡大展開を図る。新たに加えるのは、静電気の起きやすい低温・低湿度の環境下でも高い制電性を実現した「エレペレNS」、従来品よりも細いポリエステル原糸を使用したソフトタイプ、ナイロンタイプの3商品。近年ではスポーツやアウトドア、カジュアルなどの分野で重ね着のスタイル提案が増加。重ね着をすると静電気が起きやすいため、アウターの表地でも制電性が求められるようになっていることが新商品を追加した背景。
備後撚糸(広島県福山市)は、独自の「水撚り製法」による和紙糸やそのテキスタイルが衣料、農業用ネットなど非衣料の分野に広がりを見せている。通常の撚糸も素材開発や資材向けを含めた商談が進む。和紙という風合いやエコ性、撚糸という強度、異素材の組み合わせのしやすさといった特性が注目され、これまでになかった市場が創出されつつあり、撚糸の可能性が広がっている。
ユニチカは、エギング(餌木と言われるルアーでアオリイカを釣る方法)専用の釣り糸「キャスライン・エギングスーパーPEUWH」を発売する。夜釣りでも視認性が高いホワイトカラーをベースに、さおを跳ね上げて餌木を動かすシャクリ時の動作性が良い。超高分子量ポリエチレン繊維、スーパーPEの使用で細さ、強力などにも優れている。
合繊メーカー・商社のテキスタイル販売は、カジュアル衣料用途が苦戦する一方、ダウン側地用などの高密度織物がアウトドアを中心に好調に推移している。欧米向け輸出の伸びが大きく、秋冬向けの出だしは順調。しかし、国内大手SPAがダウン用軽量高密度織物の大量生産に乗り出すなど、コモディティー化の兆しが出てきた。国内の生産キャパも逼迫している。各社の動きの2回連載記事。
丸佐は、11年春夏向けに「着て感じる心地よさ」をキーワードに、清涼感やウオッシャブルなどの機能を加えた新素材を打ち出す。夏の清涼感を「冷」、冬のウオーム素材を「暖」、ウオッシャブルの「洗」をキーワードに、感性に機能をプラスした素材を重点に提案する。
クラボウでは、広島大学大学院医歯薬学総合研究科二川浩樹教授が開発した固定化抗菌成分「Etak/イータック」に着目し、インフルエンザウイルス等のウイルスを不活化する繊維加工技術を検討してきた。その結果、昨年10月に抗ウイルス機能繊維加工技術「CLEANSE/クレンゼ」を発表。ウイルスの不活化メカニズムとその効果、安全性、評価方法、応用分野などが述べられている。
和装品によく用いられる絹織物には強撚糸が用いることが多く、湿度などの影響で比較的に縮みやすい。京都市産業技術研究所繊維技術センターでは、化学薬品を一切用いずに絹染色加工品に防縮性を付与する方法を確立している。今回、この防縮加工の実用化に向けた加工方法の検討と加工の影響を検証した。浸透浸せき法による寸法変化率は、3%以下に抑えられた。
宝石を細かく砕いた微粒子(1μm以下)で、静電気が物質を引き寄せる原理で繊維表面に付着させることにより、絹やカシミヤを染める技術を、群馬県桐生市の県繊維工業試験場と桐生市の繊維メーカー丸中が共同開発した。商品化に向けて、繊維表面を薄い樹脂で覆い、色移りしにくく日光が当たっても色が褪せにくく加工している。ラピスラズリ(瑠璃)で青色、マラカイト(孔雀石)で緑色に染める。
日清紡テキスタイルは綿100%で色あせ抑制・形態安定の次世代ユニフォーム素材「アルティメットキープ」を開発、11年春夏向けで販売を開始する。綿素材は着心地のよさや扱いやすさなどから幅広い支持を得ているが、繰り返しの洗濯による色あせやしわ・縮みが大きな問題だった。特に折り返し部分や縫い目まわりなどは白化が発生する。「アルティメットキープ」は、日清紡の開発コンセプト「iPテクノロジー」に基づいて開発。薬品を繊維の1本1本の内部にまで分子レベルで均一処理することで、色あせ、しわ、縮みの問題を同時にクリアした。
服地コンバーターの大松は、11年春夏素材で雨や風をしのぎながら、ファッション感度に優れた素材をシリーズで開発し、「レイン企画」として展開する。ナイロンのストレッチやしわ加工、ラミネート・コーティング加工素材、綿や綿複合での箔加工、トリアセテート・麻による撥水加工素材などがベースで、軽さやしわになりにくい質感を演出、持ち運びに便利な機能性も打ち出す。
蝶理は、野菜色素を使った「ベジタブル・ナチュラルダイ」で、カット野菜のデリカフーズ(東京)と協業し、野菜残渣から抽出した色素を安定的に確保できる体制を確立する。これまでは、野菜スイーツ専門店パティスリーポタジエから、規格外野菜の乾燥粉末の供給を受けていた。11年春夏物からは生野菜の残渣からの色素も加わることで、コストダウンや原料確保の効率化に取り組んでいく考え。
ウール製品にプリーツや折り目の形状記憶を行う「シロセット加工」の09年1〜12月の加工数量は前年比16%減の441万着となったが、レディスでは12%の増加だった。シロセット加工数量は04年の690万着をピークに減少している。これは主力のメンズ分野がスーツ販売点数の減少、ポリエステル混への切り替えにより加工製品が減少しているため。今年度はレディスが現状維持、メンズは引き続きダウン傾向にあることから、全体で2%減の432万着を見込んでいる。
愛知県産業技術研究所は、ナノサイズの特殊な表面加工による「水をはじく織物」を開発。この加工技術は、同県などの地域を対象に文部科学省の採択によって実施する知的クラスター創造事業の一つである、名古屋大学の高井・斉藤の両教授グループの発明「自己組織化単分子膜」による超撥水効果を織物に応用した。撥水加工の膜は非常に薄いため、未加工と同様の風合いを維持できる。
セーレンは、このほど素材・製品展示会で、新開発の耐水圧・高透湿コーティング加工の「ポーラシェル」を公開したほか、透湿・防水加工の「バーレル」シリーズに、カーボンニュートラル性を付与し、環境対応提案ができる「バーレル・グリーン」を参考出品した。初公開のポーラシェルは樹脂コーティング加工層が微細孔を持つため、両立が難しいとされてきた高耐水圧と透湿性を実現する。一方、バーレル・グリーンは、これまでのバーレルシリーズの構成薬剤の一部であるポリオール樹脂原料を石油由来から、トウゴマの油(ヒマシ油)に置き換えたことで、カーボンニュートラル対応商品として展開可能になる。
住金物産は、ウールの特性を損なわない防縮加工「メモリッチ・ウール」を、中伝毛織、宮田毛織工業と共同開発した。メモリッチ・ウールは、糸の段階でスケールの成分であるタンパク質を改質した。そのため弾力性や保温性、吸湿性などはウールの特性をそのままに、手洗いレベルでの形態安定性を実現した。生地の開発は、60番双糸のスーツ地や天竺、ストレッチ性の高いノンポリウレタン、紡毛ツイードなどがある。
プレミアムサーモスタットスーツは気温が下降するとマイクロカプセル中の樹脂が固化し始めることにより徐々に放熱し織物を暖める。また、気温が上昇するとマイクロカプセル中の樹脂が融解し始めることによって徐々に吸熱し織物を冷やす。気温25℃を境にスーツの温度を自動的に調節する仕掛けを解説している。
先引きローラは、シームパッカリング防止を目的に使用されるアタッチメントであるが、生地性状によってその防止効果は異なる。まず先引きローラの駆動範囲については、ステッチ形成過程の針糸の引き締め張力が生じる範囲に対応させると効果的だった。パッカリング防止の観点からは、送り歯上の見かけのすべり量が重要で、このすべり量は重回帰式によって定量化できた。また布のパッカリング防止効果の良否は、判別分析(判別式)によって把握可能であった。
ドン・キホーテは今月1日、新プライベートブランド(PB)「+情熱(プラス・パッション)」を立ち上げ、第1弾商品として「4900円スーツ」を発売した。高いファッション性と同社の強みである低価格を両立させることで、新たな顧客を獲得するのが狙いだ。素材にはポリエステルとレーヨンを使用。全体的に光沢感があり、細身に仕上がっている。生産国は中国。真夏を除くオールシーズン対応で、販売目標は1万着。PB「プラス・パッション」は、低価格だけでなく、デザインや機能といった付加価値を充実させた。
はるやま商事は14日、従来よりも35%軽量化した「超軽量スーツ」を夏のクールビズ対応商品として発売する。色柄はブラック、紺、グレーストライプをそろえ、価格は5万1450円。同社従来品の一般的な夏用スーツの上着は600〜650グラム、軽量化した「エアスーツ」は450〜500グラムだった。今回の超軽量スーツでは399グラムを実現した。表地は新開発したウールとポリエステルの強撚糸を経糸に、緯糸にはポリエステルを使うことで軽量化。さらりとした手触りと高い通気性を持つ。
3・4月、中国で生産する日本向けアパレル製品に納期遅れが多発した。GW(ゴールデンウイーク)直前には、少しでも間に合わせようと、貨物を船から航空やフェリーに振り返る仕事に追われ、経費もかさんだ。今回の混乱は、春節の巡り合わせやその後の労働者の戻りが悪いといった一過性の要因ではなく、中国と日本の間のアパレル生産の構造がきしんでいるために生じた事態だ。
紳士スーツは長期的に販売が低迷している。矢野経済研究所(東京)の推計によると、2009年の紳士スーツ小売市場規模は2,650億円で前の年から2%減。過去12年間で半減した。低価格化による単価下落と販売数量の減少が同時進行しており、市場縮小に歯止めがかからない。
デザイン性を高めた機能的なレッグウエアやパンプスを販売する。インナーやレッグウエアの「スタイルカバー」は、着圧機能のついた十分丈レギンスやトレンカを出す。トレンカとパンプスインが一体になったようなレッグウエアは、つま先がカバーされているため、肌が直接靴に当たらず快適である。
バングラデシュを巡る動きが激しくなっている。チャイナプラスワンの開拓が活発になる中、カンボジアなどの競合の結果、バングラデシュが抜け出した感がある。電力不足、思ったほど安くないという価格設定など諸問題はありながらも日系企業の進出ラッシュも背景に産業チェーンの整備が急速に進んでいる。
レナウンは、中国のテキスタイル・アパレル大手、山東如意集団(山東省)の傘下に入る。山東如意集団がレナウンの実施する第三者割当増資を約40億円で引き受け、発行全株式の41%を取得、筆頭株主になる。レナウンは資金力豊富な中国有力企業の傘下で経営立て直しのテンポを上げる。両社の資本・業務提携は「互いの強み」を結合することで、ともに新たな成長をはかるための取り組みと言える。成功させるには「日中のアパレルが共に成長する新しいビジネスモデル」を早期に打ち出す必要がある。
オンワード樫山は、土に埋めるとバクテリアに分解されて大地に還り、土中に有害物質を残さないバイオテックスーツ≠世界で初めて商品化。メンズブランドの「五大陸」「J・プレス」で採用した。外見や耐久性は普通のスーツと変わらず、高いファッション性を備えながら自然界への循環を考慮した生分解スーツ=B「エコテックス規格100」を、スーツとして世界で初めて認定取得している。素材は表地ウール100%、裏地キュプラ、ほか副資材も天然繊維使いで、ボタンやパンツのフロント留めはタンパク質原料使い。
ワコールは、マタニティーや子供向け商品を扱うファミリーウエア営業部で、乳児の体形特徴と成長による動きの変化を考慮した立体型インナー「ベビー研究所」を10年秋冬からスタートする。ワコール人間科学研究所が保有する乳児340人の計測データを基に、乳児の体形特徴と動きを加えて設計した立体型肌着。動きの特徴に合わせて、ステップ1(誕生−首が据わるまで)、ステップ2(寝返りをうつ−1人座りするまで)、ステップ3(ハイハイする−1人歩きするまで)で構成する。
国内市場の成長が見込みにくい中で、海外事業の拡大に転じるファッション関連企業が相次いでいる。円高や欧米の景気低迷といったマイナス要因はあるものの、中国を中心としたアジアへの投資を強め、事業基盤の確立に取り組む。現地の販売ルート開拓や為替リスク、出資規制などを背景にした資金調達、税務リスクなど克服すべき課題はあるが、積極的な出店攻勢をかける企業は少なくない。
金融危機の影響で、昨年の業績が軒並み減収減益となった欧州ラグジュアリーメゾンが今年に入って回復の兆しをみせている。1〜3月期売上高はラグジュアリー世界一位の仏LVMHモネヘネシールイヴィトンが前年同期比11%増、仏エルメス18.5%増、伊グッチグループ(仏PPR傘下)6%増。世界第二位のリシュモングループは4月売り上げが前年同期比24%増とプラスに転じた。
YKKファスニングプロダクツ販売は、MZFファスナーに新たに逆開仕様を追加、発売した。MZFファスナーは亜鉛合金を直接ファスナーテープに射出成型したもの。エレメント形状には方向性がなく、しっとりとした摺動と重厚感のある外観で、カジュアル高価格帯で需要が伸びている。逆開仕様はスライダーが2個あり、上からも下からも開くことができる。着こなしの幅が広がることから、タイトシルエットや着丈が長いデザインで要望が多かった。
BMDシステムは30代の男性・女性をターゲットにしたリアルボディーを開発、販売を始めた。今回販売するのは、同社の計測ラボの三次元体形計測システムを使って構築したデータベースから、30〜39歳のレギュラーサイズゾーンの男性125人、女性129人をサンプル抽出し、開発した。同社によれば「30代ターゲットのサイズ・体形にフィットしたパターンメーキングや製品のフィット性チェックのボディーとして適している」という。
独立系の若手が作る小規模な「インディーズデザイナーブランド」が、不況下のファッション市場で存在感を高めている。過去のブームと異なり、セレクトショップが百貨店や地方など販路の拡大をけん引し、インターネットの普及も追い風に。低価格で流行を追うファストファッションに飽き足らない消費者の格好の受け皿となっている。小粒で売りにくくなったとも言われる国内デザイナーのファン開拓を狙い、地道な拠点作りが進む。
大手アパレルメーカーは今秋、百貨店向け婦人服で、主力ブランドの企画を相次いで刷新する。ここ数年進めてきた不採算ブランド・売り場の整理がほぼ一段落したのを機に、収益の柱である主力ブランドへの投資を拡大して業績を向上させるのが狙い。各社とも先行企画を拡大してブランドの「本来の強み」を打ち出すとともに、上質な商品を求める百貨店顧客のニーズに対応、大半が素材などの質を高めて価格を上げる。
スポーツメーカーと合繊メーカーが連携を強めて、機能性スポーツアンダーウエアを開発する動きが増えている。タイツに比べて心臓に近いトップは、あまり締め付けない方が体への負担が少なくて済むという逆転の発想でライトコンプレッションを打ち出した。着用実験で心拍数の変化を調べた結果、軽強度なスポーツを長時間するのに適しているとの答えを導いている。
量販店の出店形態が変化している。主要業態GMS(総合小売業)の極度な不振を受け、小型スーパーやディスカウント店での出店、業態転換にシフトしてきている。改正まちづくり3法により、大型SCの出店が難しくなっていることから、中規模のスーパーセンター(SuC)を開発する動きも目立つ。いずれも、食品シフトで衣料品の売り場が少なく、衣料品販売の減少が続きそうだ。
携帯電話を利用したマーケティング活動が注目されるなか、商品購入や来店の促進につなげるモバイル販促の進化が加速している。ツィッターやSNS(交流サイト)mixiといったソーシャルメディアやリアルのイベントなどを組み合わせ、さらにAP(拡張現実)など最新技術を駆使するのが特徴である。
アウトレットモールは、ETC割引効果も手伝って広域から集客し、施設による売上の格差があるが、ほほ順調に推移している。都心部の商業施設が低価格戦略で臨んでいることが、郊外部のアウトレットモールにもじわりと影響し始めている。
NYのファストファッション各社が独自の化粧品を相次ぎ投入している。口紅などメーキャップを中心に、ドラッグストア並みの低価格で販売する。主要顧客の若い女性はおしゃれや流行への関心が高く、衣料品との相乗効果を狙う。
フォレスター・リサーチによると、過去2年間続いた消費低迷の中、米国でネット販売が前年比11%増と急上昇、全米小売売上高の6%を占めた。@24時間アクセス可能A店舗経費がかからない低コストによるディスカウントB送料無料、返品自由のサービスなどで、確実にネットがファッションビジネスを変えつつある。
繊研新聞社企画の10年9月上海で開催される日本ファッションブランドの合同展示会の説明会での講演内容。婦人服イオリのショップを中国で運営している藤井総経理が中国事業の現状や難しさを講演。
ファッション衣料のインターネット販売が本格化し、ここにきてネット専業大手以外でも流通、大手のアパレルや専門店、ネットSPA(製造小売業)などで10億円を超える販売規模のサイトが増えてきた。販売形態も様々で一つの決まった形に収まらない。これからは、どの販売チャネルを使い、いかに効率良く販売するかを選択、組み合わせる時代になる。
ファッション系Eコマース企業の10年3月期の第4四半期は、最大手のスタートトゥデイが営業利益を前年比47%増と大幅に伸ばす一方、マガシーク、スタイライフは苦戦を強いられた。衣料市況悪化による単価下落を、客数の伸びでカバーできなかった。
量販店は主力のGMSを主体に、衣料品改革に本腰を入れ始めている。衣料品の落ち込み幅が極端に大きかったためで、PB強化を中心に独自商品を拡大し、新たな売り場開発を急いでいる。
インターネット通販大手が中国展開を加速している。ヤフーは6月、中国のネット通販大手淘宝網と組み、日中の消費者が双方のサイトの商品を購入できるサービス、楽天は中国検索大手の百度と合弁会社を設立し、現地でネット事業を手掛ける予定。日本の4倍ある中国のネット人口の需要を見込み、成長戦略の柱に据える考え。
大手通販企業8社の09年度連結業績は全社が減収となった。2ケタ減もあり、厳しい消費不況を裏付けた。通販事業はネット販売は比較的健闘しているが、カタログ発行の効率化も影響した。しかし、収益面では大幅赤字に転落する企業がある一方で黒字回復の動きもあり、明暗を分けた。今年度も過半が減収を予想するなど慎重な見方が大勢だ。
ファストファッションが広がる中、無地服をカスタマイズ、デコレーションをして楽しむ「デコ」トレンドが出ている。5月初めに東京ビッグサイトで開かれた手作りホビーフェア「ホビーショー」では、無地Tシャツやジーンズをデコレーションするデコ関連ブースを集積して、Tシャツメーカーや生地卸、服飾雑貨が"お手軽デコ"を発信した。
インターネット経由で注文し、指定した時間帯に自宅まで届けてくれるネットスーパーは、外出する手間が省け、時間を有効に使えるが、利用可能地域の制約や実店舗に比べた割高感などの理由から二の足を踏む人が多い。その上手な利用法や注意点をまとめている。
海外高級ブランドの消費が08年から2年連続して売り上げ2ケタ減が目立つ。ただ、日経の消費者調査で、過去1年間にネット通販やアウトレット、海外の免税店で高級ブランドを買った人がそれぞれ約25%おり、これらの多くは売り上げに反映されていない。より安くと購入先を広げる動きが、数字を押し上げている面もあるようだ。
中国の銀聯カードの日本国内での利用が09年度240億円、前年比85%増と急拡大している。中国人観光客の増加を背景に、利用できる場所が全国の観光施設や小売店に広がっている。7月から中国人向け個人観光ビザの発行用件を緩和する方針で、今後もカード利用は拡大しそうである。
6月に子ども手当の支給が始まるのを受け、通販大手が相次ぎ販促策を打ち出す。ニッセンホールディングスは28日、ネット通販で子供服のまとめ買いをすると5%の割引が受けられるようにする。千趣会も6月中旬に育児用品の特集ページを開設、メールマガジン会員に500円のクーポン券を配布する。支給対象の子どもは全国で1700万人以上といい、需要は大きいと見られる。
帝国データバンクの通信販売会社に関する調査で、通販の「インターネット」が全体の64%を占めている。経営規模が小さく業歴読みの浅い企業が多く、ネット通販は参入しやすい激戦区になっている。商品では雑貨や化粧品など女性を狙ったものが目立つ。
夏物と冬物の合間に実施される期間限定値下げが増えたことで、プロパー販売期間はどんどん少なくなっている。停滞している消費を盛り上げるための仕掛けとして機能しているうちは良いが、ファッション流通全体で見ると、増え過ぎの状況と言える。消費者が正価でファッション商品を購入する意味が薄れている。セールの増加は、健全に収益を上げられる環境を業界が自ら損ねていることを意味する。
百貨店の特選・インポート売り場で、グッズに続きウエアの売り上げが回復し始めている。買い回りを意識した改装や編集平場のヒットも目立つ。春は数字を落とした店も、購買意欲の高さを感じ取り、秋冬はグレードの高い商品を揃える傾向にある。
大手小売業各社は、前期に引き続き大幅なコスト削減を進めている。高コスト体質を指摘される百貨店や量販店、低単価続きで販売効率の上がらない専門店を含め、矛先は人件費に向かっている。人件費削減は即効性があるが、営業力を弱めることにもなりかねない。
ツイッターを利用した販売促進を導入する専門店が増えてきた。ツイッターのサービス自体が日本で08年4月から、携帯電話での利用は09年10月からとまだ日が浅く、システムや運用が手探り状態だが、ユニクロがサイトキャンペーンで仮想行列に約14万が並ぶなど、タイムセールなど購買につなげるケースも出てきている。
繊研新聞社が実施した09年度小売業衣料品売上高調査は、前年との比較が可能な97社の売上高合計が6兆5,575億円となり、前年比5.6%減少した。企業合併要因を含め増収はわずか15社と過去最低水準にとどまった。百貨店、量販店が減収となる中、専門店の売上高合計だけが、ユニクロとしまむらの増収効果によって伸びた。全体的には衣料消費不振を反映した結果となったが、上位2強が売上高、伸び率の両面で際立った強さを発揮した格好だ。
繊研新聞社が実施した09年度小売業衣料品売上高調査で、紳士服分野の売上高でユニクロが青山商事を抜いてトップに躍り出た。レディス、子供服でも2位に浮上しており、ファッション消費全般が停滞した昨年に各商品分野で一気にシェアを高めたことがわかる。どの分野も売上高全体は減少しているが、増収企業は婦人服が最も多く、やりようによっては成長できることを示している。
取扱い絵表示は、家庭用品品質表示法で義務付けられ、記号と試験方法はJIS L 0217で規定されている。本年度中にJISが改訂され、ISOの図柄に変更される運びとなり、JIS化した場合の課題を考えている。具体的には水洗い(家庭洗濯)の場合、洗いの強さ(機械力)の違いの明確化の必要性、JISの「塩素系漂白の可否」のみから、ISOの「全ての酸化漂白剤の漂白の可否」と「酸素系漂白剤使用可」へ移行した場合の状況、また、乾燥・アイロン、商業クリーニングについても触れている。同誌,51(6),〔10・6〕p480〜485にもJISとISOの整合化に関する記事がある。
ユニクロが昨年の秋冬に大々的に展開した「ネオレザー」は、経時劣化するポリウレタン樹脂が使用されていることから、2〜3年後にはクリーニングの店頭でトラブルが続出することが懸念されていたが、すでに劣化の兆候である"べたつき"が発生している品物が出ていると、神戸の業者が注意を呼びかけている。
全ク連・中青会が実施した「家庭洗濯に関する調査」によれば、主な実態は次の通りである。「水洗い不可の表示」は、家庭で洗う26%、クリーニングに出す44%であった。家庭で洗濯して失敗したのは、ワイシャツではアイロン掛け21%、変色7%、伸縮6%であった。ズボン・スカートでは、伸縮15%、アイロン掛け12%、風合い変化11%であった。セーター・カーディガンでは、伸縮46%、風合い変化17%であった。 またクリーニングに出すときは、衣替え56%、汚れたと感じたとき51%であった。
洗濯洗剤は長い歴史を有し、合成洗剤の消費量の増加は、1960年頃に河川の発泡問題、1970年代には湖沼における赤潮・青潮の発生(富栄養化)の問題を引き起こしたが、界面活性剤を生分解性のよい直鎖状のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムと無リン化によって問題は解決された。現在の洗剤の環境対応として、二酸化炭素排出削減があり、ライオン、花王、日本石鹸洗剤工業会の取り組みが紹介されている。また将来に向けた洗浄として、マイクロバブル洗浄、プラズマ洗浄、ドライアイスブラスト洗浄、2流体洗浄などを挙げている。
国土交通省が進めるドライクリーニング施設の全国実態調査で、調査が完了している施設約2万2000件のうち、約1万件の違反が確認された。割合にして約45%が用途地域規制違反。5月20日の衆議院決算行政監視委員会において、前原大臣は、「クリーニング事業者の営業の継続性と市街地に安全性の確保を両立させるべく対策を詰めていきたい」とした。
行政刷新会議WGの「事業仕分け第2弾」の対象となっていた(財)全国生活衛生営業指導センターに関する仕分けが5月24日に行われ、「クリーニング師研修事業」は「受講率32%では制度上成り立っていない」「研修の成果を実証するデータがない」「独占的に研修を行っているのは問題」として「廃止」と評価された。同時に、約4億円の補助金を扱う「生活衛生振興助成費等補助金」も「廃止」と評価された。
建築基準法による石油系溶剤の規制について、国交省は6月18日にクリーニング関連諸団体に対し、指針の案を提示した。内容は工場などに対する安全規制の項目であったが、機器や設備の具体的な基準まではまだ及んでいなかったため、出席者には戸惑いが見られた。国交省は、今後、他業種との公平性、案の明確化などを進めるとしている。この案と厚労省の指導方針との関係、新規参入業者への基準など、残された問題も多い。いずれにしても、各事業者は今後の進み方に対して、選択を迫られることになった。
日本石鹸洗剤工業会による09年の洗濯用洗剤出荷額は粉末62%、液体38%だったが、10年1〜3月では52%と48%になり、通年での逆転がほぼ確実な情勢だ。泡切れがよくすすぎが1回で済み、水の使用量を減らせる人気商品の登場で液体を選ぶ人が増加。
「普通に歩いていて、ブーツの左右についている紐の先の飾りが絡まり転倒し、膝などを打撲した」という、消費者から寄せられたメールを基に国民生活センターは検証試験をした。事故同型品や市場で入手可能な類似のデザインのブーツ数銘柄購入し、自走式の歩行器を使って観察した結果、同様の現象が発生することが分かった。東京都の「子ども用衣類の安全確保について」や全日本婦人子供服工業組合連合会の「子供用衣類の設計に関する安全対策ガイドライン」にも靴は含まれていない。商品選択には大人が気をつける必要がある。事業者へは安全性により一層配慮した商品開発を望む。
長時間の歩行や立ち仕事でも疲れにくい機能を備えた革靴で、スニーカーのような感覚を切り口にした新商品を紹介している。屈曲性を高めて歩きやすくしている他に、高機能ウレタンクッションをソールに使い、かかと部分を中空ソール構造とすることによって、足への負担を軽減している。
「1年前にフェザー100%の掛け布団を購入した。フリースのカバーを外して使用したところ、フェザーの芯が腕に刺さり擦り傷となった。生地を突き破って出てはいなかったが、危険なので業者に連絡したが1年以上経過しているので対応できないと言われた」という相談を受け、センターで商品を確認した結果、ラージフェザーが相当量含まれていることが分かった。生地を突き破らなくても非常に危険であることを指摘し、商品の返品・返金の対応をするという回答を業者から得た。
日立アプライアンスの縦型洗濯乾燥機「ビートウォッシュBW-D9LV」は、水の硬度や温度を検知するセンサーがついており、水質などに応じて洗い方を調整する。軟水では洗剤の働きが活発になって泡立ちがよくなる点に着目。洗濯容量9sの場合、硬水で15分かかる洗濯時間が軟水では12分に短縮できる。洗剤量を10%、洗濯コストを最大約8%下げられる。
ランニングや山歩きを楽しむ人を中心に、高機能タイツが広がっている。高機能タイツは、@弾性タイプとAサポートタイプに大別される。弾性タイプの特徴は、生地の編み方や縫製の工夫により、心臓から遠い足首では締め付けが強く、太ももに上がっていくにつれて弱くなっている。一方、サポートタイプは「着るテーピング」のイメージ。縦横に伸びる生地に、膝を中心に縦方向にしか伸びない生地を縫い合わせ、曲げ伸ばししやすく横ぶれしにくくなっている。高機能タイツの選びかたは、足がつりやすい、むくむなど筋肉系のトラブルには、弾性タイプを、膝が痛くなるなど関節系のトラブルには、サポートタイプを薦めている。
ネット素材は編糸がネット状になっているため、編糸の自由度が高く、ミシン針の太さでネットの編組織を破壊することは少ない。ネット素材の地糸切れの主な原因は、ミシン針の先端が編糸に刺さり、編糸を切断することにより発生する。対策としては、ボールポイント針を使用するが、とくにネット素材は編糸が太いために、大きなボールポイント(UボールやYボール)で効果が見られる傾向があるという。基準としては編み糸の径と同等の大きさのボールポイントが好ましい。
ブランド価値の調査会社のインタープライスが、10年度日本発日本国際企業ランキングを発表、日本ブランドへの提言や世界へ飛躍する可能性などをまとめた。今後、世界に通用するには環境、健康や小売、金融、日用品、インターネットショップなどが期待でき、ユニクロ、楽天をあげている。
愛知県産業技術研究所尾張技術センターは、一宮地場産業ファッションデザインセンターらと共同で身障者向け衣服を積極的に開発した。天然繊維100%エコストレッチ織物使用のスーツで、地球に優しいエコと機能性を重視した素材開発と、バリアフリーでの製品化が特徴である。
スイスの有力ビジネススクール、経営開発国際研究所(IMD)の2010年世界競争力年鑑で日本の総合順位は58カ国・地域で前年の17位から02年以来8年ぶりの低位の27位と急落した。金融・経済危機で打撃を受け、少子高齢化や財政の厳しさが評価を悪化させた。
中国やベトナム、バングラデシュなどのアジアを足場に工業用ミシンや編み機メーカーが積極的な成長路線を描く。各社とも前年度(10年3月期)は世界的な不況の影響や円高による目減りもあって、減収減益が相次いだが「昨年11月以降、中国での販売は前年をクリア」(ペガサス製造)「中国の09年下期売り上げは前年同期の2.2倍」(JUKI)と回復、冷え込んでいた欧米や日本向けの輸出縫製に加え、内需向けの設備投資が上向いていることが背景にある。
良品計画やイオングループのイオンリテールなど小売業6社は、共同で衣料品リサイクル事業を始めると発表。回収した衣料はバイオエタノールなどに転換、エネルギーとして再利用する。まず両社と丸井グループの計360店で回収を始め、初年度に50tの回収を見込む。リサイクル事業は昨年、経済産業省の補助を受けて良品計画の一部店舗などで試験的に実施している。
UIゼンセン同盟は大阪で、ゼンセンが提唱する「ジャパンメード」による繊維産業活性化をテーマに、「繊維産業シンポジウム」を開催した。紙面でその内容を紹介している。
繊研新聞社の中国で内販しているアパレルメーカー、小売業を中心にアンケート調査によると、自社ブランドが中国の第3者によって商標登録されていたという冒用出願の被害を受けた企業が42%もあった。冒用出願以外の偽者などの知的財産被害にあった企業も32%あった。
@7月6日〜9月5日 月曜休館(祝日の場合翌日休館) A日本民藝館(東京都目黒区)B絞り染や型染、筒描染などの技法による同館が所蔵する日本列島に花開いた染の精華約70点を紹介する。C日本民藝館 TEL:03-3467-4527
@9月7日A大阪科学技術センターB最近のテクニカルテキスタイルと繊維素材の開発動向、高熱伝導素材の最新動向、電磁波障害対策への繊維の応用、他C日本繊維機械学会 TEL:06-6443-4691
@9月9日A大阪科学技術センターB合成繊維の高次加工−染色加工、化合繊概論、スーパー繊維とその用途展開、他C日本繊維機械学会 TEl:06-6443-4691
@9月16日A大阪樟蔭女子大学円形ホールB消費者の求める新しい価値−消費者行動の変化と実態、健康で快適な生活と感覚計測技術、超高齢社会の衣生活と消費科学−衣服が変える近未来の生活環境、他、パネルディスカッションC日本繊維製品消費科学会 TEL:06-6358-1441
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:中島利誠/発行人:大谷芳男