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行 政 ★デジタルプラットフォーマー取引透明化法施行
素 材 ★EC混リサイクルを実現
加 工 ★"可食素材で黄変防止剤
アパレル ★21年繊維･ファッションビジネスが取り組むべき課題
流 通 ★全国百貨店20年売上高25.7％減、新型コロナ響く
クリーニング ★ドライクリーニング溶剤の使用管理状況等調査
消 費 ★ネットで買った中古品 実はリコール製品
健康・快適性 ★新型コロナウイルスに対するマスクシミュレーション
品質管理 ★繊維の新鑑別法で特許
その他 ★21年春新卒採用、一変、買い手市場
日本政府観光局によると、20年の訪日外国人客数(推計値)は前年比87.1％減の411万5900人と激減した。1月下旬からの新型コロナウイルス感染拡大により、順次水際対策が強化されたため。7月以降、国際的な人の往来再開に向けた措置が段階的に進められ、ビジネスや留学目的の入国が限定的に認められたが、観光目的での入国は年が明けた現在も認められていない。
政府は21年度、博士課程に進学する学生の生活費を支援する新たな制度を設ける。大学を通じて1人当たり年240万円を支給する。7800人が対象になる。生活面から博士課程への進学を後押しし、日本の国際的な競争力の維持に欠かせない専門人材の育成につなげる。
巨大IT企業を規制する「特定デジタルプラットフォーム の透明性及び公正性の向上に関する法律」(デジタルプラットフォーマー取引透明化法)が2月1日施行された。大手ECモールを運営する各社は対策を講じている。同法は「デジタルプラットフォーマー」と呼ばれる巨大IT企業が市場における影響力を高め、中小･小規模事業者を中心に、一部企業で出店者との「不公正」とされる取引が問題となったことなどを受け、20年5月に成立した。ファッションなど単一カテゴリーを扱う垂直型サイトは、現時点では対象に含まれないとみられる。
厚生労働省の統計調査20年で、20年の1人あたりの現金給与総額は前年比1.2％減り、リーマン危機の影響があった09年(3.8％減)以来の下げ幅になった。残業代などの所定外給与が12.1％減った影響が大きい。正社員に比べ、パートタイム労働者の方がコロナ禍で厳しい雇用環境が続いている。
経済産業省は1月に発令された緊急事態宣言に伴い、展示会や音楽イベントなどを延期･中止した事業者のキャンセル費用などを負担する補助金「J-LODlive」(ジェイロッドライブ)の申請受け付けを2月22日に開始。緊急事態宣言対象地域で措置期間中に事業を延期･中止した事業者に1件当たり最大2500万円を補助する。既に宣言が解除された栃木県も宣言期間中の事業であれば対象とする。
経済産業省は繊維産業のサステイナビリティ(持続可能性)の取り組みを促進するため、有識者会議「繊維産業のサステイナビリティに関する検討会」を新設、2月25日に第1回会議を開催。産業界全体でサステイナビリティへの取り組みが重点課題となるなか、「供給構造」「環境配慮」「責任あるサプライチェーン管理」などをテーマに、繊維産業が果たすべき役割などを討議する。月1回前後開催し、夏をめどに報告書をまとめる予定。
経済産業省は百貨店に関して議論する「百貨店研究会」を発足、3月に第1回会議を開催。百貨店に特化した検討会を設けるのは初めて。コロナ下で百貨店の事業環境の変化が加速し、働き方改革やロス抑制なども求められる中、社会的要請に応えつつ、事業を発展させるために必要な課題を洗い出す。
日本繊維輸入組合が財務省貿易統計を基にまとめた衣類輸入状況20年は、コロナ禍の影響が大きく、重量ベースで前年比11.8％減となった。100万トンを割り、過去16年の間では最低水準となる。中国12.3％減、ASEAN12.32％減、EU19.2％減と日本向けの主要な衣類生産国･地域からの輸入が軒並み大幅に減少となった。円ベースでは16.1％減だった。
亜麻繊維を一方向に配列したUD(Unidirectional)繊維束に、ニードルパンチ(NP)処理を施した後にエポキシ樹脂を含浸した複合材料を作製し、NP処理の有無による構造と物性の変化を調べた。NP処理により、UD束の長軸方向の引張強度･弾性率は低下するが、その90°方向にはいずれも増加した。NP処理によりUD束から引き出されランダム配向化した繊維の影響をモデル計算により考察している。
東レは、ユニクロと取り組んでいるダウンリサイクルを深化する。店頭で回収されたウルトラライトダウンなどからダウンを取り出して製品に再利用するプロジェクトで、ロス率の改善といった施策を進めて効率性を高める。ダウンを自動で分離･回収する機械は、東レグループで使用する設備の開発を担っているエンジニアリング開発センターで製造した。ダウンロス率についても当初目標の20％を達成している。
大津毛織(大阪府泉大津市)のテキスタイル部は、洗濯機による家庭洗濯が可能なウォッシャブル紡毛織物を開発した。21年秋冬向けから本格的に提案を開始する。今回開発したウォッシャブル紡毛織物は、特殊な加工によって実現したもの。梳毛織物では防縮加工によるウォッシャブル生地は広く普及しているが、紡毛織物では珍しい。家庭洗濯が可能なことを生かし、21年秋冬からアウターシャツやワンピースなどの用途に向けて提案を進める。
繊維貿易商社の長尾商事(名古屋市)はウールを使用した肥料の事業をスタートした。ウールはアミノ酸で構成されるため微生物で完全に分解できる生分解性繊維であり、リン酸･カリウムなど植物に必要な養分を含んでいる。紡績や寝具用加工の工程で出る無染色の繊維くずを回収し、提携する肥料会社の既存肥料商品に組み合わせた「ウール混肥料」として販売するプロジェクトである。
東レはポリアミド6(PA6樹脂)が持つ高い耐熱性、剛性、強度を維持しながら、繰り返し折り曲げ疲労耐久性を従来の15倍まで飛躍的に向上させた新規ポリマー材料を開発した。同社独自のテクノロジーであるナノアロイによる精密アロイ制御技術を駆使し、同樹脂中に外力が加わったときに稼働可能な構造を持つポリロタキサンを最大限の効果発現が期待できるPA6結晶構造サイズの数十nmに微分散化することに成功した。
岡山県の染色加工業セイショクは、規格外となった布をアップサイクルした素材「NUNOUS(ニューノス)」を活用するプロジェクトを立ち上げた。ニューノスは、規格外となった生地を重ねて加工したもので、立体的なストーンや、天然木材のような独特の模様が出るスキンなど様々なバリエーションがある。脱炭素社会に貢献する活動に協力してくれるパートナー企業を募集する。
京都工芸繊維大学･テキスタイルデザイナー･素材メーカー･廃棄衣料回収企業･成形加工業者などで構成する産官学チーム「カラーリサイクルネットワーク」は、廃棄繊維を色で分別して衣料や文具などにアップサイクルするリサイクルシステムを開発し販売を開始した。廃棄予定の衣料などを、赤･青･黄･素材など色で分別･開繊後に繊維自体を色材としてフェルトや繊維強化プラスチックに加工して再利用する。
デニム製造最大手のカイハラ(広島県福山市)は、10年かけて開発し、国内特許も取得するデニム「モンスターストレッチ」を採用したジーンズのクラウドファンディング(CF)に挑戦している。一般的なストレッチデニムの伸長率は15～25％だが、モンスターストレッチは70％を超える。回復率も30秒経過後に90％以上となる。綿89％･ポリウレタン11％の生地ながらも、綿100％のデニムのような生地感を再現したことに加え、綿100％素材と同等レベルの洗濯収縮率を実現した。
オーミケンシとダイワボウレーヨンは、レーヨン短繊維の製造･販売で連携する。オーミケンシのレーヨン短繊維をダイワボウレーヨンが受託生産するほか、中国市場でオーミケンシの中国子会社がダイワボウレーヨンの商品の販売を担う。日本ではこれまでこの2社がレーヨン短繊維を生産していたが、20年9月にオーミケンシがレーヨン短繊維やレーヨン紡績糸の自社生産から撤退した。これに対し、機能レーヨンを中心に引き続き供給を求める声が寄せられていた。
ユニチカトレーディングは新規プロモート素材として常圧カチオン可染タイプのポリエステル長繊維「AHY」の開発･販売を始める。約100℃の常圧で染められるため、染色工程におけるエネルギー消費量、CO2排出量を削減できる環境に優しいポリエステルという。このほか、発色性に優れ鮮やかなカラー展開が可能、優れた染色堅ろう度、シルク調の外観としなやかで繊細な風合いがAHYの特徴。
ダイワボウレーヨンが再生セルロース繊維の技術を生かし、H＆M財団などが推進するポリエステル綿混(EC混)使い衣料品のリサイクルに関する国際的な研究開発プロジェクトに参画した。H＆M財団と香港繊維アパレル研究所が開発したシステムでは、分離回収したポリエステル繊維は再生ポリエステル繊維として再利用できるが、綿はパウダー状で回収されるため利用手段がなかったが、ダイワボウレーヨンはこれをレーヨンの原料として再利用する。
ユニチカトレーディングは、医療用のアイソレーションガウン向けに高いバリア性を持つ高機能不織布「ユニソフィア」シリーズを開発した。ユニソフィアは不織布と透湿防水フィルムを組み合わせたもので、不織布はポリエステルとポリエチレンの芯鞘繊維を使ったスパンボンド「エルベス」と綿100％スパンレース「コットンエース」の2タイプ、透湿防水フィルムはバリア機能別に3タイプ用意されている。
クロスディーズ･ジャパン(東京)は、立体計測したデータを使い３Dプリンタで木型を自動作製し、職人が手作業でパンプスに仕上げるサービスを開始した。「ぴったりサイズで走っても脱げない」のが売り。採寸できるデバイスを地方の店舗や客に送り、採寸データを用いて東京で木型を作り、九州の皮職人に製作を委託するエコシステムの構築を目指す。
帝人フロンティアは抗ウイルス素材を一気に5シリーズ投入し、引き合いが強まっている。20年以上の実績のある抗菌防臭加工「ケミタック」「バリュー」に光触媒技術などによる抗ウイルス機能を加えた製品を投入した。短期間で5つもの抗ウイルス素材を立ち上げられたのは5年前に技術を確立していたため。
三菱ケミカルのグループ企業である大阪化成は、第４級アンモニウム塩が主成分の繊維加工剤「マルカサイドA」で加工した生地が、新型コロナウイルスへの不活化効果があることを確認した。処理剤は、急性経口毒性･変異毒性･皮膚刺激性などの安全性が確認されている。今後は共同研究を進め、医療用防護服･白衣･カーテンなどの用途で活用してゆく。
カチオン染料を塩基性水溶液中でロイコ体に還元することによりポリプロピレン(PP)繊維中への浸透性と親和性を高め、繊維中に浸透させた後に酸性水溶液中の溶存酸素によって酸化させて定着する染色方法を開発した。PP繊維の改質は不要であり、特殊な装置も必要としない。本報告では染料分子構造と染色性の関係について報告している。
織物製造の大喜(福井県)は、側面発光型の光ファイバーをジャカード織りとからみ織りの融合で製織した発光ジャカード織物を開発した。織物表面をプログラム発光させて視認性向上や感性を訴求する。近未来的な新しい価値が提案できる機能性織物として、近畿経済産業局の「関西ものづくり新撰」の最優秀賞を受賞した。
繊維加工用薬剤を展開するミテジマ化学(大阪市西淀川区)は、食品添加物や食品素材を使った繊維加工剤の品ぞろえを広げている。食品としての安全基準を満たす可食素材で作る機能加工薬剤「エディプルトリートメント」シリーズでは、白物にも効果を発揮する黄変防止剤を開発した。Tシャツなど蛍光染料を使った綿の白アイテムにも高い変色抑制効果を発揮する。現時点では洗濯すれば効果がなくなるが、店頭での陳列時の黄変を防ぐ薬剤として提案する。
オーストリアのレンチンググループはインディゴ原着技術「テンセルモダールインディゴカラーテクノロジー」を開発した。製造されたインディゴ原着モダールはワンステップの原着プロセスで一般的なインディゴ染色よりも優れた染色安定性を持つ。また、染色工程で使用する水、化学薬品、電力も大幅に節約でき、省資源にも貢献する。EUエコラベル認定も取得している。
8人の「繊研教室」の執筆担当に提言や予測を聞いている。サステイナブル･ECとキャッシュフロー･本来の夢や楽しさの創出などへの対応が述べられている。
エアークローゼット(東京都港区)は、ファッション業界におけるサーキュラーエコノミー(循環型経済)として、"サーキュラーファッション"の実現に向けた取り組みを強める。20年4月にはレンタル提供を終えたアイテムを販売する「エコセール」、同8月からは提案型ファッションEC「エアクロフィッティング」で試着･返却されたアイテムのエアークローゼット内でのリユースも始めた。今後さらに洋服を循環させる施策を拡充していく。
スイゼンジノリ、桐、お茶の実…。天然系の様々な成分を練り込んだユニークな繊維の打ち出しが目立ってきた。発熱機能を持った肌着などが行き渡るなか、注目を引く切り口で、たんす在庫に無い商品をアピールしようとしている。SDGsへの開発を背景に、廃棄物の活用で環境対応を訴える狙いもある。素材メーカー主導でなく、アパレルメーカー自らが、オリジナル商品差別化のために開発を進めているのも特徴。
日清紡グループのシャツアパレル、東京シャツ(東京都台東区)のオーダーシャツ子会社である東京シャツ工業(千葉県松戸市)は、日清紡テキスタイルが開発したノンホルマリンの綿100％形態安定加工生地を使ったシャツを開発した。樹脂加工が一般的な形態安定加工でノンホルマリンを実現したのは非常に珍しい。
青山商事は、レンタルサービスを提供するウエブサイト「hare:kari」(ハレカリ)を立ち上げた。入学式や結婚式などの特別な日に着用する服を取り揃え、独自ブランドとして提案を強める。紳士と婦人の両方で展開する。レンタルサービス専用サイトの開設は紳士服大手では初めて。
長崎県北部の縫製工場3社が、オーダーメードスーツのブランド「WESTORY」(ウエストリー)を立ち上げ、新たな需要の開拓に取り組んでいる。地域とも連携しながら、国内縫製業が持つ可能性を発信する。ウエストリーは、単品の専業工場を運営する、スラックスのエミネントスラックス(長崎県松浦市)、ジャケットのアリエス(同平戸市)、シャツの山喜長崎工場(同佐々町)の3事業者が手掛けるブランド。
スポーツ用品メーカーが、スポーツマスクの開発を強化している。感染予防とともに、運動時にも息苦しくならないようにスポーツ用品メーカーとしての知見を生かし、防寒にも対応している。扱い店舗も直営店やオンラインストア、コンビニなどに販路を広げている。販売は総じて好調という。
拡大するECで販売力をつけるには、副資材によるブランディングが必須。実際、ECが主販路のDtoCブランドは配送ボックスなどにこだわり、副資材メーカーもEC商品向けを拡大中。実店舗で買った商品は、消費者が店の雰囲気や接客などブランドイメージを思い浮かべながら着用できる。対してEC購入商品は、届いた箱を開けた時の高揚感や、凝ったパッケージで客の期待を超えることで、着る時に思い出してもらうことが大切という。
大手アパレル各社がリストラを加速させている。直近ではワールドが22年3HDや店舗閉鎖を実施すると発表、オンワードHDも海外グループ会社を売却するなど選別を進める。新型コロナウイルスの感染拡大による経営環境の悪化は想定を上回り、危機感は日に日に強まる。「身を切る」構造改革で収益力を立て直せるのか、各社は正念場を迎えている。
仏テキスタイル･ファッション企業と行政当局で構成するモード＆リュックス戦略委員会は、国内生産回帰とサステイナブルファッションに関する報告書を環境移行省と経済･財務･復興省に提出した。現在消費されているファッション･家庭用テキスタイル製品と靴の87％を輸入に頼っているが、25％を国産にする目標を掲げている。
日本ファッション産業協議会は「Jクオリティ」認証企業12社が参加した「ファクトリーブランドプロジェクト」を進め、国内工場の自社ブランドによる企画･開発や販路開拓など自律的な成長を支援する。今回は製織、編み立て、縫製など各分野に精通した工場が集まり、一人のディレクターの下でメンズのトータルブランドを開発する。
新型コロナウイルス感染の拡大から1年が経過し、ファッション業界を取り巻く環境も大きく変化した。特にデジタルの活用はコロナ禍で一気に加速し、アパレルメーカーはオンライン展示会などの構築が進んだ。小売店も仕入れ方法などにアフターコロナを見据え、改めて自社を見つめ直す機会にもなっており、新しい商習慣や時間の使い方、働き方が出始めた。
そう遠くない将来、再生素材の服が当たり前の時代になる。その時に真に問われるのは時代に左右されず、人の生き方に寄り添い、長く大切に着たいと思われるデザイン力。ファッション＝「流行」でなくなる日。絶対にありえないと思っていたことが現実味を帯びてきた。
バブル経済の崩壊で小売り各社の事業環境は一変した。借入金に依存して多角化や出店を急いだ企業は、次第に経営に行き詰まり、90年代後半に破綻が相次いだ。かわって成長を遂げたのがSPAモデルの新興企業。10年代はECが急速に広がった。経済産業省によると19年の国内市場は19兆3600億円と、10年比で2.5倍に拡大。今後は国内人口減と高齢化が進む。国内だけで持続的な成長は難しく、海外市場の攻略が課題。ECの攻勢は今後、さらに強まりそうだ。
「冬春･夏秋」というシーズン区分が話題になっているが、背景には早くて長くなった夏が影響しているようだ。セール期を含めると夏物の商売は実に5か月に及ぶ。夏が春と秋の一部に侵食し、シーズンを伸ばしている。
SCの開発が一段と減速している。日本ショッピングセンター協会によると、今年に開業予定のSC･商業施設は35施設で、昨年の40施設を下回る見通し。開業数が前年を下回るのは2年連続。大型SCの開業は少なく、足元商圏客の日常生活需要の取り込みを狙った中小規模の施設が多い。閉店した百貨店の再開発も目立つ。
全米小売業大会が初のオンラインで1月12、19、21、22日開催された。130のセミナーに330人以上が登場するが、双方向のディスカッションには小売業者のみで、50人まで参加可能、1セミナー30分間が基本。「5年間分のDXが5週間で起きた」などの内容。
米商務省による小売業売上高20年は、6月に店舗と企業のロックダウンから再開し前年比0.6％増、ECは21.2％増で、全売上げの15.5％を占める。うち百貨店は18.1％減だった。最も苦戦した衣料品･アクセサリーは全体で26.4％減となった。
小島マーケティング代表小島健輔氏の寄稿で、10年からコロナ前の19年までの百貨店衣料品と国内ユニクロの売り上げ変化を検証し、アフターコロナの新状態におけるMDとサプライの在り方を考えている。DXでつなぎ、「大切に作って大切に売る」原点に回帰せよと説く。
ファッションECの7割がクレジットカードの不正利用被害の経験あり―繊研新聞社が実施した「アパレルEC決済サービス調査」によると、81社中55社が「自社ECで他人のクレジットカードを不正に使用した不正購入の被害経験がある」と回答した。アパレルのECシフトが加速する中、安心安全な取引を実現し、未回収コストを防ぐために、不正対策など守りの施策も重要になる。
オフプライスストアが広がってきた。アメリカ発祥の業態で19年から国内でも目立ち始め、20年秋以降さらに勢いづいた。今週は各社が出店拡大や売り場の改装を予定している。アウトレットストアが自社の在庫を販売するのに対し、他社の在庫仕入れ･販売が基本だが、サステナビリティの観点などから、応用範囲を広げた業態開発なども増えそうだ。
日本百貨店協会が発表した全国百貨店(73社、196店)の20年売上高は、前年比25.7％減の4兆2204億円となり、3年連続で前年割れとなった。市場規模は91年の9兆7130億円のピーク時と比較して約5割縮小した。1回目の緊急事態宣言が出された4月には、統計開始以来最大の減少率である72.8％減を記録、新型コロナウイルス感染拡大によって一時営業自粛を余儀なくされたほか、時短営業を実施したことなどから、客数が落ち込んだため。それに加えて、これまで百貨店の頼みの綱だったインバウンド需要が大幅に減ったことによる。売上高構成比の約3割を占める衣料品が31.1％減と14年から8年連続の前年割れとなった。
日本チェーンストア協会の全国スーパー売上高20年は、既存店ベースで前年比0.9％増だった。前年比でプラスとなるのは５年ぶり。新型コロナウイルスの感染拡大で内食需要が高まり食料品が伸びた。だが、衣料品は16.9％の大幅減となった。緊急事態宣言下では休業や営業時間短縮に追い込まれた事業者も多く、4～6月にかけては30.2％減だった。不要不急の外出を控える傾向が強まり、スーツなどフォーマル系の商品の販売が落ち込んだ。在宅時間が増えたため部屋着やトレーナーなどは比較的好調だった。
コロナ禍で消費者のライフスタイルが大きく変化する中、ファッション小売りは、商品も、それを売る店のあり方もこれまでと変えることを迫られている。大手SPAと有力セレクトショップのトップに、21年の出店戦略と今後リアル店の役割をどのように進化させるかを聞いた。
以前は販売員と顧客が密な関係を築いていたブランドが、丸1年続く営業時間短縮や顧客の外出自粛に大きなダメージを受けている。ECやSNSなどに関心が高まるが、すべての消費者がデジタルツールを利用できるわけではない。中高年の顧客を持つブランドでは、電話や手紙、紙カタログなどのアナログツールが見直されている。
百貨店で、自宅にいながら店頭商品を購入できるリモートショッピングサービスが広がっている。阪急阪神、三越伊勢丹がすでに行っており、近鉄もあべのハルカス近鉄本店で20年12月から化粧品売り場で開始し、対象売り場を拡大した。いずれも、自社ECに未掲載の商品をオンラインで購入できるのが特徴。ほぼすべての店頭商品が買える仕組みで、各百貨店とも対象売り場や商品を順次、拡大する方針だ。
セレクトショップの都内路面店が相次いで閉店している。特に目立つのが渋谷、原宿エリア。ECの拡大と、ネット上での情報発信が増えたことで、高い家賃に見合う売り上げと宣伝効果が見込めなくなった。そこへ、コロナ禍が追い打ちをかけた。厳しい状況が続く中、リアル店の立地、役割を見直す動きはさらに加速しそうだ。
紳士服業界でオンライン接客が広がっている。AOKIはビデオ通話を活用した接客を始めたほか、コナカはオーダー業態でスマートフォンでの採寸やネットでの相談を提供している。新型コロナウイルスの影響で外出を控える消費者が増えるなか、店頭での試着が重要とされてきたスーツやジャケットなどの紳士服でもオンライン対応が進んできた。
商社のOEM･ODM事業が岐路に立っている。経営トップは、国内のファッション･衣料品市場が需要減退やブランド･店舗の閉鎖、作り過ぎの是正などで縮小するとの見方で一致する。妙手はなく、自らの強みを磨きつつ、緩やかに連携するグループ化の動きが出てきた。
繊研新聞社の「ECデータと運用」調査で、9割で直近6カ月のECが増収、うち5割が前年同期比30％以上の伸びだった。売上高に占めるEC比率は、半数以上が2割超。20年春に緊急事態宣言が解除されて店舗が営業を再開して以降も、ECに慣れた消費者が継続してネットで購買している実態が分かった。
中古品マーケットはここ数年大きな盛り上がりを見せている。米中古品のネット取引を手がけるスレッドアップの発表によると、19年に280億ドルだった中古品マーケットが、24年に640億ドルになると予想されている。これまでは新品を販売していたブランドも、企業のCSR、SDGsといったことが重視されるにつれ、新品だけを販売するのではなく、自社ブランドの中古品にも気をつかう必要が出てきた。中古品のネット売買を意味する「リコマース」という言葉も米国で話題になっている。
ECサイトでの不正決済が増えている。民間調査によると、クレジットカード番号の不正利用などによる20年の不正決済は685万件と前の年に比べ38%増えた。規制が厳格な欧州などに比べ、「狙いやすい市場」として日本でEC経由の「巣ごもり消費」がサイバー攻撃の的になっている可能性がある。
大手SCディベロッパーがEC事業を一段と強化している。コロナ下でさらに増加したEC需要に対応するとともに、販売機会の拡大によってテナントを支援するのが目的。各社ともテナントと連携してリアル施設との連動を強めて相互送客を促進する。アフターコロナを見据え、オムニチャネルの確立を目指す。
厚労省医薬･生活衛生局生活衛生課は2年に一度全国のクリーニング事業所を対象にクリーニング所におけるドライクリーニング溶剤の使用管理実態等の調査を行っており、その結果が発表された。テトラクロロエチレンの使用施設、台数は89年以降減少、石油系溶剤、1,1,1-トリクロロエタン、CFC-113は00年以降減少。9割以上の施設が石油系溶剤を使用している。
冬物衣料に使用されることが多いベロア調素材は、パイルの脱落、色相の変化が生じやすい。ジャケット右側の上衿、下衿の滑付近のパイルが脱落し基布が露出していることがクリーニングから返却されてから気が付いた事例について、原因、事故の防止対策、ベロア調素材について解説している。
メルカリの利用者や潜在顧客調査で、出品時のキーワードとして「クリーニング済」「お直し済」が増加、リペアサービスの需要が高いことがわかった。ホワイト急便店内にメルカリポストを設置、梱包資材も用意し発送作業が手軽となる。また、メルカリで得た売上金からメルペイ決済でクリーニング代が支払える。ホワイト急便のメイン顧客層は40～60代であるが、若年層への拡大が期待できる。
クリーニングの宅配サービスの先駆けとなったトゥトゥモロウ(福岡市南区)と、衣服のデザイン、リフォームなどを行うR101(同市中央区)のコラボ「New Style Lab」がオープン。来店者は店内でしみ抜き、修理を行う職人の仕事を見ることができ、試着室で丈詰め、裾上げの確認など職人とコミュニケーションが取れる。障害や難病のある方を支援する就労継続支援A型事業の職場であり、シートベルトやグローブの廃材を使用したバッグを販売するなどSDGsへの取り組みも行っている。
関西大手のフランス屋本部は2020年末、細菌を死滅分解･減少させる「光触媒加工」のサービスを開始。人体や自然に影響がなく、細菌が衣服に付着するのを防ぐと同時に付着した細菌を分解する光触媒コーティング「ナノゾーンコート」を採用した。新型コロナも不活性化を確認しているとのこと。
洗濯科学協会は21年9月末に解散することに伴い、同協会が販売してきた湿式人工汚染布は21年9月以降、双立が継承する予定である。
日本折目加工クリーナーズ協議会は、第78回折目加工キャンペーンの結果を発表。取次、直営、外交部門など全体で17％ダウン、本数は30415本減少。キャンペーンの部門別優秀表彰では、直営店では渡辺ドライ六日町ショップ、取次店ではペリカンクリーニングのリオンドール巻店、ルート外交では白洋舎東京支店の満田空氏などが表彰された。
ホームドライ神戸がラクナ油脂に開発を依頼し完成したスニーカークリーニングは、「ラクナスニーカークリーニング」および「RAKUNA SNEAKER CLEANING」として商標原簿に登録された。
総務省統計局は家計調査報告の2020年年間合計の結果を公表。2020年のホームクリーニング総需要額は2753億円となった。前年から721億円減少、比率にして20.7％減となり過去最悪の落ち込み。1世帯当たりCL代支出額は前年比21.5％減の4661円となった。1店舗当たりの売上高、1世帯あたりの利用頻度、1客単価など1990年からの推移が図表で詳細に示されている。
当初は難色を示す声もあったが賛同する業者がメディアで紹介されたことなどにより各地に広がった「全国スマイルプロジェクト 学生服無料CLキャンペーン」は64社745店舗となった。3月下旬まで延長する。また、このプロジェクト発起人ながいクリーニングの鈴木氏に、本キャンペーンの発想のきっかけ、取り組みの狙い、ポストコロナに向けた提言などが記載されている。
今まではタブー視されていた女性の体についての問題を新たな技術で解決する動きがある。女性と技術を組み合わせた「フェムテック」という言葉が欧米で広がっている。女性の抱える体の悩みを解決する商品と出会える場を作りたいとした、フェルマータを起業した杉本亜美奈CEOの話を紹介している。フェムテック市場は拡大しており、繊維製品に限らず様々な商品がある。
ネット通販をめぐるトラブル相談が、昨年は増加した。国民生活センターによると、21年1月22日現在で25万2343件と2019年同時期比で1.3倍に。うち洋服についての相談は1万2115件とほぼ倍に達した。新型コロナウィルスの感染拡大で「巣ごもり需要」が増える中、商品が届かないなど詐欺的なケースもあり、同センターでは注意を呼びかけている。
吸収性の高い「珪藻土」を使ったバスマットなどに発がん性があるアスベスト(石綿)が含まれていたことが判明し、大規模な回収が相次いでいる。0.1％以上含む製品は06年以降、製造や使用が禁じられているが、基準を超える含有量が確認された。専門家は「規制の緩い海外で、製造時に混入した可能性がある」などと指摘する。
フリマアプリなどの普及で、中古品が手軽に売買できるようになった。一方で中古品の事故も相次ぎ、リコール(回収や無償修理、注意喚起)などの安全情報が購入者に伝わらないことに伴うトラブルも起きている。製品評価技術基盤機構によると、中古品の事故は2019年度までの5年間で325件発生。うち11件は死亡事故で、計12人が亡くなっている。重症事故も14件起きている。メルカリでは、20年9月、リコール出品者や購入者を特定して注意喚起する「リコール品プログラム」を始めた。国内初の取り組みである。
政府は来年度、インターネット通販で海外業者から商品を購入した際のトラブルを扱う「越境消費者センター(CCJ)」の態勢を強化する。相談件数が近年、増加傾向にあるためだ。職員を増員し、民間通訳も活用して対応能力を高めることで、トラブルの迅速な処理を図る。
新型コロナウィルス感染拡大に乗じた悪質商法やインターネット通販トラブルが世界各国で増えているとして、消費者相は、経済協力開発機構(OECD)の消費者政策委員会が被害防止策を研究する国際プロジェクトを始動し、日本が主導すると閣議後記者会見で明らかにした。消費者庁によると、プロジェクトは２月から始め、日本や米国を中心とした加盟国の消費者行政担当者がオンラインで情報共有する。
SDGsをテーマにした全国産業教育フェアが昨年大分県で開催され、ポリエステルの古着を再生した生地レニュー(伊藤忠商事)を使用したファッションショーを開いた高校がある。ファッション業界では近年、大量廃棄が問題になったが、古着の回収や環境への影響を考えた素材を使用する動きもみられる。慶応大学の蟹江憲史教授は「消費者も持続可能性に配慮しているブランドかどうかが商品を選ぶ基準になりつつある」と分析している。
外出自粛が広がり、旅行や外食、衣料品への支出が大きく落ち込んだ。総務省発表の20年の家計調査によると、一世帯(2人以上)あたりの消費は月平均で27万7926円となり、物価変動の影響を除いた実質で前年から5.3%減った。所得環境は悪化しており、貯金を増やす傾向が強まっている。
商品を買い占め、高値で売る高額転売の影響が深刻化している。フリマアプリを運営するメルカリなどは転売を繰り返す「転売ヤー」への対策を急ぐが、禁止する法律はなく、決定打に欠けるのが現状だ。不当な高値での購入を余儀なくされる消費者が損をするだけではない。消費者に正常に商品が届かないことで、市場そのものを破壊しかねない。メーカーや小売企業も対応に乗り出している。
新型コロナウィルスの感染予防効果を裏付ける根拠がないのに予防効果をうたった商品をネット上で販売しているとして、消費者庁は販売する45事業者に表示を改善するよう要請したと明らかにした。「予防効果をうたった表示は現時点では客観性や合理性を欠き、消費者の商品選択に誤認を与える」と消費者庁は指摘している。
コロナ禍による働き方が変わり、スーツが売れなくなった百貨店が、紳士服売り場に新種のテナントを入れはじめた。男性用化粧品コーナーや靴磨きコーナー、伸び盛りの中国紳士服ブランドを誘致し、これまでとは違った発想で売り場に賑わいを取り戻す狙いがある。日本百貨店協会によると、全国の百貨店の紳士服･洋品の1月売上高は前年同月に比べて4割以上減っている。
中立環境下(23℃、50％)および暑熱環境下(30℃、50％)における５種の防護服着用時の生理反応、衣服気候、主観申告を比較した。防護服の温熱的快適性には、素材の透湿性や通気性の物理特性と防護服裏面の吸水性の差が大きく影響していることが示唆された。
小松マテーレは、口元周りの筋肉を刺激するマスク「きもちあげマスク」を開発した。マスクを着けての生活が定着する中で、老け顔の悩みが出ていることから開発したもの。マスクで顔を覆うことで顔の筋肉の運動量が減ると、表情筋が衰えて口元のしわやたるみにつながりやすくなる。きもちあげマスクは、フェースラインに本体生地より2～3倍の引張強度があるパワーネットを配し、顎下から頬にかけて覆い、口元周りの表情筋や口角下制筋を刺激する。
ウエアラブルIoT製品を展開するミツフジ(京都府精華町)は、猛暑対策に特化したリストバンド型ウエアラブルデバイス「ハモン バンド」を商品化した。産業医科大学と前田建設工業の共同研究で開発した深部体温上昇変化を推定するアルゴリズムを応用し、手首に着けるだけで暑熱リスクが可視化できる。リストバンドを装着すると、4色のLEDと振動によるアラートでリスクレベルを表示。適切なタイミングでの水分補給や休息を促すことができる。
イオンリテールは、ワンマイルウェアとしても使える疲労回復ウェア「セリアント」を発売する。セリアントは13種類の鉱石を練り込んだ素材を使い、血行を促進するなどで疲労回復効果があり、一般医療機器として登録されている。
マスク着用は、新型コロナウイルス飛沫感染対策として有効な方法である。本稿では、布マスク、不織布マスク、ウレタンマスク着用時における飛沫拡散状況を、マスクに捕獲された飛沫、マスクフィルタを通過した飛沫、マスクとの隙間から漏れ出した飛沫に分けてスパコン富岳を用いてシミュレートした結果を解説する。
衣服下微小空隙内空気層が熱伝達におよぼす影響を明らかにするため、鉛直型熱移動測定装置を作製し、閉鎖および開放微小空隙内空気層の放熱量および熱伝達特性を検討した。結果は、空隙内空気層に生じる微小な空気の流動が熱伝達機序に影響を及ぼすことが明らかとなった。
p122～p130 膝屈曲姿勢パターンを導入したタイツ、およびテーピングにより下腿内側を除く脚部に局所圧を付与したタイツにおいて筋疲労軽減効果が認められた。また、走行時のストレス軽減効果および好評価も得られた。
西垣靴下は、近畿大学との協業で長時間のランニングでも足の筋肉の働きを助ける高機能靴下を販売する。ランニング時の疲労の多くは、足裏のアーチが下がり、土踏まずが地面に着いてしまうことにより起こる。販売する靴下は、足裏の生地に縦方向のテーピング機能を付与した高機能靴下である。
銀は金属の中で最も熱伝導率が高く、熱を逃がす力が強い。銀イオンを練り込んだポリエステルで作ったアパレル製品は涼しい。覆う面積が大きいほど涼しさを実感できるので、維研(愛知県江南市)は夏でも着られる長袖の服を出してゆく。
繊維商社のフジチギラ(山梨県富士吉田市)は光で発熱･保温するウール糸「バナウォーム」の提案に力を入れている。バナジウムを染料に入れて染色する県の特許技術を活用して開発。バナジウムは富士山の伏流水に多く含まれており、近赤外線を吸収して発熱する働きがあることに同社が着目。バナウォームを使った生地とウール100％の従来品との比較実験では、従来品に比べてバナウォームの生地は10分間の光照射で約12℃、消灯の1分後でも約3℃高かった。
青山商事は、世界的なサステナビリティーの最高峰の認証ラベルである「エコテックスメイドイングリーン」を取得したビジネスシャツをオンラインストアで販売する。この認証ラベルは、人体に悪影響を及ぼす化学物質などが含まれていないことを証明する国際安全認証である。
ニッセンケン品質評価センターは、東京農工大学の高柳正夫教授との共同研究で開発した繊維鑑別方法の特許を取得した。従来のフーリエ変換型赤外分光(FT-IR)では特定が難しかった同系異種繊維の判別が可能になった。特許を取得した鑑別技術はFT-IRによる測定とケモメトリックス(計量化学)を組み合わせることで開発した。キュプラと精製セルロースの判別、リネンとラミーの判別が100％可能となったほか、PET とPTT、ポリブチレンテレフタレート(PBT)が判別できることも確認している。
繊研新聞の紙面に掲載された記事から、業界で起こった出来事を振り返る「20年ファッションニュース」の上期編。20年4月～9月の紙面に載ったニュースの見出しから、FB業界にどんな動きがあったのかを見ていく。新型コロナウイルス感染症がファッションビジネスにも大きな影を落とした半年だった。
信用交換所によると、20年の全国繊維倒産(負債額1000万円以上)は325件発生し、前年と比べて93件減少した。負債総額は877億4200万円で17.1％減った。負債額100億円以上の大型倒産は10年以上発生していなかったが、5月にレナウン(負債額139億円)が民事再生法を申請。50億円以上では前年の4件に対し、キャスキッドソンジャパン(65億円)、シティーヒル(52億円)の2件だった。業種別では「小売商」が139件で全体の42.8％を占め、次いで「紳士･婦人･子供･被服製造卸」が82件、「ニット製品･洋品雑貨製造卸」が30件と続いた。原因別では「業績ジリ貧」が263件で全体の80.9％を占め、次いでコロナ禍の影響を含む「業況急変」が47件だった。
ファッションビジネス業界の新卒採用で企業の求人が大きく変わった。就職活動をする学生にとって厳しい状況が続いている。コロナ禍による経営の悪化で、採用市場は急速に縮んだ。3月に卒業予定の学生の内定率が3～5割という服飾系専門学校も多く、昨春までの売り手市場から買い手市場に一変した。22年卒の採用も前年より減らす企業が大半を占める。
海外の通販サイトなど国境を越えて商品を購入する越境ECが急拡大している。日本未発売の商品や安さを求めて購入する消費者が増加。日本語で購入方法を説明するSNSのほか、配送や決済サービスが整備されたことも後押ししている。コロナ禍で海外渡航ができないなか、越境ECは世界的に広がる。国内メーカーも失った訪日外国人消費を補うため、大手から中小までが越境ECを強化する。消費のボーダーレス化は加速していく。
①【前半】5月20日(木)13：00～16：40、【後半】5月21日(金)13：00～16：40 ②オンラインによるWEB開催(Microsoft Teamsを利用)③【前半】基調講演「身体運動と体温制御機構」事例発表「酷暑対策を手助けするユニークな繊維紹介」「アスリートを救え．スポーツにおける暑熱対策」【後半】基調講演「現場応用を目的とした熱中症対策研究－ウエアラブル深部体温計の開発と実用的クーリング」事例発表「夏を楽しむアイスノンの冷たさ」他④一般社団法人日本繊維製品消費科学会 06-6358-1441 shohikagaku@nifty.com
発行：一般社団法人日本衣料管理協会 会長：小林茂雄／発行人：近藤美文