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行 政 ★物価ギャップ、米の4倍超価格転嫁進まず企業収益圧迫
素 材 ★低摩擦・高摺動耐久のテキスタイルを開発
加 工 ★"水使わずポリエステル脱色
アパレル ★性別にとらわれないファッションを−子供服関連企業
流 通 ★百貨店、D2C協業に本腰
クリーニング ★環境に配慮した洗剤
消 費 ★ユーザーが求めるECは
健康・快適性 ★冷え対策で戦略商品
その他 ★服の脱炭素、開示広がる
経済産業省は21年度に開始した「展示会等のイベント産業高度化推進事業」で、ファッション分野のデジタル技術を活用した新たな取り組みを支援する。JFW推進機構のランウェーショーの開催とスタートバーンのファッション展示会を採択した。
経済産業省は3月下旬から「繊維産業における外国人技能実習制度理解促進セミナー」を地方都市で順次実施。サプライチェーンでの労働者の人権対策強化が繊維・アパレル企業にも求められるなか、外国人技能実習生に対する違法な時間外労働の強要や時間外割増賃金の不払い、最低賃金を下回る賃金など法令違反の事例が繊維産業で依然多いことに対応する。
経済産業省は産業構造審議会の第5回会議で、報告書の骨子案を議論した。骨子案は日本の繊維産業の現状と課題分析を踏まえ、今後の繊維産業政策の重点として、「産地における好循環の創出」「海外展開による新たな市場獲得」「技術開発による新市場獲得」「技術開発による市場開拓」「サスティナビリティ」「デジタル、生活者の行動変容への対応」を挙げ、それぞれの取り組み方針を示した。
財務省の貿易統計から「中古の衣類その他の物品」21年の輸入量は871トンで、15年以降増加傾向が続いている。海外古着を主力とした小売店のほか、CtoCによる古着の流通が広がっている上、サスティナビリティに対する世の中の関心もこれまで以上に高まっているため。
経済産業省は繊維・ファッション分野を含む中小事業者の海外事業を支援する予算事業「デジタルツール等を活用した海外需要拡大事業」の「トップクリエイター活用型」で、中小事業者と協業する「クリエイティブパートナー」の公募を開始した。パートナーは「海外で活用するファッションデザイナーも想定」する。
経済産業省の繊維を含む12業種・46業界団体に要請している下請け取引適正化のための「自主行動計画」21年度フォローアップ調査で、全体として、取引提起成果に向けた取り組みの改善状況はほぼ前年と同じ傾向だった。ただし、発注する親事業者と受注する下請事業屋の間で「認識の差」が依然大きく、課題を残した。
ロシアによるウクライナ侵攻で世界的にインフレが進むなか、原材料などの仕入れ価格の上昇が企業収益をむしばみつつある。デフレ傾向が根強い日本では小売価格を思い切って引き上げることができず、企業物価と消費者物価の上昇率の「ギャップ」が広がっているためだ。ギャップの規模は米国の4倍を超え、製造業にとって最大14兆円の減益要因になるとの試算もある。
先進国の間で労働市場の回復度の差が鮮明。求人数は米国や英国で新型コロナウイルス流行前の1.6倍超に膨らみ、ドイツも1.2倍に達した。急ピッチの経済再開で人手が追いつかず、賃金上昇でインフレも加速する。日本の求人は依然としてコロナ前を下回る。助成金で失業率の悪化を抑える危機対応策で雇用の安定を図った分、持ち直しの勢いを欠く。
総務省の21年10月1日時点の人口推計で、労働の中心的な担い手となる15〜64歳の生産年齢人口の割合は総人口の59.4%となった。統計を取り始めた1950年以来、最低だった。新型コロナウイルスの水際対策の影響で、外国人の入国者数から出国者数を引く社会増減は9年ぶりに減少に転じた。労働力人口を女性や高齢者の労働参加で補う構図にも限界が見えつつあり、経済成長の下振れリスクになる。
形骸化した就職活動のルールの見直しが動き出す。政府はインターンシップで得た学生の情報を採用選考に使うことを容認する方向で経済界や大学と調整に入る。職務を明確にしたジョブ型雇用などの拡大をにらみ、企業が専門性のある学生を確保しやすくする。グローバルな人材獲得競争の激化を踏まえ、内向きの発想からの転換にかじを切る。
経済産業省は、産業界での人材育成の将来への方向性を提言する「未来人材ビジョン」を策定した。21年12月に発足し、5回会議を開催、有識者会議「未来人材会議」をまとめたもの。労働市場の減少、デジタル化や脱炭素化の進展で、産業構造と職種・産業による労働需要の変化が加速する中、産業界と教育機関が一体となった人材育成が必要。人材育成投資や女性管理職比率の拡大、外国人の活用強化などが求められている。
綿中心のスパンレース不織布である日清紡「オイコス」の生産工程で発生する耳端を再利用した綿糸「めぐりコットン」の採用が増えている。不織布用のため、真っ白く不純物の心配もないことが評価されている。現時点ではバージンわた70%、耳端を開繊したわた30%の混率である。開繊すると繊維長が短くなるため、糸は16番手、20番手がメインで、カジュアルウエア、シャツ、タオルなどの用途で提案している。
東レは、フッ素系樹脂PTFEを用いた長繊維「トヨフロン」と同社グループの高強度繊維を組み合わせた低摩擦で摺動耐久性に優れたテキスタイルを開発した。摩擦時にトヨフロンの摩耗粉が高強度繊維に付着することで低摩擦界面を形成し、さらに高強度繊維が骨格となってトヨフロンの過度な摩耗を抑制する。従来の低摩擦・高摺動耐久性テキスタイルと比較して、耐久性が25倍、低摩擦化も50%以上高められた。
東洋紡糸工業がカシミヤとシルクの複合糸を開発した。カシミヤの原毛価格の高騰が開発の背景にある。シルクも高価だが、カシミヤと比べると値頃である。カシミヤの編地については、縮絨工程でコーティングして撥水性を持たせた。自社工場内で発生する落ちわたを活用した糸も開発。これまでは廃棄していたが、元々厳選した原毛を使っており、「再利用」とはいえ、品質の高い糸ができる。
川村ニットは岐阜県下で害獣駆除される鹿の毛を使ったテキスタイル「ジビエ・ディア・メルトン」を開発した。鹿の毛は中空構造で「ケンピのような」ストレートヤーンが特徴。色はグレーからベージュ。川村ニットは衣料用生地に使えるウール70%・ナイロン20%・鹿の毛10%、毛番で10番手単糸の紡毛糸を開発した。
バイセルテクノロジーズとクラボウは、中古きものをシルク繊維原料に戻し、ニットやデニムなど新しい素材へアップサイクルするきもの再生素材「サイシルク」を共同企画した。バイセルが買い取りをしている中古きものの中から、着用できなくなったシルクを原料としてクラボウへ供給。クラボウは同社のアップサイクルの仕組み「ループラス」で開繊、反毛し、他の繊維原料とも複合しながら紡績し、生地にする。
ミズノは泥汚れが落ちやすく、ニオイの元を抑える防汚・抗菌防臭性を兼ね備えた素材「ピュアハイパー」を開発した。同素材は防汚剤と抗菌剤を生地に加工することで、こすり洗いなしでも泥汚れを落としやすく、ニオイの元となる菌の増殖を抑える。オリジナル防汚剤を繊維に加工し、泥汚れを浮かして落としやすくした。菌が汗や皮脂を分解することでニオイの元になる繊維上の菌の増殖を抑制する。
旭化成はこのほど米ジェノマティカが現在開発中の「バイオマス原料をベースにしたヘキサメチレンジアミン(バイオHMD)」に関して戦略的パートナーシップを締結することで合意した。旭化成はバイオマス原料由来のナイロン66の検討を加速するため、バイオテクノロジーを用いた多様な化学品の製造技術と商業化実績を持つジェノマティカから、開発の初期段階でバイオHMDを優先的に利用し、ナイロン66原料としての可能性を評価・検討する権利を獲得した。
アパレルパーツ製造卸のカジテックは、キノコ由来のレザー代替素材「Mycel」(マイセル)の拡販を目指す。昨年12月にイギリスの副資材商社エーピーエクスプレスと日本での独占販売契約を締結した。マイセルは、エリンギから作られるレザー代替素材。エリンギとセルロース繊維不織布や天然高分子などを複合し、レザーのような風合いや強度、染色堅牢度を実現した。環境負荷が少なく、生分解性があり、エコテックススタンダード100やEUエコラベルなど各種認証も取得。ベトナムで生産しており、早く育つため供給安定性もある。
エイガールズは、新感覚のウール100%テキスタイル「モネ」を開発した。綿の紡績に使う機械でウールを紡ぎ、綿に近いマットな質感と、消臭、吸放湿といったウール元来の機能を両立させた。糸は伊アルビニと共同開発。原毛を短くしたことで、毛玉が発生しにくい抗ピリング性など新たな機能も得られた。わたの段階で防縮加工し、ウォッシャブル性も備える。
ニッセンケン品質評価センターは、4月1日からリサイクルPET(再生ポリエステル)繊維の判別試験業務を始める。特許技術の応用と東京農工大学連合農学研究科の指導を得て、マテリアルリサイクルポリエステル繊維の判別を高精度で行う技術を確立した。赤外分光法の一種であるFT-IR(フーリエ変換赤外線分光法)とケモメトリクス(計量化学)を活用する。これによってバージンポリエステルと再生ポリエステルのわずかな違いを読み取る精度の高い判別技術を開発。
川村ニットは二つの新素材を開発した。一つは韓国コスメから人気に火が付いた保湿・美容成分のCICA(シカ)を綿100%のベア天じくやスムースなどのニット生地に後加工で付加したもの。もう一つがゼンマイ繊維を使った「改古〜纏うぜんまい」。ゼンマイは食用だが、廃棄物として表面の白いわた(うぶ毛)があり、これを衣料用繊維として使う。
帝人フロンティアは、表面はっ水と裏面吸水性能を両立した生地「アクアリズム」を、23年春夏一般ファッション向け主力商品として新たに投入する。アクアリズムは糸自体がはっ水機能を持つ高耐久はっ水原糸と、生地に凹凸を出す特殊マイクロクリンプ糸を採用した点が特徴。通常のはっ水機能と同様、水を弾き、空気や水蒸気を放出する。肌面に当たる裏側には吸水、通気性を持つ生地を接結する特殊2層構造となる。
帝人フロンティアは、高防透性が特徴の織・編物「CBT」(仮称)を開発した。特殊チタンを高濃度に練り込んだポリエステル新原糸の活用などで、防透け指数98.6(通常ポリエステルは86.5)を実現した。23年春夏から白衣用途を中心に提案を始める。特殊チタン練り込みのポリエステルを芯に、鞘部にレギュラーポリエステルを配した新原糸を使う。この新原糸と従来の異形断面、高捲縮によるかさ高構造、生地設計、染色加工技術などを融合して防透け性を高めた。
クラボウは、天然原料の風合いは損なわずに機能を付与する改質技術で作った独自素材「ネイテック」の開発と販促を強化している。吸湿発熱、吸放湿、消臭、早乾、しっとり感などをラインナップし、しかも混率10〜15%で十分な性能を発揮する。わたの段階で分子レベルの改質により機能を付与する技術を開発した。糸や生地への後加工よりも、天然素材本来の風合いを損なうことが無い上に、洗濯に対しても 高い耐久性を与える。
デニム製造国内最大手のカイハラは、環境配慮型のインディゴ染色の提案を加速させる。昨年導入した助剤などの薬品使用率をゼロにした染色に加え、染料の廃棄をなくしたタイプと、水と薬品の使用量を大幅に削減したタイプの2種類のインディゴ染色方法を新たに開発。この染色を3本柱に位置付け、染色において70%以上の割合に高めていく。
柄開発を強みとする生地商社のデザインハウス風は、間伐材などの木材から抽出した染料を使い、手捺染で作った生地・製品ブランド「Rawwood」(ロウウッド)を立ち上げた。森林保全と伝統技術の活性化を訴求ポイントに拡販を目指す。京都市北部で産する北山杉の間伐材をチップにし、水を加えて抽出した天然染料を使用する。色はベージュで、濃度によって3段階の染料を作った。ナイロン以外は染めのテストを終えている。
福井大学発のベンチャー企業であるサスティナテックは、超臨界流体染色の色合わせに使う試験機を開発した。5月ごろに完成させて販売を始める予定。現状では超臨界液体染色用の色合わせの試験装置がなく、調色には水を使った通常の染色に比べて約5倍の時間がかかるという。約1年前から簡単に色合わせができる調色機の開発を進めてきたが、現在は組み立ての最終段階に入っており、同機を使うことにより、色合わせに要する時間を半分以下にできるという。
日華化学はエレファンテックと共同で、染色・プリントされたポリエステル生地から水を使わずに染料を除去する「ネオクロマト加工」を開発した。ネオクロマト加工は安全性の高い薬剤を使用し、水を使わずヒートプレスマシンのみで昇華インクを含む分散染料を脱色でき、排水を出さず、薬剤による環境負荷を抑えられる。
FBプロフェッショナルへの道シリーズの川上編Aで、国内にある生地をつくる企業が多くあり、そうした集積地を産地と呼び、テキスタイル生産は工程ごとに様々な業種が分業制で担っている。主なテキスタイル産地を紹介、長年培った技術が産地の物作りを支えている。
南米チリの砂漠に、世界中から着古した衣類が集められて不法投棄され、「衣類の墓場」とも呼ばれる光景が広がっている。荒涼とした大地に積み上がった衣類の山は約10万トンにもなるといわれ、大量生産・大量消費を見直し、「持続可能なファッション」を目指すことの必要性を訴えている。
三陽商会が展開するオリジナルブランド「エス・エッセンシャルズ」は22日、自然由来の染料を使ったシャツ、スカートを発売した。生地の染料には、春に咲く花のミモザ、シャクヤク、デルフィニウムを採用。植物が本来持っている色素をタンパク質で定着させ、染色工程で水を汚さないボタニカルダイという特別な技法を用いている。綿シャツ地の産地である兵庫県西脇市で生産された"播州晒し織物"を使用し、肌触りの良いアイテムに仕上げた。
絹織物「浜ちりめん」が主力の滋賀・長浜産地が、ニットを開発した。滋賀県東北部工業技術センターと浜縮緬工業協同組合青年部暁会のメンバー3社が取り組み、「長濱ニット」のブランドで販売を始めた。浜ちりめんは、主に和装に使われる高級絹織物。長浜は、丹後と共にちりめんの2大産地として知られる。長濱ニットは、産地で培われた撚糸技術を生かし、横編みに適した糸の太さ、撚り回数などを追求する。主力の和装市場が厳しくなる中で、長浜産地の物作りの可能性を広げるとともに、認知度を高めたいという。
副資材メーカー・卸のアジア事業は、昨夏はベトナムのロックダウンで多くの縫製工場の稼働が停滞したが、解除後は回復している。一時は中国や南アジアへの分散の動きが見られたが「ASEAN製造拠点の集積地としてポテンシャルは高い」(YKK、モリト、テンタック、清原、島田商事など)として、縫製産業の将来性が見込まれている。ベトナム以外ではカンボジアとバングラデシュでの動きが活発だ。
量販店向けレディスアパレルメーカーの22年秋冬は、暖冬になるとの予測を受け、使い勝手の良い薄手中わたアウターのほか、切り替えやプリントで新鮮さを出したアウターやトップが目立つ。天然繊維やサスティナブル素材で付加価値を高め、小売価格の底上げを目指す動きもある。
子育て世代に とって、ジェンダーバイアスは身近な社会問題だ。子供が成長するにつれ周囲の影響を受けていくのを目の当たりにし、振る舞いに悩む親は多い。性差に出会うものとして、子供服の存在は大きい。その役割をかみ締める子供服関連企業の中には、「男らしさ」「女らしさ」にとらわれずファッションを楽しんで欲しいと、ジェンダーレスな提案やジェンダーバイアス解消に取り組む動きがある。
三陽商会は4月1日、スペイン発のアパレルブランド「エコアルフ」から、セルロース繊維を使用したボタンやストッパーを採り入れたジャケットなど6型を販売する。セルロース繊維をポリプロピレンに混ぜた成型材料「キナリ」を用いたボタンなどの副資材を、パナソニックと共同開発した。キナリは主成分の半分以上がセルロース繊維。石油由来原料の使用を減らし、環境問題に対応する。
独スポーツ用品大手のプーマは、古いサッカーユニフォームのシャツから新品を製造するリサイクルプロジェクト「リ・ジャージー」に取り組んでいる。リ・ジャージーは、75%が衣類から衣類へのリサイクルで、残り25%は海洋・漁業廃棄プラスチックを原料とする。プーマは同プロジェクトを通じ、リサイクル製品の比率を高めるだけでなく、廃棄物の削減と循環経済型の製造モデルの確立を目指す。
一般社団法人繊維育英会は地球環境に取り組む資源循環プロジェクト「ウィゾール」をスタートした。素材に関係なく着古した衣類を回収した後、糸「リ・ヤーン」と圧縮成形した繊維リサイクルボード「パネコ」を作る。和歌山県内の作業場で色や混率別に仕分けして釦等付属を外し、解体作業を徹底し糸にできるものを紡績、それ以外をパネコの材料にするという。
新型コロナウイルスの感染拡大で、上海などで広がる都市封鎖や外出規制が日本の繊維、ファッション産業に大きな影響を与える。上海市では3月末から都市封鎖され、一部地区で外出を認める緩和策が実施されたが、工場稼働や出勤などで影響は続きそうだ。生産面に加え、影響が大きいのが物流の停滞。「上海港からの出荷が2週間以上止まっている」と停滞が続けば納品が遅れ、ゴールデンウィーク商戦に影響が出そうだ。
バロックジャパンリミテッドは海外事業が大きく成長している。とりわけ、北米は日本製の高級デニム製品「マウジーヴィンテージ」が富裕層に受けて好調だ。今後は中国事業とともに同社の成長ドライバーとして期待する。また、海外事業の拡大で、原材料や物流費の高騰、円安進行など外部環境の変化に対応し、「リスクヘッジできる」体制も構築する。
繊維・ファッション産業のサスティナビリティ実現に向けた業界団体の発足が相次いでいる。これら団体は業界の複雑なサプライチェーンの構造改革を、企業間連携を通じて推進し、共通の課題解決と新たな価値の創造に挑みながら産業全体の健全な発展に寄与することを目指している。JSFA、JSCI、CCF、STジャパン、NICOが紹介されている。
「サスティナビリティの追求が事業の前提」。商社の間で今春以降、新案件が目白押しだ。注目のキーワードに"循環型"、"生分解"、"バイオマス"が挙がっている。環境負荷が高いとされる繊維・ファッション産業が持続可能な産業に変われるかが問われている。変革をどう支援するか。商社の果たす役割は大きい。
ウクライナ侵攻と中国の新型コロナウイルス感染措置によるダブルショックが、欧州のファッションビジネスに影を落としている。最も深刻なのが物流難とコスト高だ。ファッション小売り大手は春夏物が届かず、販売の見通しが立たない。コロナ感染のパンデミックによるアジアからの物流遅滞で、すでに小売業は昨年末商戦で苦戦を強いられていた。これにウクライナ危機が重なり、厳しさを増している。
健康機器メーカーのタニタとスーツメーカーはるやま商事は体組成計を使ってスーツの採寸をする新たなサービスを始めた。体組成計に乗り、グリップを握って30秒ほどで計測。このデータをタブレットに送ることでBMIのほかスタッフが過去に測定したサンプルから適切なサイズを提案する。サイズ一致率は男性96.2%、女性95.2%。
昨年公表された環境省の調査によると、20年の廃棄衣料のうち48万4,000トンが焼却されたという。しかし、日本には昔から古着を回収して別の製品に加工したり、再生原料を作ったりする"故繊維問屋"が存在し、繊維製品を循環させるシステムがある。本当にこれほど多くの服が焼却されているのだろうか。繊維製品循環の実態について、老舗の故繊維問屋に取材した。
アパレル業界に値上げの動きが広がっている。ファーストリテイリング傘下のユニクロは東南アジアなどで生産する一部の定番商品を値上げし、しまむらも22年後半からの値上げを検討している。素材価格や物流コストの上昇で各社は価格の維持が難しくなっている。食品などで先行した値上げの波がアパレルにも及んできた。
阪急阪神百貨店のリモートショッピングサービス「リモオーダー」が着実に広がっている。21年度のリモオーダー売上高は前年比2.4倍規模となる見込み。支店を含め取引先スタッフの活用が進んだことが大きい。今後も、消費者が「いつでも、どこでも」店頭商品を購入できる環境を整える。購買前のプロセスを含めて店頭同様の買い物体験をオンラインでも実現する姿を構想する。
個店専門店の間で、販売した商品の回収・有効利用やリユースの提案など、SDGsの取り組みが目立ってきた。個店は、たんす在庫がわかるくらい距離感の近い顧客を多く持ち、特定のお客と接する機会も多いため、サスティナブルな取り組みが着実に発展する可能性がある。
百貨店各社が相次ぎ新興のD2Cブランドとの協業を広げている。三越伊勢丹HDはD2C支援の事業を本格化し、島屋もD2Cブランドのショールーム機能に特化した同社初の「売らない店」を4月に開く。旧来の百貨店ビジネスに限界が色濃い中、実店舗や既存取引先にとらわれない分野に事業を広げて生き残りの道筋を探っている。
中国で、素材から製品までサプライチェーン全体に納期遅れの懸念が強まっている。新型コロナウイルス感染の拡大防止策の影響で、物流がほぼ停止状態のため。高速道路の封鎖から隔離による人員不足、陰性証明の提案の厳しさなど、大規模な感染予防策が収まる時期が焦点となっている。
女性が主導する古民家セレクトショップが存在感を増している。環境問題や手仕事の大切さを重視し、長く大事に使える服や雑貨など自然派の商品を中心に揃える。特にコロナ禍以降は、地元の文化・歴史を生かした地域社会との共生、日本の伝統技術の保全、フェアトレードを通じた支援などへの積極的な取り組みが目立つ。
百貨店各社が業界独自の慣行を見直す。各社で異なっていた納品依頼の伝票類を23年度から標準化し、百貨店ごとの専用値札も25年度までに全廃する。夜間の検品作業が必要だった慣習もやめる。小売業では人手不足や消費市場の頭打ちを背景に取引先も巻き込んだ業務効率化が進むが、百貨店は遅れていた。「ムリ・ムダ」な業務をなくして納入業者の負担軽減につなげ、将来的な取引条件の改善も期待する。
米大手小売業の21年度(22年1月期)決算は、30社合計の売上高が前期比9.9%増資、15社が前期の減損益が黒字に転じた。20年度は苦戦した衣料品を中心とした業態は、ワクチン接種の普及で21年3月から始まった消費の回復と同時に、20年度の反動もあって大きく回復した。旺盛な需要で値引き販売が少なく、粗利益と営業利益が大幅に増えた。
中国で店舗網を拡大してきた日本の流通大手が、中国政府の「ゼロコロナ」政策で打撃を受けている。「無印良品」を展開する良品計画は4月14日、店舗の休業を余儀なくされた影響で、22年8月期連結業績予想を下方修正した。中国が大きな売上構成比を占めるユニクロも影響を受けている。中国政府の方針が変わらなければ、進出する日本企業のダメージは大きくなる一方だ。
米国でファッション中古品をネットで売る総合業態の大手企業はスレッドアップ、リアルリアル、ポッシュマークの3社に絞られてきている。それぞれ戦略が微妙に異なっており、スレッドアップはセンターを持つ在庫型、リアルリアルはラグジュアリーに特化、ポッシュマークは売り手と買い手をつなげるだけの非在庫型。
シューズブランド中心の企業がOMOに力を注いでいる。靴はサイズフィッティングが胆になるなど、店舗同様の接客や安心感をどれだけオンラインで表現できるかが重要。各社工夫を凝らしている。
p15 厚生労働省政策統括官付参事官付行政報告統計室「衛生行政報告例」として、令和2年度(令和3年3月末現在)の全国のクリーニング施設数一覧(総施設数、一般クリーニング所、取次所そして無店舗取次店)が掲載されている。無店舗取次店は令和2年度からの記載で営業者数が示してあり、大阪府が最も多く、徳島、高知、宮崎県は0であった。鳥取県は総施設数、一般クリーニング所ともに令和元年より増加、沖縄県も総施設数、取次所は増加、その他の都道府県は減少した。
p19 埼玉県組合青年部はコロナ禍以前には、埼玉県内の小中学校にて洗濯に関する出前授業を行っていた。この度、県立八潮高等学校の家庭科部での出前授業が実施された。14名の生徒とともに、しみ抜き、アイロンがけ、ドライ溶剤と水の比較などを50分間で学んだ。YouTube「埼青会クリちゃんねる」にて動画公開中。
クリーニング後の衣類のポリ包装・カバーについて、クリーンライフ協会のポリ包装等抑制分科会が行ったアンケートの結果、「品物が包装なしで他人の衣類と密着して保管されるのは嫌だ」と回答した人は55.4%、「次回着用まで包装のままにしている」は52.7%、「保管用の包装カバーがあれば有料でも利用したい」は約4割だった。そのまま仕舞える不織布カバーを売り込む機会と期待されている。
ウォッシュプラスは、洗剤を使わないランドリー「Wash+」を展開しているが、星野リゾートと共同で、ホテル業界初の洗剤レスのスマートランドリー「Wash+comfort」を開発した。洗剤を一切使用せず、アルカリイオン電解水で洗うため、アレルギー体質の宿泊客にも対応、従来の水量に比べ30%削減した。また、スマホで使用状況の確認ができる。
「クリーニング産業総合展示会2022〜クリーンライフビジョン21 in Tokyo」が、2月3日〜5日東京ビッグサイトで3年ぶりに開催された。クリーニング機器、各種資材、サービスなどが発表された。とくにコロナ禍でも伸びを示す寝具関連で様々な提案があった。電気ボイラーで稼働できる「布団乾燥・リフレッシャー」は取次店にも導入可能で、クイック仕上げも対応でき、丸洗いより安価で提供可能。
廃PET素材を使用したハンガー製造にいち早く着手したオリタニは、環境型専用ブランド商品計画の一つとして業務用洗剤「MASAHARU…海へ」の製造販売を開始すると発表。家庭用洗剤製造のがんこ本舗との共同事業の一環でもある。100%植物由来の洗浄成分を使用し、国際的な生分解度試験法において全成分の70%が14日間で自然界に還り、生分解テストをクリアしている。
クリーニング業における衛生管理を考えるにあたり、玉井クリーニング科学研究所の玉井氏が、70年前に白洋舍が実施した「クリーニングにおける衛生面での調査研究・細菌に関する研究」を紹介。水、石けん液を用いてハンカチ、割烹着を洗った濯ぎだし液中の細菌数は、石けん水に除菌が認められ、ランドリーにおける細菌数の変化として、温度上昇とともに殺菌力も生じ、50℃から菌数の減少が増大するなど、貴重なデータが集約されている。
情報収集の主力ツールが検索エンジンからSNSへ移行し始めている。野村総合研究所の調査で、情報収集にSNSを利用する割合は5年前と比べ10〜60代の全ての年代で増加、特に10代と20代では約7割にのぼった。その一方で、90年代後半以降に生まれたデジタルネーティブのZ世代の半数が「SNS疲れ」を感じていることもわかった。
2月は百貨店が旺盛な高額品需要を背景に前年度を上回ったところが多かったが、専門店は都心立地の企業が苦戦。まん延防止重点措置の影響で客数が減り、前年に比較し低気温の日が続いたため、春物の売れ行きは苦戦。百貨店、専門店共にオケージョン需要は活発だが「汎用性の高いデザインが良好」など傾向変化もみられた。
日本百貨店協会が発表した全国百貨店の2月売上高は、前年同月比0.7%減の3,172憶円で、5か月ぶりにマイナスとなった。降雪など天候不順で入店客数が2.9%減となり響いた。ラグジュアリーブランドや高額品は伸長、衣料品は気温低下により春物が伸び悩んだ。地域別では5都市(東京、京都、大阪、名古屋、福岡)以外は全地区で前年割れ。3月17日時点では前年同期比14.5%増で推移しているが、19年比では17%減となりコロナ禍前の水準には達していない。
島屋横浜店にて、農作物の剪定時に出る枝や葉などの農業廃棄物を再利用し染液を作り、染色された衣料品を期間限定で販売する。染色後の原料や使い古された製品の一部は「堆肥化」され循環型モノづくり志向にもつなげる。農家にとって廃棄処分の手数料は経営負担になっている。農業廃棄物のアップサイクルを通し、経費負担軽減のみならず、食以外での農作物の魅力を引き出すことや、製品タグに生産地の市町村情報を記載し生産者と消費者をつないでいる。
フリマアプリ「メルカリ」はユーザーの利便性向上を進めており、主にオフライン施策を強化し、白洋舍・ダイソーとの連携を発表。売買商品の中で約35%がファッション領域で「出品前」や「購入後」クリーニング店利用が多いため、白洋舍は衣類などを長く清潔に使用し続けるサポートとメルカリの使い方サポートも行う。約半年間の実証実験を想定している。
"服を売らないアパレルブランド"を掲げる「エナジークローゼット」が、不要な服を3着以上持ち込むと、店内で3着まで選んで持ち帰れる交換サービスを19年秋から開始。サービスには入場料3,000円が要る。当初は客数が1日3組程度だったが、21年はインスタグラムでの発信以降、会場の規模に合わせた70〜200枚のチケットが完売。大切な服を捨てずに済む仕組みと、気に入ったものを探す体験の楽しさに価値を感じられている。価値観で繋がりたいと考える消費者が増えていることが成長の要因であるようだ。
コロナ禍で苦戦していた東京中心部のSCで、昨年秋から復調する施設が出てきた。いずれも、21年度の売上高は前年実績を大幅に上回り、19年度実績に対する落ち込み幅も縮小した。10〜12月に緊急事態宣言が解除され、新型コロナウイルス感染者が減少した効果もあるが、ショップと連携して、郊外・都市近郊の施設にはない「館の独自価値」を発信し、顧客拡大策に取り組んだ成果も大きい。
古着人気が続いている。矢野経済研究所の予測によると、国内のファッションアイテムの中古市場の規模は、21年は9,000億円で、ここ数年は毎年10%程度の拡大を続けている。理由の一つは、若者を中心に90年代ファッションが再燃している。当時の流行だったカジュアルでスポーツテーストのものが好調。特に注目されているのがスポーツブランドのスエットやナイロンジャケット。頑丈でへたれにくい作りだが、着込んで何度も洗濯したであろう風合いは味があるという。
大手百貨店の3月売上高(既存店ベース・速報値)は、全社が前年同月実績を上回った。まん延防止等重点措置が3月21日に全面解禁となり客数増加、卒入学や新年度向けのオケージョン需要、気温上昇で春物が動いた。19年比では売上、客数共に1〜2割減少にとどまっている。衣類は全体的に10%〜17%増の結果であった。
まん延防止等重点措置が3月21日に全面解禁となり客数が上向き、前年同月実績を超えた店舗が多かった。寒暖差が大きく、実需品は動きが鈍かった。百貨店は都心大型店を中心に前年実績を上回った。衣料品は通勤・外出の増加で売上増を確保。専門店はユニクロ、無印良品は10%減。ユナイテッドアローズやアダストリアは8〜10%増。春アウターやオケージョンが好調だった。
衣服の購入や家探しなど暮らしに不可欠な商品・サービスでLGBTQ(性的少数者)への配慮が広がりつつある。衣服では3月下旬、女性でも着ることができるメンズパターンのスーツ採寸会が開かれた。体のラインを強調しないメンズパターンを望む10代〜40代が多く利用している。服の売り場は「男」「女」別に分かれているため、売り場に入るのに抵抗感がある。ジェンダーレスファッションはまだ少なく、ニーズに応えきれていないこともある。企業は当事者の悩みを認識し、ハードルを解消していく必要がある。
クオテオの消費者のショッピングジャーニー(購買行動)の調査「ショッパーストーリー2020」によると、ますますオンライン・オフラインのハイブリッド化が進むとともに、実店舗が多くの消費者に重要な役割を持つ傾向が強まっている。オンラインに関わる購買行動で、「ショッピングアプリで購入」76%(前回19年比21ポイント増)、「実物を店舗でみてからオンラインで購入」72%(前回67%)、「オンラインで商品を閲覧してから購入68%(前回52%)と続く。
ECを利用する全国20〜69歳の男女1,000人に「ユーザーが求めるEC」についてマーケティング会社がインターネットで調査した結果、重要視されるのは「送料」で6割、掲載画像は「寸法が記載されたもの」が求められることがわかった。「普段ECサイトで良く購入する商品(ジャンル)」では「衣服・カバン・靴」がトップの約5割で、「書籍」「美容・健康関連」と続く。重要な画像は寸法表記と8割が回答。メールは注文後・発送後が必要、フォローメールは「安心感につながる」と好意的であった。
インテージの20年から行っている2,000〜3,000人を対象としたSDGsに関する意識調査で、SDGsに対する一般の認知率は直近で79.8%となり、2年間で3倍に拡大した。環境などに配慮した行動をとるだけでなく、取り組む企業の商品を選好するようになっている。
消費系企業に、新型コロナウイルス禍からの業績回復が目立ってきた。小売りや外食業の約7割で23年2月期の純利益がコロナ前を上回る見通しだ。最高益の更新を目指すしまむらなど厳しい商環境で改革を進めた企業がけん引する。一方で百貨店などの客足の戻りは鈍く、足元では原材料費などの高騰も進む。コスト削減にとどまらない対応が求められる。
繊研新聞が四半期ごとに実施している「ファッションビジネス景況と消費見通しアンケート」で、4〜6月の消費見通しは「良くなる」が36%と前回調査から30ポイント上昇したが、回復時期は「分からない」が7割を占め、20年9月調査以来の高水準となった。経済活動再開はしたものの、供給側には「上海ロックダウンによる供給混乱」問題もあり、商戦に万全な体制も作れない。値上げの影響で消費マインドも保守的であり先行きを不安視する声も多い。
アダストリアは、小学生でも経血の漏れの心配がない安心して着用できるティーン向けの吸水ショーツを発売する。大人のSサイズは子供には大きくて、漏れの不安が軽減されないとの母親の声に応えたものである。
エコックスは、良い姿勢、正しい歩き方をテーマとしたパンツを発売する。商品の下げ札にはQRコードを付け、正しい歩き方を紹介する動画が見られるようにする。
靴下の岡本は、冷え対策を主眼とした戦略商品を発売する。つま先は肌側に吸水速乾、外側に吸湿発熱素材を活用した2層構造に仕上げ暖かさを持続する。一般的な綿混靴下に比べ最大温度差4℃の保温性があり、湿度差はマイナス10%と蒸れも軽減する。
従来は当たり前だった構造を見直し、より楽に身に着けられるファッション商品が目立ってきた。アッパーの革とゴム製の本底を一定の厚みでくりぬいて縫い合わせる構造にすることによってしなやかに曲がる革靴や、袖パーツを5つの方向に分けて縫製することによって腕の可動域が広がるジャケットを紹介する。
ミズノは汗の不快な臭いを消す「着るドラント・クイックドライ・アンダーウェア」を発売した。同商品はポリウレタン糸の中にあるイオン分子が臭い成分を吸着・結合して消臭する。糸自体に消臭機能があるため、繰り返し洗濯しても消臭力が持続する。また、抗菌防臭加工により臭いの元になる繊維上の菌の増殖を抑える。
アレスは微弱電磁波を使い、乱れた神経を整える「スパオール」技術を活用したTシャツの企画販売を始めた。スパオールは湯治場で利用される鉱石類と特殊な製法による炭を混合したパウダーで、微弱電磁波を発する。パウダーは練りこみではなく、製品にプリントする。衣類などに定着させることで神経を刺激してコンディションを整える。「脳のリラックス、血流促進、重心・体幹の安定」で特許を取得している。
ニトリは、日華化学、帝人フロンティアと、抗菌防臭・抗ウイルス加工のダイニングセット「アルナスDF」を共同開発し、一部店舗で取り扱いを始めた。テーブルの天板・チェアの背もたれ・ベンチの取っ手の木製部分と、チェアとベンチの座面カバーの布製部分に抗菌防臭・抗ウイルス加工を施している。木製部分には日華化学の技術、布製部分には帝人フロンティアグループの技術を採用した。加工部分表面上の特定の細菌の増殖を99%以上低減し、特定のウイルスを99%以上減少させる。
デサントジャパンは3月16日、圧電繊維「ビエクレックス」を展開するビエクレックスと共同開発したマウスカバーの新製品「ビエクレックスマスク」を発売した。咀嚼の動きによって繊維上に発生する電気エネルギーで抗菌効果を発揮する。話す、かむ、笑うといった顔の動きが増すほど抗菌作用が高まるとともに、飛沫などに含まれる菌を抑制することで防臭の2次的効果も期待できる。
西川や伊藤忠商事など8社・団体は18日、国民の健康やQOL向上を睡眠の視点から支援する睡眠マネジメントに関する産学連携コンソーシアム「スリープイノベーションプラットフォーム」を設立する。企業と大学などが連携し、睡眠をベースとしたサービスの品質チェック基準作りや、事業者間連携による高付加価値ビジネスモデルの開発などへつなげる。
快眠セラピスト監修によるオーガニックコットンパジャマはダブルガーゼを使い、シャツの肩回りに余裕を持たせ、パンツの脇の縫い目をなくし、着心地が柔らかくて寝返りしやすい。パイル素材にレーヨン糸を混ぜたウェアは、肌触りの良さと接触冷感を楽しめる。
シキボウは、女性特有の性や健康に関する問題解決を目指すフェムテック商品として、経血に対応した消臭加工「フェミュー」、防汚加工「ノアード」をそれぞれ開発した。経血にはトリメチルアミンやメチルメルカプタンなども含まれていることから、これら臭い成分も吸着・中和できるように加工技術の改良を進め、経血対応の消臭加工を実現した。また、経血汚れにも対応した防汚加工としてノアードを開発した。
ボンマックスは、次世代素材である相変化物質を使った冷却用品で、28℃以下で自然凍結し、冷却効果が長時間継続する「クーループ」の発売を開始した。結晶化時には放熱、水溶化時には吸熱する温度調節機能を持つ特殊素材である。首に装着して使用することによって熱中症対策として効果が期待できる。
三陽商会が展開する紳士服ブランド「ザ・スコッチハウス」は、IT周辺機器メーカーのエレコムと協業し、高機能モバイルファンを取り付けることができるベスト、シャツジャケットを発売する。年々気温が高くなる日本の気候環境において、日常生活を涼しく快適に過ごせるように開発した。エレコムの高機能USBモバイルファンを、備え付けのアタッチメントテープに取り付ける仕組み。
コスギは温泉成分を利用したミネラル結晶体「イフミック」を使ったホームウェアブランド「オンセンス」を販売する。イフミックはテイコク製薬の登録商標。数種類の鉱物を組み合わせて鉄分の多い温泉水に浸し、その溶出液に特殊な処理をして抽出した集積機能性ミネラル結晶体。血圧の安定、動脈硬化の防止、アンチエイジングなどが期待できる。入眠時間の短縮や睡眠の質の向上などの効果もあるという。
日本の工芸品をおしゃれにあしらい、機能的で動物由来の素材を使わないバッグのデザインから製造販売までを手掛ける幸田フミさん。富山の富岡銅器、福井県鯖江の購入メガネ、兵庫県豊岡の柳細工など各地で出会った素材や職人技をモチーフにした人工皮革製のバッグを手掛けている。
国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)は、「デジタルものづくり」をテーマにした北陸拠点を福井県に設置することを決めた。北陸産地の技術ノウハウも背景にした繊維産業の高度化など、具体的な研究テーマを今後、検討していく。産総研の地方拠点は12カ所目で、30人規模の職員が配置される予定。
脱炭素社会の実現には消費者が付加の少ないものを正しく選べるようにすることが大切だ。服の大量廃棄などに対する批判が国際的に高まる中、日本のファッション業界では温暖化ガス排出量や水使用量などの服の環境負荷を数値で示す取り組みが広がってきた。日本総合研究所の試算では国内に供給される衣類から排出されるCO2は原材料調達から廃棄まで年間9,500万トン。世界のファッション産業の4.5%に相当する。非常に環境負荷が大きい産業という現実を認識し、誠実に情報開示することが業界再生の一歩となる。
@6月16日(木)13:00〜17:25Aオンライン開催(Zoom予定)C日本油化学会 東海支部(TEL 052-231-3070 FAX 052-204-1469)
@6月20日(月)10:00〜6月24日(金)15:30Aオンデマンド開催B演題:「サスティナブル」−持続可能な社会のために油化学視点で考える−
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:島崎恒藏/発行人:亀井良彦