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改正入管法が10年7月に施行され、新たに始まった「外国人技能実習制度」の下で半年が過ぎた。申請手続きの変更などで6月まで減少していたJITCO(国際研修協力機構)の受入数は、7月以降増加に転じている。ただ、繊維関連の分野では今後大きく増えるとは考えにくい状況だ。
厚生労働省の毎月勤労統計調査の10年の労働者一人当たり現金給与総額は前年比0.5%増え、4年ぶりに前年を上回った。基本給は低迷を続く一方、残業代などが大幅に伸びたため。景気の持ち直しより、働き人の取得環境が最悪期を脱ししつつあるといえる。
表示行政に関する権限を集約し、発足から1年あまりが過ぎた消費者庁は、その存在意義を発揮する機会をとらえ改訂作業に躍起だ。消費者の意識向上もあり食品表示などのルール見直しが相次いでいる。
内閣府が発表した1月の消費者動向調査によると、個人消費の先行きを示す一般世帯の消費者態度指数は41.1となった。前月に比べ1.0ポイントの上昇で7カ月ぶりにプラスになった。海外経済の改善や国内企業の生産の持ち直しを受け、景気の先行きリスクが薄らいだとみられる。内閣府は基調判断を「弱含みとなっている」から「ほぼ横ばいとなっている」に上方修正した。
特許庁は国際展開を加速する日本企業の活動を後押しするため、夏までに「国際知財戦略」をまとめる方針を固めた。世界の特許情報を網羅した検索システムの開発や新興国での知財紛争の実態を調べられるデータバンクの創設などを具体策として盛り込む。中国や韓国で特許出願が急増するなど国際環境は激変しており、日本企業が知財紛争に巻き込まれるのを未然に防ぐ狙いだ。
財務省の途上国からの輸入品を対象に関税率を優遇する「特恵関税制度」を10年ぶりに見直し、ニット製品の適用要件を大幅に緩和する。事実上、関税がかかっていたバングラディシュからのニット製品輸入で、無税の範囲が大幅に広がる。
10年のアパレル輸入は、数量では過去最高を記録した09年並みとなったが、金額は前年比2%減となった。中国からの輸入は、数量、金額ともに減少し、ベトナム、インドネシアが高い伸びを示した。バングラディッシュも大幅増で、チャイナプラスワンの流れが加速した1年となった。
総務省は、事業所の国勢調査にあたる「経済センサス」を初めて発表した。日本国内にある企業の本・支社や個人経営の事業所は09年7月時点604万事業所で、産業別では卸売・小売業が156万事業所で最も多く、全体の4分の1を占めた。繊維・衣服関連も従来どおりの製造・卸・小売の分類がある。
経済産業省は11年春から海外で人気のある日本文化「クール・ジャパン」について、ファッションと食のブランド力強化を通じて海外市場開拓を本格化する。省内の体制を4月大幅に変え、商務情報政策局に「クリエイティブ産業グループ」を新設、関連担当約50人を集約。製造産業局内のファッション政策室、日用品室、伝統的工芸品産業室も統合されクリエイティブ産業振興課となる。
財務省の10年に全国の税関が偽ブランド品や海賊版など知的財産権を侵害して輸入差し止めた件数は約2万件、09年に比べ6%増加した。出荷した国・地域別では中国が件数で90%を占めた。
最近の生産及び使用の実態を踏まえて、規格内容の充実を図るため、以下の3つについて今回改正を行っている。
主な改正点は、次のとおりである。a)温湿度条件 日本の気候に合わせ、27±2℃、(65±2)%を削除した。b)照明の照度及び観察する角度 照度については、「常用光源D65で600〜2150 lxを用い、明るいものは600 lxに近い低照度で、暗いものは2150 lxに近い高照度で見てもよい。」とした。c)変退色及び汚染の判定 従来からの視感法に加えて計器による方法を追加した。
主な改正点は、次のとおりである。ISO規格との整合化を図るため、ISO規格で規定している試験用白布を取り入れた。
主な改正点は、次のとおりである。対応国際規格であるISO 105Cシリーズに、C08,C09が制定されたため、これらISO規格の試験方法を新たに取り入れ、JISとISOとの整合化を図った。
地球温暖化防止に貢献するとして、クールビズやウォームビズが注目されている。しかし、温熱的に不快な環境は仕事の能率が下がり、労働環境では作業ミスによる重大事故を生じさせる危険性が高まる。本稿では、季節に適合し、環境にも優しい、着用者自身にとっても快適な衣服に要求される衣服の素材要因や構成要因について解説している。
今日のタイ東北部の手織物は、「タイシルク」ブランドとして商業化した革新的手織物と民族固有の手織文化を継承している伝統的な手織物に二分化されている。これらの手織物文化の変遷について解説した。
三甲テキスタイルはビジネスユニフォーム向けの新素材「サーモクール」を発売する。異なる断面のポリエステルが衣服内の湿気や熱を調節して寒いときに保温、暑いときに冷却効果を発揮。「サーモクール」のかなめは雲形断面と中空断面を持ったポリエステル。雲形断面は衣服内の寒気を逃がし、中空断面は衣服内に暖かい空気を閉じ込める。この形状のポリエステルとウールを50/50で融合させ、耐久性、洗濯による収縮試験、外観変化判定もクリアした。
クラレとクラレトレーディングは、汎用染料で通常のポリエステル繊維より25℃低い105℃で染まるポリエステル長繊維「ピュアス」を開発した。染色工程におけるCO2発生量を約20%削減でき、従来品と同等の染色堅牢度と強度を持つ。ピュアスは、ポリマー段階で、独自に見つけ出した第三成分を添加し、重合している。汎用の分散染料で染まり、婦人服地の風合い出しで不可欠なアルカリ減量や、高速紡糸にも対応する。強度・伸度が従来品と同等で、既にスポーツ衣料分野から引き合いが来ている。
ラメ糸メーカーの泉工業は、新たに「ジョーテックス・マイテル細番手」と「ニャル・マイテル」の二つのストレッチラメ糸を開発し、販売する。ジョーテックス・マイテル細番手は、メッキに純銀を使用したラメ糸をポリウレタンにカバリングして完成させたラメ糸で、昨年開発したジョーテックス・マイテルの半分の細さ。ニャル・マイテルはナイロンフィルムにアルミニウムを蒸着させたラメ糸とストレッチ糸のカバリング糸。
京都金銀糸産地のラメ糸メーカー、泉工業はこのほど、原料段階からノンホルマリンを追求した刺繍用ラメ糸「ゼロ・プラム」を開発した。原料選定からノンホルマリンを追求したラメ糸は、恐らく業界初で、とくにベビー用途などでの採用に期待を寄せる。これまでも刺繍用に純銀蒸着ラメ糸「プラム」を製造販売してきたが、着色などに使用する塗材などにホルマリンが含まれている。これに対して、塗材を含む原料選定を抜本的に見直し、ゼロ・プラムを開発した。
炭素繊維(CF)の世界需要は、リーマンショックにより一時的低迷はあったが急激な回復が見られ、航空機用途と産業用途の伸びが大きく、年率15%の伸びが期待される。航空機用途では、CFRPの使用部位の大幅な拡大が進んでいるが成形コストの削減が大きな課題である。積層を自動的に行うALP(オートレーアップ)やFPL(ファイバープレースメント)がフルに活用されるようになってきている。産業用途としては、低炭素社会を目指す将来のエネルギー源として実用化が進んでいるのは風力発電である。発電効率の向上のためには風車の大型化が必要であり、大型機では剛性および軽量化の観点からCFRPは必須になっている。また、一般自動車部品のCFRP化への検討も進んでいる。
カイハラは東レと共同で、快適性とファッション性を備えた新着感デニム「モーション・フィット・デニム」を開発・販売を始めた。たて糸はロープ染色の綿糸、よこ糸は極細ポリエステル繊維を使用し、表は綾立ちの良い綿デニム、裏はパウダータッチの肌触り、軽く動きに追従するストレッチ性、優れた吸汗・速乾性により快適性の持続などが特徴。
東亜紡織はこのほど、ウール繊維のなかに天然多孔質超微粒セラミックスを封入し、「吸水」「発散」「制菌」「保温」「消臭」の5つの機能を持たせた「活性ウール」を開発した。今年から販売を本格化し、織り、編み、ジャージなど幅広い用途へ広げる。超微粒セラミックスは皮膚表面の汗をすばやく吸収し、大気中に発散、温度と湿度を安定させて快適な着心地を与える。同時に抗菌防臭の効果も発揮。また、遠赤外線効果を持ち、保温効果にも優れる。安全性も高く、洗濯耐久性もある。
WLゴア・アソシエイツは、アウトドアウエア用新素材「アクティブシェル」を開発した。ゴアテックスより薄く軽量で、透湿性がアップしているため、汗をより早く外に放出して、衣服内環境を快適に保つ。従来のラミネーションによる三層構造とは違い、中間層のゴアテックスと裏地を二重織りのようにしたことにより、より薄地になり、軽さとともに透湿、及び通気性が増した。スピードや激しい動きが求められるアウトドアスポーツシーンに最適な素材である。
地球温暖化などの影響で環境意識が高まるなか、トウモロコシなど植物由来の原料から生産されることで注目を集めるPLA(ポリ乳酸)繊維。経済危機の影響でいったん減少した需要が、昨年の秋頃から再び回復している。ひと昔前まではアイロン掛けが難しく、生地の劣化も早いなど課題が多かった。素材メーカーは、「環境にやさしい」だけでなく化石原料繊維と同等の物性や特徴的な機能が市場拡大には不可欠とみて、素材開発を進めている。ここでは合繊各社の開発状況を紹介している。
ユニチカは、バイオベースナイロン「キャストロン」の素材特性を生かした用途の事業再構築を進めている。キャストロンは、非可食植物のヒマから取れるひまし油(リシノール酸)を原料とするナイロン11である。ユニチカは、4年前から原料ポリマーを輸入し、繊維製品の事業を始めた。ナイロン11は、100%バイオベース原料の素材であり、比重が1.03と軽い、耐摩耗性に優れ、低温でも硬くならない、公定水分率が低い、寸法安定性が高いなどの特徴がある。
播州織産地のダイイチはこのほど、繊維を炭化させた新素材を兵庫県下の企業と共同開発した。検査機関の評価試験で高い消臭性能を有していることが実証されており、寝装や資材、衛材向けに商品開発、用途開拓を進める。原理は基本的に木炭と同じ。繊維の芯部を残し、外周部を炭化することで、そのままの形状で炭の優れた特性を持つ素材を生み出した。綿などセルロース繊維全般に適用でき、わたから糸、織・編み物と汎用性も高い。化合繊でも可能だが、セルロース繊維と同じ効果は得られないという。
旭化成せんいは、キュプラ「ベンベルグ」の12年春夏素材でインナー向けにUV(紫外線)ケア機能を高めたポリエステル複合糸「スーパーキュアベール」や常温カチオン可染ポリエステル複合糸「ペアクールCD」、スポーツ素材で不定形異型ポリエステル複合の吸汗速乾糸「ペアクールF」などの新素材を提案する。
リードジャパン(東京)は、自社開発したカシミヤ中空糸「エアーカシミヤ」の販売を本格化する。カシミヤ中空糸は水溶性ビニロンにカシミヤを巻き、水溶性ビニロンを溶かして作るが、「エアーカシミヤ」は、水溶性ビニロンを短繊維状にし、カシミヤの原毛と混ぜて紡績している。ビニロンの混率は20〜30%で、出来上がった糸で製品を作り、製品の状態で約10時間かけてビニロンを溶かす。従来のものより、細くて膨らみがある糸使いの製品が仕上がる。
今夏物プリントの期中、現反商戦が本格化している。引き付けた手当を重視する東京市場ヤング、キャリア市場の現反が一気に動き出し、原料高を背景に一部素材は納期遅れや機会ロスが多発しそうだ。
染色工場の排水から回収した泥状の顔料を使用して綿布を染色した。これらの顔料と染色布についてCIE L*a*b*表色系で測定比較した。また、顔料中の化学成分と布に付着した化学成分を表題の方法で分析し、どのような無機成分が発色に影響しているか検討した。(英文)
シルバーグレーで上品に光るウールコート、光の変化でダイヤモンドのようにキラリと輝くワンピース、時には青く、時には紫に変化するシルクシフォンのストール、すべて岩手県の木炭で染められた商品で、5年前からクワン(岩手県盛岡市)が「南部炭染」ブランドで全国展開している。木炭の生産時に出る木炭くずをファンデーションほどの微粒子に砕き、水溶化して染料に用いる。天然繊維やセルロース繊維を何度も染めることで、濃色も得られる。土にもかえるエコ染料で、上質な色と独特の光沢、ソフトな風合いが得られる。
尾州産地の糸染め企業である共和染工(愛知県一宮市)は、ウール100%糸の霜降り加工「メニック」を開発した。通常、霜降りは白い繊維と黒や紺、灰色などの色が付いた繊維を混ぜて紡績した糸が多いが、糸染めによる霜降り糸は珍しい。今回、開発したメニックは、糸染めでありながら霜降りを表現。とくに再現性が難しく、まだすべての色で霜降りが出せるわけではないが、素材を見たデザイナーからは高い評価を得ており、今年から本格的に受注に乗り出す。
帝国繊維はこのほど、リネン・ラミー混織物への新加工「バリエ」を開発した。特殊な風合いと生地表情を実現したもので、11秋冬から販売をスタートする。遠州産地の産元・機業・染工場3社と生産チームを結成し、共同展開する。バリエ加工は、特殊な生地加工で繊維上の毛羽を極限まで取り除き、特徴のあるムラ感や独特のヌメリ感を実現する。ヴィンテージ調のカジュアル感を出すことができ、麻特有のチクチク感はないため、従来の麻織物とはまったく異なる風合い・生地表情の織物に仕上がった。
ポリエステル布を超臨界二酸化炭素流体を循環させる装置中で溶解染料と分散染料で染色した。均質に染めるために装置を工夫し、染色布を視覚的及び分光学的に測色して、超臨界流体の流動や循環などの染色条件の影響を検討した。(英文)
出土した古代の繊維製品の材質調査に、0.1モルEMI-BF・エタノールのイオン液体を使用することによって金スパッタリングをせずに容易かつ鮮明な観察ができた。
英スーパークリース社は、耐洗濯性100回の折り目加工「スーパークリース」を本格販売する。学生服などで一部展開しているが、紳士スーツを中心に拡大していく考え。「スーパークリース」は特殊シリコン樹脂による加工。専用機械にパンツを載せ、折り目部分の裏に樹脂を塗るだけでプリーツができる。ウールに限らず、綿でも合繊でも加工生地を選ばない。折り目の耐洗濯性はHSTTS(独立試験機関)のテストで100回が証明された。
センカは、キトサン微粒子の持つ機能を用い、ノネナール臭(加齢臭)などの不快な臭いを吸着する機能を付与する加工薬剤を開発した。「断・加齢臭」として綿・レーヨン向けのC≠ニウール用のW≠フ2種をそろえる。センカの試験によると、「断・加齢臭」で加工した生地は、ノネナール、アンモニア、イソ吉草酸、酢酸、それぞれの吸収率が加工直後で80%、洗濯10回後90%以上(アンモニアは70%)と高い効果を示した。耐洗濯性も高く、アンモニア以外の吸収性能は洗濯を重ねることによって向上したとしている。
慶應義塾大学発のベンチャー企業、SNT(神奈川県川崎市)は、蓮の葉の表面を人工的に再現した撥水撥油加工技術を開発した。炭化水素の溶液に微粒子を混ぜ、そのなかに、対象物を一定時間漬ける。その後、溶液が乾燥すると、微粒子が自己組織化し、突起を作る。溶液をスプレーで吹き付けても同様の効果を得ることができる。さらに、フッ素化合物を使うことで、撥油機能も持つ。布をはじめ木材、紙、ガラス、金属、プラスチックなどへのコーティングが可能。
洗い加工の四川(広島県福山市)は、白金ナノコロイドを使った抗菌、消臭加工を始める。同社が使う白金ナノコロイドは京都大学とバイオフェース(京都市南区)が共同開発したもので、抗菌抗ウイルス作用があるという。この白金ナノコロイド溶液はバインダーを使わず繊維に付着させることが可能。従来の銀による抗菌加工などと同等の価格帯となる予定。耐久性も高く、80度で50回の洗濯試験後も効果が持続。
アユール(東京)は、上海事務所で、今までなかったカシミヤ、ウールで洗い加工をしても収縮せず、風合いも変化しない製品洗いの技術を開発し、横編みセーターによるODM(相手先ブランドによる設計・生産)事業を始める。カシミヤの梳毛、紡毛など、糸の段階で日本の工場で特殊加工、中国の工場で編み立て、上海の日系加工場で製品染めの加工を施す。染色、洗い加工しても収縮せず、上質なビンテージ感が得られ、風合いがソフトになる。
スポーツウエアやユニフォーム向け素材で、フッ素系の撥水撥油加工剤におけるPFOA(パーフルオロオクタン酸)のフリー化が注目されている。日本の大手フッ素メーカーが12年中を目標にPFOAを含まない加工剤への完全移行を決めていることから、従来品を使っていた素材メーカーは対応が必至となっている。
国内外の生産背景が揺らぐ中、専業及び中堅アパレルメーカーが商品の安定供給に向けた対応を機敏に打ち出している。チャイナプラスワンを模索した末の国産回帰、生産拠点に対する早期発注などの対策を打ち出し、品質を維持しながらスムーズな商品供給を目指している。緊急の課題は、旧正月前後の生産計画。各アパレルメーカーは物作りの大きな構造変化にあって、次の布石に余念がない。ここでは、各アパレルの状況を紹介している。
古き良きアメリカのマーケットを彩ったカジュアルブランドの復刻が相次いでいる。日本のメンズマーケットでは価格志向の反動から本物志向への流れが始まり、歴史や生産背景、ストーリーのあるブランドを求める小売店が増えたためだ。加えて、ワークやミリタリーなどアメカジの流れが継続していることも後押しした。復刻ブランドでも、当時のものを忠実に再現する一方で、今のマーケットに合うような現代的なアレンジが不可欠だ。特にサイズ感が重要となる。
ワコールは、やわらかい風合いの機能糸を使ったベビーインナー「スゴ触(スゴショク)」、新陳代謝の活発なベビーのために快適性にこだわった「スゴ快(スゴカイ)」を、2月1日から発売する。スゴ触では、ソフトな風合いの無撚糸(綿)にナイロン糸を添わせ、肌触りのよい無撚の柔らかさを生かした着心地のよい素材を使用。スゴ快は、吸水速乾性に優れたポリエステル糸が水分を吸い上げ、汗を拡散する綿混ベア天竺素材を使用。
中国生産のコスト上昇、納期遅れなどのトラブルから、国内縫製を見直す動きが広がっている。「確かに仕事の量は増えてきている」(工場経営者)が、加工賃の改善にはつながらず、外国人技能実習生制度の変更に伴う負担増も相まって、倒産・廃業の流れは止まらない。成長の要である海外販売を見据える日本のFB全体にとっての危機とも言える。瀬戸際の縫製業で、現状突破策を探る取り組みが始まっている。
スポーツウエアメーカーの11年春夏物で、遮熱機能素材を使ったウエアの発売が相次いでいる。ミズノが2年かけて開発した新素材「ソーラーカット」を発表したほか、デサントも太陽光を遮断する「サンスクリーン」をブランド横断で打ち出す。ソーラーカットは、ポリエステルの芯部に特殊なポリプロピレンを使った2層構造糸を使った。ポリプロピレンは熱を伝えにくいのに加え、ポリエステルとの屈折率の違いにより各層で太陽光を反射する。
大手・上場アパレルメーカーは11年度から「攻め」の戦略を加速する。09年度の業績悪化を受け、大手の企業が10年度は不採算ブランド、売り場の整理を含め、収益改善策を最優先させた。その成果で各社の業績は回復基調にあり、昨年下期から百貨店を中心に市況に下げ止まり感が出てきたことから、11年度は大半が本格的な増収策に転じる。収益源である主力ブランドへの投資拡大と新規ブランド・事業開発、アジアを中心とした海外販売の強化が増収策の軸だ。
合繊メーカー各社が、新たな拡大・成長路線へ大きく舵を切った。08年9月のリーマンショック後の需要減退で各社とも大幅に売り上げを落とし、収益を悪化させた。このため不採算事業から撤退などの構造改革策を実施して収益態勢固めを進めてきたが、今期は厳しかった繊維産業も黒字浮上するなど構造改革策が実ってきた。これを受け、各社とも11年度からは成長・拡大へ向けた設備投資に再度注力するなど新たな成長軌道への回帰を図る。
デサントは「デサント」ブランドで、アウトドアカテゴリーの商品群「デュアリス」のグローバル展開を開始する。商品コンセプトは「都市にスペックを」で、スキーウエアで培ってきた素材やパターンなどのモノ作りのノウハウを生かし、ハイスペックな機能と都会的なファッション性を兼ね備えたアウトドア商品を提案していく。日本ではアウトドア専門店や百貨店などで展開する予定。
三陽商会は今春、メンズ、レディスのブランド横断で「花粉プロテクトコート」を打ち出す。メンズは2ブランドで1月下旬から、レディスは7ブランドで2月上旬から販売を開始する。素材には、ユニチカトレーディングの「ポランガード」を中心に、蝶理の「トリプルクロス ブラウン」、サカイオーベックスの「ポルテクト」を使用。帰宅時に玄関前でコートを脱いで軽く払うだけで、コートに付着した花粉の8割を落とすことができるという。
青山商事は、着用しても自転車を運転しやすい高い伸縮性を備えた紳士スーツを「洋服の青山」で販売する。通勤などに自転車を使うビジネスマンが増加していることを受けて開発した。上着の背裏と袖裏の上腕部に伸縮性に優れた裏地「パワーネット」を使い、腕の可動範囲を広げた。パンツも、ベルト部分の表地を斜め裁断にして、その芯にストレッチ素材を使ってウエストに伸縮性をもたせるなど、スーツ全体に伸縮性をもたせる工夫を施しているという。
ワーキングウエアを主体としたユニフォームメーカーが、機能性インナーや安全靴など周辺商品を広げている。不況が長引く中、就業人口の減少、土木・建設業界の低迷、製造業の空洞化など従来のワーキングウエアだけでは市場拡大が見込めないことから、新規アイテムの開発に力を入れる。ワークショップやホームセンターなどの販路を中心に限られたユニフォーム市場の中で、売り上げ確保を狙っている。
アパレル各社が今春以降、創設や日本での展開開始から節目の年を迎えるブランドの販売促進に相次いで乗り出す。レナウンは英「アクアスキュータム(AQ)」で150周年限定の月替わり商品を発売。ルックは20周年の「スキャパ」など4ブランドでイベントなどを仕掛ける。販売に底打ち感が出る中で、ブランドの世界観を再発信し、需要開拓できる好機とみて売り込む。
レナウンは今春夏物から、百貨店向けを中心とした婦人・紳士服計7ブランドで、シキボウの綿素材「デュアルアクション」を使用した商品を販売する。同社が婦人、紳士服でブランドを横断して素材を調達し、一斉に製品を販売するのは初めて。原料価格が高騰し、アパレルメーカーにとって素材調達の見直しが迫られる中、ブランド単位ではなく、全社的に素材メーカーと直接取り組み、大量に素材を調達することで「品質向上と仕入れコストの抑制」を図る。
中小のアパレル企業が海外生産の中国依存を見直し始めた。人件費の上昇や人民元切り上げなどへの懸念から、バングラデシュやインドといった周辺国に生産拠点を相次ぎ新設。中国から生産をシフトしてリスク分散を図る。ファーストリテイリングなど大手で進む脱中国の動きが中小にも広がってきた。
PB拡大路線を進めるGMS(総合小売業)市場だが、ファッション分野ではNBに勢いがある。とくにメンズフロアは中高年を主対象に、販売員による接客サービスを武器とする自主管理型売り場が復調している。この間、流通構造が激変する中、GMSが顧客に求められる役割も変わってきた。「格安」「セルフ販売」「単品集積」「おじさん臭い」などの従来型の売り場には飽き足らない顧客層が増えている。
米ラスベガスで開かれたカジュアル展示会は、ビンテージテイスト一色になった。米ブランドでは大手から新興までが着古し感や色あせの経年加工の表現を強めていた。差別化のポイントは「高品質な素材使い」「企画開発力」「生産背景」になっている。
岩手県が岩手、秋田、青森の縫製工場と、アパレルメーカー・小売業、商社などとの商談会「北東北三県域アパレル企業ビジネスマッチングフォーラム」を開いた。「メード・イン・ジャパンを見直したい。国内の現実を知りたい。」など国内の強みを生かした物づくりを進めたいといった声が聞かれた。
春節の大型連休が明けた中国で、農村の出稼ぎ労働者(農民工)華東地域の縫製工場に戻る率が高まっている。90%以上が大半で、納期遅れは「昨年ほど大きく問題化していない」状況だ。沿岸部で賃金引き上げや労働条件の改善などにより、農民工の職場復帰を促し、商品の納期を前倒しし、内陸部に新工場や協力工場を増やして生産能力を増強したことが背景にある。ただし、中西部への産業移転と労働力の回帰、沿岸部と内陸部の農民工の争奪戦の激化、生産コストの上昇は続くと予想され、戦略的な生産体制の構築が今後も求められている。
GMSの撤廃や業務転換、工場の海外移転や廃業に伴う跡地が増える中、NSC(近隣型ショッピングセンター)やパワーセンターの開発が再び活発化している。建物と駐車場を作れば後はテナント任せといった従来型ではなく、商圏特性に合ったテナント専門店の誘致などに配慮したタイプが生まれている。
東京都内で女性のランニング愛好者向け商戦が盛り上がっている。百貨店では化粧品会社などと連携した期間限定売り場や、マッサージを割引する新サービスが登場。スポーツ用品メーカーもウエアの着こなし方などを解説するトレーラーハウスを繁華街に開設する。約9千人の女性が参加予定の東京マラソンが2月に迫り、マラソンとファッションに関心を持つ女性客の集客を目指す。
野村総研のメディア向けセミナーで今後10年間の小売業の変化についての講演があった。小売業の競争力は、事業運営の仕組み作りが重要な要素になる。消費者の選択基準である「利便性」「専門性」「総合性」いずれかの方向で、この仕組みを磨き上げ、リスクを管理し得た業態・企業が生き残るという。
スマートフォン(高機能携帯電話)の通信販売利用が広がり始めている。楽天やヤフー、ニッセンなどの通販各社が10年から相次いで対応に乗り出した。10年度のスマートフォン出荷台数は前年度比3倍と推定され、利用者の拡大が見込まれる。
日本ショッピングセンター協会は、「第35回日本SC全国大会」を開き、「逆境を好機に」をテーマにシンポジウムを開いた。新たな課題を浮き彫りにし、今後の成長を探っている。
服飾雑貨を主に扱う企業の中で、再び新規出店を強化する動きが出始めている。いずれの企業も、この1〜2年は内部固めや既存店のテコ入れに注力していたが、それのめどが立ったと判断し、出店再開の方針を明確に打ち出している。
中国商業聯合会のリポート、国家統計局統計及び現地報道などに基づき中国小売業の10年の動向と11年の展望をまとめている。10年はマクロ調整の強化を図り、小売総額が前年比実質15%増加した。
10年(1〜12月)の大型小売店の総売上高は、百貨店、量販店、SCともに前年実績を下回った。百貨店と量販店は98年から13年連続で総売上高が減少し、百貨店は5兆円台、量販店は12兆円台に落ち込んだままだ。SCも01年の調査開始以降、全国で拡大する施設や売り場面積に比例して総売上高を伸ばしてきたが08年秋のリーマンショックを契機に09年は1.3%減となり10年も1.4%減(旧基準)と振るわなかった。
衣料品の収益モデルが再構築を迫られている。百貨店の衣料品売り上げは99年から連続して前年実績を下回り、量販店はピークの92年を境に減少が続く。収益の柱だった衣料品の売り上げ、利益ともに減少に歯止めがかかっていない。百貨店は地方店や不採算店での適品不足による販売機会ロスが増え、量販店は商品の同質化による顧客離れが深刻になった。取引構造の見直し、新たな独自商品の拡大など衣料品事業構造の転換が避けられなくなっている。
都心型の婦人服専門店が新市場と位置付けるモール型SCに出たり、生活雑貨など新商材を扱う業態を立ち上げたりで、これまで対象としていなかった層にアプローチし、客層を広げようとする動きが強まっている。
大手セレクトショップによる今春の新規出店は、前シーズンに比べ、大幅に増える。3月から5月にかけて開業する商業施設に、ベイクルーズグループ、ユナイテッドアローズ、ビームス、シップスの出店が集中するためだ。博多、大阪のほか首都圏でもファッションビルへの出店が相次ぐ。既存業態だけでなく、新規業態の出店や業態複合、レディスに特化した店舗など、立地特性に合わせた出店が多い。
欧米高級ブランドの日本事業に底入れの兆しが出ている。最大手仏モエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)の減収幅が縮小したほか、増収に転じる企業も増えた。株価持ち直しで富裕層の購買意欲が戻っているほか、各社の顧客層を広げる戦略が奏功。ただリーマンショック前の水準には戻っておらず、「ブランド離れ」といわれる若年層をどう獲得するかがカギを握る。
多くの中国人が訪れる春節の大型連休に合わせ、国内37の主要百貨店が翻訳機能付き端末機を一斉に導入した。タッチパネルに触れると試着や支払について音声で質問したりでき、中国人客が買い物しやすい環境をつくり、売り上げ増につなげる。
セブン−イレブン・ジャパンは2月に東京都内2ヵ所の集合住宅を対象に「買い物弱者」支援の実験を始めた。操作が簡単なタブレット型端末を配布、店頭商品などを宅配やクリーニングサービスも提供する。
デトロイト・トウシュ・トマツが発表した世界の小売業売上高09年度ランキングよると上位250社の売上高伸び率は1%にとどまり、08年度に比べ5ポイント低かった。日本の小売業はセブン&アイ16位、イオン18位、ヤマダ電機37位が上位50社に。
春節(旧正月)に伴う中国の大型連休(2〜8日)期間中、国内の家電量販店や一部百貨店は訪日中国人客らでにぎわった。団体客の伸びはいまひとつだったが、個人客が高額品を購入する姿が目立ち、地方を訪れる観光客の数も増えたもよう。昨年秋に落ち込んだ訪日中国人客は回復傾向にあるとみられ、今後も消費の下支えを期待される存在となりそうだ。
10〜12年秋冬のあったか機能インナー商戦は、立ち上がりは気温が下がらず売れ行きが心配されたが、大手小売業中心に今月末にかけて計画数量をほぼ売り切る見通しだ。主要企業だけで1億3000枚を超える。ユニクロやしまむらは品薄となった前年の反省から在庫を確保し、寒さの厳しかった年明け以降にも売り上げを伸ばした。飽和化が危惧されつつも、来秋冬も定番アイテムとして期待されそうだ。
11年の全米小売業大会は、モバイルをテーマにしたセッションが急増した。展示場では、次世代のデジタルサイネージ(電子看板)が提案された。このように小売業をデジタルパワーが席巻している。
繊研新聞社が推計した09年度の紳士スラックス(綿パンツなどを除く)小売り市場規模は、販売金額730億円(前年比5.0%減)、販売本数1595万本(1.7%減)だった。百貨店や量販店が販売本数を減らす一方で、専門店業態が販売額、販売本数共に伸ばしている。郊外型専門店は微減で推移しているが、中心価格1900円前後の低価格品を販売する総合衣料品店の存在感が大きくなっているためだ。
11年春は都心部を中心に大型商業施設が相次いで開業する。大型施設の開業は、エリア内の競合を生みつつも施設毎の役割を明確にし、むしろエリア間、都市間の競合を意識させるものになっている。エリア、都市の魅力を高めるために何が必要かが問われている。都市近郊の商業集中地域ではコンパクトな街づくり、世代やライフステージを越えた様々なニーズの取り込みも始まった。
小売り大手の海外収益が拡大している。中国や韓国、東南アジアなどでの積極出店が実を結び、収益への寄与が鮮明になってきた。
都心の国道沿いの立地で成長してきた紳士服専門店チェーンがスーツ需要の減少や人口の都心回帰、若者の車離れなどを背景に、出店立地を都心にシフトしている。最大手の青山商事が主力業態の大型店出店で先行し、AOKIは主要業態のほかファミリー向け業態「オリヒカ」で積極出店している。
モエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)など欧州の高級品大手4社の2010年度決算は、日本を除くアジアの売上高は現地通貨ベースで前年度比2〜4割伸び、全体の占める割合が30%に迫る勢い。リーマンショックで落ち込んでいた欧州と米国も復調してきた。一方で日本は低迷が続いて、存在感が薄くなった。
繊維ファッションSCM推進協議会が推進するTA(テキスタイル・アパレル)プロジェトは11年度、製造工程の情報共有化を検討する新たな段階に入る。他にSCM統一伝票、取引ガイドラインの普及等がある。
本誌の連載記事で、今回はアイテム別のチェックポイントを特集した。その基礎データとして、11アイテムそれぞれについて、事故の発生箇所の一覧表を掲げ、事故の発生が多い部位を選定し、そこをチェックポイントに定めた。例えばジャケットでは前衿、袖口など14部位が挙げられた。4アイテムについては、図入りでチェック部位が示されている。
商業クリーニング用の洗浄剤に対する各社の動向を企業別に伝えた報告で、化学工業日報〔11・1・14〕よりの転載。日華化学は、100%植物性原料のランドリー用洗剤など環境配慮型製品に注力する。ゲンブは消臭・抗菌製品を揃える。ライオンは、福祉・介護、病院分野の総合管理に乗り出す。アルベスは、油汚れを落とす作業着用洗剤など,特殊分野を狙う。
シミ抜き作業を、客への情報提供、店頭の受付、シミ抜き技術、講習会、有料化の手法などを通した「しみ抜き診療所」と名づけたシステムを、ラクナグルグループが提案した。一般シミ抜きRMと、特殊シミ抜きRT(漂白剤など)に分け、それぞれのシミ抜き剤が用意された。シミ抜き作業は、RTのみ有料(500〜1500円)だが、シミが落ちない場合は、無料。
売り場の目では、潟Cンテージによる衣料用洗剤の市場規模が示されており、10年は1248億円、前年比7%増であった。内訳は液体タイプ51%、粉末タイプが47%と初めて液体が上回った。消費者の目には、購入時に重視する点は「値ごろ感」62%、「洗浄力が強い」43%、「香りが良い」38%と続いた。
防炎加工にはハロゲンを含む加工剤が使用されてきたが、難分解性かつ蓄積性であるので、関連業界では廃止の動きである。そこで日華化学では、リン系の防炎剤を発表した。これは従来の臭素系に匹敵する防炎効果があり、ポリエステル繊維への吸尽性が高く、加工時の排水負担が低く、紫外線による変化が少なく、環境毒性が低い。耐洗濯性は、水もドライも高い。
身体に負担が少なく補正効果があり、かつ保温効果のある着圧ソックスの製品開発のための設計指針を提案した。20代前半の成人女性8名の被験者による着用実験から、足趾を温かく、かつ靴内に収まる足部の容積の増加量を少なくするためには、"足囲はきつめに"、"足首部はちょうどよい"程度の圧迫に止めるべきであるという結論となった。そのときの被服圧の試算から、足首部は15.2hPaまで、土踏まず部で34.7±7.1hPaまでという数値が得られた。
今どきの20代の消費者像を探っている。「欲しがらない」「買わない」といったイメージで語られることが多いが、自ら働き手として社会に跳び出す女性が増加。インターネットや携帯電話の普及で、人と人のつながりも大きく変わっている。
中学生の成長は著しく、文科省の2010年度学校保健統計調査によると、入学から卒業までに男子は身長が平均で15.8センチ、女子は5.2センチ伸び、体重は男子が15キロ、女子は8キロ増える。福岡市内にはPTAが中心となって制服を融通し合う中学が多くある。ジャージや体操着、コートも対象。公立中学校で制服にかかるお金は平均で2万547円。1年生に限れば4万8637円にのぼる。横浜市の中学では校舎内に箱を置き、集まった制服はPTAがクリーニングに出し、学校で保管する。転入生にサイズの合うものを手渡している。
P4〜11 国民生活センターは、インターネットを中心に市販されている防災頭巾の中から販売価格が3千円以下の16銘柄を選びテストした。検体購入10年6〜7月、テスト実施10年6〜8月。すべての銘柄で防災性能を謳っていたが表現がさまざまであった。また、性能試験で燃焼が続き焼失するものがあった。洗濯できるか分からないもの、寸法表示のないものもあった。衝撃吸収性能試験では衝撃吸収性能を高める工夫をした銘柄もあった。消費者へのアドバイスとしては定期的に点検すること。事業者へは、消費者に誤解を与えないような表示や大きさの表示をするよう要望し、より優れた性能を有する商品開発を望む。
泥はねし汚れたズボンをクリーニングに出したら汚れ部分がこすったように白く色落ち。原因は顔料剥がれ。表示に取扱い注意が記載されており、お手入れには注意。
(独)製品評価技術基盤機構(NITE)のまとめで、05〜09年度の5年間でガスコンロや電器ストーブなどを使用中に衣服に火が燃え移る事故により39人が死亡、41人が重軽傷を負っていた。亡くなった8割以上が70歳以上の高齢者で、うっかり火に近づいてしまい事故にあった人が多いとみられる。
衣料品大手で商品機能や素材、原産国の表示ミスが相次いでいる。レナウンは形態安定のミス、三陽商会はカシミヤの素材ミス、ユナイテッドアローズは中国製をイタリア製とするなど表示ミスが38商品発覚した。過去にもあり、管理を徹底できない事態がみられている。
融点の低い化繊素材や芯地を接着した生地で発生するミシン針への生地・糊の付着トラブル(生地の針への付着、目飛び・糸切れの発生など)について対策を述べている。対策はミシン針温度の上昇を抑えること、粘着物がミシン針に付着しないようにすることであるが、前者についてはまず縫製速度を下げ、細い針を使用する。ミシン針としては、LPコーティング針(非粘着性の高い表面処理)やHPコーティング針(微細な凹凸処理とフッ素樹脂コーティング)の使用が考えられる。
中国経済運営の指針である第12次5ヵ年計画(11〜15年)がスタートする11年の繊維・ファッションビジネス業界では@国内消費旺盛A新規商業施設の相次ぐ開業B日本ブランドの出店続くCネット販売の拡大D生産コストが引き続き上昇E中西部への生産移転がさらに進むF省エネ、旧設備の廃棄続く、などが予想される。
環境生活文化機構は「繊維リサイクル普及のためのシンポジウム」を開催した。消費者の環境意識が、社会や衣類への価値観の変化と共に高まっていることや、リサイクルを広げる上での消費者への訴え方などを報告。
欧州で4年ごとに開催される国際繊維機械展「ITMA2011」が9月22〜29日、スペインのバルセロナで開催される。今回は新たに天然・合成・工業用繊維・糸のセクターを増設し、繊維産業の川上から川下までカバーする見本市になる。また今回は60周年を迎えるのを記念して、会期前日の21日に「ワールド・テキスタイル・サミット」を開き、アナン前国連事務総長が講演する。
日本繊維産業連盟は平成23年活動方針として、繊維ビジョン(繊維産業の展望と課題)の指針に基づきつつも、新しい環境変化への対応を取り入れた7つの項目をもとに活動を推進する。「工商一体のトータルインダストリー」として、サプライチェーン全体で産業としての生き残りに取り組んでいく。
抗菌防臭加工や抗かび加工などの認証マーク(SEK)が海外展開を始める。繊維評価技術協議会(JTETC)は、中国、台湾、香港、韓国ではSEK マークの商標を取得、4月からこれらの国・地域で販売を解禁する
CSR(企業の社会的責任)活動として、発展途上国の低取得者(BOP=ベース・オブ・ピラミッド)の自立支援などに取り組み動きが、日本でも始まっている。「戦略的フィランソロピー・フォーラム〜BOP市場における持続的可能なソーシャル・ビジネス・モデル構築への挑戦」が開催され、多数が来場した。
国内で不用衣料を回収、途上国や難民の支援を行っているNPO日本救済衣料センターは、10年の寄贈実績557トンとなり、最近10年で最高の水準になった。アパレル業界での取り組みや個人の寄贈も広がっているが、一方で運送コストの負担や受入国側のボランティア体制のなどの課題も少なくない。
10年の中国繊維産業は金融危機の影響が未だに解消されないという複雑な経済環境の中、経営面では徐々に好転、利益率も向上した。工業生産額、生産投資がともに回復。内需が持続的に拡大、輸出も徐々に回復するなど好転したという。中国紡織工業協会、中国繊維品進出出口商会のレポート、国家統計局、海関統計などに基づき繊維産業の10年の動向と11年の展望をまとめた。
クリーニング操作を正しく行っても事故になる製品を、本書では「難洗衣料」と呼ぶ。その種の製品の事故事例が、鮮明な1ページ大のカラー写真で101例、紹介されている。いずれも多数の図版を挿入した解説が付いている。事故防止や苦情処理に強い味方となる。住連木政司編著。B5版248p、本体価格12,000円 発行:品質情報研究所
@4月22日A京都市産業技術研究所 B圧的側面からみた健康・快適と製品設計、靴下の圧迫快適性、加圧トレーニングによる生体の適応変化、加圧ストッキングが低血圧に伴う女性のめまいに及ぼす影響、姿勢を意識するウェア「シセイスト」の商品開発C日本繊維製品消費科学会 TEL:06−6358−1441
@5月18日〜19日A大阪科学技術センターBテキスタイル概論、繊維の材料(天然繊維と化学繊維)、不織布、染色・仕上げ、縫製、布の性能評価、他C日本繊維機械学会 TEL:06-6443-4691
@4月21日A福井工業技術センター 講堂B東レグループの高機能繊維とその展開、長繊維ポリエステルナノファイバーナノフロントの特性を生かした高機能テキスタイル、シルファインN薄地織物について、快適インナー素材について、他C福井工業技術センター TEL:0776-55-0665
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:中島利誠/発行人:大谷芳男