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行 政 ★繊維・ファッションへ経産省が相次ぎ政策立案
規格関連
★繊維・ファッションへJIS衣料サイズ、成人男女で
小・大と共通サイズを追加
素 材 ★世界初 抗ウイルス粒子開発
加 工 ★"超臨界染色がNEDOに採択
アパレル ★障害者アート(アールブリュット)でファッションを彩る
流 通 ★大手GMSの衣料品売り場、年齢層広げ顧客拡大へ
クリーニング ★ダウン「洗わず」は15%
消 費 ★消費の潮流分析「エシカル」脚光
健康・快適性 ★即効性優れる抗ウイルス剤/引き寄せ酸化分解
品質管理 ★取引DPR法対策で利用者拡大
その他 ★脱炭素社会"企業に求められることは?
経済産業省は21年11月に産業構造審議会に新設し、新たな経済産業政策を議論・検討する「経済産業政策新機軸部会」の第8回会議を開き、「中間整理案」を示した。ミッション志向の産業政策の6つの柱として、炭素中立型社会、デジタル社会、経済安全保障、新しい健康社会、災害に関するレジリエンス社会、バイオものづくりを掲げ、長期的な政策の方向性と30年には約172兆円の投資目標額を示した。
文部科学省と厚生労働省の今春卒業した大学生の4月1日時点の就職率が95.8%だった。新型コロナウイルスの感染拡大が影響し大幅に低下した前年の96.0%を0.2ポイント下回り、2年連続の低下となった。男女別にみると、男子の94.6%は前年より0.4ポイント、女子の97.1%は0.1ポイント下がった。文理別では文系が0.6ポイント低下の95.4%、理系は1.5ポイント上昇の97.4%で、理系の就職率の高さが目立った。
経済産業省製造産業局生活製品課は5月18日に「繊維技術ロードマップ」を発表した。未来の産業につながる繊維技術の創出、繊維産業の国際的な競争力維持の観点から、繊維技術の戦略や工程について、手法や活動などの事例を交えて扱う。バイオ素材の普及、繊維to繊維リサイクル技術の実用化、無水型染色加工技術の実用化などをテーマとしている。
経済産業省が繊維・ファッション産業に関する有識者会議を相次いで立ち上げ、新たな政策を打ち出した。15年ぶりに「繊維ビジョン」を策定、行政の役割が高まっていることなどが背景。サステナビリティの促進、国内産地の活性化、NFT(非代替性トークン)の活用などの新市場開拓、海外需要拡大の支援などが重点。成果を上げるためには政策の周知徹底と行政、産業界の連携が不可欠。
出産や育児を機に職を離れ、30代を中心に働く女性が減る「M字カーブ現象」の解消が進んでいる。総務省の国勢調査20年に基づく調査で、35〜39歳で働く女性の比率は78.2%と、5年前に比べて5.2ポイント上がった。30代の女性の8割が仕事を続け、極端な落ち込みはなくなった。ただ、女性は非正規社員として働くケースが多く、働き方や待遇の改善には課題が残る。
中小企業庁の中小・小規模企業白書22年版の分析テーマは、@中小企業における足元の感染症への対応、A企業の成長を促す経営力と組織、B小規模事業者における事業見直し・地域課題の解決、C共通基盤としての取引適正化とデジタル化、経営力再構築伴走支援を掲げ、事業者の自己変革を重点にウィズコロナ、アフターコロナにおいて必要な取り組みを分析した。
政府は、日本の製造業の現状と課題、政策をまとめた「ものづくり白書」22年版を公表した。経済産業省、厚生労働省、文部科学省が共同で作成している。製造業の業況は、半導体不足や原料高の影響もあるが、回復傾向もみられた。大きな事業環境変化として、カーボンニュートラル、人権尊重、DXなどを挙げ、動向分析とともに事業者の事例を示した。
コロナ禍で繊維・ファッション産業の低迷と事業環境の変化が加速、行政のさらなる産業支援策が求められている。こうしたなか、経済産業省は繊維・ファッション産業に関する二つの有識者会議を21年11月に立ち上げ、今春に報告書を発表した。立ち上げたのは製造産業局生活製品課による「産業構造審議会製造産業分科会繊維産業小委員会」と、商務・サービスグループファッション政策室による「これからのファッションを考える研究会」(ファッション未来研究会)。両会議ともに日本の繊維・ファッション産業の厳しい現状と課題を踏まえながら、成長に向けたチャンスは十分にあると捉え、産業全体の「稼ぐ力」を創出し、新たな成長につなげるための条件を提起した。サステナビリティへの取り組みやデジタル化の促進、海外を含めた新市場への挑戦とそれらを実現するための技術開発力の強化、異業種を含めた協業など新たなビジネスモデルの構築が柱。
JIS衣料サイズ改訂が22年度末に公表される。経済産業省委託事業「衣料サイズに関するJIS開発」の審議結果が取りまとめられ、経済産業省のチェック、パブリックコメント、日本産業標準調査会の専門委員会を経て、23年3月公示される予定。14〜16年に実施した日本人の体格調査を基に、業界・消費者ニーズを踏まえ、17年に見直されたISOとの整合も図るJISサイズ改訂がようやく決着する。改訂案は、JIS・L4004で小さいサイズにSS、大きいサイズに4L・5Lを加え、L4005では範囲表示にSS、4L・5L・6Lを加える。
東亜紡織とソトーはケケン試験認証センター協力のもと、尾州産地発信のSDGsを考慮したウール・サプライチェーンの業界スタンダード「グリーンウール・バリューチェーン」を立ち上げた。CSRや環境負荷低減に加え、経済合理性もバランスさせたサプライチェーン全体の温室効果ガスの削減、トレーサビリティー、LCAの数値基準を設ける。
三井化学とマイクロ波化学は、環境負荷の小さい炭素繊維(CF)製造に関する基盤技術を確立した。耐炎化プロセスと炭化プロセスの両工程にマイクロ波を応用することで、従来法と比較してエネルギー消費量の50%削減に成功した。今後、実証設備の導入などを進める。従来法は間接的に加熱して全体が高温になったが、直接加熱のマイクロ波法は局所的にしか高温にならない。これによってエネルギー削減や処理時間の短縮、装置のコンパクト化などを実現した。
帝人フロンティアは、開発した解重合触媒を使うことで、着色されたポリエステル繊維を石油由来原料と同等の品質に再生できる新たなリサイクル技術を開発した。比較的工程の少ないBHET法を採用し、新触媒を活用することで同法の弱点である着色を抑えることに成功した。使用エネルギーは従来のDMT法に比較して約4割削減できる。廃棄物の削減も可能という。
クラレトレーディングは防滑性を持つ極細ナイロンの新素材「フィプレスタ」を開発した。ナイロン特有の柔らかな風合い、高いグリップ性を併せ持つため、衣料やスポーツ用品などに用いることで体へのフィット感を高められる。特殊ナイロン繊維とクラレ独自の水溶性樹脂で構成する海島構造の複合繊維を構成。熱水処理によって極細繊維の束になり、生地にすると高いグリップ力が得られる。
廃棄されるリンゴやパイナップルなどの葉、ブドウなどの搾りかすなどを原料にしたレザー代替、バイオ加工レザーの市場が拡大している。動物愛護から欧米を中心に注目度が高く、スタートアップ企業など製造メーカーが増加、新素材開発が続く。バイオ加工レザーの最大市場は北米で、アジア・太平洋は最も急速に成長している地域だという。用途では全体の半分以上を靴のアッパーなど靴関連が占め、衣料品・アクセサリーも3割以上。
東レは、従来比100倍の即効性を持つ新たな抗ウイルス粒子を開発した。繊維や樹脂、フィルム、塗料など多岐にわたる素材に抗ウイルス機能を付与でき、世界初の新素材になるという。今後、試験品提供を通して検証を進め、2〜3年内の製品化を目指す。機能性粒子の設計・合成技術と表面制御技術を活用し、酸化セリウム粒子を特定の分子で被膜した。これにより、ウイルスを粒子表面に引き寄せて吸着し、酸化分解することで不活性化する。
帝人フロンティアはスポーツ向けの新商品、綿調ポリエステル素材「ポリリズム」を開発した。「高密度」「コンパクトな度詰め感」「ドレープ制御による高シルエット」などが特徴で、新たに開発した異収縮2層構造糸を使っている。芯がカチオン可染高収縮糸、鞘がソフトな風合いを持つ低収縮糸の2層構造糸で、染色加工の際に芯の糸が50%以上縮む。芯部が大きく縮むことで長さ方向にランダムな糸構造となるほか、芯糸がランダムに露出して綿のような質感を実現する。
土屋鞄製造所はボルト・スレッズが開発したキノコの菌糸体から生まれたレザー代替素材「マイロ」を採用した国内初の新素材モデルを共同開発した。マイロはキノコの菌糸体の微細な繊維で、革のような柔らかな手触りと上質感のある風合いを実現した。菌糸体は垂直農法施設で育成され、生成に必要なものは水と空気とマルチング材だけで、2週間足らずの短い周期で育成できる。
京都大学の沼田圭司教授は、遺伝子組み替え技術によりクモ糸シルクたんぱく質を産生する海洋性紅色光合成細菌を作ることに成功した。バイオベンチャーのスパイバーの開発した人工たんぱく質と混合して同社の紡糸施設にて繊維化し、たんぱく質繊維「エアシルク」の試作に成功した。大気中の二酸化炭素と窒素を利用して生産できるという。今後は、細菌の培養スケールを拡大しエアシルクの量産を目指す。
化学メーカー華峰集団(中国浙江省)は、米デュポンのポリトリメチレンテレフタレートPTTポリマー「ソロナ」事業と、バイオベース原料の1,3プロパンジオールPDO事業を買収した。買収額は非公開。華峰集団はスパンデックスやポリウレタン原料などを幅広く製造し、バイオベース材料を傘下におさめ成長機会を取り込む狙い。
大和紙料は古紙をリサイクルして作った和紙糸「カフェテックス」を開発した。通常の古紙100%で紙糸を作ると強度が不足する。このため、濡れても破れないような高い強度を持つコーヒーフィルター端材を原料に選び、安定調整ルートも確保した。現在、共同開発した日進ゴムに靴向けの原反供給を始めているほか、産業資材、靴下、インテリアといった用途に向けた糸・生地を販売する計画。
合成皮革などを企画・販売する高島商事は、環境負荷の小さいサステナブルフェイクファーを開発した。植物由来のバイオポリマーとポリエステル樹脂を組み合わせたポリエステル繊維を使用しており、生分解性を持つ。2種を用意し、衣料品やぬいぐるみなどの用途に提案する。生分解性試験(ISO 21701:2019-TEXTILES)を行ったところ、180日間で約60%という値を示した。
印刷大手の共同印刷は、合繊に蓄熱機能を付与できる高機能ペレットを開発した。使用する蓄熱機能材は住友金属鉱山が発明した六方晶タングステンブロンズのナノ材料「CWO」で優れた近赤外線吸収能力が特徴。溶融ポリマーに少量添加するだけで、太陽光の近赤外線を吸収して熱エネルギーに変える蓄熱機能繊維が製造できる。また、赤外線吸収によって赤外線盗撮を防止することもできる。
シーアイランドクラブは、地域活性事業などを行うフードリボンと共同で、沖縄県北部の大宜味村と東村でシーアイランドコットン(海島綿)の試験栽培を始めた。海島綿は米国とカリブ地域でしか商業栽培されておらず、沖縄県が世界で3か所めの栽培になる可能性がある。今回は、海島綿の種子が沖縄県で実際に収穫できるのか、また収穫した綿花が海島綿にふさわしい品質を伴うかなどを確認する。
日本蚕毛染色は、フィラメントシルクに架橋結合を導入する加工を生地で施した「セレーサカルメン」を開発した。家庭用洗濯機で50回以上洗っても風合いや光沢を維持し、スレによる白化や収縮の問題を解消し、色落ちもしにくいという特徴を持つ。サテンなど長繊維織物への加工を見込んでおり、ナイトウエアやインナー用途での採用を図る。
染色整理加工の鈴木晒整理は、新たに二つの機能加工を開発した。汚れが付きにくく、付着しても家庭洗濯で落ちやすいもので、生活の利便性向上に寄与する加工として訴求する。一つは「ドクターソイル」。醤油やソース、ワイン、ジュースなどの食べ物や飲み物の食べこぼしに効果がある。既存の加工を複合させることで実現させた。もう一つは「コスメクリーン」。ファンデーションや口紅といった化粧品の付着汚れが家庭洗濯で落としやすくなる。
製品と生地の染色、洗い、染色にまつわる補修を行う福井プレスが商品化した、堅ろう度の高い草木染めが注目されている。コーヒー豆とその薄皮のみを原料とする染料を用い、染色用に改造したワッシャーで染める。「珈琲染め」と同社は呼ぶ。アウトドア製品大手が、珈琲染めしたTシャツの堅ろう度を調べたところ、耐光以外の堅ろう度は同社基準に合致したという。
シルク生地の染色整理加工の丸屋染工は、自社で染料の抽出から行う草木染の提案に力を入れている。桑の葉からスタートし、最近では梅の木から抽出した「丸屋梅染」も開発した。洗濯堅ろう度は高く、媒染剤によって淡いピンク、黄色、茶、グレーなど様々な表現ができる。
96-102, 天然色素であるメラノイジン色素の染着座席であるアミノ基を羊毛に導入する目的でポリアリルアミンによる前処理を行なった。前処理の温度やポリアリルアミン濃度が高いほど、p-キシロースとの反応後の着色濃度が高くなる結果を得た。一方、同前処理によって羊毛の濃色化は達成されたが、機械的強度や撥水性の低下が認められた。
福井大学と同大学のベンチャー企業であるサステナテックの研究が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「エネルギー・環境新技術先導プログラム」に採択された。今年5月〜24年3月の期間で総額2億円の事業費が交付され、精練や機能加工を含む超臨界二酸化炭素流体染色加工技術の開発を進める。実用化に向け染料・薬剤の開発や、さまざまな衣料用繊維に対応する水を全く使わない染色整理・加工技術の確立を目指す。
編地の染色加工の艶金は人工知能を活用した色味検査を進めている。目視による検査の補助的な役割として各工程に検査機器を3台導入した。測色データをAIに学習させ、判断に迷う場合の参考にすることで生産性向上のほか、若手の就業率アップを目指す。同社では色味検査は熟練工の判断に頼っているが、熟練工の高齢化が進行。熟練工が不在の場合もある夜勤では若手が判断に迷ったり遅れたりするケースもあった。
紳士服大手のコナカは5月10日、バストサイズが大きな女性向けのシャツやスーツを23年1月から販売すると発表した。バストの大きい女性の悩みに応えたアパレルブランド「overE」を運営するエスティームと共同開発する。コナカは男性向け商品が主力だが、女性向けを強化し新たな顧客層の獲得を目指す。両社は5月下旬にもスーツやシャツの試作の試着会を実施し顧客の意見を取り入れながら、シャツとジャケットの開発を進める。
22〜23年秋冬デザイナーコレクションは、復活祭といったイメージだった前シーズンから一歩進んで、通常運転が始まったシーズンといえる。ミラノはコレクション期間中の発表を休んでいたブランドが復帰、パリは会場周辺におしゃれな若者が集まった。2年かけてデジタル発表のスキルを身に着けた今、改めてリアルショーの価値が高まっている。
アーバンリサーチはミライバトン研究所が国内の廃棄衣料問題の解決を目指し立ち上げた「古着バトン」のメンバーとして古着の回収・販売の取り組みを開始する。指定の回収キット(税込み2,310円)を使って家庭で不要になった衣類を回収する。回収した古着は参加会員企業と協力し再販、寄付またはリサイクルに回す。活動で得られた利益は(一財)みらいこども財団に寄付する。
吸水ショーツなどフェムケア商品を導入、拡大する動きが目立ってきた。吸水ショーツは各社が商品特徴をアピールして価格帯も広がり、消費者の選択肢も増えてきた。依然としてECが中心だが、実店舗で扱う業態も多様化している。新規参入が増えたのは昨年からだ。フェムテックという分野が注目され、表立って話されてこなかった女性の健康課題に向き合おうという機運の強まりが大きい。昨年「ジーユー」「ユニクロ」が扱い始めたことも市場の広がりへの期待を高めたようだ。
インナー・レッグウェア製造卸の21年度(22年1月〜3月の決算期)は、全社が増収に転じた。調査対象としたのは、ワコールHD、グンゼ、アツギ、MRKHD、シャルレ、タビオ、白鳩、ナイガイ。営業損益も昨年は8社中6社が赤字だったが、当期は8社中5社が黒字を確保している。今期はおおむね増収増益を予想。商品的には全体的にインナーが健闘し、ストッキングを主とするレッグが苦戦した。
国内の紳士服工場で自社ブランドを開発する動きが強まっている。コロナ下でスーツ離れに拍車がかかるなか、オーダースーツやジャケットを中心に、これまで工場が培ってきたテーラードの技術を生かして新たな需要の掘り起こしに挑む。自社ブランドの生産比率を高めることで、依存度が高いOEMの受注に左右されず、安定した年間稼働による縫製工場の自立化を目指す。
全国に1,800店の直営店を展開しるワールドグループが、「誰もが安心して、ファッションが楽しめる環境を」と題し、ららぽーと豊洲の店舗にて、視覚障害を持った方の買い物体験を行い、5日間で11人が参加した。事前にファッションに関してアンケートを実施、10代〜60代の女性54人、男性49人で、全盲57人、弱視44人、その他2人。アンケート回答からファッションを楽しみたい思いや導線、視覚情報に関する困りごとを参考に、買い物体験を実施した。
子供服の21年秋〜22年春の入卒商戦は久しぶりに需要が回復して盛り上がった。好調だったのは、オンオフ着回せる汎用性の高さや個性が引き立つブランド。SC業態でも提案が活発になり、買う場がより分散している。入卒服の主戦場は、以前は百貨店だったが、SC業態の参入やECでの低価格品の販売などチャネルが広がっている。
障害を抱える人が描いたアート作品がファッションアイテムとして広がっている。ファッション企業にとっては、独創的で魅力的な商品につながり、障害を持つ人にとっては自立する一つの道にもなる。SDGsへの取り組みという観点からも、社会的に意義のある事業といえる。
日本障害者ファッション協会は、23年春夏パリ・コレクション期間の9月27日、パリの日本文化会館内でファッションショー「ホイールチェア・ファッション・ロウ」を開く。ショーのテーマは「if(イフ)…」。車椅子に乗ったモデルがランウェーを進み、車椅子利用者に違和感を持たない社会なら流行するかもしれないファッションを表現する。デザインだけでなく新たな価値を世界に拡散するのが狙い。
大手下着メーカー「ワコール」が男性用のレースのパンツを売り出し話題になっている。同社は「ビューティフルピープル」と協業し、男女兼用でワンサイズのボクサーパンツも発売した。
レディス洋品雑貨の春夏販売は、傘や帽子が売れて好調だ。コロナ禍で厳しい状況が続いていたが、3年ぶりに行動制限がなく、外出やイベント、旅行など人流の増加が要因。特に昨年までの2年間は、1年で売り上げが大きい春夏商品のイベントがほとんどできなかったが、今年は復活しにぎわっている。
従来のスーツの売り上げが落ち込む中、スーツのカジュアル化が止まらない。21年の「背広服」の世帯当たりの購入金額は2,721円で20年前の1/3程に減っている。働き方の多様化やコロナ禍によりスーツ離れが進んだといわれている。そんな中で各社ではカジュアル路線の拡大を図っている。サイズ展開が少なくネット販売しやすいカジュアル分野に力を入れる企業もある。モノのニーズは細分化しており、オンラインで気兼ねなく購入できることも今までにない商品が売れる可能性があるという。
ユニクロは、原材料高騰と円安を受け、22年秋冬物の機能性肌着やダウン製品、セーター、フリースなど定番商品を値上げする。値上げ幅は10〜30%程度。22年秋冬物の値上げは、コスト上昇分を一律で小売価格に転嫁せず、定番の一部商品に可能な限りとどめる。値上げに踏み切る商品に関しては、「極暖」のヒートテックに消臭機能を付与、ウィメンズのカシミアセーターは3Dニットを採用するなど、付加価値を高め、値上げへの消費者の抵抗感を軽減する考えだ。
日本の逸品を世界に―旅行業大手のエイチ・アイ・エス(HIS)が、日本ブランドの海外進出支援に乗り出している。レストランや食品などの飲食分野をサポートしてきたが、オーガニックタオルブランド「ヒポポタマス」を販売するHPSと業務提携し、ハワイや台湾での販売を始める。旅行業の競争が激化するなか、HISの海外60か国・地域113都市162拠点(4月末現在)のネットワークを違う形で生かせないかと考え、コロナ禍前から動き出した。今後もホテルや百貨店とのネットワークの強さを生かし、提携ブランドを増やす考え。
ワークマンは東京・池袋サンシャインシティアルパに6月16日、一般客向けに開発したPB主体の靴専門業態「ワークマンシューズ」と、「#ワークマン女子」業態の複合型店舗を開設した。4月に出店を開始したシューズ業態の2号店で、関東初の女子業態との複合店舗として、レジを共通化して一体運営を行う。都内や広域から若い世代や家族客も含む幅広い層の集客が見込める好立地で、レディスや子供向け、靴やアウトドア用品まで揃う点を発信し、新規客と売り上げの拡大を目指す。
渋谷パルコとラフォーレ原宿が直営店や自主編集売り場を相次いで開設し、館独自のファッションやカルチャー、アートの発信を一段と強めている。コロナ下でECが拡大し、郊外・都市近郊の商業施設で買い物をする消費者が増えるなか、「そこでしか体験できないリアルの場の価値」を打ち出し、「強い来店動機」を作るのが狙い。
ファッションブランドの直営店の役割が変わってきた。コロナ禍でECビジネスが広がった結果、消費者にとってはリアル店での体験がブランドへの信頼や共感という付加価値になっているからだ。売り上げの主力はECでも、広い空間のある路面店によって、コトの楽しさや気付きのある場を提供する動きが都心で目立つ。
店頭に品物はあるが在庫は置かずネットで買ってもらう、リアルとデジタルを融合させた販売方法を大手百貨店に広がっている。主なターゲットはZ世代で、百貨店に足を運んでもらう機会にしてもらいたいという狙いだ。
百貨店で個人外商の改革が加速している。21年度の同領域の売上高は前年比2ケタ増で、ラグジュアリーブランドをはじめ、時計・宝飾品、美術など高額品はコロナ禍前の19年度を上回るまでに復調した。ダイレクトマーケティング、デジタル化を通じて、富裕層らの高額消費のさらなる取り込みを狙う。
小売り各社が円安や原材料高の対策に奔走している。円相場は一時1ドル=131円台に下落。円安水準は輸出型の製造業にとって追い風となる。輸入に頼る小売業は円安が原価上昇などに直結する一方、価格転嫁は顧客離れの懸念がある。このため円安下でもコスト上昇を抑えられるように生産・調達の体制を多方面で修正する必要がある。小売りや外食企業にとって、業務の効率化などでコストを抑え収益を確保する新たな手法が急務になっている。
5月のファッション小売り商況(速報値、既存店売上高)は、前年の緊急事態宣言による営業制限の反動や外出機会の増加、気温上昇による夏物の売れ行きが良かったことで、前年実績を上回った。3年ぶりに行動制限がなかった大型連休は客数が大きく伸びた。衣料品は19年比で1〜3割減の店舗・売り場が多かったが、通勤や旅行をはじめ、ブライダルなどオケージョン需要が上向き、回復傾向を見せている。
大手GMSの衣料品売り場は、旅行などの移動のほか、花火大会や夏祭りといった行事の再開で回復が見込まれる。好調だった食料品が価格の高騰もあって見通しにくくなっているだけに、期待は高い。ただし、GMSの衣料品はコロナ禍前から改革が求められていた分野。大手各社は社会の変容への対応も織り込みながら、この間の成果を踏まえて取り組みを強めている。年齢層の拡大など客層を広げることが焦点。
コンビニで衣料品を購入する動きが広がっている。ファミリーマートのPBソックスは5月までの累計販売数が550万足に達し、ローソンも実証実験で好評だった無印良品の商品を順次全国展開させる計画。まとめ買い需要の高まりでスーパーやドラッグストアとの競争は激化しており、来店の目的となる衣料品の存在感が高まっている。
日本ショッピングセンター協会の「SC白書2022」で、進化する「リアルな場」として、ECの拡大やコロナ禍で変容するライフスタイルのもとで変化するSCの今を捉えている。会員企業へアンケートにより、開発や販売のほか賃料の動向、さらには人材確保や温暖化対策の進展などをまとめている。
コロナ禍で消滅したインバウンドが復活する。政府は6月1日から1日当たりの入国者数の上限を2万人に引き上げ、10日からは観光目的の新規入国を再開し、年間3,200万人(19年時)の訪日市場の扉が2年ぶりに開いた。円安でインバウンド消費への期待は高く、百貨店各社は受け入れ準備を進めて再スタートを切る。
商業施設で夏の全館セールが6月下旬から、順次スタートする。大型キャンペーンを実施し、値引き販売以外で、アイドルグループとの大型キャンぺーンなど需要喚起を図る施設も増えてきた。
アパレル大手が仕事用にもカジュアルにも使える「ビジカジ」の靴を相次ぎ商品化している。テレワークの広がりでカジュアルなスタイルが定着する中、対応した靴にも商機があるとみているからだ。本業の衣料品で培った技術を生かし、デザインや機能性を競っている。
FBプロフェッショナルへの道は、業界知識の基礎講座、月2回、第2第4金曜日に掲載。今回は、「GMS、ECについて知ろう」がテーマ。衣料品の小売りにおいて、セルフ業態で手ごろな価格の生活必需品を中心に販売するGMSと、00年代から顕在化し、コロナ下でさらに飛躍しているECについて、内容と現状をQ&A方式で解説している。
p2 青年部は全国的に休会する傾向で、令和3年度末で20まで減少。令和2年から次世代育成支援対策事業として青年部組織の立ち上げを目指すモデル事業を沖縄県組合で実施してきた。このたび、平成7年度以来、27年ぶりに沖縄県クリーニング組合青年部が再結成された。その道のりが掲載されている。
p.7〜p.11 (一社)クリーンライフ協会の需要拡大検討委員会が21年12月に実施した「クリーニングサービスに関するアンケート〜コロナ禍によるライフスタイルと意識・クリーニング需要の変化について〜」の結果が紹介されている。クリーニングサービスとして「しみ抜き」「衣類のリフォーム・リメイク」は、「知っていた・利用したい」「知らなかった・利用したい」がほぼ同数であり、PRや需要拡大の余地がある。
クリーニング後のクレームの一つとして、溶融を取り上げ、溶融跡の形状から推定される原因物質について解説するとともに、店頭での点検の大切さと、マニュアルを遵守することを喚起している。
エレクトロラックス・プロフェッショナル・ジャパンが、「洗濯やコインランドリーに関する意識調査」の結果を発表。約半数が衣服、日用品の洗いはもっと頻繁にしたいと回答。ニットは数回着用後家庭洗濯・手洗い、ダウンは洗わない人が15%だった。一方、コインランドリーでペット用品の洗いを希望する割合は70%あった。消費者のニーズとして、ペット用品の洗濯が高いことを示唆している。
全国ふとんクリーニング協会は、寝具の付加価値で需要拡大を目指し、会員企業の寝具の付加価値と現状についてアンケート調査を実施。その結果、保管事業は6割が、寝具の圧縮または真空パックサービスは5割が、いずれも有料または無料で実施。圧縮パックは復元率の悪さからクレームに繋がると思われていたが、開けた瞬間がクリーニングの仕上がり状態として捉えられ、クレームにならないことが分かった。防ダニ加工の要望は高く、有料加工も含め7割が行っているが、羽毛布団のリフォーム受付は消極的だった。
総務省統計局の家計調査(3月)によると、一世帯当たりのCL代支出額は401円だった。1年前の3月より上回った。勤労者世帯は470円、2021年8月以来の増加となった。
経験者に学ぶシリーズ第二弾として、首都圏のCL工場で起きた石油系ドライ機の火災事故を解説。冬季の朝一番に、石油系溶剤中の余分な水分を取るためにタオルを入れて洗い始めて5分経過後、出火。着火源(ライターなど)は衣類になく、ドライ機器の溶剤温度管理は36℃を超えると警報で知らせる機能がついていた。出火の要因は、ソープ中の水分量不足による静電気が原因とみられている。
p4 プラスチック資源循環促進法の施行を受け、徳島県組合は徳島県の令和3年ワンウェイプラスチック代替製品利用促進補助金を利用した例が紹介されている。同組合は既にプラスチックハンガーの回収・再利用は進んでいるため、10ミクロンのポリ包装を導入、クリーニング専用のエコバックの作製と配布をしている。補助金の利用、組合を主体とした導入により、組合員の負担を軽減しつつ法律に沿った対応ができ、消費者へのアピールも効果があるようだ。
(一社)日本電機工業会によると、21年度民生用電気機器(白物家電)国内出荷額は、昨年より減少したが、過去10年間で最高額だった昨年に次ぐ高水準となった。そのうち、電気洗濯機の出荷数は2年ぶりにマイナスとなったが、ドラム式洗濯乾燥機は好調な推移を示している。
日経BPはマーケティングとテクノロジー、消費の3分野の潮流を分析した「トレンドマップ2022上半期」をまとめた。消費分野では90年代以降に生まれたZ世代を中心にサステナブルな商品・サービスを重視する傾向が顕著。経済インパクトでも「サステナブル・エシカル消費」がスコアを伸ばし、環境や社会課題への貢献が経済への本格的な影響を伴う時代に入ったことを示唆、テクノロジー分野でも「カーボンニュートラル」が伸長。企業の取り組みが本格化している。
消費の低迷が続いている。総務省が10日発表した21年度の家計調査は2人以上世帯の1か月平均の消費支出が28万935円だった。物価変動を除く実質で前年度比1.6%増と4年ぶりに増えたが新型コロナウイルス流行前の19年度に届かなかった。米国の堅調な消費と対照的に力強さを欠くうえ、インフレが経済回復の行方を見えにくくしている。20年度の消費支出は19年度に比べ9.4%減った。21年度は増加に転じたものの、その落ち込みを補えていない。
2022年夏のボーナス調査(4月19日時点、中間集計)では支給額が前年比6.10%増の78万1,140円だった。4年ぶりに増加に転じた。新型コロナウイルスの影響で21年夏に大幅に減額した鉄鋼や造船の増加率が高かった。製造業は全業種で支給額が増加し、業績回復がボーナスにも表れた。ただ、支給額の水準は20年実績には届かなかった。半導体などの部品の供給不足や原材料高などが影を落としている可能性がある。
日本皮革産業連合会は「日本の皮革産業サステナビリティ認証」「日本エコレザー認定」2種類のロゴデザインで受賞作品を選出発表した。それぞれ、革と革製品の全てのサプライチェーンを対象にサステナビリティ理念に基づいたSDGs活動に積極的に取り組む企業と一定基準を満たした革製品を認証する制度で消費者に向けたロゴマークとなる。
MS&コンサルティングは、コロナ下で「オンライン接客」を提供する店が増えているなか、「店に行かなくても専門知識を持ったスタッフの接客を受けることができるサービスを、顧客は実際にどう思っているのか」をテーマにネット調査した。6人に1人がオンライン接客を利用したことがあり、30代の利用率が23.7%と最も高い。オンライン接客に興味がある人が増加し市場拡大の可能性がある一方、不満を感じた人は全体の23%と高く、課題も浮き彫りになっている。
百貨店や紳士服大手による「クールビズ」商戦が3年ぶりに本格化している。各社は出社勤務が戻るとの期待から、外出時に着用しやすい機能性の高い商品を売り出す。洗える、通気性や伸縮性が高い、消臭や防シワ効果など様々な機能性が謳われている。新型コロナの影響でこの2年は低迷していたが、足元では需要は回復しつつある。働き方は多様化し服装の自由度が増すなか、各社は着用する場面に合わせて機能やデザインに工夫をこらしている。
日本通信販売協会(JADMA)が5月31日に発表した21年度の通販市場売上高は、対象となる118社の合計で前年度比1.2%増の1兆3,919億2,100万円だった。上半期では前年同期比3.3%増となったものの、下半期では同0.7%減となっている。品目別に見ると、「衣料品」が前年比0.9%増の2,192億円。「雑貨」全体については同1.1%増の7,135億2,500万円。JADMAによると、引き続き、コロナの影響により巣ごもり需要の恩恵は続いているものの、前年度を上回るコロナ特需は起きておらず、全体を通して微増にとどまったとしている。
21年の衣類国内供給量は前年比1.9%増だった。コロナ禍の影響で需要が落ち込んだ20年は10%減少したが、そこから若干回復した。輸入が増え、国内生産は前年よりも減少したため、輸入品の割合(輸入浸透率)が前年よりやや高まり98.2%となった。衣類供給量の回復が鈍いのは、コロナ禍だけが理由ではなく、供給過剰問題と、SDGsの実現に向けた機運の高まりより、企画点数と発注量を絞るアパレルメーカー・小売業が増加したことも理由の一つと言えそうだ。
心と身体の性が一致しないトランスジェンダーの生徒への配慮などから、女子生徒がスラックスを選択できるなどの「ジェンダーレス制服」の導入が全国的に増えている。防寒や動きやすさなど機能性を重視する考えも広がっており、従来の詰め襟やセーラー服は性差が目立ちやすいことから、制服をブレザー、スカート、スラックスに変更し、リボンやネクタイも好きな方を選べる学校が増えている。
内閣府発表の5月の景気ウォッチャー調査(街角景気)によると、3か月前と比較した足元の街角の景気実感は3か月連続で改善した。一方、円安などを受けた商品価格の上昇による景気悪化を懸念する声も根強い。調査機関は5月25日〜31日、全国1,831人から有効回答を得た。
サウナの若いファンが増えている。拡大する市場を狙ってサウナグッズに参入する企業は多く、売り場でも人気が高い。コロナ下で勢いづいたアウトドア市場がサウナの新しい楽しみ方をもたらした。施設に行かなくても体験できる場が増え、"サウナー"の裾野も広がった。協業や新規企業の参入はさらに活発になりそうだ。
「3年ぶりの水泳授業で水着がない!」―小中学校ではコロナ禍以来、久しぶりに全国的な水泳授業が行われるため、スクール水着の需要が急回復している。もともと2〜3年ごとに買い替えがあるが、今年は1〜2年生では初の水泳授業で、3年生以上では以前の水着がサイズアウトしている。学校側も「"指定商品"や紺の水着でなくてもいい」とするところも出ている。
強力な磁力を持つおもちゃを子どもが誤飲し臓器に穴が開く等の事故が相次いでいることを受け、経済産業省は対象年齢を多くの製品で設定されている14歳以上とすることや、重大事故が発生していることを商品説明で明示するよう販売業者に要請した。さらに「知育」や「教育」など、子供が使うことを前提にした表現を用いないように求めた。
AOKIは「洗えるスーツ」シリーズで、信州大学繊維学部と共同開発した糸を使った夏向け「エアクールスーツ」をこのほど発売した。特殊な紡績方法を用いた「エア・テック・スパン」を用い、従来糸と比べ毛羽立ちが少ないのが特徴。このため糸同士の毛羽の絡まりが減り、織物にした際に隙間をふさがず通気性に優れている。夏の暑い時期でも熱の移動がしやすく、蒸れにくい。
日本シグマックスは、暑い時期のスポーツ活動をサポートするアイテムとして、持続冷感に特化した「アームスリーブ クールエディション」を新たに発売した。この商品は、水分に反応して涼感をもたらすキシリトール成分を配合しており、未加工品と比べ生地自体の温度を最大マイナス1.1℃下げる。「クールシェーダー」は、肌温度よりマイナス15℃の製品で冷却。日影が少ない場所でも直射日光を遮り、UV98%カットで紫外線対策にも役立つ。
エスエスケイは、汗をかくと冷感効果が増すシャツを開発した。キシリトール成分が運動中の発汗を吸収して、冷却効果を発揮する。
東レは、酸化セリウム粒子を特定分子で被覆し、ウイルスを吸着・分解する抗ウイルス剤を開発した。新型コロナウイルスを15秒で99.9%以上が不活化する即効性がある。マスク、ガウン、カーテン、カーシート、衣料品などの繊維関連や、樹脂・フィルム素材に採用する。
ウエアラブル技術を生かした製品を販売するミツフジは、体動ノイズを大幅に減少するウエアラブルセンサーを開発した。高機能性銀メッキ導電繊維を使った導電布と、住友ベークライトの高引き裂き耐性シリコーンゴムを組み合わせた。体動ノイズに影響されにくく、心拍波形などの取得データの精度が大きく向上する。健康管理の重要性が高まる中、新ウエアラブルセンサーによってさまざまな社会課題の解決につなげる。
カーシーカシマは、生理痛や冷えなどの女性特有の悩みの解決を目指す"フェムテック温活スーツ"を開発した。女性の仕事中の悩みで多いものに、生理時や座り仕事による腰や腹部の痛み、冷房による冷えがある。腰や腹部を温めることで緩和できる事例が目立つため、今回の温活スーツを開発するに至った。
P255〜P261 衣服は人体・環境間の伝導・対流・放射による潜熱移動、並びに水分蒸発による潜熱移動を左右する環境適応のための重要な手段である。着衣状態における顕熱・潜熱移動特性を客観的に評価するために開発されたサーマルマネキンおよび発汗サーマルマネキンの開歴、顕熱・蒸発熱抵抗の測定方法、およびその課題について解説する。
ユニフォームのフォークは、高い通気性を有する医師向けの白衣を5月から販売している。織の段階で微細な"孔"を開け、衣服内にこもる熱や湿気を逃がす構造を有する生地で作られており、涼しく快適である。
AOKIはこのほど、一般医療機器の疲労回復衣料「リカバリーケアプラス」の販売を始めた。スエット生地の五分袖の丸首シャツと七分丈のパンツで、部屋着やパジャマとして男女問わず着ることができるデザインに仕上げた。生地には温熱治療効果のある高純度セラミックが練りこまれている。体から発する遠赤外線エネルギーを吸収・輻射することで血行が促進され、張り・凝りを軽減させるという。
ニッセンケン品質評価センターの顧客向けに実施するオンラインモールでの景表法・家表法・薬機法などに抵触しないための表現・表示サポートサービスが、利用者を拡大させている。背景には、コロナ禍を通じてネット取引が最終消費市場で急速に拡大する一方、取引上のトラブルが増えていること、消費者庁が取りまとめた取引DPF法でBtoCの範囲内で消費者利益の保護を図る措置を取ったことがある。
最新の脳科学では、人の心の性は、男性と女性にわけられるものではなく、色彩のグラデーションの様に連続性があることが分かってきた。性のあり方を決める要素として「心の性」「身体の性」「好きになる性」「表現する性」がある。LGBTQの全人口に占める割合は8.9%(電通20年調査)で11人に1人の割合。左利きやAB型の人と同比率である。「着たい服を、着る」ことに寛容な社会になることでファッションはより豊かなものになる。
Googleは広告ポリシーにおいて、危険または中傷的なコンテンツに関するものを更新し、肌の色に優劣を付ける美白製品の宣伝を禁止した。法律を遵守するだけでなく、ユーザーの安全性と利便性を高めることを目指し、ユーザーや広告エコシステム全体にとって有害であると思われる一部のコンテンツを禁止している。
最近のランドセル売り場には色とりどりの商品が並び「男子は黒、女子は赤」は過去の光景となった。顧客の好みの多様化に対応するため、ランドセルメーカーの土屋鞄製造所では、約50色を展開し「自分らしい自由な色選び」を提案している。好みの多様化に対応し「ジェンダーレス」のトレンドから、シンプルな倫理観を皆が持つことができれば社会も変わっていくのではないか。
歴史的な物価高が世界を覆っている。日米欧30か国の4月の生活費は1年前と比べ9.5%上がった。上昇ペースは新型コロナウイルス禍前の7倍に達し、経済のみならず政治も揺らす。ウクライナ危機に中国のゼロコロナ政策が加わり、資源高と供給制約が連鎖してコストを押し上げる。ヒト・モノ・カネの自由な動きが支えてきた低インフレの時代が変わりつつある。日本経済新聞はOECDのデータから日米欧など30か国の食料品と光熱費・家賃・住居費を合成した「生活費」物価指数を計算した。1年前からの上昇率は21年7月以降2%超え、22年4月には9.5%と2ケタに迫った。
"脱炭素"社会の実現は世界共通の課題。あらゆる産業界が脱炭素化に向けてかじを切り、「気候変動」「カーボンニュートラル」の言葉が多くのメディアをにぎわす。国際的な議論の到達点を確認するとともに、企業には何が求められ、何から着手すればいいのか、グローバルな動向に精通しているSGSジャパンの池原庸介氏に聞いている。
@年9月3日(土)、9月10日(土)Aオンライン方式(Microsoft Teams)で配信B繊維産業資材用の基礎と用途展開および今後期待される先端産業分野への応用と課題について学ぶC(一社)日本繊維技術士センター TEL:06-6484-6506、FAX:06-6484-6575 E-mail:jtcc-ed-kino@mbr.nifty.com *申し込み期限:8月13日(土)
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