ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧(2003年度:第20巻〜)→
文部科学省は14年度、社会で即戦力となる人材養成を促すため、企業と連携して実践的な実習に取り組む専門学校のカリキュラムを「職業実践専門課程」(仮称)として認定する制度を始める。
経済産業省繊維課の14年度予算案は、独自要求の炭素繊維複合材料の開発で増額が認められ約20億円が確保できる見込み。個別企業対策では、中小企業庁などを活用し、ものづくりや販路開発を支援する。
4月の消費増税を控え、中小企業が価格転嫁を円滑に進めるための「価格転嫁・表示カルテル」の申請ペースが加速、13年10月からの3ヶ月間で124件に達した。製造業など申請団体の業種も広がっている。
岐阜労働局が、外国人技能実習生を受け入れている岐阜県内の事業者で13年4月から11月までに監督指導を実施した事業所のうち86%で労働基準関係法令違反があり、過去最高の水準で改善が認められていない。
経済産業省繊維課と日本アパレル工業技術研究会は「アパレル3次元CADの国際標準化」に14年度にも着手する。機械設計で使われている3次元CADが、アパレル分野にも普及し始めたため。
公正取引委員会は消費税の転嫁対策特別措置法が施行された13年10月以降、消費増税分の価格転嫁拒否にあたる行為があった139社を指導した。15社は百貨店やスーパーなどの大規模小売事業者。
経済産業省の委託を受けた繊維評価技術協議会は、「繊維製品の取扱いに関する表示記号及び洗濯試験方法に関するJIS開発委員会」を開き、最終案がまとまった。
特許庁は商品のデザインを画像として読み込み、国に登録された画像のデータベースから似たデザインを絞り込むサービスを始める。2015年度中に導入する。同庁は工業製品のデザインを「意匠権」として保護し、約200万件を登録している。新サービスの検索範囲はこのうち3000件の登録がある画面デザイン。
景品表示法が禁じる不当表示をした業者に課徴金を課すあり方を議論する消費者委員会の専門調査会が、課徴金を使って消費者の被害を回復させる仕組みの導入を検討。7月をメドに制度の骨格をまとめ消費者庁に答申する。
環境省地球環境局地球温暖化フロン等対策推進室の熊野室長が、温暖化対策で力を入れている「カーボン・オフセット」について、「活動の裾野を広げるため、衣料品分野でも」と現状と課題を伝えている。
日本繊維輸入組合が財務省貿易統計をまとめた衣料輸入状況(速報値)で、13年は重量ベースで前年比3%増、円ベースで円安の影響で21%増となった。国別シェアは中国が数量で80%(3ポイント下降)、ASEANが15%(2ポイント上昇)。
経済産業省は「消費税の転嫁対策特別措置法」が制定されたのを受け、繊維産業の下請適正取引等推進のためのガイドラインを改正した。改正ポイントは消費税転嫁法と下請代金支払等防止法の法令違反となる想定例を明記した。
経済産業省は日本製品を海外に売り込むための政策連携や見直しを進め、政策面でも日本ブランドをオールジャパンで支援する仕組みを作る。プロジューサー派遣事業で連携、日本製品のブランド化を促進する。
日本の衣料品等の主な廃棄繊維製品の78%は埋立て・焼却されている。廃棄繊維のリサイクルが技術的に困難であることが背景にある。混合素材、混合比率などが衣類により異なるので、分離技術を確立することは非常に困難である。現在の分離技術として、綿/ポリエステル分離技術があげられる。PETを分解することで綿を分離する方法、綿とポリエステルの両者を分離しポリエステルのみをリサイクルする方法、綿をマイクロオーダーまで分離しポリエステルを繊維状で回収する方法などが検討されているが、実用化までには技術・価格面などのハードルが高い。
帝人フロンティアは汗じみ防止素材「デュアルファイン」をスポーツウエア用途として提案を始めた。ポリエステルはっ水糸を使用し、汗をかいても汗じみが目立ちにくい。生地は吸水拡散層とはっ水層を設けた構造で、洗濯を繰り返しても高い機能性を維持できる。スポーツシーンでの快適機能性とファッション性へのニーズが高まっていることに対応したものである。
14年夏物素材でジャカードが玉不足になっている。国内産地の機場は満杯で、既に納期遅れも発生している。数十年ぶりのジャカードフィーバーの声も聞かれ、人気は過熱気味。14〜15年秋冬素材商戦でも需要に対して供給がタイトで、納期遅れは必至の様相だ。ジャ カード使いの衣料品では、素材調達を見 据えながら、早期の計画生産体制が求められている。
不織布製品製造の橋本クロスは防災用のウエットタオルを開発した。殺菌に使うアルコール剤を後入れにし通常の製品と比べ2倍の10年間の保存が可能。シートはタオルと同じ大きさにして入浴代わりに体を拭くことなどができる。自治体や官庁に年1万個を売る計画。
旭化成せんいは、着用時に体の動きに追随し、常に一定のサポートを保ちながら、着用者の動きを妨げず、疲労感を低減できる素材「エラクションPRO」を開発した。「エラクションPRO」は、生地構造を工夫し、新しい機能評価方法を取り入れた。ポリエステルもしくはナイロンなどの繊維とポリウレタン繊維との交編素材で、特殊な編み組織で編成されている。たて、よこともに伸びのバランスが良く、しかもヒステリシスロスが小さく、回復性が非常に優れていることが特徴である。
高級梳毛糸製造卸の三幸毛糸紡績は、染色したトップを引き延ばして色の濃淡を表現したり、1本の糸の中にスラブやループに見える部分を表現したりした糸を、独自のコンピュータ制御技術で商品化した。同社は独自開発の英式紡機を備えた梳毛紡績工場を持ち、高級モヘア糸を生産していることで有名だ。これら設備を活用し、様々な糸を受注生産している。
東洋紡は3日、タイのインドラマ・ベンチャーズ・パブリックと共同で、ドイツのエアバッグ用ナイロン66メーカー、PHPファイバーズを買収することで1月31日に合意したと発表した。これにより、東洋紡は米インビスタを抜いて、世界最大のエアバッグ用ナイロン66メーカーになるとともに、ポリマーから基布まで一貫のエアバッグ布体制が整う。
ミズノは13年12月に靴の中敷き「アーチハンモック カーボンインソール」を発売した。アーチハンモック カーボンインソールは、足裏にぴったりとフィットして、着地や蹴り出しの際、足裏の筋肉や骨にかかる負担を軽くする。土踏まずは、アーチ状の構造で、衝撃を吸収する役割を担っている。炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、反発力や耐久性に優れ、土踏まずのバネのような動きを助け、着地の衝撃を和らげたり、蹴り出す動きを軽くしたりする。硬い素材のCFRPを中敷きに使った商品はほとんどなく、スポーツ愛好家の需要を見込んでいる。
今年、これまでにないリング紡績技術が登場する。同技術を生み出したのは、綿紡績大手のKBツヅキ。同社の紡績工場では、繊維の束を直接リング精紡機へ送って、それを一気に100〜300倍に引き延ばして糸に仕上げる。これが「ツヅキ・ニュースピニング・システム」(TNS)である。新技術はこのTNSの進化版で、工場の上の階からチューブで送られてくる繊維束を精紡機内で分割し、それを精紡機内で撚って糸にするもの。同社はこの特殊な糸を「多分繊合撚紡績法(MFTS)」と呼ぶ。
クラレは合成繊維の1つでロープや自動車用オイルブレーキホースなどに使われるビニロン長繊維の生産プロセスを従来比約5分の1に短縮する技術を3月までに確立させ、14年度をめどに実証プラントの建設を目指す。ビニロン長繊維の需要変動に合わせて、柔軟な生産体制の構築に結び付ける。今後は短繊維タイプについてもプロセスを短縮する技術開発を進める。短繊維タイプはセメント補強用(FRC)ビニロンに対応する。欧州を中心にアスベスト(石綿)の代替材料としてニーズが拡大している。
独立行政法人農業生物資源研究所(茨城県)が、クラゲの遺伝子を組み換えたカイコを開発した。できた生糸は、青い光を当ててオレンジ色のフィルターを通すと緑色に見える。サンゴの遺伝子を利用し、ピンクやオレンジ色の蛍光シルクも開発した。学識経験者による環境影響評価をクリアし、隔離施設での試験飼育が承認された。遺伝子組み換え生物として、一般農家での飼育を目指す国内初の取り組みになる。
素材メーカーにとってスポーツウエアは、合繊の高い機能性などが生かせる分野の一つだ。15年春夏向けスポーツ素材は、機能のレベルアップをはじめ、機能の持続、産業資材向け素材の活用、スポーツ用途以外への展開などがキーワードに挙げられる。ここでは、合繊各社の注目スポーツ新素材を紹介している。
伊藤忠商事が輸入製造販売権を持つ繊維素材「アウトラスト」は、体の温度を感知して寒い時は熱を放出し、暑い時は熱を吸収する。外気の変化にかかわらず、肌の表面温度を32℃に保つ。この繊維素材は、米ベンチャーのアウトラスト・テクノロジーズ(コロラド州)が開発したものである。「パラフィンワックス」と呼ばれる化学物質を直経2〜3μmの微細なカプセルに閉じ込め、アクリルやレーヨンなどの繊維に練り込んだり、生地自体に塗布した素材である。アウトラストは33℃を超えると余分な熱を吸収し、31℃を下回ると貯蔵した熱をはき出してワックスが溶け出して固まる。
小松精練は18日、出展中のパリ「プルミエール・ヴィジョン」(PV)で、天然染料で染めた新ハイブリッド合繊素材「Nカラー・ビンテージ」を開発したと発表した。独自の改質加工技術を応用し、これまで合繊が染まらないとされていた天然色素の染着を可能にする染色技術を確立。化学染料と天然染料を有機的に融合させる技術であり、その混合比率は天然リッチを原則とする。天然染料の原料はクチナシの実、ログウッド、ラック、五倍子など約20種。ベース素材はナイロン100%。
服地コンバーターの柴屋は、西脇産地の産元商社、加工場と共同でストレッチ性を備えた綿100%ネル「フリーフランネル」を開発した。緯糸をかいて起毛する綿ネルは、ポリウレタンが使えないため、ストレッチ素材を作ることが難しかった。フリーフランネルは、特殊技術で繊維一本一本を膨張させ、織物に内在するゆがみを解消し、同時に繊維間の滑りを良くし、複数の加工を施すことで、洗濯や製品染めにも対応するストレッチ性を可能にした。
ケラチン繊維の酸化染料染色における金属封鎖剤であるEDTAおよびアスコルビン酸のそれぞれ単独での作用機構を明らかにするために、EDTAおよびアスコルビン酸の添加効果を単独添加の場合と2成分添加の場合の複合効果を検討した。
オランダのダイクー・テキスタイル・システムズは、水を使わない新型の織物染色装置を開発した。水の代わりに二酸化炭素(CO2)で染色する方式である。これまでの染色法に比べ、エネルギー消費や化学薬品の使用量が半分で済む。新型装置はCO2を液体と気体の両方の性質を併せ持つ状態まで加熱する。CO2をこうした状態にすると、織物によくしみ込む特徴があり、それに伴って染料が効果的に拡散する。CO2は染色処理後に気体に戻り、うち95%が再利用される。現在はポリエステル繊維だけに適応できるが、絹、カーペットなどに染色できる装置も開発中である。
気泡径が50μm以下のマイクロバブルはその小ささのために、表面が負に帯電する、消滅するまでの時間が極めて長いなど特異な性質を持っている。オゾンを内包したマイクロバブルの酸化力を利用して、羊毛の精錬や綿布の漂白において薬剤の使用量を減じ、温度条件や処理時間の低減など、省資源、省エネルギー効果が得られた。
大気環境に由来する染色物の変退色は依然として現代の課題であり、本稿では窒素酸化物による分散染料染色物の染色堅ろう度評価法の現状を紹介し、評価の際に使用される現行JIS、現行AATCC、新規提案AATCCの標準染色布を比較して検討した。
あいち産業科学技術総合センターの尾張繊維技術センターは、これまで綿繊維には適用できなかった昇華転写プリントを、綿繊維を構成するセルロースの水酸基を化学処理で疏水化することで適用可能にした。綿繊維を疏水化することで熱可塑性も付与されるため、加熱加圧処理を加えると耐久性のある光沢も付与できる。同センターは、今回の技術を用い、メランジ調の色と光沢を特徴とする織物を試作。「マルチカラー光沢織物」と名付けて披露する。
展示会・見本市・コレクションなどの名称、日程、開催都市を掲載。欧州162、米州152、アジア64、日本69本。
新興ブランドや若手テーラーが日本で工場を立ち上げ、自身のブランドを作るケースが増えている。アパレルメーカーの大半が国内工場を手放し、生産機能を商社やOEM(相手先ブランドによる生産)企業などに委託するのが一般化する中で、時代の流れに逆境するように見える。だが、ものづくりに妥協しない真摯な姿勢はブランドを通して使い手にも伝わり、共感の輪が広がっている。
主要アパレルメーカーは「"価値"への指向が一段と強まる」との認識を深めている。上質化への対応とともに、消費者の変化に即応する精度の高い仕組づくりを経営の重点に掲げる。単に供給側からの価値提案ではなく、消費者の要望に沿った、店頭を重視した仕組みを強めていこうという狙いだ。また、ライフスタイル提案やEC(電子商取引)などへの取り組みも課題として、アパレル市場の活性化につなげていく方針だ。
三陽商会は14年春夏、創業70周年をともに迎えた小松精練との取り組みを強化する。紳士・婦人含めて小松精練の加工素材を使用したアイテムをブランド横断で企画した。互いに日本の技術力を駆使した商品を前面に出すことで、新たな需要喚起を狙う。紳士服では「花粉プロテクトコート」と「クールドッツ」を使ったトラベルジャケット。また、婦人服では「エアダイ」を使用したコートで、テーマを深堀りにして新しいものを発信する。
夏の定番素材の麻。14年春夏はラグジュアリーから低価格ブランドまで多くのブランドがトレンド素材として麻に注目している。特に婦人服はこれまで麻といえばナチュラル系ブランドで使われることが多かったが、今春夏は幅広いテイストのブランドが麻を取り上げている。14年春夏は、麻をレーヨン、ナイロンなどと複合させ、新しい機能や触感を生み出して新鮮さを加える。
百貨店や専門店で鮮明な赤やピンクの「ビビッドカラー」の春物コートやワンピースが売れ始めている。例年はパステルカラーと呼ばれる淡い色が春物衣料の定番だが、今年は40代以上の女性の間でも目が覚めるようなはっきりとした色使いを好む傾向が強い。背景には景況感の改善があるようだ。
水着各社の14年夏の新作が出揃い、店頭に並び始めた。今年の主流になりそうなのは、上が細いバンドを巻いたような形のバンドゥータイプやブラ部分を覆うようなデザインのフレアタイプ。昨年までの谷間を強調するような三角形のビキニと違い、胸部の線をぼかしてウエストとのめりはりを出す。洋服と同様、バブル期の流行が再燃しそうだ。
日本のデニムの一大生産地である岡山県倉敷市などが1月29日、パリで展示会を開いた。日本独特の和食やアニメなどと違い、デニムは万国共通の商品。野蒜素材を使った独特の肌触りや深い藍色、丁寧な縫製など、日本らしいきめ細かさを売りに、ファッションの本場に挑んだ。
クロスカンパニーは成長戦略を加速する。今期(2015年1月期)は約40億円を投じ、国内外で過去最大の200店舗を出店する計画を持つ。特に中国を柱とする海外展開に力を入れる。成長持続のため、16年にも東京証券取引所に株式を上場する方針を正式表明した。国内衣料品市場は縮小傾向にあるが、規模拡大で競争力を高める。
瀧本と文化ファッション大学院大学(BFGU)は、産学連携で「BFGU学生服プロジェクト〜あたらしい学生服文化の創造」を立ち上げた。学校の教師と生徒が検討し、BFGUの学生がデザインで協力、瀧本が開発・企画を行うという初のスタイルで制服を共同制作する。第1号として岡山県笠岡市の岡山龍谷高等学校が参加する。
BMDシステムは、サイズ展開したパターンのフィッティングを高めるため、グレーディング技術と評価法を開発し、技術支援業務を開始した。特に中高年と大きいサイズをターゲットとするアパレル小売業・メーカーが対象。技術支援の内容は「ターゲットの体形変化を組み込んだグレーディングルールの開発」、「バーチャルフィッティングによるサイズ展開パターンのフィット性評価」の2つ。
岐阜の中小アパレルメーカーが本社の近くで自ら縫製工場を運営する動きがある。外注先の国内工場が廃業などで操業を中止する中、安定したものづくりの基盤を確保する必要があるからだ。技術力が評価され「数ヶ月先まで受注がいっぱい」だったり、13年冬のダウンコートで新規取引先が広がったりと活況だ。アパレルのソフト力と生産機能を併せ持つことが強みとなっている。
今春夏、大手セレクトショップが提案するメンズカジュアルのスタイリングは、ストリートミックスが主流となりそうだ。20代後半から30代の大人世代が中心顧客となっているセレクト各社がここにきて、90年代に一世を風靡したストリートミックスを一斉に推すようになっている。
価格高騰で昨年、大混乱を招いたダウンは、14〜15年秋冬物の商談でも価格は高止まりしたままで、鳥インフルエンザの広がりもあって、調達への不安感が広がっている。加えて、ミャンマー政府が、中国、韓国からのダウンの輸入をストップしていることも懸念材料となっている。
日系企業の中国内販支援などを手掛ける上海商禾投資管理(上海市)は、上海の青浦特別保税倉庫を活用した新しい保税販売システムによるサービス事業を今年から本格的に拡大する。新システムは、保税倉庫から中国国内に商品を出す時点では関税などを支払う必要がなく、百貨店などの店頭で商品が売れてから、売れた分だけを輸入通関手続きし、納税する仕組み。今後、日系アパレルメーカーの中国内販支援などに新システムを活用し、事業を拡大していく。
15年春夏向けのテキスタイル見本市、プルミエール・ヴィジョン(PV)プリュリエルが閉幕した。イエローを筆頭に、ピンク、グリーン、インディゴ、白など光を感じさせるようなきれいな色使いが広がり、素材では未来を感じさせるような光沢感やハリ感、膨らみ感などがキーワードとして挙がっている。
グローバル小売業による、日本への出店攻勢が続いている。既存業態とは別の傘下ブランドでも出店するなど、二の矢、三の矢を射ち込む戦略も本格化しつつある。
過去10年を振り返ると、日本のファッション市場では消費が伸び悩む中で、売り場面積と商品供給量は増え続けた。一方、可処分所得の減少に対応する形で衣料品の販売価格は下落し続け、結果、金額ベースでの市場規模は縮小した。10年間の日本マーケットの動きをデータで確認する。
中堅量販店は中堅SC、中小型店の新業態を開発している。出店規制により大型SCの新設が困難になり、GMSも成長性に欠けるため、新しい店舗フォーマットに挑戦している。しかし、こうした業態にマッチした衣料品売り場の開発には苦労しており、低価格のカジュアル商品を中心とした売り場作りが目立っている。
ショッピングセンター(SC)など小売りの現場では商品の値札で、消費増税後に総額(税込み)表示と税抜き表示の店舗が混在しそうだ。消費税率再引き上げをにらみ、衣料品などは値札を変更する必要がない税抜きが大勢だが、消費者が慣れ親しんだ総額に、あえてこだわる企業も少なくない。
全米小売業協会調査で、返品を装った詐欺による推定損失は13年年末商戦で34億ドルと発表した。偽造した紙幣やクレジットカード、商品券の返品69%、偽造レシートで29%、ネット上の偽造レシートが16%。
大手百貨店は4月からの消費増税で、売り上げ減の影響を最小化し、増税前の駆け込み需要を取り込む施策を強める。春物の投入を例年に比べて1ヶ月前倒しするとともに、既存、新規の催事、販促イベントなど集客策で4月以降の反動減に備える。
名古屋の商圏地図がこの10年で大きく変化している。それまでの名古屋地区は、「栄」と「名駅」という2大商業集積地区が君臨し、百貨店と大型商業施設などで合計5000億円近い市場を形成していた。しかし「郊外」が無視できない存在感を持つようになり、二極だけでは商圏がとらえられなくなっている。営業面積などから推計すると、すでに4000〜5000億円の市場が名古屋「郊外」に形成されていると考えられる。
新しい流行商品をきれいな写真で紹介してくれるカタログ通販には根強い人気がある。カジュアル衣料、家具などが主な商品だ。インターネットを組み合わせて、商品を探しやすくしたり、注文しやすくしたりする業者も多い。日経産業地域研究所の調査では、カタログ通販がネット通販に比べて商品説明の信頼性が高いと評価する人が多いこともわかった。
セレクト店大手にICタグの導入が広がっている。背景には、タグの単価が下がったことが挙げられる。価格や商品仕様などの情報を読み取れるICタグの導入は、店舗作業の効率化やレジ待ち時間の短縮など顧客の利便性向上につながる。
首都圏百貨店の年始・連休商戦は初売りの勢いを維持している。高額品や服飾雑貨がけん引するが、衣料品も売り上げが伸び始めた。4月の消費増税を控えた駆け込み需要も出始めており、例年以上に複数買いも見られ、客単価がアップしている。
日本百貨店協会の13年全国百貨店売上高は6兆2000億円と前年比1.2%増え、16年ぶりの増加となった。株高による資産効果や訪日外国人の増加を追い風に、大型改装や増床も効果を生んでいる。
商社の悩みが深まっている。消費回復への期待が強まる一方で、円安の進行、チャイナプラスワンでのコストアップ、消費増税下での総額表示維持による実質値下げ、といった供給側にとっての逆風が強まっているためだ。付加価値向上を旗印に価格アップをめざす動きがアパレル、小売りサイドで徐々に強まっているが、大きな流れとはまだ言えない。円安に苦しんだ昨年と同様、供給サイドにとっては、今年も厳しい一年となりそうだ。
公式EC(電子商取引)サイトの充実はもちろん、フェイスブックやツイッター、インスタグラムといったSNS、動画投稿サイト「ユーチューブ」でのブランドチャンネル、ネット上での動画広告など幅広く、それらが全てリンクしている。これまで接点の無かった年代や客層に魅力を伝えるツールとして一気に広がっている。
小売業や外食の人手不足が一段と強まっている。帝国データバンクの調査で、復調したファミリーレストランなど飲食店で58%が非正規社員の人手不足で、小売業でも消費増税前の駆け込み商戦に向け、人手確保に動いている。
IDCジャパンは、分析ソフトなどビッグデータ関連の国内市場が12年から17年までに平均37%で成長、市場規模が1016億円になる見通し。ビッグデータや小規模データで分析して活用する動きが広がる。
31日からの春節(旧正月)の期間中に、中国からの訪日客数が大幅に回復する見込みとなった。日本向け査証(ビザ)発給のほぼ半分を占める上海の日本総領事館では、個人観光ビザの発給が過去最高のペースとなっている。今後は日中関係の冷え込みが響く恐れもあるが、目先は円安もあって日本での買い物や観光の需要が高まっている。小売店やホテルは中国人客の取り込みに動き始めた。
春節(旧正月)に合わせて日本を旅行する中国人などで、国内の商業・宿泊施設がにぎわっている。2012年の反日デモの影響も薄れてきたほか、円安も追い風となって日本での買い物を楽しむ中国人客が増えている。百貨店や家電量販店では免税品の売り上げが伸び、客単価も前年を上回っている。
全米小売業協会の年次総会で、実店舗やネット通販などの販路を問わず、利便性を高めて顧客を取り込む戦略が話題になった。小売り各社が次に力を入れるのはビッグデータを活用した「パーソナライゼーション」という。
中国の春節以降、商業施設で外国人観光客の来館、売り上げが一段と伸びている。外国人客が多い施設では春節に合わせて、外国人向けの販促やサービスを強化、大半がその成果で春節が終了した2月6日以降も売り上げを伸ばしている。
中国では今年の春節期間中にモノよりコトにお金を使う人が目立った。全国小売売上高の伸び率は3年連続で前の年を下回り、現在の統計を始めた2005年以降で最も低い水準になった。習近平指導部の倹約令を受けて高額なブランド品や贈答品の販売が振るわず、国内商戦は盛り上がりを欠いた。一方でレジャー関連は好調。国内では映画館が盛況で、期間中の海外への旅行者数も過去最高となった。
年明けから大きく動き出した消費増税前の駆け込み消費が3月にピークを迎えるため、小売業大手は需要を取り込むため営業時間の延長に乗り出す。4月以降は消費マインドの落ち込みも懸念され、競争は過熱しそうだ。
海外展開を前提としたブランド開発が盛んになっている。各社ともに今後の成長の柱と位置付け、大規模な出店数を計画している。国内市場が飽和し、企業を大きく成長させるには、海外展開が避けられないことも背景にある。また、これまでは海外出店というと大半がアジアだったが、欧米への出店も見据えている。海外市場でのグローバル企業との真っ向勝負となるため、独自のサプライチェーンを構築して挑む。
大手通販の13年度業績は主力の通販事業が総じて低調だった。売り上げ不振に加え、急激な円安により原価率が上昇したため、営業損益では大幅減益、赤字転落となる企業が目立った。その中でも千趣会やベル―ナは大幅な増益を達成した。14年度は景気回復が期待され、増収を目指すが、消費増税後の落ち込みも予想される上、円安や原材料高は続くと見て、減益計画も出ている。
百貨店で20〜30代の男性客が高級腕時計、靴や衣料品を購入する動きが広がっている。この世代はもともと費用対効果を重視する傾向が強く、収入の増加や先行きに対する明るさなどから、消費に前向きになり、多少高くても長く使えるものを選ぶようになってきたため。
繊研新聞社が94社を対象に行ったアンケート調査によると、ECを手掛けるブランド、ショップが想定しているEC化率(ファッション売上高に占めるネット売り上げの比率)の適正水準は、多くの企業が10%前後と考えていることがわかった。同社推定の12年度ファッション商品のEC市場規模は、5000億円。今後EC化率が10%に高まると、市場規模は1兆〜1兆1000億円に拡大することになる。
YKKファスニングプロダクツ鰍ヘメタリオン(金属製コイルファスナー)、コンビファイルファスナー、透明コイルファスナーの3製品を使用した衣料品において、水洗いまたはドライクリーニング時にねじれが発生する可能性があると注意している。同社によると「エレメントとテープの熱履歴が異なり、高温乾燥を繰り返すと両者の熱収縮率が異なるためねじれが生じやすい」とのこと。対策としてはファスナーを閉じた状態であれば乾燥工程のねじれを最小限に抑えることができるとしている。
花王はアジアで中間層向けの衣料用洗剤を売り出す。どんな地域の水でも汚れ落ちがいい洗浄成分を開発した。洗浄成分を共通にすることで製造コストを抑え、価格を2割程度安くできる。まず中国で販売、東南アジアにも広げる方針。成長著しい中間層を取り込み、欧米企業に比べて出遅れていた海外事業を拡大する。
玉井クリーニング科学研究所が13年に受けた「クリーニング事故相談件数」を発表した。事故内容別の割合は「色相変化」が半分以上だが、以前は少なかった「外観変化」が年々増加し、「損傷」と同数になった。「色相変化」の約半分以上はシミだった。
超音波の機械エネルギーは柔らかい表面を持つ衣類の洗浄ではエネルギーが吸収されてしまい効果的でないといわれている。しかし、超音波の照射を工夫することによって衣類に対しても高い洗浄力が得られる。多くの課題は残っているが、超音波洗浄は短時間で高い洗浄力が得られる大きなメリットを持つことから、未来の低環境負荷型の衣類洗浄技術としてつなげていきたい。
13年の1世帯当たりのクリーニング代支出が、32年ぶりに7000円を割り込み、6991円となった。利用頻度も減少し、ついに5回を下回った。その結果、前年4000億円台を回復したホーム総需要額は、バブル経済崩壊以来の最低を更新する3817億円まで縮小した。総務省の13年12月「家計調査」の結果発表を受け、13年の1世帯当たりクリーニング代支出額、ホーム総需要額を算出。
日本リネンサプライ協会は2013年度正会員会社現況調査の結果を発表した。それによると1社平均の総売上高は前年同期比3.2%増となった。海外からの旅行者も戻ってきており、病院寝具の増加もあってこれまで最高だった09年の23億3395万円を上回る23億5544万円となった。
概OSEIと中部電力梶A関西電力鰍ェ共同開発した「業務用ヒートポンプ式衣類洗濯乾燥機SFS-322HP」が日本機械工業連合会主催「第34回(平成25年度)優秀省エネルギー機器表彰」で「日本機械工業連合会会長賞」を受賞した。同機は不燃性で地球温暖化係数1の自然冷媒(CO2)を採用のヒートポンプを搭載した、ガス・蒸気配管が不要なオール電化対応機。処理能力は洗濯32kg、乾燥22kg。ランニングコスト、CO2排出量を大幅に削減可能な機器として、省エネ性能が高く評価された。
エレクトロラックス・ジャパン鰍ヘ分包タイプのリネン用過酢酸系除菌剤「ELエコライン・ゼロ」を発表した。同商品は粉末タイプで分包されているため計量の必要がなくノロウイルスなどウイルス系や芽胞菌にも効果を発揮。使用後は「水」と「酸素」、「酢酸」に分解されるので自然派のランドリー用除菌剤で排水設備も傷めず、衣類に与える影響が少なく、色落ちがない。
「RAL」はリネンサプライでは厳格な衛生・品質規格で評価され、EU拡大とともに各国が採用。現在17カ国500社のリネンサプライ企業が認証。日本では2月5日RALジャパンの総会が開催され、ルドガー・V・シェーネベック博士の講演の中で「RAL4」と呼ばれる「ケアホームの住人向け衣服(居住の要介護と回復期の人対象の介護クリーニング)」の採用が130工場に達し欧州も介護CLの必要性、市場開拓が進んでいることが示された。
白洋舎は衣料品お直しコンシェルジュの潟rッグ・ママとコラボレーションして「衣料品リフォーム」(ビッグ・ママ)と「高級クリーニング」(白洋舎)、「靴修理」(ナオッテリア)を一つの店にまとめて提供する新業態=ファッションメンテナンスのプロ3社による店舗を始めた。1月27日JR東小金井駅のショッピングセンター「nonowa東小金井」に1号店「メンテナンスコラボ」をオープンした。
厚生労働省がこのほど発表した13年「コインオペレーションクリーニング営業施設の衛生実態に関する調査」によると13年9月1日現在のコイン店施設数は1万6693店で、前回調査の11年比708店、年平均2.2%の増加。09年以来、年平均2%の伸びが続き、安定的に成長している。営業者の業種で最も多いのは「専業」、次いで「クリーニング」が1918店で、2年で231店、年平均6.6%増加。2ケタ前後の伸びが続いていたが、やや一服。施設の状況は、独立店舗は年平均1.1%にとどまる一方、併設店舗が4.3%と伸びた。
新洗浄理論に立つワンウェイ洗浄方式で、洗剤を使用せず、パークの蒸留新液を衣料に直接シャワーし、さらに液を再循環することなく蒸留装置に送るドライCL方式「Green Dry」について最新報告が出された。同方式は欧州でも高く評価され、ユニオン社が製造・販売しているが、それが空輸され、東京・日本橋の5つ星外資系ホテル「マンダリンオリエンタル東京」に納入され、2月中旬から稼働する。日本のイノベーションが欧州で高く評価され、製作された機器が逆輸入されるという前代未聞の出来事で、外資系ホテルならではというもの。
消費者庁は12月4日、今年6月に実施した「平成25年度、地方消費者行政の現況調査」結果を発表した。同調査結果によると、4月1日時点での消費者センター設置数は前年度比21ヶ所増の745ヶ所で、市区町村では「広域連携」が大幅に増えた。一方、消費生活相談員は全相談窓口の63.9%に配置されている。消費者教育・啓発事業の24年度実績は、すべての都道府県および政令指定都市で講習会・出前講座等は行われていたが、市区町村では56.6%にとどまった。
日本生命の13年末の調査で、消費者の6割程度が消費増税による「買いだめなどはしない」と答えた。一方、増税後も買い控えや節約志向は根強く、消費の盛り上がりに欠けた状態が続く公算が出てきたという。
経団連などが「日本版クラスアクション(集合訴訟)の導入」と警戒していた「消費者裁判手続き特例法」が昨年12月に成立した。欠陥商品などによる消費者の損害を救済するため、消費者団体が訴訟を起こせるようになる。企業はリコール(回収・無償修理)の基準や約款を見直すなどの対応を迫られそうだ。メーカーと小売業者の情報共有も重要になる。
チャイルドシートは、ベルトを緩みなく体にフィットさせることが肝要である。しかし、厚手のコートを着用するとしっかり固定ができないため、事故の際に受ける衝撃を緩衝させられず、最悪の場合、チャイルドシートから子どもが放り出される危険もあるという。アメリカの『コンシューマーリポーツ』では、冬物コートとチャイルドシートの組み合わせは、事故の際に十分な保護ができず、危険度が高いとして、注意を呼びかけている。
国民生活センターによると、インターネット通販に関する相談は年々増加しており、今年度はすでに前年同期比6倍の4165件。商品が届かない、偽物のコピー商品やまったく異なる商品が届いた、といった苦情が多い。同センターは、ネット通販で代金を前払いする場合はリスクを十分に考えて利用するようアドバイスしている。
インターネット上に、正規のショッピングサイトを模したサイトを作り、偽ブランド品を高値で売り付けたり代金を詐取したりする「偽サイト」の被害相談が昨年、「日本通信販売協会」に3458件あり、相談が寄せられ始めた2010年の46倍に急増していることがわかった。大阪府警が独自に振り込み先の口座を調べたところ、9割は、中国人名義でサイトの発信元が中国というケースも確認されており、警察当局は、中国の詐欺グループが日本人を標的にしているとみて警戒を強めている。
ホテルや百貨店で起こった料理メニューの食材偽装問題を受け、消費者庁は、農林水産省の表示・規格指導官(食品規格Gメン)と米穀流通監視官の計約200人に同庁の職員を兼務させ、レストランや百貨店の表示の監視も行わせることを決めた。2月から半年間の期間限定で食品偽装を見抜くプロを起用する。違反の疑いが報告されれば同庁が改めて立入検査を行い、措置命令を出す。
冷凍食品の回収対象商品の表示に「アクリフーズ群馬工場」の記載がない商品が10品目あった問題で森消費者相は、1月21日、閣議後会見で「『製造所固有記号』が記載され消費者にとって分かりにくい状況がある」と述べた。「今後、同様の事件が起きた時にどのように注意喚起をしていくか」という観点から製造所固有記号のありかたを検討するよう指示したことを明らかにした。
ウールなどのセーター、ダウンのコート、スーツなどで「水洗い可」の洗濯表示を見かけることが多くなった。自宅で洗えれば節約にもつながる。デリケートな衣類の洗い方と干し方、アイロンの使い方のコツを掲載。
調査会社マクロミルに委託し、洗濯方法や洗剤について全国の20〜60代の男女1000人にインターネットで聞いた。洗濯機やコインランドリーを使う頻度は「毎日」が51.0%と過半数だった。子どもがいる人は7割弱が「毎日」使い、「1日2回以上」も3割近くにのぼる。また、洗濯時間の短縮で最もよく心がけていること(複数回答)は「まとめて洗い洗濯回数を減らす」が46.9%で最も多かった。洗剤を買うときに重視することは「値ごろ感」が最も多く、次いで「除菌・抗菌効果」、「部屋干し臭などイヤなニオイの抑制」であった。
ドイツの商品テスト財団では、羽毛掛け布団11商品の保温性、吸湿発散性、羽毛の状態、耐久性を中心にテストし、その結果を同財団発行『テスト』誌に掲載した。結果、「良い」という総合評価を得たのはわずか1商品だった。全商品が、ガチョウよりも品質が劣るとされるカモの羽毛を一定割合使用しており、また「ダウン(羽毛)90%、フェザー(羽根)10%」などの表示があるにもかかわらず、フェザーの混合割合が表示より高い商品が目立ったという。
経済産業省は、新しい製品や統一規格づくりを後押しし、日本発の「国際基準」を増やす取り組みを強化する。企業が標準化の手続きを進めやすい仕組みを作ることが柱。国際的なルール作りを主導して日本企業の海外展開を有利にしたい考えだ。国際基準は、製品の性能や形状、大きさなどに関する世界共通のルール。国際標準化機構(ISO)、国際電気標準会議(IEC)などの国際機関で、規格案が加盟国の投票によって賛成多数で認められると国際標準になる。
ブラインドのひもが首に引っかかって乳児が死亡した事故を受け、東京都の協議会は2月18日、経済産業省にはJIS(日本工業規格)化を、事業者団体にはひもがない、輪になる部分が小さいより安全な商品を開発することなどを提言した。消費者庁には、死亡事故の情報が集約されていなかったことから法整備を含む事故情報収集体制の見直しを求めた。消費者には、安全性の高い商品を選ぶことや、一定の体重がかかると接続部が外れる「ジョイント」など安全装置の活用を呼び掛けている。経済産業省は来年度からJIS規格化の検討に着手する。
消費者庁は、消費生活センターで働く相談員らが取得する民間資格を国家資格にしていくことを目指している。そのための消費者安全法改正案を今国会に提出する予定だ。全国消費生活相談員協会は
p6〜10 スキーウエアの機能性繊維の開発は数多くの視点があるが、その中で保温素材の視点からその歴史をまとめた。保温の原理は大きく分けて2つあり、1つは断熱保温や人体から発生する熱を反射する「消極保温」であり、もう一つは太陽光蓄熱保温や吸着熱を利用した「積極保温」である。本稿では、太陽光蓄熱保温素材の開発経緯を詳細に解説している。
吸湿性が2%高い肌着着用が温熱生理反応と衣服気候に及ぼす影響を、着用実験により検討した。吸着熱影響は、低湿環境では認められたが高湿環境では認められなかった。また、発汗開始後の温熱生理反応を増大させる効果は、発汗レベルが比較的少量の場合に示されることが明らかとなった。したがって、温熱生理反応と衣服気候の重要な要因は、環境湿度と発汗レベルであることが明らかとなった。
東レはNTTと共同で、着るだけで心拍数や心電波形などの生体情報が連続計測できる機能素材「hitoe」(ヒトエ)を開発した。日常生活やスポーツ、ビジネスシーンでの心拍数の変化など、身体やメンタル面での生体情報の変化を可視化し、健康増進などの分野での活用を目指す。NTTドコモが、ヒトエを活用した生体情報計測用ウエアとスマートフォンなどを活用したサービスの提供を、14年内をめどに開始する。
被介護者の睡眠時の呼吸に伴う体圧の変化から、呼吸波形を感圧導電性編物により計測する方法を紹介する。これまでのセンサーと比較して、繊維素材特有の柔軟性、通気性、肌触りなどの面で優れており、睡眠時無呼吸症候群の検知やその警告などへの利用が期待できる。
ワコールは、楽な着心地ときれいなシルエットが特徴のブラジャーの販売を開始した。金属ワイヤの代わりに、体の動きに沿って動く柔軟な樹脂ワイヤを使い、楽な着け心地を実現した。
腎不全患者の血中に含まれる尿毒素を吸着することができる人工繊維を開発したと物質・材料研究機構の荏原充宏主任研究員らのチームが19日、英科学誌電子版に発表した。災害時に携帯できる小型の透析装置の開発につながると期待されている。荏原主任研究員は「吸着率を向上させれば、腕時計型の装置でも透析治療が可能になるかもしれない」と話している。
ソフトレザーの縫製で、素材の裏側が共色でないため、ステッチの針穴跡において白い裏地が目立ってしまうトラブルのミシン針からの防止対策。このトラブルはカッティングポイントSの針で発生しているが、この針は大きな刃先で革を切り裂くことにより針が貫通するときの抵抗を小さくした針である。しかし針穴跡が大きく裂け、縫い糸が針穴跡を広げていることが白い裏地が見えてしまう原因と推定できたため、防止策としては針穴跡を広げないようにすることが必要で、針先を細身にした先端がSポイントの針が最も効果的だった。
昨年開催された「第6回ジャパン・ベストニット・セレクション」の「JBKSアワード」でグランプリに佐藤繊維、デザイン賞にバーンズファクトリー、技術賞に第一ニットマーケティングが選ばれた。グランプリを受賞した佐藤繊維は、「オリジナル紡績糸を生かし、創造性とデザイン性を加味した市場性」が高く評価された。佐藤社長は「日本や世界にファッションを発信できるようなモノ作りを続けていきたい」と語っている。
日本企業の進出が加速する東南アジアで、従業員の賃金に上昇圧力がかかっている。賃上げは消費市場の拡大につながるが、中国集中を避ける「チャイナ・プラスワン」で東南アジアに生産拠点を構える日本製造業にはコスト増になる。
世界経済フォーラムによる男女平等の度合いを示す「ジェンダーギャップ指数」13年版で、世界136カ国中米国23位、日本105位だった。女性の地位を経済、教育、政治、健康の4分野で分析している。
文部科学省の委託事業として8つの大学・大学院・大学院大学・専門学校が産学連携で取り組んできた「テキスタイルおよびクリエイティブ分野におけるグローバルな人材育成プロジェクト」が最終年度を迎え、その成果を「進化と継承〜テキスタイルとクリエーションの未来〜」のテーマで作品展示・ショーの形で発表した。同プロジェクトは、@素材開発から商品開発まで一貫してプロデュースできるクリエイターを育成するためのカリキュラムの実践、A産地や企業と連携してメード・イン・ジャパンの活性化・次世代への継承を目的としている。
自治体研究機関が取得した特許の地場産業への移転が、新産業の育成に大きく貢献することが日経新聞社の調べでわかった。各機関は「民間での実施」を特許開発の最大目標に据えるようになっている。福井県工業技術センターが持つ炭素繊維強化プラスチック(CFRP)のための加工技術を、地元の繊維企業に実施権を与えて得たロイヤルティーは481万円であった。
@4月25日Aキャンパスプラザ京都B老若男女の発汗能力、低温・低圧環境におけるヒトの生理・心理反応、環境変化と起立耐性他C日本繊維製品消費科学会 TEL:06-6358-1441
@(1)5月16日(大阪)、(2)5月23日(東京)A(1)ドーンセンター、(2)日本女子大学B顔料プリント加工の最新技術、昇華プリント加工技術について、刺繍テクニックと刺繍ビジネスの傾向、熱接着マーク加工技術について他C日本繊維製品消費科学会 TEL:06-6358-1441
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:中島利誠/発行人:大谷芳男