ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧(2003年度:第20巻〜)→
国の成長戦略である日本文化輸出を支援する官民ファンドのクールジャパン機構が振るわない。発足後4年間の投資24件中、決定後1年を超す事業の過半が収益などの計画を達成していないことが日本経済新聞の調べで分かった。経営陣の意向で慎重論を退けた結果、損失リスクを抱える例が相次ぐ。「まず投資ありき」の姿勢が戦略なき膨張を招いている。
経済産業省は、日本とEU間で合意を確認したEPA(経済連携協定)の各工業製品の関税率など合意内容を取りまとめて公表した。年内の最終合意を目指す考え。繊維製品は、相互に例外なく関税が即時撤廃される。
日中韓繊維産業協力会議第7回が大阪で開かれ、FTA(自由貿易協定)で1工程ルールの品目別に確認した。他に、海外投資や環境問題、スマートファクトリーなどテクノロジーに関する情報共有を今後も続けると合意された。
技能実習法(法務省及び厚生労働省共管)が、不正行為を是正し、制度の適切な運用、実習生の保護を目的に2017年11月1日施行された。法の趣旨はその通りだが、監理団体や受け入れ企業の負担増など課題が浮き彫りに。
悪質商法で被害にあった消費者に代わり消費者団体による損害賠償の訴求を認めた「消費者裁判手続き特例法」が16年10月施行から1年余が過ぎたが、訴訟はゼロ。訴訟対象が施行後の契約に限られたことや、財政支援の不十分さが指摘されている。
企業等に蓄積するメールや金融取引の履歴といった大量データについて、経済産業省と総務省は個人が要求すればいつでも手元に引き出せる仕組みの検討に入った。一部の大企業が膨大な情報を囲い込み、競争が阻害される恐れがあるため。
総務省統計委員会は、統計改善の基本計画をまとめた。財務省の法人企業統計調査を一部前倒してGDPの速報値に反映、研究開発費を新規項目として加える。GDPの速報値と改定値の幅の乖離をなくし、精度向上をめざす。
経済産業省関連の18年度予算案が閣議決定した。一般関係とエネルギー対策特別会計、特許特別会計の計は1兆2805億円。柱となる六つの経済産業政策、に基づいて予算配分するほか、税制改正も合わせて産業界の競争力向上と後押しする。
経済産業省は、製造業で検査不正が相次いでいることを受け、不正の防止強化に向けてJIS法を見直す作業が進んでいる。違反企業に科す罰金を今の100倍の1億円に引き上げ、企業の管理体制の不備も罰則対象につなげる。企業の意識改革を促し、日本のものづくりの信頼回復につなげる。
経済産業省の「未来志向型の取引慣行に向けて」に基づき各業界団体が策定した自主行動計画のフォローアップ調査で、繊維業界では傘下の3700社に対し調査したが、回収率16%にとどまった。「歩引き」廃止は一定の浸透が見られたが、120日超の長期手形サイトが26%もあった。
経済産業省は補助金や産業保安関連の申請手続きを電子化する。膨大な書類提出や長い待ち時間をなくし、企業や個人の負担を減らす狙い。19年度から同省の担当分野で試行、20年度から他省庁にも広げる計画。
「繊維状活性炭」は日本で開発・生産されており、有害物質の除去性能が優れた製品である。JISをベースとして日本からISO提案した試験方法が、国際規格として発行された。これにより、環境保護や人々の暮らしの安全・安心の向上、日本の高性能な繊維状活性炭製品が国際的に普及することが期待される。
アイロン掛けが不要な形態安定加工を施したワイシャツについて、客観的な評価を可能とする試験方法及び評価基準を制定した。本JIS制定によって、消費者が効果のある製品を正しく購入することが可能となり、粗悪品の排除に繋がる等、消費者の利便性向上が期待される。
淡色や薄手の生地を使用したブラウスやパンツ、水着といった衣類などの透けにくさについて、客観的な評価を可能とする試験方法及び評価基準が制定された。
スパンデックスの世界トップの「ライクラ」がインビスタから山東如意に売却されることになった。韓国や中国での大型増設が相次ぎ需給バランスが崩れる不安定な市況のなかで、高品質・ブランド力を活かして勝ち残る戦略下での大型買収と考えられる。
旭化成アドバンスは19春夏スポーツ向け機能素材販売で遮熱・冷感素材「クールヴュウ」シリーズを開発した。運動時の温度上昇を抑えて着用時の快適性を高める開発に力を入れた。クールヴュウはフルダルポリエステルとキュプラ繊維による特殊な編み構造素材。ポリエステルが遮熱し、キュプラの吸放湿性が衣服内の蒸れを軽減して温度を下げる。クールヴュウフィットは、ナイロンと吸放湿性スパンデックスを特殊な構造で編み立て、運動時にも冷感性を持続させる機能を持つ。
三菱ケミカルは、トリアセテート「ソアロン」のフルダルタイプとなる「トライラテ」を開発した。酸化チタンを繊維に練り込み、透け防止やUVカット、遮熱といった機能を付与した。ファッション性と機能性を融合した素材として、ユニフォームやスポーツ用途を中心に19春夏からの本格販売を目指す。ソアロンのフルダルタイプの展開は初めて。トリアセテート本来の質感や機能性も併せ持つ。
帝人フロンティアはPTT(ポリトリメチレンテレフタレート)繊維「ソロテックス」の蓄熱・保温タイプ「ソロテックス・サーモ」を開発した。熱エネルギーを有効利用する特殊微粒子を原料に練り込み、従来品に比較して高い蓄熱・保温性能を実現した。20年度に500トンの販売を計画している。
帝人フロンティアは、上質な黒と軽量感を兼ね備えたブラックフォーマル用ポリエステル「シルフィルセレヴィ」を開発した。ブラックフォーマル素材は黒の深さと軽さが求められるが、黒さを追求すれば重厚となり、軽さを追求すれば深い黒さの表現が難しかった。シルフィルセルヴィは深色性を示すL値が9.6で、目付は175g/m2。L値9.5の従来品(215g/m2)と同等以上の深色性を確保しながら大幅に軽くした。
東レはこのほど、高い遮熱性と紫外線遮蔽性、透け防止性能を実現したポリエステル織・編み物「ボディシェルEX」を開発した。ポリマー技術と複合紡糸技術によって原糸に高濃度のセラミックス粒子を含有させ、最適なテキスタイル設計を組み合わせることで従来素材を超える機能を実現した。19春夏からスポーツ用途で提案を進める。素材コンセプトの立案から原糸開発まで中国の東麗繊維研究所が担当した。
朝日ファスナーはエレメントが丸みを帯びた半円形で、閉めるとエレメントがカーブを描く、新しい金属ファスナー「ラウンド・ジップ」を開発。重厚感、光沢感、高級感も併せ持つ。留めの部分も円筒形、スライダーも半円形を組み合わせた形となっている。原材料は軽さを重視したアルミと、重厚感がある銅の2タイプ、カラーはゴールド、シルバー、ピンクゴールドなどがある。
ユニチカトレーディング(UTC)は19春夏スポーツ素材で、新素材としてポリプロピレン(PP)使いの機能性デニム「エフ・デニム」を投入し、優しい風合いなど感性面での快適性と高度な機能性の両立をテーマに掲げる。多層構造糸「パルパー」の技術を応用した芯ポリプロピレン、鞘綿の経糸に、ポリプロピレン短繊維・長繊維の緯糸バリエーションを用意。疎水性や比重の軽さを生かして速乾性や同番手綿デニム比で20%の軽量化を実現。
ベネスク(神奈川県厚木市)のリカバリー(疲労回復)ウエア「リフレッシュジャージ」はナノプラチナなどの鉱物を練り込んだ特殊繊維にポリウレタンを混合した伸縮性の高いジャージ素材を使用。筋肉の緊張をほぐし、安眠へと導く。男女兼用の高機能パジャマとして製品化販売。
モリトは廃材を利用したポリエステル樹脂の服飾資材を開発、環境保護を意識した新たな商品として、国内および欧米への販売を開始する。金属や樹脂の服飾資材を生産した後に残る廃材のほか、新聞や雑誌などの古紙を利用している。樹脂ボタンなどを成型する際に樹脂の中に廃材を流し込み、そこに入り込んだ様々な材料や形状、色や樹脂の流れ方の変化で独特のデザインになり、透き通って見える。
熊本県のあつまるホールディングスは、最先端技術を備えた周年無菌養蚕工場「NSP山鹿工場」を建設し、新しい養蚕事業への挑戦を開始した。クラス1万のクリーンレベルを持ち、環境管理と人工飼料の自動給餌により年に24回も蚕を飼育することができる(通常は3〜5回)。5月より試験操業を開始し、1〜2年以内に年50トンの生産を見込む。
皮革製品を製造販売するヴァード(岐阜県各務原市)は来春、牛の胃ハチノス≠使ったエコレザーのジャケットを欧州で打ち出す。ハチノスの形状をそのままデザインに活用したのが特徴。ハチノスを使った衣料は世界初とみられる。ジャケットは1着につき牛30頭分のハチノスを使用する。脇の下などは部分的にカーフやラムスキンをあしらった。
シルク紡績の中川絹糸は新たにウール混紡「シルクウールGS」とリネン混紡「シルクリネンGS」を開発。ウールの持つ弾力性や、リネンの持つドライ感などを生かし、シルクの光沢も兼ね備える。混紡糸の混率はそれぞれ50%混で、ウール番手で75番手相当の細番手から、約35番手まで4種類を用意した。よりは甘めで、「真綿手紡糸」の機械化の技術を生かし、ランダムなスラブ感も出した。
タカヤ商事(広島県福山市)はこのほど、和紙を100%使用したデニム生地を開発し、販売を開始した。経糸が通常の綿インディゴ糸で、緯糸に和紙糸を配したデニムは既に市場にも多く出回り、消費者の認知度も高まっているが、今回同社が提携染工場や機業と開発した和紙100%デニムは経糸にインディゴ染めした和紙糸を用いているのが特徴。100%和紙とすることで、緯糸のみに和紙糸を用いる従来品と比べ、軽さ、丈夫さ、ドライ感といった和紙の特徴がさらに際立つ。
日本蚕毛染色は、トップ染めしたウォッシャブルシルク「セレーサ・カルメン」によるストレッチデニムを開発。セレーサ・カルメンはシルクのタンパク分子を特殊加工で改質し、擦れや収縮などのシルクのデメリットを解消した絹紡糸。今回開発したデニムは、シルクのソフトな風合い、落ち感、軽さ、吸放湿性があり、伸縮性を持ち消臭効果も発揮する。家庭洗濯でも色落ちせず、擦れも起きない。
染色整理加工の藤井整絨(愛知県一宮市)と中伝毛織(同)の子会社で染色整理加工を行う匠整理(同)は、2018年1月1日付で対等合併することを明らかにした。工場は藤井整絨に集約し、合併に前後して順次、設備移転を行う。新会社名は藤井整絨とし、会長には中伝毛織の中島幸介社長、社長には藤井整絨の藤井光輝社長が就く。従業員は全員、新会社が引き継ぐ。
ユニチカトレーディングは、ユニフォームのリネンサプライ事業向けの新たな機能加工を増やす。工業用洗濯対応消臭加工「シャインパール」は、ポリエステル素材に対して、汗をかいたときに出る不快な臭いの成分に対して消臭機能を付加する。工業用洗濯20回後で、消臭率はアンモニアで71%、酢酸で92%を保つ。塩素系漂白剤による退色を抑制する加工「エバーズ」シリーズも新たに投入する。工業用洗濯への耐久性も備えており、繰り返し洗濯しても色あせにくくする効果がある。
大和化学工業(大阪市東淀川区)は繊維用保湿加工剤「タンドルMO-88」を開発し、一般販売を今秋始めた。ポリエステル100%やポリエステル混の生地に後加工で使用し、洗濯を重ねても高い保湿性を保つ。今後、女性インナー用途を軸に拡販を進める。同剤はアクリル重合体を主成分とする保湿加工剤で、ポリエステルなど公定水分率の低い生地への後加工に使用することで、アクリル繊維並みまで保湿力を高める。
帝人フロンティアは、極薄ニットに透湿防水フィルムをラミネートした「ファインセル」を開発した。捲縮を施していない極細ポリエステルを用いた60〜46ゲージのシングル丸編の基布を使用しており、ナイロンタフタのような透明感や滑らかな表面感を持つことが特徴である。従来のニットラミネート品に対して6割軽量化し、厚みは3分の1以下のため収納性に優れる上に、薄いことで高い透湿性を実現した。価格は1メートル1000円以上を想定し、19年度10万メートル、2年度30万メートルを目指す。
福島県ニット工業組合は、福島県伊達地方の特産物から抽出した天然染料を用いた「だて染」の展開を始める。地元農産品である桃と柿(あんぽ柿)にちなんだ天然染料を使用する。特産物生産の途中で発生する不要品から染料を抽出し、桃は選定した枝を、柿は皮を用いる。色のバリエーションを増やすため、ムラサキの根である紫根、藍、アカネなども活用するが、桃と柿の染料を組み合わせる。ウールや綿、麻、シルクなど天然繊維を中心に糸を染める。
日華化学は、非フッ素系撥水剤「ネオシードNR」シリーズで、新商品を開発。生地に付与した撥水剤自体に微細な凹凸が現れるように改質し、ハスの葉のように空気を含むことで、水滴の転がり性を高めた。撥水剤そのものにハスの葉構造を持たせる発想は珍しい。素材はナイロン、ポリエステルに対応し、綿などもテストする。耐久性、風合い、すり傷などの耐性、縫い目滑脱抵抗など物性も良好。
日本ファッション産業協議会(JAFIC)による純正国産表示制度「J∞QUALITY商品認証事業」は17年秋冬で5シーズン目を迎え、さらなる一般消費者への認知度向上を目指している。「Jクオリティー百選」の展示会を渋谷で開催、消費者へのアピールを強めた。
「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」が1日に施行され、新外国人技能実習制度がスタートした。実習生保護の強化などが図られると同時に、優良な受け入れ先には実習期間の延長(最大2年)といった拡充も取られている。一方で、実習生を受け入れてきた縫製業界からは「現実は厳しい」とため息が漏れてくる。ここでは、新たな枠組みの陰で何が起こっているのか、を紹介している。
アパレル大手がインターネット通販専用のブランドを相次ぎ立ち上げている。三陽商会は2016年に廃止したブランド「ルジュール」をネット通販限定で復活。イトキンも2ブランドを立ち上げた。ネット通販が普及する一方で、アパレル大手は実店舗での売上を落としてきた。ブランド立ち上げのリスクが比較的低いネット上で、新たな品ぞろえや顧客の可能性を探る。
三越伊勢丹HDは営業利益の7割を稼ぐ基幹店(伊勢丹新宿本店、三越日本橋店、三越銀座店)もテコ入れする。伊勢丹新宿本店、三越日本橋店はそれぞれ100億円規模を投じて、デジタル戦略や改装によって活性化させる。化粧品や雑貨の売り上げ対して、婦人服の売り場面積は広いが売り上げは同等である。アパレル縮小の流れが、ファッションの聖地と呼ばれる伊勢丹新宿本店にも及ぶことになる。
イタリアのファッション業界は、00年代後半からサステイナビリティー(持続可能性)への取り組みを開始し、業界団体や企業が一丸となって推進している。メイド・イン・イタリーは、かつては「職人技が生み出す、デザインに優れた良質な製品」だったが、それに「サステイナビリティーに貢献する、安全で倫理的にも正しい製品」という魅力を加えていく試みだ。
「アディダス」などのOEMを手掛ける中国の蘇州天源服装は、米国にTシャツの縫製工場を設ける。安い人件費を求めて東南アジアへ進出するのではなく米国を選んだ背景には、無人縫製技術の確立がある。繊維製品製造のこれまでの常識を根底から覆すかもしれない新技術である。導入する無人縫製システムを開発したのは、米ソフトウエア・オートメーション(SA)社。目の代わりにカメラとセンサーを、腕と手の代わりにロボットを使って縫う。
専門店、百貨店向けキャリア、ミセスブランドの18年春夏で、先染めストライプのシャツやセットアップが目立つ。ロンドンストライプのようなメンズライクなイメージでなく、春夏トレンドの一つであるナチュラルでラスチックな雰囲気がある柄だ。色も少しあせたような多色が中心となっている。
福助は、タイツの透け感を360度確認できるスマートフォン用アプリ「デニールimage(イメージ)」を開発した。簡単な操作で各デニールの透け感が比較可能なため、自分に合ったタイツを試着せずに選べる。「タイツは試着ができないため、透け感が判断しにくく、どれを選べば良いのか分からない」といった悩みを解決するため誕生した。25、40、60、80、110デニールのタイツの透け感が確認できるほか、着用シーンや商品の特徴も分かりやすく解説する。
良品計画は2018年1月から「無印良品」で衣料品の新シリーズを相次ぎ投入する。肌着ではウール100%で着心地を高めたり、縫い目を全くなくした商品を低価格で売り出す。同時に衣料・服飾雑貨の125品目を値下げする。衣料品は今春の値下げ以降、販売は好調。高機能な商品で値頃感を打ち出し、新規客やリピーターの来店を促す。
フリーストック販売型のカジュアル婦人服メーカーの好調が続いている。受注がない状態で企画、生産に入り、ストック(在庫)し、実需期に引き付けて専門店へ販売する。メーカーは在庫のリスクを負うが、企画精度が高く、品質に対して手頃であれば消化率は高く、商売が成り立ってきた。ところが、近頃は脱価格競争や、より安定したビジネスを求め、各社の戦略に差が出始めている。
18年春夏デザイナーコレクションでは、時代の節目を感じることがいくつかあった、一つは、ハイファッションを提供する企業がサスティナブル(持続可能な)をアピールする時代になったということ、ラグジュアリーな物作りだけでなく、環境に優しい企業姿勢を鮮明にすることが生活者の共感につながる。ハイファッションとサスティナブルは対立項目ではなく共存すべき項目。そんな姿勢を明確にするべき時代を迎えている。
シーズン前に商品を投入するのを常としてきたアパレル業界で、季節を先取りせずシーズン中に新商品を売り出すブランドが増えてきた。三陽商会の「ザ・スコッチハウス」は今冬、ダウンコートを2018年1月に投入。レナウンなども18年春物シーズンに暖かめの商品を売り出す。ネット通販の普及で衣料品を先行して買う消費者が減っていることから、業界の慣行見直しへ重い腰を上げる。
国産ジーンズブランドの輸出に変化が起きている。東南アジアを中心に加熱していたジャパンデニムブームが落ち着きを見せる一方、中国向けの手応えが上昇中だ。デニムをはじめとした品質の高さが評価され、年間1億円以上の輸出額実績を持つブランドもある。しかし、ブランドらしい企画を繰り出すという継続課題とともに、営業面で従来より攻める姿勢も必要になった。
衣料品通販サイト運営のマガシーク(東京・千代田)は画像共有アプリ「インスタグラム」などの着こなし画像をもとに似たファッションアイテムを探せるサービスを始める。画像をアプリに読み込ませると、人工知能(AI)が解析。マガシークのサイトで扱っている商品から、似た商品をずらりと表示する。消費者の感性にあった商品を探しやすくする。
18年春夏コレクションを振り返ると、トレンドの変化はありながらも、どこか予定調和で静かなシーズンだった。背景には、ここ数年続いているコレクションに漂う閉塞感がある。90年代のように新進デザイナーが次々と登場する時代ではなく、メンバーも固定している。閉塞感を打ち破るのは、デザイナーたちのエモーショナルな物作りにかかっている。
レナウンはビジネスウェアのレンタルサービスを2018年春から始める。月あたり税別4,800円〜9,800円でスーツやシャツを貸し出し、利用者は気に入った商品を買い取りすることが出来る。衣料品のレンタルサービスはベンチャーを中心に広がってきたが、アパレル企業が自ら手掛ける例は珍しい。主力の百貨店販売で成長が望めないなか、新規顧客の取り込みを図る。
2017年のファッション市場は新時代の到来を予感させるサービスが目立った。米アマゾンが日本でファッション販売に力を入れるなど、スマートフォン(スマホ)片手に似合う服を自宅で手に出来る時代が到来。一方で「カジュアル化」の波はビジネスシーンにも波及。古着の流通も活発になるなど、既製服を大量生産・大量消費した時代は終わりを迎えつつある。あらたな価値観を提案できるかが生き残る鍵となりそうだ。
百貨店の婦人靴市場が過渡期を迎えている。ボリュームゾーンと言われる、1万円台のNBの消費落ち込みに歯止めがかからず、東京・浅草の靴産業を支えてきた大手婦人靴卸の3社が、この1年半で事業や株式を第三者に譲渡せざるを得なくなった。急速に進んだ消費の多様化に対応しきれなかったことが背景にある。
クワラルンプールで開かれた第16回アジア太平洋小売業大会では、人口増と中間層の拡大による中国、インド、東南アジアの成長性を確認する一方、ECへの対応が強く意識された。人口減の日本などでは新たな技術の活用も焦点となる。
10月27日付の衣料消費市場編に続き、ファッションはどこで売られているのか、販路別の過去10年の変化を掲載。繊研新聞社推定による衣料の市場規模は2016年:9兆6500億円でほぼ10年前と同じ水準まで回復。販路別シェアは専門店、通信販売が拡大する一方、百貨店、量販店が大きくシェアを落としている。
日本の流通業は、人口減、高齢化に悩む日本市場を出て、人口が増え、若年層が多く、中間層の拡大が続く地域に成長を求め東南アジアへの出店が相次いでいる。80年代から開発されている主要都市はオーバーストアとされ、既に競争が厳しく、独自性の打ち出しや中間層の取り組みが課題。
中国で年間最大のインターネット通販セール「独身の日」が11日に終わった。主導するアリババ集団は「今年は実店舗との融合元年」と位置づけて約80万の小売店と連携し、IT(情報技術)による販促を組み合わせて展開した。一見すると「リアル」との共存共栄だが、そう単純ではない。真の狙いは店舗客の取り込みにあったようだ。
百貨店の第2四半期の決算が出揃った。円安や株高による資産効果でインバウンド(訪日外国人)需要と国内富裕層の高額品消費が活況で、業績は回復基調にある。しかし、中間層の消費に力強さは戻っておらず、大都市と地方・郊外の格差も広がっている。
ショッピングセンター経営が曲がり角を迎えている。テナントの新規出店がこの1年で3割減り、退店数を下回る「純減」傾向が続いている。新規開業は堅調だが、古い施設など既存の衣料テナントなどの退店跡地を埋められない「歯抜け」事例が目立つ。米国で進むSCの淘汰の波が日本にも忍び寄る。
野村総合研究所はBtoCの国内EC市場を、17年度18兆円、23年度には1.4倍の26兆円と予測。成長率は徐々に成長は低下するが、拡大は続く。EC市場は20年度まで成長するが、新規利用者の掘り起こしが必至。
販売員の確保が厳しい地域で、ES(従業員満足)の先進事例が目立つ。テナントの販売員確保の厳しさが予測される地域で、従業員向けの設備を充実して臨んだ大型SCが人材を順調に確保できた事例もあり、ディベロッパーのES強化への取り組みが顕著になっている。
インドネシアで、2桁台の伸びが続いてきた小売店の売上高の伸び率が17年に入り1桁台に落ち込んでいる。スマホの普及で消費者の購買の一部がネット通販にシフトしているほか、給与の伸び悩みを背景に消費そのものが落ちている。
ICタグはアパレル業界で標準装備になりそう。店舗や倉庫で在庫管理の効率化を目的に、世界有力小売業の本格導入が相次ぐ。ICタグを通じて集めたビッグデータの分析を積み重ねると、最適な在庫・発注量等の予測精度が上昇。
大都市百貨店の婦人服キャリアゾーンで、ここ数年厳しかったコートが健闘している。@昨年の不振の反動A9月から寒くなったため冬物へのマインドの切り替えが早かったB昨年に欠品したダウンの充実と新提案、などが要因だと考えられる。
名岐地区の検品・物流企業が中国の江蘇省南通らバングラデシュ、インドで拠点を拡充している。日本のアパレル市場で小売価格を抑える流れが強まる中、ASEANにシフトしていた生産が納期や品質の問題で中国に戻る際に、価格対応力のある地域で検品・物流の需要が高まっている。
日本のSCディベロッパーの海外事業が広がりつつある。日本が少子高齢化と消費の成熟化で市場全体の大きな伸びが見込めないなか、事業領域を広げ、新たな成長につなげるためだ。成功のためには、現地の商慣行や消費者の嗜好に合わせると同時に、「独自性」を出して浸透させることが求められる。
鉄道会社が駅ナカや駅ビルなどで、インターネット通販と連動した店舗の取り組みを始めた。JR東日本は2018年1月から駅ナカでネット販売で人気を集める商品の実験店舗を開設。小田急電鉄はグループ会社の通販商品を小田急百貨店で扱った。通勤や通学で利用する駅の強みを生かして消費者の需要に応えながら、新たな「オムニチャネル」を探る。
中国ではECと実店舗が融合した「新零售」(新小売り)事業が拡大している。オンラインとオフラインを補完関係の位置づけにした新しいコンセプトの小売りで、アプリで注文すると、最も近い店舗から商品が届く仕組み。
17年は米大型小売業にとって、「破綻と変革の年」となった。アマゾンに代表されるECが市場でパイを拡大し、消費動向が大きく変化する中、小売業に「急ブレーキ」がかかった。20以上のチェーン店が破産を申請し、前年度の3倍の6000店以上の店舗が閉鎖された。こうした中、最大手のウォルマートとターゲットは店舗拡大の代わりにデジタルに投資、ECと店舗を一体化する改革を進めている。
地方・郊外の大型SCの減少が顕著である。背景は、人口が減り、大型施設を出せる場所が限られ、国内SC数が3200施設を超え、競合激化や店舗スタッフ不足などで新規出店に慎重のためとみられる。
SCや百貨店で、営業時間の短縮や休館日を導入・拡大する動きが相次いだ。人手不足問題が深刻化し、販売スタッフの採用も難しくなるなか、労働環境を改善し、離職防止を含めて人材を確保するのが目的。
17年はインバウンド消費が復活した。16年は爆買いが収束し、百貨店の免税売上高が一昨年対比で減少したが、17年は増加。17年の消費額は4兆円を超えるが、政府が20年に8兆円、30年に15兆円を目標を掲げた。
20代前半の若い層や新客をとらえている個店で共通するのは「提案力と柔軟性」「出会いを大切にする姿勢」「インスタグラム発信」。スマートフォンを持って洋服購買を簡単・便利・安価に済ませられるようになり、「SNS(交流サイト)発信」を毎日可能な限り発信し、客との「近い距離」を意識する。デジタル化の進む社会への反動として「信頼できる人に出会い、その人から買う」感覚も強まっている。
厚労省による「衛生行政報告例」によると17年3月現在、全国のクリーニング所施設数は前年同期比4.4%減、97,776施設となった。1976年以来41年ぶり。取次所も4.1%減の69,929施設で7万の大台を下回った。
ロイヤルネットワーク(山形県)で10月初めころからクリーニングの返却遅れが続き苦情が相次いだ問題について大きく取り上げている。取材によると、受付量が増加し、処理が追いつかなくなったことが要因であり、預かった衣類を長期間洗わないことが常態化している実態が明らかとなった。また、閑散期に洗うことにも言及し、洗うまでの期間を顧客に提示していない点などを問題点として挙げている。
全国クリーニング協議会は11月8日、第26回環境保全大会にて、クリーニング溶剤の日本及び諸外国の動向、パークロ、フッ素溶剤の現状や今後の動向などについて解説した。とくに、パークロは欧米では居住区、住宅地での制限があり、溶剤の管理強化の動きは厳しくなっていくこと、フッ素系溶剤の今後の規制動向を踏まえ、ノンフロン溶剤のクリーニングへの適用、取り組み方などについて提言がなされた。
11月8日に開催された第26回環境保全全国大会にて、クリーニング溶剤や土壌汚染浄化と行政対応などの動向について講演が行われた。塩素系は有機溶剤から特別物質へ移行したこと、臭素系は許容濃度見直しの動きがあること、次世代フッ素系溶剤「1233Z」の紹介などが注目を集めた。とくに、1233ZはHFO(ハイドロフロオレフィン)というODPゼロ、低GWPを両立させた環境に優しい溶剤で、オゾン層保護法、温暖化対策法、フロン排出抑制法に非該当であり、規制の対象になりえない溶剤になると予想されている。
昨年12月に繊維製品の取扱い表示が新しくなり、クリーニングに対する誤解と洗濯トラブル、汚れの種類と除去法、クリーニング方法、ドライクリーニングの実際と使用される有機溶剤、機械の仕組み、乾燥工程、ドライクリーニングで汚れが落ちる原理と短所、ドライクリーニングできない素材や加工などを網羅的に概説している。
BUFA社のヨルグ博士によると、ドイツのここ2、3年の傾向として、「品質」に関する取り組みが増加している。機械については、ドラムの回転中に溶剤を吹き付けて洗浄するスプレーマシンが導入されている。欧州の溶剤の現状としては、ウェット20%、ハイドロカーボン30%、代替溶剤5%、パーク45%で、パークは減少中とはいえ、東欧ではほぼ100%パークを使用しているとのことであった。仏はウェットが増加中とのことである。
全ク連が行った長期間放置品に関する調査結果がまとまった。回答率は73.1%。約9割のクリーニング店に長期間放置品が存在し、数としては10〜19点が最多、200点以上ある店も。約7割の店で年間1〜9点の放置品が増加傾向にあり、長期放置品のトップはワイシャツ、ブラウスで約7割、布団、じゅうたんも多い。客と連絡が取れない、客が忘れていることが2大要因であり、7割弱の店が期限を区切らずに保管している。期限をまた、返却する際に、9割が保管料を請求できずにいることがあきらかとなった。
昨年まで旧JIS の107表示(水洗いできない)が付いていた製品のうち、ウェットクリーニング表示がされるようになった物もある。本稿では、新JIS表示が導入されて1年が経つことから、販売・消費者・クリーニング業者の三者が有機的にウェットクリーニングを活用できることを期待し、ウェットクリーニングの概要、定義の変化、表示のメリット、そしてウェットクリーニングの実際についてMA値の測定と水洗機のプログラム調整、洗浄力の低さを補う方法や仕上げに関する事項の紹介等がされている。
柔軟剤などに含まれる香料で化学物質過敏症になる例が急増している。当小児科医院の外来でも、学校で頑固な頭痛や目まい、皮膚炎、ぜんそくなどがおきたという患者が目立つようになった。他人の衣服に付着した柔軟剤の残り香や消臭・除菌スプレー剤が原因と思われる。厚生労働省は健康被害調査を早急に実施したうえで、製造・販売・使用に関して適切な規制・指導をするべきである。
国民生活センターは、シニア世代のトラブルの現状を分析するため、60歳以上の高齢者を対象にした「消費者トラブル110番」を実施。2日間で合計88件の相談を受け付けた。契約トラブルの7割は女性で、年代的には、70歳代と80歳代が6割だった。販売購入形態では、業者が自宅を訪問して貴金属や服飾品を買い取る訪問購入が45%を占めた。被害金額は50万円未満のものが63%だったが、中には100万円を超えるものも17%あった。
手袋製造のレガン(香川県三木町)は香川漆芸を取り入れたファッション手袋を開発した。香川の地場産業である手袋と伝統工芸を組み合わせ、地域色を強く打ち出して独自性を訴える。将来は海外展開も視野に入れる。主力のOEM(相手先ブランドによる生産)製品に加え、ファッション分野で独自ブランド製品を強化する。
「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイはプライベートブランド「ZOZO」を立ち上げると発表した。今後は米国などでも展開するという。体のサイズを採寸するボディースーツを無料配布することも発表し、サイト上で予約を開始した。伸縮センサーが内蔵され、着用すると肩幅や胸幅等を測定、スマフォとつないでアプリに保存できるという。購入前にスーツで採寸することを求めている。
フランスベッド梶i東京都新宿区)は、いびきの軽減に特化した横向き寝專用枕「ドクタースリープバンテージ」を12月1日からネット通販で先行販売し、全国の家具販売店などで順次販売する。同商品は、後平泰信医師(医療法人 徳洲会札幌徳洲会病院循環器内科)監修の下、いびきによる快眠の妨げの解決を目指して開発。横向き寝は口が閉じやすいので、気道を確保しスムーズな呼吸を促すため、いびき対策に効果的とされている。
リーディングカンパニー(東京都北区)の入浴介助專用グローブ「天使の手のひら」は、入浴介助時の手のスリップによる転倒、落下事故を防止するために開発。水にぬれてもすべりにくい特殊素材(表面はポリウレタン)を、手のひら部分の内側と外側の両方に使用。介助対象者のぬれたからだをしっかり支え、安全に入浴を介助出来る。
制服メーカーや指定販売店まかせにせず、学校側が積極的に関わることを求めた内容だ。・入札やコンペの導入。・積極的な価格交渉。・新規参入業者に情報開示等だ。
「世界人権デー」の10日、障害のある人が色鮮やかな衣装に身を包みランウェイを歩くファッションショーが大田区でひらかれた。[tenbo(テンボ)]がSNSで募った60人から選ばれた18人のモデルが登場した。東京コレクションにも参加経験があるtenboは「障がい者向けの服は機能性重視でファッション性が低い」と感じていたデザイナー鶴田氏が2015年に始めた。
販売しているレギンスに短期間で痩身効果があると宣伝していたのは景品表示法違反(優良誤認)にあたるとして、消費者庁は14日、大阪市のインターネット通販会社サクライキに再発防止を求める措置命令を出した。同社の担当者は「再発防止に向けて対応を検討したい」とした。
政府は企業や消費者の契約ルールを定める債権関係規定(債権法)に関する改正民法を2020年4月1日に施行すると決めた。民法制定以来、約120年ぶりに債権部分を抜本的に見直す。インターネット取引の普及など時代の変化に対応し、消費者保護を重視した。改正は約200項目に及び、周知を図る。
コートブランド「サンヨー」で展開。防水性が高いポリエステル素材を使い、耐久はっ水加工を施した。雨や雪でも着られ、伸縮性もある。食肉用に国内で育てた「京鴨」の羽毛を使う。細い針を縫製に使い、生地を特殊加工でコーティングすることで羽毛の吹き出しを軽減した。
ファッション品などを個人バイヤーから買えるサイト「BUYMA(バイマ)」を運営するエニグモは、衣料品などのサイズをチェックできる新機能を導入した。過去に購入した商品や手持ちの服と、販売中の服をイラストにして重ね合わせ、サイズの比較ができる。スウェーデン発のIT(情報技術)ベンチャー、バーチャサイズ(東京・渋谷)のサービスを採用した。実際に着ている商品と比較できるため、イメージしやすい。衣料品のネット通販で課題となる「サイズのミスマッチ」を抑制する。
カタログ通販大手のベルーナは2018年1月4日から女性用ニットカーディガンの新作を売り出す。菌などの増殖を抑制させるという制菌加工を施したカーディガンで汗や部屋干しによる臭いを軽減する。薬剤メーカーと共同開発し繊維製品に付着する菌を抑制させる制菌加工「ピュアコート」を施した。この加工は院内感染を予防するナース服などにも使われている。
ライオンは衣料品の柔軟仕上げ剤「ソフランアロマリッチ」を刷新する。「清潔感」や「高級感」など女性消費者の嗜好に合わせた5種類の香りをそろえ、2018年1月31日に発売。リニューアルするアロマリッチには繊維1本1本を柔らかく仕上げる、植物由来の柔軟成分を配合する。
スポーツ用品のゴールドウインは、米国発の高級カジュアル衣料ブランド「ウールリッチ」の国内販売を来夏から始める。現在国内販売を担う繊維商社の八木通商(大阪市)から販売を引き継ぎダウン商品の企画・生産も始める。耐久性が高いという200デニールの素材で機能性を高めた。ゴールドウインは海外も含めてカジュアル衣料事業を伸ばす方針。
ビピット(大阪市西区)の持ち歩きに便利なカード型の衣類用除菌・消臭スプレー「argent(アルジャン)」は除菌効果が期待できる銀イオン水を主成分に、殺菌作用を持つ茶葉エキスや消臭成分のサトウキビエキスを加えた。珍しいカード型(縦82mm×横52mm)で、ポケットにも入れられ、携帯に便利。香りは「ミント」と「無香料」の2種類。
総務省が公表する家計調査から、2人以上の世帯が婦人用洋服と化粧品に年間でどの程度を支出するかを調べた。化粧品に使う家庭の支出額が2017年、初めて婦人服を上回る見通しとなった。しわを改善する新成分の発見や訪日外国人の需要を捉えることでメーカーの販売も伸びている。一方、婦人服の支出はバブル期の半分にまで減少した。
ナイガイは、婦人レッグウエアブランド「コンセプト」の新アイテムとなる安眠ソックス≠商品化した。筑波大学と産学共同で開発したもので、自律神経を副交感神経優位にすることで快適な眠りが得られるのではないかという仮説を立てるに至った。副交感神経を優位にするには、つぼ押しや温湿度調整が効果的とされる。新商品は趾球周辺とくるぶしの下、かかとの下を編み組織や締め付けの調整で押える。レッグ部とつま先、かかとはシルクを使用して適度な保温性を付与する。
はるやま商事は、従来の同社綿100%ワイシャツと比較して約1.5倍の保温効果を発揮する「アイシャツWARMFEEL」の発売を開始した。同商品は、繊維の収縮差を利用して繊維中に空気層を作ることで、衣服内の暖まった空気を外に逃がしにくく、高い保温性を発揮する。接触温感素材でもあり、シャツ着用時に生地から感じる冷え感を軽減し、滑らかで心地よい肌触りを持つ。
帝人フロンティア、サンゲツ、塩野義製薬、ダイキン工業の4社は、コンソーシアム「ダニアレルギー対策会」を発足した。帝人フロンティアは、極細繊維を高密度に織ることによって、ダニはもちろん、フンや死骸などのアレルギーを引き起こす物質を通さないダニ対策商品を販売する。
東レが18年向けに開発した防虫素材「ウィズリリーフ」は、忌避剤としてイカリジンを使用しており、従来の薬剤に比べて安全性が高い。
p921〜928 つまずき予防機能をもつ靴下設計の検討を着用実験により行った。つまずき予防靴下の設計においては、単につま先を上げる工夫だけでなく、靴のソール部分やアッパー部分の機能を取り入れて、足部を安定にする工夫が有用であることが分かった。
p662〜673 発汗の有無および温湿度を変えた空気を衣服下に挿入した場合の効果を検討した。衣服下への送風がないと乾燥地域の高温や高湿への対応は難しいが、衣服下へ空気を送風すれば対応ができるようになることが明らかとなった。
p985〜987 肌に優しい「米ぬか繊維SK」を用いた「米ぬか美肌インナー」の開発経緯、日本アトピー協会による製品モニタリング結果、米ぬか美肌インナーの保湿効果発現の仕組み、着用実験による肌への刺激改善結果などを紹介する。
帝人フロンティアは、京都大学と共同開発した心電計測ウェアラブル電極布の発売を始めた。西陣織の技術を使って製作したものであり、心臓疾患時の救急搬送の際に必要な12誘導心電を迅速、簡単に計測できる。
オーミケンシと化粧品メーカーの桃谷順天館との共同で、皮膚トラブルの原因となる悪玉菌の増加を抑え、肌の状態を良好に保つ菌を増やす効果を持つ成分をレーヨンに練り込むことに成功した。4時間着用後の肌水分量は、未加工布の1.4倍であった。
文化服装学院の文化・服装形態機能研究所は、オンワード樫山と産学協同で、車いす利用者向け紳士スーツの開発に取り組んでいる。開発のこれまでの経緯を紹介する。オンワードは、この紳士スーツをイージーオーダーの選択肢の一つとすることも含めて技術の確立を目指す。
内販では、百貨店や路面店を販売する高級ローカルレディースブランドに向けて、日本製生地と副資材をセットにし販売している。ここ数年、メイン顧客だったゴルフブランドの販売が落ち込んでいたが、今年は偽造防止ラベルの販売が伸びて回復している。偽造防止ラベルは、富士フィルムの「FORGE GUARD」で織ネームなどに同ラベルを添付し専用ビュワーをかざすだけで真贋が判定できる。中国では偽物に悩まされているため、ラベルの提案を強めていく。
ボーケン品質評価機構は、11月8日からの3日間、東京事業所でボーケン展示会を開催した。今年で48回目であり、衣料や生活用品などの事故事例を展示し、原因究明、防止策を紹介することで定評がある。ボーケンラボコーナーの製品検査実演&体験、機能性ブースの実験を交えての説明、引裂きや摩擦、ピリングなどの試験実演などを行った。センカ、三景、製品安全協会などのコラボコーナーがあり、体験できる展示スタイルとなっていた。
アパレルや生産向上向けソフト開発のアベイルは、衣料品の洗濯ラベルを利用した「IoTタグシステム」を開発、来年4月からサービスを開始する。洗濯表示は、デメリット、アテンションタグや商品説明タグなども複数付けられているが、購入時には破棄されることが多い。これらの情報をQRコード化することで、大幅なコスト削減と取り付け不良、物理的なコスト削減、クリーニング事故の軽減も期待でき、購入者の満足度と販売促進に繋げられ、発展性も示唆した。
「客の言うことを聞け」と店の従業員に非常識な要求をしたり、侮蔑的な態度で接したりする消費者の悪質クレームが問題になっている。だが商品に不適合があったとき、代償を求めるのは正当な権利で、クレームが悪質か否かはどこで線引きされるのか。
売り手市場が続くなか、厳しさの増すファッション業界の採用戦線。内々定を出した後も承諾を得るため、自社の魅力を伝え、個別に関係を深めるなど内定者対策や、3月の解禁前に学生と接触するプレ採用活動に力が入る。
タイは、50年余り前から日系企業が進出し、東南アジアの中でも日本と深いつながりを持つ。近年チャイナプラスワンでASEANの中ではタイは話題が少なくなっているが、自動車関連や産業資材、生活資材などで繊維ビジネスが拡大している。
@2月9日(大阪)、23日(東京)A9日:大阪ドーンセンター、23日:日本女子大学B特殊ユニフォームの開発とビジネス価値の創出C日本繊維製品消費科学会http://www.shohikagaku.com/index.htm
@2月10,17,24日A機械振興会館(東京)Bアパレル製品に関する基礎的かつ実用的な知識を学ぶ。解説には実際のサンプルや写真なども利用。C日本繊維技術士センターjtcc@nifty.com
@2月22日(木)13:30〜16:40A名古屋市工業研究所B講演 「撥水剤の現状と動向について」明成化学工業 長山喜紀氏、「家庭用の漂白剤について」花王 野村昌史氏C名古屋テキスタイル研究会 TEL:052-654-9885 ooka.chihiro@nmiri.city.nagoya.jp
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:小林茂雄/発行人:大谷芳男