ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧(2003年度:第20巻〜)→
行 政 ★持続可能な物流検討会が最終とりまとめ案、企業・消費者の意識改革を
素 材 ★綿リサイクルルール整備へ
加 工 ★"糸染めながら刺しゅう施す
アパレル ★進む地元同士の連携−アパレルメーカー×繊維産地
流 通 ★商社繊維事業 海外に軸足、成長目指す
クリーニング ★コスト削減につながる漂白助剤
消 費 ★広がるフェアトレード認証製品国内市場22年196億円
健康・快適性 ★睡眠市場に本格参入
その他 ★新商品 Z世代と作る
政府は25年度までに政府統計の集計前の元データをオンラインで研究者に提供できるよう調整している。いまはDVDでの提供が主だが、開示の申請書は各省ばらつきがあり、研究の公益性の審査のために何度も提出しなくてはならないため、開示まで最長1年以上かかる。医療や少子化対策など効果的な事業を絞り込みつつ、省庁横断のマニュアルを作成し、研究者の個人情報保護管理能力を確認して提供までの期間短縮を目指す。
日本政府観光局は4 月の訪日客数が194万9 千人と発表した。コロナ流行前は最多だった中国客の戻りは鈍いが、韓国や東南アジア、米国からは増加し、全体では流行前の19年4 月の7 割程度まで回復した。航空会社や百貨店は訪日需要の本格回復への対応を強化している。
厚生労働省の毎月勤労統計調査22年度(確報、従業員5 人以上)によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年度に比べて1.8%減った。マイナスは2 年ぶり。コロナ禍からの経済回復などにより名目の現金給与総額は増えたが物価上昇が給与総額の伸びを上回り、賃金が目減りした。
「ファッション未来研究会」での提起を受け、ファッションビジネスに関わる知的財産や契約など様々な法律問題を取り扱う法分野「ファッションロー」がグローバル化やデジタル化を背景に、重要性がますます高まっている。ワーキンググループで副座長を務めた海老澤美幸弁護士が詳細に解説している。
文部科学省と厚生労働省は、23年春卒業の大学生の就職率が4 月1 日時点で3 年ぶりに前年を上回る97.3%と発表した。97年の調査開始以来最も高い98.0%の18年卒、20年卒には届かないものの、コロナの流行で落ち込んだ企業の採用意欲が回復し、人材獲得競争が激しくなっている。
経済産業省は、衣料品の資源循環促進策について討議する「繊維製品における資源循環システム検討会」の第5 回会議で、主に天然繊維の資源循環対策を議論した。綿に大量の水や農薬などが使用されているなど原料の製造工程でのサステナビリティ確保が課題の一つにあがった。
厚生労働省による22年の合計特殊出生率が1.26だった。7年連続の低下で05年に並ぶ過去最低の水準となった。婚姻数は3 年ぶりに増加したものの伸び率は0.7%にとどまった。現役世代の先細りは避けられず、社会保障制度や経済成長予測を改めることが求められている。
政府は、外国人技能実習制度で、実習生の在留期間の更新に上限が無く、家族も帯同できる「特定技能2 号」の対象業種を現行2 分野(建設、造船)から、11分野に拡大する案を閣議決定した。産業機械など製造業は含まれているものの、特定1 号に入っていない繊維工業は対象外だが、今後の日本繊維産業連盟と政府の対応が注目される。
経済産業省、国土交通省、農林水産省による「持続可能な物流の実現に向けた検討会」は「最終とりまとめ」案を示した。24年にトラックドライバーに時間外労働の上限規制が適用され、物流の輸送能力低下などが予想される「物流の2024問題」などを踏まえ、主に荷主と物流事業者に向けた法整備を含む政策の方向性を示し、予算措置も視野に入れた支援策も提言した。
経済産業省は中小企業の成長支援に関する五つの報告書とガイドラインを公表した。有識者会議や協議会での討議をまとめたもので、今後の予算や制度設計を含めた政策に反映させる。コロナ禍からの経済回復も見据え、中小企業政策の重点を守りから攻め、維持から変革、静から動に大きく変化させるもの。
大和紡績は抗菌防臭の「シトラスガード」や保湿の「アミノモイスト」など、天然由来成分による後加工素材を充実させ、市場開拓を進めている。女性の悩みに先進的な技術によって製品やサービスで対応するフェムテック関連商品の提案も図る。シトラスガードは化粧品にも使われるグレープフルーツの種子エキスを使った抗菌防臭加工。洗濯後も抗菌性能を維持する。シルクのマイクロパウダーを用いて吸湿・放湿性を付与したアミノモイストは、シルクフィブロインを多孔質により保湿性を高め、ソフトな風合いも特徴。
フードリボンは、パイナップルの葉から高品質な繊維を効率的に抽出できる世界初の技術を開発した。パイナップルの葉の繊維は、他の天然繊維と比べて細いため、滑らかで光沢のある生地や縫製皮革など用途が広い。今回、水の粒子を高圧噴射して繊維を抽出するオリジナル装置を3 年かけて開発した。また、繊維抽出時に出る残渣は、回収時にフィルターで粒子の大きさごとに3 段階に分けることができる。サイズに合わせ、粗いものは動物の飼料、細かいものは生分解性樹脂の混合材料など、無駄なく活用し、最終的に大地にかえす。
ゾゾネクストは、金沢大学のロボティクス・メカトロニクス研究室とともに、流体アクチュエーター(空気圧で駆動する人工筋肉)を統合した変形するテキスタイルに関する共同研究を開始した。流体アクチュエーターとテキスタイルを統合させる技術開発を通じて、テキスタイルの構造や動作機構、アクチュエーターに関する技術的知見の獲得を目指す。流体アクチュエーターをテキスタイルに統合することで、パフォーマンスなどに用いる演出用の衣装や住環境空間、モビリティーなどの領域で、インターフェイスとしてのスマートテキスタイルの可能性を模索する。
インビスタジャパンは高強力素材「コーデュラ」でナイロン66原着糸を使ったカラー素材「トゥルーロックファブリック」の本格販売を始めた。染色工程を省いて環境負荷を抑えるとともに、高い堅ろう度で製品の長寿命化に貢献する。このほど「ブリーフィングゴルフ」製品に採用された。原着糸はポリマー段階で色材を練り込むことでカラー糸にするもので、糸・生地段階での染色工程が不要。一般的にカーペット、カーシートといった大ロットの定番向けに展開されることが多く、ナイロン66のアパレル・バッグ用途では珍しい。
ユニチカと化学品メーカー・商社の三光はさまざまな樹脂に難燃性を付与するノンハロゲン系難燃PETマスターバッチを開発した。衣料用繊維、インテリア関連、産業資材、フィルム、シート、成形用途で提案を始める。国内に加え、海外ではアジア圏、欧州、北米を中心に顧客開拓を進め、3 年後に売上高10億円を目指す。環境保全の観点からハロゲン系難燃剤への規制が世界的に厳しくなっていることも成長の背景にある。
日清紡テキスタイルは、綿100%でありながら20%以上のストレッチ性と95%以上(JIS L 1096法準用)のキックバック性を実現した織物「アスタリスク バイ ナチュレッシュ」を開発した。ミズノとの共同企画で、日清紡テキスタイル独自の特殊糸「ピュアツイスト」を緯糸に使用。糸自体をバネ構造に似せた特殊な織り方にすることで、通常の綿糸よりさらに柔らかい伸び感を持たせた。立体的な構造の2 重織を採用することで、ストレッチ性やキックバック性を発現しやすい構造となっている。
日本蚕毛染色は、シルク100%でストレッチ性があり洗える糸「ゴムゴムシルク」を開発した。生糸を加工することで捲縮形状を持つ。シルクのたんぱく分子を特殊な加工技術で改質したウォッシャブルシルク「セレーサカルメン」の技術を応用したもので、バネのような構造を維持し、ストレッチ性を発揮する。織物の緯糸使いや、ジャージーでの使用を見込んでおり、試作テキスタイルも開発。しぼのような独特の凹凸感がある生地に仕上がる。糸での販売を検討しており、インナーからカジュアルまで幅広い用途を見込む。
伊藤忠商事は、従来のケミカルリサイクルでは処理が困難だった混紡品を含む廃棄衣料の再生資源化を図る取り組みに着手した。樹脂加工・機能性化学大手のデゾナックと協力関係を結び、同社のガス化処理技術を活用して、低炭素アンモニアなど化学製品に再生させるシステムを構築する。回収された使用済み衣料などをリサイクル固形原料R P A Fに変え、そのRPAFをレゾナックのプラスチックケミカルリサイクルプラントで化学製品に再生させるというもの。
繊維機械を主力とする圓井繊維機械は、ポリアセタール樹脂(POM)とポリ乳酸(PLA)を複合した繊維を開発し、糸・生地化して用途開拓に向けた訴求を始めた。訴求ポイントは、環境負荷の低さと機能性。POMの主原料は天然ガス原料のメタノール。機能については抗菌性、耐薬品性、耐摩耗性、接触冷感性、速乾性を備える。さらにPOMとPLAを複合すると、PLAが分解する時に発生する乳酸がPOMを酸分解する効果があり、複合した繊維自体も生分解すると見られる。POMとPLAの複合については10〜14年にかけて京都工芸繊維大学で行われた。現在、事業化に向けて量産プラントを建設中。
クラレトレーディングは、出光興産が開発したシンジオタクチックポリスチレン(SPS)樹脂「ザレック」を用いて、優れた速乾性とドライ感を有する繊維「エプシロン」を新たに開発した。エプシロンは、高い疎水性や耐熱性などのユニークな特徴を併せ持ち、ポリプロピレン繊維では難しかったアイロンを用いたケア(シワ取り)やプリントによるデザイン性の向上を実現。今年下半期の発売に向けて、衣料やスポーツ、インテリア分野などへの提案を加速する。
帝人フロンティアはポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」を活用した新質感スパン調編地「ソロテックスリベルテ」を開発した。異なるタイプのソロテックスを複合加工糸にし、編立、染色仕上げ加工の工夫と組み合わせることでドレープ性のあるスパン調質感とソフトなストレッチ性、吸汗速乾性、高耐久性などの機能を両立する。24秋冬からスポーツを軸に全用途へ提案する。
日本紡績協会は今年度から綿のリサイクルのためのルールづくりを進める。JISに基づき原料や製造方法等の基準案を作ることを目指す。背景には「グリーンウォッシュ」の問題がある。製造工程で出る綿くずや切れ端を再利用したり、廃棄衣料をほぐした糸を再生したりしているが、「リサイクル」の範囲などをどう定義するかが議論になりそうだ。
スタイレム瀧定大阪は、サステナビリティーを軸とした新素材や新事業の開発の一環として、バイオプラスチック新材料研究開発・製造の事業革新パートナーズと共同開発に取り組み、ヘミセルロースを活用した溶融紡糸繊維の作成に成功した。分散染料による染色にも成功し、今後も糸の強度や伸度などの向上のため引き続き共同開発を進めていく。ヘミセルロースとは、植物を構成する細胞壁に含まれる多糖類の総称。
京セラは、顔料インクに特化したインクジェット(IJ)方式デジタル捺染機「フォレアス」を開発した。独自の顔料インク吐出方式を採用することで染料捺染並みの柔らかな風合いを実現し、通常の染料アナログ捺染と比較して水使用量は99%削減する。独自の顔料インク、前処理剤、後処理剤を開発し、さらに独自設計のプリンターヘッドでこれらを同時に生地に吐出するオールインワンプリント方式を採用。これにより柔らかな風合いと高い染色堅ろう度の両立を実現する。
多頭式電子刺しゅう機販売のタジマ工業はサステナブルブランドを展開する企業へ刺しゅう技術の協力を図っている。同社のAI技術と刺しゅう糸を染色する装置を組み合わせることで、糸を染めながら刺しゅうを施す。糸の過剰な生産・廃棄を減らし、かつ高品質な刺しゅうも実現した。具体的には装置で刺しゅうのデザインデータを基に刺しゅう糸を染色し、その後乾燥、そのまま刺しゅう機に糸が供給される。
セイコーエプソンは高機能導電繊維を開発・製造する東北大学発のスタートアップ、エーアイシルクに出資したと発表した。エーアイシルクは15年設立で、導電性繊維「リードスキン」を開発・製造する。シルク、ポリエステル、綿、不織布といった様々な繊維素材に対し、染色技法を応用して導電性高分子をコーティングする。量産技術を確立しており、ウェアラブルセンサーやタッチセンサーを製作しているエーアイシルクは今回の第三者割当増資でリードスキンの量産拡大や海外展開を進め、車載部品やEMS(筋電気刺激)製品など各種ウェアラブル機器向けを拡大、メディカル領域も視野に入れる。
6 月8 〜14日にイタリア・ミラノで開かれた繊維機械の国際展示会「ITMA2023」の出展内容を見ると、デジタルプリントでは顔料への流れが加速した。染料インクで必要な蒸しや洗浄などの後処理が不要なことに加え、複合素材への対応としても注目を高める。今回のITMAでは、インライン化で前・後処理が不要になり、顔料の課題だった風合いのかたさや湿摩擦堅ろう度などの改良も進んだ。
染色加工の水・薬剤使用料削減につながる技術として、染料・薬剤を噴霧する加工が注目されている。6 月8 〜14日にイタリア・ミラノで開かれた繊維機械の国際展示会「ITMA2023」では、出展各社が訴求を強めていた。アルケミー(英国)はノズルから染液をジェット噴射する染色機を開発し、ボールドウイン・テクノロジー・カンパニー(米国)は印刷技術を応用したスプレーによる加工機を日本市場でも広げている。
ファッション関連の店舗とフリーランス販売員をつなぐマッチングプラットフォーム「メッシュウェル」を利用する小売店が増えている。人手不足が深刻な問題として浮上するなか、要員確保に悩む店舗と接客販売のスキルを持つフリーランス販売員をつなぎ、販売員と店舗、顧客の「三方良し」を実現するプラットフォームとしてメッシュウェル(窪田光平社長)が18年に提供をスタートした。コロナ禍で一時落ち込んだ需要は21年から徐々に回復し、22年以降は商業施設やアパレル店などで導入件数が増えている。
国内の縫製工場はコロナ禍で国内製造が見直され、多くの国内縫製工場でフル稼働が続き、加工賃も上昇してきたが、まだ満足できる工賃ではないという。また、自社ブランドの立ち上げやSNSの活用などを進める新興の工場が増えてきた。実習制度廃止の不安もある中、服飾専門学校では縫製を志す学生の割合は増加傾向だという。SNSで自社ブランドを宣伝したり、デザイナーを支援するプラットフォームを立ち上げたり新興縫製工場は多様化している。
オンワードホールディングスは社員の働き方改革プロジェクト「働き方デザイン」の中核事業を担うオンワード樫山の22年度の成果を発表した。19年8 月に始め、22年度は四つの新たな取り組みを行った。その結果、社員の趣味に費やす時間の創出や育児・介護時間の確保、時短勤務からフルタイムへの切り替えなど様々なワークライフバランスを実現。人材の活躍を支える環境を整えた。
5 月19日からのG 7 (主要7 カ国)広島サミットで配布されたサミットバッグに、広島県福山市のデニムを用いたバッグが採用された。一般財団法人広島県織物工業会が製作したもので、来訪する各国代表団及びプレス関係者に記念品として配布。ブラックデニムと刺し子風のインディゴデニム、和紙糸使いデニムと3 種類の生地を組み合わせたバッグで、バッグ内のグッズには環境に配慮した文房具や広島県産品などが選ばれた。
量販店や専門店チェーンを主販路とするレディスアパレルメーカーの23〜24年秋冬の商品特徴は高まる外出ニーズを捉えた商品、節電対策になる家ナカの暖かアイテムを充実している。原燃料高は高止まりを続け、為替変動の課題も抱える中、各社の強みを押し出した付加価値の高い商品提案で、販売価格を引き上げる動きがみられる。昨秋冬を振り返ると、ヒロタでは「商品の単価をアップし、ヤングのトレンドゾーンで売れ筋が多く生まれた」と堅調だ。タキヒヨーでも値上げや暖冬の影響を受けつつも、店頭では「小売価格がアップした理由が消費者に伝わる商品は売れている」と、今秋冬も機能素材の企画などを充実している。
渋谷・原宿エリアにショップを構えるパタゴニア、ザ・ノース・フェイスなど6 ブランドが5 月19日から3 日間、合同でリペアイベントを開催した。アパレルやバッグの縫製修理、リペアパッチ使用の圧着修理、メンテナンス方法の実演を行い「長く愛着を持って着用することで製品の廃棄量削減」を目指す。パタゴニアの店舗に自社スタッフのみならず、ゴールドウイン富山リペアセンターのスタッフも常駐しブランド問わず対応。反響は大きく、今後半年ごとの開催予定。
量販店や専門店チェーンを主販路とするレディスアパレルメーカーが23〜24年秋冬の製品価格(卸価格)を高める傾向だ。背景にあるのは、原材料費や各種エネルギーの高騰、為替要因などにより高まるコストのため。バイヤーの理解は得られつつある一方、単価を上げても消費者に受け入れられる商品開発ができるかが、今後のカギを握っている。
小泉アパレルのレディスフォーマル事業はライセンスブランドをなくし、自社ブランドだけの展開に変え、増収とともに営業利益を大きく改善させている。21年度の売上高8 億円、営業利益1300万円に対し、22年度は売上高37.5%増の11億円、営業利益は577%増の8800万円となった。
スポーツメーカーは海外事業を強化している。国内もコロナ禍から本格的にスポーツ需要が回復してきたが、22年度は円安による押し上げ効果もあり、海外事業の伸びが目立った。特に注目するのがアジア。人口が増加して経済発展が見込まれ、所得水準が上がり、スポーツがより盛んになると予想される。日本は少子化と人口減で市場拡大が難しいため、まだ低い欧米市場での比率を高めつつ、アジアでのさらなる成長に期待が高まっている。
アシックスの稼ぐ力が高まっている。米ナイキが発売後に比較的早くキャッチアップして開発した「厚底シューズ」など機能性や価格の高い商品へのシフトや海外を意識した電子商取引(EC)といった事業改革が結実。23年12月期の連結営業利益は過去最高を更新する見通しだ。世界的なランニングブームも追い風に利益率は米欧の巨人に迫りつつある。コロナ禍中の21年に発売したラインニング用の厚底シューズ「メタスピード」シリーズが収益をけん引する。
サザビーリーグの「ロンハーマン」が構造たんぱく質素材「ブリュード・プロテイン」を使用したニット製品を今冬数量限定で販売する。こちらはバイオベンチャーのスパイバーが開発した植物由来の構造たんぱく質素材である。この2 社と豊島が合同で、オーガニックコットンの「トゥルーコットン」と50%ずつ混紡した糸を開発し商品化した。「ロンハーマン」は「25年までに全てのオリジナル商品の主要素材を環境配慮型素材に変える」目標を掲げている。
アパレル企業が繊維産地に入り込んで、地元を活性化する動きが出てきた。繊維産地は生地問屋やアパレルメーカーからの注文への対応に終始するのが一般的だったが、最終製品を企画・販売する地元のアパレル企業が主導する形で、産地の魅力を消費者に発信する活動が広がっている。
日本繊維輸入組合の「日本のアパレル市場と輸入品概況2023」によると衣類国内供給量22年は前年比2.5%増だった。コロナ禍の影響で落ち込んだ20年と比較すると、21、22年は回復基調だったが、19年実績には届いていない。国内供給量は輸入2.6%増で押し上げられた。輸入浸透率は前年より0.2ポイント高い98.5%。比較可能な00年以降で最も高い割合となった。
ユナイテッドアローズは、人的資本への投資を拡大する。店長、販売員の評価基準を設定し、販売現場が自発的にスキルアップに取り組める仕組みを導入したほか、多様なキャリア形成を応援するため、全社員を対象にビジネススクール受講や資格取得の支援も開始した。多様な成長機会を得られる環境を整備することで、ワーク・エンゲージメントを高め、社内で育った優秀な人材がやりがいを持って働き続けることのできる企業を目指す。
量販店向けレディスアパレルメーカーの商談が盛り上がっている。新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けの5 類への移行をきっかけに、お出かけ重要が復活し小売が活性化したためだ。中国のロックダウン(都市封鎖)を含めて物作りが混乱した昨年に比べ、それらが基本的に解消したことも後押ししている。
繊研新聞社が6 月に実施したアパレルパーツ企業へのアンケートでは、原料高への対策について聞いた。各社は生産効率化や価格転嫁を進めており、サプライチェーンを維持していくための適正な値上げは必須となっている。商品の絞り込みや協力工場とのパートナーシップ強化といった回答も見られた。
都心百貨店のインバウンド需要が急速に伸びている。22年10月の水際対策の緩和以降、香港、台湾、韓国など中国本土を除く東アジアの訪日客を中心に免税売り上げをけん引している。都心立地の百貨店は4 月の免税売上高がほぼコロナ禍前の水準に戻した。5月以降、中国本土との直行航空便の回復が進むことで、更に大きな伸びが期待される。
GMSで衣料品の改革が進んでいる。代表的な企業、イトーヨーカ堂が実用衣料を除くアパレルから撤退を決定したように、存続自体が問われるようになり、再生の道を探りながらも際立った成果を出せなかった状況から抜け出す必要がある。売り場を枠組みから変えるなど、長い課題だった30〜40代の取り込みに挑む。
にぎわいを取り戻した成田国際空港。航空旅客数の回復に応じて商業の売り上げも復調、ゴールデンウィーク前には9 割のショップが揃い、高まる需要に応える体制が整った。発着便が増えたこともあり、中国からの訪日客の本格化にも期待を高めている。
ショールームに特化した「売らない店」が拡大している。火付け役の米国発スタートアップは自前の店舗に加え、運営ノウハウの外販を始めた。百貨店も相次ぎ参入、高島屋は店舗網を拡大する。コロナ禍で、電子取引(EC)と実店舗の相乗効果を狙う体験型の小売りモデルが普及した。もう一段の浸透には購買を促す工夫が欠かせない。
日本百貨店協会によると、22年の全国百貨店の売上高は約5 兆億円でバブル期の半分程度の水準だった。インバウンド客の戻りが追い風となり、3 月の全国百貨店の売上高は前年を大きく上回った。しかし、高額な腕時計や高級ブランドが伸びている一方、衣料品は厳しいようだ。百貨店が生き残るためには、デジタル技術の活用で若年層の外商顧客の獲得や物販以外の「コト消費」を担うテナントの導入が求められる。
ロシア現地紙イズベスチヤは、カジュアル衣料品店「ユニクロ」が、ロシア事業から完全撤退を決めたと報じた。ロシア政府幹部の見解として伝え、事業を売却する可能性があるという。ロシアのウクライナ侵略が長期化し、営業再開が難しくなっている。
繊研新聞のFBプロフェッショナルへの道のシリーズで「データでみるファッションビジネスの小売り編」で〔5 ・26(8)〕
@総合小売業の百貨店、GMSを、〔6 ・9(6)〕ASC、ECを、〔6 ・23(8)〕専門店について解説している。定義とこの10年の動きを見ることができる。
米小売り大手の23年2 ? 4 月期決算発表が佳境を迎えている。各社の決算説明会での発言を読み解くと、治安の悪化による「万引き」被害が多発し、業績にも影響が出始めていることがわかる。店舗閉鎖に追い込まれる例も相次ぐ。足元では長期化するインフレ以上の経営問題として各社を悩ませている。
商社の繊維事業の軸足がグローバル市場に移ってきた。各社の新中期計画や今期方針で共通するのは、海外市場での成長。環境に配慮した素材の活用やデジタル技術の活用も鍵だ。
iDAはアパレルと化粧品業界に特化した短期・単発アルバイトのマッチングサービスを始めた。コロナ禍を経て人手不足が深刻化していることに加え、ECブランドのポップアップストア出店に際し接客経験豊富な短期の働き手の需要が増加していることに対応する。
M&Aキャピタルパートナーズの調査で、物流・運送業経営者の4 割が荷主との値上げ交渉がうまくいかなかった場合、撤退を検討するとしている。燃料費高騰や人手不足など経営環境の厳しさが背景にある。M&Aなど他社との協業を模索する経営者も2 割に達した。
衣料品・雑貨の新たな循環システムの確立を三井不動産が開設する「木更津コンセプトストア」は、サステナブルファッションを集約する新業態。取引先テナント100社以上と協議して規格外品やデッドストックなどを販売、サステナブルを推進する企業・団体も紹介し、消費者が体感できるスペースなどを設ける。
ゾゾの古着販売ブランド「ゾゾユーズド」が22年度商品取扱高が160億円超で、前期比19%だった。6 千以上のブランド、常時60万点掲載されている。ゾゾでは新品販売時に下取り価格が確認できる機能を活用。「いかに精度の高い古着販売価格を予測するか」を重要課題として19年よりAIを導入し取扱商品の7 割に反映させている。結果的に買取価格もAI導入前と比較し25〜35%高められた。
日本ショッピングセンター協会の「SC白書2023」で、タイトルを「新たな時代に向けて動き出すSC」として、行動制限が解かれ、ウィズコロナからアフターコロナへ向かうSCの現状を捉えている。
SCや駅ビルを中心に出店するレディス主力の専門店は、店の代名詞になるような定番ボトムの企画・販売に注力している。いずれも働く女性や主婦を主な対象に、手頃な価格を売りの一つにする店。年間を通じて購入できる定番ボトムで客を定着させる狙いがある。
クリーニングに関する団体や企業が参画し、全ク連も加盟しているクリーンライフ協会の需要拡大検討委員会では、22年12月に「クリーニングサービスに関するアンケート2022-コロナ禍によるライフスタイルと意識・クリーニング需要の変化について?」を実施し、コロナ禍が消費者のライフスタイルやクリーニング需要に与える影響を調査した。調査結果からは、消費者の清潔志向の高まりや、クリーニングの利用実態およびクリーニング店への期待、「衣類を大切に、長持ちさせたい」というSDGsやサステナブルに通じる消費者心理など、近年の社会情勢の変化を受けた消費者ニーズが明らかとなっている。
日本繊維製品消費科学会第41回クリーニングに関する情報セミナーで講演された内容をもとに、クリーニング需要の現状、コインランドリーの取り組み、他業種とのコラボレーション、投資として運営されるコインランドリー、地域密着型・災害対応のコインランドリー、コインランドリーの事故事例、洗濯代行とその課題・今後について概説。
(一社)日本繊維製品消費科学会第41回クリーニングに関する情報セミナーで講演された内容をもとに、商業クリーニングの分類、ドライクリーニングの溶剤、コインランドリーの歴史、増加する店舗数とその背景、コインランドリー用洗濯乾燥機の特徴、最新の機能、リフレッシュスチーマーの仕組み、効果、用途などが詳細に解説されている。
花王とライオンは連携して使用済みの洗剤容器の詰め替えパックを共同で回収し、詰め替えパックに再生して販売すると発表した。詰め替えパックのうち再利用するのは原料の重量ベース8 割のポリエチレン。課題はコストだが、まずは詰め替えパックの原料の1 割を再生素材にして将来的に割合を引き上げることを目指す。
総務省統計局の家計調査報告によると、3 月の1 世帯当たりクリーニング代支出額は、全世帯(2人以上の世帯)で、前年同月比19.2%増の478円、そのうち勤労者世帯は11.7%増の525円となった。全世帯は12ヶ月連続のプラス、勤労者世帯は3 ヶ月連続の増。コロナ禍の影響は20年3 月から明らかとなっており、その1年前の19年3 月を見ると、全世帯は520円、勤労者世帯は635円の支出があった。
全ク連とクリーンライフ協会は、今年から脱炭素社会への実現に向け協力して取り組む。4 つのステップのうち、アクト0 では地域と連携した古着回収、譲渡などに取り組む。アクト1 ではプラ資源の削減・循環を促進する。今後、アクト2 として化石燃料からクリーンエネルギー転換、アクト3 として石油系溶剤からの転換にむけた代替溶剤の検討、研究に取り組む。
カミナガ販売の漂白助剤「マイスターウォッシュW」は、常温で洗える、すすぎ1 回可、排水は中性、BOD値が合成洗剤より抑えられるといった特徴がある。中でも常温可能なため、CO 2 排出削減、水道代の大幅な削減といったクリーニング店の経費削減はもとより、ワイシャツの襟芯の縮み、ボタン割れのリスク軽減など衣類の寿命が延びるなど消費者のコストダウン効果も期待できる。
「羽毛アンチエイジング+プラス」は、羽毛のダウンパワーを回復させる新技術。これまでラクナ油脂と全国ふとんクリーニング協会会員企業などがテストを続けてきたが、病院寝具用羽毛布団で効果が確認された。羽毛がファイバー化し廃棄手前となる前に加工することで、羽毛布団の寿命が長くなる効果が高い。病院寝具事業者、羽毛リース・レンタル事業者の期待が大きい。
博報堂買い物研究所はライブコマースなどの利用動向の把握を目的に「Z世代×ニューコマース調査」を国内15〜59歳男女、直近1 年以内EC利用者へインターネットで今年1 月に実施。その結果、欲しい情報を自ら取りに行く「開拓志向」、SNS上で日本人の評価が高ければ国内外問わない「越境志向」、企業発信情報よりも、評価が高い個人SNS情報を参考にする「見極め志向」、直感を信じて即決で購入する「即決志向」という特徴が見られた。
パーソナルカラー診断、骨格診断、顔タイプ診断。最近、自分の見た目の特長を把握するための様々な診断がブームとなっている。ファッション誌には診断別のメイク法などがあふれ、専門サロンも登場している。診断にハマるその心とは?
認定NPO法人のフェアトレード・ラベル・ジャパン(FLJ)は、フェアトレード認証製品の国内市場規模が22年に196億円(前年比24%増)とした。「推計史上、最大の伸び幅を記録した」(FLJ)という。フェアトレード認証製品別に見ると、主要産品のコーヒーが前年比22%増。綿製品は99%増。企業のノベルティー用途などの活用が増えた。
K-51インターナショナルの「父親の服選びと娘の本音」調査で、10〜20代の女性の回答者の9割近くが父親の服装をおしゃれではないと感じており、7 割以上がおしゃれでいてほしいと思っている。理想的な父親のファッションスタイルは、頑張りすぎないシンプル&カジュアルで、清潔感やTPO対応がポイントのようだ。
マイボイスコムのスーツに関するインターネット調査で、ビジネスシーンでもカジュアル化が進み、スーツの所有及び直用場面に変化が見られている。所有者は8 割弱、所有数は「2 、3 着」「4 、5 着」がボリュームであり、着用場面(複数回答)は「法事や葬式など」がスーツ所有者の6 割近くと多く、「仕事」「結婚式」が4 割近くいた。調査は4 月上旬、男女1 万人弱で実施。
NTTレゾナントは23年2 月に15歳〜69歳の男女1035人にインターネットを使って調査を実施した。今回「ECサイト利用動向」に焦点を当てた調査を行い、実店舗ではなくECサイトを利用する理由を聞いたところ、「好きな時間に買い物ができる」56%と「ECサイトの方が価格が安い」54%がそれぞれ5 割を超え、22年3 月の調査より「価格の安さ」を挙げた人は10%以上増えた。購入の後押しになるのは「送料無料」が56%でトップだった。
レジ袋の有料義務化が始まってまもなく3 年。レジ袋の原料などになる高密度ポリエチレンフィルムの国内出荷が低迷している。22年の国内出荷量はレジ袋の有料義務化前の19年に比べ3 割弱減った。エコバッグが浸透し、レジ袋を辞退する人が多い。出荷量の回復は見込みにくくなっている。
インターネットモール運営のイーベイジャパン合同会社は全国20歳以上の男女千人を対象に「買い物に関する全国調査」を5 月に実施した。今年の夏に向けて買いたい物の1 位は「衣料品・ファッション小物」で39%。毎シーズン洋服を新調するかは、「毎シーズン買う」9 %「どちらかというと買う」19%だった。
バリュウエンスHDによる「衣替えと環境に関する意識調査」によると、「断捨離を悩んだ結果、約9 割が今もまだ処分できない」としている。夏に迎えるにあたり、74%が衣替えを予定しており、衣替え時「洗濯・クリーニングしてから洋服をしまう」が59%だった。20〜60代の男女500人をインターネットで調査。
ネット通販などで、安全性が疑われる製品やリコール製品が流通しないようにするため、大手ネット通販事業者などが自主的な取り組みを強化する。規制当局からの指摘を受けて出品を削除することなどを盛り込んだ「製品安全誓約」にネット通販など7社が近く署名する予定だ。モール事業者との協力体制を強化する狙いがある。
p267〜271 市販のリネン素材に特殊加工を施し、柔軟性と伸縮性及び撥水性を付与した改質リネンを原料として疑似パイル組織の編地に編成することによって、天然繊維ウールを超える保温性と軽量性を持つ機能性編地を開発することができた。
帝人フロンティアは、女性の悩みをサポートする安眠枕パッドを商品化した。消臭性を持つポリエステル繊維「フレッシュコールZ」を中わたに、旭化成の吸放湿性素材「ペアクール」を表地に使用し、臭いや汗のべたつきを抑える。パッド自体が洗濯機で洗える。裏地にゴムバンドが付いているため、枕本体に簡単に取り付けられる。応援購入サービスのクラウドファンディング(CF)サイトで展開を開始した。
デサントジャパンは汗をかいても張り付きにくく30分で乾く高速ドライ機能を持たせた夏用の快適素材「EXcドライD-テック」を新たに開発した。23年夏からゴルフウエア、トレーニングウエアなどに搭載し発売する。水を拡散させる機能を持った独自の糸や肌との接触面を減らす糸の構造、編み方の工夫により、この新素材は濡れても張り付きにくくサラッと感≠ニ高速速乾性からっと感≠兼ね備えている。
ワコールは、ウイングの「マッチミーブラ」で新しいCMをスタートする。マッチミーブラは、前中心の樹脂シートが体温によって変形することで、女性ならではの周期によって微妙に変化するバストにフィットするのが特徴である。
遠赤外線の血行促進作用で筋肉の疲労回復をうたう衣類について、関連する企業に新たな動きが出てきた。一部の企業は4 月以降、厚生労働省が昨秋に新設した一般医療機器「家庭用遠赤外線血行促進用衣」(一般的名称)として、PMDA(医薬品医療機器総合機構)に届け出を済ませ、該当商品の販売に向けて動いている。これらの商品は、日本医療機器工業会が定めた業界自主基準のクリアが前提。クリアすれば、リカバリー≠標榜(ひょうぼう)できる。これまでの不適切な届け出と流通が少しずつ改善しつつある。
クロスプラスは猛暑時の着用を想定した、放射冷却素材「ラディクール」使用の帽子を発売した。ラディクールは、熱が地球表面から宇宙に放出されることで物体が冷やされる放射冷却の原理を生かした技術を応用した素材。屋外での使用で赤外線の波長を宇宙に放射されやすい8 〜13マイクロメートルに集約し、熱を逃げやすくする。その特性を生かし、猛暑時でも快適に着用できる帽子を開発した。
p367〜374 合成繊維の織布に鉛メッキしたものをX線遮蔽材とし、透湿防水布を表面材とした新X線防護衣の温熱的着用性能を着用実験により明らかにした。対照は、無鉛タイプで塩化ビニール樹脂シートを表面材としたものを使用した。新X線防護衣は、衣内温度および皮膚温が対照に比して有意に低かった。また、発汗量や心拍数においても有意に上昇が抑制された。さらに、主観評価では、暑くなく、蒸れが少ないと評価された。
豊島は金城学院大学の学生と共同で防水ペチパンツを開発・販売を開始した。お尻とおなかをすっぽり覆う安心設計になっており、様々な動きに対応できるよう大きな防水布付きである。股下にも防水布が付いているので横漏れを軽減する。
エスエスケイは「ヒュンメル」で、このほど汗をかくと冷たくなる機能性を持たせた「つめたインナーNEO+」を発売した。「クールリアクト」という吸湿冷感機能を備えた転写シートを背中の肌面に配置しており、クールリアクトに含まれるキシリトール成分が運動中の発汗を吸収し冷却効果を発揮する。
日本シグマックスは、ベスト内側のパッドに入れた少量の水をペルチェ素子で冷やして循環させ、着用者の体を効率的に冷やす冷却ベストを発売した。水は背中から胸部まで配置されたパッドの中を行きわたるため、上半身を広範囲に冷やすことができる。
ミズノは"スポーツテクノロジーで睡眠をもっと快適にする"をコンセプトに開発した新シリーズ「ミズノスリープ」を6 月から販売し、睡眠市場に本格参入する。第1弾として、高い体圧分散と寝返りのしやすさを実現した新構造のフィジカルサポートマットレス「リフル」、睡眠中の熱を逃がす敷パッド「風道」を「マクアケ」を通じ予約受注を開始する。
西川は、腰の枕を開発した。椅子に座った時の背中と背もたれの隙間を埋めて、楽に理想的な座姿勢を保つ。腰椎と腸骨、肋骨の3つの部位をホールドする設計である。長時間座っても、疲れにくい姿勢をキープする。
日清紡グループのニッシントーア・岩尾(東京都中央区)は、珍しい生地構造で高い保温性を実現する防寒着「魔法瓶ウエア」を開発した。魔法瓶の保温の仕組みを生地開発に応用した。外気に触れる生地のすぐ内側に熱伝導率の低いポリプロピレンの中わたを配置し、次に内側から熱の発散を防ぐアルミコーティングを入れ、肌側に来る生地の中に熱を保つポリエステル中わたを詰めた。この生地と一般的な中わた生地とで保温性能を比較すると、前者の方が最大2 ℃温かくなることを確認した。
エコテックス国際共同体は、23年4 月から「エコテックススタンダード100」生産に使用する化学薬剤の認証「エコテックスパスポート」に有機フッ素化化合物の規制項目(規制値キロ当たり10ミリグラム)を追加した。団体に加盟しているニッセンケン品質評価センターでは有機フッ素以外にも全フッ素化含有量の分析に対応している。
有名靴ブランド2社が、類似品を販売する日本の会社にそれぞれ差し止め求めた控訴で裁判所の判定が分かれた。黄色の糸を露出したドクターマーチンのステッチは製品の特長が顕著などとされ、販売の差し止めや製品の廃棄を命じられ、ルブタンの赤い底は一般的なデザインで顕著性がないとして請求を棄却された。また、高い識別性のない単色のため、商標登録も退けられた。自社製品のデザインの保護を求めるには、特徴を具体的に特定して主張することが重要だという。
革靴の産地大阪西成区を拠点にしているインキュベーション施設である西成製靴塾は大阪府立西成高校に靴作り部を発足させ、地域社会への貢献や靴作りに関わる人材育成の活動を進めている。地域社会を支援する動きに共感し、居力する企業も増えている。新たな事業として人材と企業やブランドをつなぐマッチングサイトを指導する予定だ。
作業服大手のワークマンは、キャンプ用品などを紹介するユーチューバーの濱屋理沙氏を新たな社外取締役候補にすると発表した。6 月29日に予定する定時株主総会に選任案を諮る。選任されれば同社初の女性取締役になる。ユーチューバーを社外取にする上場企業は珍しい。経営戦略に女性消費者の視点を生かしていく狙いがある。
24年春の新卒者の採用活動は、完全に売り手市場となっている。本格的に採用を再開して計画数を増やす企業が多く、コロナ禍前の状況に戻った。6 月に入って大手や上場企業が面接や最終選考を始める前に、早期から内々定を出す企業が増加している。競合の激化から、ファッションビジネス業界では、内々定保留や辞退者の増加、採用活動の長期化を懸念する声が強く、厳しい採用戦線となりそうだ。
国際紙パルプ商事は店頭での洋服試着時に使うフェイスカバーで、植物由来100%のパルプ製カバーを開発した。これまではポリプロピレン製など石油由来の合繊のものが大半であったが、それに代わるサステイブルな店舗資材として、8 月から販売開始しアパレルブランドへ提案していく。
1990年代半ばから2010年頃までに生まれた「Z世代」の視点を、大手メーカーなどが商品 開発に取り入れ始めた。SNSなどで情報収集することが当たり前で、従来の価値観にとらわれないZ世代の消費を取り込もうと、各社とも試行錯誤を重ねている。
@10月16日〜11月4 日A油脂工業会館9 階会議室(東京都中央区日本橋3-13-11)/オンライン(オンデマンド動画配信とライブ質疑応答)B日本油化学会編『界面と界面活性剤』掲載の12講座を一気に解説します。各講座は要点を60分にまとめ、14日間繰り返し視聴できます。C公益社団法人油化学会 TEL:03-3271-7464
@ 9 月7 日〜 8 日Aみんなの森ぎふメディアコスモス(岐阜県岐阜市司町40-5)B「未来志向かつ持続可能な繊維業界の構築に向けて」と題して岐阜にて開催致します。参加者の交流の中から深く議論できるよう、今年度は対面による開催します。C主催者:一般社団法人 繊維学会 連絡先:office@fiber.or.jp業界紙の購読申込先 繊研新聞(繊研新聞社:0120-55-9801)定価:2,600円(内税)
発行:一般社団法人日本衣料管理協会 会長:島崎恒藏/発行人:亀井良彦