ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧(2003年度:第20巻〜)→
11年のエンゲル係数は、前年に比べ0.4ポイント高い23.7%となり、1年間の上昇幅は第1次オイルショックに次ぐ大きさだった。この係数は経済的なゆとりを示し、所得の目減りや若年層の雇用難が背景にあるとみられる。
20年の温暖化ガス排出量の政府試算は、原子力発電所の運転期間を政府想定の40年とした場合、家庭や企業、官庁の自助努力で減らす「国内削減分」が1990年比で最大10%にとどまるという。
文部科学省と厚生労働省の調査で12年春卒業した大学生の就職率は4月1日時点で、前年同期比3ポイント高の93.6%となり、4年ぶりに改善した。ハローワークと大学の連携、中小企業への就職が進んだため。
小売企業がPB商品の発注を巡り、公正取引委員会から下請法違反で勧告を受ける事例が相次いでいる。発注が下請法の委託販売にあたることを知らず、通常取引と同じように発注後に値引きを求めた例が多いため。
産業技術研究所がまとめた「日本を元気にする産業技術会議」は、「"もの""こと""ひと"づくりで日本を元気にしよう!」で、ものづくり一辺倒から脱却し新しい価値づくり(ことづくり)重視への転換を打ち出した。
厚生労働省の11年合計特殊出生率が前年と同じ1.39だった。若者の雇用が悪化し、結婚しにくくなったうえ、保育所不足など子育て環境が整っていないため。
大阪府や泉大津市などが出資する第3セクター、大阪繊維リソースセンターは、臨時株主総会を開き、解散の決議を議決し、田中寛社長を清算人に選任した。リソースセンターは05年から債務超過に陥っている。6月中に特別清算を申し立て、裁判所の監督下で清算業務を行う。
総務省の調査によると、全国の消費者物価の上昇基調とは対照的に、東京の物価の下落に歯止めがかからない。東京は販売競争が激しく、価格を上げにくいことが背景にありそうだ。また、11年度は他県からの人口流入が過去最少だった。「都区部への若年層の流入が鈍化してきたことで需給が緩んでいる可能性がある」との見方も出ている。
経済産業省調査の日本の製造業が海外に置いた現地法人の設備投資が12年1〜3月に前年同期比27%増の104億ドルとなり、過去最高になった。円高や新興国の需要拡大を背景に、製造拠点の海外移転が加速した。
政府が韓国と台湾産のふとんの詰めわた、カーペットなど向けの不織布に使われるポリエステル短繊維に対して実施していた不当廉売関税(AD=アンチダンピング税)の課税が6月28日で期間満了となり終了した。
東日本大震災以降、節電意識が高まり、クールビズ、ウォームビズ対応の新機能商品の動きが活発化している。インナーウエアの加工を例に、春夏用として清涼加工、秋冬用として保温加工、衣服内の湿気を吸って放出しムレ感を軽減する快適加工、肌に対して保湿性や美肌性を付与するスキンケア加工、汗の臭いをとる消臭加工や花粉付着防止、アレルゲン沈静化加工などについて紹介し、解説している。
ゴム編編成における編みきずの主因となる紡績糸の結び目の糸切れについて、ゴム編編成過程の数式モデルと結び目による糸切れ発生機構を基にしてゴム編編成域での結び目による糸切れ率予測数式モデルを提案した。また、ノットを付与した綿糸と梳毛糸を用いた編成実験を行い、糸切れの計算値を検証した。
素材メーカーの13年春夏向け素材は、引き続き機能のアピールが目を引く。市場のニーズも強まっていることから、各社は従来以上に快適性を高めた機能素材や、天然繊維などと複合しファッション性と快適性を両立させた素材を提案して、販売の拡大を図る。ここでは、合繊各社のその動向を紹介している。
快適性、安心、エコといった観点から、綿素材に注目が集まっている。とくにインナー分野では、これまで合繊を使用した保温機能肌着が多く打ち出されていたが、12〜13年秋冬向けには、差別化として綿100%を使用する企画が多く見られる。夏場でも一過性に思われた節電ビズが定着、快適性や機能性が引き続きキーワードになる、という。ここでは、更なる広がりに向け、各社の素材開発内容を紹介して いる。
北陸先端科学技術大学院大学・マテリアルサイエンス研究科はこのほど、植物細胞に含まれる桂皮酸類(ポリフェノールの一種)と天然鉱物であるハイドロタルサイトを用いて、高耐熱性と世界最強の曲げ強度を持つバイオポリエステルを開発した。光合成微生物から高等植物まであらゆる植物細胞に含まれる固い構造の天然分子である桂皮酸誘導体に注目。それらを天然層状鉱物であるハイドロタルサイト触媒で重合することで、明確な構造の液晶性高分岐高分子となることを発見した。
第一紡績は13春夏素材として綿の良さにこだわった新商品を投入する。このほど綿100%で接触冷感を実現した糸・生地「コールドコット」を開発した。エジプト超長綿を100%使用し、独自の特殊結束紡「IPX」で紡績した糸を使うことで糸の毛羽が極限まで抑えられており、接触冷感性の指標とされるQ−max値(0.2以上で接触冷感性ありとされる)は0.227、編み地の抗ピリング性も4〜5級をクリアする。吸汗速乾性、通気性にも優れ、綿の良さを前面に表した機能素材だ。
サトーホールディングスは、燃焼時のCO2排出量を約20%削減する環境配慮型ラベル「エコナノ」を東京理科大学発のベンチャー企業アクティブと共同開発した。新開発のエコナノはラベルに使う粘着剤に、NVC(ナノべクシルカプセル)技術でCO2を吸収する薬剤を練り込んでいる。ラベルを燃やすと薬剤がCO2を吸収し、排出量を抑える。
東レは鉄よりも軽くて強い炭素繊維のフル生産を始めた。日本と米国、フランスの3工場で、操業ペースを生産能力いっぱいの年17,900トンに増やした。東レによると、11年の炭素繊維の世界需給は約37,000トン、12年は16%増の約43,000トンとしている。
東洋紡スペシャルティズトレーディング(STC)は、13秋冬向けの新素材として「アジャストメント」を開発した。蓄熱保温と吸水吸熱を両立させた温度調整機能を持つ素材。競技前の静止状態では、無機金属酸化物による蓄熱保温加工により身体を暖める。そして競技中の発汗状態では、水分に反応して熱を吸収する加工で冷却し、運動後にはポリエステルの速乾機能で汗冷えを防ぐ。
植物の細胞壁の構造には中央にルーメンと呼ばれる中空を有し、その周りにセルロース分子が集まっていて、ミクロフィブリルが形成され、その隙間がヘミセルロース、リグニンなどで満たされた一種の複合材料である。セルロースナノファイバーとは、ミクロフィブリルあるいはそれが数本〜10数本集合したものに相当し、それをいかに取り出すかが重要となる。セルロースナノファイバー製作法には、物理的手法と化学的手法がある。ここでは、化学的手法のグランダー法を紹介している。
モルフォ蝶のブルーの発色機構をバイオミメティック繊維として実現した干渉発色繊維の繊維化技術について解説した。
日本バイリーンは、ストレッチ性と高圧縮弾性に優れた「エアパック3Dハイパーストレッチ」、吸湿・発熱タイプ「エアパックT2」をラインアップし、今秋冬シーズンから販売する。前者は性能の異なる特殊繊維のブレンドと立体的な構造を維持するバインディング技術で開発したもので、たて・よこ両方向のストレッチ性能に加え、嵩高性・高圧縮弾性の3D特性を持つ。後者は人体からの水分を吸収し発熱する吸湿・発熱の中綿。発熱に優れた機能を持ち,吸湿した湿気は徐々に外部へ放出するため、衣服内をドライで暖かな状態に保つ。
成長に向けた新たな攻めへ。合繊メーカー各社は、08年のリーマンショックによる足踏みを経て、再び成長軌道を描いている。「持続的成長を実現するための革新と実行」(帝人)、「新しい事業基盤の強化」(クラレ)、「成長戦略の推進」(ユニチカ)。今年から新しい中期経営計画に取り組む3社のスローガンだ。合繊各社は繊維事業を「基幹」とした成長戦略へと舵を切った。
東レが4年ぶりにマイクロファイバーの新素材を発表した。ポリマー改質による海島型超極細繊維テキスタイル「ユーティーエス(uts)メランジュ」と「ユーティーエス エフ」で、天然繊維、化学繊維などと複合できる。これまで海島超極細繊維は海成分を溶出したが、組み合わせる繊維に強度低下などダメージを与えた。今回、ポリマーを分子レベルで改質することで、ダメージを軽減し、天然繊維などとの組み合わせを可能にした。また、テキスタイル設計、高次加工技術も組み合わせた。
帝人グループでアラミド繊維を生産販売するテイジン・アラミドB・Vは、高機能ポリエチレンテープ「エンデュマックス」をロープ・ケーブル市場に投入する。高い弾性率、耐切創性、耐磨耗性、寸法安定性などが特徴のテープは、幅2mm、薄さ55μmに加工し、ロープ・ケーブルに求められている軽さと強さを追求した。
ユニチカトレーディング(UTC)は、汎用品に比べて通気量が20倍、生地の重さは半分という機能性裏地「クールキャッチ・エアー」を開発した。「風が通り抜ける裏地」をキャッチコピーに、13年春夏物から紳士服用途で販売する。薄地のポリエステルタフタだが、独自の熱セットの工夫により、強度が落ちるという課題をクリアし、通気量は400cc、1平方メートル当たりの重量は35グラムの裏地に仕上げた。
帝人ファイバーは、新たなポリエステル撥水糸を使った汗処理機能素材「トリプルドライカラット」を開発した。肌側に撥水糸を配置した3層構造により表側に素早く吸水拡散し、大量発汗時も肌のドライ性を保つ。ポリエステル撥水糸は、撥水剤をポリマーに練りこむため、半永久的機能を持ち、後加工とも差別化できる。
クラボウはこのほど、水の力で綿糸の毛羽を極限まで抑えた「ウオーターコンパクト」綿糸を披露した。通常のコンパクト綿糸は、毛羽を伏せるコンパクト装置に糸を通して精紡することで毛羽を抑える。クラボウでは、これにさらに工夫を加え、技術的詳細は非公開ながら、紡績時に水を糸に加えることで毛羽を極限まで抑えることに成功した。既存のコンパクト綿糸を上回る毛羽抑制に成功したことで、綿糸による新しい風合い表現などが可能になりそうだ。
酵素処理によるウール繊維の加水分解に対する界面活性剤の効果を検討した。臨界ミセル濃度まで界面活性剤による前処理によってウールの加水分解が促進され、更に脂肪酸界面活性剤で著しく、高温処理によってスケールのみではなく繊維内部も加水分解されることが分かった。(英文)
日本の柿渋による染色は古く1300年前にさかのぼるが、20世紀末には使用されなくなった。近年、環境問題から柿タンニンによる染色が見直されている。本研究では柿タンニン粉末を使用し酢酸ナトリウムの染色促進効果を検討した。
クラレトレーディングとウラセは、ブラックフォーマル用に黒の濃度を高めた新しい濃染加工生地「フォーマックス」を共同開発した。婦人用ブラックフォーマルウエア用途で、表面にクレータ状の超微細凹凸構造を持つ原糸「クラベラSN2000」を採用。繊維表面に均質化された微細凹凸皮膜を形成する濃染加工剤との相乗効果により、光の反射を抑制し、優れた黒発色性を表現する。
クラボウ繊維事業部は太陽や蛍光灯の光(紫外線)が当たると、細菌や臭気成分などを分解する光触媒加工素材「COSMOLINK(コスモリンク)」を開発した。消臭が難しいとされているタバコ臭の主な臭気成分に対しても効果があるという。タバコ臭は特性の異なる数百種類の臭気成分から成り立つため、これまでは消臭が難しいとされてきたが、アンモニア、酢酸、アセトアルデヒド、ピリジン、硫化水素の主な臭気成分に対して消臭効果を発揮、タバコ臭以外にも効果が期待できるという。
旭化成せんいは、PFOA(パーフルオロオクタン酸)フリーに対応した撥水加工でトップクラスの洗濯耐久性を持つ軽量高密度織物「インパクトWR」を発表した。インパクトWRは、PFOAフリーでありながら、洗濯100回後もJIS規格3級と世界最高レベルの撥水性能を維持する。使用するフッ素系撥水剤は、C6系を使用し、C6系の難点だった風合いや性能を克服した。
レーヨンなど再生繊維の弱点である収縮や、しわを抑える生地加工「FIBRIQ」(フィブリク)が日本で本格展開を始める。米P&Gグループが開発、欧州で販売を先行させていたが、繊維コンサルタントのITMC(米国)が日本、中国などでもライセンス展開や小ロット受注を進める。0.3ナノメートルのホルマリンなど極小サイズの薬剤がセルロース分子同士を結びつけ(架橋結合)、形状を安定させる。残留ホルマリンは加工後の水洗で除去・回収できる。
小松精練は5日、リバーシブル表現が可能な環境配慮型グリーンファブリック「エアダイ」を発表した。表裏同時異色着色が可能で、着色工程での水の使用量はゼロ、加工時のCO2を大幅削減(捺染対比約9割減)する。同社は米カラーレップ社の環境に配慮した異色染着可能な技術に着目し、小松精練の立体染色技術を応用することで、薄地織・編物分野での表裏異色染着技術の開発に成功、6月から本格的に販売する。
染色加工大手のプリント事業でインクジェット機を使ったデジタル方式へのシフトが進んでいる。旧式捺染からの単純な置き換えではコスト面などでの限界もあり、インクジェットならではの活用方法確立が事業化のカギを握っている。
ジーンズ業界で、水を使わないユーズド加工が増えて来ている。環境に負荷をかけない新しい技術として、あるいはこれまでにないツラ≠表現する方法として、ブランドごとのアプローチは様々だが、今後の発展が期待できそうだ。1960年に創業したジルボー社は、空気で洗う「オゾン加工」と、レーザーでシェービングやクラッシュを施す「ワットウォッシュ」に着目。
三菱商事ファッションは、黄変防止、抗菌、防臭、消臭、UV(紫外線)カットの機能を持つ独自加工「ディアラッシュ」を開発。13年春夏から製品OEMでの活用をスタートさせる。ディアラッシュは、シルクセリシンを使った加工剤をピコ(1兆分の1)レベルで、繊維の分子に結合させる。テキスタイルへの加工が主流だが、縫製品にも加工できる。素材は天然繊維、化合繊を問わず、用途はインナー、ストールなど幅広い。
米国を代表するアパレル関連メーカーの11年度決算は、30社合計で前年比13%増収になった。ナイキ、VFコーポレーションなど上位4社が好調の中、増収増益は19社、赤字は5社、減収は6社だった。
中国の有力上場アパレルメーカーの11年度決算は、18社中15社が増収増益になったが、前年比較可能な14社の総売上高が9.6%と伸び率は鈍化した。輸出環境の悪化がOEM事業の収益を圧迫している。
「パット見はデニムに見えるけどジャージのはき心地」のジーンズが注目を集めている。ジャージーデニムというジャンルの火付け役は、イタリアのディーゼルだ。11秋冬の目玉商品として2011年8月に「ジョグ・ジーンズ」を発売するやいなや、そのはき心地の良さが瞬く間に消費者に伝わり、大ヒット商品となっている。エドウインはディーゼルに遅れること4カ月後にエドウイン・ジャージーズを展開し、12秋冬は各社ともジャージーデニムをメーン商材として打ち出す。
ワールドは今期(13年3月期)、前期に本格着手した「アパレル型SPA(製造小売業)から小売り型SPAへの事業構造の転換」を加速する。2月21日付けで既存事業の組織を小売り系の「DCMリテール戦略グループ」と商品開発・生産系の「SCMアパレル・メーカー戦略グループ」に分け、基本的に店舗がブランドの事業運営を意思決定する体制に改めた。これにより「商品開発を強化しながら、店頭を起点にした業務運営サイクルの制度をさらに上げる」という。
日本繊維輸入組合がまとめた「日本のアパレル市場と輸入品概況」によると、11年の輸入浸透率は前年比0.5ポイント上昇の96.4%となり、過去最高の水準となった。一部で国内生産見直しの機運もあったが、全体としては輸入拡大の流れが継続していることがデータ上から明らかになっている。
大手商社繊維部門が攻めに転じている。投資の活発化が象徴的な動きで、業績が好調なことや全社的な非資源強化の方針が追い風となっている。投資の関心は中国及びアジアに集中しており、中国内販の拡大やチャイナプラスワンでの生産拠点確保を狙うケースが主流だ。
縫製業の多い福島県は津波被害や放射能汚染による非難区域となっている沿岸部を中心に、震災と原発事故によるダメージは大きく、廃業するところもあった。ただ、内陸部の比較的被害の少なかった一部の工場では早期に操業を再開し、取引先からの「応援発注」もあり、例年より生産量が増加した。
アパレルや高級ブランドがアウトレットでの出店を相次ぎ強化している。主力取引先の百貨店の販売力が低下しているため、販路を広げることで在庫の圧縮を進め、利益率の改善につなげる。
大手・上場アパレルメーカーの11年度業績は、震災の影響もあり、全体としては厳しかった。12年度からは収益性のある主力ブランドを強化するとともに、新ブランド・事業開発を積極化、攻めを加速する。
第5回「ガールズアワード2012SPRING/SUMMER」が26日東京・国立代々木競技場第一体育館で開かれ、述べ3万人が来場した。1月に開催した日韓ファッションイベント「Kiss」に続き、韓国ブランドのショーを実施したり、業務・資本提携したクルーズとの連携を強めて若年層の来場を促進した。
本稿では、生理的機能である快適性を中心に、スポーツ衣料の機能化における経緯を概括し今後を展望した。スポーツ衣料には、高吸水速乾機能の他に、衛生特性を付与することも重要である。汗で濡れたスポーツ衣料は臭気を発生しやすいため、抗菌消臭または防臭が求められる。今後は、スマートテキスタイルのような高機能衣料が生み出されるであろう。
本稿では、発汗に依存しない熱中症の予防のためのウエアを提案する。クールパックの着装により、高温多湿環境下の運動でも、体水分の喪失や、意欲や集中力の低下を抑制する。同時に、パック非着用時と同程度の体温上昇におさめることができる。
東京ソワールは、国内の素材産地、縫製工場とコラボレーションした「メード・イン・ジャパン」のフォーマルウエアを12年秋冬から打ち出す。これまで素材産地と組んだ企画は行ってきたが、縫製工場との3社コラボレーションは初めてという。ランバン・ソワールは素材が米沢の阿部吉、縫製が三和ドレス、カルヴェン・フォーマルは素材が丹後の一色テキスタイル、縫製が三和ドレス、ソワールドルチェは素材が米沢の行方工業、縫製を四ツ葉ドレスが担当し、日本のモノ作りの原点を見直すという。
全日本婦人子供服工業組合連合会は、アパレル業界向けにクラウド型の生産管理システムを開発した。厚労省11年度中小企業最低賃金引き上げ支援対策事業の助成を受けたもの。
バングラデシュが外資による縫製企業の新規投資を認めない方向にかじを切った。政府から参入に関して実質的な許認可権を与えられていた業界団体のバングラデシュ衣料品製造輸出業協会(BGMEA)は、「熟練工の取り合いになる」として、これ以上の縫製工場の参入を認めない姿勢を鮮明にした。日本企業をはじめとした外国企業は、今後バングラデシュで縫製工場を新設することはできなくなる。
アパレル生産が中国から東南アジアへのシフトを進める一方、国内縫製業は残されたマーケットを死守するため奮闘を続けている。東北の縫製業が前向きな背景には百貨店やセレクトショップなどのベターゾーンでの日本製を見直す動きがある。中国の工賃高騰は今後も続くとみられており、低価格の大量生産型と一線を画したマーケットでは、「チャイナプラスワンは日本」という選択肢もありうる。
ワコールは、グループの縫製会社を再編し、経営の効率化を図る。福岡ワコール縫製(福岡県久留米市、ワコール全額出資子会社)を、九州ワコール製造(長崎県雲仙市、同)に吸収合併する。宮崎ワコール縫製(宮崎県新富町、同)はグループ会社のトリーカ(大阪府茨木市、ワコール56.9%出資)に事業譲渡した。
肌への負担を抑えつつ、年齢にあったきれいなシルエットを作る商品を提案する。45〜50歳代にみられる女性ホルモンの減少に伴う体や心の分析、特に、肌の変化とインナーの関係に着目した。肌が乾燥する、弾力を失い柔らかくなる、刺激に敏感になるといった特徴に配慮した肌着やブラジャーを開発し販売する。
主な量販店の11年度単体衣料品売上高は、13社中5社が増収、4社が既存店の伸び率でプラスに転じ、下げ止まり感が出てきた。12年度はPBのさらなる販売強化などで増収をめざしている。
米調査会社エイシムコによる小売業約160社の売り場面積当たりの売上高(10年第4四半期から11年第3四半期)で、米アップル・ストアがショッピングセンター内の平均的な店舗の17倍という収益力を示した。
大都市周辺の大型物流施設がフル稼働の状態。インターネット通販会社が業務拡大を見込み、こうした物流施設に移転するケースが目立つ。好調なネット消費は物流関連企業の業績にも反映し始めた。
90年代にファッション小売業で急速に勢力を拡大、00年以降も成長を続けている。ただ、成長力は企業ごとに開きがあり、明暗を分けているのは、出店のスピードと可能にする業態のバリエーションである。
日系専門店が中国で大型店指向を強めている。消費が都市部集中から、近郊、郊外へと移りつつあり、百貨店が減速する一方、SCが流通の主役になろうとしているためだ。日本と同じ流通の歴史を、日本より速いスピードでたどる中国。既にSCすら供給過剰とも言われ始めた中で、日本のSCで鍛えられた小売業が、中国でも本領発揮できるか注目される。
百貨店婦人靴売り場で、機能性を重視した商品を集積したコーナーが広がっている。「ヒールでも安定感がある」、「返りがよく歩きやすい」、「立体中底で前すべりしにくい」など、20〜30代の女性の悩みに応えるファッション性の高い靴を多く揃える。
百貨店が企画しているお得に学べる文化講座がある。テーマはファッション、グルメ、インテリアなど。自分の好きなテーマを受講して商品や売り場の知識を深めれば、もっと買い物上手になるかもしれない。
大手セレクトショップが、消費マインドの変化を見据えた業態開発を加速している。消費に占めるファッションの優先順位は下がっており、ファッションだけでなく世代ごとに異なるライフスタイルに沿ってモノを選び、品揃えした店を作ることで新たな客層を捉えようとしている。
一般には深夜が注文のピークとなるインターネット通販だが、60代のシニアでは午前11時がゴールデンタイム。他の年代より購入額は高めで潜在需要が大きく、新たな商機を生む契機になるかもしれない。
三井不動産のアウトレット11施設の12年3月期売上高は2171億円(前期比14%増)と、初の2千億円超えした。大震災の影響があったが、新設や増床に加えて、既存店舗売上が3%増と健闘し、全体を押し上げた。
米コンサルティング、A・T・カンパニーは、リポートでベトナム小売市場予測が今後3年間毎年23%成長すると見通した。消費者の生活様式や購買行動が急速に変化、利便性や食の安全、施設の清潔さなどを求める。
百貨店を中心とした中国の上場小売りの11年度業績は大幅増収増益となった。ただ、百貨店事業の売り上げは下期から鈍化しており、新規出店やSCなど百貨店以外の業績が寄与した。
製・配・販連携協議会は11年度総会で、メーカーや卸を含む60社余りで販売データの共有などに取り組む方針を確認。精度の高い生産計画や適正な在庫量によるコスト削減を目指す。
スマートフォンの普及に伴って、携帯端末を使った店舗管理システムが広がっている。商品のバーコードを読み取るリーダーと組み合わせ、POSレジ代わりから店舗の棚卸、出荷管理までできる。
7月1日開始が定着している百貨店の夏のバーゲンセールは、今年は7月13日まで開始日を伸ばす。正価で販売できる期間の拡大は収益の底上げにつながるが、セール開始日は例年以上にばらつきが目立つ。
日本クレジット協会はインターネット通販の際のクレジット決済で、本人になりすました不正使用を防ぐガイドラインをまとめた。7月から決済時にカード番号、有効期限と、それ以外の本人確認の実施を求める。
中国で百貨店の苦戦が続いている。今年に入ってから大都市では減収に転じる店舗が目立ち、5月以降やや持ち直したものの、依然として前年実績を確保できるかどうかの厳しい状況が続く。衣料品や服飾雑貨をはじめとするファッション商品は、価格上昇が消費意欲をそぎ、販売数量を落ち込ませていることも低迷の一因となっている。
(一社)日本販売士協会は7月から、有資格者を対象に賛助会員制度を拡充し、会員は販売士試験向けの販売士を拡充する。
少子高齢化やクールビズの影響によってスーツ市場全体が縮小する中、大手紳士服専門店は都心進出とヤング層の開拓を進め、ツープライスショップを軸に成果をあげている。
10兆円を超える市場に育ったインターネット通販で、仕入れ力のある有力サイトは、大手の小売・サービス業が無視できない価格競争力を発揮する。これを支持する消費者は店頭を「ショールーム」として使い始めた。
訪問販売業者と関連団体などが加盟する日本訪問販売協会は訪問販売員の登録制度を13年4月に刷新する。要件を厳格化するとともに、登録時のカリキュラムの見直し、企業の法令順守の徹底やより品質の高い接客の推進を促す。訪販でのトラブルを減らし業界の信頼性を高め、活性化につなげる。
大規模小売店舗立地法(大店立地法)による11年度の大型店の新規出店届け出件数は前年度比7%増の620件と、2年連続で増えた。ディスカウントストアなどの小売企業が従来より大型な店舗の出店意欲を高めている。
化粧品メーカー、ポーラは大型バスを活用した移動型店舗「ムービングサロン」によるアパレル製品の販売を強化する。50代を中心としたミセス層をメインターゲットに、高額ファッション商品の購買に不便を感じている地域や購買層を対象にする。同社の全国約4500の営業所や13万人の販売員「ポーラレディ」のネットワークを生かして、地域の顧客ニーズに応じ、品揃えを変える。
専門店の百貨店出店が再び活発化している。2年前、郊外SCで成長したカジュアル系専門店やマルキュー系の出店が相次いだが、業態と客層が合わず、撤退する専門店も出ていた。今年に入り、価格ではなく品質を求める百貨店本来の客層に向け、企画力をつけて挑戦しようと新しい動きが始まった。都市型百貨店と同格の高感度駅ビルにも出店し、海外進出を展望しているのも特徴だ。
インターネット通販各社が自前の物流拠点の整備を加速する。物流を効率化し、配送料の引き下げや当日配送・一括配送などサービスの拡充につなげる。
日経MJがまとめた11年度小売業調査では、設備投資額が0.2%減と減少が進んだが、12年度計画は20%を超す大幅増を見込み、リーマンショック後の消費低迷や震災を乗り越え、投資意欲が急回復している。
樹脂を裏面にコーティングした製品と2枚の生地を貼り合わせたボンディング製品の特性とその苦情事例、対策をまとめた。多い苦情は、バックコーティング製品では、表地への樹脂しみ出し、樹脂の脱落、剥離である。ウレタン樹脂が経時劣化し、それをクリーニング(ドライ、ランドリー)したのが原因である。ボンディング製品でも、同様の事例が生じた。
11月30日(金)〜12月2日(日)に東京ビッグサイト東5・6ホールで開催される「クリーンライフビジョン21−2012東京国際クリーニング綜合展示会(第50回全日本クリーニング研究大会・機械資材展示会)の開催概要が全ク連より発表された。今回は出展に関する料金体系を刷新。早期申込み割引や連続出展割引の制度を取り入れたほか大口割引については基準となる小間数を見直した。協力団体は5小間までの通常料金で21万円、上記の割引を組み合わせると17万5千円となる。
少子高齢化でワイシャツビジネスだけでは早晩行き詰まることが予想されるため、且O幸社は数年前から"ワイシャツビジネス"から"シャツビジネス"への転換を提案してきた。マルチシャツ成型機「MF-250J-V2」は手仕上げしか方法がなかったブラウス、Tシャツ、ポロシャツなどあらゆるシャツの仕上げを手助けしてくれる。クールビズで着用されるシャツ類を立体的でボリューム感のある仕上がりにする。
回転ドラムを使用しない洗浄技術を都麗美九州(福岡市)が開発した。衣料にネットをかぶせて固定し、衣料に水を馴染ませた後、専用ノズルで洗剤・加工材を高速噴射する。これをバキュームで吸い取って、加工剤ですすぐ。乾燥時間が短縮でき、生地の伸縮や型くずれがない、スパンコールやコーティング剤も安全で、パートが操作でき、難洗衣料洗浄にも適する。
国交省の安全対策指針に合わない機械をまだ使っている業者も多い中、栢A瀬商会が製造・総発売元となっているフルーツドライ溶剤対応のホットドライ機「MM16U」への問い合わせが増えているという。同機は常時引火濃度以下での運転となるよう酸素濃度計を装備しているのに加え、万一の引火発生時の安全対策として「破裂板(ラプチャーディスク)」まで標準装備。安全指針を満たす機械となっている。
衣類に香りを付ける商品が人気だ。マーケティング支援を手掛けるカスタマー・コミュニケーションズ(東京)の調べによると、香り訴求タイプの売上高比率は衣料用洗剤で3分の1を超え、柔軟剤ではほぼ5割に達した。衣類用ミストなど関連商品を一緒に買う顧客も多く、香り市場のすそ野は急速に広がっている。
クリーニング綜研が平成23年度中に鑑定した事故衣料品の報告。総件数は238件で、前年度比63件の減少となった。洗浄方法別では、ウエットのみが増加した。素材別件数は、1種類の場合、綿、毛、ポリエステル、ナイロン、絹の順であった。原因がクリーニングにある場合の内訳は不適切な洗浄が20件、不適切な薬剤が8件、不適切な仕上げが5件であった。
繊維製品技術研究会の研究成果として、ISO 6330のA法(ドラム式)とC法(パルセーター式)の洗濯機の累積洗濯による繊維製品に及ぼすダメージ(寸法変化、嵩高性,ピリング等)を明らかとした。同じ洗濯方式であれば、洗濯機械力値を指標として被洗物に与える機械作用を一致させるという考え方が可能であることが検証できた。
品質情報研究所・住連木政司氏が「一般社団法人日本テキスタイルケア協会」を創設した。クリーニングに繊維製品のデザイン品質保全を意味する「テキスタイルケア」を加えたハイブリッド産業モデルの構築と社会認知を目指す。テキスタイルケアの作業として「製品診断」「補修・修整」「洗濯機によらない部分または全体的汚染除去」「特殊しみ抜き」「部分染色・染め替え」「二次加工」「整形プレス・シルエット復元」などを挙げており、協会ではこれら7種の技能認定を実施していく。
都内某ユニットの代表はパーク機を外し、潟cー・エム化成のニンジャウエット対応の洗濯乾燥機(且R本製作所製)を導入。ウエットだけで全ての品物に対応しようとの挑戦である。
サカイナゴヤは、消費者が日頃使っている好みの洗剤の香りを洗濯するごとに取り込み、その香りが持続する機能加工「幸せ家族」を開発した。香り成分を吸収し、少しずつ放出する機能剤を注入したマイクロカプセル「バーミーバルーン」を、大手化学メーカーと共同で開発し、生地に付着させる加工だ。
潟Zブンリバーは高性能白衣・ワイシャツ用粉末洗剤「ハイファスト」を新発売。白衣やワイシャツのタンパク質汚れ除去に優れた効果を発揮するという。高濃度の酵素配合によりエリ汚れや血液汚れなどのタンパク質汚れを効果的に除去する。漂白剤を配合していないためタンパク質の除去に効果的な低温で予洗を行い、本洗で漂白剤を投入して洗浄を行う、キレート力、分散力、逆汚染防止力に優れ、白物の白度を維持する。濃縮型であるため従来品より使用量が少なくて済む。
綿布、ポリエステル混布のくすみやシミを除いて、リネンの廃棄率を削減し、すすぎを時間短縮する新洗剤(ライトクリア)を2種類、共栄社化学(株)(大阪市)が発表した。ケイ酸塩を含まないので、すすぎが容易で水使用量が減る。無リンでPRTR非該当。汚れの分散性が高く再汚染が軽減される。また洗浄温度を従来に比べ10〜20℃下げられる。
ソルカン365(HFC-365mfc)は、規制を受けないドライ溶剤として導入が進んでいたが、規制が掛かるとの噂が流れた。この溶剤の輸入元の日本ソルベイ(株)は、噂に対する次のステートメントを発表した。昨年末に南アで開催されたCOP17で、365mfcの規制対象追加が、欧州勢により強く要望された。しかし議定書の今後の展望は不明なので、今後も同社は販売を続ける。
生理用ナプキンやオムツなどの衛生用品を装着した際に人体との間に形成される空隙分布を計測するために、人体の表面形状と被服の裏面形状から空隙量を算出する新たな方法を提案し、特性の異なる種々のナプキンを対象に提案した方法の有効性を検証した。
デフレが続く中、輸入車や高級時計など高額品が売れている。背景は震災後の消費自粛の反動に加え、「良い物を長く使いたい」という消費者の意識変化がある。「楽しさ」を見いだすため、手に届くぜいたくを探る動きも。
経済産業省は2014年にも日本工業規格(JIS)の洗濯絵表示を改正し、欧州を中心に普及している国際標準機構(ISO)の規格を採用し、切り替える。国際規格が国内に浸透すれば、貿易障害の解消につながるほか、消費者にも便利になる。とはいえ、新たな絵表示には課題もある。消費者が戸惑いそうなのが洗い方の表示。現行では「洗濯機」のイラストだが、新表示では「たらい」の図柄に統一。力の強弱では横棒の数が多いほど弱くなるが、温度では点の数が多いほど高くなるという表示は混乱も招きやすい。自然乾燥やタンブル乾燥、クリーニングも目新しい絵表示となる。今後、学校の家庭科の授業などで教育することも検討されている。
皮膚障害はドライクリーニング溶剤の残留による化学火傷などの刺激性接触皮膚炎とアレルギー性接触皮膚炎(繊維製品や合成樹脂製品)に分けられる。過去には日本の安全性に対する意識は高く、先導的な立場だった。しかし、現在は欧州、アジア諸国のスタンダードからすれば、やや遅れた感がある。規制やマーク制度への対応、安全を考慮した製品開発には多大な努力と費用がかかると思うが、市場が求めるのであれば、対応した者が利益を享受できる時代でもある。「安全性が確保された製品の提供」に取り組んでほしい。
本稿では、開発した換気中敷きが靴に溜まり込む水分を靴外に排出するために効果的であることを検討した。換気量に関する実験では、トレーサガス法により換気機構のないダミー靴と比較検討した。換気中敷きを入れることで換気量が4割増加した。開発した換気中敷き使用により、靴爪先の衛生状態を改善することができた。
低血圧に伴う女性のめまい患者7名に、1日8時間、加圧ストッキングを着用させた。7例中5例で、自覚症状の改善が見られた。重心動揺検査でも、5例中3例で改善が見られた。加圧ストッキングの着用は、低血圧に伴う女性のめまいに有効である可能性が示された。
(独)製品評価技術基盤機構の製品安全センターによると、2006年度から10年度までに電気洗濯乾燥機65件、電気衣類乾燥機48件、ガス衣類乾燥機48件、布団乾燥機48件、除湿機62件、計261件の事故が発生しており、うち32件が火災事故である。意外な火災事故原因として食用油や美容オイル等がついた布類・衣類を洗剤を用いて通常洗濯した後、乾燥機で乾かしたまま終了後放置すると布類・衣類に残留したオイル等が酸化熱により自然発火するという。原因はオイルを落としきれない事にあり、一般的な洗剤では約20%残留するため、乾燥機を使用しない、もしくは終了後ただちに取り出すことが必要。
「接触冷感」肌着は、糸の熱伝導率を高めるよう加工する、繊維の表面を滑らかにして体と接触する面積を広くするといった方法で、より多くの熱を移動させ、より冷たく感じるように作られている。肌着を工夫することは大切であるが、万能ではなく、上に着るアウターの素材や着方も重要である。
すっかり職場に定着した感のあるクールビズ。衣料品会社が関連商品の販売に力を入れるなか、スポーツ用品メーカーもビジネス仕様のポロシャツでこの市場に本格参入した。スポーツウエアの開発で培ったノウハウを応用しつつ、職場で着てもらうためにデザインにも配慮。「くだけすぎずそれでいて着やすい」とアピールしている。ゴールドウインの「MXPBIZシャツ」はユーカリの樹を原料に紡績会社などと共同開発した機能素材「マキシフレッシュ」を使用しており、最大の特徴は、高い消臭力である。デサントの「タフポロ」は東レが開発した特殊素材「タフストレッチカノコ」を採用。洗濯しても型崩れや色あせが起こりにくく毛玉が出来にくい、また、紫外線を遮断する機能も備える。
安全・安心を切り口としたアパレルパーツの訴求が目立っている。身体に有害な物質に変化する可能性のある一部のアゾ染料を規制する動きがある中、アゾ染料の不使用を取り決めたメーカーもある。また、夜間の歩行時などの事故を未然に防ぐための安全・安心のアイテムの開発機運も強まっている。
JISに規定されたロータリ形タッピングソイル試験機を用い、試験回数を3段階(25、50、100回)に設定し、汚れの進行に伴うカーペットの色や構造が汚れ試験における色変化に与える影響を明らかにしている。さらに、実用汚れ試験(6000人の歩行)を行い、汚れ試験機の測定結果と比較検討している。
表裏で風合いの異なるニット素材を縫製したところ、地糸切れしたという事例を紹介。生地を確認したところ、2枚の異なるニット素材が両面接着シートにより貼り合わされていた。接着されていたため、編み糸の動きが制限され、ボールポイント針を使用しても地糸切れが発生したものであった。対策として、スリムポイント(S)の針先と細身の針を選択することにより、地糸切れを大幅に減少させることができたが、さらにミシン速度を下げると効果を上げられる可能性がある。
ブランドネーム、表示物メーカー各社で多言語表示ラベルの開発が進み、運用が本格化している。衣料品の生産と販売が世界に広がる動きに対応したもので、国内外の有力アパレル企業との取り組みが広がりそうだ。
カフェやスイーツを好み、ファッションや美容にこだわる一方、異性にはオレ様キャラでリードする。そんな女性的な行動と男性的な性格がブレンドされた新しい男子像「カフェオレ様」がひそかに注目を集めている。電通総研の分析では、何かと消極的で受け身な「草食系男子」とは異なる、新しい男らしさ像が浮かび上がった。
日本経済新聞社の「中国進出日本企業アンケート」で、人件費上昇が中国事業の収益を圧迫し、11年度に前年度比2ケタ賃上げをした企業は8割に上り、利益見込みが10%以上減る企業は2割近くに達した。
帝人ファイバーは「阪神甲子園球場プラスチックカップリサイクル」の取り組みを開始した。これは、同球場において生ビールなどを販売する際に使用するポリエステル製のプラスチックカップを回収し、帝人ファイバーがポリエステル繊維にリサイクルするもの。再生ポリエステルをリサイクル後には、来場者への配布物やスタッフが着用する衣類などに使用する予定という。ゴミの削減と資源の再利用を進め、「環境に配慮した球場」として環境保全に貢献する。
中学校の技術家庭科の授業で、和装の基礎知識習得とゆかたの着装の授業が今年度から開始される。しかし、業界での認知度はまだまだ低く、売り場の動きもほとんど見られない。和装教育の導入を推進してきた和装教育国民推進協議会によると、授業の実施が本格化するのは13年の初夏から。それまでに着付け指導員の確保や教材調達など、業界がどこまで受け皿を準備できるかが問われている。
日系繊維素材メーカーだけでも100億円規模の大きな損害を与えた災害から半年、タイの洪水などからの復興、復旧が進んでいる。11月下旬から工場の順次操業を開始、完全復旧のめどが立ってきた。
産業環境管理協会は、商品の製造から廃棄までの全過程で排出されるCO2の総量を表示するカーボンフットプリントを利用しやすくする。認証の手続きを簡略化し、必要な時間を最大の3分の1に短縮。
日本衣料管理協会は総会で、TA(衣料管理士)の広報活動の強化を重点とする12年度方針を決めた。TES(繊維製品品質管理士)の組織力を有効活用する新事業も検討する。
ボーケン品質評価機構は、上海に昨年開設した「上海機能性分析センター」で日本向けの機能性試験、化学分析試験などを強化した。同機構は中国品質基準であるGB規格試験で日系企業の中国内販を支援しているが、今後、化学分析試験でも内販支援のニーズに対応する。
EC(電子商取引)やSNS(交流サイト)などのテクノロジーの活用が、ファッションビジネスで一段と重要性を増している。ニューヨークで相次いで開かれた2つのフォーラムでは、ビジュアル効果の高いデジタルメディアの活用法や服のフィッティングシステムなど多様な使い方が議論された。有力ブランドの中には、デジタルメディアに対する広告予算を急速に増やす動きもある。
東日本大震災の被災地で栽培した綿花から作った服を披露するファッションショーが23日、東京ミッドタウンで行われた。被災農家と服飾関連業者約60団体が参加して昨年発足した「東北コットンプロジェクト」の企画。津波によって海水に浸り、稲作が困難になった水田で塩分に強い綿花を栽培。それを使って服や雑貨を作り、被災農家を支援するのが目的だ。
@8月28日A大阪科学技術センターB消臭性試験方法の最新動向(仮)、消臭加工繊維製品のマーク制度について(仮)、消臭加工の状況、商品開発事例、他C日本繊維機械学会 TEL:06-6443-4691
@9月7日A大阪科学技術センターB織物、組物、編物C日本繊維機械学会 TEL:06-6443-4691
@10月16日A大阪科学技術センターB染色加工概論ならびにウール、シルクの染色加工、セルロース系の染色加工、合繊の染色加工、染色加工の品質保証、他C日本繊維機械学会 TEL:06-6443-4691
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:中島利誠/発行人:大谷芳男