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行 政 ★ネット不正出品の監視強化、新法検討
素 材 ★二酸化炭素から合繊原料
加 工 ★"ポリプロピレンの高堅ろう度染色に成功
アパレル ★アパレル大量閉店時代
流 通 ★商社の中期経営計画、今期は守り、残り2年で成長へ
クリーニング ★夏のハット、クリーニングの新しい需要へ
消 費 ★ネットの定期購入 規制強化へ
健康・快適性 ★「暑さ対策用サービス」開始・
その他 ★福井、人口当たり繊維工業出荷額で1位に
経済産業省は、19年10月〜20年6月に中小・小規模店舗を対象にしたキャッシュレス決済時のポイント還元補助制度「キャッシュレス・ポイント還元事業」の消費者と参加店舗へのアンケート調査で、消費者の店舗選定にポイント還元が「影響した」と50%が、参加店舗の40%が「効果があった」と回答している。事業終了後の利用については、店舗の91%がキャッシュレス決済を続け、消費者の83%が「利用したい」と回答した。
政府はECの不正出品防止策に乗り出す。売り場を提供する運営者に、出品者の本人確認やトラブルが発生したときの責任を明示するよう求める。ネット通販の消費者を保護するための新法をつくって規定する。対象はオンラインのショッピングモールやフリマサイト。架空の連絡先を届け出た出品者が偽ブランド品を販売する事例が多発しているため、悪質な出品者の排除を運営者に促す。通販などを規制する特定商取引法も改正する見通し。
公正取引委員会はスタートアップ企業と大企業の取引慣行に関する実態調査の中間報告書をまとめた。これに沿って経済産業省と特許庁は、「スタートアップと事業会社のオープンイノベーション促進のためのモデル契約書バージョン1.0」を策定した。
経済産業省は、通商白書20年版を策定、新型コロナウイルスの世界への影響を分析し、コロナ危機を乗り越えるための日本の経済産業政策の方向性を提起した。サプライチェーン変革とデジタル化加速などを強調している。
消費者庁は、AIを搭載した製品が増えているのを踏まえ、利用者が注意すべき点などをまとめた報告書を公表した。利便性が増す一方で、意思に反した商品を注文するなどのトラブルも想定される。同庁はハンドブックを作って消費者の理解向上を促す。報告書は、利用者だけでなく非利用者もAIを活用して消費生活を豊かにするために、わかりやすい説明や注意喚起が必要と結論づけた。
経済産業省と環境省は「今後のプラスチック資源循環施策の基本的方向性」案をまとめた。レジ袋有料義務化にもつなげた「プラスチック資源循環戦略」に沿っての主な施策の方向性として、@リデュースの徹底、A効果的・効率的で持続可能なリサイクル、B再生素材やバイオプラスチックなど代替素材の利用促進、C分野横断的な促進策を挙げた。
総務省の住民基本台帳に基づく人口動態調査で、1月1日時点の日本人は1億2427万人と前年から50万人減った。減少幅は1968年の調査開始以来最大で、11年連続で減った。外国人は7.5%増えて過去最多の286万人となった。
所得の減少が個人消費回復の重荷になる恐れが出ている。厚生労働省の毎月勤労統計調査で残業代などを示す6月の所定外給与は2カ月連続で2割以上落ち込み、新型コロナウイルスの感染再拡大は消費者心理に影を落としている。6月に前月比プラスになった消費支出は、7月に入り外食や家電販売などで回復に足踏みがみられる。日本総合研究所の松村秀樹氏は「給付金の効果が消えれば所得環境がいよいよ悪くなる。コロナ感染の再拡大や給与の削減が続けば、消費の回復ペースは遅れるだろう」と指摘する。
経済産業省は20年度第1次補正予算で措置した中小・小規模事業者向け「ジャパンブランド育成等事業」特別枠の第1次ターム(先行審査分)で、繊維・ファッション関連企業を含む110件の事業者を決定した。予算額は約15億円で、「地域産品・サービスの磨き上げ」による海外を含めた販路拡大策などの経費の一部を国が補助、クラウドファンディングやECを活用した取り組みを重点的に支援する。
日本政府とASEAN10か国の経済大臣会合をオンラインで開き、「イノベーションを通じた様々な課題解決と持続可能な経済成長の実現の同時達成を目指した新たな対話の場」として「イノベーション&サステナブル成長対話(DISG)」創設の合意をした。DISGは50以上のプロジェクトを盛り込んだ「経済強靭化アクションプラン」の具体化のための施策の一環。
帝人フロンティアは植物由来成分による原料と使用済みポリエステルなどをケミカルリサイクルで再生した原料を使用する新素材「ソロテックスエコ ハイブリッド」を開発した。20年秋冬から原糸、テキスタイルをファッションやスポーツ衣料、ユニフォームなどの用途に投入。同社はポリマーを適正に貼り合わせる技術を向上させ、植物由来のPTTとケミカルリサイクルによるPETとを複合した同素材の開発に成功した。
三井化学は、人の体温で自己粘着性を発揮するシートのマーケティングを始めた。のり不使用で接着面にのり残りがなく、繰り返し使うことができる。透明性を持っているため、商品のデザイン性・意匠性の向上に貢献する。面ファスナーの代替用途などを想定している。接着面への糸くずなどのごみ付着が防げるほか、面ファスナーのように着脱時に音が発生しない。厚みも一般的な面ファスナーに比べると薄い。柔らかく体にフィットする性質も持つ。
東洋紡、サントリー、大日本印刷など12社は共同出資で新たなプラスチックリサイクルの事業化を目指すアールプラスジャパンを設立した。米バイオ化学ベンチャーの技術を応用して、使用済みプラスチックから熱分解・触媒反応によりエチレン、プロピレン、キシレンなどの粗原料を取り出して再利用するもの。27年の実用化を目指す。
龍田紡績は綿100%の消臭糸「タツロンα」で、黄色ブドウ球菌に対する抗菌防臭効果を確認、多機能糸として打ち出しを強める。タツロンαの黄色ブドウ球菌に対する抗菌防臭性能を確かめるため、検査機関で洗濯10回後、50回後など様々な条件で試験を実施。洗濯50回後の2種類の生地で抗菌活性値6.0という結果が出た。今後は消臭だけでなく、抗菌防臭効果もうたえる素材としてアピールしていく。
新内外綿は7月から、魚の鱗に由来するコラーゲンを重合したセルロース繊維「フィラジェン」の取り扱いを始めた。糸、生地、縫製品で展開する。フィラジェンは海水魚であるサパヒーの鱗由来のコラーゲンペプチドをビスコース繊維に練り込んだレーヨン短繊維。吸湿発散性、保湿性、消臭、UVカットといった機能を持つ。ブナ材のパルプ、魚鱗という天然の原料を使うため、生分解性があり環境面で強みがある。
日本製鉄、三菱商事、富山大学ら6法人の共同研究チームは、火力発電所などから発生する二酸化炭素からポリエステルの原料であるパラキシレンを製造するプロジェクトを開始する。NEDOの事業として採択され20〜23年度約20億円の予算で日本発のカーボンリサイクル技術として実用化を目指す。
帝人フロンティアは、起毛加工なしでかさ高立毛構造を実現した保温素材「サーモフライ」を開発した。製法は3層構造のダブルラッセルの中層をカットして片側が立毛構造になる半裁技術を用いた。異形断面糸のオクタをダブルラッセルの中層に使い、糸構造によって軽量保温性が出せるほか、潜在捲縮により暖かさや肌触りの良さを向上させた。また、繊維の脱落によるマイクロプラスチックの発生も抑えられる。
ユニチカトレーディングは、残存皮脂に起因する臭いの発生を低減するポリエステル新素材「バイスティン」を開発した。同社は不快な臭い残りの原因となる皮脂が繊維内にとどまることを防ぐために、繊維1本1本に機能剤を強固に結合させ複雑なネットワーク構造を形成させた臭い残り防止素材バイスティンを開発した。ポリエステル100%のニットで社内着用試験を行ったところ、15回以上の着用で56%が、30回以上の着用で100%が「バイスティンの方が臭い残りが少ない」と回答した。
帝人グループのパラ系アミド繊維「テクノーラ」が、7月30日に打ち上げられたNASAの無人火星探査機「パーセヴェランス」に搭載した着陸用パラシュートの一部の素材に採用された。テクノーラは同一重量で鉄の8倍の強度を持ち、耐衝撃性や耐熱性に優れる。ロープ、エンジンのタイミングベルト、航空宇宙用途などで活用されている。
帝人は超高分子量ポリエチレンテープ「エンデュマックス」を使った世界初のフィルム製高機能漁網「MX−4」を木下製網と共同開発し本格販売を始めた。従来の漁網は長期の使用で網の形が崩れて漁獲性能が低下するため、頻繁に修繕、交換が必要だった。MX−4は長期間の使用でも寸法が安定し、耐久性にも優れる。メンテナンス頻度を抑えて作業効率やコスト効率が向上し、廃棄物の抑制で海洋環境の維持にも貢献する。
過激な主張で知られる米国の動物愛護団体PETAが5月末に「アルパカが毛刈りで虐待を受けている」と動画を配信、アルパカ業界を大きく揺るがしている。欧米の大手アパレル企業に続き、ファーストリテイリングが21年秋冬物からアルパカ繊維を使わないと発表、日本の関係業界にも影響が及んでいる。他方、産地の4〜5km級の高地で他に生業がない小規模牧場群が生活権を損なうと訴えている。
加工糸・テキスタイルのおおまえ(滋賀県)などは抗菌防臭性を持つ柿渋糸「柿之助」を開発した。食品添加物である柿渋を用いることで安全安心な抗菌効果を持つ。広島大の研究によれば柿渋には抗ウイルス効果もあるということから、一般衣料だけでなくマスクなどの販売も見込む。下染めしてから柿渋を染めるため赤、青、グリーンなど様々な色に染められる。
トーア紡コーポレーションは、岐阜大学、三重大学、三重県工業研究所とともに再生炭素繊維の実用化に向けた研究開発に着手した。製品から取り出した炭素繊維は一定長にカットされているため、紡績糸にするしかない。この再生炭素繊維の紡績技術の構築が最初の難関となる。23年度には開発した技術を用いて再生炭素繊維を使った材料の製造・販売を行う計画。
ピッチ系炭素繊維を最外層に20%、PAN系炭素繊維をコア層に80%配置したハイブリッド化CFRPが、それぞれの単独使用のCFRPよりも力学的性質が向上することを見出した。ピッチ系炭素繊維を最外層に設けることで層間剥離が少なくなったことなどが寄与していると推定している。
尾州産地の染色加工場各社はコロナ禍による大幅な受注減を受けて、操業短縮などの対応を行っている。サプライチェーンの中では川上が一番遅く影響を受けて、一番遅く影響から脱するため、仮需の回復は遅いとみている。一方、抗菌・抗ウイルス加工や、ECへの対応などでウィズコロナの時代に沿った打開策を講じていく。
染色整理加工の鈴木晒整理(浜松市)は、グレープフルーツの種子とキシリトールの成分を配合した天然の抗菌・冷感加工「ボタニクール」を開発した。化学薬品を使わず植物由来のサステイナブル加工を提案するため開発。従来からグレープフルーツを使った抗菌加工はあるが、キシリトールによる天然の冷感機能を加えた点が珍しい。さらに、生地の風合いを損なわず柔らかなタッチを残して加工できるのも特徴で綿を中心に天然繊維全般に対応する。
ネクタイ地などの整理加工を行う高山織物整理(山梨県富士吉田市)は、グレープフルーツの種から抽出した成分を使った抗菌加工の展開を始めた。黄色ブドウ球菌などへの効果が確認されており、天然繊維と合成繊維ともに対応できる。布マスク生地への加工で需要が増えているという。
小松マテーレは、東芝マテリアルと共同開発した酸化タングステンを使った光触媒加工を用いた消臭素材「ム臭まい」を開発した。シュウマイ、フライドチキンなどの消えにくい複合臭を分解するだけでなく、アンモニア臭、シックハウスガスなど多くの臭気にも効果がある。車両内装材、カーテンなどの用途を狙う。
製品染めの内田染工場(東京都文京区)は、染め替えビジネスを本格化する。アパレルメーカーなどが抱えている在庫を染め直し、別の商品によみがえらせて顧客に戻す。まずは1社と提携して20秋冬物で展開を始める。B2Bの取り組みで始動するが、将来はB2Cにも広げる。加工料金は、ロットにもよるが、通常の製品染めと大きく変わらない。差別化を図るため、染め替えに加えて、抗菌やはっ水をはじめとする機能加工の付与も進める。
染料メーカーの有本化学工業、金沢工業大学、福井大学は共同で超臨界染色によるポリプロピレン繊維の高堅ろう度染色に成功した。分子中にポリプロピレンに似た構造を導入したキノン系染料を開発し、水系では扱いにくい同染料を超臨界二酸化炭素を用いることで染色を可能とした。アジア向け中心に有本化学工業が染料を製造・販売していく。
新型コロナウイルスの感染拡大で、ファッション業界が大打撃を受ける中、世界のファッションを牽引するパリやミラノでの新作発表のサイクルや形式を見直す動きが出てきた。背景には、商品のサイクルが短くなり、廃棄される商品が増え、環境に負担をかけていると批判をあびてきたことがある。
アパレルは供給過剰な市場で、デジタル化が進まず独自性のない企業は生き残れないことをコロナ禍が浮き彫りにした。「バッタ屋」大手のショーイチでは年間1千万点ほど扱っているが、今年はさらにもっと多くなりそうだ。経産省の16年報告書は、供給過剰を指摘し、改革の必要性を訴えていた。勝ち組のユニクロも危機感を隠さずデジタル化を加速させる。EC比率が60%を超える日本発のファッションブランド「Juemi」はコロナ禍でも伸び続けている。
OECDは新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、危機に対する政府や企業の責任ある対応についてレビューを掲載している。中で、「衣服と鉱物部門のサプライチェーンの混乱と悪影響」の例として、バングラデシュの欧米からの27億米ドルのキャンセル、それによる従業員の賃金支払いの滞り、大規模な工場の閉鎖が報告された。
デートに行ける作業着スーツ/「素人」の発想・支持を集め、メンズ下着で世界に挑む/元コンサルが磨いたブランド/店舗の接客、アプリで再現/リアル×ネット縫い合わせる…など、これらの今までになかった提供システムで成果を上げている例を紹介している。
生き残りをかけ、織物メーカーやニットメーカーが自ら消費者を開拓し始めた。オリジナルブランドを立ち上げ、ECで直接消費者に届ける(DtoC)。衣料品の販売不振が続き、アパレル生産を請け負うだけでは経営が立ち行かなくなると危機感が高まっていたところ、コロナ禍が背中を押した。
縫製会社の丸和繊維工業(東京都墨田区)は、島精機製作所と協業で無縫製Tシャツを開発した。人間の皮膚の分析から生まれた「動体裁断」技術と「ホールガーメント(WG)」横編み機を融合し、綺麗なシルエットと快適な着用感を実現した。通常、洋服のパターンは"つれ"を考慮してヌード寸よりも10センチ程度大きいサイズで作られるため、実寸よりも"ぶかぶか"になることがある。今回の新技術でそうした問題点の解消に成功した。
レナウンやブルックス・ブラザーズを例に日米の名門の破綻。オンワードを例に過去の成功体験から脱しようと事業構造の変革。さらにD2C、オフプライスなど、新たな潮流で台頭する企業を紹介している。
コロナ禍による世界的不況のなか、ベトナム北部にあるLGG社の縫製工場には外国企業から新たな注文が舞い込んでいる。米企業を中心に仕事が増え、業績は前年より1割伸びている。外国からの感染封じ込めに成功したと評価を得たベトナムではサプライチェーンを中国から移す外資系企業に期待がふくらむ。
20〜21年秋冬のレディスコートは軽く、薄く、シンプルでベーシック、機能性があって汎用性も高い企画が中心だ。型数も枚数も減らし、受け入れられやすくて奥行きをつけられるデザインの中に、どう工夫を盛り込んで差別化するかがポイントとなる。今秋冬は店頭販売を早めに収束させたいブランドが多い。年内に売り切る構えで、12月までに需要をとらえるために例年よりもやや薄く軽く企画している。
ビジネス関連アイテムへの逆風が強まるメンズ業界。クールビズの定着、大企業での服装の自由化によって苦境に立たされてきたスーツやネクタイに、コロナ禍が追い打ちをかけた。オフィススタイルの多様化どころではなく、テレワークの拡大によって従来型のビジネスウェアは絶滅の危機に瀕している。関連するメンズ革小物業界でも影響は計り知れない。キャッシュレス決済の普及によって財布の存在意義も様変わりしつつある。テレワークで仕事着がカジュアル化した結果、ウエストにゴム入りのイージーパンツを愛用し、ベルトをしない男性も出てきた。
在庫分析システムを提供するフルカイテン(大阪市福島区)が20日、アパレルの国内市場規模が25年に現在より1兆円以上縮小するという経済レポートを公表した。現役世代の消費力の減退とアパレル消費が少ない高齢世帯の急増、購入単価の続落を背景にアパレルの市場規模は18年の9.2兆円(矢野経済研究所調べ)から1.3兆円減の7.9兆円前後にまで縮小すると試算している。
SCを主力立地とする子供服専門店は、オムニチャネル化を加速する。子供服は大人服に比べてサイズアウトによる買い替え需要が高く、生活必需品の要素が強いため、店舗休業期間中にECの売り上げが大幅に伸びた。今後は、顧客一元化など利便性を高め、店舗数を維持しながら、EC化率の引き上げを目指す。
中国上場小売業の19年12月期決算は、百貨店主力の企業が低成長だったのに対し、スーパー主力の企業は堅調な業績だった。中国国家統計局がまとめた19年社会消費品小売総額は、38兆987億元、名目8.0%、実質6.0%の増。スーパーが6.5%増、百貨店が1.4%増だった。ネット販売の割合は、20.7%と20%を超えた(20年1~5月は、24.3%と急増)。
伊藤忠商事と丸紅がそれぞれ、新たな衣料品リサイクルに乗り出している。回収した古着を分解し、再び生地に仕立てる。ペットボトルを繊維にするリサイクルは普及しているが、繊維から繊維へは世界でも珍しい。消費者の環境意識が高まるなか、大量生産と大量廃棄というアパレルの構造問題に一石を投じる。
夏の風物詩だったバーゲンセールが、新型コロナウイルスで一変している。3密を避けるため目立った販促キャンペーンが打てず、例年は顧客でにぎわう店頭も今年は閑散としている。かわりに盛況なのがアパレルの在庫買い取り業者で、売れ残った衣料品が大量に流れ込んでいる。アパレル各社にこれ以上の在庫を抱える余力はなく、セールを前提とした大量生産モデルの修正を迫られている。
繊研新聞社は商社の19年度繊維事業業績アンケートを実施した。回答企業26社の大半が減収だった。26社の売上高合計は2兆4893億円で18年度比8.1%減。上期は比較的堅調だったが、下期に入り暖冬による秋冬物の不振、10月の消費増税、そこに新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかけた。
三越伊勢丹は、全身のサイズを5秒で測れる技術を使い、女性向けに最適な服を提案するサービス「マッチパレット」を始める。ワコールが持つ3Dの計測技術を活用し、利用客の体型に合った服が選べる。採寸で店員と接触する機会が減り、新型コロナウイルス感染防止も期待できる。
デジタル技術の活用で、サンプル作成など生産工程のリードタイムを短縮するとともに、高性能のCG画像を使ったECでの先行受注で無駄な物作り削減できるデジタルトランスフォーメーション(DX)が商社で加速している。展示会でも、リモートによる商談が可能なDXの進展が欠かせない。
小売業の成長にブレーキがかかった。日経MJの小売業調査19年度では、全体の総売上高の伸び率は2.4%増と、18年度調査から1.4ポイント鈍った。インターネットを含む通信販売は好調だったが、消費拡大のけん引役だったインバウンドが減速。百貨店の落ち込みに拍車がかかった。20年度は新型コロナウイルスの感染拡大で巣ごもり消費が浸透。都市型店舗からより身近な生活圏の店舗へと消費の潮流がシフトしつつある。
新型コロナウイルスの影響で多くのSCが苦戦するなか、地域に密着した施設が健闘している。感染予防のため、生活圏で買い物する消費者が増えたためだ。足元商圏客のニーズに即したテナントや業種を揃える東京の都市近郊の駅ビル・ファッションビルは都心で買い物していた客も取り込んでいる。
繊研新聞社がまとめた百貨店店舗別売上高によると、19年度の百貨店総売上高(回答のあった142店)は、5兆1557億円となった。増収したのは、全体の約1割の18店にとどまった。18年度と比較可能な47社の内、8社が増収、営業利益は34社中5社の増益にとどまり、ほとんどの店舗・企業で減収、減益基調が続いている。
商社の中期経営計画が20年度から始まった。日本市場だけでは厳しいため、既存事業を磨いて収益基盤を固めながら、海外での販売や新分野・市場を狙った新規事業などの成否が成長を左右する。新型コロナウイルスの影響で苦戦が予想されるだけに守りを重視し、残り2年で大きく伸ばす計画。
派遣のアイ・ディ・エーが大都市圏の衣料品店での覆面調査で、新型コロナウイルスが感染拡大する前後、接客の満足度は下がらなかったとの結果が出た。マスクを着用しての接客を容認する声も多く、担当者は「期待値が下がって印象が悪化しなかった」とみている。
繊研新聞社が実施した「19年度専門店ランキング調査」がまとまった。前年と比較可能な107社の売上高合計は4兆6721億3600万円で前期比0.3%減となり、09年度調査以来の減収となった。減収企業が全体の6割を占め、増収を果たした企業の伸び率も鈍化した。粗利率低下、販管費率上昇も続き、営業・経常利益も減益傾向だった。
日経MJのよる「第48回日本の専門店調査」19年度は総売上高で2.4%増、増加は5年連続。割安感で節約志向の消費者をつかんだ企業が堅調だった。新型コロナウイルスで環境が大きく変化した20年度は、価格競争力がさらに重要になりそう。カジュアル衣料は0.3%増えたが、少子化などの影響で落ち込みが続いている。婦人服・子供服は、暖冬・冷夏が響いて、売上高は2.5%減だった。紳士服も暖冬の影響でコートなど重衣料が伸び悩んだほか、消費増税に伴う価格変更で販売が苦戦、売上高は6.2%減。
新型コロナウイルス禍で、通販サイトでの不正決済が増えている。SOMPOリスクマネジメント・サイバーセキュリティ通販サイトでクレジットカード番号の流出などによる不正決済額は2〜5月の推計で約190億円と前年同月に比べて2割増えた。店舗の休業が多かったアパレルや需要の高まったマスクなど、「巣ごもり」需要が狙い撃ちされた。いずれも「コロナ禍で需要が高まった商材が中心」で、アパレルの不正決済額は3.3倍に。
地方での百貨店閉鎖が止まらない。郊外型商業施設やネット通販といった競合への劣勢に加え、新型コロナウイルスによる外出自粛が追い打ちとなっている。百貨店の撤退は都市中心部に巨大な空き家・空き地を生み、街のにぎわいを損なう。跡地利用が決まらなければ都市の衰退が加速するだけに、地域の悩みは深い。
繊研新聞社が実施した「第25回全国主要SCアンケート調査」によると、百貨店、GMSなどの核店舗を除いた19年度のSCの施設別売上高が増収になったのは全体の約4分の1にとどまった。17年度が7割、18年度でも6割が増収を確保していた状況から様変わりした。消費増税や気候の影響もあるが、年度末のコロナ禍の影響が大きい。
全米小売業協会が、オンラインコンファレンス「NRF NXT」を開催、コロナの影響による消費者行動の変化が報告され、2種類の消費者に大別されることが明らかになった。「店が再開したらすぐ今まで通りに買い物に行く」(40%)、「自宅待機命令が解除されても店には行かない」(42%)である。
「第49回日本の卸売業調査」19年度で、全14業種の売上高の合計が前年度を0.8%上回ったが、営業利益は6.5%減で2年連続で減少した。コロナ禍で生活様式が大きく変わるなか、卸が存在意義を高めるには、集まってくるデータを宝の山に変える「分析力」が欠かせない。繊維卸では売上高の合計は4.9%減った。営業利益は25.2%減だった。消費者の低価格志向が強く、大手アパレルを中心に販売が低迷。そこに新型コロナウイルスが追い打ちをかけた。
有力百貨店のベビー・子供服売り場では、オンライン接客を中心としたデジタル活用が急速に進んでいる。入卒や受験などの機会や、出産準備といった必需品の需要が強い一方、コロナ禍で気軽に来店できない状況が続いている。百貨店ならではの専門性の高い接客を生かしながら、いかに顧客とつながり、安心できる環境で買い物をしてもらえるか。新たな接客サービスが広がっている。
紳士服大手が、秋冬商戦に向けて洗濯可能なスーツを強化している。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、衣料品に対する消費者の衛生意識が向上。従来は気温の高い夏向けの主力商品だった洗えるスーツが、秋冬でも需要が増すと予測する。各社は在宅勤務向け商材も増やし、ニューノーマル(新常態)で変わる仕事着需要に対応する。
百貨店子供服売り場が岐路に立たされている。新型コロナウイルス感染拡大の影響でブランドの撤退に拍車がかかり、都心の旗艦店でさえもその穴を埋められない状況にある。売り場縮小が視野に入るなか、これをチャンスとして出店を拡大するメーカーや、百貨店側も提案の幅を広げるなどで売り場の維持を目指す。
汗で汚れた夏物衣料は、ウエットクリーニングによる事故が発生しやすい傾向にある。事故防止には、その商品の染色堅ろう度のチェックに加え、@水による弊害への配慮、A環境配慮、B素材別配慮も必要となる。Aは、過去にテトラクロロエチレンによるドライクリーニングを実施したことが明らかな洗たく物は、ウエットクリーニング処理により溶出、排出される懸念がある。
京都のクリーニング店では、機材の切り替えに合わせてフッ素系の新溶剤1233ZLIVEとその専用機を導入。これにより従来の溶剤、専用機に比べ、温暖化係数の削減が期待でき、溶剤ロスもほとんどなく、SDGsを実現する仕組みとして注目されている。衣服の飾り物やボタンなどへの影響は石油系と異なるため、事前にお客様の了解を得てから処理し、弁償になったケースはない。
春になって冬物の重衣料を洗濯に出すという生活シーンが、新型コロナウイルス感染の影響で激減した。テレワークが進むとカジュアル化はさらに進む。少子高齢化や家庭洗濯の増加、クリーニング現場の人手不足という構造問題も続く。こうした苦境を打破しようと、若い経営者を中心に、新しいビジネスモデルで活路を見いだす動きが目立つ。
05年から18年におけるPRTR法に基づくテトラクロロエチレン(パーク)の排出、移動量の推移がまとめられている。その中で、18年度の届け出事業所数は64事業所で前年比7.2%減となり、排出・移動量は313t、8%減であった。排出・移動量の内訳として、大気への排出量は141t、1.2%減、廃棄物としての移動は172t、13%減だった。
全ク連クリーニング綜合研究所が19年度に受け付けたクリーニング事故衣料品鑑定の件数は、前年から4件増え137件。事故の内容別では「色の変化」71件、このうち32件は「変退色」であった。続いて、「損傷・形態変化」58件で、「穴あき」が22件と最も多かった。
洗浄に関する研究のうち、機械力を中心とした物理作用とくに流動挙動から解析したものは少ない。本稿は、流体や流れに関する解説と著者が長年にわたり取り組み明らかにしてきた界面活性剤の流動特性に関する研究成果の一例を概説している。機械力としては比較的やさしい作用の流体力を有効活用することで、界面活性剤の化学作用の一部を代替し、洗剤使用量の低減が期待される。
クリーニング業とは何か、欧州、米国のクリーニング業界の今、クリーニング方法、クリーニング店の経営課題そして各地域の家庭洗濯事情について概説している。また、欧州、米国のクリーニング業を俯瞰する中で、永続するクリーニング業とクリーニング業を取り巻くステージという考え方についても言及している。
総務省統計局が公表した上半期の結果を受け、日本クリーニング新聞が1世帯あたりの1〜6月のクリーニング代支出額をまとめた。その結果、2,789円、前年同期比19.9%減となった。東日本大震災のあった11年の13.3%減以来の大幅減となった。
近年の強烈な日差し対策として必須アイテムの帽子のクリーニングにおける取り扱いを紹介している。人気のペーパーハットは洗浄は比較的簡単で付属品の取り付け方法の確認をしっかり行うことでトラブルを回避できるが、麦わら帽子や高級素材トキヤ草を使用したパナマハットは劣化による影響が生じやすいので注意が必要である。汗除去、こだわりの帽子などハードルは高いが今後の市場として期待できる。
プラスチック製レジ袋が7月から有料化された。マイバッグを携えて買い物を楽しむもう一つの「新しい生活様式」が浸透していきそうだ。ただ、コロナで衛生面の意識が高まる中、繰り返し使うマイバッグに不安を抱く人も少なくない。スーパー利用客のうち、マイバッグを洗ったことがない人が51%を占めた。専門家は、正しい手入れをしなければ、マイバッグがウィルスの温床となりかねないと注意を促す。
海外ファッションを運営するエニグモによると、緊急事態宣言下で売れた商品1位は、男女ともに「Tシャツ・カットソー」だった。ルームウェアのようにゆったり過ごせるカジュアルウェアが顕著に伸びた。男性はハーフパンツ、女性はストレッチが利いたレギンスが売れた。
新型コロナウィルス対策で手指や物品に使う消毒・除菌用品は、多種多彩なものが店頭に並んでいる。中でもエタノールを使った製品は一時、品薄状態となるほど需要が高い。しかしこれらの成分表示を見ると、効果の目安となるエタノール濃度などが表示されていないものが多い。国民生活センターでは、「商品を購入、使用する際には、成分は何か、手指に使用してよいか等、広告や表示をよく確認してほしい」と呼び掛けている。
新型コロナウイルスの感染拡大で一気に品薄となったのがマスクだ。花粉症の季節が重なったのも相まってインターネット上での高額転売も横行した。国民生活安定緊急措置法26条では、「国民生活の安定」に影響が大きい物資を対象に他人への譲渡を制限できると規定する。政府は施行令改正でマスクを対象に含め、購入価格より高く転売するのを禁じた。一方、米国の国防生産法は朝鮮戦争の対応で制定し、産業界に対する強力な統制を可能にする。日本は、平時から緊急事態に匹敵する感染症対策を想定し、物資をどう確保するかの議論を詰めていなかった。専門家は、ルール化が必要と指摘する。
米中摩擦や新型コロナウイルスの感染拡大で世界中に張り巡らされたサプライチェーンが揺らいでいる。アメリカのアパレル『アメリカン・ジャイアント(AG)』の供給網をたどり「自国回帰」の声が高まる米国のいまを追う。ウインスロップCEOは自由貿易が仕事の原則、金もうけだけを追う人生に疑問を持ちAGを起業した。綿花農場、紡績工場も自国で直接つながっているアパレルメーカーだ。
ネット通販で1回だけのお試し購入と思わせて、複数回の契約を結ばせる「定期購入」商法によるトラブルが急増していることを受け、消費者庁は規制の強化に乗り出す。7月28日に開かれた同庁の有識者検討会で規制の実効性を高める対策の骨子が固まった。
今年の夏は屋外でマスクをつけることが多い。「日傘男子」という言葉が話題になっているように、熱中症の危険性が叫ばれる中、紳士用の日傘の需要は年々増加している。かばんの中に常備するのは、日よけとしてだけでなく、急な雨にも備えられる折り畳み式の晴雨兼用傘が便利だ。老舗傘メーカー「オーロラ」からは今年初めて、ハンドル部分についているボタンを押すだけで、自動で開閉するタイプが登場した。
0〜5歳の乳幼児がエスカレーターのステップや手すりなどに挟まれてけがを負い救急搬送される事故が、東京消防庁管内で15年からの5年間で23件起こっていたことが分かった。いずれも命に別状はなかったが、入院が必要な中等傷のけがも3件あった。発生場所はスーパーやショッピングモールが最多。同庁は事故防止のポイントとして「衣類の裾に注意する」などを挙げている。
通販サイトの利用者が購入した商品の評価を投稿する「レビュー機能」を巡り、出品者側が利用者に報酬を払い、ウソの投稿を依頼するケースが後を絶たない。出品者側がSNSで投稿者を募り、自社商品の評価をつり上げているとみられる。サイトの規約で禁じられているほか、不当表示を禁じた景品表示法などに抵触する恐れもあり、消費者庁は対策を強化する方針だ。
新型コロナウイルスの感染拡大で外出が控えられ、ネット通販の利用が増える中、宅配便の不在通知を装った偽のショートメッセージが相次いで確認されている。金融機関の偽サイトに誘導して入力させた口座番号やパスワードを使い、勝手に送金して金を騙し取る手口だ。宅配便の不在通知と金融機関のサイトは関連性がまったくない。「冷静になって、おかしい、と気づいてほしい」とフィッシング対策協議会は話している。
繊研新聞社が、21春卒業予定のファッション専門学校生を対象に実施した「ファッション意識調査」(回答者数1253人)では、有力SPAで票を伸ばしたブランドが目立つ。中でも、ザラは、好きなブランド、よく買うブランドの両方で1位を達成した。よく買い物をする場所では、項目別ではファッションビルが1位だが、2項目に分けたネットショップが合計では断トツの1位。メルカリやロードサイドチェーン店が票を伸ばした。ネット販売を月に1回以上利用する人が約55%と増加傾向が続いている。
急速な高齢化が進むと大人用おむつの需要拡大が予想される。その中で挙げられる課題の一つとして「臭い」がある。本報では、臭い成分にポリフェノール酸化酵素を作用させて強制的に酸化させることによって消臭効率を劇的に上昇させた開発事例を解説する。
日本は要介護・要支援認定者が増加する。要介護状態の要因として、ロコモティブシンドロームがある。足形や歩行の加齢変化の特徴とともに、シニア世代で頻発する「転倒」や「変形性膝関節症、外反母趾」の傾向と、シューズへの予防・対策施策を解説する。
サンエスは、ファン付きウエアの内側に着用し、服に浸潤させた水の気化熱を利用して冷却効果を得られる水冷シャツ「水神服」を開発した。自社の実験では2時間半の間、体表温度を5℃下げる効果が得られた。
「低気圧や気候によって頭痛になったことがある」と回答した人に、頭痛予測アプリの「超警戒日」にシルク着圧オーバーニーソックスをはいてもらったところ、約75%が「楽になった」「少し楽になった」と回答した。砂山靴下は、この結果を基に「天気頭痛対策専用着用ソックス(仮)」の開発を計画する。
ソニーは、インナーウエア装着型ウエアラブルサーモデバイス「レオンポケット」の一般販売を始める。本体を専用インナーウエアに装着、スマートフォンアプリ経由で冷温の調節(それぞれ4段階)を行う。人によって暑さや寒さの感じ方はさまざまだが、個人に合わせて温度がコントロールできる。「オートモード」「マイモード」「クイック起動」などの機能を持ち、屋内外の多様なシーンで着るクーラー≠ニして使える。
ワコールは、「見えないクールビズ」を切り口にした接触冷感肌着や、汗対策を強化した肌着などを重点商品に販売する。樹脂製冷感シートをプリントした「スゴ衣快適プラス接触冷感」のキャミソールや、綿100%ながら接触冷感性のある「綿の贅沢クール」の2分袖肌着を提案する。
環境温度の変化に応じて吸熱と放熱を可逆的に行うことのできる温度調整機能を有する新規樹脂を開発した。部分的な相転移(吸放熱)を利用するものであり、生活環境温度で吸放熱することが出来る樹脂である。この樹脂は、繊維等への形態にして利用することが出来る。
東レはNTTテクノクロス(東京都港区)、ゴールドウインとの提携による「暑さ対策プロジェクト」として、心拍数と衣服内の温湿度を計測できるセンサーと専用ウエアを組み合わせ暑熱環境下での体調不良の予兆を検知する「暑さ対策サービス」を8月から開始した。心拍数と衣服内の温湿度を同時に計測できるシャツ型センサーを初めて商品化。専用ウエアに装着する小型センサー「TX02」の重さは約12グラムで約50時間連続使用ができるため利便性も両立させた。
デサントは8月初旬から、頬を冷やす「適温クーリングフェイスガード」を販売する。水をベースにした安全な材料で12℃をキープする「テキオン」蓄冷材で、頬にある「AVA血管」と呼ばれる体温を調節する特殊な血管を冷やす。屋外でのジョギングやウォーキング、作業時に適している。
米国の冷却素材クールコアは、独自の糸の組み合わせにより、生地に水分を吸い上げて水分の移動と蒸発を促し、気化熱を利用して冷却効果を示す。スウェーデンの抗菌・防臭加工技術のポリジンは、塩化銀を後加工し臭いの原因となるバクテリアの成長を抑える。ボンマックスが発売したクールコアとポリジンの両方を採用したコンプレッションウェアは、涼しく防臭機能があり好調な売れ行きである。
帝人は、膨らみを抑制したファン付きウェアを開発した。裏地と表地との間に空気の通り道を作り、必要な個所から空気を流す仕組みである。例えば、表地に透湿耐水織物を使い空気を外に逃がさない一方、裏地からは肌側にじわっと空気が漏れ出る生地を使う。このことによって快適でスマートなシルエットを実現する。
大きな胸の女性向けのファッション下着を企画・販売するティエドールは、ブラジャーと肌の間に着るブラジャーを発売した。胸の谷間や下部、脇の汗を、ブラの下に吸水・速乾・消臭機能のあるシルクのブラを1枚着用することで快適に過ごすことが出来る。世界初の商品である。
日系検査機関・検品会社のアジア事業はコロナ禍で大きな打撃を受け、前年実績を割り込んでいる。業務は平常通りに戻ったところも多いがその量はいつ平常に戻るか、見通しも立たない状況。当面の対応策を探りながらも、アジアでの事業の確立・拡大に向けて準備を進める姿を紹介している。
日本繊維製品品質技術センター(QTEC)は、エタノール消毒液を用いた染色堅ろう度試験の受付を開始した。新型コロナウイルス感染拡大を背景に、アルコール消毒を行うことが習慣となっている。アルコール消毒の原料が主にエタノールである。これが衣類や靴などに付着すると、色や加工方法、素材の種類によって外観を損ねたり、ほかのアイテムへの汚染を引き起こす可能性がある。試験はエタノール試験(JIS L 0846準用)、エタノール滴下試験(JIS L 0853準用)、エタノール摩擦試験(JIS L 0849 I型準用)。
近代産業として日本を支えた製糸業の歴史を伝える「片倉シルク記念館」(埼玉県熊谷市)。製糸機械を間近で見学できるほか、生糸の生産過程や当時の暮らしぶりも学べる。
日本繊維産業連盟は、定例記者会見で年初発表した「2030年にあるべき繊維業界への提言」を加速して進めなければならないとした。デジタル化やサステイナビリティへの対応、人材の確保などを急ぐ。
世界中に広がった新型コロナウイルスの感染拡大の影響でアジア各国の繊維産業があえいでいる。欧米や日本など主要市場で衣料品需要の回復が鈍く、受注が落ち込み苦戦。ベトナム、タイ、インドネシア、バングラデシュ、フィリピンに進出する日系繊維企業に現状を聞いている。
北陸は繊維の一大産地で、日本の織物のおよそ半分が北陸3県でつくられている。人口1人あたりの繊維工業の年間出荷額をみても福井県が31万円と、全国平均(3万円)を大きく上回り1位。石川県は2位、富山県も9位と上位に。北陸は綿や絹の生産が盛んで繊維産業が発展した。なかでも湿度が高く静電気が起きにくい環境などから、川中企業が集積した。
@11月5日(木)〜6日(金) AオンラインによるWEB開催(Zoomを利用)B以下のセッションを予定 繊維・高分子材料の創製、繊維・高分子材料の機能、繊維・高分子材料の物理、成形・加工・紡糸、染色加工、テキスタイルサイエンス、天然繊維・生体高分子、ソフトマテリアル、バイオ・メディカルマテリアル、若手研究会特別セッション(依頼講演のみ) 会員・非会員を問わず参加者を募集しています。特に学生発表者の申し込みを歓迎いたします。C繊維学会пF03-3441-5627 office@fiber.or.jp
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:小林茂雄/発行人:近藤美文