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経済産業省の11年度繊維関連概算要求は、4月にまとめた「今後の繊維・ファッション産業のあり方に関する研究会」報告書を踏まえ@内需体質からの脱却・外需の取り込みA個別から連携・統合へBトップレベルの技術を幅広い分野へCコスト競争からの脱却・感性をビジネスへD社会ニーズを付加価値に変える、を柱に組んだ。繊維課は産業用繊維開発が中心で、他の施策は繊維産業も活用できる産業横断的な施策を繊維政策に当てはめる。
経済産業省は、日本企業が中国をはじめとするアジア諸国向けのEC(電子商取引)を行うときに注意すべき事項を整理した「国境を越えるECの法問題に関する検討会」の報告書を公表した。
検討会は、国境を越えるECにおける国際裁判管轄の問題と準拠法の問題について、各国のルール内容を@事業者間取引A事業者・消費者間取引B製造物責任C公法的規制の4つの論点で、法的リスクを小さくするための留意点について検討した。
消費者保護を強化した改正特定商取引法、改正割賦販売法の施行(09年12月1日)から約10ヶ月、消費者関連法の規制強化で消費相談窓口に寄せられる相談件数は減少傾向にあるものの、新たな悪質商法が手を変え品を替え現れ、被害は後を絶たない。
9月末から東京で開いていた日本、米国、EUなど11カ国・地域による模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)の制定交渉が大筋で合意した。
模倣品の輸出国側に差し止め義務を課すほか、被害企業による損害賠償請求の簡素化、ネット上で海賊版の取り締まり強化などが条約の柱。
各国・地域の批准手続きを経て最短2年で発行する。
総務省の09年全国消費実態調査によると、30歳未満の女性の可処分所得は男性を初めて上回った。女性の多く働く医療・介護などの分野は就業機会も給与水準も上向きという産業構造の変化がある。
経済産業省の工業統計09年速報によると、過去1年で開業した製造業の事業所数は現行統計で統計を公表している1999年以降で最低になった。生産拠点の海外移転や景気低迷が背景で、国内の雇用維持には付加価値の高い製品づくりが課題となる。
日本とインド両国政府は、2国間のEPA(経済連携協定)で合意、日本は次期通常国会での承認を経て11年中の発行をめざす。繊維関連では、原産地規制は日本提案の2工程ルール(ASEAN型)が受け入れられた。日本のすべての繊維製品について関税を即時撤廃、インド側は1771品目の関税を即時撤廃、化繊などの70品目の関税を10年間で段階的に撤廃する。
この規格は、衣料を除く繊維製品のうち、繊維製床敷物の用語及び使用の実態を踏まえて、規格内容の充実を図るため、改正を行うものである。主な改正点は次のとおりである。1.新たに74の用語を追加し、16の用語を削除する。
人体からの生体信号を検知するセンサーを組み込んだ衣服やウエアラブルコンピュータの実現には、信号回路や電源接続のための導電性の糸が必要となる。本研究では銀をコーティングした糸の電気抵抗が、織布時と衣服製造時の物理作用によって受ける変化を理論と実験から検討した。その結果、糸の伸長による接触面積の増加の項を取り入れる計算式によって実測の抵抗値の変化を説明できた。(英文)
インナー・肌着素材の11年秋冬商戦が始まった。合繊メーカー・インナー部門は暖か素材の性能アップとともに「より軽く、より薄く」を実現するための商品開発に力を入れている。また、長引く国内消費の低迷を踏まえ、海外に打って出ようとの機運が高まっており、独自素材、高機能素材で新規商圏を開拓する取り組みが以前にも増して活発になってきた。ここでは、合繊メーカー各社の取り組み状況を紹介している。
スーパー繊維の需要は昨年、世界同時不況の影響を受ける中で停滞していたが、今年に入ってからは回復がみられる。背景には世界経済が底を脱したことのほか、環境や安全などのニーズの高まりがある。とくに軽量化などへの注目はますます高まっていることから、スーパー繊維の市場は今後もさらに拡大していくことが予想されている。新たな用途を含めて可能性は広がっており、新規市場・新商品開発への取り組みが加速している。ここでは、帝人、東レ、クラレ、東レ・デュポン、東洋紡の取り組み状況を紹介している。
同じ糸を異なる産地で織ることで、全く新しいテキスタイルを生み出すなど、産地の際を超えた共同の取り組みが広がっている。
異なる産地から1社ずつが参加、今春から7社となった。旗振り役の三澤機業場(福井)、山本絹織(石川)、後藤毛織(愛知)、ワン・エニー(岡山)、カネタ織物(静岡)、高橋織物(滋賀)、久山染工(京都)による「こだわりの布・7社展」には、高い関心が寄せられた。
リネンの中で上級品に位置づけられるベルギーリネンで、トレーサビリティー保証の新しい取り組みが進んでいる。リネン紡績のジョス・ヴァネステは日本を成熟市場と位置づけ、アパレルメーカーと直接組む形で拡販しようと意気込んでいる。同社がファイバーの出荷から日本企業への納入までを管理する。麻のトスコも、原産地証明付きのベルギーリネンを11年春夏向けから新たに販売する。
日本エクスラン工業は、次世代アクリレートに位置付ける新素材「シータ」を開発した。11年秋冬から肌着などの用途に売り込んでいく。アクリレート繊維の開発に初めて、内層が保温層、外層が吸放湿層の2層構造を導入。外層に吸放湿層が集中している分、水分を素早く感知して吸湿発熱機能を発揮するとともに、水分が浸透しない内装がさらっとした肌触りをもたらすという。また、染めることのできなかったアクリレートを染色ができるように改質した。
30%の混率で十分な性能が得られるとしており、混紡糸のバリエーション拡充を進めている。
伊ロロ・ピアーナは、ハスを原料とした繊維「ロロ・ピアーナ・ロータス・フラワー」(国際商標登録済)を発表した。ミャンマーのインレー湖に自生するハスの茎から抽出する繊維で、1日当たりのヤーン生産量は120g、テキスタイルの月間生産量は75p幅で約50mの希少な素材である。抽出から製織まで、現地の少数民族インダー族の200年以上前から継承している手作業の伝統技術で行われている。繊維組織は網目構造で、通気性、伸縮性、吸水性、速乾性に優れ、しわになりにくい素材である。織布に用いられている水生植物繊維の中では、世界一細い繊維である。
p243〜252 疎水性の合成繊維(PET,PP)に超臨界二酸化炭素下で架橋剤(Cyanuric Chloride)を導入してセリシンとキトサンを表面に固定化した。処理後の布について水の接触角の減少と吸水高さの増加がみられ、疎水性繊維(特にPET)の親水性化が可能となった。(英文)
5日付から同紙の素材・製造面(4)に、繊維素材に関する基礎知識を言葉の説明だけではなく、実際の繊維業界の状況とも関連させて、わかりやすく解説する。10月中に掲載された項目は次の通り。5日:化学繊維/6日:ポリエステル/7日:ポリエステルの製造方法/8日:ポリエステルの特徴/14日:様々なポリエステル/15日:ナイロンの特徴。
東レ・エクセーヌ事業部は、マイクロファイバー使いの織編み物「サミア」シリーズの開発・販促に力を入れている。人工スエード「エクセーヌ」用に開発した超極細糸"SAM"を織物やニットに転用。「人と違う物を創る」をコンセプトに商品開発と取り組んできた。20年来の蓄積によって生み出された独自の商品群を、秋冬の重衣料を中心に年々販路を広げている。11年秋冬に向けては、秋物中心だった「サミア」シリーズの販路を初冬あたりまで広げていくため、プレーンな梳毛調の新商品開発を進めており、「サミアリリヤーン」として打ち出す。
帝人テクノプロダクツは、消防服メーカーの赤尾と共同で、軽量化と遮熱性向上を両立した次世代消防服を開発した。消防服軽量化は使用生地を薄くすることで実現可能だが、その場合、遮熱性や耐久性が損なわれてしまう。その欠点を、メーン素材のメタ系アラミドに、強度に優れるパラ系アラミドを最適な割合で混紡することで解決。新素材「トリプロテック」を開発し、高機能で快適な消防服商品化となった。重量が従来の最軽量クラスより1割程度軽い約2.5kg。世界トップクラスの軽さにもかかわらず、遮熱実験では火傷率が従来品対比で約6割減少という結果が得られている。
備後撚糸(広島県福山市)は独自の「水撚り製法」による和紙糸の展開で、新たに新潟や和歌山の産地とニットの試作に取り組んでいる。用途は肌着で、和紙糸の細番化が可能となったため挑戦し、強度面などの課題をクリアして完成させる。また、和紙デニムがオランダの著名ブランドで新規採用された、30反受注し、今年年末から来年初めにかけて店頭販売される予定だ。ジャケットにも提案中。
東洋紡はこのほど、自動車用エアバッグ向けにリサイクルが容易なコート布を開発した。コーティング樹脂を従来のシリコンからナイロンに転換することで、基布とコート材を分離することなくリサイクルすることが可能となった。また、コート布の低コスト化のため、樹脂の使用量を低減。従来のシリコン樹脂では使用量を減らすと難燃性の低下につながったものの、基布の生産技術とナイロン樹脂との組み合わせでこの点を解消。従来の半分以下の樹脂使用量でも難燃性が低下せず、従来のコート布と同等の通気性を実現したという。
テキスタイルメーカーのタッカ(愛知県一宮市)は、ガラ紡に次ぐ日本開発の紡績法「特紡」で作った糸のテキスタイルを、素朴で懐かしい感覚の素材として11年春夏向けに提案している。特紡は、愛知県西三河地方で発達したガラ紡を進化させた紡績法。現在は同地区に紡績機が数台しか残っていないが、タッカではこれを衣料用テキスタイル向けとして糸を特別に開発した。
綿花の国際価格は、NY市場の先物(期近)で1ポンド1.198まで上昇、1870年公設取引所開設以来の最高値を付けた。中国などの新興国の需要が伸びる一方、洪水被害を受けたパキスタンの供給減、さらに米国の金融緩和観測から投機マネーが流入したとみている。
愛知県産業技術研究所三河繊維技術センターはこのほど、蒲郡商工会議所で開催された「テックスビジョン2010ミカワ」で地元企業と共同開発した面状発熱体織物などの研究開発品を発表した。青山商事との共同開発したもので、導電性粒子であるカーボンブラックを練り込んだ導電性モノフィラメントを緯糸に、部分的に電極用の金属系導電糸を経糸に使用。通常の織機でつくることができ、導電性繊維である緯糸の織密度を増減することで、織物の表面温度を約60℃−80℃の間で調整することができる。面状発熱体は電気を流して発熱する薄いシート状の発熱体で、主に電気式暖房用に使用される。
国内産地の有力機屋で11年春夏向けに細番の麻を使った素材開発が進んでいる。世界で最も細いラミー糸織物やシルクとの複合による開発も進み、日本でしかできない技術を加味した素材バリエーションが拡大しつつある。例えば、ラミーの200番糸とシルクとの複合素材を開発したのは栃木県足利市の絹十綿(ケンとメン)。
200番麻はこれまで世界で織られたことがなく、光沢感、高級感を打ち出す。
国際羊毛繊維機構(IWTO)は、世界の羊毛工業に関する統計年報2010を発行した。それによると09年の世界羊頭数は10億6508頭で前年比1.5%減、1990年と比較すると11.5%減少した。これに対して羊毛生産は109万8000トンで前年比7.6%減、90年比較では45.3%も縮小している。干ばつなどの気候条件のほか、食肉資源としての牧羊が増加する一方で羊毛生産は採算が合わず、従来の主要産毛国とされていた国々で食肉生産や穀物をはじめとする代替産品への事業転換が続いていることを如実に表している。
フランス・ルーツ氏(モヘア南アフリカの元ゼネラルマネージャー)が社長を務める獣毛原料専門コンサルタント会社ファイバー・トレーダーズ・インターナショナル(南ア・ポートエリザベス)が、日本で販売を始めた。南アフリカやアルゼンチンなど産毛国の牧場主や牧場主組合の生産側と、原料商や加工メーカー、紡績などのユーザー間を仲介する。適正な原料供給をアドバイスするほか、コミッションによる原料売買や貿易業務も行っている。扱っているのはモヘヤやグアナコ、リャマ、カシミヤ、アルパカ、ビキューナ、チンチラなどである。
ニッケは、紳士服地向けの最高級素材群「ゴールデンマフ」、温度調節素材「アウトラスト」のポリエステル複合、耐熱性素材ポリエーテルイミド繊維使用のワークウェアを開発した。ゴールデンマフは、一般的なウール原毛の細さ21ミクロン前後に対し、15.5ミクロン以下の原毛を使用した素材群である。今回は、より細い13.5ミクロン原毛使いのバリエーションを拡大し、160番双糸の梳毛織物の開発、ビキューナと混紡した80番双糸の梳毛織物は、ジャケット地向けとして提案する。
刺繍糸メーカーの中村商事(京都)は、新たに金、銀糸の本縫い対応の工業糸を開発、販売を始めた。ポリエステルを芯に金箔、銀箔を使用した縫い糸で、箔の縫い糸は刺繍糸として使用されるケースは多いが、本縫い用では実用化されてこなかった。今回の開発で、撚りを抑えて箔の劣化などを防ぎ、柔らかさを維持、滑りを良くした上、伸度を抑えることで、ミシンでもスムーズに縫えるように改良を加え、強度を高めた。
p300〜318 光の透過、吸収、相互作用を利用した繊維の機能と特性を解説した特集である。内容は蓄熱加工繊維の加工と特性(馬場俊之)、プラスチック光ファイバーと車載用POFケーブルに要求される性能(塚本好宏)、光触媒消臭繊維(渡辺義弘)、蓄光・感温変色繊維(橋本諭)である。
p319〜322 浸染と酸化を繰り返す阿波藍の具体的染色方法、段染め、型染め、絞り染めなどの手法、種々の繊維への藍染とその染色堅牢度、阿波藍と合成藍の色味の違いなどを具体的に解説した。
アンドウは薬剤を使わずシルク素材に防縮加工を施す技術を開発した。水に濡らすと加工無しのシルク素材は縦20%、横10%前後の縮みが見られるが、この防縮加工技術を施すと縦2.5〜3.4%、横1.1〜2%の収縮にとどまった。
現在は、帯揚げ、襟、袱紗、風呂敷などの和装用品に用いられている。
p324〜349 繊維加工の最新技術の特集記事である。内容は、光化学反応とその繊維加工プロセスへの利用(大内秋比古)、国際宇宙ステーションの船内服開発と地上への展開(多屋淑子)、エアゾール製剤による繊維製品の機能加工(解野誠司)、マイクロ波を用いた繊維加工(吉村由利香,大江猛)、機械捺染(青木美保子)である。
小松精練はこのほど、合繊テキスタイルにナチュラルなムラ感、アンティーク調の表面感を付与する後加工を開発した。ファッション衣料、スポーツ衣料をターゲットに「サーフビンテージ」ブランドで9月から投入。後から色を洗い落とす製品洗いではなく、製品に徐々に染料を加えながら表現する「加工染色技術」を独自に開発した。製品洗いの弱点として指摘されていた「@堅牢度が低いA生地がダメージを受けるため薄い素材や落ち感のある素材に加工できない」などを解消した。
東レは12日、ナノスケール加工技術「ナノモディ」を用いた新商品開発の第1弾として、対洗濯性と消費性能に優れた新素材「ナノアージュ」を開発したと発表した。ユニフォーム狙いで11年春から販売を開始する。「ナノモディ」技術は機能薬剤を繊維の内部まで浸透させ、ポリマー鎖を分子レベルの反応により均一に改質する。「ナノアージュ」は、「ナノモディ」技術を消臭加工に応用したもの。繊維を構成するポリマーが消臭機能を持つ分子により分子レベルで改質されている。改質は単繊維表層から繊維内部方向に進行、消臭機能層を形成する。これにより従来レベルを大きく超えた高性能を実現した。
東京都墨田区にあるピッグスキンのタンナーや加工業者が協業し、テキスタイルのような表情の革を生み出した。新たな用途開発も進める。ニシノレザーと墨田革漉、長坂染革は、革の表面をカットして起毛させ、織物のような見た目に仕上げた。肌触りもしっとりと柔らかい。山口産業と墨田革漉は、タンニンなめしの革を、表面をカットしてチェック柄を表現した。仕上げに洗いをかけて自然な表情を加えている。
業務用インクジェットプリンター専業大手のローランドDGはこのほど、大容量の昇華転写インクを搭載した新モデル「バーサアート」を発売した。従来のインクジェットプリンター機と比べ、約2倍以上となる時速31.8平方メートルのスピードを持ち、精密さが必要とされるアパレル用の転写に使用する場合でも時速13.1uで印刷可能。画質の面でもスジ・ムラを抑制する「ローランドインテリジェント・バスコントロール」を搭載し、アパレル製品などの精密さを要求される用途にも対応しているという。
整理加工の播州織工業協同組合(兵庫県西脇市)は、綿織物への水系樹脂コーティングによる通気性透湿防水加工「エココンフォート」を開発した。日常での快適性を追求し、コート地、シャツ地のほか、ダウン側地、ゴルフウエアなどスポーツ用途での拡販も見込む。同加工は、通気度を高めたため、着用時のムレが少ないのが特徴。一般的な撥水加工に比べ耐水圧も高く、防汚効果もある。風合いの変化も少ない。
御幸毛織は、江戸時代の庶民が裏地に隠して楽しんでいた色などを、紳士ジャケット地に再現した「ナポレナ江戸染」を9月下旬から全国の主要百貨店オーダーサロン、テーラーで発売している。同商品は、江戸染めの発祥地である東京・神田に現在1軒のみ残る反染屋・日良染工場で、職人が1着ずつ染め上げるもの。展開色は江戸紫のほか紺瑠璃色、江戸紺青、高麗納戸、黄金ねずみ、相思ねずみ。生地はタテ糸に生糸、ヨコ糸にミユキ牧場産ウールを使い、京都西陣で織り上げた。
島精機製作所は、中国でも人件費アップと人手不足から「手編機からコンピューター編み機に急速に移行している」とし、その戦略横編み機の新機種として「SSRシリーズ」を来期から販売することを明らかにした。「SSRシリーズ」は最新のテクノロジーを採用し、生産性を向上しながらも無駄を省いてコストパフォーマンスと使いやすさを追求したコンピューター成型横編み機。特に中国の生産環境の悪化から、これまでニット生産を担っていた同国の手編機からコンピューター編み機へ変わろうとしている市場傾向に即応しようとしている。
若い学生たちはトラッド・ファッションに対して、具体的にどのようなイメージを抱いているのか、また認知度など、ファッションを専門に学んでいない男子大学生を対象に調査した。調査の結果「重厚さ」、「信頼性」、「親近感」、「快活さ」、「若さ」の5つの因子が得られた。第一因子「重厚さ」、第二因子「信頼性」の累積寄与率は40.4%と強いイメージとなっている。トラッド・ファッションは、外見的には良い印象を与えている。
青山商事は、東レの縫製仕様技術を使用し、着用すると背筋を伸ばした姿勢に誘導するように工夫したメンズスーツとレディスジャケットを発売する。スーツとジャケットの背中部分に特殊なストレッチ素材を使用。着用時に背筋が曲がって前傾姿勢になると、伸びた裏地が背中の中心部分に戻ろうとし、それが着用者に軽い圧力となって伝わる。個人差はあるが、それにより、自然に姿勢を正す効果があるという。
ミズノは10月1日から、ジョギングやウオーキングなど軽スポーツ時や日常着に適した新型「保温インナー」を発売する。同社独自の断熱層設計で、高い保温性を実現した。肌との接触面に水分(汗)が残りにくく、スポーツ後のべたつきや汗冷えを軽減する機能を持つ。生地の表面には、保温性に優れ静電気を抑制するマイクロアクリルの紡績糸を使用。肌に触れる面には、起毛加工を施した断熱性に優れるポリプロピレンの加工糸を使用した。アクリル78%、ポリプロピレン22%。また、抗菌防臭性を持つため、菌の増殖を抑え、においの発生を抑制する機能も持つ。
介護市場の衣料事情が変わっていきそうだ。
介護報酬の初のプラス改正を機に、介護従事者の待遇改善の動きが広がりつつある。一方、いわゆる「団塊世代」が定年を迎え、今後は介護を受ける側で個人の「価値観」や「満足度」がキーワードに浮上しそう。こうした流れは介護向けのユニフォームや一般衣料にどのような影響をもたらすか。ここでは、介護ウエアメーカー各社の取り組み状況を紹介している。
アパレル各社が新ブランドの立ち上げ方を見直している。一気に10〜20店出店してきた従来方式に対し、ここにきて目立つのはわずか1〜2店に絞るやり方だ。かつては一定規模の店舗展開でブランド認知や生産効率を優先したが、競争環境の激変を受け戦略を転換。独自性のあるブランドを小さく生み、ニーズに応じて細かな修正を重ね、精度を高めた上で多店舗化に進む。リスクを回避する急がば回れ方式だ。
オンワード樫山は、このほど開発したエコロジー衣料第2弾バイオテックジャケット≠メンズ主力ブランド「五大陸」「J・プレス」に導入、全国百貨店で6日から発売する。ジャケットは使用後土に埋めると、生地からボタンまですべてがバクテリアによって分解され、土中に有害物質を残さない生分解性素材を使用している。表地はウール100%、肩パッドや毛芯はコットン、ウールなど、縫製糸はシルクとコットン糸を使用。ボタンはタンパク質を原料としている。
はるやま商事とアーク・クエストは、磁気シートを内蔵した磁気健康スーツの販売を開始した。同スーツは磁気の力で血行を改善し、肩コリや腰のコリを緩和する作用が特徴。ジャケットの肩とパンツ腰部分にそれぞれ8個ずつの合計16個の永久磁石(1000ガウス)を用いた着脱式の磁気シートを装着し、着ているだけで気になるコリの緩和に役立つという。医療機器として認証されている。
ユニクロは、一般的なダウン衣料の約3分の1の軽さという「ウルトラライトダウン」を開発し、売り出した。同名商品は昨年から取り扱っているが、今年は昨年比でさらに約24%軽量化し、代表的商品は200g。商品も男女各3型に増やした。東レの協力を受け、非常に細い原糸を使う一方、特殊加工により通常は二重構造のダウン衣料の内部を簡素化した。見た目も軽く薄いが、国内なら真冬でも十分な防寒性があるという。
バングラディッシュやベトナムなどアジアの後発新興国からの衣料品輸出が急増している。日米欧の衣料専門店や小売り大手が人件費の上昇が続く中国に集中した生産体制を見直し、より賃金の低い後発新興国で生産を拡大しているためだ。カジュアル衣料「ユニクロ」のファーストリテイリングは中国以外での生産比率を現状の2倍に引き上げる計画。衣料品生産で"中国離れ"の動きが強まりそうだ。
p685〜686 中国の常熟でISO/TC13「衣服サイズと名称」の国際会議がアジアアフリカ5カ国の参加で開催された。その背景について、中国の衣服基準化の歴史と今後の方向性、JIS衣料サイズ、ISOと各国規格との関係などを報告した。
ワコール人間科学研究所で開発された機能性スポーツウエアの解説記事。「CW-X」商品群の一つである「柔流」は、肩甲骨の柔軟性を引き出す商品であり、ゴルフにおける複合的な回転動作を肩甲骨が重要との立場から、次の3つの要素により構成されている。すなわち両肩甲骨機能の連動性を促す、上肢運動時の外腹斜筋機能サポート、上肢運動時の広背筋機能サポートである。「源流」の検証結果も示されている。
内外から集まった総勢340社の出展者が自慢のオンリーワンを並べ、商談を繰り広げている―。JFWジャパンクリエーション(JFW-JC)2011秋冬展が13日、東京ビッグサイトで始まった。会期は15日まで。今回は念願の国際化、海外企業への門戸開放に踏み切った記念すべき1回目、ビッグイベントは回を重ねる中で総合見本市での開催となるが、春夏展はビジネス商談会に改める。実情に即して内容を吟味、なくてはならない場として次のステージへと進む。
東京スタイル、サンエー・インターナショナルは来年6月1日を設立日に、共同株式移転により持ち株会社「TSIホールディングス」を設立することで合意した。アパレル企業を取り巻く経営環境が厳しい中、両社はコアブランドの企画・育成・M&Aを含むブランドポートフォリオの再構築、中国・アジアをはじめとした海外展開、TV通販・ネット販売への参入など、今後の企業成長を見据えた施策へ双方の強み、ノウハウ、資源を相互に共有活用することが有効と経営統合に踏み切った。
YKKは、ユーザー情報を集めて市場ニーズに応える商品開発を強化している。「オールドアメリカン」は、テープに綿のヘリンボーンを使い、スライダーもプレスで金属の折り曲げ技術により製作するなど、1950年代の米国のファスナーを再現したビンテージ感あふれる商品。「パティナフィニッシュ」は、通常の金属ファスナーの表面に特殊な染色加工を施して錆調に仕上げ、使い古したようなランダムな表情を演出している。
レディスの足元オシャレグッズ「ブーデコ」がヒットしている。秋立ち上がりからヤングレディス店、量販店、雑貨店などで爆発。今秋冬から投入したばかりで既に販売数は40万足に達している。販売するのはリヴィウサプライマネジメント(東京 鬼頭一誠社長)同製品はブーツやパンプスとコーディネートするファッショングッズでトレンカの履き口にファーやボアなどの飾りが付いている。ヒョウ柄、ボーダー柄、プレーンタイプなど色柄の豊富に展開していてロングからショートブーツ、ブーティー、パンプスなど、様々な婦人靴と組み合わせが出来る。
工場の生産手配やLC代行(輸入代行)などを軸にしてきた商社の製品OEM(相手先ブランドによる生産)が大きく変わりつつある。原材料の値上がりや主力生産地である、中国のコストアップ、工場の人手不足問題などから生産環境は一変。店頭のデフレ圧力や競合の激化もあって、依然収益性は低下傾向にあるだけに、企画デザインを含めた素材から製品までの一貫提案で、チャイナプラスワンを含めた工場の囲い込みも表面化、開発や、仕入れした原材料・素材を製造加工し、できあがった製品を売るバリューチェーン全ての商流に関わっていくのが今の商社ビジネスモデルと言える。
デサントの保温性を高めた姿勢矯正肌着「メンズシセイストHOT」。背中に特殊な編み方をした素材を採用し、猫背になると圧力を感じて姿勢の悪さを意識させる男性向けの機能性肌着。スポーツの際などに身につければ、自然に姿勢を正すのを助けるという。着る人が締め付けを感じにくくするなど、着心地にもこだわった。素材には中心部が空洞のナイロン中空糸を使用。冬場でも着られるよう、保温性を高めた。
シャツ専業メーカーの間で、新規需要開拓を目指す動きが目立つ。商品提案でカットソーを加えたり、レディス向け企画を拡充して新機軸を打ち出すほか、従来の単品平場にとどまらない新しい売り場作りを目指す。シャツで培ってきた生産背景や商品供給力を強みに新事業への発展を図る。
大阪の主要商業エリア内でグループ、企業、業種・業態を超えて連携し、エリア集客を高めようとする動きが広がっている。来春から梅田や阿倍野地区で百貨店や大型商業施設の開業、増床が本格化し、地域間競合に拍車がかかることが背景にある。地域間だけでなくネット販売やアウトレットとも競合する時代だからこそ、街全体での集客力が重要になる。
09年11月の大丸・心斎橋店北館が起爆剤になり、ほぼ全ての百貨店で付き合いのなかった専門店導入を積極化、都心百貨店にもいよいよ専門店の導入が始まった。駅ビル・ファッションビルに流れた客を取り戻したい百貨店に対し、専門店は条件面の緩和を追い風に、一等地の確保、新たな客層の確保に乗り出している。
マルキュー系専門店も、大丸松坂屋百貨店の「うふふガールズ」の広がりに合わせ、百貨店出店を広げている。08年ごろまでは百貨店から客を奪い続けてきたマルキュー系市場だが、昨年あたりから厳しさも目立つ。今度は、救世主でありながら、自らの生き残り策の側面もある。
日本最大の商業地、銀座で20〜30代の顧客の争奪戦が始まる。増床開業する三越銀座店は、新売り場導入などで従来より年齢層を引き下げた顧客を開発、10年末に閉鎖する西武有楽町店の後継の有力なルミネは20〜30代女性の集客に定評があり、近隣の専門店も交えた競争に注目が集まりそうだ。
主要スーパーの秋冬向け機能性肌着のプライベートブランド(PB=自主企画)がでそろった。ラメやボーダーなど流行のデザインを取り入れたり、薄くて発熱性能の高い素材を使ったりしているのが今年の特徴。売り上げ目標はイオン、イトーヨーカ堂など大手4社で合計3000万枚、ユニクロやしまむらを足すと1億枚を超す。販売競争が激しくなりそうだ。
国内消費が冷え込む中、中国市場に向けられる視線が熱いが、インターネットを使って中国に日本製品を売り込む動きが目立ってきた。日本のアパレルは人気商品の一つで、中小企業にとっては海外販売のチャンスとなるが、言葉の壁や物流費の高さ、決済の方法なども課題が多い。
韓国で販売する日本の大手アパレルメーカーのブランドが好業績となっている。国内経済の好調を背景に消費にも旺盛な韓国、特に百貨店市場が好調で、百貨店を主販路とする日系アパレルやライセンスブランドは軒並み売り上げを伸ばしている。
中小機構基盤機構は全国に146ある中心市街地活性化協議会が相互に交流を進められるよう、支援を強化する。協議会は街づくりのための利害調整を担うが、空き店舗対策やイベント企画で壁にぶつかることが多い。先行する地区をモデルとして地権者の調整手法やイベント成功例を共有する。
量販店では、施設での温室効果ガスの排出削減に向けた取り組みやレジ袋削減運動など、消費者と一緒になって行う取り組みが目立つ。一方、専門店では、不用になったスーツやジーンズなどを店頭で回収し、リユースやリサイクルへ回している。
米大型小売業50社の10年度上期(2〜7月)は、売上高合計が前年同期比5%増と1ケタ台の増加にとどまったが、赤字は15社から9社に減少、企業努力による収益力の大幅な回復が目立った。
今秋、インナーの新業態が相次いでオープンしている。駅ビルやファッションビルに少なかった30代以上の女性を対象とした店や、部屋で過ごす時間を充実するための提案、女性同士のギフト需要の取り組みを狙ってルームウエアや雑貨の品揃えを強化する店など、部屋時間の演出とギフト需要といった新機軸の打ち出しが目立つ。
衣料品や雑貨を扱う専門店やスーパーなどが相次ぎ日本製の商品を拡充している。低価格一辺倒ではなく、ものづくりへのこだわりを訴えて高価格帯の商品を消費者に売り込む狙いから、メード・イン・ジャパンが見直されている。一大生産拠点である中国のコスト上昇で、日本国内の生産拠点を活用しやすくなってきた事情もある。
流通システム開発センターがJAN型POSシステム導入調査は09年度で終了する。量販店など大手小売業がPOS導入を本格化した88年に開始した調査は、POS普及でその役割を終えた。
台湾百貨店は10年に入り回復傾向が強まり、出店計画が相次いで発表されている。台湾は日本と異なりファッションビル、郊外型SC、アウトレットとの競合は少なく、百貨店の存在感が大きい。ただ、百貨店間の競争が激しく、差別化が課題になっている。
ホームセンターのカインズとDCMホールディングスは女性衣料・肌着の販売に乗り出した。カインズはプライベートブランドで投入。DCMは通信販売のセシールの商品を扱う。ホームセンターの来店客の半数以上は女性で、主に家族向けの食品や日用品を購入している。女性向けの商品を加えることで、低迷が続く売上高をテコ入れする。
専門店で、帽子やベルト、バッグ、靴など服飾雑貨の存在感が高まっている。専門店の売り上げに占める雑貨比率は10〜15%ほどになっている。たんす在庫が多いアパレル製品が売れにくくなったことに加えて、消費者がファッショントレンドを取り入れるアイテムとして雑貨を使いこなすようになったことを背景に、アパレル専門店でも売り場作りや商品の演出で、雑貨が必要不可欠になっている。
日経MJがまとめた2010年版「eショップ・通信販売調査」で、09年度の通信販売の総合売上高(前年と比較可能な230社)は08年度に比べて1.7%増加した。部門別ではインターネット通販が10.0%増、テレビ通販が12.4%増と成長をけん引した。ただカタログ通販などは落ち込みが大きく、全体の伸び率は4期連続で縮小した。今後の成長が期待できるネットを駆使して、積極的に海外に活路を求める動きが広がりつつある。
カタログ通販各社が20代女性の呼び込みにしのぎを削っている。2009年の女性のカタログ通販利用率は平均で40%(日本通信販売協会まとめ)だが、29歳以下の女性の利用率は28%。前世代の中で最も低い値で、今後の拡大余地もあると見こむためだ。10年先の固定客となることを見据え、各社はアプローチを進めている。
ユニクロと他の企業を比較、市場成熟化のデフレ経済では業績格差が鮮明になっているとしている。この傾向は、衣料専門店だけでなく、百貨店、スーパーなど多くの小売業態で見られ、上位集中、寡占化の波が広がっている。
洗濯機で、洗濯槽が垂直な「縦型」に消費者の支持が集まっている。節水機能やデザインなどから、ここ数年は洗濯槽が横に回る「ドラム式」が人気だったが、縦型も機能が改善しその差が縮小し、店頭価格も縦型の方が数万円安いため。
近年は室内塵性ダニによるアレルゲン被害が多い。ゴミ1g中に平均20匹いる。塵性ダニ類に特異な忌避効果をもつイービークリーン(恵美須薬品加工)が、ふとん・毛布・カーペットの加工剤として好評を得ている。化粧品や食品添加物に用いられる安全性の高い成分で、繊維の種類を選ばず加工できる。人を刺咬するツメダニには効果がないが、ツメダニは塵性ダニを餌としているので、結果的にツメダニも防止できる。
通常タイプのアニオン系と、抗菌剤入りカチオン系がある。
同紙の調査によれば、「ふとんが売り上げに貢献している」業者が63%を占めた。ただし「ふとんの洗濯を自家処理している」は14%に過ぎず、外注の利用が多かった。木戸商事は、ふとんの自家処理システムを提案した。このシステムは、洗剤と助剤および全自動洗濯機から成る。ふとんはダニ、カビ、雑菌の住家となってアレルギーや喘息の原因となる。このシステムでは酵素で洗浄効果を上げ、合わせて防ダニ、抗菌剤を浸漬または噴霧する。また洗濯機は、脱水時に機械が停止する問題を解消し、さらに毛布などの多様な洗濯に対応するマイコンを搭載し、弱くなった生地が破れない配慮もされている。
ISO26000は、9月12日、加盟国の投票の結果、賛成多数で締め切られた。11月1日に発効する予定。この規格は日本ではCSRとして認知されてきたが、CがはずされてSR(Social Respon-sibility)となった。その趣旨は企業に限らず、病院、NGO,自治体、政府機関、大学などを対象にする。また社会的責任を次の7原則と明確化した。説明責任・倫理的行動・透明性・利害関係者の尊重・法令順守・国際行動規範の尊重・人権尊重。また主要課題として、7分野を記載した。
国交省は、9月10日、建築基準法の用途規制に違反を生じている50.2%に当たるドライクリーニング工場に対して以下の5項目を助言し、各都道府県に周知徹底を図ることを通知した。@引火性溶剤に一定の安全対策を講じれば、規制地域でも操業を認める。Aこの安全対策に猶予期間を設ける。B建築士等の申請書類作成に財政的支援をする。C申請手数料の減免措置を図る。D消防担当部局と調整し、許可手続きの円滑化を促す。E許可後も必要な確認を行う。
ポリエステルの難燃剤 日本クリーニング,〔10・7・25(2)〕
防炎加工の後加工剤のHBCD(ヘキサブロモシクロドデカン)が、本年4月1日に化審法の第一種監視化学物質に指定され、また欧州各国で環境負荷や人体危険性が指摘され始めた。
防炎加工の後加工剤のHBCD(ヘキサブロモシクロドデカン)に関する有害性調査項目等について審議が行われ、HBCDに関する有害性調査の項目、方法及び報告期限等について了承された。今後、有害性調査指示を受けた者は期限の平成24年3月30日までに報告書を厚生労働省・環境省・経済産業省の3省宛に提出することとなっている。その後、当該報告書に基づき3省合同審議会にてHBCDについて、第一種特定化学物質相当か否か審議される予定である。また、HBCDは欧州各国で環境負荷や人体危険性が指摘され始めており、同物質はカーテンの防炎加工
大学サッカー部に所属する6大学のサッカー部員を対象に行った調査結果。インナーの着用率は、シャツが約75%、パンツが約85%であり、パンツの着用率が高い。インナーシャツに求める機能として最も回答率が高いのは、「吸汗・発散性」であった。サッカー専用のインナーが必要との割合は約82%に上り、求める動的機能性として最も要求度が高いのは、「フィット性」であった。ゲームシャツ・パンツ、インナーパンツに求める機能性として最も回答率が高かったのは、「動きやすさ」であった。
購買行動における意思決定は、企業のマーケティングでも重要視されてきた。人間工学会誌は意思決定を特集し、6件が掲載された。その一部を紹介する。竹村和久(早稲田大学)は、意思決定を広く捉え、「望ましい意思決定とは何か」を問いかけ、これまでの合理性の観点のほか、他者の福祉や行為の美しさなど、もっと多元的に捉える必要性を説いた。小阪祐司(オラクル)は、商品説明は理性に訴えるよりも、感性に訴えるほうが意思決定に寄与することを実証した。藤井聡(京都大学)は選好(好み)が形成される過程に注目し、食物選択で腐敗物を避ける動物的な段階から、高度の学習によるシンボル体系まで、段階的に考えた。
本稿では、Q&A形式で衣服の快適性に関する要点がまとめられている。「夏を快適に過ごす衣服とはどのようなものですか?」、「体熱平衡と快適感との関係はどうなっていますか?」、「蒸れ感・濡れ感と温度・湿度との関係はどうなっていますか?」、「高齢者の体温調節はどうなっていますか?」の質問に解答する形式で、衣服の快適性を解説している。
履いて歩くことで美脚やシェイプアップ効果のあるトーニングシューズは今春夏商戦のヒット商品であった。トーニングシューズは、靴底の特殊な形状や素材によりエクササイズ効果を高める。トーニングシューズは、新しいカテゴリーの靴である。美しさと健康を志向する幅広い女性の支持を追い風に、トーニングシューズ市場は大きく広がりそうである。
すべてのパーツが、足の解剖学やバイオメカニクスに基づいて設計されている。このハイヒールは、足の骨を足底からサポートし、立体的な足のアーチの形成を促進する。また、厚めの中敷きは,筋肉や腱があるところだけ薄くして,足に吸い付くようなフィット感を実現した。さらに、かかとに重心が乗るため、足の指が前に滑ることなく、安定して歩くことができる。このハイヒールは、機能性とファッション性を両立するハイヒールである。
うつぶせ寝による窒息予防をうたった乳児用の寝返り防止クッションが日本でも多数販売されているが消費者庁は10月14日、米国では「13年間で12人が窒息死した」として使用中止を呼びかけたと公表した。日本では事故の報告はないが、消費者庁は「使用による窒息のリスクの方が大きい」と考えられると警鐘をならす。「赤ちゃんの顔が沈み込む恐れのある柔らかいものをベッドにおかないで」と併せて呼びかけている。携帯メール配信サービスの登録は、消費者庁携帯サイトhttp://www.caa.go.jp/m/ から。
「糸ひけ」について解説している。糸ひけは、縫い糸やミシン針によって織糸の一部が移動し、光沢異常や柄崩れを起こすトラブルのことである。ミシン針に起因して発生するのは、生地貫通時に織糸を移動させてしまうものである。この場合には、細い針を使用すること、NSシリーズ針(パッカリング対策として開発された針で、糸穴周辺や針幹が細い)により効果を上げることができる。針以外の対策としては、縫い糸は細い糸を使用するが、織物組織や織糸なども要因となる。
日本通信販売協会が設置している消費者相談受付室「通販110番」の相談件数の09年度は前年度比18%増と、年々増加にある。中でもインターネット関連の相談が伸びており、苦情内容は「返品の返品額が購入額の10%だった」「顧客対応に融通がきかない」から、消費者対応窓口が海外で消費者の主張が思うように通らないなど様々。
アパレルの品質苦情は種々の段階で原因を作る可能性がある。本稿では、商品企画に関する品質苦情の具体例として、毛ツイードの婦人スーツの摩耗、ニットを使用したドレスの伸び、素材の組合せ使用で切り替え部分に入るしわ、ハイグラルエキスパンション、シースルー生地のモアレが、原因・解決策ともに述べられている。他に延反・裁断では、スポンジング・放縮、生地のロット違い、地の目に関するクレームが、さらに芯地、裏地のクレームも具体的に示されており、参考になる。
世界経済フォーラムが発表した10年版世界競争力報告で、日本の総合順位は前年より2つ上がって6位になった。日本は政府債務残高の項目で事実上、最下位になるなど公的部門には厳しい評価となったが、製造業の生産工程など民間部門が高く評価された。
信州大学繊維学部は11年2月をめどに、ファイバー工学分野の研究開発拠点「ファイバー・イノベーション・インキュベーター(Fii)」を開設する。次世代テキスタイル市場で急成長が見込まれるナノファイーバーを始めとした先端ファイバーの研究設備をベースに、産官学の連携を加速する。
アトピーを初めとする肌トラブルが増加するとともに、肌に優しい衣服へのニーズが高まっている。本稿では、女子学生を対象に体部の肌質に関する意識調査を行った。その結果、自覚的敏感肌が自覚的健常肌とは異なる生理的・形態的特性を有することが明らかとなった。
国内のモノ作りの復権を目指す取り組みが始まっている。「日本発ものづくり提言プロジェクト実行委員会」による同提言プロジェクトがそれで、国内の繊維・アパレル製造業は存亡の危機に立たされているとして、国内製造の存続と強化を繊維・ファッション業界に広く呼びかける意見広告運動を提唱している。「賛同のお願い」には、国内生産の縮小が続いていること、受注に応えられない事態も起こっていること、市場もメード・イン・ジャパンを求めていること、が述べられている。発起人代表は貝原良治カイハラ会長。
ニット製品の総合展示会「ジャパン・ベストニット・セレクション(JBKS)・サードエディション」は、12月7、8日東京国際フォーラムで開催される。出展企業の内訳はニット(横編み13社)、カットソー11社、靴下4社。今回は開催時期を3月から12月に変更したことで、山形、新潟の横編みメーカーの参加が増えているのが特徴。清野JBKS実行委員長は「中国生産で納期遅れなどの問題が発生し、国内回帰の遅れが高まっている中、国内生産をアピールして新規取引先を開拓していきたい」と期待している。
バングラディッシュ・ニット製品製造輸出協会が、ニット製品に関する現行の3工程基準を改定するよう日本に対してLDC(後発途上国)特恵関税の原産地規制緩和を求めている。布帛製品は1工程だけを当該国で行えば関税免除になっている。
繊研新聞社が繊維・ファッション企業を対象に実施した調査で、各社の上期業績が前年同期より「良くなっている」企業が45%に達した。だが、リーマンショックの起こった08年以前の水準と比べると「悪くなっている」企業は59%を占め、本格的な回復には至っていない、との実感が依然と強い。
@12月11日A名古屋市中小企業振興会館(吹上ホール)B応力下での各種繊維の熱的性質、染色可能なPP繊維の開発、画像情報量による衣服形態の美しさの評価、色彩情報量による色柄のトーンと色彩感情の評価、他C申込先:静岡大学工学部 田坂茂 TEL:053-478-1163
@12月14日A日本紡績検査協会Bサッカー用機能インナーの研究開発、宇宙用下着の開発、生体(筋肉)と商品設計/バイオメカニクスの基礎、他C申込先:日本紡績検査協会 開発部 嶋崎良知 TEL:06-6762-5890
@12月18日〜19日A文化女子大学B身頃のアームホール形状と袖設計、衣服圧測定の実際―より良い評価のために、ドレーピングテクニック、他C日本繊維製品消費科学会 TEL:06-6358-1441
@23年1月21日A大阪科学技術センターB循環型社会における繊維リサイクル、繊維製品リサイクルに関する法律、繊維製品のケミカルリサイクル、繊維製品リサイクルの環境負荷評価、他C日本繊維機械学会 TEL:06-6443-4691
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:中島利誠/発行人:大谷芳男