ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧（2003年度:第20巻～）→
国家戦力会議の分科会は、国の長期ビジョン｢フロンティア構想｣をまとめた。国家の衰退を防ぎ、個人や企業が能力を最大限生かして新たな価値を生む国家像を2050年に実現するための政策を提言。
厚生労働省は、｢特定芳香族アミンを含有する家庭用品の規制基準に係る調査｣を受け、薬事･食品衛生審議会化学物質安全対策部会を開き、特定芳香族アミンを生成する可能性があるアゾ染料の規制に向けて議論を始めた。
政府は20年までの成長戦略を盛り込んだ｢日本再生戦略｣の原案を公表した。環境や医療、観光などの11の戦略分野で38の重点施策を掲げ、約630万人の雇用を創る。
総務省の12年度情報白書で、スマートフォンの普及がもたらす経済効果が年間7.2兆円にのぼると試算した。端末だけでなく小売りやサービス業など幅広い分野で需要を創出するが、メーカーなどは苦戦する。
厚生労働省は、日本経済の低成長が続いて労働市場の改革が進まなかった場合、2030年の就業者数は2010年に比べて約850万人少ない5450万人に減るとの推計をまとめた。これは、高齢化によって企業などで働く15～64歳の人口そのものが減るためである。政府が成長戦略を着実に進め、若者や女性、高齢者の働き手を増やせば、就業者数の落ち込みは、210万人程度に抑えられるとしている。
政府は中央省庁の公開情報について、民間ビジネスや市民のボランティア活動などの利用を促すため、著作権を持つ国の利用許可を得る手続きを原則不要とする方針だ。有識者会議を経て、今年度中の運用開始を目指す。
総務省の住民基本台帳に基づく3月末時点の人口動態調査で、日本人の総人口は1億2666万人と、前年比26万人減少、3年連続で前年を下回り、過去最大の減少となった。少子高齢化で死亡数が出生数を上回った。
公正取引委員会のスーパーなど大規模小売業者と納入業者との取引に関する実態調査で、優越的地位の乱用につながる可能性のある行為や要請が未だ残る実態がわかった。10年11月に乱用防止ガイドラインを策定している。
政府は2013年度の経済成長率について実質で1.7%、名目で1.9%とする見通しを固めた。総合的な物価動向を示すデフレーターは16年ぶりに上昇に転じ、デフレ経済の象徴だった名目成長率が実質を下回る「名実逆転」の現象が解消する軌道を描いた。
経済産業省の新中間層獲得戦略研究会の報告書で、新興国の新たな需要を獲得するために①新興国のニーズの把握②新興国政府と消費者の理解獲得③日本人の人材育成など－が日本企業に求められると指摘した。
内閣府の｢国民生活に関する世論調査12年｣で、今後の生活で何に力を入れるかについて｢貯蓄や投資｣が2ポイント上昇、17年ぶりの高水準の33%となった。消費増税が実現する見通しによる影響がみられた。
特許庁は知的財産権の保護の面から中小企業の海外進出を支援するため、アジアでの訴訟や特許出願の方法をまとめた専用のデータベースを新設する。データベースはまず中国や台湾、韓国の知的財産関係の法律を日本語で検索したり、現地で特許を出願する際の注意事項を閲覧できるようにする。インドやブラジルなど新興国の事例も追加していく。
衣料品のサイズシステムと表示を話し合うISO/TC133に関する国際会議「衣料品のサイズシステムと表示技術委員会」が9月17日からソウルで開かれる。TC133は1970年に第1回委員会が開催されたが、1990年以降は休止状態だった。しかし中国の働き掛けで2010年6月に再開が決議され、中国が共同議長国となった。第7回委員会は2011年7月に南アで開催され、中国、韓国、フランス、南アのWG(ワーキンググループ)設置の提案があり、国際投票で一部が採用された。日本は国際標準化でも優位に立つための具体的な取り組みが求められている。
産業用資材用途として発展してきた超強力ポリエチレン繊維は熱伝導率と熱拡散率が極めて高い特長がある。この特性を利用した寝装用冷感パットは、現在主流のジェル封入タイプとは異なる機構で、優れた涼感をもたらすことを様々なテスト結果とともに解説した。
本稿では、衣料における快適性に関わる機能の観点からベンベルグの機能特性について述べるとともに、ベンベルグとポリエステルの複合繊維として開発した清涼素材、および大量の発汗時に肌をドライに保つために立体型吸水システムにした肌ドライ素材のスポーツ衣料を紹介する。
芯鞘型ポリエステル複合繊維の芯部に太陽光遮断セラミックを高濃度に練り込んだサラクールについて、紫外線遮蔽性能、熱遮蔽性能についてテスト結果とともに解説した。
11名の被験者に暑熱環境下で、粘弾性ポリウレタンマットレス、キャメル素材マットレスの両方の条件で睡眠実験を行い、マットレス素材の違いが睡眠に及ぼす影響を検討した。
超極細繊維と天然繊維を複合したファッション素材や、機能と風合いを両立させた質感の高い天然繊維100%素材、軽さや清涼感を備えた紙繊維使いの素材など、12素材メーカーのイチ押し商品を紹介している。
ユニチカは放射線を遮蔽する高強度防水シートを開発した。高い放射線遮蔽性、防水性、防炎性、高強度などの特徴があり、ロール状での運搬や様々な形状への加工も可能。要求される遮蔽性能に応じて1枚から複数枚積層して使用することで各用途に柔軟に対応できる。今回開発した放射線遮蔽シートは、基布に人体に対して安全性が高い無機材料を高濃度に練り込んだ繊維を使うとともに、放射線遮蔽性を有する無機材料を練り込んだ難燃性樹脂で加工している。
13～14年秋冬スポーツ素材は、発熱や蓄熱、起毛などの暖かい機能の追及に加え、〝汗冷え〟に着目した提案が目立つ。冬場は、運動後や休憩時に冷えを感じやすいことから、汗が肌に触れにくくしたり、保温効果のある素材で冷えを抑える。綿やウール調のカジュアルな風合いの素材も多い。軽さや乾きやすさといった合繊の利点はそのままに、見た目を変えることで採用の幅を広げる。ここでは、合繊各社の新素材を紹介している。
日本の合繊メーカーによる高機能素材の開発がさらに進化を遂げている。高機能素材はこれまでアスレチックを始めスポーツ分野にほぼ限られていたが、数年前から一般衣料の分野まで、その機能性を生かした用途開発が進んでいる。一般アパレルが高機能素材を取り入れる動きがある一方、スポーツアパレルがビジネスアイテムの提案を行うなど、業界内の垣根も取れてきている。東レでは「フィールドセンサー秒乾」、「フィールフィット」、「エアタスティック」、「ユニットスキンDH」、「ダーミザックNX」、「ムッシュオン」など、帝人ファイバーは「トリプルドライ カラット」、高バランス織編物「デルタ」、自己調整機能テキスタイル「ファイバライブ」などの多様な商品。
東洋紡は東日本大震災の復興支援を目的に結成した「東洋紡グループ震災復興対策チーム」で、放射性物質などの除染対応資材を開発した。現在28種類の除染対応資材･技術を、日本遮水工協会を通じて提案している。建設会社やコンサルタント、大学、官庁などと共同で実用性の評価を行い、復興現場での採用を目指して取り組む。開発した製品はセシウム吸着シート「ボランシール」、放射線遮蔽シート、セシウムを吸着する性質があるプルシアンブルー「PB－Z」、セシウム吸着機能防草シートなど。
帝人ファイバーからは、着用者の汗を感知して汗で編み目が開き通気性を高める自己調節機能素材を紹介する。東洋紡STCからは、衣服内温湿度を低下させるシャツを紹介する。ワコールからは、超長綿を用いた肌離れや通気性に優れたインナーを紹介する。
ユニチカは耐熱性ポリアミド樹脂「ゼコット」の中量生産を開始した。この樹脂は、熱可塑性耐熱ポリアミドの中において、耐熱性、結晶性、低吸水性、耐薬品性、耐摩耗性、電気特性、高品質など世界最高レベルの性能を持ち、各種電気･電子部品、自動車用部品、耐熱フィルム、耐熱繊維等への幅広い用途展開に期待。特に高耐熱で、低吸水であることや成形性の良さなどが大きな特徴である。また原料の約50%は、非可食で再生可能なバイオマス由来成分を用いており、環境に配慮した素材でもある。
京都金銀糸産地のラメ糸メーカーの泉工業はこのほど、熱セットすることで糸形状が湾曲する純銀蒸着ラメ糸「3Dジョーテックス」を開発した。刺繍やジャカードに使用することで立体的な柄表現が可能になる特殊ラメ糸だ。高収縮ポリエステルフィルムと低収縮ポリエステルフィルムをサイドバイサイドに配置することで熱セットすると収縮度の違いからラメフィルムが幅方向に湾曲し、立体的な構造になる仕組み。
デニム生地製造の篠原テキスタイル(広島県福山市)は特殊プリントにより、見る角度によって生地の表情が変わるデニム地「シャドーデニム」を開発した。同素材は経糸に「テンセル」、緯糸にポリトリメチレン･テレフタレート(PTT)/ポリエステル複合繊維「T-400」を使用。T-400部分だけにプリントすることで、通常のプリントとは違った表情を持つ生地に仕上がった。パンツ製品にした場合、プリント柄の陰影によって足を細く見せる効果も期待できるという。
岐阜県の繊維企業や研究機関が共同し、細番手の紙糸のほか、綿60単糸の34ゲージ編みなどを開発、製品化した。紙糸の開発は、岐阜県の特産品である美濃和紙の活用などで研究を続けてきた成果だ。これまでの紙糸は1.5ミリ幅が最も細く、これにポリエステルやナイロンなどをカバーリングしていたが、今回1ミリ幅の紙糸が出来た。紙糸を撚糸して特殊加工した後、編み立て生地を作り、製品にした。
レディスユニフォームの12～13年秋冬物は、節電需要を見込んだ企画が目立つ。温度調節機能の高い素材で作った商品を各社は企画する。例えば、中空糸を使うことで保温機能を発揮する商品、パラフィンワックスのカプセルを後加工し衣服内を常温に保つ商品、サーモコンディション加工による調温素材の商品を企画している。
ICAC(国際綿花諮問委員会)によると、遺伝子組み換えGM(バイオ)綿花の作付面積は全世界において、11～12年綿花年度で約66%を占め、GM綿が世界に広がっている。主に害虫抵抗性や除草剤耐性を持ち、価格は高いが、生産コストの低下をもたらす。
大阪･泉州タオル産地の染工場、ダイワタオル協同組合は、環境中の放射性セシウムが吸着されにくい加工「AIBleach(エイブリーチ)」を施したタオルの開発に成功したと発表した。通常のタオル地に銀ナノ粒子を用いた処理を行うことによって土壌中に含まれる放射性セシウムのタオルへの吸着を、未加工品に比べて約60%低減できた。放射性セシウムの測定に関しては、京都大学原子炉実験所の放射性安全管理工学研究室が協力した。
綿紡績･製織･染色加工一貫のKBツヅキは、遮蔽加工や防炎加工などの新素材を新たに打ち出した。テキスタイルと製品で販売し、それぞれ洗濯100回でも機能が持続する。「TZ遮蔽加工」は、導電性酸化亜鉛を繊維に付着し、紫外線や赤外線をカットする。遮熱効果も生まれ、未加工品に比べ5度の温度差が出てくる。「TZ防炎加工」は、ハロゲンフリーの難燃剤を使用し、薄地から厚地まで対応可能な防炎加工。アラミドなどとほぼ同等の高い難燃性を示し、加工後も綿の持つ吸湿性、肌触りは変わらない。
京都市産業技術研究所は長瀬産業と共同で、レーザーカラープリンターなどに使われる静電方式を応用した世界初のデジタル捺染システムを開発した。水を使わないため環境負荷を軽減できるほか、「従来比数十倍」の高速生産が可能。新システムは、専用の染料トナー(粉末状インキ)を新たに開発、オフィスのカラーコピー機などで使われる静電電子写真方式により、いったん転写紙に絵柄をプリントし、それをポリエステル素材に昇華転写する仕組みで、鮮明で高繊細な柄が得られる。
ジーンズの加工で環境保護を重視した加工技術を導入する企業が増えている。レーザーで生地の表面を削ってはき古した雰囲気を出したり、水の代わりにオゾンで洗い加工し、水や化学薬品の使用量を減らす。欧米のジーンズカジュアルブランドが昨年ごろから熱心に取り組み始めた。大手加工場の豊和によると「オゾン加工は徐々に広がっているが、日本のアパレルメーカーのエコロジーに対する意識がオゾン加工を積極的に採用しようとするところまで来ていない。一方で、レーザー加工は着実に増えている。」と話す。
マルヤテキスタイル(福井県坂井氏)が開発した「3Dデジタルジャガード加工」は、見る角度によって柄が変化したり、光によって見えたり見えなかったりと3D感覚を味わえるのが特徴だ。レーザー光で彫刻するシステムを採用。各種形状を彫刻したロールを加熱し、テキスタイルに立体的な模様を付ける点ではエンボス加工と共通するが、凹部分の深さが浅いため、加工面の裏側にはほとんど柄が付かないほか、深さがランダムで角度がそれぞれ異なることから、見る角度によって見え方が異なり、一種の3D効果が得られる。
和歌山県工業技術センターは、これまで研究を続けてきたカブトムシ由来の抗微生物ペプチドを繊維に固定化する新しい抗菌加工の実用化技術を開発した。農業生物資源研究所と東京農工大学系のバイオベンチャー企業のJITSUBOと共同研究したもの。和歌山県工業技術センターが開発した加工技術は、綿のセルロース分子にスペーサーと呼ばれる分子鎖を結合し、そこに抗微生物ペプチドを結合させることで綿繊維へ固定化させるもの。衣料用途だけでなくメディカル用途などにも、その可能性は広がる。
皮革製品や素材を企画･製造するオンリーワン(神戸市)は、プリーツ加工を施した革素材「ノブコ3Dプリーツ」を開発した。「折り紙のような発想」で革を型に入れ、熱などをかけてセット。裏地に接着芯を付けて型崩れを防止する。一般的なサイドプリーツのほか、ヘリンボン状、格子状といったプリーツの種類も用意した。水にぬれても品質変化が少ない点も特徴。レインコートや靴、かばんなどへの使用を見込むほか、スカートにもそのまま使用でき、立体的な造形と革特有の素材感を表現できる。
京セラは、デジタル捺染機分野でも数多く採用されているインクジェットプリントヘッド事業で、1本のヘッドで2色同時に印刷が可能で、世界最速を実現した、解像度300dpiのヘッド「KJ403T」を開発した。通常、一つのヘッドで1色に対応するが、新型ヘッドは2本のノズルを備え、1ヘッドで2色同時印刷を可能にした。これにより、プリンターに搭載されるヘッドの数を半分に抑えられ、機器の小型化などに貢献できる。
「日本発」で世界を目指す、という欄のカイハラ会長の貝原良治氏の取材記事。日本の繊維･ファッション製造業は厳しい状況に置かれているが、優れた技術力、商品開発力などは、世界で高い評価を得ている。デニム販売では、量や価格を追求しても厳しい。新しい商品を常に作り、量、価格では競争しないような形でやってきたが、定番でもグレードアップし、またモディファイしていくことが大切である。それと日本のモノ作りというのは、品質の安定、再現性がある。輸出は短期的に見たらダメで、円高で採算が合わないから止めるというのでは、円安になって再開しようとしても、お客さんから信用されない。
以前に比べて勢いが衰えたかに見える商社のブランドビジネスだが、新たなビジネスモデルを確立しようという流れも生まれている。日本市場だけでなくアジア市場をうかがう、あるいは物作りまで踏み込んで利益の極大化を目指そうという動きだ。インポート、ライセンス、海外展開などを総合的に行う伊藤忠商事、ブランド育成に長けた八木通商の両社は「ビジネスモデルを進化させれば、ブランドビジネスには可能性がある」と口を揃える。
ジーンズの復活が予想される中、回復の起爆剤となることを期待してジーンズメーカーが新コンセプトの商品を12～13年秋冬に打ち出す。いずれも装飾をできるだけなくし、シンプルでありながらモダンな雰囲気を持たせた。従来のビンテージジーンズのようにはき込んだときのあたり感などを重視せず、ジーンズの新しい見え方を追求した。新生地で表現したり、縫製にひと工夫を施している。
チャイナプラスワンとしてクローズアップされているASEAN(東南アジア諸国連合)。なかでもインドネシア、タイ、ベトナムは、一定の素材供給能力も備えているため、注目度が高く、日本向けの繊維輸出が大幅に拡大している。3か国で最も輸出額が大きいベトナムは、11年の繊維品輸出額が前年比25.3%増の140億4300万ドル。前年の23.7%に続き20%以上の伸び率を確保した。
福島県の織物、縫製、ニットの製造業者6社がこのほど、福島県ファッション協同組合を結成し、県内産シルクを使い、県内で生産したブランド「フクシマ･プライド･オブ･シルク」を立ち上げた。福島県は東日本大震災と東京電力福島原発の事故で大きな被害を受けた。「県の産業である、ニット、織物、縫製の職人が集まり、誇りを持って物づくりを進めたい。」(永山理事長)
フレックスジャパンと東レは、J－スペースの協力のもと、宇宙船内服の技術を活用したポリエステル100%の高機能ビジネスシャツを13春夏物から販売する。東レ「ムッシュオン」を使用し、吸汗速乾性に優れ、制菌とアンモニア消臭機能があり、家庭洗濯50回でも消臭機能を維持する。形態安定、吸水速乾、ストレッチ、制菌、汗臭消臭、汗ジミ軽減効果のあるドレスシャツ、ニットシャツとして展開する。
インドが官民一体となって、日本に向けた繊維、アパレル輸出を強化している。18日に開幕したJFWインターナショナル･ファッション･フェア(JFW-IFF)には、インド衣料品輸出促進協議会(AEPC)を中心に3団体から109社が出展。インドのテキスタイル、衣料品、雑貨を日本市場にアピールしている。インド繊維省のキラン･ディングラ次官も来日し、「両国の繊維、アパレルビジネスの拡大をめざす」と、意気込みを語った。
バングラデシュへの日本の軽工業の進出･投資を促進するため、バングラデシュ輸出加工庁(BEPZA)のシャルデゥル･イスラム長官が来日し、輸出加工区(EPZ)のメリットをアピールした。「8つのEPZのうち、3つはまだ余裕がある。既に満杯のEPZでもバングラデシュ企業との合弁などで進出のチャンスがある」(シャルデゥル･イスラム長官)と積極的な誘致を進める。EPZはチッタゴン、ダッカ、アダムジー、コミラ、イシュワルディー、モングラ、ウットラ、の8か所。
欧州の高級ブランドが債務危機の逆風下でも、堅調な業績を維持している。中国や中南米、ロシアなど新興国での販売が軒並み年率2ケタの伸びを示すほか、危機の震源地の欧州市場でも売り上げを伸ばしている。
日本アパレル･ファッション産業協会は、「取扱い絵表示」のISO(国際標準化機構)表記への移行に向けた検討が進んでいることを受け、「取扱い絵表示のISO移行に関するガイドライン作成協議会」を発足させた。今後は、取扱い絵表示に関する「教科書(ガイドライン)」、アイテム･組成に合わせた「基本的な取扱い絵表示」、「組み合わせ絵表示共通付番一覧表」などを作成する。
明るく華やかに、イレギュラーサイズウエアの潜在需要を掘り起こす。レディスのイレギュラー市場が大きく変化しつつある。これまで膨張色として避けられていた、ピンクやオレンジなどの鮮やかな色彩を大胆に取り入れたり、ハンドクラフト的な可愛いデザインの商品企画を打ち出す。"ぽっちゃりカワイイ"ブランドが市場を開拓している。おしゃれはスリムな人だけのものではない。コンプレックスを武器に変える、新しい市場の芽がある。
BMDシステムは50代女性にフィットする体系別婦人パンツを開発した。大人の女性のボトム体系は多様だが、「現状の設定したマスターサイズの一体形でサイズ展開する方法では、大人の女性のサイズ満足度を高めることはできない」というのが開発の背景である。このため三次元人体形状データを活用してボトム体形をとらえ、体形分類の結果から体形を設定。グッドフィットシミュレーションによりマスターパターンを開発した。同社では、今回の体形別サイズ規格により「顧客のサイズ満足度が数段向上する」としている。
日本で販売されて50年になる「半世紀ブランド」がメンズ市場で健闘している。メンズの場合、欧米には100年を超えるトラッドブランドもあり、長い歴史や伝統、物作りの背景などが購買動機として作用している。ただし、歴史のあるブランドであっても、昔のままでは通用しない。半世紀ブランドの「クロコダイル」「マックレガー」「ニューヨーカー」は、50年を機に新ラインの開発や旗艦店の開設など、新規顧客に向け、次代の成長戦略に乗り出している。
日本ボディファッション協会、日本靴ハンドバッグ協会などアパレル関連の業界団体が、生産の海外移転が進むなか、技能力の継承と底上げを狙い、技能検定を拡充する。数年後には海外研修生にもつながる考え。
矢野経済研究所調査による11年国内カジュアル衣料市場は、3年ぶり増、前年比3%増の約6兆円と発表した。震災の直後は買い控えなども見られたが、節電に伴うクールビズによりシャツなどが好調だった。
CCI国際綿花協議会の2年ごとに世界10カ国で実施している消費者調査｢グローバル･ライフスタイル･モニター｣12年度日本版によると、衣料購入先として｢ロープライス店｣｢インターネット｣が大幅増加など購買動向に変化がみられる。
文化学園大学李恩禎衣服環境博士による｢衣料品の色印象に及ぼす照明の影響に関する研究｣で、商品イメージは商品の形、色、素材などの属性によって決まる。特に色は商品のイメージ形成に重要であるとしている。
日本万引防止システム協会は、小売店の店頭に設置する万引き防止ゲートの設置基準を策定。天井や床といった設置場所ごとに最適な配置基準や固定方式を明示、事故を未然に防ぐシステム普及を図る。
全米小売業協会(NRF)の月刊誌「ストアーズ」は2011年度の全米小売業ランキングをまとめた。米国内での売上高を基に上位100社を集計した。断トツの首位だったのは引き続きウォルマート･ストアーズ。上位の顔ぶれが大きく変わらないなか、アマゾン･ドット･コムが売上高を大きく伸ばして着実に順位を上げ、存在感を増している。1位･ウォルマート、2位･クローガー、3位･ターゲット、4位･ウォルグリーン、5位･コストコ。
テレビ通販主要9社11年度売上高合計は前年度比0.7%増と、成長率が過去最低になり、市場が曲がり角に差し掛かったもよう。インターネット通販への顧客流出や価格競争の激化が要因となっている。
アウトレット施設で、三井不動産とチェルシージャパン社による寡占が進んでいる。両社の売上高は12年度に5千億円に達し、シェアは初めて8割を超える見通し。テナントによる出店先の選別が要因になっている。
公共交通拠点の中で今、注目されているのが、「駅ナカ」施設だ。駅ナカは駅ビルとは違い、圧倒的な通行量と多様な客層を有し、新たな需要を掘り起こせる場として期待を集めている。時間をかけずに必要なものだけを消費する場から、ちょっとした日常的なライフスタイルを彩る消費の場へと進化し、この1,2年でファッション関連店舗を導入する動きが目立ち始めた。
日本小売業協会の理事会の講演｢米国流通業の潮流｣で、米国ではネット販売の成長で、SCや衣料品店に行く回数が減っている現状があるとしている。サービス業の上位10社のうち7社がネット企業に。
昨年よりも遅らせた百貨店、商業施設も相次いでセールに突入し、海の日を含めた3連休は首都圏で今夏商戦最大のヤマ場となった。セールのスタート時期は6月下旬からと、7月中旬からに分散したため、集客力の低下が懸念されたが、この3連休の盛り上がりで、店や施設によっては前半の低迷を取り戻し、7月累計で前年実績に届く勢いだ。集客力のある店はセールでも強さを発揮した。セール中でも正価販売の適品の動きがよく、鮮度があって、消費者が今求めている商品をいかに供給できるかが今後のカギを握っている。
全国百貨店を対象とし、51社から回答を得たアンケート調査によると、百貨店衣料品部門の「購買動向」推移について、衣料品の客単価が上昇傾向にあることがわかった。今秋冬見通しも「増える」と「変わらない」がほとんどで、リーマンショック以降続いていた客単価下落基調から脱却しつつある。
繊研新聞社がまとめた百貨店店舗別売上高調査によると、11年度の上位100店の総売上高は、前年度比1･5%増の5兆62億円となった。増収になるのは05年度以来6期ぶり。一方、上位20店の総売上高は1･6%減の2兆2589憶円。震災後、年内いっぱいまで続いた「地元消費」を色濃く反映し、都心店が多い上位20店が苦戦する結果となった。
繊研新聞社が実施した11年度小売業衣料品売上高調査は、前年との比較可能な96社の売上高合計が前期比2･9%増の6兆5132憶円となった。上位100社の単純合計は6兆8647億円で、経営統合などにより前期比がでない2社を除く98社中、増収は54社と過半を超え、減収は44社となった。業種別に見ると、百貨店は減収で、その他の販路はいずれも増収となった。
インターネット通販市場で、顧客を囲い込むためのサービス競争が激しくなっている。配達時間の短縮やデータに基づく販売促進、SNS(交流サイト)の活用など、勝ち残りのカギを握る、競争の最前線を追っている。
日経MJによる第41回日本の卸売業調査で、11年度の売上高は前年度比3%増、営業利益も18%伸びと、2年連続の増収増益となった。繊維は売上高2%増、営業利益34%増、在庫管理の徹底と冬物の好調による。
繊研新聞社が全国の衣料品専門店を対象に実施した11年度専門店ランキング調査がまとまった。震災の影響で、昨年春先の売れ行きは落ち込んだところが多かったが、その後ファッション消費はむしろ好調に推移し、増収企業が増えた。メンズ、レディスそれぞれでみても売上高を伸ばした企業が多い。最大手のユニクロが減収となったことで、売上高上位企業による寡占化の傾向には歯止めがかかり、ヤングレディスを中心に伸び盛りの中堅企業の成長が目立ったのも特徴だ。
繊研新聞社が実施した全国主要SCの11年度売上高調査によると、各店舗を含む全館売り上げは高島屋を抱える相鉄ジョイナスが昨年に続き1位となった。上位30施設のうち前年度と比較可能な上位27社の合計売上高は１兆3096億円と前年度比1.8%増となった。前年度に18ヶ所あった減収施設も5ヶ所に減り、市況の回復基調が鮮明になっている。
百貨店が、外商部門を再強化している。これまで収益性が低い部門と事業規模を縮小されてきたが、相次ぐ店舗閉鎖で外商対応空白地域が生まれたのと、高額品の回復基調がみられ、外商部門の再強化を後押ししている。
商品を携え消費者のもとに赴く移動販売に売り逃がし･買いそびれを防ぐためのIT活用が本格化、新たな波が起きている。生活必需品以外を扱う業者が増える一方、大手コンビニエンスストアも本腰を入れ始めた。
日経MJが実施した2011年度の百貨店調査で、改装投資に「選択と集中」が一段と進んでいることが分かった。主力店に絞って物販部門の魅力を高めるほか、情報発信スペースなど「売らない売場」を充実する。6年連続減収という現実を踏まえ、シニアや家族客を呼び込む「ゆとり改装」で来店客１人当たりの購入額を伸ばす。一方、地方を中心とした不採算店では閉店を含む厳しい判断を迫られている。
日本NCRはICタグとスマートフォンを連動させた販売促進システムを開発した。衣料品チェーンに9月から売り込むが、試着室に持ち込まれた衣料品の情報をスマホに配信、店員は即座にコーディネート提案ができる。
専門店の従業員採用意欲はかつてなく高まっているが、応募は増える傾向にはなく、特にアルバイト･パートの採用は厳しくなっている。半数近くの専門店が採用を増やしているが、一方で応募数が減少している専門店が前回調査の2倍になった。専門店の採用事情は、09年から続いた買い手市場から、12年は売り手市場に移行しつつある。
日本通信販売協会の11年度通販販売額は前年度比9%増の5兆9百億円と、調査以来初めて5兆円を超えた。高利便性のインターネット通販がけん引し、価格･サービス競争が厳しさを増しそう。
中国テレビショッピングは12年には1.1兆円、20年には6兆円市場に達するといわれている(CNIC、各種発表資料)。中国でテレビショッピングといえば、一昔前まではいかがわしい商品や模造品なども多かったが、現在ではもっとも厳しい認可管理がなされている。たとえば公的な品質検査機関の証明書が必ず求められ、さらに継続的な販売条件や偽物防止対策も不可欠となって、正当な取引条件が整備されている。
安価な輸入品におされ、一時存亡の機に立った「今治タオル」が復活の足取りを速めている。東京都心や地元の専門店は連日盛況。セシールやセブン－イレブン･ジャパンなど大手流通業も今年取り扱いを拡大し始めた。国内最大の産地が腹をくくり、あえて製品のアピールポイントを絞り込んだ「一点突破」のブランディングが実を結んだ。
首都圏の電鉄系百貨店各社が、シニア層を主な対象に、メーカーとの共同開発品や別注品、先行販売品など、独自商品の品ぞろえを増強する。体型に配慮しサイズの選択肢を増やしたり、既存商品にない色柄をそろえたりする。規模を生かしプライベートブランド(PB＝自主企画)商品を拡充する大手に対抗。リスクを抑えて特色を出し、集客力を高める。
百貨店や商業ビル大手が｢日本製｣の衣料品販売に力を入れる。美術･宝飾品など高額品の販売が堅調で、日本製の衣料品は通常の売れ筋よりも価格が高めで、その勢いを苦戦が続く衣料品に取り込む考え。
全ク連が扱った鑑定品につき､ウエットクリーニングの実態を調査した｡調査項目の回答のうち､多数を占めた回答を紹介する｡使用機器はランドリー用ワッシャが多い｡洗剤は中性が圧倒的｡処理条件は20～40℃で3～5分が半数｡乾燥は自然乾燥が多い｡被洗物のJIS表示は､手洗いが半数､水洗い不可も30%含まれた｡ダメージを抑えた洗い方とまとめられる。
ISOが今年4月、日本側の提案(自然乾燥記号の追加、パルセーター型洗濯機による試験方法の追加等)を反映した2011年版を発行したことで、ISO･JIS整合化が動き出した。日本では繊維評価技術協議会を事務局として、JIS原案作成委員会(角田光雄委員長)を設置し、JIS改正作業を進めている。24年度に素案作成、25年度に原案作成、26年度には日本工業標準調査会において審議、議決を経て改正規格を公示。改正後に家庭用品品質表示法に適用し、表示が義務付けられる。
厚生労働省が2年毎に行っている「コインオペレーションクリーニング営業施設の衛生実態に関する調査」の結果が発表された。2011年度のコインランドリー施設数は15985施設で、前回調査から559施設増加。調査が始まった1995年から毎回増加。営業者の業種ではクリーニング営業者が2割近くアップ。
日本機械工業㈱はクリーニング業界向けに初のLED照明レンタル事業をスタートさせた。約45%の電気料金を削減できる。導入例としては40W蛍光灯200本をLED蛍光灯に入れ替えたところ年間82万円(電気料金＋蛍光灯交換費)を62万円(リース料金＋電気料金)にコストダウン。同社が販売する看板･スクリーン･ネオンサインなどのLED照明は既に鉄道会社やスーパーマーケットへの豊富な導入実績がある。
共栄社化学㈱は抗菌･消臭ワンショット洗剤「ウィルグリーン」を発売。過酢酸等の有機過酸化物から発生する活性酸素の効果により抗菌効果を発揮。通常の工程で衛生的な洗浄を行うことができ、水リサイクルシステムにも対応できる。
ウール(W)糸、ウール糸にポリエステルをカバーリングした(W/P)糸、ポリエステル(P)糸の3種類の糸を使用した編地肌着について、繰り返し洗濯による形態変化の検討を行った報文である。寸法変化率、密度、顕微鏡による外観観察の結果から、W肌着はウエール方向に収縮、コース方向に伸長する型くずれが生じる。W/P肌着とP肌着は洗濯による変化はほとんど見られず、ウール糸にポリエステルをカバーした糸は、肌着の形態安定性に効果が高いことが明らかになった。
前号の調査に用いられたウエットクリーニング鑑定品の問題点を調べた｡ウエットクリーニングの事故が多いケースを紹介する｡繊維の種類では､毛のフェルト化､絹の白化に要注意｡アイテム別では､コートの移染･色泣き、ズボンの白化､ダウンジャケットの損傷など。事故品を通して､特に注意が必要と感じられたのは、染色堅ろう度と摩擦による損傷であった。
FQM(ファッション･クオリティ･メンテナンス)をテーマにセミナーを開催。FQMとは30年前コンサルタントの濤川進氏が提唱した洗濯業(衛生業)からメンテナンス業(保全業)への転換を提案する理論。低料金化や大手寡占が進む中、FQM的視点は中小クリーニング業が生き残るために必要な要素といえる。
ハイスピードイーグル･小林智和代表がドライクリーニングをやめ、ニンジャウエット対応の洗濯乾燥機に替えて1か月半経過したが、今のところニンジャで100%洗ってトラブル0である。全品水洗いする最新技術「プレミアムウオッシュ」とネーミングし、多くの方に体験してもらえるようPR方法を考えていきたいとしている。
若者の浴衣クリーニングの需要を引き出す狙いで､(株)キューセン(北九州市)はハンガーに掛けられる包装を提案した｡若者は和ダンスを持たず､クローゼットに収納する｡そこで通気性の優れた不織布カバーで、ハンガーに掛けられるたたみ方をして、これを立体包装と称した｡不織布は文庫紙のほぼ半額であり､扱いも手軽で、コスト的なメリットもある。
㈱匠システムでは溶剤浄化機「Xクリーン」の導入を提案している。同機はフィルター交換時までゾールに着色がなく最後まで透明で酸化値は常に0.2程度で推移する。同機を使用することで溶剤管理の簡素化、ランニングコストの大幅削減が図れるという。また、「設置スペースがない」との声に応えて、「Xクリーンスリム」も開発。
粉末よりも溶け残りの心配がない衣料用の液体洗剤。従来は液を薄めていたため大きなタイプが主流だったが、技術改良で容量が半分でも洗濯物が洗えるコンパクトタイプが普及しつつある。そんな中、ランキング1位に立ったのはライオンの新商品「トップ ハイジア」(7月発売)だ。独自の「プラズマイオン抗菌成分」が衣類に付着し、菌から衣類を守るという新発想が支持を集めた。日経POS(販売時点情報管理)データで、7月2日から29日までの販売金額を集計。
横浜市のAlex(アレックス)ランドリーは行政の道路拡幅計画に伴い、店舗兼工場を準住居地域に移転した。ドイツ･イージークリーン社の「EC-115」を選定し、昨年9月に横浜市の建築審査会に48条但し書き許可を申請し、許可第一号となった。見せる店舗作りによって、ドライ品の洗い、仕上げ機の他、しみ抜き、水洗い機、ワイシャツセットも完備している。
パーク汚染地は売却が困難である｡それを買い取り､浄化して売却する事業を､(株)エンバイオ･ホールディングスが手がけ､すでに270件を完了した｡半数はガソリンスタンド跡地で、ドライは3件である。地質と水質の調査の後､過硫酸ソーダほかの薬剤で土壌を中和した後､微生物促進剤を注入する｡その効果を確認するため、第三者による分析が義務づけられる。
7月30日から3日間､全ク連は､都内8大学の学生16名の実習を受け入れた｡テーマは、受付と返却時の確認の重要性である。実習内容は､クリーニングの基礎知識､事故衣料品の鑑定実習､クリーニング店と工場の見学､アイロン実習､主婦連合会の訪問であった。これらを踏まえ､最終日には､クリーニング店の接客のロールプレイングと実習の成果発表を行った。
豪州の消費者団体「チョイス」は6月19日、同国の化学物質規制の遅れにより、消費者は衣類や靴、家具でのアレルギーリスクにさらされていると警告した。例えば防かび剤として使われるフマル酸ジメチル(DMF)はアトピー性皮膚炎との関連性が懸念され、EUでは禁止されているが、豪州ではジャケットや家具などに広く使われているという。規制に抜け穴が多く、化学物質自体の輸入は禁止されているが、その物質を使ったTシャツの輸入に規制がないケースも。チョイスの広報担当は、購入した衣類は洗濯してから着用し、子供には綿や麻など天然繊維の衣類を選ぶよう呼びかけている。
経済産業省は2014年にもJISを改正し、早ければ16年から国際標準化機構(ISO)が定める規格に全面刷新する準備を進めている。月2回以上洗濯する人に洗濯表示を見るかどうかを聞いたところ最も多かったのが「時々見る」(43%)、「まれに見る」(35%)、「毎回見る」(7%)を合わせると85%が何らかの形で参考にしているのが分かった。一方、全体の15%が洗濯表示を見ない無関心層だという実態も浮かび上がった。
猛暑の夏、節電意識が高まる中で「ひんやりグッズ」に人気が集まっている。水を吸わせて首や頭に巻く冷却タオル、冷却スプレー、高機能素材を使ったタオルやスカーフなど新しい素材やデザインが登場し、タイプもさまざま。ただし、使い方に注意が必要な場合もあるようだ。例えば、湿らせて首に巻く冷感ベルトの子供用製品は、内部の芯の締め付けがきつく、痛みを感じることがあるという。また、水にぬらす冷感タオルの苦情で、一部の商品からアレルギー性の接触皮膚炎を起こすおそれのある防腐剤が検出されたとのこと。国民生活センターは使う前にぬるま湯でよく洗うよう勧めている。
ドイツや香港でスーツケース(トローリーケース、別名キャリーケース)が問題になっている。伸縮する取っ手部分のプラスチックに規制値を1800倍も超える有害物質(多環芳香族炭水化物＝PAHs)が含まれていることが調査で明らかになった。有害物質の検出が明らかにされたスーツケースは、世界的な有名かばんブランドであることから波紋が広がっている。日本では｢有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律｣があり、今回のケースは直接的に法令違反にはならないようだが、厚生労働省は事実関係の確認を進めている。
北海道立消費生活センターでは、家庭で洗えるとうたわれている毛製品が多い紳士スーツについて、家庭用洗濯機を用いて洗濯後の型崩れなどの調査をした。洗濯10回後も比較的すぐれたものだった。表示の記載がメーカーにより異なり、消費者の混乱のおそれがあり、統一表示が望まれる。消費者へのアドバイスは、北海道立消費生活センター発行の「北のくらし きらめっく№84」参照。
p636～642 快適な衣服素材の定量的評価のための基礎的データとして、暑熱環境下における局所8部位の蒸散量分布および蒸散量を求めた。体幹部で汗の残留･流失が生じやすいことが分かった。故に、衣服設計においては、こうした残留汗量への対処が重要である。
p629～635 おしゃれを楽しむと、心がうきうきし、ストレスホルモンの分泌量が減少し、健康維持につながるか否かを検討した。化粧して気に入った服を着用した群は対照に比較して唾液中コルチゾールの分泌量が有意に低下した。また、ネイルケア後の唾液中コルチゾール分泌量は、ネイルケア前に比較して有意にコルチゾール分泌量が低値であった。
消費生活相談員の｢新たな資格を創設し、法律で位置付けるべき｣－。消費者庁の検討会は、8月2日、新資格を明記した中間報告をまとめた。国家資格として、内容や水準の確保に国が責任を持つが、試験は民間団体が実施することを盛り込んだ。民間団体の要件に消費者問題への知見を求めた。更新制度を導入するのは明確だが試験合格後の資格付与用件に何を求めるのか、移行措置で有資格、無資格の相談員がそれぞれどのような試験を一部免除されるのかは、あいまいなままだ。
東京都豊島区消費生活センターが昨年度の商品テスト結果を公表した。昨年5月と9月、区内の100円ショップなどで、電子レンジ用蒸し器やオーブン用ケーキ型、乳児用おしゃぶりなどシリコーンゴム製品24点を購入して調べたところ、調理用品20点と乳児用おしゃぶり2点の計22点で、ホルムアルデヒドの溶出を示す試薬の反応があったという。シリコーンゴム製品は加工の際、弾力や強度を高めるため添加剤を加えているが、加工の際の熱でホルムアルデヒドに変化したとみられる。慶応大学の田中茂教授は「簡単なテストだが、調査方法は適切。専門機関が濃度などを詳しく調べるべきだ」と話す。
海などに誤って転落した際に瞬時に膨らむ「膨張式救命胴衣」で整備不良による不具合が相次いで見つかっている。検査団体の調査では、4割に部品の劣化などの問題があり緊急時に作動しない恐れがあった。検査団体や海上保安庁は「装着前の点検を徹底して」と呼びかけている。NPO法人水産業･漁業活性化推進機構は、昨年度から普及が進む膨張式救命胴衣の使い方や部品交換の体験講習を始めた。同機構の担当者は、「湿気や塩分を含む海上は部品の劣化が早い。点検の重要性が認識されていない」と懸念している。
フェイクファーのような外観の生地において、地糸切れが発生した。生地を確認したら、たて･よこに伸縮性があり、フェザーヤーンを使って非常にゆるく編まれていた。生地は伸縮性があることと、編み方がゆるいことから、地糸切れの発生原因はミシン針の太さではないことが推察できた。編み糸を観察すると、この糸は中心にある太い糸とフェザーの様に起毛した部分とで構成されていることがわかった。この太い糸を切断することによって地糸切れが発生したと考えた。対策としては、ミシン針先端の形状によって地糸切れが発生しないように、適切な先端ポイントを選択する必要がある。ゆるく編まれた素材なので、針が太くてもUボールポイント(DB×1＃14U)を選択して、地糸切れを防ぐことができた。
帝人ファイバーが展開しているポリエステル製品の循環型リサイクルシステム「エコサークル」が、10周年を迎えた。「エコサークル」は、同社が初めて開発したポリエステルのケミカルリサイクルシステムである。「エコサークル」に賛同し、製品の開発･販売･回収･リサイクルを共同で進めているメンバー企業は、すでに150社以上に達する。国内だけでなく、米国のパタゴニア社、中国の李寧など、海外企業との取り組みも広がっており、グローバル展開が進んでいる。
東レは、「日米イノベーション賞」において「ワールド･チェンジャー賞」を受賞し、6月29日に米･カリフォルニアのスタンフォード大学で行われた授賞式で表彰を受けた。東レが世界に先駆けて炭素繊維の事業化に成功し、長年にわたる研究開発と用途開拓を進めてきた結果、スポーツ用品からボーイング787に代表される輸送機器までの幅広い産業に革新をもたらしたことが評価された。
帝人ファイバーと旭化成せんいは7月10日、京都市立御所南小学校で、同市との学校体操服リサイクルの取り組みとしては初となる使用済み体操服の回収セレモニーを開いた。導入の先駆けとなった同小学校は、10年度以降入学の児童に対象製品のポリエステル80%混のシャツ、95%混の短パンを採用し、現在3年生以下が着用する。各自任意のタイミングで回収箱に提供するが、今回、初回収に際してセレモニーを行った。
スズキのインド子会社の暴動が、日本企業が進出を急ぐ新興国での労務リスクを改めて浮き彫りにした。急速な経済成長を遂げる諸国で貧富の格差が広がり、賃上げを求める争議が多発しており、新たな対応が必要だ。
日経新聞社の主要30社の今年3月末時点の生産設備の内外比率の調査で、海外が国内を上回っているほか、海外比率を大きく伸ばしている。販売の海外シフトも鮮明、海外に収入源を求める動きが強まれば、産業や雇用の空洞化が進む恐れもある。
大阪アメリカ村にオープンしたデンマークの均一雑貨店「タイガー」日本1号店が売れている。7月21日の開店後、2日間で品薄になったため24，25日は臨時休業して商品補充したが、その後も供給が追いつかない状況だ。2層のうち1階だけでの営業、整理券を配っての入場制限が続いている。デザイン性、カラーバリエーション、低価格を特徴とする同店は、開店初日に400人が並んだ。初日の来店は1000人を超え、想定の倍以上となり、品切れする商品が相次いだ。客単価も500～600円と見ていたが、3000円近くとなっている。
①11月8、29日②ドーンセンター、日本女子大学③家庭用品に含まれる化学物質と安全性評価、繊維製品の皮膚貼付試験、他④日本繊維製品消費科学会 TEL:06-6358-1441
①11月10、11日②日本女子大学③グローバル化するファッションビジネスの向かうべき方向、美しく着心地の良い服をつくるためのテクニック、他④日本繊維製品消費科学会 TEL:06-6358-1441
発行：一般社団法人日本衣料管理協会 会長：中島利誠／発行人：大谷芳男