ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧（2003年度:第20巻～）→
内閣府の｢06年度国民生活モニター調査｣で①レジ袋は断り、買い物袋(マイバック)を使う割合が上昇②環境に配慮した商品は価格が高いと答えた割合が低下③商品の簡易梱包化を小売業者や製造業者に求める割合が上昇、などが特徴。エコ感覚が上昇したことが言えそう。
財務省の06年貿易統計で、織物用糸・繊維製品輸入額は前年比12％増、衣類・同付属品輸入額は11％増であった。このうち中国からの織物用糸・繊維製品輸入は16％増、衣類・同付属品輸入額は13％増と他の地域を圧倒している。一方、織物用糸・繊維製品輸出は6％であった。
経済産業省が産業構造審議会繊維産業部分科会の基本政策小委員会の第1回を2月9日に開き、次期繊維ビジョンの策定に向け繊維産業の現状、現行ビジョンの総括、評価などを討議する。その後複数の検討を重ね、5月28日の同分科会で中間とりまとめを行い、6月をめどに最終とする予定。
｢こだわりがあれば高くても買う」消費者は76％。消費者が商品を購入したりサービスを受けたりする際の「こだわり」と「価格･料金」に関する意識調査を経済産業省が初めて実施。景気の回復で「安ければいい」という消費感覚は薄れつつある。性別や世代を問わず「こだわる」商品として多く挙げたのが家電。女性はインテリア製品や衣類、男性は自動車にこだわりが強い。こだわる点は「品質」が94％と最も高く、「機能」87％が続く。
経産省製造産業局繊維課は繊維業者も含む中小企業が活用できる可能性がある15の一般施策を東京での07年度中小繊維製造事業者自立事業公募説明会で紹介した。①新連携対策事業②JAPANブランド育成支援事業③戦略的基盤技術高度化支援事業④地域新生コンソーシアム研究開発事業⑤地域資源活用型研究開発事業（新設）⑥地域新規産業創造技術開発費補助金⑦中小企業・ベンチャー挑戦支援事業⑧地域資源活用売れる商品づくり支援事業⑨地域資源活用販路開拓支援事業⑩市場志向型ハンズオン支援事業⑪中小機構による商談会の開催やアンテナショップの開設⑫中小企業産学連携製造中核人材育成事業⑬企業等OB人材活用推進事業⑭シニアアドバイザー事業⑮専門家継続派遣事業。
経済産業省の細野哲弘製造産業局長は、新繊維ビジョンについて「骨子案では感性と輸出、外需が強調されたのが特徴。構造改革の加速化には意識改革も含めた対応が必要になる」との見方を示した。「05年を境に人口の減少と、国内市場が増えないことを大前提」に、「量から質へ、活用すべき強み、あるいは競争力の源として、日本の高い感性と、現地生産･現地販売も含めて海外市場の開拓が強調されている」と指摘した。
財務省関税局の06年知的財産権侵害物品の差し止め状況は、件数で1万9591件(前年比46％増)と増えたが、点数は11％減の約98万点になった。輸入形態別の差し止めの郵便物が全体の97％あり、小口化が目立ったため。仕出し国(地域)別の輸入形態別の差し止め件数実績は中国48％、韓国が45％と2国がほとんど。品目別点数では、バッグ類29％､衣類18％､衣類付属品8％だった。
紫外線は、波長が長いA波（UV-A）と、短いB波（UV-B）に分かれる。UV-Aは５月に、UV-Bは８月に多い。UV-Bは、炎症や皮膚癌を起こす可能性が大きい。太陽光のうち、可視光は直達光が多いが、紫外線は半分以上が散乱光なので、日陰にいても被曝する。紫外線遮蔽繊維の原理には、散乱と吸収がある。散乱剤には酸化チタンや酸化亜鉛が用いられ、物質と粒径によって散乱する波長が決まる。吸収剤には、紫外線を吸収した後、熱として放射する桂皮酸誘導体が用いられる。遮蔽剤は、繊維練り込みか後加工により付与される。用途は、作業着、スポーツウエア、帽子、日傘、カーテンなど。
昨年9月に開催された国際化合繊会議の概要を紹介している。繊維素材では、レーヨンの新しい溶剤、リヨセルの機能性付与、新しいポリマー（Polyvinyilidenn fluoride）(自己消火性、耐薬品性）、人造スパイダーシルク、ワンステップでの多孔性PET繊維の製造、ポリブチレンテレフタレートとポリエチレングリコールとのエラストマーをベースにしたMRTファイバー（帝人）、PLA繊維の改質などが紹介された。
インナーやアウターで杢素材の人気が高まっている。杢糸の流行は6年周期だが、欧州での杢糸人気により今回の山は大きく、12年ぶりの高水準という。国内の杢糸販売では、新内外綿とKBツヅキの2社が大手。新内外綿で杢糸が伸び出した10月以降の出荷量は、前年同月比50％増のペースであり、国内生産だけでは間に合わず、中国の生産拠点に追加発注を依頼している。KBツヅキは、杢糸「ロマンコール」を販売。中国の提携工場などで生産するが、現在の出荷量は前年同期比の約20％増で推移している。今秋冬の流行色であるグレー杢が人気だが、これまでの流れから次はカラー杢に移行すると見ている。
繊維の国際価格が二極化してきた。毛糸など天然繊維は生産減や原料高で値上がり基調が続くのに対し、ポリエステル、アクリルなどの合成繊維は昨年9月以降に反落し、これまでに10％前後下げている。合成繊維の価格低下は、原油価格の下落に伴う原料高一服や中国などにおける供給過剰感が背景にある。04年からの合繊価格上昇で一時は天然繊維の割高感が薄れたが、再び「合繊への需要シフト」が進みそうな情勢である。
日本紡績協会がまとめた会員企業の06年末の紡績設備（運転可能錘数）は前年比21％減の96万2,000錘と100万錘を割り込んだ。年間平均運転率は5.6ポイント低下、79.5％だった。抄録者注：繊維統計年表によると、現在の統計方法に変更された1971年の運転可能設備錘数（全国ベース）は1,148万錘。最盛期の1972年は同1,161万錘であった。35年で10分の1以下の規模になったことになる。
機能性でアパレル商品を陰で支える素材は多い。その特徴は目に見えず、説明書きに頼らざるを得ない宿命にあるが、実際に使ってもらえばロングセラーも夢ではない。米スリーエムが30年近く前に販売した「シンサレート」はその代表といえる。決して表に出ることのない「中わた」だが、その役割の大きさを広く知らしめてきた。最も理想的な断熱媒体を空気ととらえ、直径2μmという微細なポリエステルで大量の空気を封じ込める仕組みにより、高い保温･断熱機能をもつ。この特徴である「薄い」のthinと「断熱する」のinsulateを組み合わせた名前を作り、シンサレート Thinsulateとなった。
08年春夏に向けた合繊メーカーのスポーツ素材販売戦略が出揃った。汗をかくと繊維が形状を変化させ、通気性をコントロールする「動く繊維」が次世代機能素材として注目を集めており、今のところ5社がスポーツ市場に導入する。また、各社は春夏には不可欠のクーリング素材、吸汗速乾素材のバージョンアップに力を入れており、高機能素材による販売競争がますます激化しそうな様相を呈している。ここでは、各社の開発している動く繊維を紹介している。
地球環境に配慮した素材が新たな段階を迎えそうだ。国内の素材メーカーにとって、エコ素材はほぼ「標準装備」といえる商品だが、品質や基準に折り紙つきの素材を求める声が拡大、海外への販売も増える気配。同時に、これまでの地道な活動をより一層、広めようという取り組みも目立つ。プルミエール・ヴィジョン(PV)・9月展での反響が大きく、2月展では帝人ファイバーが初めてエコ素材を持ち込み、東レはリサイクルナイロンを初披露する。PV側も「環境／人権への配慮」を打ち出し、環境に配慮した方法で作られた生地は「価値ある新機能」として表されることになる。
ダイワボウレーヨンは、従来の繊維製品では除去が困難であったVOC（特に疎水性有機溶剤のトルエン等）を吸着・除去できるレーヨン素材を開発した（現在特許出願中）。VOCは、シックハウス症候群など健康障害に影響を与える物質とされ、常温で気化するため一般的に除去することが非常に困難とされている。今回開発された素材は、レーヨン繊維内部にVOCを吸着する素材（天然物由来の多孔質粒子）を特殊な技術で練り込み、繊維と機能剤を一体化することでVOCを吸着する。今後、VOCの除去対策が必要な、壁紙等内装材関連や自動車関連の市場へ用途開拓する。
優雅な光沢で最高級の織物として君臨するベルベット。最近は街着にも定着し、身近な雰囲気を増す傾向にある。伝統の枠に納まらず、ファッション素材として発展する間に、世界で知られ始めた名前がある。それは福井の山崎ビロード。昨年、伸度が低く、どんな織物にするのも難易度が高い麻を、リネン100％のベルベットとして完成させた。足掛け3年掛かっている。以前にはウール、その前は綿のベルベット。現在はレーヨン長繊維などを使うのが一般的で、短繊維の応用は難しく、まだまだ珍しい。織ることに全力を上げ、それを積み上げていくうちに、欧州のトップッブランドにも使われていった。
婦人服地を展開する合繊メーカーの07年秋冬に向けた販売戦略が明らかになった。各社はエレガンス化への手応えを強めているほか、より上質を求めるアパレルのニーズが強くなる、と見通しており、シルキーな質感や上品な光沢を強調したポリエステル長繊維薄地やマイクロファイバー使いの高密度織物などでものづくりに力をいれている。上質なものづくりへの気運が高まるに伴い、各社は合繊回帰への手応えを強めている。
日清紡はポリウレタン（スパンデックス）「モビロン」で、パンストに使うと伝線防止、インナーウエアでは生地をほつれにくくする熱融着糸など特化素材を強化する。同社は、昨年3月、乾式タイプの生産を中止、溶融紡糸タイプに絞り込み、生産能力を月間230t(40D換算)から170tへと縮小した。溶融紡糸タイプも汎用糸から熱融着糸、機能性を付与する練り込み素材などに特化。2～3年後には特化糸の比率を5割に高める。特に熱融着糸は伸長性、伸長回復性を保持しながら、生地のカール、ほつれなどを抑える。また、セット性が高く、編目が安定し、靴下、インナー業界から評価を得ている。
合繊メーカーの08年春夏向けスポーツ素材が出揃った。既存の素材を進化させる形で、吸汗速乾をはじめとする機能や耐久性の向上、肌触りの良さなど感性を重視した物作り、欧米で関心の高い環境配慮の動きが加速。環境配慮型の透湿防水素材として、東レは有機溶剤を使わない「エントラントＥ」を完成、帝人ファイバーは再生ポリエステル100％の「エコストーム」で完全循環型リサイクルを可能にした。風合いやファッション性重視では、東洋紡の綿とポリエステルの長短複合素材「スポーツコットン」、クラレトレーディングの細デニールのPBT繊維によるソフトストレッチ「ビューフィット」などがある。
旭化成せんいは、ポリウレタン「ロイカ」の8番目のサブブランド糸となる熱合着糸「ロイカSF」を開発。パンティーストッキング、インナー、アウター向けに1月から販売を開始した。年産50tから始め、ブランド糸共通の目標である年産500tを目指す。熱合着とは加工工程の熱により、繊維が食い込むような形に変形して、離れにくくなること。他社の熱融着は低温で糸を溶かすことで接点をつなぐが、旭化成せんいは、通常の加工条件にこだわり、繊維同士を溶かさずにくっつきやすくする合着を選んだ。普段ナイロンやポリエステル生地に施すヒートセットや染色の熱で合着効果を得られるため、温度管理のわずらわしさや微妙な温度変化による機能低下や風合いを損なうことがない。
東洋紡と日本エクスラン工業は、アクリレート系繊維を改質し、ナノサイズの銀系微粒子と複合化する技術によって、抗アレルゲン・抗ウイルス繊維「ナノアタック」を開発。従来の抗菌繊維などでは、ミクロンサイズの銀系粒子を練り込みなどで使うことが一般的であるが、ナノアタックでは、銀はナノサイズであるので、同じ質量で1,000倍の表面積をもつ。しかも、銀は一般的な抗菌繊維の約50倍含有し、繊維表層部に分布させてある。抗アレルゲン性・抗ウイルス性のメカニズムとデータが示されているほか、抗菌性・消臭性・安全性にも触れられている。
日本エクスラン工業は、アクリルに特殊な酸化チタン系材料を繊維内部に付与した「セルフクリア」を開発。繊維自体にナノサイズの表面連通細孔(孔径：数10nm)が導入されており、通常のアクリルの10倍近い細孔表面積(約30m2/g)を持つ。光触媒材料も一般的に利用されている材料に比べて10分の1以下の平均約16nmの超微粒タイプを用いて、触媒自身の表面積も増大させている。臭気成分はまず繊維の細孔内に物理吸着され、そこに存在する光触媒材料によって分解されるので、高い消臭効果を示す。アクリルを基材としていることによる機能安定性も特徴。
最近、ウイルスを不活性化する働きのある繊維製品に注目が集まっている。日清紡「ガイアコット」、シキボウ「フルテクト」、そしてダイワボウポリテックの抗ウイルス不織布などである。いずれも大学など研究機関との連携によって開発され、その性能も客観的な実験データによって裏づけられた素材である。それら素材の開発に大きな力を発揮したのは、日本の綿紡績が持つ、わた・糸・生地の各段階での高い加工技術である。抗ウイルス材を繊維に付与するには、抗ウイルス材が外気に触れる表面積を極大化させるなど難しい条件があるが、そうした課題を日本の綿紡績が持つ高い技術力でクリアした。その意味で「ジャパン・クオリティー」に値する素材であるという。
日清紡は繊維長が37ミリ以上の新疆綿を使った超長綿素材「シンハイ」を発売する。「トレーサビリティー」の考え方に沿い、綿花の種の段階から生産・管理まで一貫した生産管理を行う。「新疆農業科学院」が開発に成功した種子を使い、その専用農地としてカシュガル市の中心から東南へ約70キロの場所に3600ヘクタールを確保した。日清紡のパートナーである新疆ヤンガーが綿花を栽培する。フリーの糸売りはせず、需要家との取り組みによる加工糸販売やシャツ地などのテキスタイル展開を中心とする。
川島織物セルコンは染料などを使わず光の干渉によって色を出す「干渉発光ファブリックス」を開発した。見る角度によって色合いが微妙に変化する「玉虫色」で、生地表面に金属酸化物を蒸着することで実現した。インテリアやアクセサリーでの利用を見込む。生地の表面に半透明、透明、全反射の三つの層を形成する。半透明層で反射した光と全反射層で反射した光が干渉して特定の波長の光(色)が強調される。透明層の厚さが見た目の色を決める。光の角度によって光が透明層を通る長さが変わるため強調される色も変わる仕組み。
人の体や地球環境へ配慮をうたった糸が欧州で浸透し始めた。ドイツのシーセルが02年から生産する「シーセル」で、シーセルは通称「ノット・タンク」と呼ばれる昆布のような食べられる海草（アイスランド産）を練り込んだレーヨン。土壌や河川などに害が多いとされるビスコース法によらず、いわゆる精製レーヨンに近い方式で作る。海藻類は体のバランスを整えるミネラルなどが豊富で健康に良いことが知られているが、体内に摂取するだけでなく、身につけようという発想。とりわけ、肌に触れる繊維に応用した場合、抗酸化作用や紫外線カットなどが期待できることが強調されている。
昆虫を用いた染色としては、サボテンに寄生するエンジ虫から採取される赤色のコチニールが有名である。しかし虫の糞で染色をするという話は聞かない。ここではチョウ目21種類、ナナフシ目3種類、コウチュウ目1種類の糞染色が述べられている。媒染剤には酢酸アルミ、酢酸銅、木酢酸鉄など。一例を挙げると、染まった色で緑色系では、チョウの幼虫の糞をアルカリで煮出した染液で緑色に染まるが、鮮やかな緑色はオキナワスズムシソウを餌とするコノハチョウなどで得られ、赤茶系ではオオシモフリスズメやヨナグニサンなどガの仲間では肌色から焦げ茶色に染まったなど興味深い。
東レは複数の機能材料を使つてナノスケールで３次元構造を形成させ、これを繊維素材に加工することで複合機能を付与する加工技術「ナノラメラ」を開発。使用するポリマーの設計を工夫することと、最適な加工プロセス技術の確立で、これまで困難だった機能の複合が可能となる。また機能の向上、高度化、適用素材の拡大、機能加工剤の使用量を減らすことによる省資源、複合機能付与のために後加工を重ねずに1回で済むことでのコストセーブ、環境負荷低減などにもつながるとしている。これまでの「ナノマトリックス」「ナノプレム」に次いで、今回のナノラメラはナノスケール加工第3弾となる。
東レは、加工工程で有機溶剤を使用しない水溶性ポリウレタン樹脂による透湿防水素材「エントラントE」を開発した。08年春夏向けのアウトドア、スキーなどのスポーツ用途へ販売する。エントラントEは、新規のナノスケールの加工技術「ナノラメラ」を使って、二つの樹脂を混合、ナノレベルで均一な3次元構造の膜を作ることで、強度を飛躍的に向上させながら、スポーツに必要な耐水圧5000ミリ以上、透湿度1万グラム（1m2・24時間当たり）、結露量5グラム以下（1㎡当たり）を実現した。
藍染めの染色液作製工程の短縮化を目的として、インディゴ染料還元酵素を製造する技術が開発された。開発したのは大島敏久九州大学教授ら計3人で、藍染め染液中の好アルカリ性菌体内酵素液からインディゴ還元酵素を見いだし、その製造方法を確立した。これは伝統的な本藍染めへの利用に限らず、環境にやさしい化学プロセスとしてバイオプロセスが注目されている中、化学薬品を使う「化学建て」に代わるバイオプロセスとして、デニム染色工程への応用が期待される。
帝人ファイバーは、表地がケミカルリサイクルポリエステル100％の透湿防水素材「エコストーム」を開発。完全循環型リサイクルシステム「エコサークル」の中核素材に位置づけ、スポーツとユニフォームの用途で07～08年秋冬物から全世界に向け販売を開始する。快適性能と環境性能の両面を訴求ポイントに、エコサークルの会員に積極拡大する。エコストームは表地に無孔質のポリエステルフィルムのラミネート加工を施すことで防水や撥水、透湿、防風の機能を備える。耐水圧は2万㎜以上、透湿度(g/m2・24hr）は5,000 以上(JIS L 1099 A-1）、15,000以上（同B-1）。アパレルメーカー入り価格は900～1,200／m（ダブル幅）。
織布、染色整理加工の正織興業（倉敷市）は、自社開発の生地による製品で提案型の事業を強化する。新たに開発した中白加工「オベリア」を施し独特の風合いに仕上げた生地でカジュアルウエアを自社で作り、商社、素材メーカーからアパレル卸、SPA（製造小売業）などに提案、委託加工、自販の生地販売を伸ばす計画。オベリアは、インディゴに比べ「堅ろう度の高い染料で、中白効果が出るようにした」のが特徴。ムラ糸など糸の種類、番手や織り組織を変えることで、同じ中白加工でも、それぞれ味のある表現ができる。色は茶、グリーン、濃いベージュの3種類。製品にすると独特の落ち感、ハリとコシ感、温かみがある。
中国やタイ、インドなど、日本以外のアジアブランドが日本で市場を広げている。背景にはアジア諸国で実力を持ったブランドが増えていることや、国産にこだわらず価値さえあれば受け入れられやすい方向へと消費者のニーズが変わったことが挙げられる。コスト競争力もあるため値頃感や訴求力も強い。今後もシェアを拡大していく可能性は十分あるようだ。
国内の呉服市場が一段と冷え込む中、京都の和装企業が伝統技術を生かした服飾雑貨や生活関連商品で、欧米や韓国など海外の販路開拓に力を入れ始めた。各社は京都商工会議所の異業種協業プロジェクト「キョウトプレミアム」(吉田忠嗣委員長)にも参加し、26日からパリ国際見本市「メゾン・ヱ・オブジェ2007」に出展するなど、海外進出を本格的に強める姿勢を見せている。
南国らしい鮮やかな色彩と刺しゅうやレースなど価格の割に手の込んだ作り―。今春、ブラジルのファッションブランドを扱うアパレル専門商社や衣料専門店が増えている。婦人服のほか、宝飾品や雑貨などジャンルも幅広い。エレガントで洗練された欧米ブランドに見慣れたバイヤーや消費者に、新鮮に映っているようだ。
東京ガールズコレクション(TGC)の興奮を北京で――女性向けモバイルポータルサイト「ガールズウオーカー」(GW)を運営するゼイヴェルは「TGCイン北京」を3月26日、北京の中国国際展覧中心で行われる中国最大のアパレル展「中国国際服装服飾博覧会」(CHIC)で開催する。地元メディアやインターネット配信などクロスメディアで情報を発信し、日本ブランドの中国での認知度を上げる狙いだ。
アームホールを角度プロット図および曲率プロット図により表現した。その結果、異なるサイズや婦人・紳士の間で、アームホールの形状を比較することが可能になり、次の主な結果を得た。婦人と紳士のシャツは、後ろ身頃の形状が一致した。婦人シャツの形状は前後対称であった。婦人ジャケットとスローパーは、回転移動で重ね合わせることができた。３種類の基本曲線で、代表的なアイテムのアームホールを表現することができた。制御点におけるサイズピッチ表が作成できた。
2007年春夏は、レディスファッションのスタイリングが新しくなる。これまでのタイトなトップス＆ボリュームボトムスから、ボリュームトップス＆スリムボトムスへとシフト。すでにヤング・キャリアゾーンでは、その傾向が秋冬から出ているが、この春夏は大人服ゾーンを含めてそれが開花する。
日本貿易統計によると、昨年の衣類輸入は37億1294万枚、2兆3635億円で前年比数量で4％、金額で12％いずれも増加、最高額を更新した。伸び率の数量･金額の差が大きいのは円安(年間平均116円で5％円安)と商品価格の上昇によるもの。
女性たちのジーンズはこのところ、股上の浅いローライズが定着していた。そんな“股上事情”に変化の兆しがみえている。昨秋から、股上が深めのいわゆる「ハイライズ」が売り場に出始め、春にはへそまでも隠す「ハイウエスト」まで登場している。スカートの丈がミニからロングへと変遷するように、股上も一挙に深めに移行するのか。今春夏はジーンズにとってターニングポイントとなりそうな予感がする。
世界に通用するブランドへ、3期目の「JAPANブランド育成事業」は洗練度が高まってきた。地方産地は従来、ものづくりには自信があるものの、ブランディングやアピールの仕方を苦手としていた。しかし、ターゲットを絞り込んだ戦略により、演出効果を高めている。事業を統括する中小企業庁では「海外との取引が開始されたケースなど成果が表われだした」とする。
アパレル･ファッション業界の生産を担うOEM（相手先ブランドによる生産）が新たな段階に入ってきた。品質や納期での管理レベルの高さを提供するこれまでのOEMから、相手先ブランドに売れ筋を提案し、その中から選ばれた最適を生産する新しいOEMへと、業態の性格が変わろうとしている。
フォーマルウエアメーカーのベトナム生産が本格化している。中国生産のコストアップや納期遅れを回避するため、安定供給先の一つとして有望視されている。様子見の一般アパレルメーカーをよそに、ブラックフォーマルでは昨年末に一気に広がった。総コストでは中国と大差ないが、不良品比率が低く、今後拡大することは間違いない。研究中とする大手アパレルにも広がる可能性がある。「中国プラスワン」を求める目的は、コスト抑制よりも供給力確保、納期や品質の安定にある。技術を要するブラックフォーマルの生産拠点の確保は、フォーマルメーカーにとっての生命線ともいえる。
20～30代の若者向けデザインを取り入れつつ、40代以上の中高年でも着やすい紳士用衣料が売れている。三陽商会の50代以上向けのカジュアル衣料ブランドで、また上の浅いストレッチデニムのジーンズが、はき心地の硬さや重みなどを改良し好調。エドウインでは太った体型でも足がすっきり見えるジーンズが40代を中心に人気である。サイズをきめ細かく揃えて中高年の体型に対応した。オンワード樫山の40代向けカジュアルブランドでは、カーディガンが人気で、肩幅と胴回りを従来より縮めるなどの工夫をしている。
1950年代後半に米国から持ち込まれた「アイビーファッション」。40代半ばから60代前半の男性の多くは「VAN」のロゴにあこがれ、メンズショップの店員を手本に商品知識や着こなしを学んだ。その後、ファッションの多様化の波に押され消えたかのように見えたアイビー。だが、インターネットを通じて隠れたアイビー魂が息を吹き返し、「young－at－heart」な中年アイビーリーガーズが街を闊歩し始めた。
中小アパレルメーカー、SPA(製造小売業)が国内工場の確保に動き出している。韓国ではコストメリットが薄れ、中国では将来的な納期、品質への不安も出ている。国内縫製工賃が下落する一方、海外縫製コストは上昇し、改めて国内の短納期、安定供給が見直されている。SPAを目指す専門店が国内に直営工場を稼働させ、OEM（相手先ブランドによる生産）卸が９割方の海外生産から国内生産へ見直すなど。付加価値の高い商品開発とスピードで生き残ろうとする中小企業のこのような動きはしばらく続きそう。ヤング人口の減少から大人市場へのシフト、よりオリジナリティーを追求しようとする流れとも合致する。
日経MJの女性消費者に百貨店での買い物についての調査で、全体の4割近くが2～3年前に比べ買い物回数が減ったと回答、百貨店離れがいまだ進む状況が伺える。百貨店で1ヶ月に使う金額の平均は1万3468円であった。
第96回全米小売業協会が1月に開かれた。効率化と顧客サービス向上のため、テクノロジーを導入する企業が増えているが、データ分析・活用とともに感性を反映し、デジタルとアナログの両輪を深く理解して、ミックス＆マッチさせることが課題としている。
買い物や不用品売却のネットオークション(競売)の普及は、最大手のヤフーで現役利用者600万人、日本全体では1000万人を超えると見られる程進んでいる。特に20、30歳代では7割を超え、ネットオークションがモノの売買の普通の選択肢になっている。ただ、利用経験者のうち｢トラブルを経験した｣人は29％、その内容は｢商品にキズがあった｣｢商品が届くのが遅れた｣が3割超えたと日経の調査でわかった。
流通業の次世代EDI(電子データ交換)標準を検証する実証実験が、2月下旬から開始される。流通システム開発センターを事務局として、日本チェーンストア協会と日本スーパーマーケット協会が共同で取り組んできたEDI標準化の成果を、イオン、ダイエー、平和堂、ユニーの量販店4社と卸売業29社が共同検証する。
中国政府の規制緩和から2年、先行した食品スーパーに続き、カジュアル衣料や家電量販、ホームセンターなど専門店など、中国の流通市場に大手外資の新たな波が押し寄せている。上海や北京など沿海の大都市で消費者の関心は食から衣・住に向かっており、集客のカギは安さよりも選びやすさや高級感、ブランドの個性となる。
顧客同士の交流が店との結び付きを強め、売り上げにつながる――。ありがちなストーリーだが、店が仕掛けるのは容易ではない。東京･銀座に、「居心地のいい店」を実現しようとする、洋服のオーダーメード店がある。店が主催する講座とパーティーが起点となって、顧客と店、顧客同士の２つの方向のコミュニケーションが活発化し始めた。
百貨店や衣料専門店では、暖冬の影響で冬物衣料の売り上げが伸び悩む一方、春物衣料への切り替えが早まり、1月の既存店売上高が前年を上回る店が増えてきた。色やデザインは春物で素材は冬物の｢春色冬素材｣の品揃えなどの売れ行きが活発。ネット通販では売れ残った冬物衣料の大幅な値引き販売が目立つ。
衣料品選びから髪型まで、個人のファッション全般をアドバイスする「パーソナルスタイリスト」の利用者が増えている。限られた富裕層向けのサービスではなく、ビジネスマンから子育て主婦まで、幅広い層が比較的に気軽に利用し始めたのが最近の特徴。多少金はかかっても、プロの見立てで外見を整えたいというニーズが広がっている。
偽ブランド品や海賊版などの模倣品を国内で違法に販売するために個人輸入を装う手口が横行している。全国の税関が調べた個人輸入による模倣品のうち、法律で認められている私的使用を目的とした物は1％にすぎなかった。税関は審査強化するほか、ブランドメーカーも防衛策を講じ始めた。
繊維ファッションSCM推進協議会の07年度はTA(テキスタイル・アパレル)プロジェクトと並行して、TAR(TA・小売業)プロジェクトを設置し、その下に議論継続を合意したTA量販店ビジネス研究会と、新たに設けるTAD(TA・百貨店)プロジェクトを置く。小売業との連携による活動を本格化するため。
無線で情報をやり取りができるICタグ(荷札)を活用した買い物の形態が一段と広がってきた。会計処理を瞬時にすませたり、顧客属性に合った買い物の情報を店頭で紹介するなど使い方は様々。コストの課題などはあるが、消費者にとっては買い物の利便性が増しそうだ。
ザラ、へネス＆モーリッツ(H&M)など世界で急成長している衣料専門店が日本で攻勢をかける。独自のデザイン力を生かしパリコレクションなどで生まれた流行を素早く導入。中国や中東の工場を活用し価格は高級ブランドの五分の一以下に抑える。都心を中心に急ピッチで出店する計画で、ユニクロなどカジュアル衣料専門店の戦略にも影響を及ぼしそうだ。
ネットオークションなどネット経由の商品流通の普及で、一般の個人が売り手の側に立つ機会が増えている。ドロップショッピングという新手の販売方法も登場。手軽さが人気を集めるが、関係者が多岐にわたることから、販売業者として法律上の責任の所在が見えにくいと指摘される。
06年の百貨店･スーパーの既存店売上高は夏場の天候不順や暖冬の影響で衣料品販売が低調で、ともに10年連続で前年を下回った。全店売上高でも百貨店、スーパーとも前年割れとなった。個人消費は回復しているが、旅行やエステなどサービス消費や、ネット通販経由の買い物が増えていることも、長期低迷の要因となっている。
大量廃棄に対する批判が高まるなか、大手小売りが商品のリサイクルに本格的に取り組み始めた。消費者から使わなくなった商品を回収し、海外の難民施設に寄贈したり建築資材に再加工したりする。コストはかさむが、企業の社会的責任(CSR)を求める消費者の声に加え、投資家が企業を選別する基準にもなりつつあり、同様の動きが広がりそうだ。
用語解説
ドロップショッピング
サイトで商品を紹介、値段も自ら決めるが、発送や決済は専門事業者に任せるネット通販の一方法。98年頃米国で始まり、年間1兆円程度の市場規模があるといわれている。日本でも昨秋頃から広がりはじめた。これには、商品供給の｢メーカーや卸｣、商品情報を束ねて受注の仕組みを提供する｢仲介会社｣、そして消費者の窓口になる｢サイト運営者｣の3者が基本的に絡む。問題は、通販サイトのようだが、特定商取引上の表記がなく、法的責任を誰が負うかが明確ではなく、経済産業省も仲介会社からの説明を昨秋求めている。
繊研の｢全国百貨店改装・増床調査｣によると、今春夏は81店が改装する。件数は依然高水準で、14店が5億以上投じるなど、都心店に大型投資が目立つ。業態を超えた競合が激化する厳しい環境を背景に、改装投資を増額する傾向が見られる。
ライオンは衣料用洗剤の洗浄成分となる植物系原料を08年からマレーシアで量産する。量産するのはパーム油やヤシ油から作られる植物系の界面活性剤MES(メチルエステルスルフォネート)。高い洗浄能力を持ち少ない洗剤量で洗濯できるため、排水による水質への影響も抑えられる。現在大量生産されている石油系界面活性剤に比べてコストが割高だったが、原油価格上昇を受けて同水準に近づいてきたという。ライオンは化学品事業を成長の柱に据え、MESを成長のけん引役の一つにしたい考えだ。
ノロウイルスの感染対策で、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が推奨されたため、脱色などのトラブル増加が懸念される。この種の典型的な事故例が紹介された。ジャケットの裾に液体が飛び散ったような形状で脱色が生じた。原因は次亜塩素酸を主成分とする洗浄剤が付着したため。この成分を含む洗浄剤には、洗濯用のほか、台所用や洗濯槽用、トイレ用などがあるが、これらを洗濯作業場に常置しないことが事故防止対策になる。クリーニング事故のうち、薬剤による変退色は、大半が漂白剤を主成分にした洗浄剤による。
1.消費者団体訴訟制度成立 2.BSE問題で停止されていた米国産牛肉の輸入再開 3.残留農薬等にポジティブリスト制度施行 4.加工食品の原料原産地表示拡大 5.製品事故次々発覚、消費生活用品安全法改正 6.高齢者に負担増の医療、介護費用 7.高齢者をねらった悪質商法多発、見守りネット活動開始 8.法テラスオープン 9.消費者の不信を招いた生・損保商品 10.貸し金業規制関連法改正
全国消費者団体連絡会の地方消費者行政調査結果によると、47都道府県の消費者予算の総額は06年度で約51億円。02年度には約74億円だったが、5年間で31.5％もダウンした。消費者からの相談件数の増加で相談員の配置数は増えているが、消費者行政にかかわる職員数は削減されている。現在、相談業務を委託しているのは12道府県。このうち全面委託は5道府県、一部委託は7県、3県が委託を検討している。職員が減り業務委託が進むなか、同連絡会では「消費者被害が増えているのに予算が減るのは問題ではないか」と指摘している。
団塊、団塊ジュニアとその子供をまとめた｢団塊3世代｣を狙う衣料・雑貨などの商品や旅行などのサービスが相次いで登場している。人口減少に拍車がかかる中、お互いにの独立心を尊重しつつも価値観やライフスタイルを共有する同3世代は有力な巨大市場。流通、メーカー各社は取り込みを目指して知恵を絞っている。
1.身近な製品や設備に関する事故相次ぐ 2.消費者契約法改正、消費者団体訴訟制度が実現 3.金融商品に関連した相談相次ぐなか、金融商品取引法成立 4.保険関連相談、相変わらず増加傾向 5.多重債務の相談は増加傾向―法改正など、見直し機運起こるー 6.個人情報保護法から1年、相談14000件超 7.架空請求は巧妙化し、ターゲットを高齢者にシフトする動きも 8.電気・電子製品関連トラブル相次ぐ 9.「法テラス」運用開始 10.古くて新しい商法での相談目立つ
機械メーカーのボッシュ（ドイツ）製の電気食器洗い機と電機衣料乾燥機で、配線の不具合が原因で発火する事故が相次いでいるとして、経済産業省は16日、製品を輸入･販売した同社日本法人に対象製品の点検･改修を急ぐよう指導するとともに、利用者に使用中止を呼びかけた。対象の衣料乾燥機は、1988～92年に販売した「WTA」など3機種、約4,060台。昨年11月に名古屋の私立短大で、電源を切った直後の衣料乾燥機から出火、リネン室が焼ける火事があった。
ブラザー工業は22日、同社製の工業ミシン「DB2-B730NBN」が使用中に発火する恐れがあるため、無償点検と修理をすると発表した。対象のミシンは1991年9月から94年6月まで製造した、1237台。「内部の電子回路から火花が出て、ほこりに引火する恐れがある」としている。
→詳しくは、(29)に社告を掲載している。福島県消費生活センターは、130サイズのズボン11商品について、表示とサイズ、洗濯耐性をテストした。購入価格は、790円～3045円で、平均価格は1802円だった。組成表示は、5商品が綿100％、6商品が綿にポリウレタン2～6％の混紡だった。いずれの商品も中国製、家庭での洗濯が可能だった。洗濯を11回繰り返し、寸法変化や退色のテストをした。その結果、また上丈が伸びる傾向にあった。全商品で退色が認められたもののJIS規格の基準を下回る商品はなかった。同サイズでもばらつきがあるから、試着して購入するとよい。そして、表示を良く見て洗濯をすることが大切である。
クリーニング綜合研究所から平成18年4月～12月の事故鑑定速報が発表された。この期間に同研が行った事故衣料品鑑定は、385件。このうち原産国が表示されている鑑定品331件を国別に分け、製品自体の問題や素材の特性に起因する事故を選んで原産告別の事故件数を集計。日本製（158件）を除く海外製（173件）で最も多いのが中国で106件（海外製の約66％）、次がイタリアの33件（約20％）が2大勢力となっており、それに続くフランス以下は1桁台となっている。
消費者の立場で製品の規格作りの仕組みを学び、考えようというセミナーが大阪（12.14）名古屋（12.15）東京（12.16）に経済産業省、日本規格協会、消費者の標準化参画促進セミナーワーキンググループの主催で行われた。規格の作成や標準化活動は従来主に生産者が行ってきたが、よりよい企画を作るためには、製品の使用者である消費者の参画が不可欠であるという視点で、地域の消費者団体にも後援を求めた。
ISO 9000を超えるQMSモデルとして、JIS Q 9005が制定されている。この記事は過去５回にわたって掲載された、標記論文の最終回である。ISO 9001のマネジメントレビューを超えた、戦略的マネジメントレビューにより、品質マネジメントシステムの改革が必要。JIS Q 9005の重要概念を流れ図にして説明。品質マネジメントシステムの改善と革新の位置づけを概念図として示した。
素材調達の現状を知るデザイナー皆川明が、｢日本製テキスタイルは世界で評価されている｣という風潮に警鐘し、｢日本の織物産地は危機的状況にあり、アパレル企業なくして産地の再生はない｣としている。
日本繊維産業連盟は、07年活動方針を決めた。FTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)の促進で貿易や投資の自由化が進展、大競争時代に突入しており、6月に策定される｢新繊維ビジョン｣につなげることを想定、①繊維産業の構造改革②新素材・新商品の開発③日本ファッションの国際発信力強化④工商一体の貿易拡大⑤国内事業基盤の維持強化⑥人材確保と育成⑦国際化への積極的対応の7項目の重点施策を掲げた。
中国政府は、｢11･5計画｣(06～10年の第11次5カ年計画)で内外資統一制度の抜本的な改正に取り組む中で、企業所得税(法人税)の25％税率統一や2免3減の外資製造業への優遇廃し(経過措置を設ける)を柱とした一連の新税制度案3月に全入代に提出、立法化し08年1月から実施する。中国側には大減税となるが、外資企業は基本税率の引き上げ、輸出奨励策の廃止など負担増を招く。
用語解説
2免3減の外資製造業への優遇
外資製造企業のうち、経営期間が10年以上の企業については、企業所得税を利益獲得開始年度から2年間免税、その後3年間は半減する旨の規定（「外国投資企業及び外国企業所得税法」）をいう。この場合、利益獲得開始年度とは、前5年以内の繰越損失控除後初めて税務上の利益が生じた年度のことを指す。
セーター、マフラーなどカシミヤ製品の品質表示の誤りから製品を回収する企業が増えているが、その発端となる小売店への通知を行ったカシミヤ･キャメルヘアー産業協会（CCMI）日本支部清水邦保代表は「取引の公平性確保、消費者保護」の視点で調査したもので、「指摘が目的ではない」としている。CCMIは米国に本部を置く「カシミヤ業界で唯一の国際団体。会員はイタリアを中心に日米欧の紡織メーカー、カシミヤ専業メーカー16社。カシミヤ製品の不当表示への警告発動は、すでに欧米などで行っており「年間20～30件ある」。
アジアに進出した日系企業の昨年の現地従業員給与はインドやベトナムで2ケタ増、今年もこの傾向が続く。日系アジア社と日系リサーチがアジア11ヶ国･地域で実施した「日系企業の現地従業員給与･待遇調査」でこんな結果が出た。日米欧のIT（情報技術）企業や製造業の進出が加速する両国で人材獲得競争が激しい。中国と台湾、フィリピンは昇給率が前年と同程度にとどまり、人材確保に一部で一服感が出ている。
①４月20日
②兵庫県民会館
③引き締めたい！夢をかなえるトレーニングボトムの開発、皮膚のバリア機能を高める衣服、ランジェリー用布や化粧パフなどの肌触りを考える、他
④日本繊維製品消費科学会 TEL:06-6358-1441
①６月25日～26日
②東京理科大学森戸記念館
③表面と界面、界面活性剤の分類と合成、泡の基礎と応用、洗浄の基礎と応用、他
④日本油化学会 TEL:03-3271-7463
①４月22日、５月６日・20日、６月３日・23日・24日（計６日）日
②中央大学駿河台記念館（前半４日）・霞会館（６月23・24日）
③基礎知識（繊維一般、製造と品質、流通と消費）、事例・論文の講義と演習
④NACS東日本支部研修福長kenshu@soleil.ocn.ne.jpあるいはfax03-3999-5303
発行：一般社団法人日本衣料管理協会 会長：中島利誠／発行人：大谷芳男