ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧（2003年度:第20巻～）→
行 政 ★技能実習生支援へ交付金
素 材 ★食肉用の羊の毛をアップサイクル
加 工 ★"ジーンズ洗い加工の排水を再利用へ
アパレル ★テレワークがカジュアル化を後押し
流 通 ★急成長する韓国EC市場、5年間で約3倍に
クリーニング ★クリーニングでアレルギー対策
消 費 ★新型コロナ悪徳商法
健康・快適性 ★成人女性の表面圧縮変形量と皮下脂肪厚における年齢による相違
その他 ★インターン採用を一部解禁、就活ルール見直し
大阪税関の近畿2府4県の貿易概況2月で、中国からの輸入額は前年同月比56％減と、減少率は統計を遡れる80年以降最大となった(輸入総額は18％減)。新型コロナの感染拡大により、中国での生産が滞った影響が関西でも大きく出た。衣類などが69％減と大きく、中国からの納品遅れが目立つ。
経済産業省は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、中小･小規模事業者の資金繰りのひっ迫を踏まえ、通常の保証限度額とは別枠で融資額の80％を信用保証協会が保証する「セーフティネット保証5号」の対象業種に繊維･ファッションビジネス関連な どを追加指定した。
経済産業省のレジ袋削減に向けた実証実験で、レジ袋が 必要な顧客はカードを提示するようにしたところ、辞退率が70％超と実施前から大幅に上昇した。7月から義務になるレジ袋の有料化と合わせて、プラスチックごみの削減につながる有力な手法になる可能性がある。
ファッション業界で下請法違反の事案が絶えない。公正取引委員会は2月、商品の返品や減額を前提とした取引を問題視してレリアンに是正勧告をした。長年続く特有の商習慣が商品代の不払いや減額、返品といった問題事案の温床となっている。
日本繊維輸入組合が財務省貿易統計を基にまとめた衣類輸入1～2月は重量ベースで前年同月比13.8％減となった。円ベースでは14.2％減少した。2月は中国で新型コロナウイルスが猛威を振るい、衣類の生産･供給網を機能不全に追い込み22.4％減、一時的には全体に占める割合が54.7％まで下がり、ASEAN3.4％減、バングラデシュ9.6％増だった。円ベースでは65.2％減だった。
梶山経済産業大臣は4月13日、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体連合会の各長に対して、中小企業の在宅勤務(テレワーク)の促進を要請した。併せて、産業省は繊維産業関連団体を含む所管948団体に対して、同様な周知を行うとともに、「取引先の出勤に対する配慮」を要請した。
総務省の人口推計19年10月1日時点で、外国人を含む総人口は1億2616万7千人、7年連続前年割れ、減少率0.22％と統計を始めた1950年以来最大になった。少子高齢化による減少は社会保障財政の悪化や経済成長の鈍化を招く懸念がある。
観光庁の訪日客消費額1～3月は前年同期比41.6％減と急減、訪日客(3月の前年同月比93％減)の大幅減による。コロナウイルス感染は収束の兆しが見えておらず、4月以降にさらに減少幅が広がる可能性もある。
政府は新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受ける外国人技能実習生への支援を後押しする。需要減などで解雇された実習生への相談窓口を新増設した地方自治体に、給付する外国人受入環境整備交付金を増やす。
政府は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、店頭での商品価格など、経済統計作成のためにこれまで対面で実施していた調査の一次休止や、調査手法の見直しを行う方針を固めた。対象となる統計は、小売物価統計や主要野菜小売価格調査。このほか、家計調査や労働力調査についても、郵送回答を認める。
筆者らは光ファイバーに回折格子を刻んだFBGと呼ばれるセンサーを用いて血糖値をモニタリングするスマートテキスタイルを開発した。FBGセンサーからの出力波形には幾つかの生体信号が混ざっているが、階層的ニューラルネットワーク解析を用いて血糖値の信号を抽出することに成功し、実際の血糖値と良い相関を示すことが確認できた。
不織布製品を販売するアクシス(東京都千代田区)は、植物由来樹脂を原料とするスパンボンド不織布を開発した。生分解性を持ち、生ごみなどの有機ごみと一緒に廃棄することが可能。耐熱性や柔らかな風合いも特徴。農業資材用途などを中心に販売する。土中で分解される生分解性プラスチックのポリブチレンサクシネート(PBS)を原料とするが、今回開発したのはPBSの約50％が植物由来。有機資源由来物質を所定量以上含むバイオマスプラスチック製品を識別するための「バイオマスプラ」「グリーンプラ」の認証も取得している。
和装小物製造販売のアンドウはラオス南部チャパサック県の自社工場でガラ紡による綿糸生産に力を入れ、日本の技術とラオスのスローな生産を生かした糸や製品の開発を進める。途絶えた技術の再生だけでなく、ラオスへの社会貢献を目指すプロジェクトとして始まった。ガラ紡の売り上げの一部を工場に近い農村にあるバンホゥイウン小学校の文具購入支援に充てる。
名古屋大学大学院の竹岡敬和准教授らの研究グループは理化学研究所、ユニチカなどとの共同で無色透明の複合エラストマーを開発した。高度先進医療やウエアラブルディスプレー、ソフトロボットといった未来の生活において重要な技術を実現するための有用な材料になることが期待される。柔らかな架橋高分子中に粒径のそろったシリカ微粒子を秩序を持った状態で分散させた複合エラストマーを作ったところ、無色透明になり破壊靭性が大幅に向上することが判明した。
ナンバーズ(東京)は和紙糸100%のTシャツを開発し、3月下旬から販売を始める。和紙糸はキュアテックス社(東京)の糸を使用し、綿100%のTシャツに比べて重さは4分の1程度で速乾性は約2倍、消臭･防臭効果もある。クラウドファンディングを利用し、販売時には回収用パッケージをセットする。不要となった後は提携農家に返送して土壌改質剤として使用され、収穫した農産物加工品を返礼として受け取れる仕組み。
金沢工業大学の革新複合材料研究開発センター(ICC)と産業廃棄物処理･リサイクルを手掛ける三栄興業(埼玉県三郷市)は、従来の炭素繊維複合材料よりも強度が高く、帯電防止特性を持つ新しい熱可塑性炭素繊維複合材料を開発した。自動車や航空機、建材から静電気などの帯電防止性能が求められる精密部品まで、幅広い分野での需要が期待される。
織物業や染色業など「川中」を担う北陸の繊維企業が厳しい経営を迫られている。米中貿易摩擦による不況が続く中、記録的な暖冬で冬物衣料が販売不振に陥り、さらに新型コロナウイルス感染拡大が受注減や原材料の調達難に追い打ちをかけた。代替サプライチェーンを確保したり、生産縮小による在庫調整を検討したりして急場をしのぐ。
カジュアルウェアメーカーのドリームワークスはフジサキテキスタイル、北海道白糠町の茶路めん羊牧場と協業し、原料のウールからこだわったテキスタイルを開発した。通常廃棄されてしまう食用の羊毛を活用し、北海道で育った羊から採った毛を国内で紡績した。希硫酸は使わずに手作業で洗毛し天日干しで乾燥させるなど環境にも配慮。開発した生地は「ホッカイドウウール」「チャロウール」としてブランド化する。
研究開発型素材と梳毛紡績のアイ･エス･テイ(大津市)は、特殊紡績糸「カールカール」を開発した。カールカールはレギュラー糸比較で3分の2の重さで保温性が高く柔らかい。パタゴニアがインナーウエア用に採用した。また、米デュポン社の耐熱性樹脂ポリイミドを用いた長繊維「イミドテックス」を実用化した。これらの新素材を独ミュンヘンでの国際スポーツ用品見本市で紹介した。
染色加工業のセイショクは規格外となった布をアップサイクルした素材「NUNOUS」で、新たに厚さ0.6ミリの「ニューノス･スキン」を開発した。ニューノスはC反などを積層し固め、カットすることで木目やマーブルのような表情が出る独自の素材。ニューノス･スキンは革の代替としてバッグや財布などの雑貨や衣料品の部分使いなどを見込む。綿や綿･ポリエステルなど、撥水加工していない織物ならほとんどのものが加工可能である。
レディースアパレルメーカーのコゼットクリエーションは、エアロゲルを使ったシート状の断熱性の高い中わた「ブルースモーク」を開発した。3層構造でエアロゲルと防風素材などを混合した層をポリエステルわたの層で挟んだ。横方向に伸縮する。表地、裏地に接着するのでステッチがいらず生地と併せて裁断でき、多様のデザインの服に使える。
浅野撚糸は福島県双葉町と共同でタオルマフラー、ハンカチなどのブランド「ダキシメテフタバ」を開発。『エアーかおる』の空気を含み軽く快適な素材特徴を生かし、同商品用に糸加工を工夫。濡らした状態で巻くと気化熱によって夏は涼しく、冬は空気を含む特殊糸の機能により保温性に富む。マフラーは純銀糸の抗菌･防臭効果、消臭素材「デオセル」の汗消臭の2つの機能を加えた。
小松マテーレはウイルスを酸化分解する光触媒の新技術を用い、抗ウイルスのマスクインナーを開発した。可視光領域を含む幅広い光で効果が期待でき、微弱な光でもウイルスを短時間で分解する。酸化タングステンを特殊な吸着剤と組み合わせることで繊維上に固着させる方法を編み出し、量産加工技術を確立。市販マスクの内側に挟むマスクインナーとして製品化し、小松市民病院への寄付を決めた。
学生服縫製･ジーンズの加工を主力とする晃立(岡山県)は、ジーンズの洗い加工を行う工場で排水を再利用する装置を開発した。四国の企業と協力して製紙工場の排水処理施設で使用されている装置を改造し、水の透明度を十分なレベルに高めることに成功した。ストーンウオッシュ、ブリーチなど全ての洗い加工で水を再利用する。
ニット生地主力の東洋染工(福井県)は、洗濯30回後も撥水4級を維持する高耐久の非フッ素撥水加工や、肌ドライ性を保つ吸水加工素材など環境配慮型で独自の機能加工の開発に力を入れ拡販につなげる。今後も染めスジの発生しやすいリサイクル合繊の欠点をカバーする加工法やポリ乳酸の加工時の加水分解を抑える加工など、ニッターと連携しながら多様な開発を進める。
筆者らはこれまで食品などに含まれる糖のメイラード反応を利用して羊毛や絹などのたんぱく質繊維の染色が可能であることを見出してきた。その反応機構を明らかにするため炭素数やヒドロキシ基の位置の異なる20種類以上の糖を用いて染色実験を行った。その結果、ヒドロキシ基の立体配置が羊毛に対する着色濃度に大きく影響を与えることが明らかとなった。特に4単糖であるD-エリトロースは最も高い着色効果を発揮した。今後はさらに反応機構を明らかにしてゆく。
機能加工･素材の性能を示す「SEKマーク」を認証している繊維評価技術協議会(繊技協)は、新たに紫外線遮蔽加工SEKマークを創設する。4月1日に紫外線遮蔽加工マーク委員会を正式に発足させた。委員会で最終的に評価方法･基準などを決定し、10月からの認証開始を目指す。現在、委員会傘下企業を募っている。
シキボウはこのほど、同社の抗ウイルス加工「フルテクト」がコロナウイルスに対する抗ウイルス効果を持つことを確認した。同社はコロナウイルスの亜種である新型コロナウイルスに対しても同様の効果があると推定している。繊維に加工した抗ウイルス剤が、繊維上に付着したウイルスのエンべロープ(ウイルスの外側にある膜状構造)に作用し、感染力を失わせる仕組み。これまでインフルエンザウイルスに対する抗ウイルス効果を確認していた。
日清紡テキスタイルはこのほど抗ウイルス加工生地「パリエックス」を開発した。2020年12月期から市場へ本格投入する。白衣、シャツ、ユニフォームなど幅広い用途での普及を目指す。同社ではこれまで抗ウイルス加工の研究開発を進めており、繊維評価技術協議会が認証する「SEK抗ウイルス加工マーク」も取得した。
大和紡績はカセイソーダ非使用の染色加工プロセスで生産する素材を「エコセーフPR」「エコセーフCS」として打ち出し、本格的に実用化に取り組む。新タイプの環境配慮型加工素材としてカジュアルやインナー分野での商品化を進める。カセイソーダ非使用のため綿へのダメージが少なく、不純物であるワックスやペクチン、金属塩などをしっかりと分解除去できるため吸水性も損なわない。安全性に関しても国際基準をクリアしている。
日華化学は繊維加工用抗菌防臭剤「ニッカノン」に抗ウイルス効果が確認されたと発表した。新型コロナウイルスにも同様の効果が期待できるとし、マスク、フィルター、カーテンなど幅広い用途を広げる。ニッセンケンでISO規格のA型インフルエンザウイルスを用いた抗ウイルス性試験を実施。ニッカノン加工布は、繊維状のウイルスの数が2時間で99.9%以上が減少した。
ファッション通販サイト「ゾゾタウン」を運営するZOZOは、新たにサービスを開始した靴の専門店モール「ゾゾシューズ」のプレゼンテーションを実施した。2月27日にサービスを開始したアプリで足のサイズを自動計測する"ゾゾマット"と連動。約100種類の靴(人気のスニーカーやロングセラーのローファーなど)に対して、100％を最高とする相性度を割り出す仕組みになっている。
ユニクロは今春、横浜、原宿、銀座に新規店をオープンする。いずれも同社のコンセプト"ライフウエア"を表現する大型店になる予定。日本を代表する建築家･藤本壮介氏がデザインを監修し、「店舗でありながら公園でもある」というコンセプトを具現化し、子供たちが安心して遊べるスペースを展開する。
米国のIDCは、ウェアラブル製品の世界出荷台数19年が前年比89％増の3億3650万台とした。全てのカテゴリーで2ケタ増と伸ばしたが、中でも耳装着型が3.5倍と急拡大、これまで主流の腕時計型からトップになった。
ビジネス服のカジュアル化は米国で先行した。16年に米銀行大手のJPモルガン･チェースが、行員にジーンズやスニーカーの着用を許可したしたのが象徴している。この流れは日本にも及び、17年6月から伊藤忠商事が「脱スーツ」を実施、スポーツ庁が「歩きやすい服装」通勤を推奨、19年9月からは三井住友銀行が本店で働く行員に年間通じてカジュアルな装いの勤務を認めた。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大を契機にテレワークを導入する企業が増え、カジュアル化の流れを促しそうだ。
青山商事は、ジャケットとパンツの合計重量が約588グラム(A体5号)の「ビジネススーツ」を開発した。同社で扱う一般的な軽量スーツよりも100グラム軽く、全国でCMを放映して消費者にその軽さを伝える。厳選した軽量生地を使用するほか、芯地、パッド、たれ綿といった副資材を使わず、裏地も約7割省いた。表地に上下･左右に伸縮する生地を採用しているので窮屈感が緩和され、体感は実際よりもさらに軽いという。
総合アパレルメーカーの中国生産が平常に戻り始めた。新型コロナウイルス感染の影響は、ASEANでの生産や物流面での懸念に移っている。一方、国内市場では行政の外出自粛要請に伴う客数減や店舗閉鎖などによって、春夏商戦は低迷中。終息の見通しが立たないなか、今秋冬に向けた生産･販売戦略の見直しが迫られている。
新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、アパレル各社が異例の春物衣料品のセールに動いている。外出の自粛で百貨店や小売業では来店客が急減し、てこ入れ策として6月下旬の開催時期を前倒しして、3月から店舗やネット通販でセールを始めている。工場の停止で夏物衣料の販売が遅れる懸念もあり、業績への影響が拡大する恐れもある。
オンワードホールディングスは、2021年2月期に約700店舗を閉店すると発表した。同社は前期も国内外で約700店舗閉店しており、2年前と比較し「実店舗が約半減する」とした。一方で、デジタル、カスタマイズ、ライフスタイルにおける強化方針を変えず、デジタル分野では自社ネット通販「オンワード･クローゼット」を拡大し、企画生産のデジタル化も進める。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、それ以前から繊維･ファッション業界に課せられている変革を待ったなしとし、そのスピードを加速させる契機になりそう。サプライチェーンをつないで無駄な物をつくらず、求められる時期に届ける、そのためにMDを根本から見直してデジタル技術を活用することは欠かせないものとなった。
新型コロナウイルスの感染防止対策で全国的に休業店舗が広がる中、繊研新聞社はデジタル活用が進むアパレルメーカー、専門店10社に、ECの商況と運営状況を聞いた。休業店の全売り上げをカバーするほどではないにせよ、強化中のクーポンやオフ施策を背景に、多くの企業でEC売り上げが伸長している。運用面では在庫のECシフトが進行中。また、休業店のスタッフを積極活用したウェブ接客やSNS発信が活発化しており、コロナ終息後も見据え、デジタル訴求を継続強化する姿勢が鮮明となっている。
メーカーシャツ鎌倉(神奈川県鎌倉市)が、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために、シャツ生地を使ったマスクの予約販売を始めた。マスクは綿100％。色柄のあるシャツ生地を表面にすることでおしゃれなコーディネートができる。内側はガーゼ生地を2枚重ねにすることで口からの飛沫を防ぐ。布マスクのため洗って繰り返し使える。
繊研新聞社が実施した「全国･街のレディス専門店アンケート」によると、19年1～2月の売上高で前年を割った婦人服専門店は53.7%と前回調査より16.3ポイント増え、より厳しい事業環境にあることがわかった。消費増税、暖冬、台風被害等が影響したとみられる。対象は地域密着型の婦人服専門店が中心、55社(168店)から回答を得た。
市場調査会社Eマーケッターによると、20年の米EC史上での売上高はアマゾン･ドット･コムがシェア39%で1位となる。2位はウォールマートで5.3%、3位はイーベイで4.7%。アマゾンの19年のシェアは38.7%(1位)だった。米商務省によると、19年の米小売業総売上高は約6兆2355億ﾄﾞﾙ、そのうちECは12.5%を占め、約7773億ﾄﾞﾙ。
D2Cと呼ばれるネット直販ビジネスの「店舗進出」が米国で相次いでいる。販路拡大や顧客動向調査の場として店舗の役割が再評価されている。D2C向けの店舗ビジネスを手がける新興企業が生まれているほか、実際に店舗をてこに売り上げを増やしたD2Cも出てきた。空き店舗対策に悩むショッピングセンターが誘致に目を向けるなど、デジタル時代の申し子とされたD2Cが実店舗にも変革を起こしつつある。
＊D2C(Direct to Consume)
消費者に対して商品を直接的に販売する仕組み。BtoBやBtoCは、「誰と誰の取引であるか」という取引形態を表す。D2Cはどのように取引をするか、一般消費者に商品をどのように届けるかを表す。Directにあるように、流通業者といった他社を介さず、自社で企画･製造した商品を、自社チャネルで直接販売する業態を表す。メリットは主に、ビジョンや思想をきちんと伝えられる、顧客との関係構築、顧客データの収集が挙げられている。
商業施設が集積する福岡市天神地区。再開発促進事業「天神ビッグバン」による施設の閉店が始まり、大きく変わろうとしている。新ビルの開業予定は24年で、その間の購買動向の変化や地区の魅力低下も懸念されるため、既存施設は魅力アップに向けた改装や環境整備を強めている。
新型コロナウイルスの感染拡大が、世界のサプライチェーンに波及している。中国からの生地や糸といった原材料の供給に遅れが出ているため。日本にとっても中国で縫製していた製品の振り替えが増えているが、原材料不足によって晩夏や秋冬商品の納期遅れの懸念も出てきた。チャイナリスクが顕在化したことで、中長期的にはグローバル大手アパレルの縫製拠点はベトナムを中心とした東南アジアシフトに拍車がかかる。
スーツ離れのトレンドに、19年10月の消費増税と暖冬が追い打ちをかけ、紳士服大手4社の各社店売上高は軒並みマイナスと業績低迷が止まらない。さらに新型コロナウイルスの感染拡大で中国での生産に支障が出ており、回復の糸口すらつかめていない。
ルグランとマガシークの共同調査で、衣料品のインターネット通販で前日との気温差が3度超えると売れ行きに変化が現れることが分かった。実店舗では天候で店員が柔軟に接客を変えるが、オンラインでも同様な対応が求められそうだ。
インテリアショップやホームセンターがアパレル販売に乗り出す動きが目立ってきた。ライフスタイル提案へ進化させる狙いがあり、店舗のイメージアップにつなげる効果も期待できる。新たな集客力を高める商品領域として注目されている。
渋谷に19年11～12月に開業した3つの大型商業施設の各施設の売り上げは新型コロナウイルス感染拡大の影響で3月は厳しいものの、2月までは順調だった。全体としてインバウンドや就業者、以前は渋谷に少なかった大人の来場者も取り込み、街が活気づいた。コンセプトや中心客層、店舗構成の違いを明確にしたため、すみ分けできたのが要因。
新型コロナウイルスの感染拡大で、世界のモノ･ヒトの流れが止まっているが、伊藤忠商事の動きが紹介されている。サプライチェーンの復旧には相当長い時間がかかり、衣料品の調達は、イタリアや中国の一国に依存するのではなく、国産も含めて複合的に調達しなければならないと考えている。
コロナウイルスによる経済的な混乱は深刻度を増している。85年からの急速な円高が、小売業のビジネスモデルや流通の構造を大きく変えて、円安になっても変化した構造は元に戻らない。今回のコロナ騒動でも変化がみられ、デジタル技術の利用などの対応のスピードアップが求められている。
アウトドア用品の修理件数が増加している。アウトドア愛好者はもともと環境保護意識が高く、これまでも修理需要は一定あったが、近年顕著に増えているのは、アウトドア市場の急速な拡大や、災害の多発が影響しているためだ。安易に廃棄や買い替えを検討するのではなく、「愛用品を末永く使いたい」と考えるユーザーは、確実に増えている。
新型コロナの影響による緊急事態も宣言される中で、ファッションの販路としてECや通販が一層の強化の対象になってきた。2~3月の服のEC販売は「悪くはないが、大きな伸びでもない」、一方、ここにきてECで伸長する企業は、数年前から直営ECサイトの構築や店舗販売員を活用した手法、SNS発信などで定着させてきたところが目立つ。実店舗の営業がままならない今、販売員を活用したデジタル接客を促進し、全スタッフを結集した売り方が重要となっている。
世界の高級ブランド店がひしめく香港でプラダやヴァレンティノなど店舗の大量閉鎖の動きが加速してきた。19年に始まった大規模な反中デモで観光客が激減し、新型コロナウイルスの感染拡大で決定打となった。世界一外国人の訪問客が多い香港が観光地としての魅力を失う、最大の危機にひんしている。
8つの大型商業施設が集積する商業激戦地、横浜駅周辺。JR東日本が西口に大型複合施設「JR横浜タワー」を5月30日の予定で開業し、競合が更に強まることが予想される。新型コロナの影響がどこまで続くか不透明だが、中期的には来街者は増え、エリア全体も活性化しそうだ。既存SCは改装を軸に、新たな来街者の取り込みを狙う。
大手百貨店は新型コロナの影響による企業リスクに対応して、投資･経費の圧縮や運転資金の確保に力を入れる。長期化に備えた機動的な資金調達に着手する一方で、"コロナ後"の環境変化を見越した新たな経営戦略の策定を開始する。
米商務省の米小売業売上高3月は、3月中旬から始まったロックダウンの影響で前月比8.7％減、前年同月比6.2％減となった。一方、ECは前月比3.1％増、前年同月比9.7％増と伸ばした。3月13日に国家緊急事態宣言が出され、全ての百貨店･衣料品専門店が閉鎖されたため、最も大きな打撃を受けた衣料品･アクセサリーは前月比50.5％減、前年同月比50.7％減と通常の半分以下の売上高となった。
量販店の衣料品は、天候不順に見舞われたことから、20年2月期も売り上げの後退が続いた。最大手のイオンリテールで既存店ベースが前年同期比2.8％の減少となり、売り場の縮減を続けるイトーヨーカ堂も住居関連品と合わせたライフスタイル部門で全店8.0％、既存店4.9％のマイナスとなった。今期も新型肺炎感染拡大に伴う買い控えの中でスタートしており厳しい想定で、改革の必要性はさらに高まっている。
小売業は、デジタル技術の活用が各社共通の課題とされ久しいが、取り組みの多くが道半ばで、そんな状況を変えようと、小売りやシステム業界の関係者が3月に「一般社団法人日本オムニチャネル協会」を立ち上げた。今後小売りや外食、サービスなど幅広い業種から法人･個人会員を募る。
バーチャルサイズの調査で国内ファッションECの20年3月の売り上げは、前年同月比約20％増加し、購買は週末により集中する傾向が出ている。新型コロナウイルスの感染拡大の下でもファッションEC は堅調である。
ジェトロソウル事務所が行った「韓国における電子商取(EC)市場調査」で、18年の同国の電子商取引市場の売上高規模は、113兆7297億ｳォﾝ(約10兆2350億円)だった(韓国統計庁調査)。これは、13年の約3倍になっており、非常に速い成長といえる。流通業全体に占める割合は37.5%に達している。※日本はEC市場規模約18兆円と推定(経産省)
スイス銀行の持ち株会社UBSは、アメリカの総店舗数が19年88万3千店から25年78万2千店になり、10万店以上閉店すると予想している。カテゴリー別ではアパレルとアクセサリーが2万4千店閉店と最も多い。
新型コロナウイルス感染拡大の影響でSCの売り上げが3月から大きく落ち込み、4月7日の緊急事態宣言以降多くの施設が一時休館するなか、テナントの賃料減額がディベロッパーに求められている。 既に、大手の中には最低保証賃料や固定賃料を減額ないしはその方針を表明し、他のディベロッパーも賃料の支払い猶予や販促費の免除を含め、テナントの負担軽減に取り組む意向。
日本百貨店協会が発表した全国百貨店売上高3月は、前年同月比33.4％減6カ月連続のマイナスとなり、過去最大の減少率となった。新型コロナウイルスの影響拡大に伴う営業時間短縮、臨時休業の影響で、入店客が大幅に落ち込んだ。衣料品は4割減となり、春物が全般に低調に。
クリーンライフ協会は、2018年度に立ち上げた「需要拡大検討委員会」で「除菌･消臭スプレー」に関する調査を実施。その結果、回答者の約3割が除菌･消臭スプレーを使用することでクリーニング回数を減らしていること、試験結果から使用方法によっては落ちにくくなる汚れがあることなどがわかった。そこで、クリーニング事業者、消費者等への啓蒙チラシを作成し、HPからダウンロードできるよう公開している。
19年12月27日付で、容器包装リサイクル法の関係省令が改正され、実施に向けたガイドラインが公表された。クリーニング業は商品ではなく、役務(サービス)を提供していることから対象外となる。しかしながら、日本クリーニング環境保全センターでは、2019年度第二回理事会にて、レジ袋有料化には反対しない意見で統一された。そのため、本件について今後も協議を継続する予定とのこと。
日本クリーニング用洗剤同業会が19年1～12月の洗剤等の出荷実績を発表。上半期は増加、下半期は減少したが、年間出荷実績は前年より289ｔ増の100.7%となり、微増だが5年連続出荷増を達成した。インバウンド需要によるホテルリネン市場の活況がホームクリーニング市場の縮小傾向をカバーし、病院寝具分野は、医療従事者ユニフォーム洗浄、レンタル入院セットの需要増があった。しかし、新型コロナウイルス問題によって、原材料調達、在庫問題など難局が懸念されている。
不二ドライ(宇都宮市)は、3年前からお客様への付加価値としてSEKマーク取得済みの「抗ウイルス技術」を扱っており、これを活用し、洗えて長持ちする抗ウイルス加工Vガードの販売を始めた。加工法は、通常の洗って仕上げる前に加工液を噴霧、仕上げ熱で固着させる。なお、現時点で新型コロナウイルスへの効果が検証できているものではない。
ニック(東京都)は、おしぼりレンタルのFSX㈱と共同で開発した抗ウイルスブロック加工を用いて、衣服からのウイルスや菌の感染を防ぐ加工を19年夏からスタートしている。冬場は、受験生、就活性のインフルエンザ対応でアピールしていたが、現在、コロナウイルス拡大により4倍の需要となり、一斉休校になった学生服需要も伸びている。
群馬県のCL組合は19年度から生活環境におけるアレルギー対策をテーマとした事業に着手。その成果の一つである冊子「家庭で対策！環境とアレルギー」を作成。アレルゲンの曝露経路と対策、家庭洗濯が難しい衣類や寝具などはウェットクリーニングや特殊クリーニングを上手に活用することなどが紹介されている。
日本リネンサプライ協会は、新型コロナウイルスに汚染された、または汚染の恐れがあるリネン品の各社の取扱い事例をHP上などで紹介している。たとえば、厚労省2月5日付の通知をもとに、宿泊施設のリネン類洗濯は医療リネンに準じて扱う、93年通知の「病院、診療所等の業務委託について」を参考に実施しているようだ。ホテル等での消毒処理が困難と考えられ、二次感染の恐れを回避するため、ホテル、旅館で焼却処分をしてもらうよう社内通達している事例もある。
経産省の2019年生産動態統計調査では、業務用洗濯機(ドライ機、水洗機合計)販売台数は前年比0.1％増とほぼ横ばい。16年以降3年連続で大きく伸びていたが歯止めがかかった。一方、販売金額は7.1％増となり、2000年以降で最高となった。
クリーニング組合の18年の資料をもとに、ドライクリーニングの品質テスト、設備の実態とテスト時の状況などを玉井クリーニング科学研究所･玉井氏が解説している。ドライ機のフィルター交換後の300ワッシャー以上の洗浄性、ソープ濃度、洗い時間、汚染率などが図とともに紹介されており、これまで見る機会の少なかったデータを知ることができ、貴重な情報となっている。
経産省と(独)製品評価技術基盤機構(NITE＝ナイト)は、アルコール消毒液の品薄状況が続く中、代替の可能性がある消毒方法を文献調査等を行い、候補として「界面活性剤(台所用洗剤等)」などの3品目を選定したと、4月15日付にて発表。有効性評価について、NITEは今後、検討委員会を設置、新型コロナウイルスを用いた検証試験を計画する。
生理用品を軽減税率の対象に。都内の大学生が消費税を8％にすることを求め、インターネットの署名サイトで署名を呼びかけている。軽減税率は、食料品など暮らしに欠かせない品物に課す消費税率を例外的に低く抑える制度。増税した昨年10月から始まり、食料品(酒類除く)と新聞が対象だ。呼びかけを行っている谷口さんは、「税制の意思決定の場に、みんなの声を届けたい」と力を込めた。
国民生活センターは、新型コロナウィルスの感染拡大に便乗した悪徳商法と思われる相談が相次いでいるとして注意を呼び掛けている。旅行などのキャンセルを巡る相談も含め、15日時点で4210件寄せられた。同センターによると、2月に80歳代の女性宅に「行政からの委託で消毒に回っている」と電話があった。断ったが、翌日も電話があり、「感染防止のパンフレットを持参したい」という。自宅を訪問して高額なサービスなどに勧誘する目的があるとみられる。同センターは「おかしいと思ったときは消費生活センターに相談してほしい」としている。
人工的な香りを加えた化粧品や柔軟剤などが増えるのに伴い、香りに含まれる化学物質によって頭痛や吐き気、めまいなどの症状を起こす人が少なくない。日常生活が送れず、健康被害をもたらすケースがあることから公害をもじって「香害」と呼ばれる。香害に関する認知度を高める動きも出ている。無添加せっけんや洗剤づくりにこだわる「シャボン玉石けん」(北九州市)は18年、新聞に「香害を知っていますか」と問題提起をする広告を出し反響を呼んだ。都内のある医師は「現時点で規制は現実的ではない」としつつ「認知度が低い」「まずは患者の存在を知ってほしい」という。
改正民法が4月1日に施行され、契約や相続など生活に身近なルールが変わる。契約関係では、定型的な取引条項を定めた「約款」の規定が新設され、賃貸住宅の敷金返還や原状回復の取り扱いが明確化される。相続関係では配偶者に先立たれた人が自宅に住み続けられる権利が導入される。4月以降は注意が必要だ。
政府は3月31日、20年～24年度の消費者政策の柱となる「消費者基本計画」を閣議決定した。拡大する電子商取引(EC)に伴う国境を超えた消費者トラブルへの対応を推進する。EC取引は、デジタル化の進展による新たな被害を踏まえ、特定商取引法など悪質な事案に対処する法執行体制の強化と制度の見直しを進める。計画策定は05年、10年、15年に続き4回目となる。
トレンドExpressの中国のSNSクチコミデータを収集分析で、「新型コロナウイルスが落ち着いたら日本へ行きたい」が98％に達し、中国消費者の訪日観光への情熱は衰えていない。トレンドExpress編集長の森下智史氏は今後事態の好転を見込んで「中国に向けてマーケティング活動を展開していってほしい」と述べている。
男性にとって的確な服選びは自身のブランディングの必須作業になりつつある。「男は見かけより中身」がまかり通るのは今の50代以上。30代～40代前半の男性には、見かけを整えることは単に「オシャレ」ではなく「身だしなみ」であり、自身のブランディングにおいて重要なファクターになるということが、かなり浸透している。
新型コロナウイルスの感染拡大によって品薄が続くマスクの生産に、ものづくり企業が乗りだし、中小メーカーにも広がってきた。自社生産することで、従業員の健康を守り、生産活動の維持につなげる考えだ。産業機械や印刷機メーカー、電子部品メーカーではもともとクリーンルームを備えているため、不織布マスクの生産に乗り出しやすい面があった。
医療用品が不足する中、ヨットのセール(帆)の材料を使った医療向けガウンを横浜市のヨットセールメーカーが作り始めた。セールに微妙なカーブを入れたり、縫い合わせて防水や通気を遮断する作業は、ガウン製作にそのまま生かせる。医療用ガウンは可能な限り使い捨てとされているが、同社のガウンは洗って再利用することを想定している。素材特性も含めて医療現場で判断してもらうとしている。
マクロミルの調査で、レジ袋有料化が7月に開始したら、82％が「エコバッグを持ち歩く」と回答した。ただ、このうち女性が9割に対し、男性は7割にとどまった。
p146～P154 重ね着衣服の熱移動抵抗を温水入りガラス瓶に装着した衣服で測定した。その結果、重ね着により衣服間の空隙数を多くするとともに、衣服全体の厚さを確保することが衣服の保温性を向上することが示された。
p214～P223 成人女性の人体各部位の表面圧縮変形量と皮下脂肪厚の間には有意な相関関係がみられた。同じ皮下脂肪厚であれば、中年群は若年群より圧縮変形量が有意に大きかった。年齢を重ねると皮膚及び皮下組織の柔らかさも増すと考えられる。
寝装品企画製造卸の北沢(大阪市東淀川区)は、新型コロナウイルスの影響でマスクが品薄状態にあることから、急遽、洗えて繰り返し使える「手作りマスクキット」「マスク用装着シート」を作り販売に乗り出した。炭からできた生地「スミセン」は、良質な超長綿を高温で炭素化した「炭繊維」と綿糸を撚った糸で作られた生地。炭繊維により、抗菌性、消臭性、遠赤外線効果、吸水性、調湿性などがあり、洗濯しても機能が続くという。
ナイガイは、テラヘルツ(1秒間に1兆回振動する周波数)による超遠赤外線を利用した機能性ウエア「整(トトノ)」(一般医療機器)を開発した。血行促進や筋肉疲労緩和などの効果が見込め、商品はサポーターやインナーがそろう。テラヘルツ人工鉱石を粉砕し、生地にプリントする「テラックス ケアテクト」を応用する。東光商事(大阪市西区)グループの東光リミーと協業で商品化した。
クラボウが研究用として、新型コロナウイルス感染の有無を15分で判定できる検査試薬キットの国内販売を始める。販売先は衛生研究所、臨床検査会社などの研究･検査機関。中国で提携する企業が開発した検査試薬キットを輸入して販売する。日本で一般的に行われているPCR法は結果が出るまでに5～6時間かかるが、今回のキットを使えば微量の血液で、より簡単にしかも短時間で検査ができる。
旭化成は、着用することで冷却効果のあるストッキング(冷却ストッキング)のメカニズムを世界で初めて数値流体力学と表面形態の連成解析で定量的に解明した。通常、ストッキングには繊維の遮熱効果による保温機能があるが、一部の特殊な構造のストッキングを着用すると一定の物理的な冷却効果があることが分かっている。この冷却ストッキングのメカニズムはこれまで不明だった。
東洋紡は、最短60分以内で新型コロナウイルスの抽出と検出･測定が可能なキット「SARS-CoV-2Detection Kit」を開発した。同ウイルスの治療薬やワクチン、消毒液などを開発する研究機関向けに販売を始めた。キットは日本医療研究開発機構の支援を受け、北里大学大村智記念研究所と国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター第2室との共同研究で開発した。
帝人フロンティアは新型コロナウイルスの感染拡大に伴う医療現場の窮状に対し、関係省庁との連携を通じ4月から6月にかけて約900万着の医療用ガウンを供給することを決めた。7月以降、さらに1千万着を供給できるよう準備を進めていく。同社が医療用ガウンを手掛けるのは初めて。織物、不織布で商品化する。
p308～P316 圧衝撃緩和性に優れるゴールボール(障がい者競技の一種)用プロテクター素材を検討するために、圧縮特性および圧衝撃緩和性を測定した。また、着用実験により、床面に着地した際の腰部の接触圧を測定した。網状構造体の試料をウレタンスポンジで挟んだプロテクターが最も圧衝撃緩和性が高く、競技試技における接触圧が低く、高評価が得られた。
独自ブランドのデニムを製造するイスコ(トルコ)が開発した、血流のポンプ機能を促進する素材「イスコ･バイタル」を使った女性用ジーンズが5月、ビッグジョン(岡山県倉敷市)の「ブラッパーズ」ブランドから発売される。同デニムは、長時間の着用で、適度な圧力が継続的に加わり、疲労感の軽減やむくみ防止の効果をもたらす。スポーツや旅行など多様な用途向けに提案する。
繊維製品品質管理士(TES)制度の業界的意義を、日本衣料管理協会の大谷芳男理事が紹介している。高度で専門化された人材育成に貢献しているが、そのために技術の裏付けとなる正しい知識獲得が必至になるという。
政府と経団連は新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、採用活動を柔軟にするよう企業に呼びかける。授業の再開が遅れている高校や大学に配慮し、選考時期の分散を進め、採用の通年化を加速する。大学院生についてインターンシップからの直接の採用も解禁する方向で、就活ルールを主導する政府が調整を急ぐ。
※今号の「行事」欄は休載させていただきます。
発行：一般社団法人日本衣料管理協会 会長：小林茂雄／発行人：近藤美文