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経済産業省発表の平成24年度工業統計速報によると、従業員10人以上の事業所数は12万1477事業所と6年ぶりに前年比0.6%増加した。事業所数の産業別前年比を見ると、繊維工業は7511事業所で前年比2%増加、従業者数は23万9800人で0.5%増加、製造品出荷額等は3兆5000億で0.5%減少した。
中小企業庁は、中小企業・小規模事業者の未来をサポートする支援ポータルサイト「ミラサポ」(www.mirasapo.jp)本格版の運用を開始。主な機能は、@施策情報提供、Aコミュニティ機能、B専門家相談などである。
消費者庁は、相次ぐ食材虚偽表示の取り締まりを強化するため、都道府県も違反業者に措置命令を出せるようにする景品表示法改正法案を、14年の通常国会に提出することを目指すと明らかにした。
日本政府観光局は20日、日本を訪れる外国人旅行客が1〜10月の累計で865万9600人となり2ヵ月を残して年間の過去最多を更新したと発表した。円安や観光査証(ビザ)発給要件の緩和を追い風に台湾や東南アジアからの旅客が大幅に増加。政府の年間1000万人の目標達成が視野に入ってきた。
政府は「ビッグデータ」と呼ばれる個人情報の利活用に関する法整備に着手する。監視する第三者機関も設け、匿名化した個人情報なら本人の同意なしでも第三者に提供できるよう法律で定め、ビジネス等で活用を促す。
産業技術総合研究所が主催する「日本を元気にする産業技術会議」の「中小・中堅企業から始まるグローバル展開」のシンポジウムで「その国を発展させようというメンバーを集め現地化すべき」という提言があった。
中小製造業の設備投資や試作開発に最大1000万円を補助する、政府の「補助金」(ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金)は、1万件強の採択事業のうち、繊維関連は約600件となり、産地企業の設備投資や高度化などが期待される。
政府が300億円、民間が15社で75億円を出資し、官民ファンド「クールジャパン機構」(海外需要開拓支援機構)が25日始動した。ファッションなど事業立案を立ち上げて、海外の成長市場を獲得する。
総務省と経済産業省による2012年の経済センサス・活動調査(卸・小売業の確報)で、個人商店などの廃業で小売業の商店数が3年で1割強減った。全産業に占めるサービス業の事業所数の割合は卸・小売業を上回った。
菅義偉官房長官は29日、中央省庁が2015年度に採用する国家公務員の女性割合を30%以上に引き上げる政府目標の達成を目指す考えを示した。幹部候補となる総合職の事務系も同水準にする意向。
文部科学省の13年度「博士課 程教育リーディングプログラム」に信州大学繊維学部の「ファイバールネッサンスを先導するグローバルリーダーの育成」案件が採択された。7年間で最大約18億円の助成金を見込んでいる。
警視庁は、偽ブランド品を売り付けたり、商品を送らなかったりする海外の悪質なインターネットサイトの情報をウイルス対策ソフト会社に提供することを決めた。利用者が「偽サイト」を閲覧すると、警告が表示される。
経済産業省の14年度予算案が閣議で決まった。クール・ジャパン関連では機構出資金300億円や新興国市場開拓事業15億円が新規に認められた。繊維関連では革新的新構造材料技術開発が48億円増額査定となった。
19世紀終わりから工業生産されるようになったレーヨンの日本での発展の歴史を導入期、開発、生産の面から詳細に紹介した。
綿セルロース繊維へ耐熱性を付与するためにTEOS(tetraethoxysilane)を導入して繊維表面の水酸基をシロキサン結合で保護する処理をした。処理前後で繊維の形態変化はなく、200℃を超えるまでの各温度でこの処理により強度が高く保たれることが確認された。(英文)
東レは、菅公学生服(旧尾崎商事)と協業で、植物由来約30%のポリエステル「エコディアPET」を使用した体育着を開発した。菅公学生服が14年4月、全国の小・中・高校に発売する。エコディアPETを使い、グリーン購入法のバイオペット基準に適合する体育着で、初年度は既存商品のポリエステル100%の上下とハーフパンツの糸の40%をエコディアPETに置き換えて投入する。次年度から石油由来ポリエステル55%・エコディアPET45%、エコディアPET80%・綿20%のシャツも加える。
ワコールは「ウィング」で寒暖差に対応した肌着「ムレネーゼ」を開発した。汗を吸収すると編目が開き、乾くと編目が閉じる素材を採用、通気性を自動コントロールする。その他グンゼの「ホットマジック綿混パイル調」、トリンプの「ふわり〜ホット」を紹介している。
三菱レイヨン・テキスタイルは、世界で唯一生産販売するトリアセテート繊維で、14〜15年秋冬から短繊維「ターリス」の販売をスタートする。これまで販売してきた長繊維「ソアロン」の上質感を受け継ぎつつ、「高級スパンとして、用途の裾野を広げたい」という。ターリスは、トリアセテート独特の柔らかさ、光沢感、鮮やかな発色性といった特徴を持つ。抗ピル性にも優れ、混率によってはヒートセット性も出せる。
名古屋工業大学は12日、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の研究開発拠点として「日本オートモービル・ランボルギーニ先端複合材構造研究所」を開設した。日本は世界最大の炭素繊維生産国だが、CFRPの成型加工やデザイン、製品化では欧米のレベルに至っていない。名工大は、いち早くCFRPを使った自動車を製造しているイタリアの高級自動車メーカー・ランボルギーニと提携。短繊維の原料を使い複合材のプレス加工技術であるフォージド・コンポジット技術に焦点を当て、コストダウン、量産化の研究開発を進める。
東レは、捲縮や強撚といった糸加工や織り編みを経ても中空をキープできるC型断面のポリエステル新原糸を開発し、軽量かさ高テキスタイル「エアリーサムロン+C(プラスシー)」としてスポーツ向けに15年春夏物から本格販売する。2種類のポリエステルポリマーを芯鞘状に配置した新開発の原糸を使って糸加工、テキスタイル化し、ケミカル処理による後加工で芯部分を溶かしてC型中空糸を作り出す。
帝人フロンティアはポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」のファッション衣料用短繊維を14秋冬向けから投入する。これまでファッション衣料用は長繊維タイプのみの展開で、ストレッチ性や形態安定性を生かしたパンツ向けで広げてきた。短繊維タイプの開発で、ウールやカシミヤといった天然繊維や、レーヨンなどのセルロース系繊維を中心とした他繊維との混紡糸にする。
大津毛織の寝装営業部は14春夏向けの新商品で、新発想の立体マット「Lamorne(ラモーネ)やしマット」を打ち出す。天然ヤシの実繊維をミルフィーユのように積み重ねた多層構造の中材を使用する。建材などを作っている中国メーカーとの異業種コラボで開発した寝装用の中材は、ヤシの実繊維70%・ポリエステル30%となっている。ヤシの実繊維は不溶性の植物繊維のため、カビやダニの餌となる細菌が繁殖しにくいという特性があり、天然の防虫、抗菌作用を持つ。
クラボウの繊維強化熱可塑性複合材「ネオマテックス」が用途拡大に期待されている。千鳥格子や十字柄、ヘリボーンなどに織り、その表面にポリプロピレン系の着色フィルムを熱ラミネートすることで意匠性を持たせる開発が進んでいる。軽量で高強度、高弾性で、さまざまな形状に成形できるといった特性を持つ。自動車の内装材などへの応用が見込まれている。
帝人グループでパラ系アラミド繊維「トワロン」の生産・販売を展開しているテイジン・アラミド(オランダ)は、防弾チョッキ向けに新たなパラ系アラミド繊維複合材料「トワロンUD22」を開発した。トワロンのUD(一方向性)シートに樹脂を含浸させて、それを縦・横と方向を変えて2枚積層し、耐摩耗性を高めるために熱可塑性フィルムで両側から挟んでラミネートした。
人工毛皮の製品開発は大きく二つに分けられる。一つはより天然毛皮に近い外観・触感の追究によるその代替であり、もう一つは天然毛皮では実現が困難な意匠性や風合いさらには新規な性能などの特徴を追究した独自のテキスタイルマテリアルとしての活用である。人工毛皮開発の歴史、製造方法、人工毛皮の特徴など天然毛皮との比較を交えて紹介する。
戦前までの日本の輸出を支えた繊維産業の発達を、江戸末期から第2次世界大戦までの紡績機、製糸機、織機について海外からの導入を経て国産化への道、繊維産業の発達を支えた教育機関の設立などを歴史的に捉えて紹介した。
皮膚表面は、安静時は弱酸性であるが、運動により発汗するとアルカリ性に傾き細菌が増殖し皮脂や老廃物が分解されるため、アンモニア濃度が高くなる。アンモニア臭に特化した消臭加工および性能評価方法について解説する。
東レは吸水速乾性の高い生地「フィールドセンサー秒感46」を開発した。細いポリエステル糸を幅1インチ当たり46本の糸を使って高密度に編み、面積当たりの糸の本数を増やし、表面積を広げて乾きやすくするなど、汗を吸い上げる量を一般の吸水生地の2倍にした。さらに2層構造にして肌に接する面の糸の本数を外側に比べ極端に減らすことで、毛細管現象で汗を外側に拡散しやすくしている。一般の吸水生地に比べ、肌に残る汗の量を半分以下に減少させた。
ユニチカトレーディングは、高機能安全素材「プロテクサ」シリーズの高制電素材「プロテクサAS」を開発した。導電性ポリエステル「メガーナ」をタテ・ヨコに使用した高制電素材である。半導体工場などの静電気を嫌う工場に提案する。
帝人フロンティアは、15年春夏のスポーツ素材で、はっ水糸を生地の表に使い汗染みを防止する「デュアルファイン」を開発した。ゴルフなどの軽スポーツのほか、レディス服など一般衣料での採用を期待している。はっ水剤練り込み機能原糸を生地表面に薄く配置した。表にはっ水剤をコーティングした従来品に比べ、薄地でも吸水性を損なわず、洗濯耐久性にも優れている。
東レの婦人・紳士衣料事業部は新たに開発したナイロン長繊維を使用した新素材「ミラニー」を14秋冬向けから投入する。くさび型断面と0.2デシテックスの細繊度糸で、ソフトでありながら適度なコシを持ち、肌との接触面が少なくさらりとした触感になることが特徴。また、ナイロンのしなやかさを生かしたテキスタイル加工で、極細繊維ならではの柔らかさを残しながら、異型断面によるコシのある風合いも出す。
ファッショングッズメーカーの柴田は、綿を高温でナノレベルに炭化した炭素繊維を使い、ショールやストールの開発と販売を始めた。消臭抗菌、保温、接触冷感、吸水放湿などの効果を持つ。繊維中に13%前後使用すれば、酢酸やイソ吉草酸などの悪臭成分は2時間で96%以上が消える。
旭化成は日本国内での繊維増産に舵を切った。「ベンベルグ」ブランドで展開するキュプラ繊維はインドの民族衣装向けに欠かせない。キュプラは旭化成せんいが世界唯一のメーカーである。高温多湿のインドでは、サラッとした触り心地が販売を伸ばしている。東洋紡やシキボウは中東の男性民族衣装「トーブ」の輸出を手掛けている。各地の気候や好みに合わせて生地などを改良してきた。現在では最高級ブランドの地位を確立している。
セーレンは消臭機能付き肌着ブランド「デオエスト」から、女性向けストッキングを発売した。抗菌、洗濯への耐性などの機能も持たせている。自社サイトなどを通じたネット販売と電話注文で扱う。消臭機能は100回洗濯しても持続するという。
整理加工場の高橋練染(京都)はナノレベル化した銀イオンの抗菌・消臭剤「エボリューション・シルバー」を使い、介護や医療、生活雑貨などの商品を開発、「KOKORO・care」(こころ・けあ)ブランドで販売する。銀イオンをナノレベル化し、銀がもともと持つ抗菌、防臭などの効果を飛躍的に高める新たな溶液として開発した。黄色ブドウ球菌や白癬菌、サルモネラ菌、モラクセラ菌など対応できる細菌が広く、銀を使った既存の加工剤よりも効果が高い。菌を根源から絶ち、細菌の繁殖を抑えるため悪臭も消すという。
三菱商事ファッションは、耐久はっ水を特徴とする機能加工「ディアマジック・ダイレクト」を開発した。10月から製品OEM(相手先ブランドによる生産)で活用を始め、14年春夏向けから本格販売する。ディアマジック・ダイレクトは、はっ水に特化した機能加工。既に実績のあるはっ水機能加工「ディアマジック」が、はっ水以外に抗菌防臭、UV(紫外線)カットといった機能を組み合わせることができるのに対して、加工工程を簡略化、繊維に薬剤を直接結合させることで、機能をはっ水に特化させた。
繊維評価技術協議会は認証する「SEKマーク」で「抗ウイルス加工マーク」の新設に向けて準備を進めている。現在、抗ウイルス加工準備委員会で試験・評価方法の最終検討を進めており、早ければ2014年10月からのマーク新設を目指す。試験方法はISO提案を踏まえ、培養細菌によるプラック数測定法と50%組織培養TCID50測定法を基本に、発育鶏卵による50%ウイルス力価EID50測定法を加える予定だ。
セーレンは15春夏向けスポーツ用高機能素材で、抗スナッキング後加工「スクラッチガード」を投入する。ゴルフウエアなどカジュアル化するスポーツシーンへ提案する。特殊な薬剤と加工法で生地の抗スナッキング性能を高めた。着用や洗濯で起きる生地表面の糸の引き連れに対し、効果を発揮する。女性ゴルファーの増加などで、スポーツウエアのカジュアル化が進んでいる。これを背景に、生地表面の外観劣化を防ぐ加工に要望が高まっていることから開発した。
富士紡ホールディングスは、綿100%の防汚加工生地「ワンダーフレッシュ」の改良を進め、極めて落ちにくい血液汚れや化粧品汚れに対する防汚にも対応した「ワンダーフレッシュR」をこのほど開発した。インナーや学校体育服などに引き合いが寄せられている。綿100%でありながら、特殊加工によって水性汚れや油性汚れに対する高いSG(ソイルガード)性とSR(ソイルリリース)性機能を両立したSGR素材だ。
子ども服の買い方が変化している。「必要だから買う」から「その服を着て、子どもとどんな生活をするか、どうやって楽しむか」に消費者の価値観が移っている。背景には、どこでも子ども服が買える環境になったことがある。子ども服は、分野の枠を超えたボーダーレス市場になっている。
服飾資材・インナーウエアメーカーのユタックス(兵庫県西脇市)は、無縫製インナー事業を順調に拡大している。無縫製インナーは、裁断したパーツを接着、糊付けするのが基本技術だが、素材から製品まで数多くの特許が盛り込まれている。数々の開発を重ね、数年前に西脇の本社工場でロボットによる生産技術を確立した。現在はOEM(相手先ブランドによる生産)で、大手カジュアルSPA(製造小売業)向けショーツが数百万枚の規模に育っている。
明石被服興業は太陽光の蓄熱と中空糸による保温効果を兼備した素材「グリーンエアーウオーム」を開発、14・15日に東京都内で開催した学校制服展示会に出品した。戸外では太陽光の赤外線による熱が生地表面に蓄えられ、熱伝導により衣服内を温める。屋内では暖められた空気が中空糸の素材内に保持され、保温効果を保つ。ドライクリーニング、家庭洗濯、シャワーウオッシュも可能。
春夏のドレスシャツといえば、半袖が主流であるが、若い世代を中心にタイトなスーツに似合う従来にはないシャツが出始めた。袖回りを詰めフィット感を強調したものから、五分、七分丈の長袖までバリエーション豊富な企画がみられる。ここでは、シャツアパレル各社の企画を紹介している。
学生服製造最大手の菅公学生服(岡山市)は、鳥取県大山町に学生服や体育衣料などスクールウエアの生産工場を新設する。今回、新工場を設立するのは受注増による生産体制の強化のため、同社にとっては2003年に初の海外工場、上海尾崎商事服装を立ち上げて以来、10年ぶりの新工場設立。設置場所は大山町の旧大山電機工場で、既存の建屋を利用し改装する。
インドネシアで近年、「マンションメーカー」とでも呼ぶべき中小アパレルが増えており、成長していくケースも出てきた。同国は日本以上にグローバルなSPA(製造小売業)やファストファッションの勢いがある。これに対して、現地の中小メーカーは20〜30代の若者たちが企画、生産管理、販売を行う。ネットを積極的に活用し、バイタリティーあふれる行動力で、自らがいいと思う製品を作り、発信している。
パイロットプロジェクトの具体化に動き出したアパレル企業も数社あり、14年はようやく、ICタグ普及元年といえる年になりそうだ。価格が安くなったこと、運用ノウハウも蓄積されてきたのが背景。
アパレル向けシステムベンダーの6社(アベイル、エムジェイファンクション、クオリカ、ソウシンク、ビジネットシステム、ユカアンドアルファ)が集まり、初めて「SCM展」が開かれた。6社はいずれもアパレル専門システムを開発している会社で、グローバル化やSPA(製造小売り)化の進展で、生産から店頭・小売りまでの一貫システムの構築が求められている折り、6社の得意分野を組み合わせることで、設計・生産からのシステムをカバーできる点を訴えている。
量販店や専門店チェーンを主販路とする名古屋・岐阜地区のアパレルメーカーや専門商社は、14〜15年秋冬向けアウター生産を早期化している。円安に加え、原材料や縫製工賃の上昇がいまだ続いており、例年通りのスケジュールで発注、生産すると、「コストが合わなくなる可能性が高い」からだ。春夏物に比べ単価が高い秋冬物アウターで製造コストを抑制し、利益を確保する狙いがあるが、一方で早期生産するのは「在庫リスクが伴う」との懸念の声も強い。
レディスマーケットでは14年春夏に向けて、スカート人気が広がっている。パンツからスカートへとボトムのトレンドが切り替わり、トップもチュニック中心からブラウスやカットソーへと様変わりしている。婦人服専門店やセレクトショップ向けアパレルメーカーでは、市場拡大のチャンスとして、スカートを軸にした商品企画や販売戦略を打ち出している。
商社がチャイナプラスワンでの自社縫製拠点の確保を急いでいる。三菱商事が設立予定の合弁会社を通じて16年までにインドネシアで7工場を設置するほか、田村駒はミャンマーで専用縫製ラインをスタートさせた。豊富な協力工場群が存在した中国と異なり、チャイナプラスワンでは協力工場など生産の背景が乏しいのが現状。安定した供給体制を確立するために、出資工場もしくは専用縫製ラインの確保が不可欠で、拠点確保に向けた動きを積極化させている。
新興メンズカジュアルメーカー・ブランドの間で、レディスや服飾雑貨、生活雑貨へと商品提案を広げる動きが目立っている。既存のマーケットが伸び悩む中、ユニセックス対応の先にレディスニーズが見込めることや、雑貨やライフスタイル提案型店が増加していることが背景にある。新たな提案をきっかけに、既存商品の新規取引も始まる事例もあるが、安易な発想で着手するのではなく、自社(ブランド)が本来持つ企画力や強みを生かすことが重要だ。
日本アパレル工業技術研究会は、ISOで原案作りが進む「衣料サイズシステムと表示及び計測方法の技術委員会」(TC133)への参加を訴えている。TC133は中国の呼びかけで09年に20年ぶりに活動を再開。
メンズ業界ではカスタマイズ需要の高まりからオーダーメードが注目されている。お直しやアフターケア、パーソナルスタイリングを提案する企業が、スーツや靴でオーダー対応を始めている。武器は顧客との深い信頼関係。「オーダーメードの新たな形」が良いものを長く愛用することを望む消費者に支持されつつある。
円安による輸入衣料のコストアップが進むなか、商社を取り巻く経営環境が厳しさを増している。繊維事業、とりわけ製品のOEM(相手先ブランドによる生産)が主事業である専門商社の悩みは深い。ASEAN(東南アジア諸国連合)への縫製シフト、素材からの一貫生産、国内工場の再強化など新たな仕組み作りに力を注いでいる。
13年のファッション市場はアベノミクスによる株高やボーナス支給増などで消費者心理が改善し、女性を中心に装いが華やかになった。カシミヤ衣料など上質さや金色など明るい色に注目が集まった。
カシミヤ消費が世界的に回復している。今秋冬向けカシミヤセーターは、中国の対日、対欧米輸出が大幅に拡大している。14〜15年秋冬向けを見越して今年は中国からの整毛輸出も急拡大しており、14年もカシミヤ人気が続きそうだ。
最新トレンドに対応しながら、低価格・短期サイクルで商品を製造・販売するファストファッション。いまや若者を中心に支持を集めすっかり定着したが、最近、ファストファッションのビジネスモデルと似通った「ファスト雑貨」業態が登場し、消費者には目新しく、驚きや楽しさ、面白さを感じられることから、人気を集めブームの兆しを見せ始めている。
各百貨店が全人口の2割弱を占める70歳以上の顧客獲得に向け工夫をこらしている。これまで70歳以上は来店頻度が落ちるとして店側もあまり重視してこなかったが、購入金額も多いことから、この層を狙ってきめ細かなサービスを打ち出す。
多くの地方都市で中心市街地を取り巻く商業環境は、厳しさを増しているが、そうした立地にあって個店のメンズ専門店は、オーナーの目利きと接客力、大手にはできないニッチな品揃えで奮闘している。アメカジ系を中心にトレンドに左右されず、よいものを長く着続けたいという大人の男性からの要望が根強いこともメンズ個店の存在を際立たせる。
今秋、百貨店の改装が相次いだ。消費増税前の駆け込み需要と増税後の販売落ち込みを見越した改装投資の前倒しが強まっているためだ。改装の方向性は非衣料シフトが鮮明で、幅広い顧客層の獲得と買い回りの起点となる雑貨、特に靴を拡充する動きが目立つ。
中国最大のショッピングサイト、淘宝(タオバオ)は、11月11日に実施した大規模なセール催事の売上高が昨年の1.8倍の350億1900万元(5717億円)に達した。中国では、11月11日を「光棍節」(独身者の日)と呼び、淘宝は2009年から、この日限定の大型値引きセールを実施。年々販売額を増加させてきた。光棍節は、ネット販売の重要な催事の日として、中国で定着しており、他企業も大型販促を実施している。
繊維ファッションSCM推進協議会は、第14回経営トップ合同会議で「歩引き」取引廃止に向けた活動を強めることを確認した。第11回会議で廃止宣言し、おおむね廃止されたが、下請法が不適用の取引では残されている。
仏高級品大手の成長速度が一段と鈍ってきた。2013年1〜9月期はモエヘネシ―・ルイヴィトン(LVMH)、ケリング(旧PPR)、エルメス・インターナショナルの3社とも増収率が前年同期比で10%に届かなかった。円などに対するユーロ高が影響しているほか、LVMHは「ルイ・ヴィトン」、ケリングは「グッチ」といった主要ブランドが振るわなかった。
六本木ヒルズと東京ミッドタウンの商業ゾーンがファッション分野を中心に売り上げを伸ばしている。ともに、今春開業以来初めてとなる大型改装を実施、開業当初からのコンセプトと顧客ニーズに沿って上質で高感度なショップを、飲食を含めて拡充した結果、地元である港区をはじめ、都内在住者を中心に来館者、購買客数が増え、特に高額商品が売れている。
衣料品通販サイト「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイが提供を始めたスマートフォン(スマホ)の新アプリ「WEAR(ウェア)」。店頭で商品バーコードを撮影すれば、インターネットでどこでも買える。消費者には便利だが、商業施設は、店が下見の場になる「ショールーミング化」を恐れる。新アプリは、新しい需要を掘り起こす「妙薬」か、それとも業界の混乱を引き起こす「劇薬」か。
訪日中国人数が回復、百貨店やアウトレットへの来店客も戻りつつあり、消費回復を下支えしている。これらの商業施設は団体旅行のツアーに組み込まれ、専用クーポンを配布して、取り込んでいる。
大手量販店と大手専門店が、レディス大きいサイズの販売に力を入れている。一時期と比べると「大きいサイズのマーケット規模は縮小した」との見方が強いものの、「ぽちゃカワ」という言葉が出てきたように、ぽっちゃりとした体形の女性の意識変化がファッションにも変化を与えている。
手ぬぐいがおしゃれになって、徐々に需要を広げている。日本の伝統雑貨であり、アート性、ファッショナブルな柄のバリエーションも豊富になって手軽に楽しめるアイテムなのが人気の理由だ。需要増を裏付けるように、首都圏や京阪神に限ってだが、手ぬぐい専門店の出店がこの10年で進んできた。伝統産品や土産用ではなく、一般向けのファッション雑貨の専門店として出されているのが特徴だ。
セレクトショップが14年春の出店を目指し、新業態の開発を加速。オリジナル主力の大人向け婦人服や値頃感を出した服飾雑貨、西海岸テイストのカジュアルなど、既存業態では取れない客層を狙う。
婦人服専門店のマミーナや三愛などが外部の企業や人材を活用してSPA(製造小売業)事業の確立に本腰を入れている。製品仕入れが中心では企画の主導権を握れないため個性を出すのが難しく、利益も出にくい環境になってきたためだ。既存の社員、チームでは、踏み込めなかった新たな企画、生産を、"その道のプロ"の指導を受けながら、自立をめざす。
野村総合研究所(NRI)のBtoC・EC(消費者向け電子商取引)市場は、13年度の11兆5000億円から10%以上の成長が続き、18年度には20兆8000億円(年率13%増)になると予測。他に、ICT(情報通信技術)の主要市場も予測している。
14年の春物衣料の販売時期を例年3月に展開するが前倒し、1〜2月とする百貨店が目立つ。セールではなく正価で販売できる商品を増やして利益率を高めると同時に、消費増税前の駆け込み需要を取り込む。
13年秋冬物で小売価格を引き上げた専門店の売れ行きが鈍っている。低価格が定着している業態は、消費者に気づかれないようなわずかの値上げに腐心しているが、顧客の目が厳しいため。
中国人が高級ブランド品を海外で買う流れが加速しそうだ。高い関税や付加価値税に加え、人民元高で内外価格差が拡大。海外旅行者数の急増も後押し要因になる。米モルガン・スタンレーは中国人観光客が海外で消費する金額が2015年に1940億ドル(約20兆円)と、現在のほぼ2倍に増えるとの試算を盛り込んだリポートを発表した。
ファションビジネス(FB)業界では人手不足が叫ばれるなか、長期的に働ける仕組み作りが重要になっている。そのためには、限られた時間の中で効率よく働き、ワーク・ライフ・バランスを充実させることが大切だ。法律で定められている育児休暇などの制度だけでなく、独自の切り口で働き方を見直す企業もある。
日本ショッピングセンター(SC)協会による13年開業したSCの平均店舗面積は1万8700uと12年より27%大きく、再び大型化傾向にある。14年には6年ぶりに2万u超えもあり、全国的に集客競争が一段と厳しくなりそう。
専門店、SPA(製造小売業)の新業態開発が活発だ。多くは購買力のある30〜40代をターゲットに据え、上質なウエアの提案を強めたり、ライフスタイル雑貨を加えて店の世界を明確にしようとする。20日グランドオープンしたイオンモール幕張新都心を皮切りに、新業態の1号店が14年春にかけてオープンする。
日系専門店の海外出店は、中国の景気減速などから一時的に踊り場を迎えているが、中堅以上の専門店では、引き続き出店に積極的だ。国内での成長に限界があるからというより「自社の強みが海外でも通用する」との自信が海外出店に向かわせている。※関連記事3面
2013年はアベノミクスの影響などもあって、低迷していた消費に回復の動きが広がった。株高を追い風に高額消費が盛り上がり、百貨店では海外高級ブランドなどの販売が伸長。コンビニエンスストアなどでは品質を重視した高付加価値プライベートブランド(PB=自主企画商品)の販売が好調だった。節約志向はなお根強いものの、メリハリの付いた消費行動が今年の小売り編のヒット商品番付のキーワードとなった。
衣料小売りなどが店舗とネット販促の利点を組み合わせた新しいサービスを相次ぎ打ち出す。ショールーミングが広がるなか、着こなし方の紹介や在庫確認、ネット購入後最寄り商店で受けるなど店舗とネットの垣根を越えて顧客との接点を増やし、買い物需要を囲い込むため。
用語解説
ショールーミング 消費者が小売店の売り場で衣料品や家電製品を下見した後、通販サイトでより安い価格の商品を探し出して買う消費行動。実店舗がネット販売のショールームとなるため、こう呼ばれる。
化学物質過敏症の人たちを中心に公共の場での香料使用の自粛を呼びかける地方自治体が増えてきている。様々な人と共存していける衣料用柔軟剤や洗剤の方が強い香料入り柔軟剤よりも潜在需要は大きいと思われる。アメリカでは植物由来の原料を使い、精油で香りづけした環境配慮型の柔軟剤も出てきている。
汚れを付着させた各種布に大気圧プラズマを照射し、水溶液中で洗浄を行った結果、疎水性の大きい布で、汚れの除去が促進され、再付着が抑制される結果が得られた。さらに布の殺菌効果も確認され、衣服の清潔を維持できることが示唆された。処理による布の損傷は殆どなく、水洗濯の前処理としての大気圧プラズマ処理の実用化が期待される。
ウール糸、ウール糸にポリエステルをカバーリングした糸、ポリエステル糸のそれぞれで編んだ3種の編地を用いて繰り返し洗濯による物性変化について検討した。ウール糸にポリエステルをカバーリングしたものは、繰り返し洗濯を行っても、大きな物性変化がなく、また洗濯前のウールと各物性が類似した測定結果が得られた。したがって、ウールの肌触りの良さを維持したまま、洗濯による物性変化を抑えられることが示唆された。
日華化学鰍ナは病院・施設入所者の私物衣類を強力に衛生洗浄する私物用衛生洗剤を開発した。商品名は「エコマックスAN-200」。高い洗浄性に加え殺菌効果のある過酢酸を発生させることで私物を衛生的に洗浄する粉末洗剤。加齢臭などに高い消臭効果も有し、色柄物も安心して使える。
厚生労働省は平成24年度(25年3月現在)の「生活衛生関係営業施設数」を発表した。全国のクリーニング関係営業総施設数は11万8188件で前年度から5657件(4.7%)の減少となった。内訳はクリーニング施設を持つ「クリーニング所」は5.0%減の3万3106件、「取次所」は4.9%減の8万3274件、「無店舗取次店」は6.8%増の1808件であった。
給、栄産業は円盤回転方式の熱交換装置「EMSエコローター」を発売している。連洗機から出る温排水の熱を利用し新水の温度を上げるもので、燃料費の大幅な削減につながることから全国のリネン工場で普及が進んでいる。同機は温排水が流れる槽の中に回転するステンレス製の円盤を並べ、その中を新水が通る仕組み。回転することで円盤へのリントや汚れがつきにくくなり、メンテナンスも容易になった。また、同機は経済産業省資源エネルギー庁の補助事業である「次世代型熱利用設備導入緊急対策事業」の助成実績がある。
消費生活センターから「昨年購入した洗濯乾燥機で、敷パット2枚と、綿毛布、タオルケット、おねしょシーツ等を洗濯したところ、脱水時に強い振動が発生し、洗濯乾燥機が破損した。その原因を調べて」との依頼を受け、再現試験を行った結果、すすぎ脱水時に洗濯機本体が回転してしまうほどの異常振動が発生し、洗濯機が破損した。今回のテスト結果を踏まえ、異常振動が発生した場合はエラー表示を行い、運転を中止するように変更する。
消防庁より全ク連に対して「クリーニング工場における洗浄剤の混合危険について」の情報提供とともに、漂白剤や洗浄剤等の薬剤の保管方法に対する注意喚起があった。クリーニングで一般に使用される漂白剤には強い酸化力を有するものが入っており火災や爆発に発展する恐れがあることから、「@油脂・洗剤・溶剤等と離して保管すること(接触させないこと)」、「A延焼を防ぐため周囲に可燃物を置かないこと」など、保管には注意を払う必要がある。
アジアにおけるクリーニングの国際展示会「テックスケアアジア」が11月19〜21日上海新国際博覧中心で開催された。出展企業は15の国と地域から150社に及び、来場者は55の国と地域から8553人。商機拡大を狙う世界各国の機械・資材メーカーは本格的に中国市場に進出。今後人件費高騰による工場の機械化が課題となるだろう。
ノロウイルスについて厚生労働省が食品業界や生衛業界に注意を呼び掛けている。同省のホームページでは感染者の吐物や糞便が付着したふとんやリネンの処理方法を掲載。汚染部分を水で十分下洗い後に高温の熱水(85℃)または次亜塩素酸ナトリウムで処理する方法だが、「色物や熱水に耐えられない衣類には適さない」ため注意が必要。
岐阜の白馬館グループのクリスタル(高山市)が、ウェットクリーニング用立体洗浄機「スピンウォッシュ」(特許出願中)を開発。主な特徴は、これまでの洗濯機とは違う「常に流しながら洗う」という洗浄方式。衣類を動かさずに水を動かして洗うため、洗浄能力も向上し、ウェットで気になる縮みやシワが格段に改善される。洗いから脱水まで15分で、使用水量も約3分の1に減少できる(同社比較)などとなっている。
「ノロノット」はノロ等のウイルス除菌に効果を発揮。同剤はイギリスのバイオトロール社が開発した「アンフィセル」の保護バリアによって様々な細菌を除去。塩素・アルコール不使用のため火気のある場所でも使え、金属、ゴム、生地などの素材劣化も起こさない。また、人間、ペットに無害で、一般環境で24時間から数日間効果を持続。
"いま最も見てみたい機械"として展示場で人気を呼んでいるのが住商アイナックス鰍フ「ハイブリッドウェットクリーナーHVC-110」。同機は衣類をネットで固定し、洗浄液を高速噴射すると同時に、瞬時にバキューム脱水が行える特殊アタッチ(ノズル)を使用する新しい洗浄方式。衣類の縮み、型崩れ、はく離を防ぐことができ、衣類の形状を崩さず洗浄することで仕上げ工程も大幅に短縮される。ニット製品やラメ・ビーズなど処理に困る"難洗衣料"を安心・簡単に洗浄できる。
国民生活センターが、消費生活年報2013を発表、2012年度消費生活相談(苦情相談)の現況が示されている。11年度には6593件あったクリーニングの苦情相談件数は6129件へと減少し、代表的ワースト業=苦情相談の上位25位の枠からさらに下のランクへと落ち、商品・役務別にみた相談件数、接客対応などでもクレーム産業からの脱出が、着実に進行していることが確認できる報告となっている。
羽毛専業メーカー・河田フェザー鰍ヘ、限りある資源であるダウン(羽毛)を回収、精製し、再び新たな製品に利用する新事業「グリーンダウンリサイクルプロジェクト」を13年秋よりスポーツアパレルメーカーの(株)ゴールドウインと協力して開始した。「環境の保全」と「羽毛価格の高騰抑制」に貢献する「グリーンダウンリサイクルプロジェクト」に注目が集まっている。
日本通信販売協会の通販相談窓口「通販110番」によると、13年度上期(4〜9月)の消費者相談件数は4309件と前年同期比57.1%増と急増した。特に海外事業者を含めたインターネット販売の「詐欺サイト」に関する相談が目立っており、注意を呼びかけている。
寝具大手の「京都西川」が「吸湿発熱」をうたって販売した中国製毛布で「レーヨン50%ポリエステル50%」としながら、実はレーヨンが18%しか含まれていないことが分かった。同社は8日、この毛布を含む3品目約14万点を回収すると発表した。ほかに回収対象になったのは、中国製のキルトケットと敷きパッド。同社は既に消費者庁に報告したという。
環境省は2005年度から、冬の温暖化対策の一つとしてウォームビズの実践を呼びかけてきた。11月〜3月までの期間中、室温のめどを20度にし、適切な暖房器具の使用によって省エネにつなげる試みだ。今シーズンは、発熱機能のある機能性下着を着たり、首元にマフラーを巻いたり従来の取り組みにもう一工夫を加える「プラスワン」が合言葉だ。スポーツ大手ミズノの「プレスサーモ」全体の販売量は、104万枚で前年よりも44%も伸びたという。
今回の調査では、食器用洗剤を定番商品と食洗機用洗剤、手肌ケアタイプの3つに分けて、全国のドラッグストア350万人分の顧客購買データを分析した。30代と60代の年代別売り上げランキングを見ると、どちらの世代も上位は「詰め替え用」である。60代は低価格の定番商品を志向する一方、30代は手肌ケアなどの付加価値にも興味を示している。食洗機用洗剤は市場の2割を占め、今後も伸びる可能性がある。
モリトのエレカソールは、ソールのゴムの中に導電性繊維を入れ込んで靴底の一部を構成する。静電気が起きる主要な原因の一つはシューズが床やタイル、カーペット、アスファルトなどに触れて体に帯電することだが、エレカソールは導電性繊維が入った靴底からコロナ放電し、帯電を抑制する。これによってドアノブに触れたときのパチパチ感やスカートのまとわりつきが解消される。
ポリオ体験者の衣類全般で困っていること、改善への期待、こういうものが欲しいという望みや、ポリオ会員が日常で行っている具体的工夫をまとめて紹介している。一番困っていることは、年間を通じての「冷え」対策である。冷え対策で何枚も重ね着をするため脱着が困難であること、冷えと同時に車椅子や補装具使用者が夏の蒸れと汗かぶれで悩まされることなどを紹介する。
シリコンパッドを装着した全摘術後者の術側の衣服気候は、高温多湿状態であった。温度調節素材を内包する製品や肌面に凹凸をもたせた製品では、パッド内の温度・湿度が低い値を示した。パッドの改良により装着時の温熱的不快感を軽減できることが示唆された。
政府は4日、訪日外国人向けに、消費税を免税とする手続きの概要をまとめた。対象商品をこれまでの家電などのほか、化粧品や菓子、日本酒などに広げ、免税となる買い物額を従来の1店あたり計1万円超から5000円超に引き下げる。店頭で消費税分を除いた金額で購入できるよう手続きを簡素化。免税取扱店も現在の約4000店から1万店に増やす構えで来年度中の実施を目指す。
40代以上の女性のおしゃれ市場がにわかに活気づいている。この世代のファッションショーやファッション誌の創刊、指南本の出版が相次ぐ。高級ブランドなどにも親しんできた世代ならではの感覚を活かし、若づくりとは違う「新しい大人の女性の耀き」を模索している。
森雅子消費者相は13日の閣議後の記者会見で、民主党政権下で消費者庁への移管が決まっていた国民生活センターの機能について「消費者行政の推進にあたって必要不可欠」と述べ、従来通り同センターを独立行政法人として存続させる方針を明らかにした。
紙おむつメーカーが中国で模倣品に苦しんでいる。高機能の日本製紙おむつは、日本での売価の2倍で売れる大人気商品。日本では製品流出によって、店頭で品薄の事態も起きている。各社は模倣品探しに力を入れるが見つかっても次々に偽物が出てくるという。急成長する中国おむつ市場は、日本企業にとって大きな商機だ。日本貿易振興機構によると2013年の市場規模は、102億元(約1700億円)。5年前の3倍に伸びる見通しだ。
日本通信販売協会のジャドマ通販研究所の「贈り物と通販に関する消費者実態調査」で、贈り物での通販利用率が52%。「通販で購入したことがある贈り物」は「お歳暮」34%、「誕生日プレゼント」33%が高い。
ベビーカーのシートについて、実際は通気性がないのに「約11倍!抜群の通気性」などと表示したとして、消費者庁はベビー用品製造販売大手アップリカ・チルドレンズプロダクツに、景品表示法違反(優良誤認)により再発防止を命じた。同社はシート内部に通気性の高い素材を使用したが表面をポリエステルで覆ったため、実際は通気性ゼロだったという。
カーディガンなどを肩からかける「プロデューサー巻き」や体の線が出やすいタイトスカート、セカンドバッグ…。1980年代のバブル期を思わせる装いが2013年、若者を中心に流行した。メイクアップでも、真っ赤な口紅が流行した。「2000年代以降、低価格のファストファッションが席巻し、同じような装いが広がっていた。こうした中、ファッションに勢いがあった80年代のスタイルが若い世代に新鮮に映ったのでは」と専門家は分析している。
国民生活センターは、今年の消費者問題に関する10大ニュースを次のように発表した。高齢消費者トラブルが6年連続で増加、健康食品の送りつけ商法が激増、依然として多い投資トラブル、ホテルや百貨店でのメニュー表示問題、薬用化粧品による白斑トラブルが発覚、海外ネット通販などでトラブルの国際化、ネットサイト関連の相談が相談上位に、偽装質屋が登場、進む消費者関連法の整備、国民生活センターの存続決まる、と社会的に注目を集めた問題が並んだ。
縫い目の結節部分から、糸引けのような筋が縫い目に対して横に発生したトラブルで、特にたて方向に縫った場合にそれが目立った。トラブルを生じた部分の観察から、斜文織の布帛で、緩く織られているために、たて糸の間でよこ糸が動きやすいため、この現象が発生したとみられる。対策を検討した結果、このケースでは針の変更のみでは解消できず、縫い糸を細くすること、縫い目ピッチを小さくすること、縫い目の結節点を生地の上下のどちらかに来るように、バランスを崩すことなどが有効である。
工場見学が人気だが、繊維産業の工場見学も増え、地域、社会にとって開かれた存在へと変わりつつある。まだ受入体制など企業ごとに温度差があるが、現役の工場や産業遺産は地域にとっても貴重な財産だ。
日本、中国、韓国の繊維産業関係団体による「第3回日中韓繊維産業協力会議」が釜山で開かれ、三国間でのFTA問題などを議論した。日本が主張している原産地2工程ルールが受け入れられそうだとしている。
日本繊維産業連盟と欧州繊維産業連盟(EURATEX)は連名で、経済産業省、外務省などに「日EU・EPA(経済連携協定)促進のための共同声明」を要望。@繊維製品の関税撤廃A原産地2工程ルールなどを盛り込んでいる。
DICグラフィックスとDICカラーデザインは「カラーユニバーサルデザイン推奨配色セットガイドブック」を発行した。だれでも同じように色を認識できるカラーユニバーサルデザイン(CUD)へのニーズの高まりに応える。文字やサインなど、比較的小さな面積でも見分けやすい高彩度のアクセントカラー9色、案内図や地図の塗り分けなど広い面積の高明度・低彩度のベースカラー7色、これらの色と認識しにくい無彩色4色の合計20色のカラーパレットで、塗装や印刷、画面表示などで活用できる。
服飾系専門学校で産学協同の実践型教育として、商品作りを体験する授業や取り組みが引き続き活発だ。最近は企業側が学生の生活実態に基づく新鮮な発想を取り入れ、売り場を活性化するために商品として販売する事例が増加している。学生にとってもビジネス目線で企画し、作り、売ることを学べる得難い機会となる。
日本輸出縫製品工業組合連合会は組合員企業に毎年実施している「景気動向調査」をまとめ、発表した。アンケート結果で特徴的だったのは、景況感は好転しているものの、売上高や加工賃では、実体経済との関連性が見えない点である。しかし先行きの不透明感が払拭できない中で、景況感が好転したことは前向きと捉えられ、将来への期待感は確実に高まっていることを示唆している。
@(1)3月5日、(2)3月12日A(1)(一財)カケンテストセンター大阪事業所、(2)(一財)日本繊維製品品質技術センター東京総合試験センターBポリウレタン樹脂の構成・特徴と耐久性能、ポリエステル/スパンデックス素材の染色加工技術について、実習他C日本繊維製品消費科学会 TEL.06-6358-1441
「気象ブックス039 衣服と気候」
@著者:田村照子(文化学園大学教授)Aこの本では衣服について「ファッション」とならぶ大事なテーマ「衣服がもたらす快適性」についてまとめている。著者は文化学園大学で衣服の快適性、機能性を人体の形態、生理などから研究してきたエキスパート。人間と同じように汗をかくマネキンの開発、快適な衣服の組合せの数値化など、さまざまな研究から衣服と人の関わりを調べている。B価格:1,800円(税別)C問い合わせ先:叶ャ山堂書店 TEL.03-3357-5861
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:中島利誠/発行人:大谷芳男