調査・研究

国際調査報告講演会レポート
  • 日 時:2013年2月7日(木) 14:00~16:00
  • 会 場:文化学園大学 C館7階 C-071

去る2013年2月7日(木)に、東京・文化学園大学にて「女子学生の衣料に関する調査(日韓中台における国際調査)」の調査報告講演会が開催され、業界・大学・メディア関係者あわせて120名以上の出席を得、会場は満席となりました。

「女子学生の衣料に関する日韓中台調査の分析」
講師:大橋 正男氏(日本衣料管理協会 調査部会長)

第1部では今回の国際調査の分析について講演し、グラフで視覚化したデータで分かりやすく解説しました。単純集計の結果だけでなく、中国国内のみの分析結果、ファッション情報量別の年間購入衣料支出の違いや消費動向の違いなどを紹介しました。
普段着の購入先として日本は専門店・チェーン店が85%以上と最も高いのに対し、韓国・中国・台湾では無店舗販売(インターネット・通信販売)が50%前後(日本の無店舗販売は16%)で高い割合を示しており、各販売業態ごとのイメージや利用率もお隣の国とはいえかなりの差があることや、日本は他の3国と比べ年間の衣料に対する支出の多さ、ボトムスにおけるスカートの割合などから"おしゃれ度"が比較的高い傾向にあることがうかがえることなどを紹介しました。

「中国マーケットに進出する時の注意点」
講師:翟雲蕊(タクウンズイ)氏(JCファッションコンサルティング有限会社)

第2部では中国マーケットリサーチ、市場参入の支援などの面で活躍をされ、特に日本から中国へ進出する場合の条件や両国の違いなどに詳しい翟雲蕊さんを講師にお迎えし、お話しいただきました。
中国における各小売業態(ショッピングセンターやアウトレット、路面店、ネット販売など)のお話しでは、各業態の現状やメリット・デメリット、その他現在の中国の小売業態の生の情報を話されました。今回の国際調査でも特徴の出た無店舗販売(ネット販売)では、意外にも80後・90後と呼ばれる若者層よりも、60後・70後と呼ばれる中高年層のネット支出額が高いことなども紹介されました。 また、中国は日本と違い国土が広いため気候もライフスタイルも地域によりかなりの差があることなどもお話しされました。北京はシンプルで保守的なファッションを好む人が多いことや、上海は中国国内でもトレンドに対する感度は高く新商品を求める気質があり日本のファッションに最も影響を受けていること、浙江省がある華東地区は韓国江南の淑女らしい文化に影響を受けやすいことなどをあげ、来場者の方々は熱心に耳を傾けていました。

中国の実態を踏まえた調査結果の考察―中国の流通や消費者など―
・コメンテーター:
 翟 雲蕊氏(JCファッションコンサルティング有限会社)
・司 会:
 知久幹夫氏(日本衣料管理協会 調査委員)
・質問者:
 藤田雅夫氏(日本衣料管理協会 調査委員)
 大橋正男氏(日本衣料管理協会 調査委員)

講演会の最後には弊会の調査部会から、今回の調査を踏まえてあがった疑問点や仮説について翟さんに質問をし、解説していただく質疑応答形式で考察を行いました。来場者の方からの質問にもお答えいただき、大変充実した内容となりました。

国際調査報告書
-女子大生の衣料に関する日中韓台調査報告

 体裁:A4版 46ペ-ジ
 価格:2,100円(税込)
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