ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧(2003年度:第20巻〜)→
日本のファッション、デザイン、食文化、伝統工芸、サービスなども含んだ日本の生活文化を世界に発信し、関連産業の活性化を目的にした「クール・ジャパン戦略」とともに、実際の日本をブランド化する政策を紹介している。
厚生労働省は12年度から現役大学生の就職支援を強化する。若者向けハローワークの就職相談員を300人増やして全国の大学に派遣、大学3年生から就職について個人指導する。
EUは、日本から同地域へ繊維製品を輸出する時に原産地証明書または原産地申告書の提出を求めるEU規制の廃止を規則に定め、11月に施行した。規制は70年代に義務付けられていた。
総務省の11年の全国消費者物価指数は、値動きの激しい生鮮食品を除くベースで前年比0.3%低下、3年連続して前年を下回った。川上の製品は上昇した分の価格転嫁が進まず、川下デフレが企業収益を圧迫しそう。
厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所の「将来推計人口」を公表、60年の日本の人口は8674万人と10年比32%減少するとした。65歳以上が占める割合が5人に2人を占め、生涯未婚比率が2割になる。
内閣府は、景気動向指数の改善策のなかで、日経商品指数42種の見方を従来の前年同月比の変化から、指数そのものの水準をみる方法に改めた。前年同月比だと、景気循環が見やすい半面、先行性が強く出てしまうため。
政府は、家電製品や食品などに絡んで消費者が被害に遭った事故の原因を究明する「消費者安全調査委員会」の新設などを盛った消費者安全法改正案を閣議決定し、国会に提出した。成立後、10月に事故調査機関が発足予定。
商標を無断使用したグッズがネット販売された場合に、取引の場を提供したネットモールの運営元が商標権侵害の責任を負うかが争われた訴訟の控訴審判決が知的財産高裁であり、「侵害を容認、放置すれば運営元にも責任が生じる」との初めて判断を示した。
特許庁は、ベトナム国家知的財産省と知的財産の協力覚書を締結した。覚書にはベトナムの知的財産保護促進を目指した政策に対する助言や審査手続きの簡素化、知的財産管理システムの強化、知的財産普及支援や人材育成といった包括的な協力内容が盛り込まれている。
財務省貿易統計をもとに日本繊維輸入組合がまとめた11年の衣類輸入は数量、金額ともに高い数字を示した。数量でも前年比6.1%増、円ベースで11.9%増を記録。数字を裏付けるような市況の急回復は実感できないものの、中国からの輸入が復調したほか、円高も作用したとみられる。注目は、東南アジア諸国連合からの輸入急増で、40%以上伸びた。シェアも10%を超え、チャイナプラスワンの開拓が急速に 進んだことを実証した。
一定速度で走行している糸にLED面発光フラット照明をあて、背面からカメラでグレースケール画像として撮った。この画像から糸長方向の幅の変動分布を求め、フーリエ変換による基本周期から撚り数を求めた。解撚法による撚り数と比較検討した結果、概ね10%以内で一致した。
合繊メーカー各社が、新素材の開発を活発化させている。今や世界の合繊生産に占める日本メーカーの数量シェアはごくわずかとなったが、先端技術では依然、世界をリードしている。歴史的円高など厳しい経済環境もあって当面、経営効率化の努力は続くが、構造改革に一定のめどをつけ、次は新たな原糸やテキスタイル、加工などの開発で成長に転じる構えだ。ここでは、合繊各社の最近の動向を紹介している。
繊維評価技術協議会は現在、洗濯によって繊維製品が受ける物理的・機械的作用である「洗濯作用力」の測定を可能にする測定布(WATクロス)と簡易評価用スケール(WATスケール)の開発を進めている。すでに開発も最終段階に入り、早ければ年内にも洗濯作用力の試験方法が完成する見通しだ。WATクロスは、綿100%精練漂白仕上げ加工布にカーボンブラックを中心としたプリント糊で測定部をプリントした織物。これをISO 6330負荷布に縫い付けて指定条件で洗濯し、プリント部分の色相変化から洗濯作用力を測定する。
帝人ファイバーは、ポリエステルナノファイバー「ナノフロント」で、世界最細クラスとなる直径400ナノメートルの量産化を決定、12年度中に本格販売を開始する。極細の280ナノ糸でも早期の量産化を目指すほか、ポリエステル以外のポリマーを使ったナノファイバーの開発も進める。特に高性能エアフィルターなどの用途で400ナノタイプを使用することにより、通気性を高めながら、より微細なほこりを捕集する性能の向上を図れるという。
日本化学繊維協会の11年の「内外の化学繊維生産動向」で、世界の全繊維生産量は7671万トン(前年比8%増)と史上最高を記録した。綿花高騰により、ポリエステルが代替需要増加、綿花作付面積増で綿が増加している。
ユニチカトレーディングは、全天候型の保温素材「ラジポカ」、「サーモトロン・ラジポカ」を多用途に拡販する。ラジポカは、遠赤外線放射効果を持つ特殊機能剤を繊維に練り込むことで保温性を出す。光が届きにくい室内でも効率的に遠赤外線を放出する。サーモトロン・ラジポカは、複合紡糸技術を生かし、1本の繊維に遠赤外線放射と吸光熱変換の2種類の機能剤を練りこむことで相乗効果により保温効果を増す。
東レは、滅菌洗濯に対応したポリエステルユニホーム素材を開発した。ナノスケールの後加工技術「ナノモディ」を使い高圧水蒸気を使った滅菌洗濯を繰り返しても、布帛強度低下を抑制する。これはナノスケールの後加工技術ナノモディを応用した。ポリエステルのポリマー鎖の活性末端を不活性化する特殊な機能薬剤を素材内部まで浸透させ、高い耐加水分解性を付与する。
耐熱性、耐燃性、耐薬品性に優れているポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維は、PETと同様に溶融物からの急冷で非晶性の材料が得られるように、延伸と熱処理によって内部構造を変えた繊維を作ることができる。これらの繊維の構造を広角X線解析と熱分析で測定し、また、力学特性を測定することによって構造と力学特性の関係を検討した。
シルクは家蚕シルクが一般的に知られているが、地球上の昆虫の種や亜種などにより多種多様な繭が作られている。それらから生糸や絹紡糸が作られ、衣料素材として利用されてきた。また、シルク商品は昔から評価が高いが、最近はシルク100%商品と表示した粗悪品もある。そのため何のシルクかを見分けることが重要となってきている。各種シルクの形態的特性を明らかにするため、光学顕微鏡、透過および走査型電子顕微鏡で繭糸を比較観察し、それらの繭糸特性から繭糸の見分け方を試みた。
人造繊維の歴史の中で破壊的イノベーションに値する革新的な繊維・不織布の素材と製糸技術を振り返り、現在の繊維素材と製糸技術の課題と解決するための新たな潮流を概観した。
出土した絹文化財をFTIRで分析し、現代絹とのIRスペクトルの違いを検討した。その結果、出土した古代絹ではamideUが特徴的に崩壊し、非晶鎖の切断が進み相対的に結晶化度が上昇しもろくなっていくと考えられた。
帝人グループはアサヒグループホールディングスの中国拠点2社と共同で、ポリエステル製防寒ユニフォームの循環型リサイクルプログラムを展開する。これは農業・乳業事業を展開する山東朝日緑源農業高新技術と山東朝日緑源乳業の2社合計約200人が着用するというもの。回収後は帝人ファイバーの松山事業所内にあるケミカルリサイクル工場に運搬され、石油から製造するものと同じ品質のポリエステルとして再生される。
ナノテクノロジーに関するベンチャー企業、環境・エネルギーナノ技術研究所(長野県北安曇郡)はこのほど、名古屋工業大学との共同研究で独自の水中アーク放電式によるカーボンナノホーン(CNH)の大量合成技術を開発した。現在、用途開発を進めており、繊維に配合することで放射線を遮蔽する防護服等の開発が可能になるとしている。
東レはナノファイバー製造技術を進化させている。500ナノメートルのナノファイバーの量産技術を確立したほか、異形断面糸や300ナノメートルのナノファイバーの開発にも成功した。今回開発した製造技術は、従来の海島複合紡糸技術を進化させ、流動状態のポリマーのこれまで以上の精密な配置を可能にしている。従来以上の極細化で、テキスタイルにした場合の生地表面積が増し、高摩擦性、密着性、吸着性などナノファイバーの特性が高まった。
電力不足による節電要請が確実視されるなか、快適機能素材に対する需要は今年も高まることが予測される。十分に対応しきれなかった昨夏に比べ、素材メーカー各社は今年の盛夏、クールビズ(CB)に向けて、本格的な取り組みで素材提案を進めてきた。合繊素材も参入し、様々な高機能素材の乱立が予想されるなか、顧客に対して最適な提案をどのように進めたか、消費者がどの程度その快適性を体感できるかがポイントとなる。ここでは、各社の新商品を紹介している。
福井大学とクラレは、金属イオンの回収が可能な不織布を開発した。海水や工業廃液などに含まれる金属イオンを選択的に回収できるため、好きな金属を好きなだけ回収できる。電池向けに需要の増大が見込まれるリチウムなど、レアメタル回収への応用も可能だ。芯にポリエステル、鞘にエバールを配置した芯鞘複合糸「ソフィスタ」を不織布化した「フレクスター」を使用。電子線グラフト重合と呼ばれる特殊加工を施し、繊維に金属イオンが吸着しやすい官能基を形成させた。
東レは味の素と、バイオベースナイロンの事業化に向けた共同研究契約を締結した。同社が共同で研究開発するバイオベースナイロンの原料は、味の素グループの主力製品であるアミノ酸リジン。リジンを酵素反応により脱炭酸することで「ペンタン−1・5−ジアミン」を製造、東レがジカルボン酸と重合することによりバイオベースナイロンを製造する。このナイロン56(植物度47%)は、従来のナイロンと比べ、強度や耐熱性が同等で、綿に近い吸放湿性、接触冷感などの特長がある。
東洋紡STCは13年春夏ファイバーで快適機能素材の提案と新たな売り先の開拓を進める。新素材の「ウルトラクール」は、3層構造の長短特殊複合紡績糸である。長繊維の芯に、改質した綿を複合し、さらに外側に扁平断面のポリエステル長繊維を配し、多量の発汗時にも肌離れ性を維持する。外側の扁平糸により接触冷感を保つ。
米ココナ(コロラド州)の活性微粒子「ココナ・ナチュラルテクノロジー」を使った吸汗速乾素材である。不要なココナツの殻から作った活性炭をポリエステル繊維の中に練り込む技術を開発した。活性炭素の微細な多孔質構造により繊維の表面積が増大、湿気を素早く吸い取り拡散するため吸水速乾性に優れる。環境に優しく、紫外線防止、防臭性などの機能もある。原料の色が残るため白い衣料には不向きだったが、同様の技術でココナツでなく鉱石を練り込んだ白い糸のタイプを開発し、事業が拡大した。
導電性フィラーを樹脂に混練した面状発熱体は衝撃強度が低下する欠点がある。ここでは黒鉛粉末を各種の織物表面にプリントして固着させた面状発熱体の開発を試みた。その結果、平滑性の高いポリエステル織物が発熱体として最も適していた。
洗い加工の四川(広島県福山市)では、11年秋から開始した染め技法の墨流しが好調だ。実際に染める工程を見て、「面白い」と好反応を示すアパレルメーカーも少なくない。製品を染める形でスタートし、オーダーは順調に埋まっている。生地ベースでの引き合いも出てきている。液体に浮かべる染料で模様が生まれるので不安定だが、それを一点物として打ち出せる点が魅力となる。
現在の有版式捺染に替わる次世代の捺染システムとして注目が高まるデジタル捺染システム。ハードウエアであるインクジェット(IJ)捺染機の進化は目覚しく、いよいよ本格普及の兆しを見せる。だが、染色技術者の中には「IJ捺染」には味≠ェないとIJ捺染を有版式捺染の完全な代替とすることに懐疑的な見方も存在する。ここでは、その意味を探り、紹介している。
疎水性の強いPET繊維の親水化の方法として、真空あるいは減圧下ではなく種々の雰囲気の大気圧中で連続したプラズマ処理法を試みた。大気圧中でのプラズマ処理によっても、単繊維のぬれ性、吸水性や洗浄性、染色性の向上が見られた。
日常生活環境の中で、紫外線、虫害(ダニ)、ウイルス、花粉、アレルゲン、電磁波、放射線などの有害物に遭遇する機会が多い。これらの有害物に起因する人体の健康への悪影響を軽減するための繊維製品の役割は大きく、有害物を遮蔽する各種の機能性繊維製品が提案されている。紫外線遮蔽、防ダニ、抗ウイルス、花粉付着防止、抗アレルゲン、電磁波シールド、放射線防御を取り上げ、定義、試験法、更に付与技術の概要を述べる。
「安心・安全」に関しては、「有害物を遮蔽」する以外に、帯電防止、燃焼・防炎、スライディング摩擦溶融、たばこ火防融、遊離ホルムアルデヒド、皮膚障害などの危害から人体を守るための繊維製品の役割も大きい。繊維製品分野における、これらの代表的な危害の低減技術、定義、試験法及び付与技術の概要を述べる。
長瀬産業が新たな捺染技術を事業化する。長年、開発を進めてきた静電ダイレクトプリント、静電昇華プリント、インクジェット用インクの各技術を「DENATEX」のブランドに集約し、今月から営業活動を始める。第1弾は前処理不要のインクジェット捺染技術。インクと並んでインクジェット捺染のコスト高要因となっていた前処理だけに、同技術のインパクトは大きい。さらに今秋には静電電子捺染の本格化も予定する。果たして、同社の新捺染技術は業界に新風を吹き込むかどうか、注目される。
小松精練は新素材「テクノビンテージFL」を開発し、15日にパリのプルミエール・ヴィジョン(PV)で発表した。フルダル糸などを使わずに、陰影感のあるマットな表情やビンテージ感を出せる加工。ブライト糸、生機をそのまま使えるコストメリットが大きい。同社は、繊維表面にダメージを与える「特殊ウエット・ラビング装置」を独自設計で開発した。繊維の一本一本を膨張させるとともに膨らみ感を与えることで、マットな表情を出せる。
繊維評価技術協議会(繊技協)が認証する「SEKマーク」の認証基準のうち、加工剤の安全性試験方法が4月1日から全面改正されることがほぼ確実な見通しとなった。動物愛護の観点から動物試験代替法を採用し、経済協力開発機構(OECD)ガイドラインに基づく試験方法を全面的に採用する。3月2日の繊技協安全性委員会で正式に決定する方向だ。
大原パラヂウム(京都)は加齢臭の原因といわれる成分「ノネナール」の臭いを消す加工剤「パラファインNS300」と「パラファインNS350」を開発した。あらゆる素材に対応でき、抗菌性も併せ持つ。1時間後でアンモニアや酢酸、ノネナール臭が約90%消え、抗菌性も4.0をクリアする。家庭洗濯にも耐えられ、効果は半永久的に持続する。
30秒で80%以上の臭いをカットするという驚きのスピード消臭を実現させた高機能消臭材「イノドールクイック」を使用し、かつ、発熱と保温のW温感機能を加えた長袖シャツを紹介する。
チャイナプラスワンの本格化を迎えるにあたって、各国のアパレル生産について格付けをおこなっている。中国を14点とすると、13点にインドネシア、12点にミャンマーが続いている。
展示会・見本市・コレクションなどの名称、日程、開催都市を掲載。欧州173、米州191、アジア64、日本61がある。
エドウインは、米ロサンゼルスに現地法人、エドウインUSAを3月にも設立する計画だ。現地でジーンズの生産を開始し、米国の高級品市場を開拓する。今回、同社の取引先である大手ジーンズ加工場の豊和(岡山県倉敷市)がロサンゼルスの加工場デニムテックを買収し、米国生産の仕組みが構築できた。カイハラが米綿を使用してデニム生地を日本で生産し、米国に輸出する。ロサンゼルスなどにある工場を活用して縫製、ホーワ・デニムテックUSAで加工する。
11年の日本の繊維品輸出は過去最高の95億ドルとなる見通しだ。高機能繊維や産業資材向けが好調で、東アジア、欧州への輸出が全体を引っ張った。欧州経済への懸念はあるが、今年は初の100億ドル超えも現実味を帯びてきた。原料、糸、織物全般に言えることは、日本の得意とする高い機能をもった商品が受け入れられている点で、スポーツ衣料向けやバッグ向けなどが人気となっている。
イトキンは4月中旬から後半に、ブランドを横断したイベントを百貨店で実施する。撥水性と通気性などがある加工「ピコア」を施した商品をレディス・メンズ16ブランドで仕掛ける。ピコアとは、糸の段階で「ナノ」より細かい「ピコ」レベルで撥水剤を浸透させたもので、通気性が良く蒸れにくい機能を備える。天然素材に加工することも可能で、今回は綿・麻などの天然素材のオリジナルの生地を各ブランドで作成した。
内向きといわれてきた皮革業界が変わろうとしている。経済産業省の支援を受け、2月ニューヨークコレクションで初めてプレゼンテーションを行うほか、イタリアの国際靴見本市ミカムや国際皮革製品見本市ミペルへの団体出展を継続する。国内市場は縮小し、業界を取り巻くグローバルな動きが活発化、さらに歴史的な円高が追い打ちをかける中、海外の販路開拓は待ったなしとなっている。
中国スポーツ市場で日系スポーツメーカーが巻き返しに動き始めた。事業規模や戦略の見直しを最優先し、再び中国市場での拡大のための体制を整えている。中国市場ではナイキ、アディダスの2強が後続を引き離す一方、勢いのあった中国メーカーは失速。日系メーカーはミズノを筆頭に、市場の特性を見つめ直し、再び攻める体制を整えている。
中国に次ぐ世界第2位の規模を誇るインドの繊維・アパレル産業。主力の欧米に加えて、輸出先として日本、中南米、アフリカなど世界中に目を向け始めた。一方、世界のアパレル企業は、30年ごろに世界最大の人口になると予測される有望市場へのアプローチを強めている。調達そして販売。今後の世界の繊維、アパレル産業を語るうえで、インドの存在感がますます高まるのは確実だ。
アシックスは4月にシンガポールとインドに現地法人を設立する。シンガポールのアシックスアジアは100%出資、アシックスインディアは丸紅との合弁となる。両国については現在、シューズを中心に現地の販売代理店を通じて事業展開しているが、現地法人によるマーケティング支援を強化、販路の開拓やブランドの認知度向上に取り組み、東南アジア、南アジア事業展開を加速する。
百貨店との取引を主とするアパレル各社が新たにファッションビルの販路を強化する。顧客層が百貨店より若いことから、対象年齢を引き下げ、価格を抑えた新ブランドを投入する。百貨店向けアパレルは顧客の根強い節約志向に加え、低価格衣料の台頭で取り巻く環境は厳しい。百貨店販路は維持しつつ、新たな販路を拡充して収益につなげる。
国際綿花評議会とコットン・インコーポレイテッドでは、共同で実施した「日本の小売市場における製品調査」の結果を発表した。同調査は「日本のアパレル市場における綿のシェアの評価」、「競合するアパレル市場を理解するため、テキスタイル技術・素材・仕上げ加工・生地などの新しいトレンドを把握し、綿製品のマーケティングと製品開発の新しい機会の確認」を目的として実施。「アパレル製品比率」、「アパレル製品の平均価格」や生産国、繊維組成比率などを明らかにしている。
紳士スーツ(フォーマル含む)の生産調整が続いている。10年のスーツ生産は、前年比6.4%減の1202万3000着だった。09年の13.1%減に比べればマイナス幅は縮小したが、2年連続の減産となっている。市場が縮小しているといわれるスーツだが、ここ数年、販売着数自体はほぼ横ばいで推移している。11年は生産着数も増加に転じていたが、昨年3月の震災がスーツを取り巻く状況を一変させた。11年の販売着数の動向が12年以降の生産にどのような影響を与えるか注目される。
東日本大震災によって外国人在留者全体が4万人以上減った中で、昨年の在留外国人技能実習生数は、前年比で44.7%増の14万4718人となった。外国人技能実習生を受け入れている団体・企業で組織している岐阜県日中友好技能実習協同組合連合会は26日、岐阜で佐藤修入管協会専務理事を招いて「出入国管理難民認定法改正」に関する勉強会を開き、その席上で佐藤専務理事が報告した。
紳士スラックスメーカーのスリーティーは12年冬物から、ラオスで生産したウール100%マシンウオッシャブルスラックスの販売を開始する。チャイナプラスワンの一つとして、品質重視の工場を東南アジアで確保するのが狙い。マシンウオッシャブルは、通常のスラックスに比べて、ウオッシャブルに対応する加工設備が必要のほか、縫製難度も高いため3年がかりで準備を進めてきた。日本市場で販売できる品質のスラックスが生産できる見通しとなったため、生産を決めた。
日本企業が民主化を進めるミャンマーに急接近している。欧米による経済制裁の緩和・解除や欧米企業の動向をにらみ、商用目的の渡航者が急増。投資や市場開拓を検討する動きが活発になってきた。各社は豊富な資源と6200万人の人口を抱える潜在的な成長力に着目、軍事政権下で東南アジアの発展から取り残されてきたミャンマーへの本格進出を図る。
ワールドは今春からオリジナルブランド「アイ・イー」(i・e)でスポーツ市場に本格参入する。アイ・イーは段階着圧設計、人体サポートのテーピング機能、骨盤を安定させるスタビリティー機能を軸にしたスポーツアクティブウエア。本格競技者向けの「AT1」とコンフォートタイプの「FL1」、日常着やアフタースポーツ向けの「RE3」の3モデルで今春発売する。
日本百貨店協会と日本アパレル・ファッション産業協会が、販売職と営業職の労働環境改善と顧客サービス向上に向け、部会を設置し、議論をスタートさせた。
中国商務部は、15年を最終年とする第12次5カ年計画に基づく商業発展の主要任務と重点施策をまとめた。4つの重点項目を設定、社会消費品小売総額を15年に32兆元に拡大する数値目標を掲げた。
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)利用の指針をまとめる動きが消費者関連企業で相次いでいる。販売促進の活用が広がるなか、情報の取り扱いに関する注意事項を従業員に徹底するため。
Eストアーの消費者調査の「ネットショッピングに関する意識調査」で、スマートフォンの所有者の大多数はパソコンで商品を購入、ソーシャルメディアを利用して購入する比率は12%だった。
日系小売業のアジア進出が活発化している。イオンが中国、マレーシア、タイに続いてベトナム、カンボジアへの出店を発表したほか、ユニクロも11年にタイに出店、12年にフィリピンへの出店を計画するなど、日系小売業の出店意欲は高まっている。ジェトロによると日系小売業の海外法人177社のうち122社、70%がアジアにある。日本の卸・小売業のアジア向け直接投資総額は10年末で1933億円と05年の1011億円から倍増している。
東日本大震災で落ち込んだ外国人観光客が昨秋から復調している。商業施設や百貨店では外国人客を取り込むための対応が再度強まっている。特に中国からの観光客はかなり戻ってくるとの期待が高く、広告、通訳、プレゼントなど多様な取り組みで売り上げに結びつけようとしている。
日本通信販売協会の「インターネット通販利用者実態調査」で、11年のネット販売の購入頻度は週1回以上が20%となった、10年に比べ4ポイント増加している。
センター・フォア・リテール・リサーチ社による世界43カ国小売業の11年の盗難などによる損失は前年比7%増の1190億ドル(約9兆円)となった。小売りが盗難防止に向けた設備投資を渋っていることが背景。
マクロミルの調査で「インターネットの情報は信用できるか」に対し、「できる」が5%、「どちらかといえば」が71%で、計76%が「ある程度信用できる」とした。情報源の信用度では「新聞など大手メディア」が最高。
口コミ情報サイト運営企業などが参加するWOMマーケティング協議会はインターネット上の口コミと広告の境界を示す自主基準を策定した。口コミを発信者が自ら書き込んだ内容と定義した。
大規模なSCや百貨店で、ショップの接客の現状をチェックする覆面調査が盛んである。接客やホスピタリティに力を入れていると言われる商業施設でも、問題のある対応がしばしば見られる。
日本通信販売協会によると、10年度のラジオの市場規模は5年前に比べ6割増と増えている。震災後にラジオ聴取者が増え、なじみのパーソナリティが薦める"信頼感"が際立ち、シニアの購買意欲を引き出している。
大阪・心斎橋筋商店街に、今春も複数のブランド、ショップが旗艦店級の店舗を出店する。大阪は、梅田や難波・阿倍野などのターミナル立地での商業施設の新増設が相次いでおり、心斎橋地区の集客力低下が懸念されている。とはいえ、心斎橋地区は外国人観光客を含め、来街者数は平日でも多い。商業施設内とは違って、比較的大型の路面店が出せる魅力も持つ。有力店の出店は、今後も続きそうだ。
全米小売業協会(NRF)の年次総会で、12年の小売売上高は前年比3.4%増と予測した。景気動向の不透明さなどを背景に、11年の4.7%増に比べて減速するとみた。
商社のチャイナプラスワン開拓が急ピッチで進んでいるベトナム、タイは言うまでもなく、インドネシア、ミャンマー、バングラデシュでの縫製拠点の確保が進んでおり、驚異的なペースでエリアと協力工場群が広がっている。各社一様に強化しているが、重要なのは素材、副資材の調達、現地での検品体制、アイテムによる国の使い分けなど総合力を発揮できるかだ。
規制緩和と売上高の確保のため、営業時間は長くなっていたが、労働環境と営業体制の見直しで、伊勢丹新宿本店が2月下旬に営業時間を短縮する。マイボイスコムによる利用者調査では、短縮に賛成は62%あった。
サービス産業生産性協議会の11年度日本版のCSI(顧客満足度指数)は、9業種のうち業界中央値で百貨店が71と旅行に続き2位となった。中では、伊勢丹が76と3年連続でトップを守った。
大手通販の11年度業績は、全社が増収となっている。各社とも東日本大震災の影響で一時売れ行きが鈍ったが、その後の回復は予想外に早く、主力の通販事業では増収が多い。衣料品は、秋冬物カタログ投入時の天候不順から伸び悩んだ企業もあったが、家具・インテリア商品の伸びが目立つ。しかし、生産コストの上昇、値引き販売の増加などで上位企業の営業減益も見られた。
1月にNYで開催された全米小売業協会の大会について、小原日本FIT会長がまとめている。「テクノロジーで支援する顧客中心主義」「Store3.0」「意識の高い資本主義」の3点をあげている。
日本アパレル・ファッション産業協会は、RFID(ICタグ)普及促進のために千葉県浦安市にデモセンターを開設した。ICタグの導入により物流業務や店舗運営の効率化や在庫管理制度の向上が図れるとみている。
中古品販売のブックオフは古着や雑貨を売買する大型複合店の出店数を12年度に前年度比6割増やす。他の企業も出店攻勢をかけるが、新品にこだわらない消費スタイルが定着、中古品市場の拡大が見込まれる。
11年の百貨店とスーパーの売上高は、既存ベースでそれぞれ2%減、1%減と低迷した。震災で一部特需があったが、地方を中心に人口減少が続き、消費者の良いものを安くという傾向は根強い。
ファッションビジネスの通販事業は、ネット通販の本格化から10年近くなり、カタログ通販もウェブ活用が進み、近年スマートフォンやSNSなど新しい媒体やサービスが登場。今後の戦略や重点戦略を探っている。
湿式汚染布により洗浄効率を、綿・ポリエステル・同不織布により汚染率を調査した。溶剤は、石油系・パーク・その他である。洗浄効率は、パークが石油系より高く、変動も小さい。効率のよい業者は、ソープ濃度が高く、洗浄時間が長く、蒸留器を設置していた。汚染率は、パークが石油系より高く、ポリエステルが綿より高かった。洗浄効率の良い業者は、汚染率も低かった。
松井化学によると防虫加工は冬物衣料の加工メニューとして定番化。同加工は業界というよりクリーニング店で最も受注が取れる人気メニューとなっている。同社の防虫加工の特徴は無臭で防虫効果が高い、コストが安い、状況に応じて加工方法が選べ、加工が簡単等である。
クリーニング工場における火災や爆発事故の原因で一番多いのが乾燥機である。未然に防ぐために日頃のメンテナンスが重要で、モーター部の異音、グリスの補給に注意し、排気部分の点検(リントに特に注意)、温度センサー部の点検などがポイントである。
潟tァミリーネット・ジャパンが保管付きの宅配クリーニングサービスの提供を本格スタートさせている。自宅のクローゼット感覚で利用できる保管・クリーニングサービスで、一般的な衣類の他にダウンジャケット、スキー用品、布団、カーペットなどのかさばる季節品をシーズン外の期間、無料で専用ルームにて保管する。預かり品はすべてネット上のマイページに画像で掲載されるので利用者はいつでも何を預けているのか確認できる。
「ミクロンシールドD」は、ナノテクノロジー技術によって開発されたドライ用花粉対策加工剤である。約20〜40ミクロンの粒子が繊維に侵入することや花粉が繊維の奥に侵入するのを防ぎ、強力な帯電防止効果により衣類のまとわりつきをなくし、空気中のほこりが付きにくくなる。加工剤は雨や水にぬれても落ちない。
ウエットの弱点とされた仕上加工と生産性を改善した新システム(さらさら洗い)の紹介。専用機は回転、水位、乾燥条件の細かい調整が可能で、加工材の投入も自在にできる。専用機は山本製作所(広島県)が、専用洗剤はツー・エム化成が開発した。両者の組み合わせで、特殊品以外は高品質のウエット洗濯が可能になり、衣類の損傷も少ない。省力も可能になった。
日本繊維製品・クリーニング協議会では、Web上でクリーニング事故情報等を提供する「クリーニング事故防止システム」のサービス及びメール配信サービスを24年3月31日で終了すると発表した。同システムはアパレル、クリーニング、流通などの各業界が事故情報を共有し、クリーニング事故の未然防止を図ることを目的に展開してきたが、会員数が思うように伸びず、サーバーの入れ替えやシステム改善等の費用捻出が困難となり、1月開催の理事会で廃止を決定した。
香港消費者委員会は1月16日、保温性があるとして人気が高いダウン(羽毛入り)衣類のクリーニングトラブルが相次いでいるとして注意を呼びかけ、適切な洗濯方法をアドバイスした。ダウン衣類に関する苦情は3年間で225件、そのうち117件(52%)がクリーニングに関するもの。
全ク連では厚生労働省の平成23年度生衛関係営業対策事業費補助金(震災復興枠)を活用して、全国初の復興支援仮設クリーニング工場を開設した。これは東日本大震災で店舗・工場が全半壊して営業目処の立たない大船渡市―陸前高田市在住の業者であれば利用できる。この工場は集荷した品物は自らが処理し、使用頻度に応じて水道光熱費や溶剤代などの実費を分担する新しいタイプの工場。今後自然災害が発生した際のモデルケースだとしている。
リネン品仕上機は従来、短冊型のベルト方式が用いられていたが、ベルト間に隙間ができて仕上げムラが発生した。この問題点を東京洗染は2本のロールを用いて解決した。さらに加熱ロールに通気性のあるドライメッシュを採用し、またロールの接触面積を増やし、乾燥性能を向上させた。省エネの効果が評価され、日本機械工業連合会から会長賞を受けた。
EMクリーニング研究会が先月、人体の健康への安全性を検証する世界的な「エコテックス規格100」に日本で初めて認定されたという。同社は約20年、環境と人体に安全なクリーニングを研究し、EMクリーニングという世界で初めて有用微生物を応用したクリーニング方法を研究開発。エコテックス規格100は人体に危険を及ぼすレベルの有害物質は含まれていないことを保証する世界的に統一された試験・認証システム。世界90か国以上9500社強の繊維・衣料メーカーが認証を取得。
引火性に関する建築基準法用途地域規制の問題などから、非引火性の「ソルカン」溶剤のユーザーが増える中、「汚れ落ちが悪い」「再洗が多い」「静電気がすごい」といったマイナス面が指摘されている。これらの課題を解決するために、AMG有馬義はソルカン専用の「AMGソルカン前処理剤」と洗剤「AMGソルカンコンク」を開発。結果は良好とのこと。
衣服圧と圧感覚・快適感覚との関係、衣服圧と心電図による自律神経系反応との関係を把握した。そして、衣服圧−感覚−自律神経系反応の知見と、開発した数値計算技術を駆使して、目標とする衣服圧分布を実現する衣服設計手法を提案した。さらに、その手法に基づいて、心理的・生理的に快適な衣服が設計できることを検証した。
日本語表記のため、海外サイトとは気づかずに利用し、「注文品と異なる商品が届いた」「商品が届かなかった」などのトラブルが増加しているが大半があきらめている。消費者庁は、「越境取引のトラブルは、言葉の壁や、国内法制度との違いからこれまで適切な対応が行われてこなかった」と判断、11月1日に海外通販サイトのトラブルに特化した相談窓口「消費者庁越境消費者支援センター(CCJ)」を開設した。米国・カナダ・台湾・シンガポールの相談機関と連携し、消費者と海外事業者との間に入ってトラブルの解決をめざす。
繊研新聞社は全国のF1層(20〜34歳女性)を対象に「ファッション消費アンケート」を実施した。結果は予想を超えて、ファッションへの関心の高さや買い物への真剣さを示した。「おしゃれ」の基準と価値観が変わってきていることも分かった。よく買うショップブランドとして、1位「ユニクロ」、2位「ザラ」、3位「ユナイテッドアローズ」が挙げられた。
春や秋に夏物冬物を定価で売り、夏冬本番前に一斉セールで値引きする。季節を先取りするこうした衣料品販売の暦がいま、見直されつつある。消費者が感じる季節感に戻すもので、アパレル業界は季節の「端境期(はざかいき)商品」を投入、百貨店ではセール時期を遅らせる検討も始まっている。
60歳以上のシニア世代の年間消費支出が11年に初めて100兆円を突破した。個人消費全体の44%に達しており、旅行やスポーツなどの分野で新たな市場を生んでいる。団塊の世代が65歳となり、大量退職が12年から本格化し、商戦が一段と活発化しそう。
ネット消費とはインターネット経由で買い物や旅行の予約、音楽やゲームなどのコンテンツを購入すること。市場規模は急拡大が続く。野村総合研究所によると2011年度は10兆450億円で、コンビニエンスストアの市場規模(日経調べ、10年度8兆4857億円)を上回る見込み。5年後の16年度には現在のスーパーの市場規模(同、17兆1625億円)並みとなる16兆1000億円に膨らむ勢いだ。
日本衣料管理協会の「衣料の使用実態調査10年度」で衣料の所持・使用・廃棄をまとめた。購入の低価格志向が明らかになったが、下落幅には縮小がみられた。
国民生活センターは、「相談者が携帯用カイロを入れて使う腹巻きを購入し、使用したら低温やけどになった。原因を調べてほしい」という消費生活センター等からの依頼に基づいて商品テストを行った。苦情品は、ポケットが付いたポリエステル、レーヨン、ポリウレタン混用の腹巻きで、相談者は、タイツの上に苦情品の腹巻きを2枚重ねて、最も外側となる腹巻きのポケットに使い捨てカイロを入れて使用。人体モデルを使って再現試験をした結果、約50分後には、50℃付近まで皮膚接触部分の温度が上昇することがわかった。
暑熱環境における快適な衣服を設計する上で、環境温度変化に伴う局所発汗量及び局所蒸散量の変化を明らかにすることは重要である。環境温度28〜37℃においては、環境温度によって局所発汗量と局所蒸散量には定量的に差異が生じること、また局所蒸散量から全身蒸散量を予測するには局所部位の曲率形状の要因による補正が必要であることが明かとなった。
昨年夏は、「水でぬらすだけで冷感が得られるタオル」が爆発的に売れて流行商品となった。一方で、使用中・使用後に「湿疹が出来た」「赤くはれた」との苦情相談も寄せられていることから国民生活センターでは苦情品を含む8銘柄(中国品7、台湾品1)のアレルギー原因物質となる防腐剤の有無と種類を調べた。結果、中国製7銘柄に防カビ目的の防腐剤イソチアゾリノン系が、台湾製1銘柄に安息香酸が使用されていた。イソチアゾリノン系は、重篤なアレルギー性皮膚炎を起こすことで知られている。
ナノ材料は一般的に、直径が100ナノメートル(ナノは10億分の1)以下の物質をいう。工業製品や化粧品、食品、医薬品などに使われている。動物実験では、発がん性や胎児への影響を示す結果が相次いでいる。厚労省は来年度以降、二酸化チタンやカーボンナノチューブなど5種類について、ナノ材料自体や、ナノ材料を使った製品を作る作業員が現場で浴びる量を調べる。経産省は一般の人が生涯でナノ材料に触れる機会がどのくらいあるのかを調べ、6月ごろに中間とりまとめを出す予定だ。
自宅にやってきて、強引に貴金属を出させ安値で買い取られる消費者被害に対応するため、消費者庁は、特定商取引法改正案を来月初旬にも今国会に提出する。「訪問買い取り」を同法の規制対象に追加し、貴金属や衣類などを政令で指定して限定して規制をかける方向だ。クーリング・オフについては、訪問販売と同じ契約書面を交付された日から、8日間。契約書面の交付と共に義務付け、この書面に商品引き渡しが拒絶できるクーリング・オフの仕組みを書くことも義務付ける。
赤い革の上に白い革を重ねて縫製したところ、白い縫い糸が赤く染まってしまい、目立つトラブル事例。縫い糸を顕微鏡で観察すると、赤い付着物が見られ、赤い革の染料が色移りしたと考えられる。針を換えても大きな効果は得られなかったが、非粘着性の高い針(LP針)で若干の効果が確認できた。高い効果が得られたのはオイリングであった。シリコーンオイルを縫い糸のコーンに吹き付け、LP針を併用するのが、最も効果が高かった。
EU(欧州連合)がCSR(企業の社会的責任)の新たな定義を昨年10月に発表した。リスク管理という側面の強かったCSRはおよそ10年の時を経て、人権・労働、環境、組織統治、社会貢献など多岐にわたる項目を統合してきた。日本企業の海外生産は避けられず、海外での責任を免れられない。しかし、日本と欧米の企業ではCSRへのアプローチの方法がやや異なるようだ。欧米企業が数値や期限を定めて有害物質の不使用などの宣言をするのに対し、日本企業は実現が明確でない段階で期限などの約束をしない傾向にある。
日本繊維産業連盟の12年の活動方針は、@構造改革の推進A新素材・新商品・新技術・新用途の開発、新市場の創出B環境問題、製品安全問題への取り組みC情報発信力・ブランド力強化D通商問題への積極的な対応と商工一体の貿易拡大E人材育成F税制で構成。
東レ経営研究所は、「2012年の日本産業を読み解く10のキーワード〜この底流変化を見逃すな〜」と題する調査レポートをまとめた。10のキーワードは、@スマートシティ、A風力発電、Bクラウド、C異業種間競争、Dパッケージ型インフラビジネス、E先端素材、F地産地消、Gネット通販、H日本の強みの再発見、I欧州危機と日本産業。欧州発「世界危機」は日本企業にとっては、強みを発揮できるチャンスになり得るとの見方も示している。
杉浦機械設計事務所は、腕付きトルソ型ロボットの販売を開始した。トルソに「しぐさ(動き)」の機能を付与し、遠隔操作でポージングやモーションを行えるほか、搭載したセンサーを使って自立的・対話的な動作ができる。ショーウィンドーの展示用として開発したが、デザイナーが生地や装飾をチェックする用途なども見込んでいるという。
全紳士服開発協会は、このほど服装文化向上のための紳士服ファッションアドバイザー育成を目的とした「紳士服ファッションアドバイザー認定試験」を行う。同協会では、これまでセミナー等を通じて日本の服装文化の知識向上に向けた取り組みを進めてきたが、さらなる服装文化の向上を目的として、かねてより計画を進めてきたアドバイザー認定試験を実施することになった。
ジェトロ(日本貿易振興機構)が11年8〜9月にアジア・オセアニア地域の日系企業に対して実施した調査の詳細を公表した。それによると11年に黒字を見込む企業は67.8%と前年のほぼ横ばいだった。人件費、調達コストの上昇はベトナム、インド、中国などで続いている。繊維企業の89.9%が従業員の賃金上昇が経営上の問題点となっていると回答するなど、これらの問題への対応が経営課題となっていることが明らかになった。
UIゼンセン同盟は、将来の繊維産業の展望やあるべき姿、製造からアパレル・小売りまでのパートナー形成と、人材育成の推進を目的とした、繊維産業シンポジウムを開いた。
野村総合研究所は、日本の大手消費財メーカーや小売業の海外展開調査で、「今後の進出先としてASEANを中国と同程度に有望視している。すでにASEANに進出した企業は他国に比べ失敗の割合が低い。」という。
繊維評価技術協議会は、円高、デフレ、国内市場の停滞などを背景に、海外事業展開を強化する。11年4月から中国、韓国、台湾、香港で抗菌防臭などの「SEK」マーク製品の販売を解禁する。
@2月7日〜4月15日A東京国立近代美術館工芸館B京都西陣で得た高度な織の技術と現代的な感覚によって、織の造形に新たな地平を切り開いた。1995年に「羅」、2000年に「経錦」で重要文化財保持者に認定され、今日を代表する作家として、国内外で高く評価されている。本展では北村の初期から今日までの作品約130点を2期に分けて展観する。
@4月19日A東京工芸大学蔵前会館B高速プラスチック光ファイバー、環状オレフィン樹脂の光学的性質、ポリカーボネート、光学素子向け射出成形CAE、複屈折分布の高速測定技術と応用例、他Cプラスチック成形加工学会 TEL:03-5436-3822
@4月27日A京都市産業技術研究所B快適性評価に心拍変動、唾液のアミラーゼ活性・ホルモン濃度などを用いた研究事例について研究成果と課題や問題点について披露し、快適性評価法の方法論とそのメカニズムを共有することを目的とする。C日本繊維製品消費科学会 TEL:06-6358-1441
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:中島利誠/発行人:大谷芳男