ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧(2003年度:第20巻〜)→
経済産業省製造産業局繊維課は、15年度補正予算と16年度当初予算を活用して海外展開や設備投資を支援していく。「ものづくりサプライチェーンFS支援事業」で繊維課が十数年ぶりとなる単独予算を確保した。
日本政府観光局の訪日客数(推計値)15年は前年比47%増の1973万人となり、政府目標の20年2千万人にほぼ到達した。消費が旺盛な中国の訪日客が2倍強に拡大し、訪日客の旅行消費額は過去最高の3.4兆円となった。ただ今後どこまで伸びるかは不透明な面もある。
岐阜県、日本労働組合総連合会など行政機関、団体などで構成する「技能実習生等受入適正化推進会議」が開催された。監理団体ぐるみの不正など労働基準法違反がみられ、受け入れ適正化を得る対応が話し合われた。
国内景気がふらついている。内閣府の15年10〜12月期の国内総生産(GDP)速報値は前期比年率実質1.4%%減となった。マイナス成長は2四半期ぶり。16年1〜3月期はプラスに転じるとみる向きが多いが、消費はマインドの冷え込みを指摘する声がある。年明けからの円高・株安が景気を下押しするリスクも。
総務省の労働力調査15年で、正社員数は前年比26万人増の3304万人になった。新たに働き始める女性や高齢者が増えたほか、パートやアルバイトから正社員に職種転換する例も目立つ。雇用は改善してきたが、賃金や消費への波及は依然鈍いままだ。
総務省の家計調査15年で、2人以上の世帯の実質消費支出は前年比2.3%減と2年連続で前年を下回った。14年4月の消費増税後の消費手控えムードが長引いていることが改めて浮き彫りになった。
消費者庁長官を含む9人が3月13日から1週間程度神山町に滞在して試験的に業務を行うことを発表。坂東長官は東京にいる職員との打合せや決済等を差支えなくできるか確認するという。同庁は今夏にも同県内でさらに長期的な試験移転を行う予定。
経済産業省はカード会社や大手流通企業と協力してクレジットカードの安全対策を強化する。加盟店がカード情報を保存しない仕組みを作るほか、電子商取引サイトで買い物をする際に本人を認証する専用番号の入力を求める。20年までの計画完了を目指す。
財務省貿易統計局の貿易統計による衣類輸入15年は、重量ベースで100万トンを確保したが、減少幅が4%減となった。中国の9%減が目立つ。金額(円)では、円安定着もあり5%増となった。16年秋冬は深刻な店頭不振に陥り、16年も輸入量の拡大は見込みにくい。
経済産業省は消費者がクレジットカードで買い物した際のデータ規格を共通化し、小売店などが情報を活用しやすくする。カード業界と協力し、年内にカードデータの書式で標準規格をつくる。4月をめどに検討会を設置予定。
総務省は「出生から死亡を引いた人口の自然減が大きくなっており、人口減少局面にはっきり入ってきた」と説明した。2015年10月1日時点で外国人を含む日本の総人口は1億2711万47人で1920年の調査開始以来、初めて総人口が減る。5年前の調査に比べ94万7305人減少した。世帯数は最多の5340万3226だった。
ISO(国際標準化機構)の繊維技術委員会(TC38)で日本提案の規格の発行が相次いでいる。15年に4件が発行し、4件が発行待ちとなっている。08年に日本と中国が幹事国を引き受けてから日本提案の規格が増加。日本が得意とする機能性繊維の評価方法に加え、ここ数年はオンリーワンの技術を手案する例も増え、標準化を活用したビジネス領域拡大の取り組みが活発になっている。
京都金銀糸産地のラメ糸メーカーである泉工業はこのほど難燃ラメを開発した。米国の安全性規格であるUL規格UL-94の難燃性試験で最高レベルの難燃性を確認しているVTM-0のポリエステルフィルムを使用することで開発に成功した。難燃ラメは燃焼すると炭化皮膜を形成し、断熱効果を発揮し、可燃性ガスの拡散も抑制することで炎が燃え広がるのを防ぐ仕組みだ。ノンハロゲンのため環境にも優しい。
1.無菌工場でカイコは育つ(無菌周年養蚕工場)、2.衰退が呼んだ企業家魂(養蚕の工場化)、3.たとえ「破壊」と言われても(ラオスで桑の栽培始める)、4.駅伝チームのように(プラチナボーイ)、5.世界遺産を追い風に(国産シルク)、6.画期的だがどう使う(カイコ遺伝子組み換え技術)、7.最先端人工血管に情熱(繊維から医療への参入)、8.なぜか組織は再生する(バイオ医療品)
東邦テナックスは14日、省エネで生産性の高い革新的な炭素繊維製造プロセスを開発したと発表した。同プロセスは世界初の「マイクロ波による炭素化技術」と「プラズマによる表面処理技術」で今後、炭素繊維複合材料の量産化時代に向けて、この技術の量産化プロセスによる工業化を目指す。PAN系耐炎繊維束を炭素化する際の繊維構造形成過程を精査し、炭素化過程にある繊維状物質の状態にあった最適なマイクロ波エネルギーの照射方法を検討することで、高度な技術を確立した。
ユミカツラ(桂由美)は、見る角度で色が変わる糸を織り込んだジャガード生地でドレスを制作した。東洋アルミニウムが開発したメタリック顔料「クロマシャイン」を用いた糸「ゆうさい」の生地によるものである。クロマシャインは、アルミニウムフレークを基材にし、フレーク表層にシリカ層を被覆し、更に金属粒子をメッキした、全く新しいタイプのメタリック顔料。メッキ層からの反射光とアルミニウムフレークからの反射光の光路差により強い干渉色が得られる。高彩度、高変化(見る角度によって色が変わる)、高遮蔽率が特徴である。
篠原テキスタイル(広島県福山市)は、甘撚りの綿100%コンパクト糸を使ったデニム素材「ソフトクリームデニム」を開発した。使用した糸は、旭紡績(大阪府泉南市)と共同開発した6番手の甘撚りコンパクト糸。デニムに通常使われる糸と違い、毛羽が少ないコンパクト糸を使うことで、ムラのあまりない、きれいな表面感を特徴とする。重量感がありそうな感じだが、軽い着心地も特徴で、ソフトクリームのような滑らかな肌触りがある。
服地コンバーターのクリスタルクロスが、16〜17年秋冬で展開している高付加価値のリバーシブルが売れている。「クォーター企画」として展開するジャージーは、表が7ゲージ、裏が28ゲージというゲージ数が違う編立を同時に行う特殊な機械で生産される。表にウール、裏に綿を使い、表のざっくりとした表情と裏の緻密な対照的表情が特徴。軽く温かみのあるコートやジャケット用途で秋冬の立ち上げから高い支持を受けており、完売ペースで推移している。
17年春夏の欧州テキスタイルは、軽さを維持しながら、いかに立体感を高めるかに焦点が置かれている。11日に閉幕した伊素材見本市のミラノウニカでは、ジャカードの膨らみや穴あきの奥行き、ブライトとダルのコントラスト、織り目の印影など、視覚効果による3D表現があふれた。一見して無地、シンプルなボーダーでさえ、近づけば織り目の凸凹がはっきり視認できるほど、プレーンな表面のものは減っている。
日本バイリーンは産業技術総合研究所(産総研)と共同で、海水中の低濃度放射性セシウムを素早くモニタリング、回収できる不織布カートリッジ「Cu-C」を開発した。水に溶けてイオン状態になっている放射性セシウムを効率よく回収できる特徴を持っており、海水に含まれる放射性セシウムのモニタリングに適用できる。今後、関連研究機関と協力して、Cu-Cを用いた海水中の放射性セシウムのモニタリング技術の実用化と標準化を進める。
素材の進化で新用途開発、国産は海外で高い評価を得ている。クラレクラレックスは、スチームジェット製法の「フレクスター」が自着包帯で伸びている。旭化成せんいは、キュプラ長繊維不織布の「ベリーゼ」はメディカル、クリーンルームワイパー、ウエットティッシュ、フェイスマスク用途が伸びている。日本バイリーンは、ストレッチ芯地「ハイパーブリッド」、倉敷紡績は、美容フェイスマスクの不織布基材「シルキーベール」を発表した。東洋紡は、ポリエステルスパンボンドで土木、建築、自動車の3分野を中心に展開している。
合繊メーカーにとって、スポーツウエア分野は機能性が生きることから、重点分野に位置づけられる。それは春夏、秋冬の年2回、各社とも同分野の展示会を継続開催し、その都度、新素材を提案していることからも分かる。常に目新しさが求められるスポーツウエア向けテキスタイル。その面で各社の開発力も問われる。ここでは、合繊各社の17春夏向けスポーツ新素材をまとめた。
東レは豊田通商と共同で、炭素繊維をリサイクルする取り組みを始める。炭素繊維複合材料から炭素繊維を回収するリサイクル技術で、消費燃料を大幅に低減する技術の実証を進めるとともに、リサイクル炭素繊維の用途開発も進めて行く。両社は、国立研究開発法人の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」に、「革新省エネルギー熱分解法による高効率リサイクル炭素繊維製造技術の開発」を提案し、これが採択された。
基礎知識講座の第16回、染色加工の第2回の今回は第3章 染色の工程(デザイン表現と染色方法から基本工程、準備工程、先染め、後染め、捺染)、について解説した。第17回(染色加工第3回)では、第4章 加工(仕上げ加工、特殊加工)、第5章 検査(外観品位、色判定、物性、染色堅牢度)について解説し、参考文献を挙げた。
1月号では、毛織物染色整理加工業者の変遷、糸綿染め業者の変遷、海外進出と合弁事業、日本国内での染色産地の動向、染色各社の水平・垂直連携、メードインジャパンの巻き返しについて各種統計を基にして詳細に解説した。2月号では、世界的に高い評価を受けるようになった日本の染色加工技術の1990年代以降の商品開発や技術を小松精練、東海染工、ソトーなどを取り上げて解説した。また、SEKマーク、染色機械の進歩、革新的染色加工技術などについて解説した。
愛媛県今治タオル産地の染工場、西染工はプラチナナノ粒子加工を施した「プラチナフェイスタオル」を開発した。においの原因である雑菌繁殖を抑え、濡らしたままで携帯できる。昨年春から30色で展開する「プラチナウエットタオル」の姉妹品に位置づけ、同様にプラケースが付属し、ネクタイ状に首に巻けるようループも付けた。
住化ケムテックスは反応染料の新製品「スミフィックスSUPRA LF3B」を開発し、近々、一般発売する。同社製染料では約10年ぶりの新製品。耐光堅牢度を従来品比で大幅に高めた高付加価値品だ。すでに一部の取引先には先行して販売ワークを進めているが反応は上々で、すでにスポーツアパレルなどへの採用も内定したという。大阪工場の生産設備の系列変更を進めるほか、一部不採算品は外製化も検討する。
三木理研工業(和歌山市)はこのほど、非フッ素系撥水剤「リケンパランSG-54」を開発し、販売ワークを開始している。同製品は非フッ素のシリコーン系撥水剤で、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)を含まないが、フッ素系同様の「超撥水」を実現。少量でも性能付与できる点も特徴だ。架橋剤のブロックイソシアネートを併用すると、1%の濃度での加工でも初期撥水は、綿、ポリエステル綿混、ポリエステルタフタ、ナイロンジャージなどほとんどの素材で4級以上の撥水性を確保する。
天然本藍染スクモレザーを製造するホリイ(東京)が、世界のラグジュアリーブランドや国内有力百貨店から注目を集めている。これまで動物性の革に植物性の藍染をすると革が固くなるなど、天然素材だけで革の藍染をすることは技術的に不可能とされていたが、「天然灰汁発酵建藍染」を用いることで7年をかけて成功した。既に国内の有力ブランドをはじめ世界のブランドとの取引が始まっている。
糸染色の森敏(愛知県一宮市)と中国の後加工、嘉興旭馬漂染(平湖市)は、ウールでケミカルストーンウオッシュ加工を施してもフェルト化しない技術を開発した。ウールヴィンテージは、製品での加工後、綿デニムのようにスレ感やあたり感が出て、上品なカジュアルが表現できる。ウールは通常フェルト化してしまうが、ウールヴィンテージは、縮みが抑えられ、フェルト化せず、風合いの変化も見られない。家庭での手洗いも可能である。森敏が開発した防縮加工を施して染色した糸を使用している。
ジーンズ加工の美東(岡山県倉敷市)はこのほど、岡山県の真備町竹炭生産販売組合と共同で竹炭をデニムに付着させた加工を開発した。竹炭の加工を施すことでスモークがかった味わいのある風合いを特徴とし、今秋から美東の直営店「コジママーケットプレイス」で竹炭ジーンズの販売に乗り出す。真備町で生産が盛んな竹炭を使ったもので、組合で竹炭を粉末にし、デニムにオーバーダイ加工したものになる。
日本皮革研究所(東京都)は、クロムなめし革で生成する可能性が指摘されていた六価クロムの抑制技術を開発した。クロムなめし革は高温焼却等の際に、三価クロムが毒性の強い六価クロムに変わる可能性が指摘されていた。ラジカル補助剤、還元剤、複合体形成剤を独自に混合し、三価クロムと反応させ、常温でも加熱後にも六価クロムを生成しないことに成功した。
展示会・見本市・コレクションなどの名称、日程、開催都市を掲載。欧州212、米国187、中南米7、アジア65、日本97本ある。
アパレル各社が「メード・イン・ジャパン」をうたった商品を相次ぎ投入している。商品のこだわりや品質の良さをアピールするが、その基準は曖昧だ。生産コストの安い海外に拠点を移した結果、国内産の市場シェアはいまや3%。インバウンドの追い風があるものの、小さくなりすぎた市場での戦いに、業界の苦しい実情が上がる。
大手シャツアパレルの山喜は、レディース向けに静電気の発生を軽減させたシャツブラウスを16秋冬から売り出す。男性に比べて静電気の発生率が高いとされる女性からの要望が強かったという。生地は、静電防止(スパークガード)だけでなく、ストレッチ、形態安定加工などの快適機能も施した。とくにカーディガンなどの重ね着を脱ぐ際の不快なパチパチや重ね着のほこりの付着を軽減。
クラレ、伊藤忠商事など日本企業がベトナムで相次ぎ生産増強や販売強化に動いている。クラレは協力工場で7月にスポーツ衣料の縫製ラインを増設。伊藤忠も生地工場の生産が拡大している。環太平洋経済連携協定(TPP)を発効すると、輸出入にかかる税負担が軽減される見通し。技術力の高いベトナムを拠点に対米輸出を増やす考えだ。
子供服メーカーが相次いで商品デザインを見直している。経済産業省が先月、子供服の安全性を高めるため、新たな日本工業規格(JIS)を公示したからだ。規格に適合しなくても販売を禁止する法的拘束力はないが、消費者の関心が高いため対策を急ぐ。
アパレル各社が紳士向けオーダーメードスーツの販売に力を入れている。アパレル不況と言われる中でもオーダーメードスーツの需要は伸びている。各社とも生地の品揃えを増やし、接客技術を磨くなどして顧客の取り込みを急ぐ。
春節(旧正月)に合わせて高級スーツが相次ぎ登場している。青山商事は同社の最高級ブランド「ヒルトン」から、国産生地を国内の縫製工場で仕上げた男性用スーツを発売する。価格は税別9万9千円。三越銀座店(東京・中央)はレナウンの主力紳士ブランド「ダーバン」で中国人向けに開発した同店限定のスーツとジャケットを発売した。価格は税別15万3千円。
IT(情報技術)ベンチャーのメイキップ(東京・港)は、ネット通販の利用者が洋服を購入するときに適切なサイズをお薦めするサービスを始めた。約600ブランドのサイズデータと利用者の個人の情報を基に、最適なサイズを割り出す。洋服のネット通販はサイズが不安で購入をためらう人が多い。サイト事業者に提供し、試着しなくても安心して買えるようにする。
グンゼは10日、術後の肌や敏感肌に優しい低刺激インナー「メディキュア」を開発したと発表した。商品の特徴は、物理的、化学的な刺激が少なく、肌に負担をかけない点。縫い目が肌に当らない「完全無縫製」仕様で、赤ちゃんが口に含んでも影響がないとされる安全な接着剤を使った。また、繊維をナノレベルで改質した同社の特許技術「エコマジック加工」により、汚れ落ちが向上、洗剤や皮脂汚れをしっかりと落とす。
イトキンは投資会社インテグラルと、総額45億円の第三者割当による普通株式発行の引き受けとイトキン既存主要株主からの株式譲渡について1月下旬に合意した。90%以上の議決権をインテグラルが握る。イトキンは28ブランド、国内に約1400店舗を展開するが、今後、不採算ブランド・店舗の撤退などを進めていく。
小売り関連各社は今夏のクールビズ商戦で、デザイン性を高めた商品を充実させる。今まで通り暑さによる不快感を軽減できる機能を備えつつ、色柄でファション性を出したり重ね着を楽しめる商品を投入したりして新規需要を取り込む。
東京商工リサーチ(TSR)がまとめた2015年のアパレル関連企業の倒産件数は、前年比4.6%増の474件だった。卸、小売りとも婦人・子供服が最も多く、全体の42.0%を占めた。負債総額は卸売業が8.8%増の411億600万円、小売業が63.7%増の331億8600万円。
今冬のコートの不振が商談に響いている。商社の16〜17年秋冬向けOEM(相手先ブランドによる生産)展が一巡、商談は本格化しているが、コートをはじめとする重衣料の提案は抑え気味。コーディガンの派生アイテムのようなサンプルが多く、ニットのアピールが目立つ。ウールコートのように単価の高いアイテムに頼れないため、各社は頭を悩ませている。
岡山県倉敷市の児島地区には海外ブランドや国内のジーンズメーカーから染色や縫製を請け負う会社が200ほどひしめく。格安ジーンズの台頭という逆風にさらされる中、「国産ジーンズ発祥の地」へ新風を吹き込む動きが出ている。
「ニューヨーク(NY)ファッション・ウイーク」が2月11日〜18日までの8日間、米ニューヨーク市で催された。2016年秋冬向けの女性衣料品をデザイナーが業界向けに提案した。著名人が姿を見せる華やかなイベントは相変わらずだが、SNS(交流サイト)の普及で「ランウエーショーの存在意義」を疑問視する声も強まってきた。
小売りやサービス業などの年末年始商戦は全般に堅調に推移した。百貨店は訪日客や富裕層などの旺盛な購買意欲を背景に福袋や高額品の販売が伸びた。しかし小売り関係者などからは訪日客頼みともいえる状況に不安の声もあがっており、消費の先行きには依然として不透明感が残る。
SCの開発が依然、活発だ。昨年は郊外・都市近郊が多かったが、今年は大都市中心部で大型施設の開業が相次ぐ。その多くがファッション、食を中心に新業態店やエリア初出店テナントを多く導入し、買い物以外の機能の充実で他施設と差別化する。競争は更に激化、既存施設にも対抗策が求められる。
日経産業地域研究所で、ネット通販での支出額を増やした人は4割弱に達する。書籍や衣料の購入が目立ち、利用頻度、支出額は30代、40代が多い。衣料や化粧品では購入者の3割弱がスマホ経由の注文がメーンで、買い物の手軽さが利用を後押ししている。
百貨店や小売り各社のセール商戦がピークを迎えている。暖冬の影響でコートなど重衣料の出足は鈍く、衣料品は総じて厳しい。一方でバッグや手袋、靴といった服飾雑貨が好調で全体の売り上げを下支えしている格好だ。店によっては前倒しで投入した春物商品が売り場を活気づけている。
15年末、「蛍光灯の実質製造禁止」が報道さえ、照明器具のLED化が話題になった。次世代照明といわれるLEDや有機ELが、今後商業施設や店舗にコスト負担が重くのしかかることも予想される。
日本百貨店協会の全国百貨店売上高15年は、前年比比0.2%減(既存店ベース)と4年ぶりに前年実績を下回った。など大都市の店で富裕層や訪日外国人による化粧品や宝飾品の売り上げが伸びたものの、主力の衣料品販売が振るわず、食料品や家庭用品など主要品目の多くが前年割れだった。
都内百貨店は基幹店への改装投資を集中している。品揃えだけでなく、環境、サービスを刷新し、既存のほか、新規顧客の獲得を狙う。順調なインバウンドや富裕層の需要を最大化する施策が相次ぐ。
今春、セレクトショップや百貨店自主編集売場で、日本の新進ブランドを導入する動きが目立つ。円安でコンテンポラリーゾーンの海外ブランドも割高に感じられることが背景。同時に、ノームコアブームを経てファッション消費に停滞感が漂うなか、新しい芽を見つけ出そうというムードが急速に広がっている。
商業施設各社が、孫をターゲットにした販促でシニア層の取り組みを強化している。三菱地所グループの三菱地所リテールマネジメントは、仙台市の商業施設で孫に焦点を当てたシニア取り組み策を進めている。東急モールズデベロップメントは、子供向けの季節イベントを開催し、3世代の集客を狙う。特に高齢化が進む郊外型の施設はシニアの心をくすぐる販促を打ち出し、集客をテコ入れする。
第105回全米小売業大会が開催され、参加者が3万4千人で過去最高になった。「ミレニアムズ」世代(19〜35歳)が重要な客層であることが鮮明になり、その対応とオムニチャネルとともに主要テーマになった。
中国人観光客に対応するため、中国人の販売職の派遣を必要とするショップが急増している。人材サービスのテンプスタッフは15年4月、中国語接客のアパレル専門チームを設立、店側からの引き合いが想定を大きく上回り、実際に働く中国人スタッフも予定人員の2倍ベースとなっている。
台湾で本格的なアウトレットモールの開発が相次いでいる。台湾では都心部の百貨店や都市型SCが発達する一方、少なかった施設だ。経済発展が続き、ファッションへの消費者の購買意欲がますます高まる中、「新たな市場」として広がりそうだ。
地方有力セレクトショップがここ1年で出したSC店の売り上げが堅調だ。好調な理由は「質の高いブランドを気軽に手に取れる売り場」と「購買につなげる接客力」。質と価格のバランスが取れた品揃えとともに、個客をつかんだ対面販売で、SCが取り逃がしてきたファッション好きをとらえている。
マネキンメーカーは、独自性を出すために、意匠を凝らしたマネキンに再び関心が寄せられている。リアルな造形など挑戦的な新作も相次ぎ、潮目の変化が表れている。「黒衣」たちは今どう変わろうとしているのかを追った。
ファッション小売業の間にICタグの導入が一段と進みそうだ。コストがネックで導入に踏み切れない企業が少なくないが、棚卸などの業務で日常的な作業の効率を改善した先行企業の事例が広く知られるようになったため。
紳士服チェーン各社がシニア向けの品ぞろえを強化している。主要顧客の団塊世代は退職でスーツの着用機会の減少が懸念されている。シニア向けカジュアル衣料を投入することで顧客をつなぎとめる。
大手量販店の衣料品部門が接客販売に力を注いでいる。セルフ販売を基本としてきたが、長期にわたる販売不振はビジネスモデルを変えようとしている。
春節を迎え、中国人客でにぎわう東京・銀座に消費税や関税などが免除される「空港型免税店」が1月末にオープンし、さらに爆買いが加速しそうな機運だ。国内の消費シーンはインバウンド依存がいっそう深まりそうだ。
原宿に路面店を構える大手セレクトショップが春節に増えるインバウンド(訪日外国人)客の需要に応えるべく、この時期ならではの品揃えを工夫している。目立つのはメード・イン・ジャパンのこだわりを切り口にした商品の充実だ。
きものへの注目が高まってきた。若い世代を狙った催事が相次ぐ一方、伝統ある呉服売り場も新しいイメージを打ち出している。共通するのは、「若年層は和装に関心がある」との見方だ。最近のゆかたの普及も手伝い、ファッション感覚の和装市場が広がる可能性が出てきた。
NRF(全米小売業協会)は米小売業売上高16年が前年比3.1%増と予測した。過去10年間の平均である2.7%増より高く、Eコマースが6〜9%増を予測。背景に雇用の安定と賃金の上昇がある。
百貨店の春節商戦(2月7〜13日)の売り上げは、前年(15年2月18〜24日)との比較で横ばいから約50%増の結果となり、引き続き中国人客を中心とするインバウンド(訪日外国人)需要の高さを示した。ただし客単価は減少傾向にあり、客数の伸びでカバーした形だ。花見シーズンの3,4月には訪日客のさらなる増加が見込まれるため、百貨店は購買動向の変化への迅速な対応が求められている。
パートやアルバイト時給が異次元に入りつつある。民間調査によると首都圏の平均時給は15年5月から1千円を超え、求人サイトでも時給1500円は珍しくない。物流などでの旺盛な求人を背景に労働需給が逼迫しているためで、営業時間を短縮したり、出店の足かせになったり、成長の阻害要因になってきた。小売り・サービスを中心としたチェーン経営はかつてない試練を迎えている。
百貨店各社が定額の積立金で買い物など楽しめる「友の会」サービスの拡大に乗り出す。高島屋が積立金支払いを自社ネット通販での買い物に広げるほか、大丸松坂屋も消費増税前の入会をうながす販促を用意する。日本銀行が進めるマイナス金利政策などを背景に、利回りも高く特典が充実した友の会の需要が急伸している。利便性を高めて顧客を囲い込みたい考えだ。
クリーニング業自体が店舗に洋服が集まる業種であり、着なくなった服のリサイクル関連サービスは相性が良い。綺麗で着用可能な子供服や「洗い替え」の必要な学生服など店舗への来店動機を創出する試みとして評価される。
経産省と消費者庁が連名で消費者啓発向けリーフレットとパンフレットを作成。このうち後者では「家庭用洗濯機のドライコースは水を使わず洗うドライとは異なる」「新しい取扱い表示は上限表示で、Wマークは家庭で洗濯できません」「家庭洗濯×の記号が付いている場合はク店に依頼しましょう」などプロの利用を推奨している。
クリーニング業者に配布することとなった資料は@厚生労働省、経済産業省、消費者庁が合同で作成した「従来のJIS(L0217)と新JIS(L0001)の記号の対比表」、A経済産業省と消費者庁が合同で作成した「消費者に向けて新JISを周知するためのパンフレット」(2種類)、B繊維評価技術協議会、全ク連、日本繊維商品めんてなんす研究会、日本テキスタイルケア協会が協議して作成した「ウエットクリーニング記号を表示することの可否を判断する試験方法の解説資料」を1セットにしたもので約10万部。
国民生活センターが「消費生活年報2015」を発表。05年に1万121件あった「クリーニングの苦情相談件数」は5991件と6割に減じているが、「安全・品質」は前年5位から再びワースト3位に逆戻りした。さらに、改善・向上が実を結んでいた「接客対応」は8位と順位を悪化してしまった。
協会の正会員153社の売上総額は3.5%の増加となった。全体の45.8%を占める「リネンサプライ」部門は1777億6010万円で5.3%増と外国人旅行客急増等によるホテルリネンの好調ぶりを示した。なお、1社あたりの売上総額の平均は前年度より4.1%(約1億円)増加した。
経産省が日本テキスタイルケア協会からの照会書に対する回答に関連して、「製品復元のための染色、しみ抜き等の工程は『クリーニング業』には該当しない」と発表。これに対して、全ク連に疑義の申し入れがあり、厚労省も経産省に修正を求め、2回にわたって訂正され、『しみ抜き』はクリーニング業となった。しかし、国内には着物を中心にしみ抜きや染色補正を行っている業者が多数存在するが、クリーニング所として届け出ている所は少ない。そうした業者は"クリーニング業法違反"になるのだろうか?
ワイズプラント鰍フ「ソープコントローラー」はソープ濃度を一定に保つことで安定したドライ工程を可能にする製品。一般にドライ機には静電モニターやソープ自動投入機が搭載されているが、同社の調査では90%以上がソープメーカー指定濃度とは異なる数値が検出されており、逆汚染や再汚染、色落ち・にじみ等の原因になっているという。
宮田工機がガス仕様のユニフォームフィニッシャー「IMTF‐1000G」を完成させ、その1号機が株註エ舎で稼働を始めた。ガス仕様により高い乾燥効率で省エネ性を高めた。
総務省統計局が公表した15年家計調査の年計値によると1世帯当たりの年間クリーニング代支出額は前年比7.9%減の6601円で、ホームクリーニング総需要額は7.1%減の3724億円まで縮小。1世帯当たりの利用頻度は前年比7.3%減の4.47回、利用1回当たりの支出額は0.6%減の1477円だった。
ペットが頻繁に使用するタオルや寝具などの布製品の洗濯には、一般に人と同じ洗剤が使われているが、ペットオーナーの多くは洗濯後の仕上がりに満足していない。問題は「ニオイ」「毛」「菌」の3つである。ペット由来の汚れや毛は落ちにくく、細菌が付着していることもあるため専用の洗剤や仕上げ剤を使用するのが良い。
ストリートファッションを20年以上にわたり観察する共立女子大学短大部の渡辺明日香准教授は「現代の若者はファッションに強いキャラクター性を求めなくなっている。ネットで選んだ自分なりの『かわいい』を寄せ集め、パッチワークのように組み立てる。そつがない分突き抜けたファッションが生まれにくい」と説明する。伊藤忠ファッションシステムは、19〜23歳の 世代を、アプリの「LINE」と「一線(ライン)をはみ出さない」という意味を重ねて、「LINE世代」と名付けた。
ライオンは、おしゃれ着用洗剤の「アクロン」に「ナチュラルソープの香り」を新たに追加し、20日から売り出す。洗濯機で洗える制服やスーツが増えており、婦人服だけでなく子ども服や紳士服にも使いやすいように香りも残らないタイプにした。
2015年全国百貨店売上高は6兆174億円、既存店ベースで昨年割れとなった。都市部では外国人が買う免税品の売り上げが過去最高となったが、地方では客離れを食い止められなかった。中でも化粧品や、宝飾等の高級品は伸び、主力の衣料品は業界全体で3.4%減となった。
暖冬の影響でファッション消費が一段と冷え込んだ。四半期ごとの繊研新聞社の「ファッションビジネス景況・消費見通しアンケート」で、15年10~12月のファッション消費は「悪くなっている」とした企業が69.5%で、前回の12.5%から大幅に増加、「回復している」と答えた企業はゼロだった。
連合がインターネットを通じ29〜69歳の男女千人にアンケート調査を実施したところ、昨年7月に導入された消費者ホットラインの全国共通の電話番号「188」を知らない人が9割近くに上ることが分かった。電話をかけると最寄りの消費者センターにつながる仕組み。国民への浸透が課題だ。
育児中の違和感や困りごとをきっかけに、商品開発に乗り出す男性が増えている。共通するのは、これまでにあまりなかった「パパ目線」の発想だ。例えば、抱っこひもになるバッグ。普段はバックとして使い、子どもから抱っこを求められたら、バックに子どものお尻を乗せると便利だと気づいたことから開発した。また、授乳中に体を隠せる自然な風合いの授乳ケープの開発担当者は「出かけたくなるような楽しいグッズを作ることで妻をサポートしたかった。」と話す。
服が売れないといわれる今、服を買う理由とは何か。その背景が大きく変化しているかもしれない。消費者のリアルに迫り、今後のファッションビジネスのヒントを探る(6回連続シリーズ)。フリマアプリ「メルカリ」で服の売買をする消費者が急速に増えており、実店舗でのショッピングも変わった。「また売ればいいよねって言いながら買っています。買い物する罪悪感がなくなった。」
18日までの2016〜17年秋冬NYコレクションで、すぐに着られる春夏物を発表し、直後に販売するブランドが登場した。ファッション業界では、ショーで半年先の服を発表し、買い付け担当者らの注文を受けてから生産することが多い。在庫を抱えるリスクも減るからだ。今回の取り組みは、消費者重視の観点から、こうした慣例を見直すものといえそうだ。NYコレクションは業界向けの発表の場から消費者向けのイベントへと変わりつつある。
自転車用として販売されている雨具を着て走行中、事故につながるおそれがあるとして国民生活センターは注意を呼びかけた。実証実験の結果、ポンチョタイプの雨具はスポーツ自転車で走行中に裾が後輪に接触し、巻き込まれること、ズボンタイプの雨具は裾のひもが垂れ下がってチェーンに巻き込まれることなどが分かった。
首や胸元(デコルテ)を美しく見せるインナー「デコヴェール」。パンティストッキングと同素材を使用した透明感のある魅せるインナー。首や胸元の気になるシワやシミ、ソバカス更に日焼け後も隠せるだけでなく、腹部や二の腕を引き締める効果も期待できるという。デコルテ部分は薄手で柔らかく、ウエスト部分は電線しにくい融着モビロン糸を使い、伸縮性の高いゾッキ編み採用。脱ぎ着も簡単。首周りと胴周りを縫い目のないシームレス構造にすることで自然な美肌感を演出。通気性と保温性を兼ね備え、タートルネックの下に着用すればチクチク感も抑えられる。紫外線(UV)効果もあり日焼けを低減できる。
種々の詰め物を充填した布団を通しての熱移動を測定した。熱移動抵抗は、詰め物の充填量の増加とともに大きくなった。熱移動抵抗は、ダウンが最も大きく、羽根と綿わたはダウンの3/4程度、捲縮ポリエステルわたと羊毛わたは1/2程度であった。
ウエストに負荷される衣服圧を快適に保つことは健康上重要である。カフベルトとゴムベルトを用いて、ウエスト5部位の衣服圧の変動を姿勢別に検討した。ゴムベルト実験結果から、各条件下の変動を詳細に示す代表部位としてフロントサイドを選定した。
p35〜42 下肢の関節負荷量を分析し、高齢者の歩行の特徴を明らかにする歩行実験を行った。高齢者は、体幹の左右振幅の増加により床反力が外側に偏り、蹴り出し力の低下により足趾関節負荷量が小さかった。
グンゼは、着用するだけで姿勢や消費カロリー、心拍などの生体データを計測できる衣料型ウエアラブルシステムを開発した。肌側に導電繊維を配置しているが、着用快適性に違和感はなく、運動や睡眠を妨げない。
繊維・素材メーカーやITベンチャーがウエアラブル端末市場で事業拡大を狙っている。東洋紡の「COCOMI」はフィルム状の導電性素材で、着用感を損なわず、高精度に心拍数などを計測できる。グンゼは金属細線・金属メッキ糸など導電性繊維を編み込んだ素材を開発し、NECの端末を使い、姿勢や消費カロリー、心拍などを測定できるウエアを実用化する。スリーエムジャパンは、医療用の皮膚貼付用テープ製品でウェラブル端末市場の開拓に乗り出す。ウエストユニティスは、医師がウェラブル端末を活用して多様なデータを迅速に参照できる「メディカルサポートシステム」を開発した。
p121〜123 太陽光の当たりやすい部分には遮光性の高い生地を配置し、太陽光が当たりにくい部分には通気性の高い生地を配置することによって、クーリング性能の高いシャツを製品設計した。
西川リビングと、大阪市立大大学院医学研究科は共同研究で、個々の体に合わせた敷寝具が睡眠の質を改善して、さらに日中の疲労を軽減する効果があると科学的に実証し、1月29日に発表した。試験は、総合医科学研究所の被験者バンクに登録している30〜65歳の健常男女18人を対象に行った。寝具は、西川リビングのオーダーメード寝具「FIT LABO」の敷ふとん、まくらを使用。カウンセリングと測定を基に一人ごとの体形に合わせた寝具と、同素材で身体に合わせていない寝具を使って比較した。
ミズノは、大量に汗をかく状況が想定されるウエアに使用してきたドライベクターを、日常用下着として用いるドライベクターエブリを開発した。肌に優しいpHコントロール機能も有する。
グンゼは、手術後の肌トラブルや敏感肌の人を主対象にした低刺激性インナー「メディキュア」を開発した。接着技術による完全無縫製や切りっぱなし技術、繊維のナノレベルで親水加工し、生地に洗剤や皮脂が残りにくくした「エコマックス加工」、レーヨン50%綿40%肌に触れない編み工夫のポリウレタン10%混で吸水放湿性や洗濯後も柔らかさを維持するなどを特徴とする。
ミドリ安全(東京都渋谷区)の独自開発によるワーキングパンツのカッティング構造「イージーフレックス仕様」が1月29日付で特許を取得した。「開脚する」「かがむ」「座る」などの動作時に起こる「つっぱり」や腹部の「圧迫」などのストレスを軽減、動きやすさと通常のパンツと同様のシルエットを兼備させている。
経済産業省などが進めてきた「カシミヤ繊維の試験法に関する標準化」プロジェクトの成果を受け、DNA解析によってカシミヤ、ヤク、羊毛の各繊維を正確に認識する試験法が国際標準規格(ISO18074)として採用された。
抗菌加工繊維製品、抗かび加工繊維製品および抗ウイルス加工繊維製品の開発の歴史および試験方法開発の歴史について概説した。また繊維製品の抗ウイルス加工に対する評価方法であるISO 18184の試験方法について、機能性繊維製品のマーク制度について、その開発経緯および認証基準制定等の概要を紹介する。
中国からの輸入品の物価が二極化している。衣料や玩具は現地の人件費高騰を受けて輸入時の価格が上昇し、一部は国内の家計にも転嫁され始めている。一方で鉄鋼や電子部品などの素材製品の価格は過剰生産に伴う値引き合戦で下落幅が拡大し、日本企業のデフレ意識を呼び起こしている。中国からの価格面の2つの圧力は、物価の安定を目指す日本経済にとって、かく乱要因に。
日本繊維産業連盟の総会で、15年度は通商問題、情報発信力・ブランド力の強化、製品安全問題・環境問題への取り組みなどが重要方針とした。また、検討中の「アパレル産業ビジョン」の実行が重要と強調。
中国経済が減速するなか、「世界の工場」と言われた中国南部広東省の「珠江デルタ」で異変が起きている。消費が伸び悩む中、東莞で昨年約500社が倒産、新たに進出する企業もあるが組立や縫製等労働集約型は低迷している。工場は人件費の低い東南アジアのほか、かつては輸送の不便さがネックだった内陸部も環境整備されたころにより移転の動きがある。東莞の工場側は賃上げ等を行うも、地元に働き口ができた農村出身の労働者「農民工」が集まらない状況となっている。
15年末、ASEAN(東南アジア諸国連合)は共同体を設立、業界の関心は経済、政治安全保障と社会文化の3つの共同体で構成される。人口は6億2千万人、20年までにはGDPは日本を追い抜き。日本の経済成長にも影響される。
服飾系専門学校で16年度、新しい学科やコースを開設する動きが目立つ。全国的に入学者の減少傾向が続いているため、学生の嗜好の変化に応じて学校の魅力を高め、入学者を確保し、就職対策を強化するのが狙い。服作りだけでなく、多様なファッションについて、専門的に企画から生産、販促や販売などまで一貫して学べる学科やコースが増えているのが特徴だ。
文化学園大学の付属機関、文化学園服飾博物館は国内でも数少ない服飾専門の博物館だ。衣服は光に弱く、展示したままでは傷むため、常設展示はしない。収蔵品をまんべんなく公開する狙いもあり、「衣を通して日本と世界の文化を知る」をテーマに年4回の企画展を開いて展示を入れ替える。毎年春期は洋裁を学ぶ新入学生のため「ヨーロピアン・モード」に焦点を当てた展示会を実施している。
1945年〜2015年に至るファッションビジネス戦後70年の歴史をひとつにまとめた年表。政治・経済から素材、流通、流行まで、主要な出来事を網羅している。
中国で景気減速にもかかわらず、賃金の上昇が続いている。1月までの4カ月間で、10の省や直轄市が最低賃金を最大で3割引き上げた。労働力人口の減少で働き手が不足しているうえ、中央政府が国内の不満を抑えようと地方政府に賃上げを迫っているためだ。8日の春節に伴う大型連休のあとには、賃金上昇に一段と弾みがつくとの見方も出ている。
@2016年4月22日 10:00〜17:00Aキャンパスプラザ京都(予定)B講演「睡眠と健康」「トップアスリートのコンディショニング最前線〜睡眠と運動パフォーマンス」研究発表「寝心地を考慮した寝具寝装品の開発と研究」「睡眠時の寝床内環境と寝具の役割」ほかC日本繊維製品消費科学会 TEL:06-6358-1441
@2016年4月23日14:00〜19:00A葺手第二ビル5階 日本技術士会会議室(東京都港区虎ノ門4-1-21)B講演:「バイオミメティクスの視点で見る繊維」講師:JTCC副理事長 八木 健吉 氏(元 東レ)CJTCC関東支部 e−mail:jtcc-kt@nifty.com TEL:03-5643-5112
@2016年5月8日、15日、21日、29日、6月5日、11日、25日の7日間の9:30~17:30(日によって終了時間は異なります。)Aタワーホール船堀(都営新宿線 船堀駅徒歩3分)(5月15日のみ江東区文化センター)B内容及び実施詳細:JTCCホームページにアクセス⇒教育活動⇒JTCC受験講習会⇒TES受験講習会(東京会場)でご確認ください。CJTCC関東支部 e−mail:jtcc-kt@nifty.com TEL:03-5643-5112 ※ほかに大阪、名古屋、福岡でも講習会を実施しています。
@2016年5月13日(金)10:00〜17:00A大阪科学技術センタービルB講演:ペーパーモデルを使った衣服形状の予測/快適性予測への応用を目的とした衣環境の数値シミュレーション/衣服圧シミュレーションによる衣服設計手法/シミュレーションによる競泳水着の設計支援手法ほかC日本繊維機械学会 TEL:06-6443-4691
@2016年5月13日(大阪)/20日(東京) 10:00〜17:00Aドーンセンター5階特別会議室(大阪)/日本女子大学 新泉山館1階大会議室(東京)B講演:「スマートテキスタイル最新研究開発動向」「心拍数はカラダからのメッセージ C3fit IN-pulse」「フィルム状ストレッチ性導電素材、COCOMITM」他C日本繊維製品消費科学会 TEL:06-6358-1441
@2016年6月8日、9日、10日の3日間A講演、研究発表、ポスター発表、企業展示、総会・表彰式、懇親会Bタワーホール船堀(都営新宿線 船堀駅徒歩3分))C繊維学会事務局 TEL:03-3441-5627
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:小林茂雄/発行人:大谷芳男