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行 政 ★改正割賦販売法21年4月1日施行
素 材 ★茶カテキン配合ファイバーを開発
加 工 ★"新型コロナに効果確認
アパレル ★RCEPに15ヵ国が合意・署名 日中繊維品の関税の多くが撤廃
流 通 ★商社が気象協会と提携 アパレル需要予測サービス
クリーニング ★ダニ・カビで追い風に
消 費 ★服作りで学ぶ倫理的消費
健康・快適性 ★"着るウイルス対策"うたい
品質管理 ★検査機関はどんなとこ?
その他 ★産学連携授業、環境配慮型が増加傾向・
特許庁は海外事業者による越境ECなどを通じた模倣品の販売を取り締まるため、商標法改正を検討する。11月に産業界関係者や有 識者を集めて開いた産業構造審議会知的財産分科会の第6回商標制度小委員会で方針案を示した。21年1、2月に他の制度改革案なども盛り込んだ報告書を委員会として承認し、改正法案を国会に提出する。
経済産業省は、ITサービス導入や経営資源の有効活用などによる生産性向上、積極的な海外展開やインバウンド需要の取り込み、多様な人材活用や円滑な事業承継などで優れた中小事業者を対象とする「はばたく中小企業・小規模事業者300社」を選定した。繊維・ファッション関連企業では、生産性向上分野で河田フェザー、ナチュラルクリーンなど、需要獲得分野で山口産業、福井経編興業、ナールスコーポレーションなど、担い手確保分野でアルデックス、ナカニなどが選ばれた。
消費者庁は、セール中は1万円、セール終了後は1万5000円、こうした将来の販売価格を引き合いに出して消費者をひき付けようとする手法について、景品表示法に基づく目安づくりに乗り出す。過去の実績に基づいて割安さを訴える手法に比べて基準が曖昧なため、明確化することで企業の誤認表示を未然に防ぐ考え。
総務省の家計調査で、婦人用下着の実質支出6〜8月は洋服を20ポイント以上、上回った。自宅で過ごす時間が増え、実用性や機能性の高い下着の需要が伸びている。外出自粛が緩和された夏以降は売れ筋が中高級の価格帯へと広がり、洋服に比べて健闘ぶりが目立つ。
文部科学、厚生労働両省の調査で、21年春卒業予定の大学生の10月1日時点の就職内定率が69.8%で、前年同期を7.0ポイント下回った。96年の調査開始以来、リーマン・ショック直後の09年調査(前年比7.4ポイント減)に次ぐ下げ幅だった。近年は増加傾向が続いていたが、背景に新型コロナウイルスの影響を受けた業界を中心とした採用意欲の低下などがある。
政府と日本経済団体連合会、日本商工会議所、日本労働組合総連合会で構成し、大企業と中小企業の取引適正化と生産性向上などに向けた施策を議論する官民会議「未来を拓くパートナーシップ構築会議」が11月に開かれ、主に5月で基本案をまとめた自主行動宣言「パートナーシップ構築宣言」を議論した。「振興基準」の順守や事業継続計画などの支援などサプライチェーン構築による「共存共栄」に向けた姿勢を企業経営者に求めるものとなっている。
政府は「中堅・中小企業・小規模事業者の活力向上のための連絡会議」を新設、12月9日に第1回会議を開いた。取引条件の改善、最低賃金引き上げへの対応、生産性の向上、長時間労働の是正など課題の実態を把握し、支援する施策を議論する。
政府は6月の通常国会で成立した改正割賦販売法の施行を21年4月1日にすることを閣議決定した。コード決済などの少額決済後払いサービスの提供者と高度な審査方法を用いる事業者を新たに規制対象にする。
政府は21年度の実質GDP成長率の見通しを4%程度とする方針。3.4%だった7月時点の見通しを上方修正する。12月8日にまとめた追加経済対策による押し上げを見込む。20年度の成長率は新型コロナウイルスの感染再拡大を踏まえ、マイナス4.5%からマイナス5%台前半に下げる。
政府の20年度第3次補正・21年度当初予算の「15ヵ月予算案」における経済産業省の予算額は、5兆9221億円になる。50年のカーボンニュートラル実現に向けた企業の研究・開発支援やデジタル改革に対する額などが大きいが、中小企業対策を中心に、繊維・ファッション企業が利用できる補助金も多く盛り込まれている。未曾有の危機を乗り切るために、必要な企業は積極的に活用すべきとしている。
繊維分野の国際標準規格(ISO)や日本産業規格(JIS)の開発・提案を担う繊維評価技術協議会(繊技協)が成果を上げている。20年は新たに日本で一般的な試験機を使った繊維製品の摩擦堅ろう度試験方法のISO化を実現した。「JIS L 0849 摩擦に対する染色堅ろう度試験方法」で使用する摩擦試験機U型(学振型)を用いたもので、日本では70年近く使われている試験方法であり、データの信頼性や作業効率に優れる。
筆者らは紫外線(UV)反応性高分子の溶液をエレクトロスピニングしながらUVを照射して直径2 nmから5.5μmのゲル繊維を得ることに成功した。非晶性アクリルアミド系ゲル繊維と、結晶性アクリルアミド共重合ゲル繊維を得ており、溶液濃度、紡糸条件と繊維径の関係を調べた。
中川絹糸は、シルク50%・綿50%の国産紡績糸を開発した。ウォッシャブルシルクと長綿のピマ綿の組み合わせで、同社の混紡用スライバー「シルクアジャストスライバー」を生かして形にした。シルクアジャストスライバーは繊維を一定の長さに揃えて連続したスライバーに加工する独自の方法。ネップの発生を抑え、複合する繊維の長さに合わせてシルクの繊維長を決めることができるため、混紡糸の安定生産が可能という。
小松マテーレは、独自の繊維改質加工により水分を拡散させる機能を高めたことで、綿100%よりも吸水速度が速く、また、乾燥速度が従来の綿・ポリエステル混素材よりも30〜50%速くなった素材を開発した。寝装具、ユニフォーム、ファッション、スポーツ衣料などに展開する。
GSIクレオスのマテリアル部は、静岡茶を利用した抗菌性試験の合格基準値の約3倍の抗菌性を有する繊維「カテキンファイバー」を開発し、11月から本格販売を開始した。この繊維は特許出願中の独自製造技術を用いて、茶カテキン配合の茶の実オイルをレーヨンに練り込んだもの。後加工と異なり、繰り返し洗濯しても抗菌性を持続する。繊維評価技術協議会の認証判定委員会は、制菌加工(一般用途)で「適合」と判定した。
サステナビリティーの注目が高まる中、ナイロン糸でも植物由来やリサイクルの商品が増えつつある。再生ナイロンは工場から出る糸くずの再利用に加え、漁網など廃棄物の再利用も進み始めた。植物由来はそれぞれの企業で素材特性が異なり、新たな訴求ポイントにもなっている。サステナビリティーだけでなく、ナイロン6とは異なる糸特性も訴求ポイントとなる。
ダイワボウレーヨンがサステナブルな素材の開発を強化している。一つは古着など不要になった綿の繊維製品を再利用したレーヨン「リコビス」だ。木材パルプ由来のFSC認証レーヨンを75%、残り25%は繊維製品を化学的に分解してセルロースを取り出し、再度レーヨンにしたものを使う。海洋生分解性レーヨン「エコロナ」は8月に製品の海洋生分解性を証明する国際認証「OKバイオディグレイダブル・マリン」を取得した。
旭化成は、スパンデックス「ロイカ」事業でサステナビリティーや独自性をさらに追求し、積極的な設備投資を進める。ドイツで先行したリサイクル糸「ロイカEF」、生分解性の「ロイカV550」を来年以降に日本やアジアでも生産を開始し、グローバルに事業を高度化していく。
桐たんす製造の留河は、桐のパウダーを和紙に練り込んでスリットし、撚糸した桐糸を開発した。桐ならではの吸湿性、消臭性、防虫効果に加え、和紙糸の抗菌性、吸水性なども併せ持つ糸で、ニットや織物としての活用を見込む。高い吸湿性や吸水性に加え、端材を活用したサステナブルな素材としても注目を集めている。
東レは和紙のような風合いと機能性を両立したポリエステル織・編物「カミフ」を開発した。糸束の構造を複雑にし、生地表面に不均一な凹凸を出すことで表現できると考え、原糸の"ねじれ"を追求。ナノデザインにより、成分の異なる3種類のポリマーを精密に配列する扁平のC型断面ポリエステル繊維を開発した。ポリマーの一部は自社工場のフィルムくずから再生し、環境にも配慮した。
日鉄物産は、廃棄衣料から作られるリサイクル糸の独自ブランド「BRICO(ブリコ)」の販売を開始する。インドの紡績会社が製造するリサイクル糸を、多様なアイテムに向け提案する。回収した古着を粉砕する前に色や素材で仕分けする手法で、染色なしでもカラー展開ができる付加価値を訴求し、サステナブル・ファッションの需要を掘り起こす。ブリコは「コットン」「ウールブレンド」「デニム」の3カテゴリーに分けて提案する。
田村駒は、リサイクルコットン、漁網リサイクルナイロン、リサイクルポリエステルなどのエコ素材を一気に拡充した。特にリサイクルコットンは、中国大手メーカーと組み、裁断くずや残反などを再利用するためトレーサビリティーが確保されている。ネップ、スラブなどがほとんど無く品位が良いのが特徴。今後はナイロン混などを増やす予定。
東洋紡グループが新しく開発した改質抗菌防臭原綿「エービーコット」は、大腸菌など幅広い菌に対し6前後の高い抗菌活性値を有する。抗ウイルス性は試験中。機能性を持つ綿素材群「コット」では、オーガニック綿とシルクを交織した低通気の織物を開発。高密度に織り上げることで、通気度を抑えた。抗ウイルスアクリレート「ヴァイアブロック」は、改質によって酸性にしてウイルスの活動を抑える。
オランダのテイジン・アラミドB.V.はパートナー企業と共同でバイオ由来の原料を使用したパラ系アラミド繊維「トワロン」の生産技術を開発した。使用済みの植物油脂から抽出した成分を使い、原料の92%をバイオ由来にすることを可能にした。本格生産に向け、研究開発を推進する考え。
スタイレムは藤井整絨と抗ウイルス・抗菌防臭加工「バイロフ」を開発した。ウールやセルロース繊維、ポリエステルなど様々な繊維への加工が可能で、難しかったウールに対応できるよう開発した点が特徴。「ウールに加工しても洗濯すればすぐに機能性が失われてしまうのが課題だった」ことから、10回洗濯しても効果が持続するよう加工剤とバインダーの組み合わせを工夫した。
シキボウはこのほど、同社の抗ウイルス加工「フルテクト」を施した機能素材が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する抗ウイルス効果があることを確認した。試験は、フルテクト加工を施したレーヨン100%不織布と綿100%織物を対象に「JIS L 1922 抗ウイルス性試験」に準拠して実施。洗濯前と洗濯10回後ともに、それぞれ繊維上のウイルス減少率99.9%以上となる結果を得た。
糸染め加工の森保染色(愛知県)は、セルロース系や動物系短繊維に比較的安価な銅を使った加工糸の販売を開始した。銅はウイルスの不活化や制電、電磁波遮断などの効果があり、同社のメッキ加工糸およびイオン付加加工糸は金属線に比べて合理的なコストで提供できるとしている。
染色加工の岐センは、天然由来原料加工の「エコモ」の増産を計画する。エコモは持続可能な社会に貢献するための加工の総称ブランド。ヤシ由来の非フッ素系撥水加工やグレープフルーツ種子由来の抗菌防臭加工などを含む。エコプラントはザクロ、ラックダイ、クワノハ、クチナシなどから抽出した染料を用い、ポリエステルを改質して染料を定着させる特殊加工を活用した。ユニフォームを手始めに販売を広げる。
捺染機メーカーの東伸工業は昨年のITMAで発表した靴下用デジタルプリンター「ギンガ」が好評。ギンガは世界的に珍しい靴下専用プリンターで筒状のアタッチメントに靴下をかぶせ、本体内で筒が回転しながらインクジェットヘッドで絵柄をつける仕組み。白地ベースさえ用意すれば小ロット対応で柄展開できる。在庫レスの生産モデルが注目されるなか、靴下以外にTシャツ関連への拡充も視野に入れる。
ゴールドウインは、バイオベンチャーのスパイバーと共同開発してきた構造タンパク質素材「ブリュード・プロテイン」(BP)を使った第3弾となる「ザ・セーター」を販売する。ウール60%、カシミヤ10%、BP30%を混紡して作ったモックネックの黒セーターである。国内だけでなくデンマーク、フランスなど11カ国で販売する。
業界が激変するなか、デジタル技術への関心がますます高まっている。日本最大級のIT展示会、ジャパンITウィーク秋20では、ファッションビジネスの業務プロセスのデジタル化を促進するサービスや製品が多数提案された。CX調査の簡単化、イベントマッチングプラットフォーム、適正・過剰・不良在庫の可視化など、ニューノーマルに向けたサービスや製品が紹介された。
日本、中国、韓国と豪州、ニュージーランド、ASEANの15カ国が、自由貿易圏構想「地域的な包括的経済連携(RCEP)協定」に合意、署名した。インドは加わらなかったが、世界のGDPの約3割、日本の貿易総額の約5割を占める地域の連携協定で、物品・サービス貿易や原産地規則、知的財産、電子商取引など20分野に関するルールを整備した。これにより、繊維・繊維製品のほとんどの関税が撤廃され、域内での日本製品の輸出促進が期待される一方、輸入も増加し、国内市場での競争激化も予想される。
ファッション&テキスタイル企業が環境負荷軽減のために同盟した「ファッション協定」の発足から1年が経過した。10月にデジタルで開催されたコペンハーゲン・ファッションサミットで、本協定メンバーから初のリポートが発表、同時に50年までにカーボンニュートラル達成を前提とし、再生エネルギー利用を25年に50%、30年に100%を目指すなど、具体的な目標が設定された。
ワークウエア製造卸のバートル(広島県府中市)の今期売上高は前期比32%増の130億円になりそうだ。売上高が100億円を超えるのは初めて。電動ファン(EF)付きウエア「エアークラフト」や、定番商品の販売拡大が大きく貢献。ブランディングをぶれずに強めてきたことが成長につながった。エアークラフトは前年より2〜3割増の販売量でほぼ完売した。
あらゆる分野で持続可能性への取り組みが盛り上がりを見せているが、繊維・ファッション産業でも同様である。地球環境や人権・社会に配慮した製品やサプライチェーンに関する認証への参加やラベル取得への関心が高まっている。ここでは、オーガニック原料、安全性や社会・環境負荷低減、サステナブルコットン、地球温暖化抑制への取り組みが示されている。
ターンアラウンド・マネージャー河合拓の寄稿で、衰退傾向にある繊維・アパレル産業の30年間の経過を説明。今後のために、競合先からの顧客の奪取を考え、そのために圧倒的生産性の実現と人材育成が急務と提案している。
菅公学生服は来入学商戦に向けて、非接触の制服採寸サービス「スマート採寸」を提供する。ボディグラムジャパン(東京都渋谷区)の人工知能(AI)採寸技術「ボディグラム」を活用し、最適な制服サイズを提案。採寸作業を効率化させ、生徒や保護者、学校関係者の大幅な負担軽減につなげる。新型コロナウイルス禍で「3密」を避けた採寸が求められるようになったこともあり、対応に踏み切った。
コロナ禍で国内の縫製メーカー、ニッターの苦境が続き、主力としていたOEM事業の不透明感が強まるなか、改めて自立事業の重要性がクローズアップされ、自社ブランドの確立や新規開拓などが急務となっている。社会環境、消費者の価値観が大きく変わるのを捉え、ピンチをチャンスに変えることができるか、日本の物作りの底力が試されている。
国内縫製工場が生き残るにはオリジナルブランドの確立が欠かせない。自社の強みを磨きながら、新たなファン作りに挑み、ファクトリーブランドとしてマーケットに根付き出している工場もある。丸和繊維工業、米冨繊維、サンライン、生田プリーツ、谷繊維が紹介されている。
日本縫製機械工業会の20年度第2回共有基盤ネットワーク研究会において坂口昌章シナジープランニング代表による「コロナ禍によるアパレル業界と縫製工場の変化と今後について」の講演があった。坂口氏はコロナ禍により元には戻れず、日本製の再定義が必要で、「原価を下げるための海外生産」から「原価を上げて流通コストを下げるための国内生産」へ軸足を移すべきだと述べている。そのためには「デジタル革新が必要である」とした。
「FBプロフェッショナルへの道」シリーズは、業界知識の基礎講座、月2回、第2第4金曜日に掲載されている。今回は、どの国でどんな服を作っているのか?アパレル輸入の量と金額、国別の輸入量とコスト、国別輸入シェア、アイテム別シェアを掲示し、わかりやすく解説しており、輸入衣料品の国別、アイテム別の生産状況をデータとして理解できる。
20年小売・ファッション業界は新型コロナウイルスの影響でかつてない変化を迫られた。外出自粛によって実店舗での接客・販売がそもそも難しくなり、ECが伸長。競争力の源泉が商品やブランドの価値そのものに移ってきている。激変する消費者のニーズに対応できたかどうかで、企業の優勝劣敗も明確になってきた。
メンズ個店でオリジナル商品の存在感が増してきた。メンズ業界では既存のサイクルに関係なく、信頼と個性を重視して長く販売できるベーシックなオリジナル商品が多い。利益重視でビジネスモデルを確立した大手企業とは一線を画し、コアなファンの心に刺さる商品開発でリアル店の魅力度向上を目指す。
中国に進出する日系小売業がコロナショックから立ち直りつつある。当局の新型コロナの封じ込め策によって客足が戻るところが多く、中国では重要なEC売り上げも堅調だ。ただ、一部のグローバル企業を除き、コロナ以前から指摘されていた経営・運営のローカル化やデジタル対応など、日本と異なる商売上の課題の克服はまだこれからだ。
中国で「独身の日」と呼ばれる11月11日、インターネット通販各社による値引きセールが最終日を迎え、今年も「爆買い」が再演された。新型コロナウイルスの影響で海外で買い物ができない分、国内消費に振り向けた消費者が多かったとみられ、輸入品の売り上げも好調だった。日本企業にとっても一大商機となった。最大手のアリババ集団は、午後8時過ぎに11月1日からの累計取引額が4676億元(約7兆4000億円)を超えた。
繊研新聞の「FBプロフェッショナルへの道」のシリーズで、服はどこで売られ、消費者がどの販路で服を買うことが多いかを見ている。具体的に、販路別シェア、市場規模と価格などの10年間の変化が示されている。
過剰生産や廃棄が問題になっているアパレル業界にあって、アパレル在庫の二次流通マーケットが注目されている。特にコロナ禍もあって在宅率が高まり、主婦など個人バイヤーが仕入れて、メルカリなどで販売するケースが大幅に増えた。この市場に注目した企業は、アパレルの新しいマーケットが成立しており、今後も成長が見込めると踏んでいる。
新品なのに売れず廃棄寸前となった服を無駄にしないための工夫が広がっている。個人や事業者が買い取ってSNSで若い世代に着こなしを提案する動きや、服地を再利用して新たな服を作るといった取り組み。国内では年間15億着以上が過剰在庫になるとされる。新型コロナウイルス禍で売れ残る服は増えており、廃棄の減少に期待の声が上がる。
コロナ禍が後押しするデジタル推進を背景に、各社がウェブ上での接客を進化させている。昨年までは一部の先進的な企業での活用が目立ったが、顧客の年齢層、販売アイテム問わず、導入が相次いでいる。購買率の向上だけでなく、上質なコミュニケーションを通じて買い物満足度の向上やブランドのファンづくりにも役立っている。
伊藤忠商事は、日本気象協会とアパレル向け需要予測サービスの設計、開発及び運用で業務提携契約を結んだ。アパレル、小売り企業が過去のPOSデータなどを提供し、それらを基に日本気象協会が長・中期の気象予測などと融合し、アイテムごとに需要を予測。生産計画や生産調整、マークダウンの最適化などに利用する。21年春夏から秋冬に需要予測サービスをテスト運用し、22年春夏から本格展開する。
繊研新聞の「FBプロフェッショナルへの道」で、服の値段と、市場の低価格の衣料品が支持されるようになった理由、低価格アパレルの市場規模などが示されている。
力のある個店専門店で新人の採用が活発化している。専門店全体で見ると人材獲得に難しさはあるものの、客としてみても魅力を感じる店には、やる気のある若者が集い始めている。ここ数年のうちに個店に就職した新人販売員に、就職を決断した理由や将来の目標を聞いた。
サブスクリプション(定額利用)型商品・サービスを集めた日本初のオンラインモール「サブミー」が12月オープンする。サブスクは広がりつつあるが、メニューは会社やブランドごとに独自で、一般ユーザーがサービスを探したり比較したりするのが面倒なため開発に至った。アパレルブランドの参加を促しつつ、コスメやインテリア、ゴルフギアなどに広げる。半期で約100ブランドの参加を見込む。
コロナ禍で消費が冷え込む中で、元気さが目立つファッションブランドがある。それらのブランドは特性が明確で、基本がぶれず、販路も精査して販売することが共通項。シーズンレスの企画開発でほとんど値下げせず、安定した価格で商品力を高めている。
東海大学教育学部「アースミュージアム」プロジェクトのオンラインでリレートークによるセミナー「ファッションの『サステイナブル』って何だろう?」で、「テキスタイルは誰のためなのかを考える」「継続的な行動変化を起こすべき」「何を買い、何を買わないかを決める『選択者』となることが大切」などが述べられた。
小島ファッションマーケティング代表の小島健輔氏の寄稿で、米百貨店とオフプライスストアの売上など業績を比較し、従来型小売企業は処分業者に頼らず、計画に沿って調達し売り切ることを説いている。
インテリア関連業態が好調だ。コロナ禍で家の中に関心が向き、テレワークの広がりで、家具やインテリア雑貨が注目されている。使い勝手の良さや上質志向、快適さ、リラックスなどが購入のポイントになり、生活の変化を如実に反映している。外出着や外食などへの支出が振り向けられているようだ。
卸売りを中心とするアパレル、雑貨企業がライフスタイル型の直営店を出す例が増えている。コロナ禍にもかかわらずリアル店舗を出すのは、卸であっても企業姿勢を消費者に理解してもらうことが欠かせないという判断がある。直営店開発によるOMO(オンラインとオフラインの融合)や、サステイナブルな姿勢の発信とコロナ後を見据えた事業展開への狙いもある。
コロナ禍でSCを取り巻く環境が激変、「新しい生活様式」への対応を急いでいおり、従来型のビジネスモデルでは生き残ることはできない。多くの企業の事例で進化状況を紹介している。
大手百貨店はOMO(オンラインとオフラインの融合)戦略を本格化する。店頭での販売行為をオンラインに拡張する試みで、接客、品揃えなど独自性ある価値を体験できる場をオンライン上で提供する。コロナ禍で、店頭での対面接客や集客イベントが制限されたことで、商品選びから販売員との1対1のコミュニケーション、決済までを完結するオンライン接客販売を加速させる。
エイチ・ツー・オーリテイリング荒木直也社長に、新しい小売業とは何かを聞いている。「店頭・商品起点」から「顧客・データー・サービス起点」への転換を長期ビジョンに掲げている。店頭での販売行為を百貨店中心にOMO化し、利用客と365日つながり続ける関係をグループ全体で目指す。
商業施設にプラスアルファの機能を付加する事例が増えている。レンタルスペースを組み合わせた地域交流拠点、ターミナル駅前の水族館、公園内のスポーツ施設など、立地を生かしながら可能性を広げて差別化している。"モノからコトへ"がさらに加速中だ。
米アパレル小売り業界20年は、かつてない試練の年になった。3月中旬〜5月にコロナ禍によるロックダウンが続き、生活必需品を売る店を除き、百貨店、衣料品専門店を含めて実店舗は営業を停止、ECによる売り上げだけになり、大型店の経営破綻が相次いだ。パンデミックが消費者のライフスタイルを変え、ECが躍進し、企業間格差拡大が加速した。
21年4月に商品・サービスの価格で消費税を含めた「総額表示」が義務化される。日経MJの小売り・外食の主要34社にアンケートで、56%が本体価格をメインに表示し税込み価格を併記すると回答。税込み価格だけだと割高感を与える可能性があるためとの理由。
埼玉県草加市の「クリーニングみわ」では、カウンターで受け付けた衣類が混同しないよう、ウェルカムクロスというレース状の風呂敷を使っている。これは、大量の受付衣類の山をみた顧客からの「顧客の洋服を取り違えたりしないのか?」という不安げな声にヒントを得て取り組み始めたものだ。顧客からも、「クリーニングに出した衣類がない」などの問い合わせが全くなくなり、同業者からも同じもので接客したいと好評だ。
白洋舍は、「お持ち帰り袋」を環境保全に配慮した素材(バイオプラスチック10%以上配合)に切り替えていたが、20年12月1日から有料化する。プラスチックごみ排出量のさらなる削減、SDGs達成に向けて実施する。
各種サービス産業分野を対象とし、ITを活用した生産性向上の優秀な取り組みを政府が表彰する制度「第三回日本サービス大賞優秀賞」に、Wash-plusの「世界初洗剤レスコインランドリー 水だけで洗う人にやさしい洗濯」が選ばれた。
浦和寿(さいたま市)は、ポロシャツの潜在需要掘り起こしを兼ね、「ポロシャツの仕舞い洗い」3年ぶりに復活させた。キャンペーン期間の7〜9月よりも、通常価格となった10月中旬からの1か月の方が増加し、1日に200枚以上集荷した日もあった。このような状況は例年にはないことから、コロナ禍の影響により洗ってから仕舞う風潮が強まったためとみている。
全ク連は、1986年から続く「クリーニングギフト券」を2021年12月31日をもって取り扱いを終了する。取扱い店舗の現象、キャッシュレス化による消費行動の変化などにより見直しが必要となってきていたことが背景にある。
今やバッグのクリーニングは、特殊品の定番として定着しているが、これをさらなる強化アイテムにすべく、クリーニング受注時の確認ポイントが紹介されている。@内貼り劣化、A金具、B日焼け、Cハンドルの劣化の4点。外注費を差し引いても利益率の高いアイテムであるゆえに、預かり時のチェックポイントを理解し、受付後のトラブル抑制にもつながる。
(一財)洗濯科学協会は、1956年創刊の機関誌「洗濯の科学」を、2021年8月号で廃刊することを決めた。最新の衣料素材、取扱い方からクリーニング、発生しがちなクレームなどの情報提供や解説、その他消費者情報や環境問題など生活環境全般を取り上げてきた貴重な機関誌であるゆえに惜しまれる。
国交省の補助金による健康住宅の実現を目的とした調査研究事業の一環として、健康・省エネ住宅を推進する国民会議より委託を受け、5業界による「ダニ・カビ・結露対策マニュアル委員会」が発足。ここで全国ふとんクリーニング協会は、クリーニングによるダニ・カビ除去の有効性を説明、さらに有効性を確認するため、クリーニング前後のアレルゲンの変化について、日本環境衛生センターでテストも行う。こうした専門機関による試験データをもとに、全国ふとんクリーニング協会はふとん、枕、絨毯、カーテン、ぬいぐるみなど家庭内に眠るクリーニング需要の開発等に取り組む。
厚労省は、20年ドライ溶剤使用管理状況調査の結果を公表。5月1日時点のドライ溶剤使用施設数は、16950施設、このうち石油系試使用施設は16139施設、パーク使用施設は1352施設だった。ドライ機台数は21440台で1990年に50309台と過去最高であったが、30年間で42.6%まで縮小、約6割減少した。
健康食品などのインターネット上の宣伝方法を巡り、違法性が疑われるケースが後をたたない。ネット広告の影響力は絶大で、電通によると、昨年の国内のネット広告費は1兆円超え。初めてテレビを上回り、広告費全体の3割を占めた。日本インタラクティブ広告協会が消費者向けに行った調査では、約半数が「繰返しの表示に嫌悪感」と回答。閲覧履歴をもとに表示されるため、85%が個人情報の活用に不安を感じるとした。広告問題に詳しい弁護士は、業界の自主規制では対応が追いつかないと指摘。「広告掲載側にも責任がある。行政処分だけでは効果が薄く、違法性を問えるものには刑罰を含めた積極的な取り締まりが求められる」と話す。
クロス・マーケティングではレジ袋有料化以降、3回のマイバッグの浸透度合いなどを調査。レジ袋有料化後4カ月経過してマイバッグ持参が定着しつつある一方で、ゴミ袋としての用途などを考慮し、レジ袋を購入する需要も一定数ある。10月時点では、買い物商品の持ち帰り方法で、「持参した買い物用バッグに入れる」が58%を占め、「レジ袋を購入する」も10%と、ともに3カ月前から比率は大きく変わらなかった。
新型コロナウイルスの感染拡大で物価が下落するデフレ圧力が強まっている。感染第3波で飲食店の営業時間短縮や外出自粛の要請など対策が広がれば、持ち直しかけた個人消費が冷え込むのは避けられない。物価下落と経済の縮小が連動するデフレスパイラルを懸念する声は、まだ少ない。ただ、デフレ基調が続けば政府と日銀は対応を迫られる可能性がある。
顧客が威圧的な言動や理不尽な要求をする「カスタマーハラスメント」について、厚生労働省が企業向けの対応マニュアル作りに乗り出す。従業員や労働組合から被害の実態を詳しく聞く必要がある。「クレーム対応窓口の一元化」や「会話の録音・録画」など既に対策をとっている企業の実例から学ぶことも大事だ。マニュアルを形だけ作っても現場の従業員を守ることはできない。不当な要求に「ノー」と言える明確な指針が求められている。
インターネット通販に関するトラブルが相次いでいる。新型コロナウイルスの感染拡大で外出を控える人も多く、国民生活センターは、今後もトラブルが増えるとみて注意を呼びかけている。全国の消費生活センターに寄せられたネット通販に関する相談件数は、2月は1万6482件だったが、3月には2万1383件、4〜8月は月2万4000〜2万7000件台で推移。国民生活センター担当者は、「ネット通販にはクーリング・オフ制度はないので、事前に返品・解約の条件や、事業者の連絡先を必ず確認してほしい」としている。
コロナ禍で春頃から外出自粛となり、ECの利用が伸び、それに伴い偽造品の被害が増えている。国民生活センターによる偽造品相談は20年度11月26日時点で2738点と、19年度の年間件数に迫っている。手口が巧妙化かつ国際化しており、新たな法規制による対応が検討されている。
家庭科の新学習指導要領では、「持続可能な消費生活・環境」が一つの大きな柱として位置づけられる。お茶の水女子大学付属高校では、エシカル(倫理的な)消費の実践を教えている。その取り組みの一つが服作りだ。先生からの指示は、天然素材を使うこと。そしてエシカルであること。まず服作りを体験してもらい、その時に見つけたポイントを生徒間で共有し、視点を深めていくのが狙い。エシカル要素を取り入れた文化祭の企画や、NGOのインターン参加など、授業を機に、生徒たちの行動は広がる。
20年の新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、家計の収入と支出の変化について解説している。収入では毎勤統計の現金給与総額は10月まで7カ月連続減少、支出では家計調査の消費支出が4〜6月で前年同期比10%と01年以降最大の減少だった。品目では外食や被服の支出減少が大きい。また、在宅勤務が広がって自宅にいる時間が増え、電気・ガス代は6月から前年同月比で高い状態が続き、携帯電話の通信料も高止まりしている。
コロナ禍でスーツ離れが加速する中、スーツ販売大手はカジュアル化やシェアオフィスなどの異業種に参入している。店長もジャケット姿で店に立ち、店舗を縮小し空いたスペースでフィットネスクラブや個室スペース、クリーニングサービスを提供する企業がある。また、ネット通販や百貨店に新たな売り場を設ける企業もある。
衣料素材ベンチャー企業hap(ハップ)鈴木素社長は古着や布切れ、オーガニックコットンなどを原料としたサステイナブルな繊維に抗菌や消臭、撥水などの機能を加えた「新素材」の開発を信州大学繊維学部の宇佐美久直教授と共同で進めている。「本気で環境問題に取り組まなければ企業は時代にも消費者にも置いていかれる」と鈴木社長は指摘する。環境負荷が少ない商品を目指すことは世界的な潮流になっている。
p766〜769 医療用防護服類のバリア性基準のAAMI(米国医療機器振興協会が定める基準)のレベル3をクリアしたガウンの開発に係る解説である。レベル3は、100〜500mLの血液量等と接する際に着用するガウンのレベルであり、医療用防護ガウンは押出ラミネート工法により製造される。
コイズミクロージングは、抗ウイルス、抗菌、防臭、抗アレルギー加工「クリセラ」を施したアパレル・雑貨を専門店向けに販売する。ハイドロキシアパタイトが、ウイルスや細菌、アレルギー物質を吸着し、酸化チタンや銀の光触媒作用で二酸化炭素と水に分解する機能がある。
青山商事は、縦方向に伸縮性を付与することで着席時の下半身の窮屈感を緩和したパンツを開発した。座った状態での仕事が多いテレワークに合致した商品として「クリスチャン・オラーニ(スタイリッシュ)」ブランドから販売する。新商品は独自の織り・仕上げ技術によって、ポリエステル・ウール複合生地でありながら縦方向で約14%のストレッチ性を実現した。
帝人フロンティアは日本で初めてとなる男性向けウエアタイプ化粧品「メンズ用美容ボディパック」を発売した。同商品は着用する化粧品「ラフィナン」の新タイプ。健康な肌に近い弱酸性の美容成分が配合されているため、肌に直接触れるように着用すれば、肌を健やかに保ち、肌荒れを防ぐとともに潤いを与える。これまでは女性用だけだったが、肌のケアに関心を持つ男性が増えていることに対応し男性用もラインアップすることにした。
ミツフジは、補聴器や眼鏡を着ける人向けの「耳にかけないハモンエージーマスクU」を開発した。首の後ろのスナップボタンでマスクを留めるベルト型である。
ユニチカガーメンテックは、マスクの飛沫飛散防止効果を可視化する測定サービスを開始した。圧縮空気を口から発する人体頭部の模型を作成し、唾液を模した粘液を口に入れ圧縮空気でくしゃみを再現し、ハイスピードカメラで映像化する。
p820〜824 マスク素材としてナノファイバー不織布を用いて高い防護性と快適性を備えたマスクの開発に係る解説である。ナノファイバー不織布は、非常に大きな比表面積、微細空孔(ポア)、及び高空隙率を有するため、薄くても高い濾過効率を有する。そのため、蒸れを抑え、声が通りやすい。
p830〜836 高齢者になっても心地よい履物を履き続けていくためには、靴は歩くための履物であり着脱のしやすさで選ぶものではない、身体機能レベルで分けて履物を考えるなど、何を知っておき、どのように考え、何を実行していくべきかについて解説している。
旭化成アドバンスは、汗や湿気を吸って通気をコントロールする高機能素材「バイオセンサー」を強化する。乾燥状態では目が詰まった編み組織だが、湿気や汗を吸収すると編み目が開き衣服内の熱や湿気を外に出し、汗が乾くと再び編み目が元に戻る。
山本化学工業(大阪市生野区)は厚生労働省が所管する日本ホームヘルス機器協会が定める健康増進機器認定制度の認定を受けた高機能マスク「バイオエスペランサめぐり美シールドマスクEXタイプ」の販売を12月中旬から開始する。マスク中央部に同社が独自開発した機能素材「e-71」を2層構造フィルターとして使用。サーモグラフィーで測定すると、e-71で口、鼻、顔全体が温められ、それに伴い血流の改善が認められるという。
フランスベッドは、病院や介護福祉施設向けに、睡眠状態やベッドからの起き上がりなどをモニタリングする非接触型の眠り解析センサー「エム−スリープ」を発売した。ベッドの床板とマットレスの間に設置する非接触型にした。利用者の睡眠の傾向や生活リズムの確認をはじめ、体位変換やトイレ誘導のケア、転倒リスクの軽減などに貢献する。心拍数や呼吸など設定値を逸脱した際はアラートで知らせてくれる。
高品質を誇る日本製品を検査で支える全体像を明らかにするため、若手記者が検査機関の「基本のき」を聞いている。製品の法規制などへの適応を証明する検査を、設備・人材などの整備が厳しい企業に代わり検査をしている。信頼性の観点からも第三者機関などとして求められている。
明治から昭和にかけて、絹織物で栄えた福島県川俣町で、東洋一のシルクを紡ぐ歴史を記録する展示館がある。絹織物生産を伸ばす契機となった「大橋式半木製力織機」や8デニールの超極細絹糸を使った世界一薄いとされる「フェアー・フェザー」で作ったウエディングドレスが展示されている。併設の「からりこ館」は手織りや染色の体験ができる。
新型コロナウイルス感染拡大の影響が国内繊維産地に広がっている。商談や受注の中断で生産量は大幅減。一方で急な受注への対応が求められるなど、読みにくい市場動向に翻弄されている部分もある。コロナ禍を乗り越えるための播州産地、備後デニム産地、尾州山地の対応を紹介している。
英国では20年いっぱいでEU離脱ブレグジット≠ヨの移行期間が終了し、21年1月から本格的に新システムが施行される。英国・EU間の貿易交渉が大詰めを迎える今、現行のゼロ関税の維持を求めて様々な業界団体が行動を起こす一方、ファッション関連の団体では、交渉が物別れに終わった時のための準備を促している。そうした中、もう一つの新システムに対する反対運動が行われている。9月財務相が発表した海外旅行者への免税ショッピングの廃止計画で、これまでEU以外からの観光客は、英国内で購入した商品を自国に持ち帰る際、20%の付加価値税の払い戻しが受けられるが、それが年内で廃止される。
外国人労働者が自社やサプライチェーンで劣悪な環境に置かれていないか神経をとがらせる大企業が増えている。日本の外国人技能実習制度には海外からの批判が集まる。ビジネスでの人権侵害に対する目が厳しくなるなか、放置すると企業の評判を落としかねないため。外国人に選ばれる環境整備が欠かせない。
自宅でウェブ会議に参加する時、服装を整える人がほぼ9割に上るという調査結果を、調査会社「MMD研究所」が発表した。20〜59歳の男女で、在宅ワークでウェブ会議システムを使っている444人から、回答を得た。最も多かったのは、「見えるところだけ整える」で51%、「すべて整える」は37%で、整える人は計88%となった。
21年春闘で、ベア2%基準などを掲げるUAゼンセン。コロナ禍にあって、外食、ホテル、衣料品関連など厳しい分野に労働者を組織する難しさはあるが、格差是正を軸に労働条件の改善を目指す。さらに、コロナ後の回復を確かなものにするため、政府などに対して雇用と所得を守る政策を求める取り組みを強める。
服飾系の大学や専門学校が企業などと連携し、実践的な教育を行う産学連携授業が、時代に合った形に進化している。従来は、新ブランドや新商品の開発など、物づくりや店頭販売の実践が多かった。最近は廃棄衣料の再生、カスタムオーダーなど、持続可能で環境に優しい未来創造型のビジネスに、産学で取り組む事例が増えている。
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