ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧(2003年度:第20巻〜)→
行 政 ★経産省 第2次補正予算案、テナントへの家賃支援措置も
規格関連 ★キュプラとリヨセル 鑑別法がISO化
素 材 ★洗えるマスク夏仕様
加 工 ★"染色コスト減で国産回帰へ
アパレル ★仏ファッション界、スリム化へ
流 通 ★GMS 進む食と非食の分社 衣料品は独自改革へ・
クリーニング ★ポケットマナー守って
消 費 ★買い物も投票だ 黒人差別抗議を支援する「バイコット」
健康・快適性 ★ウールで睡眠の質向上
その他 ★コロナ後も日本が行きたい国のトップ
内閣府の20年1〜3月期のGDP速報値は実質の季節調整値で前期比0.9%減、年率換算で3.4%減だった。マイナス成長は2四半期連続。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で2月ごろから輸出や消費、設備投資などが軒並み急減した。19年度の実質GDPは前年度比0.1%減と5年ぶりのマイナス成長となった。
政府は大企業と中小企業の持続可能な関係構築を目指した「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」発足、第1回会合を開いた。繊維・ファッション、流通関連を含む企業に下請け中小企業振興法で規定する「進行基準」などに沿った自主行動宣言「パートナーシップ構築宣言」の策定を目指す。
総務省が5月22日に発表した4月分の消費者物価指数で、生鮮食品をのぞく総合指数が前年同月より0.2%低い101.6となり、3年4か月ぶりの下落に転じた。最大の原因は原油価格の急落だが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う活動自粛も、下押しの要因となっている。
経済産業省は新型コロナウイルスの感染拡大に対する追加の緊急経済対策として5月27日に閣議決定した20年度第2次補正予算案で、総額15兆円余を計上した。繊維・ファッション関連企業も含む中小・小規模事業者の支援策では1次補正で措置した金融機関による実質無利子・無担保、元金返済猶予最大5年間の融資、コロナの影響で売上高が50%以上減少した事業所対象の「持続化給付金」を積み増すほか、SCやファッション小売業などから要望が多かったテナントへの家賃支援措置「家賃支援給付金」を新設する。
厚生労働省の人口動態統計19年で、1人の女性が生涯に産む子どもの数にあたる合計特殊出生率は1.36と、前年から0.06ポイント下がった。4年連続の低下で07年以来12年ぶりの低水準になった。政府や自治体は保育所の整備、教育の無償化などで少子化対策に力を入れてきたが、実を結んでいない。
文部科学省と厚生労働省による20年春卒業した大学生の4月1日時点の就職率が98.0%と、97年の調査開始以来、最高になった。前年同期から0.4ポイント上昇。景気拡大を背景に好調な採用環境が続いた。来年以降は新型コロナウイルスの影響が出るとみられる。
経済産業省は、「キャッシュレス決済の中小店舗へのさらなる普及促進に向けた環境整備検討会」の第1回会議を開いた。「キャッシュレス・ポイント還元事業」の成果などを報告したほか、キャッシュレス決済導入の阻害要因とされる加盟店手数料と入金サイクルの長さを討議した。
日本繊維輸入組合が財務省貿易統計を基にまとめた衣類輸入1〜4月は重量ベース前年同月比7.70%減となった。新型コロナウイルスの製造業への影響が薄まった中国からの輸入量の減少幅は前月よりも縮まったが、ASEANからは微減が続いている。金額は9.7%の減。
日本政府観光局が5月17日発表した5月の訪日外国人旅行客者数は、新型コロナウイルスの感染拡大による渡航制限などの影響で、前年同月比99.9%減の1700人だった。4月(2900人)より減少し、統計を取り始めた1964年以降の最小を更新した。前年割れは8ヶ月連続。
経済産業省は大臣の諮問機関である産業構造審議会の第26回総会を開き、「新型コロナウイルスの影響を踏まえた今後の経済産業政策のあり方」について討議した。雇用や人材育成、研究開発投資、デジタル化への対応、地域経済や中小企業活性化策などについて討議した。
日本経済新聞社の21年春入社の採用計画調査(最終集計)で、大卒採用は20年春の実績との比較では2.6%増と10年ぶりの低い伸び率となる。新型コロナウイルスの感染拡大などが響いて主要43業種のうち半数で前年を下回った。リーマン・ショック後から続く高水準の採用が転機を迎えた。
日本化学繊維協会が中心となって国際標準化機構(ISO)に提案していたキュプラ繊維とリヨセル繊維の鑑別法がこのほど「ISO 21915キュプラ、リヨセルなどセルロース系繊維およびそれら混用品の定性・定量分析法」として国際標準(ISO)化された。キュプラ繊維、リヨセル繊維はともに植物系再生繊維であり、環境に優しいサステイナブル(持続可能な)繊維として注目が高まる。今回の鑑別法ISO化で、両繊維の採用に関して利便性や信頼性が一段と高まることが期待できる。
衛生マスクを取り巻く環境が変わりそうだ。日本衛生材料工業連合会(JHPIA)は、マスクの日本産業規格(JIS)化への取り組みを本格化するほか、安定供給に向けて不織布業界と連携を深める。厚生労働省と経済産業省の積極的な支援を受けたJHPIAは、下部組織の全国マスク工業会とともに現在の自主基準をベースにしたJIS化を進めている。JIS原案作成委員会を組織化し、2021年度の制定を目指す。
ヤギは、コロナ後はサステイナビリティーがさらに求められるようになるとオーガニックコットンの取り扱いを強め、原料からのブランディングを始めた。オーガニックコットンを切り口に、みんなが糸でつながることをイメージし、オーガニックコットンを使ったプレミアム糸を「ユナ・イト・オーガニックコットン」と名付け、糸から差別化する。綿100%が中心だが合繊と複合した機能素材を強める。
三井化学は形状記憶シート「ヒューモフィット」の市場開発に乗り出した。体温を感知し、触れた瞬間から柔らかくなるため、人の体になじんでいくという。衣料品やシューズ、サポーター、寝具、スポーツ製品など、フィット感を求めるニーズがあると想定される用途へ提案する。ポイントはガラス転移温度にある。新シートのガラス転移温度は28℃で、室温(約23℃)と人の体温(約36℃)の間に存在し、体温が熱を伝え、シート温度がガラス転移温度を超えることで不思議な心地よさが得られる。
東レは、幅広い産業に応用できる高弾性率炭素繊維と、この炭素繊維を使用した射出成形加工に最適な樹脂ペレットを創出した。同ペレットを用いることで軽量でありながら、複雑な形状で高剛性の部品を効果的に製造できる。今後3年以内の製品化を目指し、研究・技術開発を進める。この炭素繊維を使用した射出成形用樹脂トレカペレットは、軽量合金の代表であるマグネシウム合金に匹敵する弾性率を軽量で実現できる。
ミツフジは銀繊維を使った「ハモンエージーマスク」の100回洗える夏マスクタイプを発売した。接触冷感繊維と制菌機能を持つ糸を組み合わせた素材で、従来の銀繊維シートタイプよりも薄くでき、洗濯耐久性は倍の100回に向上させた。特殊加工と設計でメイク移りが目立ちにくくし、長時間使用時の快適性も高めた。
三井化学は名古屋大学、同大ベンチャーと共同で、3Dプリンタを活用した再使用可能マスクの開発を始めた。このマスクは再利用可能なマスク本体と使い捨てフィルターからなり、再利用が可能ながらウイルス除去機能を持つことが特徴である。
豊島はトレーサビリティーを徹底したオーガニックコットン糸ブランド「トゥルーコットン」を発表。綿花はトルコの紡績グループの農場で栽培される。働き手の健康や安全が守られ、遺伝子組み換えの種子や農薬を使用しない環境だ。糸と産地の在庫を持ち、全社横断で原料から製品までに対応する。インターナショナルブランドや国内ブランド、著名人と協力し、収益の一部をWWFジャパンに寄付する。
アパレルパーツ専門商社の島田商事(大阪市中央区)とGSIクレオス、生活関連資材などを扱う明和グラビア(大阪府東大阪市)の3社は、生分解性プラスチックを用いた衣料用接着シートを業界で初めて開発した。生地の接着など、幅広く使用することができる。デサントが発表した新ラインに採用されている。植物由来ポリマーやトウモロコシでんぷんを原料とし、生分解性を持つ樹脂「マタピー」を応用した、溶剤を含まないメッシュの接着シート。
大阪プラスチック工業は国産のウイルス飛沫感染対策用品「フェイスシールド」「フェイスガード」を開発し、販売に力を入れる。フェイスシールドは、シールド部分にPET樹脂の透明なシートを使い、帯電防止剤を塗布しほこりが付着しにくく、水洗いと消毒で再利用が可能。フェイスガードは同じシートを使い、内側に面ファスナーを貼ったシンプルな構造。不織布マスクの上に取り付けるだけで顔を守る。
東洋紡と豊田合成は共同でエアバッグ基布を活用した防護服を開発した。エアバッグ基布はシリコンコーティングによって空気を通さず、感染対策の防護服として洗って繰り返し使える。名古屋大学病院に200着提供したほか、各地の病院に提供し医療現場を支援する。
環境、エネルギー分野に特化した最先端材料を研究開発するGSアライアンス(兵庫県川西市)はこのほど、セルロース系生分解性樹脂を基に糸、フィルム、シートを開発した。さらに既存技術を応用し、セルロース系生分解性樹脂をセルロースナノファイバーと掛け合わせ、引張強度などを高めた複合材料も開発した。環境で分解することはもちろん、非可食性のセルロースを原料としていることから、可食性の原料を使う場合の食糧問題にも影響しない。
村田製作所と帝人フロンティアは、力が加わることで電気エネルギーを生み出して抗菌性能を発揮する圧電繊維「ピエクレックス」を共同開発した。原料は植物由来のポリ乳酸(PLA)。4月1日付で設立した合弁会社、ピエクレックス(滋賀県野洲市)で展開していく。PLAが持つ圧電性を最大限に発揮する繊維設計と構造体を開発することで、薬剤を使用せず、繊維や生地が伸縮することで電気が発生して抗菌効果を発揮する。
大手皮革卸の富田興業は、植物由来の副産物を再活用するレザー「レッザボタニカ」を立ち上げた。食品加工や製造現場で生じるポマース(搾りかす)を皮のなめしと染色に利用し、国内で持続可能な物作りを目指す。着目したのは産業廃棄物として処分されるポマースに、植物タンニンなめしに活用できるポリフェノールが豊富に含まれている点。飲食物の副産物と食肉の副産物の皮を掛け合わせるサステイナブルな革作りに取り組む。
GSIクレオスは特殊冷感プリント加工「氷瀑」を開発した。着用直後は接触冷感、着用時は汗などを吸い取ることでの吸水冷感、さらにメントール系薬剤を配合することで「"記憶冷感"と名付ける、冷たいという記憶が続く効果」を組み合わせて持続冷感を実現する。フィッシングシーンを想定したトップやパンツタイプ、アームカバー、ネックゲーターなどを企画。プリント加工は日本で行う。
新型コロナウイルスの影響で、抗ウイルス加工素材への関心が高まっている。こうした加工は治療や予防を目的とするものではないが、ウイルスを家庭に持ち込ませないことに貢献するとみられ、子供服など衣料品用途の引き合いも強まっている。シキボウ「フルテクト」、クラボウ「クレンゼ」、大和紡績「クリアフレッシュV」などの加工素材が注目されている。
小松マテーレは八つの機能を持つ布マスク「ダントツマスクール」を6月3日から販売し、本格的にマスク事業に参入する。冷感、蒸れ防止、消臭、洗濯耐久性、抗ウイルス、抗菌防臭、花粉カット、UVカットの機能を持つ。抗菌防臭性や吸放湿性は植物由来の機能性を持つ新素材「ベジベジ」、抗ウイルス効果は東芝マテリアルと協力して開発した光触媒素材の技術で付与した。洗濯50回後も機能を維持する。素材はナイロン85%・ポリウレタン15%で、糸種と編み方の工夫で冷感を持たせた。
染色整理加工の一陽染工(愛知県一宮市)はホタテの貝殻を使った抗菌・防臭機能があるスプレーやマスクフィルター、防護服などを商品化し、5月末から販売を始めた。ホタテの貝殻を1,000℃以上の高温で焼成し、不純物を除去して粉末状にする。水を加えると水酸化カルシウムとなり、PH11〜12という高い数値の強アルカリとなるため、ウイルスは生存できない。第三者機関でインフルエンザウイルスや大腸菌、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌への不活性化は実証済みで、理論上は新型コロナにも効果があるとみられる。
酵素・微生物剤・繊維用薬剤などを製造する洛東化成工業(大津市)は、ポリエステルに吸湿発熱機能を付与できる繊維加工剤を開発した。検査機関での試験で吸湿発熱温度1℃以上を確認している。アクリル粒子を核にして天然系の吸放湿成分を固着させた「IKハイブリッド粒子」を原料にして、ポリエステルに吸湿発熱機能を付与する機能加工剤を開発した。
小松マテーレは、通常のレギュラー糸に特殊な加工を施すことで、染色時間を半減させたポリエステル長繊維「WS糸(仮称)」を開発した。染色工程のエネルギーとコストを大幅に抑制できるため、コスト競争力と環境対応につなげて国産回帰を狙う。昨年実績に対して糸重量ベースで30倍に増産予定で自販以外に委託での活用も呼びかける。
全国シロセット加工業協同組合は今年度、シロセット加工に用いる新加工薬剤の供給を進める。現在使われている薬剤の在庫が終わり次第供給を始める予定。新薬剤「ラックス」はこれまでの薬剤と比べて折り目付け性能を向上させたほか、薬剤の臭いに加えて透明にすることで加工時に付く汚れも減らすことができる。ラックスを用いて加工した製品を訴求しやすいよう「SI-RO=SETネオ」という商標も取得した。
酵素、薬剤などを製造する洛東化成工業(大津市)はこのほど、酵素による糊抜き剤や精練剤で、「GOTS(グローバル・オーガニック・テキスタイル・スタンダード)」の認証を取得した。酵素剤での取得は、日本企業では初めて。近年は生地で環境認証を取得する際に染色加工で使う薬剤についての問い合わせが増えており、精練剤や糊抜き剤で対応できる形とした。
シャツの山喜は、政府の要請による合繊メーカーからの依頼に応じて、不織布医療用ガウン100万着の生産を受注した。9月までに作る。新型コロナウイルス感染拡大で医療用ガウンが不足しているため、政府が主導した。合繊メーカーから供給される抗菌加工された不織布防水フィルム素材を使い、4工場で製造する。これと同時にマスク80万枚も受注した。
新型コロナウイルスの感染拡大で、アパレルや衣料品小売りの経営破綻が世界同時に発生している。レナウンが民事再生手続きを始めた5月15日、米国では老舗百貨店JCペニーが破綻、米ギャップも経営不振となっている。果てしない出店競争が店舗と商品の過剰を招き体力を消耗。ネット対応も遅れ顧客が離れた。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で、中国のアパレル産業が急速な受注減に苦しんでいる。最大の生産地である広東省では海外受注の8割がキャンセルや延期に陥り、工場や卸売りの多くは経営が悪化している。業界は販売回復のため電子商取引(EC)拡大のほか、BtoBの取引にもネットを応用しようと商習慣の改革に動き始めた。
日経MJがまとめた主な衣料品・靴専門店13社の4月の既存店売上高は、12社で前年同月を下回った。50% 以上の大幅な落ち込みが目立った。新型コロナウイルスの影響で休業や時間短縮の店舗が拡大したことなどが響いた。営業店舗も外出自粛によって客足が減少した。一方で、7月からは営業を再開する動きもあり、どこまで回復するかに注目が集まる。
BFC(英国ファッション協会)とCFDA(アメリカファッションデザイナー評議会)が共同で、ファッション業界のリセットに向けたメッセージを発表した。新型コロナウイルス関連で先行き不透明な中、年2回のコレクション以上にシーズンを増やさないことを含むガイドラインを示した。21年春夏コレクションに関しては、バーチャルに見せられるようにファッションカレンダーを組んでいく考え。
服や家具、生活雑貨などのクリエイターによる協会「インターナショナル・アソシエーションズ・オブ・クリエイターズ」(IAC)が発足した。目指すのは、消費者が「これでいいや」という意識ではなく、「これがいい」と自信を持って選択できるようになるための価値基準を作る活動である。
山喜は、抗ウイルス加工を施したドレスシャツの展開を始める。繊維上の特定ウイルスを99.9%以上減少し、洗濯10回後でも効果が続く。制菌加工と組み合わせて機能を高めている。日清紡テキスタイルの抗ウイルス加工「バリエックス」に、繊維上の有害細菌(黄色ブドウ球菌、モラクセラ菌など)を減少させる制菌加工「Agフレッシュプラス」を融合した「バリエックス+Ag」生地を用いる。細菌減少効果は洗濯100回後でも維持し、各種安全基準をクリアしている。
新型コロナウイルスがアパレル業界のビジネスモデルを根底から揺さぶっている。緊急事態宣言の解除で街に人が戻りつつあるが、アパレル各社はオーバーストアに過剰在庫、電子商取引(EC)対応の遅れといった構造課題を引きずったままだ。5月にはレナウンが経営破綻し、淘汰の波は間近に迫る。戦後最大級の苦境ともいわれる現状から抜け出す糸口はどこにあるのか。
中国初のバーチャル試着とデジタル店舗運営のアパテックジャパン(孫峰社長)は日本のアパレルメーカーへのサービス拡大を目指す。海外に比べEC化率の低い日本のファッション市場は、コロナ禍でオンライン化に拍車のかかる今こそバーチャルビジネスに転換する好機とみる。コロナ禍の中国市場で実験的に導入して成果を上げた新サービスで、「日本のアパレル業界にとっても、アフターコロナの新たな需要を獲得する切り札になりうる」とする。
衣類の国内供給量のうち、19年は輸入品の割合(輸入浸透率)が98%となり、過去最高を記録した。国内生産量は17年に1億点を割り、19年は9000万点を割り込んだ。輸入量は4年ぶりに減少したものの、国内生産量の減少幅が大きかった。
新型コロナウイルス危機に見舞われた仏ファッション業界が、コレクションやセールなどの見直しに動き始めた。特にセールに関しては、外出制限で5月中旬まで閉鎖していた店舗が春夏物の在庫を1か月間で売りさばくのは難しい。コロナ禍を機に飽和状態だった業界のスリム化を目指す。
紳士・婦人シャツ製造・小売りの東京シャツは、環境配慮への新たな取り組みとして受注生産販売を始めた。国内縫製工場と公式サイトなどを連携させることで展開を可能にした。第1弾は抗ウイルスシャツを用意し、アイテムも順次増やす。日清紡ホールディングスグループの素材背景と千葉県松戸市の縫製工場、「ブリックハウス バイ 東京シャツ」公式サイトを連動した販売方法となる。
大型小売店出店2019年度の新設届け出は、430件前後とピーク時の半分近い水準で、比較できる01年度以降で最低と急減している。地方の人口減などが響き、成長余地のあるドラッグストアを除き市場がほぼ飽和している。新型コロナウイルスの感染拡大の影響でネット通販が急成長する中、大型店の出店のペースはさらに鈍りそうだ。
GMSを食料品と非食料品に運営会社を分離する動きが具体化している。スーパーマーケットを含め食料品分野は、少子高齢化による市場縮小やドラッグストアなどとの業態を超えた競合にさらされ、危機感が高まっている。そこで地域対応を強めるため、GMSとして衣食住一体だった運営を切り替えるものだ。これにより、苦戦の続いている衣料品は食料品と別企業での立て直しが求められることになる。
繊研新聞社は、緊急事態宣言発令に伴う営業自粛などの対応がファッション専門店の業績に与えた影響について、緊急アンケート調査を実施した。回答企業の4割強が4月は全店舗の休業を余儀なくされ、9割以上の休業も2割近くに上った。店頭売り上げも「大幅に減少した」店が全体の8割を占め、前年同月比で70%以上、店頭販売が落ち込んだ企業も5割強を占めた。
ネクサーの「ファストの満足度リサーチ20」で、最も評価が高かったのが無印良品で、次いでユニクロ、ジーユーであった。項目ごとの満足度の1位は、品揃えがユニクロ、デザインがギャップ、縫製の質、生地・素材の質は無印良品、価格はジーユーだった。
日本ショッピングセンター協会、日本小売業協会、日本百貨店協会、日本チェーンストア協会、日本専門店協会など小売り・流通関連12団体は5月14日、「小売業の店舗における新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」を策定し、各団体の会員企業に通達した。政府の「基本的対処方針」で、業種・施設別のガイドラインの作成を各業界団体に求めたことに沿ったもの。店舗での感染予防対策や従業員の健康管理、感染予防のための客への協力依頼や情報発信などの指針を記載した。
新型コロナウイルスの感染拡大で、百貨店各社がEC事業を拡大している。消費者の外出自粛が続くなか、食料品や化粧品などのニーズが増加。中止された各地の物産展の商品にも関心が高まっている。EC事業は頼みの綱となりつつある。
デトロイトーマツダグループの「グローバル・パワーズ・オブ・リテイリング2020」で、上位10社の顔触れは2019と同じ、ウォルマートが22年以上連続で1位、この中で成長率18.2%と高いのがアマゾンで3位に上がった。日本企業ではトップ250に入ったのが29社で、最上位がイオンで13位だった。
日本百貨店協会が発表した全国百貨店(73社、203店)の4月売上高は、前年同月比72.8%減の1208億円で7ヶ月連続のマイナスとなった。65年1月からの統計開始以来、最大の減少率となった。
CBRE調査の主要商業エリアの店舗テナント市場1〜3月は、全体にテナントの賃料減額要請が続くほか、賃貸制約事例が大幅に減少している。売上減が影響し、一部では退店、また募集物件への入居申し込みのキャンセルも出たが、多くは欧米の海外ブランドだった。
繊研新聞社はSCディベロッパーとテナント企業を対象に賃料を中心にした取引関係に関するアンケート調査で、大半のディベロッパーが休業に伴って賃料や販促協力費などを減免した一方、多くのテナントがディベロッパーの対応に不満であることがわかった。政府の緊急事態宣言の全面解除により、6月からSCの営業が本格的に再開する。未曽有の危機を乗り切るためにも、ディベロッパーとテナントが新たな「共存共栄」の関係を構築することが必要。
日本ショッピングセンター協会の「SC白書2020」は、SCが秋以降の苦戦があったが19年も総売上高前年比0.8%増となっている。日本の流通業界で果たす役割が大きくなっているが、施設総数は減少に転じている。人口動態や小売りの変化が響いた形で、閉鎖するSCが増えているため。
モデレートゾーンのインポートバッグが主力のジャパン社も今春は、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた。一方、新たなビジネスの可能性も広がっている。デジタルの活用が急速に進み、今後はオムニチャネル化がさらに加速する見込み。
新型コロナショックで臨時休業や営業時間短縮を余儀なくされ、リアル店舗の減収が大きな痛手となっているアパレル業界。この非常事態を乗り切る一手として、今熱い視線を浴びているのが、スタートアップ企業のバニッシュ・スタンダードが提供するアプリサービス。リアル店舗の販売員がお薦めのコーディネート写真をECサイトに投稿するなど、ECサイトにデジタル接客を組み入れ、EC売り上げへの貢献度を可視化して販売力を評価する仕組み。
アメリカの大型商業施設、ファッション関連企業の経営破綻が止まらない。わすか過去1か月余りの間に、Jクルー、ニーマンマーカス、ステージストア、ジョン・バルベイトス、JIペニーが日本の民事再生法にあたる米連邦破産法11条の適応を申請した。
繊研新聞社のファッション個店・リージョナル専門店へ「アフターコロナ自店販売予測」アンケートで、20年秋冬物の仕入れは前秋冬比15%減に抑え、店の売り上げは20%減と予想した。緊急事態宣言の解除後も客足は鈍く、今後も「服の購入を我慢する傾向」が続くと見て、7割以上の店舗が減収を見込み、ECの強化で補う意思が読み取れる。
首都圏のSCを中心に、ディベロッパー主催の夏の全館セール(本セール)を休止する施設が相次いでいる。館内での混雑を避けることで新型コロナウイルス感染を予防するとともに、テナントが抱える在庫の消化を促進し、ディベロッパーとして支援するのが目的だ。ルミネは夏の全館セールを館主催のセールは行わず、7月中に取引先ショップが任意で店頭でセール表示できるようにする。従来は実施していなかった6月の「スペシャルプライス」表示も各ショップが自由にできるようにした。
買い物をするだけでなく、商品・サービスの体験や、情報発信の拠点としての機能を強調した旗艦店が増えている。SNSで情報収集し、インターネット通販にも慣れた消費者を、実店舗に呼び戻す布石として、各社は知恵を絞っている。
百貨店の夏物クリアランスセールは従来の全館一斉スタートでなく、ブランドごとに個別に開く店舗が多い。例年は6月末からスタートしていたが、期日を設けずに個々の取引先の判断で実施する。アパレルメーカーも、6月上旬から春物セール、下旬からは夏物セールが始まるが、その間にもプレセールやECでのイベントなどで、在庫を消化する。
インバウンドをECで取り込め――新型コロナウイルスの感染拡大で国内消費やインバウンド需要が落ち込むなか、新たな販路として越境ECに期待が高まっている。海外の越境ECモールへの出店というよりも、磨いてきた自社ECを越境に対応させる動きが活発だ。
コロナ禍では服の需要が急落、これからは「変わるべきこと」「不変であるべきこと」を見つめ直し、事業の最適化を進める必要がある。多くの店が見通しているのは「消費者は今後、服をより厳しく選ぶ」という点、それに対応した「店舗運営」「顧客とのつながり」「作り手・売り手・消費者の三方良しの関係」まで課題は浮き彫りに。
環境保全を目的とした7月1日のプラスチック製のレジ袋の有料化まで1週間。小売業や外食各社でレジ袋有料化の対応が分かれれている。コンビニ大手3社は有料義務化の対象外である環境対応素材に切り替えながらも有料で提供する一方、セコマや外食大手などは当面、無料にする。環境保全と顧客サービスの維持をどう両立するか、取り組みがまばらである。
都内の有力百貨店の婦人服飾雑貨売り場で、傘が売れている。傘の市場はこの3年ほど活況だったが、新型コロナウイルス感染拡大による臨時休業期間が傘の立ち上がりに重なり、売上に大きく響いた。しかし、今年も予測される猛暑や感染予防の観点から、高機能の傘が若い消費者を中心に売れ始めた。
仕上がったクリーニング品を引き取りに来ない放置品は大きな問題となっている。今ある放置品を解消し、今後増やさないために、各クリーニング店が定める「クリーニング約款」に基づき、「クリーニング契約」を利用者に説明・明記することが重要である。そのモデルクリーニング約款が完成した。各店舗の実情に併せてアレンジ可能で、顧客への約款周知に活用できる仕組みとなっている。
ポケットに使用済みマスク、ハンカチなどが入ったままクリーニングに預けるケースがあり、コロナウイルス感染が危惧されている。そこで、クリーニングに依頼する前に依頼者自身がポケットの中身を確認するよう、マナーとしての定着を促す啓蒙ポスターが作成された。
総務省統計局の家計調査より、3月の一世帯あたりのCL代支出額は、全世帯平均では前年同月比約25%減、300円台となった。勤労世帯も27%減、462円にとどまった。外出自粛生活、寒の戻りによる冬物出し控えによるもの。
クリーニングの総需要が3000億円を割る可能性がある中、毎日使われるふとん約2億枚がクリーニングを利用するようになれば、6000億円の市場になる可能性があると概OSEIの塚本氏が提言している。
経産省と製品評価技術基盤機構(NITE)は5月20日、新型コロナウイルスに対して有効であると判断された住宅・家具用洗剤等に使われる7種の界面活性剤と、それを含む家庭用洗剤のリストを公表した。
厚労省が「新型コロナウイルス感染症患者等が使用した物として引き渡されたリネン類の取扱いについて」通知を行ったことに対し、(一社)日本病院寝具協会が具体的な方法まとめた「処理方法」を公表した。その一部が掲載されている。
総務省統計局の家計調査によると、4月の1世帯あたりのCL代支出額は全世帯前年同月比30.9%減、567円となり、東日本大震災時を超える減少率となった。
定額料金を支払い期間内は対象サービスを繰り返し利用できるサービス、いわゆるサブスクリプションがクリーニング業界にも導入されつつある。クリーニングの需要が落ち込む中で、昨年からこのサービスを先行導入しオフィスカジュアルをターゲットとし成果を挙げつつあった業者の取り組みと課題を紹介している。
外出自粛で増加しているインターネット通販を巡り、偽物を売ったり代金をだまし取ったりする悪質なサイトがあるとして、消費者庁が注意を呼び掛けている。ネット通販に関する各地の消費生活センターへの相談件数は近年高止まりが続き、他の相談に比べて最も多い。相談者はネットを利用する40〜60代が特に多いという。消費者庁は「不審だと思ったら消費者ホットラインに相談を」と話している。
新型コロナウィルスの流行に乗じ、インターネット利用者を狙うサイバー犯罪が脅威を増している。米企業の調査では、閲覧するとコンピューターウィルスに感染する「悪質広告」が50倍に急増。ドイツでは偽の給付金サイトを通じ、100億円以上の詐欺被害が出た。防御の甘い自宅のパソコン利用の隙をつかれ、IT大手の対策も追いつかない。
新型コロナウィルスの感染拡大で手に入りにくくなっていたマスクが街中に出回り始めた。居酒屋や外貨両替所、貴金属店など、衛生用品とは無関係の店が本業の苦境を打開しようとマスク販売を始めるケースも多く、競争激化で値下げする店も出始めた。専門家は品質を確認した上で購入するよう呼び掛けている。
夏本番を前に、新型コロナウイルスの感染対策としてマスクを着用することで熱中症の懸念が強まっている。熱が体にこもり、気付かないうちに脱水症状を起こす恐れがあり、専門家は「こまめに水分補給を」と注意を呼びかけている。
新型コロナウイルス感染の拡大は消費をどう変えたのか−生活関連品を販売する企業によると、テレワークの広がりや外出自粛などで"家ナカ消費"が大きく上向いたことが明確になった。終息後もオンライン購入や家中心の暮らしへの関心は続きそうだ。
ネット通販で「コロナウイルス対策」をうたう商品が違法の疑いがある状態で大量に売られている。日本経済新聞が米アマゾン社と楽天のサイトで上位検索結果250件を調べると、15〜20%で根拠を欠く効能を表示していた。薬剤師資格をもつ弁護士は、「通販大手ですら薬機法を理解していない。表示によって利益を得ているからには法令順守に責任をもつべきだ」と訴える。
新型コロナウイルスに伴う外出自粛が、アパレル消費に深刻な影を落としている。家計簿アプリ「マネーフォワードME」に登録された家計データを分析したところ、4月は「衣服・美容」の支出が前年同月と比べて51%のマイナスとなった。コロナ以前から暖冬による販売不振に悩まされてきた業界に、追い打ちをかけることになりそうだ。
コンビニ大手3社が7月1日からレジ袋を1枚3円で有料化することが、わかった。7月からのレジ袋有料化の義務づけを受けた対応で、消費者にマイバッグの持参を促し、環境負荷の軽減を目指す。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が日本の資源リサイクルに急ブレーキをかけている。家庭から出る古着は受け入れ先の東南アジアの都市封鎖で輸出できずに国内で山積みとなり、再生プラスチックも輸出先の生産活動の鈍化で荷動きが滞る。回収を中断する動きも相次ぎ、海外需要に依存したリサイクルは機能不全に陥っている。
新型コロナウイルスの感染拡大を機に、消費を喚起するために新作発表のサイクルを早め生産過剰を招くなどしていたファッション業界のしくみを根本から見直す動きが高まっている。業界として適正な時期に適正な量を作る商品流通時期の見直しや不要な生産の回避などサステイナビリティーを重視する動きがある。
1人の黒人男性の死から世界中に発展した黒人差別反対デモ。この抗議活動を支援する動きが企業の間でも広がっている。日本ではあまり見られない光景だが、アメリカなどでは企業が政治的、社会的なメッセージを伝える場面が多くみられるようになった。ナイキなどの大手企業が次々と抗議運動を擁護する声明を出している。メッセージだけでは不十分だと消費者が声を上げ、中身の伴ったアクションを企業に求めている。抗議活動の一環として注目されているのが、インスタグラム上での投稿で、黒人経営のブランドや店舗をリストで示した投稿が増え、このような店やブランドで買い物をして支援する動きがあり、バイコットと呼ばれている。(ボイコットの逆)。
企業の不正を内部告発した従業員らの保護を強化する改正公益通報者保護法が6月8日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。従業員300人超の企業に対し、内部通報に関する窓口の設置や調査、是正措置などを義務付けた。
人間による着用実験はばらつきが大きく定量評価が困難である。定量化の一つの選択肢として、発汗サーマルマネキンによる評価が有効と考えられる。しかし、肺からの熱水分損失量、熱容量と蓄熱分布、産熱部から皮膚までの熱伝達、肌触りおよび皮下組織構造等が未完である。これらを充たしたマネキンを開発し、温熱快適性評価方法の基準化・規格化が望まれる。
コンプレッション型ランニングタイツの着用実験を実施し、身体負荷軽減効果について検討した。下腿内側を除き、衣服圧が高いほど、姿勢保持筋のサポートと、大腿筋や下腿筋のブレ抑制に働き、筋負荷と筋疲労を低減させる効果を認めた。
新型コロナウイルス感染防止に伴う外出自粛などでストレスが増幅しやすい環境下、ザ・ウールマーク・カンパニーは、ウール製の寝間着や寝具で寝ると睡眠の質が良くなるという研究結果を紹介した。良質な睡眠でストレス軽減をと啓蒙に努める。その研究は2018年にシドニー大学の研究者がザ・ウールマーク・カンパニーのサポートを受け実施したもの。ウール製の寝間着を着用した成人は、暖かい条件下での他の繊維と比べてより早く入眠し、途中で睡眠を妨げられることが少ないと分かった。
「プラウシオン」は、7種の天然鉱石混合体のことで、プラウシオンが発する遠赤外線が副交感神経に作用して体をリラックス状態へ促す。繊維に加工する場合は、ブラウシオンを微粒子に粉砕して入れた溶液に糸や生地を含侵させる。天然繊維および合成繊維を問わず加工が可能である。
AOKIは、軽量で涼しさとウォッシャブル機能を兼ね備えた「夏冷スーツ」の販売を始めた。車のエンジンの塗料などに使われる放熱機能を持った人工鉱石を粉末化し、染料に練り込んで生地にプリントする技術を用いた「テラックスクール」を用いたものである。
AOKIは、クールビズに対応しインソールの通気量を2倍に改良した「超軽量空気循環シューズ」を販売している。靴底に空気が循環する通気口を備えており、靴の蒸れを軽減する。
P445〜P456 近年では放射性物質を含む土壌による身体への影響が懸念される。本研究では、繊維製品への微量な土壌の付着量とリリース量を測定するための試験装置と試験方法を開発した。また、緯糸の異なる僅かな違いのある試験用素材を製織し、その有効性を検証した。
高齢者の健康を支える弾性ストッキングについての解説である。弾性ストッキング着用による疾病および疾病予防効果、弾性ストキングの諸外国の圧迫圧のクラス分け、着用時の注意事項等について解説している。
P349〜P357 川端博子氏が取り組んできた「衣服の快適性」に関わる研究の紹介論文であり、日本家政学会学会賞受賞論文である。衣服圧の計測と衣服の拘束性に関する研究、裏地に関する研究、授乳用ブラジャーの研究、乳がん術後女性のブラジャーおよびウイッグに関する川端博子氏の研究をまとめた論文である。
基本身体寸法に基づくサイズは、被験者が日常的に着用しているサイズおよび販売員の資格を持つ者が選定したサイズと一致する割合は低かった。サイズの選択には、着け心地や外観といったフィット性が影響するといえる。
ミズノが開発したフードを搭載したベストタイプのファン付きウェアは、空気が首の後ろから流れるように設計されており、効果的に頭部を冷やすことが可能になった。背中部分に保冷剤を収納できるポケットが付いているものは、より効果的にクーリングすることが出来る。
田中センイは、高齢者向けの「キアレッタビズ」を販売する。伸縮性のある生地使いにより、認知機能低下に備えて前後変えても着用できる仕様、握力低下に対応したファスナー、大きめのボタンとボタンホールなどを取り入れている。
国産デニムの一大産地である岡山・児島地区を拠点に兄弟で「EVERY DENIM」を運営する起業家を紹介。職人のこだわりが伝わる商品の企画、販売を始め、1点2万円前後のジーンズを扱う。大量販売を目指すのではなく、地域との密な関わりを目指している。デニムに限らず作り手が誇りに思う商品によって消費者も誇らしくなる。そんなサイクルが持続できる社会をめざす。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本で働く外国人技能実習生の人材のミスマッチが表面化している。サービス業などで解雇が始まる一方、農業では入国規制の影響で人手の確保が厳しい。法務省は解雇された実習生の異業種への転職を特例として認めたが、実習生が自ら新たな受け入れ先を見つけるのはハードルが高い。
日本繊維産業連盟の鎌原正直会長は「繊維・ファッションはエッセンシャル(必要)な産業だ」と力強く語った。繊維・ファッション産業はここまで非常に苦戦し、特に小売業、アパレルメーカーを直撃している。アパレルメーカーにはかなり負荷がかかり、中小・小規模の製造現場にまで影響が及んでいる。春物が在庫としてはけずに、夏物以降が動かないため、状況はさらに厳しくなるだろう。
新型コロナウイルスの感染拡大で消費行動が大きく変わるなか、デジタルトランスフォーメーション(DX)の巧拙が企業の明暗を分けている。店舗やテーマパークでの集客の落ち込みをネット販売や動画配信事業で補った。日本でもニトリホールディングスなどがデジタル対応を強化しているが、取り組み企業の数では米に劣る。DXに遅れた企業は業績も振るわない。デジタル対応力が企業の「コロナ耐性」を左右し始めた。
用語解説 DX(デジタルトランスフォーメーション) 高速インターネットやクラウドサービス、人工知能(AI)などのIT(情報技術)によってビジネスや生活の質を高めていくこと。企業においてはITを活用したビジネスモデルの変革や、それに伴う業務、組織、企業文化などの変革も指す。
日本インバウンド・メディア・コンソーシアム(JIMC)は、新型コロナウイルスによるインバウンド市場への影響を把握するため、4月に中国人とタイ人のネットユーザーを対象に訪日旅行に関する調査を実施した。中国人、タイ人ともに「終息後に行きたい国」の圧倒的1位に日本がなり、訪日旅行意欲がいまだ旺盛であることがわかった。
新型コロナウイルスでこれまでの生活が一変した20年上期、外出自粛要請に加えて東京五輪の延期が決まり、多くの消費が消えた。そうした中でなお支持されたのは、離れていても同じ時間を共有できる商品やサービス。番付にはテレワークならぬ「テレ消費」を支えるものが並んだ。コロナ禍を超えた新時代の先駆けとなる顔ぶれに。
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:小林茂雄/発行人:近藤美文