ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧(2003年度:第20巻〜)→
日本とEUのEPA(経済連携協定)の大枠合意を確認した。早期に最終合意し、19年には協定発行を目指す。合意内容は繊維製品の場合、関税は相互に例外なく即時撤廃される。皮革・履物は段階的に関税率が下がり、11年または16年目に撤廃される。
経済産業省はIoT関連技術やAIで生み出される膨大なデータの利用を促すための施策を打ち出している。一つが「データの利用限度に関する契約ガイドライン」のバージョン1で、データ利用権限の明確化を図る。
経済産業省製造産業局生活製品課のまとめた取り組み方針は、産業や企業の成長に不可欠な視点として、@生活をよくする製品A消費者本位でのものづくりB適正な価格Cコネクテッド・インダストリーの4つ。創意工夫をもって前向きにかつ意欲的に取り組む事業者を支援するとした。
中小企業基盤整備機構の「中小企業緊急アンケート調査」で、「売り上げ拡大に向けた対策」は「顧客ニーズへの対応」「営業・PBの強化」「新規取引の発掘」で6割を占め、「人口減に伴う国内市場縮小に対応する本質的な取り組みになっていないという。
政府は関係省庁や民間企業が連携して総合的・一体的な物流施策を推進するための指針「総合物流施策大綱(17〜20年度)」を閣議決定した。「日本の経済成長と国民生活を持続的に支える『強い物流』を実現する」ため、6つの視点を持って取り組みを進める。
総務省の4〜6月の労働力調査で、1年以上にわたって仕事を探す「長期失業者」が68万人とデフレ経済に入った直後の1998年以来、約19年ぶりの少なさだった。景気の回復で人手不足が強まり、失業者が仕事を見つけやすくなった。失業期間が短ければ働くスキルを保ちやすく、労働生産性の向上につながる。
ジェトロ調査で、EUとの経済連携協定(EPA)発効後も、自由貿易協定(FTA)やEPAを結んだ国との貿易額が全体に占める割合が3割強だった。政府目標の18年に7割」に遠く、達成は厳しく、自由貿易を進める日本の取り組みは道半ば。
国内総生産(GDP)17年4〜6月期速報値実質は、前期比1.0%増、年率換算で4.0%増だった。個人消費や設備投資が堅調で、15年1〜3月期以来の高い伸びとなった。企業の収益増や雇用環境の改善を受け、内需が成長をけん引した。プラス成長は6四半期連続で、11年ぶりの長さとなった。
政府は地方の大学の活性化に向け、18年度から新たな交付金を導入する方針。首都圏の大学との単位互換制度の導入や、自治体や企業と組んだ地域振興策などを支援する。社会人の学び直しの環境整備も後押しする。在学中や卒業後に地方に住む機会を増やし、人口の東京一極集中の是正につなげる。
内閣府の「平成29年度年次経済財政報告」で、実店舗からネットを通じた販売へのシフトという消費構造の変化に触れている。また、フリマアプリを利用したCtoCの市場規模は3千億円と報告している。
内閣府の「国民生活に関する世論調査」17年度で、現在の所得や収入に「満足している(まあ満足しているも含む)」と答えた人は51%で前年より3ポイント増えた。「不満だ(やや不満だも含む)」3ポイント減の47%。21年ぶりに"満足派"が"不満派"を上回った。
日本から行った大人用紙おむつの評価方法に関する国際標準化提案が、「ISO15621尿吸収用具―評価に関する一般的指針」改定に反映され、国際規格として発行された。大人用紙おむつの種類、適用、種類別の吸収力の評価方法等を定めている。これにより、我が国企業の強みを活かした介護分野での事業展開が加速されることが期待される。
デジタル試着でのフィット感の再現性を評価する方法(パート3)が経済産業省17年度「戦略的国際標準化加速事業」に採択された。同事業にすでに採択されていた、パート1、パート2と合わせて衣料品のサイズとデジタル試着の技術委員会(TC133)へ日本提案として提示された。日本が提案する評価方法は、バーチャルボディ(パート1)とバーチャル衣服(パート2)を使って衣服のフィット感の再現性評価基準を確立するもので、装着時のフィット感、輪切り、ゆとり、着圧、素材のテンション、地の目のゆがみ表示でデータ化、視覚化する方法を標準化する。
最近の流行トレンドをふまえて16通りのデザインを示し、それぞれにふさわしい素材案を提示した。日本の機能素材は世界でも高く評価されているが、デザイン性ファション性の点で必ずしも満足できるものではないケースが散見されることを指摘した。今後は、素材メーカーとアパレルデザイナーとの共同での素材開発がさらに望まれてゆくであろう。
シンジオタクティックポリスチレン繊維をレーザー加熱延伸し、そのネック形成後の構造形成を、放射光X線回折・散乱で詳細に解析した。ネック終了点から0.07ミリ秒後にはメソフェーズが現れ、1ミリ秒後にはα晶への転移が観察された。その後、10ミリ秒まで長周期の増加などの構造再構築が観察され、この構造再構築が物性向上に関与していることが示唆された。
ユニチカトレーディングは100%植物由来で、しかも非可食原料であるトウゴマから取れるリシノール酸が原料となるナイロン11の衣料繊維向けの販売を開始する。ナイロン11は、優れた耐摩耗性、低い公定水分率、低比重などの特徴を持つ。原糸価格で比較するとナイロン6の3倍ほどの高価格となるが、綿混や高次加工の工夫でバイオマス以外の付加価値を追求してゆく。
導電性繊維メーカーのミツフジは,従来よりも導電性能を高めた次世代型の製品を開発中で、18年1月に発表を予定している。生体信号をセンシングするウエアラブル用途で国内外からの引き合いが増えている。また,ホールガーメントで作ったスマートウエアと自社開発したデバイスを組み合わせて提供するなど,トータルサービスとして「hamon(ハモン)」を展開する。さらにクラウドサービスも自社開発し12月に発表予定。
古紙パルプやアスファルトルーフィング材などを製造販売する常裕パルプ工業(愛媛県四国中央市)は、トイレに流せる赤ちゃんのお尻拭き(ベビーウエット)用水解紙「アフォードDX」をリヨセル混でこのほど開発し、衛生材料メーカーや加工メーカーなどに提案を始めた。パルプ80%・リヨセル20%から成る湿式不織布で、ぬれた状態でも破れにくいように引張り強度を維持しながら、流しても素早く分解するためトイレ詰まりすることがない。
カシューナッツ殻から抽出される油(CNSL)は、フェノール・カテコール性化合物である。筆者らは、このCNSLを原料として、人体や地球環境に有害な化合物をできるだけ使用せず、しかも室温で成形可能なエポキシ樹脂材料を開発した。この樹脂は,室温付近ではゴム状態であり、300℃付近まで安定である。また、黄色ブドウ球菌や大腸菌に対する抗菌活性も示すなど、興味深い特性を有している。
細幅資材の製造卸インティーは経編みで伸縮性に富み、透け感のあるファンシーテープを開発した。このテープは山のように波を打った編地テープをモノフィラメントの糸でつないだストレッチテープ。ベースはアクリル・ナイロンのファンシーテープで、ソフトで落ちついた光沢が高級感を出し、両サイドがスカラップ調の曲線で構成されファッション性を高めている。
宇部エクシモ(東京都中央区)は極細オレフィン繊維「エアリモ」を開発した。2種類の樹脂を用いた芯鞘構造複合繊維ながら0.2デシテックスの細繊度が特徴。引張強度の向上や吸水性がない点、耐薬品性に優れる点などの特長で産業資材での採用を幅広く目指す。鞘部に低融点樹脂、芯部に高融点樹脂を用いており、自己融着する。不織布に使うと繊維交点が増え、同社の従来品と比べて2倍以上の引張強度、3分の1の細孔径化が可能になる。
ダイワボウノイは、機能性マスターバッチ製造技術「マジカルアシスト」を活用し、抗菌性、抗カビ性を備えた合繊短繊維を商品化した。わたと不織布としての投入を今年度下半期に開始する計画。マジカルアシスト技術を用いると、ポリプロピレンやポリエステル、ナイロンなどの繊維に、抗菌、抗カビ、蓄熱性などさまざまな機能を持たせることができる。
日清ニットは特殊経編みのワルテックス機など自社設備によるニット製品を、尾州山地発信のファクトリーブランド「尾張縞謹製」として発売する。ワルテックス機はインレイ型経編み機で、鎌状のループによる立体感のある構造の表現や、経糸と緯糸の選択によっては「からみ織りに近い風合いなどオリジナルの表現が可能」という。
新内外綿は、村田機械の渦流精紡機「ボルテックス」で、精製セルロース繊維「テンセル」100%のメランジ糸(多色霜降り糸)を開発した。コンパクト精紡機で、綿100%のメランジ糸も商品化した。テンセル100%のメランジ糸としては、リング精紡機で作ったタイプを「ビスコチェント」ブランドで販売している。これにボルテックス紡績版が加わることになり、ビスコチェントはドレープ性があり過ぎると感じていたユーザーに注目されそうだ。
三菱ケミカルの炭素繊維複合材料をハイサイクルプレス成形(PCM工法)で製品化したルーフが、独・アウディ社の新型車に採用された。三菱ケミカルグループで、自動車用の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製部品メーカーである独・ベティエ社が成形(製品化)して納める。今回の採用は、大幅な軽量化(アルミニウムで成形した同じ部品と比較して約40%軽量化)を実現したことが評価された。
ユニチカテキスタイルの紡織を担う常盤工場(岡山県総社市)は、メーカーズシャツ鎌倉と組んで、400番4子級の純綿精紡交撚糸を開発した。メーカーズシャツ鎌倉が、紡績から縫製・仕上げまでの全てを日本で行ったドレスシャツとして販売する。提携農場で栽培した超長綿「スピンゴールド」の中でも最上級の綿を素材とする400番手の粗糸4本を、精紡機で交撚し100番手糸に仕上げる。2、3本の粗糸から成る精紡交撚糸は既にあるが、4本の粗糸で作るのは珍しい。
シャツアパレルの山喜は18春夏ドレスシャツ企画で、全6ブランドの半袖シャツに独自開発した消臭加工「フラボノ」を施す。男性の臭いに対する意識が特に女性の間で高まっていることへの機能付加対策で、夏の清涼感を売り≠ノ、他社商品との差別化を図る。生地部分に加工するのではなく、汗や皮脂汚れが残りやすいシャツの襟の芯地にフラボノ加工をピンポイントで施すだけで高い効果の消臭機能を実現した。
播州織産地で糸染色、織布、加工を手掛ける東播染工(兵庫県西脇市)は、先染め綿織物向けの新加工として防シワ加工、反発加工を開発した。防シワ加工は、洗濯・乾燥時に加え着用時のシワ軽減を目指したもの。綿100%素材に対しても、生地を手で強く握った直後でもほぼシワが出ない防シワ性を実現。反発加工は、今シーズンに無地素材でヒットした風合いと弾力感で仕立て映えを向上させる同加工を先染め織物で実現したもの。
富士フィルムは、皮革や合皮に使用できるインクジェット印刷技術「UVIQUE」(ユビーク)を開発した。従来のUVインクに比較して柔軟性・耐久性に優れる新開発インクとプリンター技術を組み合わせたシステムを提供する。高い表現力と耐候性・延伸性が評価されて二輪車シートの加飾で同技術が採用された。同社は、鞄や靴、スポーツ用品、インテリア、自動車内装、樹脂成形分野など幅広い用途に広げてゆくとしている。
ジーンズ加工の美東(岡山県倉敷市)は、ジーンズに撥水機能を付与する加工を打ち出した。風合いは一見、通常のジーンズに見えるが、驚くほどの超撥水≠ヤりから引き合いが急増しているという。ジーンズへの撥水加工はこれまでもあったが、綿100%のデニムの場合、風合いを大きく変えたり、洗濯することで機能がなくなったりしてしまうことなどから商品化に至るケースが少なかった。新たに打ち出した撥水加工は、加工専業メーカーと連携し、薬剤をジーンズに含侵させることで撥水の機能を持たせるもの。
刺しゅう加工の美希刺繍工芸(広島県福山市)は、ニット生地をカットし、模様を浮かび上がらせる加工に「マイナスカット」を追加した。編地に対し、マイナス(−)状の切り込みを連続で入れ、洗い加工することで、編地が縮んで丸まり、特徴のある表現ができる。同社は刺しゅう加工機の針をメスに変更することで、生地や皮革の表情変化を開発。今回のマイナスカットも既に発表済みの「Xカット」と同様の技術を用い、切り込みの形状を変更することでバリエーションを広げた。
ソトーは機能性加工の開発を強化している。「ハイドロ銀チタン」など新加工を提案するほか、性能を向上したウォッシャブルやストレッチの進化版も出している。さらに「合繊素材をウールに近づける」などの新たな手法で、用途の屋市場の拡大を目指している。
この数年、国内の染色整理加工数量は織物・ニットとも横ばいで推移し、今年前半もペースに変化はない。深刻さを増す国内衣料不況と比べて健闘ぶりが目立つ。いち早く淘汰が進み、ピーク時の1割程度に規模縮小する中、何かしらの強みや独自性を発揮できた染工場のみが残った結果と言える。「脱・受託加工」「加工内容の高付加価値化」がキーワードと言われるが、生き残り戦略は多種多様。本特集ではその個々の戦略を探る。
伊素材見本市のミラノウニカは11〜13日、初めての7月展を開く。欧州デザイナーブランドなどの生地選定の早期化に合わせ、従来は9月だった会期を繰り上げる。18〜19年秋冬展で、会場はフィエラ・ミラノ・ロー・エキシビジョンセンター。>テキスタイル企業からは受注の拡大が期待され、出店者数は前年9月展の382社から「20%増えた」という。日本からも2社多い40社が出展する。
レッグウエア製造卸販売の岡本は11日、「SUPER SOX(スーパーソックス)」シリーズに「プレミアムライン」を加え、公式オンラインショップ限定で発売した。スーパーソックスは独自開発のウール糸「ブリーズファイバー」を使用した「ムレない、におわない」靴下で、高い吸放湿性を持つ同素材が雑菌の繁殖も抑え、蒸れや臭いを防止している。今回の新商品は原料の糸も日本製を採用し、独自の編み技術で、機能性とデザイン性を兼ね備えるスマートなビジネスソックスに仕上げた。
ライトオンは14日、日本の伝統の和紙を使用した「WASHI DENIM(和紙デニム)」の展開を始めた。和紙デニムは、緯糸に和紙糸を使用し、非常に軽く、吸汗性・吸湿性・速乾性に優れる。洗いやアタリ加工を施しても丈夫な強度を兼ね備え、デニムらしい質感はそのままに、軽やかな肌触りを持つ。繊維に空気を含むことにより、夏は涼しく、冬は暖かく、1年を通して着用しやすい調温機能も併せ持った製品に仕上がっている。
婦人向けアパレルでは、今秋に向けてチェック柄が注目を集めている。細かい格子など男性のスーツに使われるような柄も取り入れているのが特徴。スカートに使ったり、太いベルトを合わせたりして女性らしく着こなすのがトレンドだ。
服のインターネット通販、あなたにぴったりの1着から並べます。米通販の日本法人、日本ランズエンド(横浜市)は人工知能(AI)を活用し、利用者の好みと思われる商品を上位に表示するサービスを始める。はるやま商事はサイズぴったりで在庫があるものから並べる機能を導入した。消費者ごとに「陳列」を変えて、迷わず早く買えるようにする。
シャツアパレルの山喜は18年夏向けに、汗染みを防ぐための特殊加工を施したレディスブラウス「AseProof(アセプルーフ)」を打ち出す。抗菌、防臭や形状安定機能もあり、2018年3月から量販店を中心に販売する。アセプルーフは日清紡と共同開発した素材で、繊維一本一本に薬剤を浸透させて汗が染みにならないように加工した。ブラウスの肌触りや通気性は通常のものと変わらず吸湿性もあるため、真夏でも快適に着用できる。
特殊な編み機で作る縫い目のないニット、「ホールガーメント」が広がっている。ゴールドウインは主力の「ザ・ノース・フェイス」でアウトドア用の服に活用。ユニクロも秋商品からワンピースなどを本格販売する。パーツを縫い合わせる一般のニットよりフィットして動きやすく、デザインも立体的に工夫できるのが特徴。ひと味違う着心地をアピールする。
今春夏、百貨店を主力販路とするレディスブランドの健闘が目立つ。ブラウスやスカート、ノーカラージャケットなど人気アイテムを切り口に、3月以降のプロパー販売を伸ばすブランドが多い。6、7月のセール期に入っても勢いが続いている。
老舗セレクトショップがユニフォーム事業へ参入している。品揃え専門店として培った目線で、機能性や耐久性に、見た目の格好良さや着心地など、新たな価値を加えたユニフォームを作り、新たな市場を開拓する考えだ。
繊研新聞社が実施した「16年度アパレル業績アンケート」によると、16年度のアパレル事業(服飾雑貨を含む)は業種や分野に限らず減収基調となった。その中でもインナー・レッグウエア分野の根強さが目立った。
ミラノやパリのメンズコレクションが縮小の一途をたどる中、イタリアフィレンツェで年2回開催される世界最大規模メンズファッション見本市、ピッティ・イマジネ・ウオモは年々拡大している。ピッティ宮殿や旧タバコ工場といったフィレンツェの歴史的遺産を使って気鋭のブランドがアート色の強いショーを行い、またE-ピッティというオンラインシステムを整備するなど、リアルな流行の発信源となっている。
卸型のアパレルメーカーが低迷するなか、独自のビジネス商法で健闘する企業がある。ファストファッションや大手チェーン店とは異なる物を求める個店を対象に、リスクを張った超期近の商品供給、独特の商品を企画するメーカーだ。30〜40代女性が対象のブランドが多く、大阪に集中している。
ファッション分野で、ぽっちゃりさんの逆襲が始まった。太めのタレントの人気をきっかけに、オシャレを楽しむ人が急増。「狭い市場だから」と放置してきた各社の目を覚まさせた。大きめサイズの通販モールが活況、実店舗の専門店も急増している。誰でも自分に似合うものが探せてこそのファッション。服が売れない時代、チャンスはニッチで膨らむ。
三陽商会は紳士服「マッキントッシュロンドン」で、ウール100%ながら雨天でも快適に着用できるスーツを発売する。新素材「ウェザーウーステッドウール」を使った「ニューブリッジ×ウェザーウーステッドウール」のジャケットとトラウザーズを投入する。新素材は糸や生地の段階で撚り回数や打ち込み具合を調整し、シワになりにくくする。撥水加工も施し、雨が降っても軽く払うだけで水滴が落とせる。
子供たちが夏休みの間に、物作りの魅力やファッションの楽しさを伝えるイベントが盛んに行なわれている。物作りに興味を持ってもらったり、ファッションへの興味関心を高める狙いがある。ファッションの仕事に興味をも持つきっかけとしても期待される。
この夏、水着が売れている。ファッションブランドやセレクトショップによる水着の提案も目立つ。理由の一つは、今年ブームになったナイトプールなど着用シーンが増えたこと。もう一つが、これまで捉えきれなかった30代以上の大人のニーズをつかんだことだ。イベント体験や屋外での時間の過ごし方、"インスタ消費"が注目されるなかで、今後も水着の需要は高まりそうだ。
少子高齢化、ECの広がりなどでSCを取り巻く環境は変化しているが、日本ショッピングセンター協会の17年版『SC白書』によると、16年は新規開業によりSCの市場規模の拡大が続いた。既存店売り上げは減少したが、出店地域を選び、テナント構成を変えるなど成長性を維持する取り組みが進んでいる姿が示された。
人や動物、地球環境への配慮や社会貢献につながるエシカル(倫理的)ファッションやライフスタイル商品の期間限定イベントが、百貨店で増えている。商品の安心・安全や生産背景への関心の高まりに加え、春から初夏には関連行事が多いことや、途上国で作るエシカルブランドは春夏物が得意なブランドが多いことも理由に挙げられる。
生活雑貨に家具。これは、独自の立ち位置を確立している都市部の商業施設が次の一手に選択している商品だ。アパレルの不振が長引くなか、施設の新たな特徴として打ち出し,大人を捉えるカテゴリーとして充実している。
営業時間を短縮したり、休館日を増加・導入するSCが17年に入り、増えている。テナントの販売スタッフの労働環境を改善し、深刻化する人手不足の解消につなげるのが目的。販売スタッフの働く意欲を高めることで、接客力を向上させる狙いも。
日経MJの「第45回日本の専門店調査」(16年度)で、総売上高が24兆円と前年比2%増え、増加は2年連続。高齢化が進む中、健康志向などが売上高伸び率ランキングの上位に入った。婦人服・子供服では低価格が席巻、紳士服では一転して減収、カジュアル衣料では安さ再び重視となっている。
商社の繊維事業売上高16年度は、連結、単体を組み合わせたランキングで全社が減収、26社で前年度比6.4%減となった。国内ファッション市場の深刻さが伺える。ただ、業務改善や重点顧客との取り組み強化の結果、増益を確保した企業が目立つ。
SPAジャパンの「消費者インサイトレポート」(企業の顧客対応に関する消費者意識調査17年3月)で、ネット利用は91%、成人の71%がネットショッピングをしていた。求められるのは、信頼とスピードと出た。
繊研新聞社がまとめた百貨店店舗別売上高調査によると、16年度の百貨店総売上高(回答のあった202店)は6兆357億円で、15年度の6兆2523億円(212店)と比較して減収となった。百貨店の年間売上高はピーク時の3分の2にまで縮小、人口減少やオーバーストア、ECの拡大で店舗閉鎖も進むなか、百貨店の在り方そのものが問われている。
トレンダースは、20〜30代女性に「企業のPR動画」がどのように受け入れられているかを調査した。「インスタグラム動画を企業がPR活動に活用する場合、企業が主体になるのではなく、インフルエンサーからの発信が有効」とした。
日経MJの「第46回日本の卸売業調査」で16年度の全14業種の売上高は15年度比0.1%減と2年ぶりの減収減益だった。繊維卸の売上高合計は6.0%減と、2年連続減少。消費者の低価格志向は根強く、百貨店を主な販路とするアパレル大手は軒並み苦戦している。
大手百貨店は不動産事業を新たな収益源として拡大する。百貨店の売り上げ、利益が伸び悩む中で、従来の百貨店偏重の事業構造を見直し、収益バランスを最適化するのが狙い。並行して不動産ノウハウを百貨店の再生に活用する動きが相次ぐ。
ファッションビジネス業界で物流コストアップ対策が迫られている。大手運送業者が、容量規定の厳格化による配送値上げを要望。値上げ領域もECの個別宅配だけでなく、倉庫から店舗配達までに及ぶ模様。
ファッション通販サイトの運営会社が中古衣料の「仕入れ」を充実させている。消費者の衣類を預かり、預け主が不要になったらフリマサイトに出品できるサービスを始めたり、ポイント付与や買い取りの方法を多様にしている。消費者の節約志向を背景に、中古衣料のネット流通が一段と増えそうだ。
繊研新聞社の「第22回全国主要アンケート調査」によると、16年度のSCの施設別売上高は、過半が減収となった。前回は3分の2が増収であり、様相が変わっている。上位も苦戦を免れておらず、インバウンド需要の変調、長引くアパレルの不振とともにECの影響が指摘されている。
日本経済新聞社の16年度百貨店調査で、ピークの1991年には年間10兆円に迫った国内の百貨店市場。長く続く退潮の背景には利益率の高い衣料品の販売に売り場づくりが偏り、どこの店も人気のアパレルブランドや海外高級ブランドが並ぶ。衣料品の販売不振という構造問題と向き合うなか、百貨店各社は立地や市場環境に応じ、有力専門店の導入など、生き残りに向けた多様な店舗形態を模索している。
猛暑予想から一転、8月に入り東日本の太平洋側を中心に雨の日が多く、夏商戦に異変が生じている。7月まで好調だったエアコンや夏物衣料の販売にブレーキがかかり、このペースでは予想以上の在庫を抱えかねない。
SCの今夏の全館セールはルミネが開始時期を昨年よりも2週間遅くしたことで時期がさらに分散し、長期化した。6月下旬から8月上旬商戦は早い時期にセールを開始した施設は売り上げに好不調にばらつきがあった一方、ルミネや7月中・下旬にセールを実施した玉川高島屋SCとラフォーレ原宿は売り上げを伸ばした。
繊研新聞社の全国専門店アンケート16年度で、「ここ1、2年の消費者の傾向で最も特徴的な事象」は、「低価格志向」「コスパ重視」を大きく引き離し、「実需で買う」(45%)と答えている。消費者の買いたいタイミングでの商品投入の重要性が改めてわかる結果となった。
イーコマースの拡大で店舗型の小売業の売り上げに大きな影響が出ている。情報技術の急速な進化が小売業を大きく変える原動力となっている。旧来の小売業はどのように対応したらよいのだろうか。情報機能と補完的な機能を磨いてそれを情報システムにいかに結びつけるのか、ということが鍵。
2017年税制改正が施行され「公害防止用設備に係る特例措置」が2019年3月末まで2年延長となった。これに伴い、厚労省が全ク連に宛てて「ドライクリーニングにおける活性炭吸着式回収装置の設置促進について」を発出した。この税制措置を利用して、テトラクロロエチレンを使用するドライクリーニング機を保有するクリーニング所のうち約2割にあたる活性炭吸着式装置未設置所に設置を促進するよう全ク連に協力要請を行っており、大気汚染防止および作業環境改善に役立てていくねらいだ。
日本繊維商品めんてなんす研究会(TeMA)がクリーニングに関する接客知識とスキルの向上を目的とした業界唯一の資格制度「TeMA-CA(クリーニングアドバイザー)」が発足して10年を迎えた。現在333名の有資格者が各地のクリーニング所カウンターで活躍している。昨年から新JISが導入され、絵表示変更への対処など店頭での接客力向上が強く求められている中、CAとしての知識と実績に対する需要が高まるものと予想される。
日本繊維製品・クリーニング協議会が開催した通常総会の前に行われた特別記念講演にて、(一社)日本衣料管理協会の大橋氏が「衣料の使用実態調査でみえること」と題し講演した。2014年の「洗濯・クリーニングに関する調査」から、家庭洗濯できる衣類の増加、節約志向から利用頻度、洗濯代支出減少傾向などが報告された。また、勤労者は営業時間中にクリーニングに出すことが難しく、希望する時間に依頼したい要望が高まっていることも報告された。利便性の追求とともに確かな技術、丁寧なサービスを行うことは重要であると結んでいる。
17春夏商戦のまとめと閑散期対策、Wマーク衣料の状況などを各地のクリーニング所に聞いた。その結果、5月は依頼が多かったものの6月には苦境を余儀なくされた。しかしながら促販に力を入れた複数店舗経営店では、売り上げが昨年比10%増となったケースもあり、明暗を分けた形となった。また、閑散期には水洗い(ウェット)や汗抜きなどの単価アップメニューや「ゆかた」「毛布、ふとん」に注力することで乗り切る傾向が多い。Wマーク衣料が持ち込まれる店もあるようだが、依然として少なく、客の関心も低いこと、各店頭では「従来通りの対応」「ドライ表示があればドライで対応」など、それぞれの姿勢が見えた。
日本クリーニング新聞社は、業界基礎資料集「日本クリーニング年間2017」を発行した。家庭用品品質表示法の施行規則、繊維製品品質表示規程について特集し、消費者にとってわかりやすくなるよう解説。繊維の指定用語も一覧表で掲載。また、新JISのウェットクリーニング試験の条件を見やすくまとめ、ウェットのMA値の訂正内容、ドライの試験条件も整理し、ドライの機械力を見る「gファクター(相対遠心加速度)」も取り上げた。クリーニング事業者数、売上金額(ホーム、リネン別、都道府県別など)をまとめた。クリーニング対象品の購買動向に防止を追加し、大型店の衣料品販売動向、家計調査の洗濯間天支出も掲載されている。
総務省会計局による6月の家計調査結果から、上半期の1世帯当たりのクリーニング代支出額がまとまった。前年同月比5.5%減の3516円となり、3年連続減少、バブル期以降の最低を更新した。ここでいう1世帯とは農林漁家世帯を含む二人以上の世帯を指すが、このうち勤労者世帯のクリーニング代支出は連続9%増と健闘している。しかしながら全体的にみると減少傾向が進んでおり、下半期への影響が懸念されている。
(公財)日本生産性本部によると、日本のサービス産業の労働生産性は米国と比較して5割にとどまり、その原因の一つには、日本は宅配便などの多くで高いサービス品質があり米国を上回っているが、品質格差が価格に充分反映されていないことによるとしている。クリーニングに関して日米を比較すると、サービス品質における差は日本の方が品質は高いが、価格も高い傾向があり、日米共にサービス品質評価で重視するポイントは「正確で信頼できるサービス提供」が最も高く、クリーニングにおけるサービス品質に対する捉え方には差がないようだ。
7/22、23、鶴見緑地内のハナミズキホールにて「クリーンフェアー大阪2017」が開催された。今年で5回目を迎え、クリーニング&コインランドリーと銘打って行われた。44社の機械、資材メーカーの出展と実演に加え、併設セミナーでは新JISやコインシステム、新規集客の方法などの4講演が行われた。来場者数は782名で、前回を超え活況な催しとなった。
「靴の底は、履かずに保管しているだけで、はがれることがあることを知って」。靴の底や接着剤に使われているポリウレタンは、水や湿気などで、自然劣化する。消費者安全調査会(消費者事故調)は、6月30日、消費者に対し、この事実を知って、長期保管した後は、劣化していないか確認するよう注意を呼びかけた。併せて事業者にもこの事実が消費者に十分伝わるよう、より効果的な喚起を求めている。
商品の安さやサービスの良さを広告で強調する一方、例外や条件(打ち消し表示)を目立たないよう表示すると、大半の消費者がその表示を見落とすとの調査結果を消費者庁がまとめた。調査は典型例を載せたサンプルを作成し、1000人の反応を調べた。同庁は、打ち消し表示が見落とすほど小さかったり、表示時間が短かったりする場合は景表法に抵触する恐れがあると指摘する。
消費者庁や国民生活センターの職員54名が働く拠点「消費者行政新未来創造オフィス」。県民を対象に食品ロス対策の効果を調査するなど地域と連携した研究やプロジェクトを進め、全国の消費者政策に生かすことをめざす。ひとまず新オフィスを設け、全面移転できるか3年後に判断する。文化庁、総務省統計局も地方移転計画があるが、多くの省庁は東京からの移転をためらう意識が強い。
寝具大手のフランスベッドは7月から羽毛布団のリフォームサービスを本格的に始めた。良いモノを大切に長く使い続けるというトレンドは寝具にも広がっている。日本羽毛製品協同組合によると、2016年度の羽毛布団リフォーム件数は前年度比2割増の7万500枚だった。リフォームを通じて羽毛布団の販売後も顧客と接点を保ち続けられれば、顧客を囲い込み他製品の購入にもつなげられそうだ。
香り付き商品に含まれる特定の成分と体調不良との関連性は、科学的にははっきりしていない。ただ国民生活センターの実験では、強い香りの柔軟剤で洗濯して室内で干すと、微香性のものや使わなかった場合に比べシックハウス症候群の原因とされる物質を含む総揮発性有機化合物の空気中の値が3.5〜7倍に上昇。微量の化学物質で頭痛などが起きる「化学物質過敏症」という症状もある。洗剤メーカーなどの業界団体は使用料の目安を守って使ってほしいと呼びかける。
強い人気のコンフォートサンダル。コロンとしたフォルムはカジュアルさが強くなりがちですが、甲のベルトが細いタイプを選べば、しっとり華奢な印象もプラスされます。きれいめなスタイルにカジュアルサンダルを合わせる、少し外した着こなしは、ここ最近の主流。
衣料通販サイトが行っている「ツケ払い」が話題になっている。商品を注文した日から最長2か月後まで支払を延長できるのが特徴。利用限度額は税込み5万4000円で、1回当たり324円の手数料がかかる。18歳未満の未成年の場合、後払いを選ぶ理由の一つにクレジットカードが作れないということがあるようだが、収入がないのについ買いすぎてしまい、2か月後に慌てるといった事態にもなりかねない。多様化した決済手段を賢く使いこなしたい。
愛媛県今治市の特産品である今治タオルメーカーが相次ぎ東京に店舗を構え、タオルの直接販売に乗り出した。コンテックス(愛媛県今治市)や吉井タオル(同)などが東京・南青山に出店した。今治タオルの認知度が高まるなかで、独自色を訴えブランド力を高める。今治タオル販売店の集積地域としてアピール。消費者に店舗巡りを促し相乗効果を出す。
そろそろ秋の身支度の季節。今年秋冬トレンドはレディース、メンズ共に穏やかで正統派の英国調が注目されている。レディースでは明るい色使いやフェミニンなスタイルが復活。軽さや着やすさといった機能性により配慮しているのも今季の特徴だ。メンズも近年、スーツスタイルは「クラシック回帰」が進む。パンツはぴったりから太めに、ジャケット丈も短めから長めに。襟付きベストや丸みのある靴等、英国伝統のディテールを表現したアイテムがそろっている。
ファーストリテイリングの子会社が展開する低価格ブランド「GU」が「1本足打法」からの転換をはかる。これまで、1年に1つの大ヒット商品を生み出す販売手法で利益を伸ばしてきたが、最近は失速。「低価格ファッションの選択肢が広がり1本足打法は通用しない。お客様が狙い通り踊る時代は終わった」と社長。商品の種類を増やした大型店を展開し幅広い消費者のニーズをすくい取る手法に転換する。
カジュアル衣料大手、ストライプインターナショナル(岡山市)は、ショッピングセンター向けブランド「アメリカンホリック」で今秋、昨年より半額に抑えたコートを展開する。素材の糸を統一して原価を低減しつつ、編み方や色を工夫して商品の魅力を出した。セールに頼らずに販売するための商品として育てる。出店も上乗せし、このブランドの販売を伸ばす。
パンティーストッキングのパンティー部分がサスペンダー式になったもので、蒸れやすい季節にも快適な商品として打ち出している。
寝具市場全般は閉塞感が漂うものの、健康・安全・快適を切り口にした機能性寝具の開発・提案は活発だ。その動きは既存の製造卸に限らず、新興企業や異業種からの参入も見られる。周辺の関連アイテムを含め睡眠市場への期待は高まる。ここでは、各社の開発状況を紹介。少子高齢化が加速する中、健康・安全・快適を追及する睡眠市場の裾野は着実に広がっている。
ロサブランは、光線過敏症や日光アレルギーに悩む人向けに完全遮光の衣類を発売する。トップはディアード状に重ねて通気性を持たせ、裏地はメッシュにするなど機能と着心地にデザイン性を備える。
ポリビニルアルコール(PVA)ナノファイバーの耐久性に関する著者の研究成果を紹介した上で、耐水化PVAナノファイバー衛生マスクのフィルターとしての性能評価結果を紹介する。
テニス動作に基づき衣服内のベンチレーションが促進される機能構造を開発した。これらをシャツおよびパンツに搭載し、その冷却効果を検証した。
ファーベストは、光電子製品の継続的な着用は、リラクゼーション、疲労回復、快適な睡眠に効果があるとの研究結果により、運動後の回復や快眠を促すウェアや寝具などの商品開発にも力を入れている。
アイリスは、新規事業としてビューティー&ヘルスケア商品の開発・販売に着手する。編みゴムを応用した包帯をふくらはぎに巻くことで血流を促進する商品として一般医療機器認定を取得し、一部で販売を始めた。ゴムは3.5倍の伸長率を持つため、窮屈感はほとんどない。
イオンは、化粧品として販売できるレディスインナーを発売する。アミノ酸由来の化粧品成分を配合した生地を使用し、着用時に肌に触れることで水分量が上がり、時間の経過とともに肌が潤う。
エヌビーリンク(福岡市南区)の伝統的素材と多機能素材を融合させた「Moisall(モイソール)消臭まくら」天然の粘土鉱物を主材とした内装材「モイス」を使用。このモイスを練り込んだわたを詰めた枕。優れた吸収性や速乾性、さらに消臭、防かび効果もあり、汗のにおいや加齢臭を除去する。枕カバーや枕袋には久留米かすりなどを使用。
生体情報から実用レベルで熱中症予測・管理を可能にするスマート衣料である"Smartfit®"の現在の取り組みを紹介する。
ヒト代替を目指すハグビーには、ストレス軽減効果があり、実際のヒトとの触れ合いで得られるような生理的効果があることを紹介する。
ニッセンケン品質評価センターは6月30日、新たな「赤外分光によるセルロース繊維鑑別法」を発表した。これにより、鑑別・特定困難だったキュプラとリヨセルの判別、リネンとラミーの判別が可能となった。改正家表法で「再生繊維(セルロース)」となるリヨセルとキュプラも、「再生繊維(リヨセル)」「再生繊維(キュプラ)」と詳細に表示できる。東京農工大学(高柳研究室)との共同研究により、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)によってスペクトル測定した分析結果を基に、統計学的手法の一つである解析手法(FDOD)を組み合わせ、繊維鑑別を行う新たな鑑別システムを開発した。
カケンテストセンターは、物質の吸放湿特性を高精度で簡便に測定できる装置「CTC+」を開発した。CTC+の特徴は吸放湿スピードを精密に測定可能なこと。寝装寝具材料、壁紙などの建築材料、フィルム類にも適用できる。>衣服内の温湿度環境は刻々と変化する。これに素早く応答して吸放湿する素材が、究極の快適性につながるという考え方に基づいて、新たに開発した装置だ。
日本繊維製品品質技術センター(QTEC)は羽毛原料のトレーサビリティーに関する「ダウンパス」のシステムに参画し、日本でのトレーサビリティー監査機関として主導的役割を担う。このダウンパス規格2017年版では、従来の生体からの羽毛採取禁止に加え、強制給餌も禁止され、飼育環境までトレーサビリティー開始点をさかのぼることが必須となった。ダウンパスラベルのデザインも刷新された。
クラボウの徳島染色工場は、リアルタイムで染色不良の原因を設計から収集したデータを分析し、特定する仕組みを構築した。省エネを狙うために設備の各部位でどの程度蒸気や電力が使用されているかをモニターで把握しできるようにし、想定通りの色に染色できなかった場合は、センサーで取得したデータを追跡調査する。メンテナンスに関しても情報システムで情報収集できる仕組みの構築に取り組んでいる。
羽毛の試験機関であるUMOUサイエンスラボは羽毛試験分野で国内初となるISO 17025の要求事項に適合したJNLAの認定試験事業者に7月19日付で登録された。JIS法で羽毛製品(寝具、衣料)に用いる充填材料の羽毛試験(JIS L1903)で登録された認定された。同ラボは、羽毛専業メーカーの河田フェザーの羽毛試験業務分離して2015年11月に設立された。
(一社)日本繊維製品消費科学会が8/3東京、8/7大阪にて「第35回クリーニングに関する情報セミナー」を開催。「新JISによる表示の実態と解決すべき課題とその方策」の講演では、今年3月に実施した実態調査、計94点の衣類に付けられた新JIS取扱い表示の結果が紹介された。全く問題のない物は56点にとどまった。間違い表示や絵表示と付記用語で二重表示していたり、消費者洗濯の実態とズレが見受けられるなど、今後に向けた課題が明らかとなってきていることが示された。
ファッション教育の現場に変化が見え始めている。服が売れないといわれる時代、18歳人口が減少期に入る「2018年問題」も控え、服飾の学校は学生のニーズにあった学科を新設したりカリキュラムを見直したりと模索を続けている。
日本繊維産業連盟の常任委員会後の定例記者会見で、今後の活動計画を報告した。重点活動として、@通商問題への積極的な取り組みA環境・安全に積極的な取り組みB新市場の日本ブランドの発信C繊維産業の構造改革推進で、特にTPP11を新たな契機として早期発効を要請していくという。
百貨店を主な販路に衣料品販売を牽引してきた大手総合アパレルメーカーが、大きな岐路に差し掛かっている。多様化する消費者のニーズをつかみあぐね、販売の落ち込みが止まらないためだ。アパレル産業は、この難局を乗り切り、新たな進化を遂げられるのか。フリマアプリの伸長と進化、流行の発信がネットに移行している現象をあげ、問題提起をしている。
16年から始まった第13次5ヵ年計画で中国繊維産業は、量から質への転換を加速している。消費の多様化に対応した物作りへの転換、人件費をはじめコスト増の克服と新たな課題の挑戦も求められている。主要団体に中国繊維産業の発展戦略と課題を聞いている。
ASEANが8月で設立から50年を迎える。有力な縫製国であるベトナム、ミャンマーなど10カ国で構成され、日本の繊維、ファッション業界にとって重要性が高まっている。コストアップ、管理人不足、素材背景の脆弱さなどの課題もある。
「専門職大学」の創設に向けた改正学校教育法が、5月に国会で可決され、成立した。施行は19年4月1日。19年度には「短期大学」以来、55年ぶりに新タイプの高等教育機関が開設される予定だ。学校関係者以外、耳慣れない人も多い専門職大学の内容を確認しつつ、服飾系専門学校に受け止めや対応、影響を聞き、まとめた。
@10月19日A名古屋市工業研究所B講演「金属錯体と金属媒染の可能性について」、「微生物試験(繊維製品の抗菌、抗カビ、抗ウイルス性試験)について」C名古屋テキスタイル研究会 052-654-9885
@11月9日(大阪),17日(東京)A大阪:ドーンセンター,東京:日本女子大学 新泉山館B誰もが知っているロングセラーとなった商品・技術を生み出した企業に、その商品や技術への想いやこだわり、現在までの経過・実績、そして将来への展望C日本繊維製品消費科学会 06-6358-1441
@11月12,18,25日Aタワーホール船堀(12日), 大田区産業会館PIO(18,25日)B繊維に関する基礎的で 実用的な知識講座C日本繊維技術士センター 03-5643-5112
@11月27日A大阪科学技術センタービルB快適性に関する繊維製品の感覚性能を評価するための手法の基礎についてC日本機械学会 06-6443-4691
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:小林茂雄/発行人:大谷芳男