ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧(2003年度:第20巻〜)→
行 政 ★衣類国内生産18年さらに減
素 材 ★海洋生分解性プラの開発支援
加 工 ★"業界最高水準"の消臭、防汚
アパレル
★企業価値向上に不可欠な要素
意識高まるSDGs、CSRへの視点
流 通 ★キャンペーン白熱のスマホ決済サービス
クリーニング ★平成30年間のクリーニングデータ
消 費 ★レジ袋無料禁止 小売店20年法整備 環境相表明
健康・快適性 ★電動ファン付きベスト発売
その他 ★外国人の労働者の採用検討3割
経済産業省と公正取引委員会、総務省は「デジタルプラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」を開催。「取引環境の透明性・公正性確保に向けたルールの整備の在り方に関するオプション案」「データの移転・開放等の在り方に関するオプション案」が報告された。
経済産業省のポイント還元補助制度へのSCディベロッパーの関心度が高まってきた。実施するのは、10月の消費増税後の9ヵ月間、中小企業向けだが、条件を満たせば、SCに出店するテナントも参加でき、ディベロッパーも「決済事業者」として登録可能である。しかし制度が複雑で、作業の手間もかかり、登録に慎重な企業も多い。
18年12月、厚生労働省による「毎月勤労統計データの不適切処理」が報じられ、統計不正の問題は、公的統計のあり方を巡る基本的問題と理解されるに至った。統計科学やデータサイエンスの立場から学ぶべき教訓や参考となる論点に絞り議論している。
経済産業省の生産動態統計で、日本国内の衣類の生産量は、17年に1億点を割り、18年も前年比2.8%減少した。その結果、輸入浸透率は97.7%(前年は97.6%)と過去最高を更新した。輸入は、中国が2.6%減だが、チャイナプラスワン勢からが増大している。
経済産業省は、18年の日本の電子商取引市場が約18兆円、前年比8.9%増になったとした。物販の分野ではスマホ経由の消費が約4割にのぼり、衣類や服飾雑貨は5割超が、パソコンではなくスマホで購入されている。個人間で商品を売買するフリマアプリの取扱高は6千億円を突破。スマホ起点の消費が急速に広がっている。
海外からの訪日客で、東南アジアの存在感が大きくなりつつある。タイ人は18年に年100万人の大台を超え、ベトナム人やフィリピン人も伸び率が高く消費意欲が旺盛。多くの国はこれから海外旅行者が急増するとされる経済水準に達する。30年に訪日客6千万人の目標を掲げる日本に向けて、東南アジアから熱い風が吹く。
厚生労働省の合計特殊出生率18年が1.42となり、前年から0.01ポイント下がった。低下は3年連続。政府が25年度までにめざす子育て世代が希望通りに子どもを持てる1.8は遠い。晩婚や非婚化の影響が大きく、政府は少子化対策の見直しを迫られそうだ。
中小企業庁は、「はばたく中小・小規模事業者」300社を選んだ。ITサービス向上や経営資源の有効利用などによる生産性向上、積極的な海外展開やインバウンド需要の取り組み、人材活用や円滑な事業継承などで成果を上げた企業が対象。併せて、創意工夫を凝らしたり、取り組みで活性化に寄与した「はばたく商店街」30団体を発表した。
経済産業省は、コンビニエンスストアの課題と今後の方向性を検討する有識者会議「新たなコンビニのあり方検討会」を発足する。コンビニ業界で問題となっている24時間営業や深刻化する店舗での人材不足への対策などを討議し、年内に中間報告をまとめる方針。
政府は大企業の働き方改革に伴う下請け中小企業への「しわ寄せ」を防ぐための総合対策をとりまとめる。労働局や労働基準監督署は中小企業からの相談について関係機関と情報を共有する。公正取引委員会は必要に応じて改善勧告を出し、企業名を公表するなど厳しく対応する。働き方改革を中小にも浸透させるとともに、賃金引き上げへの環境を整える。
ニュージーランドの紡毛紡績ウールヤーンズは、同国産獣毛ポッサムを使ったヤーン「ペリノ」を開発した。同社が扱うポッサム原毛は年間50トン。その原毛のうち10〜15%を整毛したのがポッサムダウン。平均繊度は16ミクロン、先端にいくと細くなる構造であるため「肌に当たる刺激が少なく、カシミヤを上回る肌触り」であるという。中空構造のため空気を含み、軽くて保温性も高い。スケールが丸みを帯びていて、毛同士が擦れてもピリングが発生しにくい。
海を汚染するプラスチック問題を解決するため、経済産業省は、海で分解されるプラスチックの開発、普及に向けた工程表を作成した。新素材の開発を支援し、夏までに国内企業との協力体制を構築、20年代をめどに国際規格の策定を目指す。第1段階として三菱ケミカルの「Bio PBS」や、カネカの「PHBH」といった生分解性プラスチックの需要の開拓や量産化を目指す。同時にレジ袋やストロー、農業用資材などへの活用を促す。
ユニチカトレーディングは、マイクロプラスチック問題に対応する断熱保温生地「エアーホールド−NH」を開発した。生地組織の工夫で合成繊維くずの脱落を抑制すると同時に、起毛品と同レベルの保温性を付与した。合繊生地を起毛したフリースなどを洗濯した際に繊維くずが脱落し、排水から河川・海洋へ流出しているのではないか、と指摘する声に対応する新素材である。
中央パッケージング工業は生地の端材を再生した紙製資材の取扱いを始めた。脱プラスチックなどサスティナビリティへの社会的関心が高まりつつあるなか、リサイクルを基本に環境配慮型資材の提案に力を入れる。クラボウのアップサイクルプロジェクト「ループラス」がリサイクル紙を使い、靴下やTシャツ、タオルなどの包装紙に加工するほか、タグなどにも対応する。
セーレンは、運動初期には暖かく、運動中・運動後には汗冷えを防ぐ素材「ヒートアシスト」を開発した。ヒートアシストは、レーヨン系特殊吸湿発熱糸と速乾性素材を組み合わせ、肌面の発熱・吸水層と表面の速乾層の2層構造として機能を高めた。20年秋冬のスポーツウエアの主力素材と位置付け、ランニング向けTシャツやゴルフ向けポロシャツなどに提案してゆく。
ダイワボウレーヨンは、海水中での生分解性を確認したレーヨン短繊維「DRコロナ(仮称)」を開発した。同社によると日本で生産されている再生セルロース系繊維で国際規格に基づく試験によって海水中生分解性を確認した初めてのケースだと言う。ベルギーの検査機関OWSで国際規格であるASTM規格に基づいて海水中生分解性を測定した結果、ポリエステル系やポリ乳酸系の生分解性合成繊維・樹脂の倍以上の生分解性となった。
カジグループは、これまでになかったフリーカットの織物を開発し、同社初のテキスタイルブランド「カジフ」の展示会で公開した。切りっぱなしでも端がほつれないフリーカット素材は、これまではニットのみで、インナー中心に使われている。熱融着糸を使って目地を固定するが、織物では組織の構造上、これが難しかった。同社グループの加工糸、織物の技術を融合して開発、特許も申請し、カジフの主力素材の一つとして打ち出す。
帝人フロンティアは綿調ポリエステル「アスティ」を開発した。短繊維と同程度の太さのむらを持つ長繊維の原糸に、仮撚り糸を複合し、最適な生地加工技術を駆使して綿調の見た目と風合いを出した。リサイクルポリエステル100%で、機能性を持つ環境配慮素材として訴求する。高収縮の非結晶部分を持つリサイクル原糸を特殊斑延伸技術で伸ばし、不均一な凹凸を出す。
東洋紡は、風の可視化技術を持つコーア(長野県箕輪町)と共同で、フィルム状導電素材「COCOMI」による心電計測と風の計測を組み合わせたスポーツウエアの開発を行っている。体表面の空気抵抗の部位と方向を計測し、心電計測で自律神経の緊張状態との関係を調べることにより選手個人に適した指導が可能となる。将来は風のセンサーの配線もCOCOMIにすることでウエアと一体化してゆく。
YKKは6月から、環境に配慮した商品として植物由来ファスナー「グリーンライズ」の販売を開始した。これはファスナーの主材料であるポリエステルを従来の化石燃料由来から、植物由来へと置き換えることで、化石燃料使用量の削減、製品サイクル上のCO2排出量の減少を実現する。使用する植物由来ポリエステルは砂糖生産過程で発生する副産物(廃糖蜜)由来であり、資源の有効利用につながる。
大阪プラスチック工業は、ポリエステル廃材を再利用した環境配慮型ボタンで水牛調のプラスチックボタンを開発した。ポリエステルボタン製造時に残る端材を原料に混入し、棒管に流し込むシリンダー製法で製造する。すでに商品化した貝調ボタンのシートから抜き出す製法とは異なり、原料の比重の違いからパターン(柄)表現の安定化が難しかった。含有量を全体の3〜5%に抑えることで安定化に成功した。
近藤紡績所は革新的な製造法による糸を基軸としたブランド「アイケーエアロ」の拡販を進める。アイケーエアロは繊維を引き揃えた状態にした綿わたの束をそのまま糸にした新素材。綿わたそのものが糸になっているので、通常の綿紡績糸に比べて素材そのものが空気を含む量が大きい。このため軽くて温かい。しかも、生地が薄いティッシュのようになっており、羽織ったり、まとったりする際の柔らかさや着心地など着用感に優れている。
中川絹糸は、繊維長を一定に揃えた混紡用スライバー「シルクアジャストスライバー」を開発した。繊維を一定の長さに揃えた形で連続したスライバーに加工する。ネップの発生が抑えられ、複合する繊維の長さに合わせてシルクの繊維長を決められるため、安定した生産が可能。また、スライバーミックスにより、混紡のための混打綿やカード・コーマ工程が不要になるためコストダウンも図れる。
塩化セリウム水溶液からオゾン酸化により生成した酸化セリウム(IV)(CeO2)ナノコロイドを綿布およびナイロン布に担持し、UVカット性を調べた。得られた布には、直径50ナノメートルの酸化セリウム粒子が均一に担持されており、担持量は3.5%である。紫外線吸収性能を示すUPF値は綿布で23.4と高い値を示した。さらに、バインダーを用いていないにもかかわらず、高い洗浄耐久性を示した。合成したナノコロイドから直接担持させる本方法の効果であると筆者らは推定している。
クラボウは、"業界最高水準"の性能をうたう消臭加工「ストロングデオ」と防汚加工「ソイルスウィーブ」を開発した。ストロングデオは汗臭の原因物質であるアンモニア、酢酸、イソ吉草酸に対して高い消臭機能を発揮する。綿織物、ポリエステル綿混織物いずれにも加工可能。一方、ソイルスィーブは油性汚れと水性汚れ両方に対してSG性とSR性機能を両立した防汚加工。工業洗濯50回後でも機能が持続する耐久性も確認した。
全国シロセット加工業協同組合は、シロセット加工で用いる新加工剤「ラックス」を開発した。これまでの加工剤と比べて折り目を付ける性能が2割ほど向上したほか、加工剤の臭いの低減や取扱いのしやすさなどに優れる。新加工剤は年内をめどに供給を始める予定。同組合はラックスを用いて加工した製品の名称を「SI-RO-SETネオ」と決定。製品に取り付ける下げ札やラベルなども作成しPRを図る。
染工場の美研繊維(京都市)は、最新のインクジェット捺染機を活用した高品質のプリント技術と、自社デザインを取り入れたファッションやインテリアに使える多用途の布製品を充実した。初の単独展では、新作を含む284品種を取り揃えてアパレルや雑貨卸、専門店などに発信した。さらにECサイトを立ち上げ、京都ブランドを意識した日本独自素材とオリジナル柄にこだわって、訪日外国人需要も狙っていくとしている。
セイコーエプソンは長野県富士見町にテキスタイル・ソリューション・センター「TSCアジア」を開設した。3億円を投資して、最新機種「モナリザ・エヴォ・トレ」の32ヘッドモデルのほか、プリントから仕上げまで一貫設備を完備し、研究開発や、西はインド近辺までを含むアジアの顧客への支援を行う。また、同社は今年度中に2、3ヶ所のサポート拠点をアジア以外へも立ち上げる予定とのこと。
小松マテーレは、PFOA(パーフルオロオクタン酸)フリーの加工剤を使った超耐久撥水加工「ダントツ撥水」の本格展開を始める。専用の製造ラインを設けるなど、物理的な工夫と加工剤を組み合わせることで、洗濯100回後でも撥水性3級を維持することに成功した。20春夏から衣料品や生活資材用途に投入する。独自の技術を駆使することで高い撥水性能の付与に成功した。
繊維薬剤などを販売するミテジマ化学(大阪市西淀川区)は、食品添加物などを使った機能性繊維加工「エディプル トリートメント」を開発した。生分解性を持つ可食性素材の応用によって環境負荷低減に貢献し、消費者や製造者の安心・安全にもつなげる。現状で展開できるのは、ウールのピリング抑制・防縮と洗濯耐久性を持つ保湿加工。そのほか、紫外線による蛍光染料の黄変防止、防汚、抗菌、湿摩擦堅ろう度の開発も進めている。
ファッションビジネス業界にとって、欠かせない大きなテーマはサスティナビリティ(持続可能性)だ。繊研新聞社は認定NPO(非営利組織)のACEと共同で、アンケート調査を実施した。国連総会で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・ガバナンス)投資の広がりを背景に、繊維・ファッション業界でもCSR(企業の社会的責任)への取り組み強化やSDGsを意識した事業が広がっている。
19〜20年秋冬デザイナーコレクションは、デザイナーとビジネスにおける節目という印象が強かった。特にカール・ラガーフェルドの死去は、それを象徴する出来事。一方で、サスティナブルを意識したコレクションがさらに増え、次の時代に向けてポジティブなムードの高まるシーズンとなった。
青山商事は、今夏のクールビズ企画として軽量ジャケットを商品化した。カラミ織りを使用するほか、副資材を省くといった工夫を施し、ジャケット商品では同社史上最軽量の300グラム以下(Mサイズ)を実現した。ビジネスジャケットとしてのフォーマル感を保持するため、パターン設計も見直した。防シワ、ウォッシャブル、ストレッチなどの機能も付与している。
人工知能(AI)を活用してアパレル電子商取引(EC)のサイズ問題などに対応したサービスを提供するメイキップ(東京都新宿区)は、スマートフォンで写真を撮るだけでユーザーの身体データを取得できる技術を開発中で、今夏の完成を目指している。開発中の技術は、ユーザーが手持ちのスマホで正面と横向きから自身の身体の写真を撮るだけで身体データを取得できるという。肩幅や身幅など10か所ほどの部位の数値が分かる。その数値を踏まえて適したサイズを薦める。
JUKIは、"縫い"の調整機能をデジタル化した業務用ミシン「セミドライヘッド電子本縫千鳥縫ソーイングシステム LZ-2290Cシリーズ」を発売した。同製品は、縫いの品質向上と段取り時間の短縮を実現。JUKI専用アプリと連動させることで、生産管理を可能にする。千鳥縫いのほか、スカラップ縫いやブラインドステッチ、さまざまな飾り模様を1分当たり5千針の速度で行う。
日本繊維輸入組合によると18年の国内の衣料供給量は前年比3.4%増の約39億2200万点だった。国内のアパレル市況は厳しく、ブランド廃止や店舗閉鎖は続くのに供給量は増えている。アパレル製品の供給過剰、大量処分が克服すべき課題で、商社やOEM(相手先ランドによる生産)企業のトップからは「大量生産、大量消費はすでに過去。無駄な物を作ってはいけない」との発言が頻繁に聞かれるようになった。
日本アパレル・ファッション産業協会は、20年の東京五輪・パラリンピック大会の開催期間に向けて、アパレル企業に調達方法の見直しを求め、早期に検討開始することを提案している。東京都から、首都圏にヒト・モノが集中し、企業活動に深刻な影響が出る可能性を報告されたため。
青山商事は、色あせしにくい「黒色コットンパンツ」を開発した。スレン染料と反応染料を組み合わせて染め上げることで、洗濯や日光、汗などに対する耐久性を高めた。スレン染料は、耐光堅ろう度や耐久性に優れている一方で、濃色に染まりにくく表現が中淡色に限られるという側面を持つ。今回、染料メーカーなどの協力を得て、鮮やかな発色性が特徴の反応染料と組み合わせることに成功。色あせしにくい黒色の綿パン≠フ展開を可能にした。
マスカスタマイゼーション(個々の客の要望に応じながら大量生産すること)への関心が高まるなかで、それを実現する仕組み作り、対応する機械の開発が急速に進んでいる。在庫を持たず、物を作りすぎないことはサスティナブル(持続可能な)という世界的な潮流にも合致する。また、人手不足や人件費の上昇で、長期的に見れば労働集約的な縫製業の先行きは厳しく、自動化・脱技能の追求も進んでいる。
「おしゃれは我慢」、もうやめませんか――。トレンドを追わず長く着られるとうたう服をつくるオールユアーズ(東京・世田谷区)。ネット通販中心で1品千着単位なのに、昨年、国内有力ファッション賞にノミネートされ話題を呼んだ。コンセプトに共感した人(パトロン…同社では「共犯者」と呼ぶ)から支援金を募るクラウドファンディングで運営しており、企画段階から熱心なファンを巻き込む仕掛けと、国内工場との密な関係に裏打ちされたものづくりで、廃棄率ゼロのブランドを確立しつつある。
今秋冬のレディスアウター商戦に向けたMDは前秋冬の結果から、ライトコートなど軽い薄手のアウターを強化し、防寒コートは控える傾向が強まっている。ライトアウターのバリエーションが広がりそうだが、消費増税前の9月に投入を早める動きも見られ、仕掛けと実需とのずれを防ぐMDも求められる。
日本アパレル・ファッション産業協会は、総会で19年度の事業方針を確認、世界的な潮流となっているサスティナビリティへの取り組みを協会として推進、CSR憲章の制定を発表した。需要創造、市場拡大を基本テーマに事業を推進する。
新元号で停滞要素をリセットして歩み出そう――商品や情報があふれるなか、ファッションビジネス業界は人口減や年収減などにも足元を揺さぶられているが、過去の成功体験を追う風潮を産業全体で絶ち切れていない。ただ、地方では客と働き手を呼ぶ工夫を凝らし、クリエイティブな産業像を取り戻す萌芽がある。
紳士服や百貨店大手による「クールビズ」商戦が熱を帯びている。近年の猛暑を踏まえ、各社とも冷涼感を打ち出した商品を拡充。さらに機能やデザイン性も加えており、夏の軽装スタイルが定着するなか、冷涼感以外の特徴もアピールし、需要を掘り起こす。
レディス主力の大手チェーン専門店各社で、"サスティナブル"(持続可能)であることが経営のキーワードとなっている。売り上げ規模よりも粗利益率など中身を重視し、売れ残りや廃棄を招く無駄な在庫を抑えるという考え方は、自然環境への配慮にも通じる。持続可能であるには、時代の変化に合わせて事業モデルを作り変えていくことも必要だ。
紳士服大手の業績が悪化している。青山商事など4社の19年3月期の連結最終損益はそろって悪化した。暖冬でコートなど冬物商品が振るわなかったことに加え、仕事着のカジュアル化でスーツ離れが加速した。
キャッシュレス化の潮流に乗ろうと、スマートフォン決済サービスが続々と誕生している。ユーザーや加盟店を獲得するための大型キャンペーンも活発で、アパレルや雑貨でも対応店舗が増えてきた。「浸透には時間がかかる」(各社)とみられるが、データ活用や販売機会ロスの削減など期待できるメリットは多く、積極的に導入する企業が増えそうだ。
ファッション関連の接客アプリFASYを展開するスタイラーは販売員がいない店舗を広げる。これまで期間限定の売り場を開いており、年内にも常設店をつくる考え。スマホのアプリで接客や販売をする。店舗の運営コストを抑えつつ、試着できる実店舗の良さを入り口としてアプリの利用者を増やす。
百貨店とGMSの構造と現状を知る。総合小売業として、昭和の時代に成長を遂げた両者は、平成に入り、専門店にその地位を奪われ、市場での存在感が低下している。現状を打開するためにどんな取り組みを行っているかを特集する。
百貨店やアパレル大手が10月に実施される消費増税をにらみ、催事や販売時期を前倒しする。そごう・西武や大丸松坂屋百貨店は高額品の催事を前倒しして開催する。レナウンなども冬物商品を夏頃から受注販売する。増税で負担感が増し、高額品を中心に買い控えが広がる可能性がある。各社は購入時の決済を9月までに完了するなどして需要を喚起する。
地方百貨店の閉店数19年はリーマン・ショックに揺れた10年以来、9年ぶりの2ケタ台に乗る見通し。少子高齢化、ブランド頼み、郊外型モールへの客流出など、構造問題が招いた閉店ドミノは、かつては存続の前提とされた「100万人商圏」ですら成立しない現実を突き付ける。
日本ショッピングセンター協会の「SC白書2019」が発表され、18年も総売上高を伸ばし、日本の流通で存在感を高めている。一方で、新規開発が減り、総数はわずかの増加にとどまった。地方を中心に人口減が顕著になる中で、出店余地が限られてきている。
イオン系のカジュアル衣料品店「コックス」はAIを活用した「生産改革」を進める。画像などを解析し、半年後に人気の高まる色や商品を予測。人間の判断も加味し、19年秋冬向けから商品生産に生かす。ユニクロもAIを使った需要予測に乗り出した。人の感覚や経験に頼りがちだが、「ファッションテック」で数値化することで需給の乖離をなくすことを狙う。
都内百貨店のキャリア売り場のカジュアル化が進んでいる。今年の春夏商戦は、これまで通勤需要で売れていたセットアップやジャケットなどが厳しいという声が、どの店でも上がった。通勤でも普段着でも着回しが利くような汎用性のある商品が求められている。
帝国データバンクによると、中国に進出している日本企業は19年(5月時点)に1万3685社となり、16年の前回調査比で約2%減少した。業種別では小売業が約6%減と最も減少幅が大きかった。中国の成長鈍化などを受けて中小企業中心に減少。米国と中国の緊張状態が長引けば大手企業の動向にも影響を与える可能性がある。
世界の百貨店で構成する百貨店連盟(IGDS)が、日本で初めての国際フォーラムを開催した。約30の国と地域から百貨店や高級ブランドの経営者ら約300人超が参加。未来の百貨店の役割などをテーマに議論した。登壇者からは、物販だけでなく体験や環境のサスティナビリティ、デジタルなどが説明された。
SC(ショッピングセンター)とEC(電子商取引)は、いずれも市場規模を拡大し、年々ファッション市場における存在感を増している。それぞれの現状と特徴をわかりやすく理解するために、Q&A方式によって記事をまとめている。
都内百貨店の特選衣料雑貨売り場が増収を続けている。ここ数年のインバウンド(訪日外国人)需要の伸びだけではなく、国内客の買い上げが業績を押し上げた。独自・限定商品による希少性やイベントを通じたコト企画が顧客化につながった。
中国連鎖経営協会がまとめた「18年中国チェーンストア百強」によれば、売上高上位100社=百強企業の売上高合計は2兆4000億元、前年比7.7%増で、社会消費品小売総額の6.3%を占めた。店舗数は13万8000店、前年比16.0%増だった。売上高の増加は、ネット販売の貢献度が高い。業態別には、コンビニエンスストアの成長率が高く、百貨店は厳しい状況が続いており、大型スーパーも成長が鈍化している。
日経MJの小売業調査18年度(第52回)では、会計のセルフ化やキャッシュレス決済などで買い物の利便性を高め、店舗に消費者を呼び込もうとする小売り各社の姿が鮮明になった。ITの活用で単に便利にするだけでなく、買い物の楽しさを再発見できるような取り組みも求められている。
大手セレクトやブランドショップがひしめき合い、他都市を圧倒する東京。その激戦区であえて起業し、勝負をかけるメンズの新世代個店が増えてきた。その魅力は、オーナーの目利き力とパーソナルな接客を強みとしたリアル店ならではの意外性や、"裏切り"が体感できる服との出会いだ。想定内の満足が得られるECでは飽き足らなくなった、若い世代の心をつかむ個店の動きから目が離せない。
衣料消費市場の5割強を占め、年々シェアをあげている専門店についての理解を深めるため、専門店のシェア推移、売り上げ上位のランキング、上位企業の売上高推移などのデータを基に解説を加えている。
総務省家計調査報告など6種のデータをもとに、平成30年間の一世帯のクリーニング代支出推移、クリーニング代の推移、クリーニング所開設数と廃業数などをまとめ分析している。一世帯当たりのクリーニング代支出は、この30年間で34.3%減少し、5904円になった。一方、クリーニング料金は平成18年までにワイシャツは15.1%、背広上下は37.7%増加したが、その後は消費者物価指数が上昇しても中々上がっていない。
日本クリーニング用洗剤同業会は平成30年1〜12月の洗剤等出荷実績を発表した。テキスタイルリネンサプライの需要は大きく、ホームクリーニングの減少が続いているが総出荷量は4年連続増となった。タイプ別出荷状況では、ドライクリーニング用洗剤は前年より81トン減少、ランドリー合成洗剤はこれまでで最大の出荷量となった。それに伴い、ソフト仕上げが好まれるためか、ランドリーソフターは増加した。漂白剤、合成のり剤は減少した。
東京都生活衛生同業組合は18年度クリーニング保険適用事故統計を発表した。18年度中に支払われた保険件数は前年より1件増の36件。1位は「破損」で46%を占め、急速に増加した。機械に挟まり破れるなどの不注意事故や、剥離、ひきつれ、しみ抜きの失敗などであった。2位は「変退色・脱色・変色」で9件。「紛失・誤配」は秋に多く発生。保険支払の1位は破損事故で、購入価格50 万円、クリーニング代6480 円、保険金約24万円。
近年、しみ抜きを受注しない(できない)業者が増加し、消費者の需要受け皿が求められている。木戸商事はスーパー美白法研究会を開催し、しみ抜き、色補正、瞬間しみ抜き洗浄技術など技術指導を行った。その研修事例として、「全体が変色し黄ばんだスカーフのしみ抜き」や「アパレルから依頼された販売前の制服の移染処理」などが紹介されている。
特殊品とは、簡単に捨てられない「価値」を持ち、さらに家庭洗濯では扱えずプロの技を求める「価値」を有するもの。この価値を持つ商品に着目し、低迷するクリーニング業界を立て直す気運がある。特殊品の一つである「スニーカー」について、接客カウンターや経営者に向けて、取扱い、各アイテムのチェックポイント、クレーム事例などが紹介されている。
全国ふとんクリーニング協会は、東洋羽毛工業の相模原工場において、羽毛布団の最近の傾向や洗いの注意点について研修会を行った。東洋羽毛の立体キルトの説明をはじめ、ゴア□Rメンブレンのラミネート加工生地製品やウレタン使用の敷き布団のほか、カシミヤブランケット、ムートン製品、ウレタン製まくら、羽毛とウレタン入りまくらなど、具体事例を踏まえて紹介された。
今年の春商戦(3〜5月、6月前半)では、5月が全国的に好調であった。連休後半または明けに一気に動きがあり、各地で夏日・真夏日があったため、各地の大手クリーニング店では昨年比10〜15%増、首都圏では4割増もあったようだ。7月以降、夏場は寝具類、汗抜き等水洗い系のプラスαメニューなどに力を入れ、商況を維持したい考えのようだ。
日本産業機械工業会業務用洗濯機部会と全日本クリーニング機械連合会は、18年度の機械出荷統計・出荷金額を発表した。合成溶剤用ドライクリーニング機の大型は前年同様、縮小傾向。石油系は小型機が健闘、前年比3%減。洗濯脱水機はコインランドリー市場、リネンサプライの活況により前年比増。特に大型が28%増となった。乾燥機も大中小と前年比増を達成。以上、総合すると4%増となった。
以前から日傘クリーニングを扱うクリーニング業者はあったものの、市場としては小規模である。近年日傘が普及し、男性も熱中症対策として使用し始めていることを受け、日傘クリーニングの工程が紹介されている。生地だけでなく骨組みの素材も様々であり、技術やノウハウが必要なようだ。生地の汚れ落とし後に、UV加工、はっ水加工を施すことで長く使用できるようになる。
アメリカ・グーグルがブラウザー(閲覧ソフト)「クローム」のプライバシー保護を強化すると報じた。利用者の設定で、閲覧履歴など追跡する機能「クッキー」を制限できるようにする。グーグルでは数年前から議論されていたが、アメリカ交流サイト大手フェイスブックの情報流出問題を受けて検討が加速した。アップル社のブラウザー「サファリ」は、すでにクッキーは制限されている。クッキーは、閲覧履歴などから利用者の趣味や関心を分析し、個人ごとに異なる広告「ターゲティング広告」に活用。こうしたデータを集め販売する業者もある。プライバシー問題を懸念する見方があった。
ヤフーはセブンイレブン・ジャパンと組み、個人間の商取引の売り手と買い手の名前や住所を知らせずに荷物を配送できるサービスを始める。オークションサイト「ヤフオク」の出品者が全国2万店超のセブンイレブンから商品を送ることができるようにする。個人情報の公開に抵抗感のある人も使いやすくして利便性を高める。落札者はヤマト運輸のシステムと連動した取引画面で届け先を入力し、出品者には落札者の情報は表示されず、取引画面からバーコードを発行する。
次世代通信規格「5G」の本格運用が、日本では20年春に始まる。通信規格は、ほぼ10年ごとに世代交代してきた。5Gには、@高速・大容量、A低遅延、B多数同時接続、という特徴がある。今年4月には、米国と韓国の通信大手が携帯向け5Gサービスを始めた。各国がどの時期に5Gサービスを提供していくかは、インフラを整備する通信事業者の戦略による。5Gの3つの特徴が生かされたサービスが日本全国に普及するのは25年前後になるであろう。
世界貿易機関(WTO)の約80の有志国・地域で議論する電子商取引の新たな協定に向け、日本政府の提言案がまとまった。データの国外持ち出し規制を強める中国を念頭に、個人情報などを保護しつつ、国境を超えるデータの自由な流通の推進を求める。
現場の従業員と幹部・経営陣の間に壁があり、起きている問題になかなか手を打てない。製造業で後を絶たない製品検査の不正で浮かび上がるのは、企業の組織が随所で断絶している実態だ。風通しの悪さは会計不正など品質管理以外の不祥事の温床にもなる。日本企業は従業員の自主性や創意工夫を重視した工場運営に努めてきた。しかし従業員の主体性に過度に頼る経営は、現場が見えなくなるリスクをはらむ。
グーグルはネット通販サービスを強化する。アメリカ・グーグルが、アマゾン・ドットコムの牙城であるネット小売りで攻勢をかけている。検索履歴や決済情報を基にユーザーが同社のサイト上で買い物をしやすくなるサービスを米国で始める。年内に始めるのは、今ある「グーグルショッピング」と呼ばれるサービスの拡充。しかしプライバシーに関する課題に対する説明には多くの時間を割くことになった。18年春のフェイスブックの不祥事を機に、IT大手への逆風は国のルールだけでなく企業の戦略も変えつつある。
LINEやNTTドコモ、アリババ集団など日中IT(情報技術)5社がスマートフォン決済サービスのインフラとなるQRコードを共通化する取り組みに参画する。国内では10以上のスマホ決済サービスが乱立している。ばらばらの企画のQRコードを一括で読み込めれば消費者も加盟店も利便性が高まる。
「断捨離したいけど、服やタオルを捨てられない。食品みたいに『賞味期限』があれば捨てやすいのに」。こんな悩みが読者から寄せられた。処分時をどう見極めればいいのか?メーカーやセレクトショップを訪ね、専門家のアドバイスを聴いてきた。
プラスチックごみ削減に向け、スーパーやコンビニ、百貨店などで商品購入時に使われるプラスチック製レジ袋の無料配布を禁じる法令を制定すると環境相が表明した。プラスチックレジ袋を使う全ての小売事業者を対象とする考えで、20年中の法整備を目指す。日本は国民1人あたりのプラ容器包装廃棄量が米国に次いで2位。EUは既に使い捨てプラ製品の流通禁止を法制化するなど先を行っている。
装飾などの目的で液体やラメを封入したスマートフォンケースから液体が漏れ、化学やけどを負ったとの相談が相次ぎ、国民生活センターが注意を呼び掛けている。液体が入ったスマホケースは14年頃に登場。ECを中心に300円〜3000円でほどで販売され、若い女性の間で人気を呼んでいる。同センターによると、16年から19年にかけて9件の事故情報が寄せられた。事故はいずれも化学・工業薬品類が原因となる化学やけどで、治療に1か月以上を要するケースも3件あった。
東京上野エリアの駅、博物館、商店街などで傘のシェアリングサービス「アイカサ」がスタートする。地域内50か所の商業施設等に傘の貸し出し・返却スポットが設けられ、1日70円で何度でも借りることができる。運営するのはネイチャーイノベーショングループ(渋谷区)。利用にあたっては無料通話アプリ「LINE」で「アイカサ」を友達登録する。スマホで傘のQRコードを読み取り、開錠に必要な数字を入手する。同社は「パンダ柄の傘で上野に来る楽しみを届けたい」と話す。
18年に全国の消費生活センターなどに寄せられた相談が前年比1割増の101万7590件に上り、11年ぶりに100万件を超えたと消費者庁の消費者白書が伝えた。未納料金などの架空請求の相談が同1.6倍の約25万8千件に増え、全体を押し上げた。
結婚式に参列する時などに着るパーティードレスのレンタルが、若い世代の支持を集めている。着る機会が少ない服を買うのはもったいない、SNSに投稿するので、同じ服ばかり着られないといった価値観にマッチするようだ。背景には他人とモノをシェアリング(共有)する志向の高まりがある。
繊研新聞社がファッション専門学校の20年春卒業予定者を対象に「ファッション意識調査」を行った(回答者数1303人)。好きなブランドではデザイナー系ブランドの人気が継続、よく買うブランドでは有力SPAに交じり、カジュアルが台頭している。買う場所ではネットショップが初めて1位になり、学生の購買行動の変化がうかがえる結果となった。
AOKIは、電動ファン(EF)付きのカジュアルベスト「クーラーベスト」を市場投入する。リチウムイオンバッテリーで稼働するEFを背中部分に2カ所内蔵し、衣類内に取り込んだ空気を熱とともに放出して、快適性を保つ。ブレイン(大阪市港区)の取得済み特許を活用したベストを使用している。送風量は4段階で調節でき、風量が弱の場合は最大で20時間送風することが可能。スポーツ観戦や旅行時など、長時間の着用でも涼しさが持続する。
官能検査の手法、繊維(テキスタイル)製品の「着心地」を官能検査する方法、スーツやスポーツウェアの着心地の評価結果とヒトの生理的機能量との相関関係について述べる。
p319〜324 冷え性の女性の生理的特性と温冷感、および衣生活への配慮について、実験結果を基に解説する。さらに、妊娠時の体温調節と快適で健康なマタニティーウェアについて解説する。
東洋紡ユニプロダクツ(大阪市中央区)は、高強力ポリエチレン繊維を使った寝装品を積極提案している。高い熱伝導率を持つ同繊維を用いた製品は接触冷感性などを付与できる。敷パッドやパイルケットなどを商品化しており、暑い時期に対応する快適なアイテムとしてさらに広がりを見せそうだ。
帝人フロンティアは、着る化粧品を拡販する。リンゴ酸を配合したポリエステルで作るラフィアンは、「着るだけで肌を健康に保つ新しいタイプ」の化粧品である。新たな試作品では、女性の関心が高いすねに注目したハイソックスタイプを作った。
5本指ソックスが売れている。日本靴下工業組合連合会が先月発表した2018年の生産統計によると、国内最大規模の奈良産地で3年連続の増産、全国にある5本指専用編み機の台数は2年間で100台増加した。大手SPAの販売量は年々増加。背景として消費者の健康・快適志向の高まりや足袋型シューズ流行などが考えられる。
帝人フロンティアは、除湿マットのオンラインショップ販売を始めた。綿の7倍の吸湿性を持つ高吸水繊維「ベルオアシス」をシートの約2割使い、敷ぶとんの下に敷いて寝汗や湿気を取り除いて快適睡眠につなげる。
ミズノは、バランス能力向上を追求したトレーニングシューズを発売する。足裏の感度を高める凹凸状態の新開発ミッドソール「ミズノコブ」を採用し、アスリートのバランス能力の向上を目指す。
AOKIが展開する「オリヒカ」は、袖裏と背裏部分に東光リミー(大阪市西区)の冷感素材「テラックスクール」を使用したスーツを商品化した。放熱性や遮熱性による冷却冷感機能で快適性を保つ。テラックスクールは、放熱金属など数種類の人工鉱石がブレンドされ、放熱・太陽光遮熱などの機能を持つ。裏地に応用することで冷感が実感できるという。
クラウドファンディングを研究・調査するクラファン(東京都中央区)で、専用サイトにおいて、快適な温度をコントロールするニット帽のクラウドファンディングを始めた。商品の「32℃」は、皮膚表面の温度を人間が快適に感じる32℃に保つ。2種類の素材を使用した。アメリカ航空宇宙局(NASA)が開発した温度調節素材「アウトラスト」は内部のマイクロカプセルが余分な熱を吸収したり、放熱したりすることで温度を調節する。帝人の「ナノフロント」は凹凸がありグリップ力が強く、通気性・伸縮性にも優れる。
日本総合研究所の外国人採用の調査で、3割超の企業が単純労働分野で新規に外国人の採用を検討していることが明らかになった。政府が進める外国人の受け入れ拡大にも賛同する声が多く、人手不足解消への期待が高い。ただ外食やアパレルなど一部の職種の賃金で日本が韓国を下回る状況も生じている。世界で労働力を取り合う状況も出てきた。
ESG(環境・社会・企業統治)投資や廃プラスチック規制などを受けて、環境に配慮した代替品を巡る開発競争が過熱してきた。帝人フロンティアは羽毛の代わりとなるダウンを開発。素材開発のTBMは石油原料を大幅に減らした環境配慮型のレジ袋を開発。廃プラ規制で紙製ストローの需要が急拡大したが、他の分野にまで代替需要が広がってきた。
プラスチック使用削減の世界的な流れを受け、日本企業が対応を迫られている。日本経済新聞社の調査では65%が削減などの対応を実施・検討中と回答。プラ素材やこれを使った商品を作る主要企業の38%が代替製品の試作などに着手した。欧州の規制や、環境への配慮を重視する投資の機運に背中を押された格好。現状のプラ代替の材料コストは割高で、日本の素材産業は一段の研究開発力の強化が求められる。
20年春新卒者の採用活動は、早期化が進んでいる。経団連加盟企業などの大手の面接・選考活動が6月に解禁になる前に内々定を出した企業が増えたためだ。内々定保有者はマイナビ調べで4月末に4割、リクナビ調べで5月1日に半数を超えている。大手の解禁後に内定率が一気に上がる見込みながら、ファッションビジネス業界は6月も採用を続ける企業が多く、厳しい採用戦線となっている。
18日夜に山形県沖で最大6強の地震で、主要な商業施設や繊維産地、工場での被害は軽微だったようである。地震発生が閉店後だったため店舗や客、従業員に被害はなく、19日朝から通常営業している。物流も支障がない。また、繊維関連の工場でも通常通り稼働している。
東京中小企業家同友会の会員企業実態調査19年度上期で、国内消費は減速傾向だが、企業の人手不足や採用難が続いており、人材確保に向けた賃金・労働条件の改善の負担が増している。また、消費増税への懸念もじわじわと広がっている。
@8月24日(土)〜25(日)10:00〜17:00 A出版クラブホール・会議室 Bクリーニング業界のICT(情報通信技術)化促進のための最新情報の発信、生産性の向上や顧客管理の効率化を通じた「クリーニング長期放置品」を解消するPOSレジの導入推進に向けたセミナーセッションC全国クリーニング生活衛生同業組合連合会 TEL:03-5362-7201
@9月11日(水)〜13日(金)Aホテル黒部(北海道北見市)B繊維技術の新展開と実用化への取組をテーマに、特別講演のほか天然塗料の新展開、機能性繊維の新展開、紙パルプ製紙関係、繊維製造・加工の実用化への取組についてなどのセミナーを開催するC繊維学会 夏季セミナー係 summer2019@fiber.or.jp
@9月24日(火)〜26日(木)A東京海洋大学品川キャンパスBオレオサイエンスに関する最先端の研究発信、特別講演、教育講演、部会シンポジウム、一般講演(口頭発表およびポスター発表)、企業展示など多彩な企画を予定 C日本油化学会 HP: http://www.jocs.jp/nenkai58/index.html
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:小林茂雄/発行人:大谷芳男