TAの集い:レポート

2024年度

「関東衣料管理士の集い」見学会

日 時
2024年5月31日(金)
見学先
ライオン株式会社 平井研究所
講 師
快適生活研究所 お洗濯マイスター
片木 徹也氏

〔概 要〕
 ハミガキや洗剤など私たちの身近な商品を開発されているライオン株式会社を見学させていただきました。平井研究所には「生産技術開発」「基盤研究」「製品開発」の部門があるとのことです。
 まずファブリック関連、オーラルケア関連の施設を見学。洗浄室では沢山の洗濯機に圧倒されました。汚れのモデルを準備されるご苦労や、多数のメーカーの洗面台・トイレ設置されているお話を伺い、製品の開発研究の並々ならぬ努力を感じました。コミュニケーションセンターでは、会社の歴史のご説明や、台所用洗剤の比較実験などを見せていただきました。医薬品(錠剤)の溶け易さには、洗濯洗剤開発で培われた技術が活かされているとのお話には驚きました。
 後半は「洗濯とファブリックケア製品について」をテーマに、ご講演いただきました。洗剤の種類や選び方、洗濯する際のコツ、漂白剤・柔軟剤の使い方等々、また手洗いの実演もあり、お洗濯の基礎がしっかり分かりました。界面活性剤の働きについては、実験を通して楽しく理解できました。柔軟剤、漂白剤の機能等や製品の表示についても、詳しくご説明いただきました。毎日使用しているファブリックケア製品ですが、今まで知らずにいたことが沢山ありました。今後は正しく効果的に使用できそうです。
 終了後は社員食堂の一室をお借りして、参加者の情報交換会を行いました。初参加の方や遠方から参加された方など多くの方と歓談でき、とても有意義な時間が持てました。

「衣料管理士の集い」オンライン勉強会

日 時
2024年 5月 29日(水)15:00~16:30
テーマ
「フェムテック素材が拓くウェルビーイングな未来へ」
講 師
シキボウ株式会社 戦略素材企画推進室 室長 中条 洋子 様

〔概 要〕
 フェムテックプロジェクトチームMéchi(ミチ)に取り組んでおられる中条様に、フェムテックについて幅広くお話しいただきました。
 フェムテック向けの機能素材の中には、既存の機能素材の評価対象を変更したり追加することで応用しているものも多く、今後の商品開発のヒントになったり、評価の参考になるお話しでした。
また、近年国内のフェムテック市場規模も拡大しており、実際フェムテックという言葉はよく見聞きするワードだと思っていましたが、女性を対象にしたアンケートでは、フェムテックを知っている・言葉だけは知っているという人が全体の約3割しかいなかったことに驚きました。そこに男性を含めるとその認知度はさらに低くなることが予想されます。そして、半数以上の人が何かしらの影響を受けていると感じでいるにもかかわらず、病院に行けなかったり、フェムテック商品に手が出せないでいたり、一時的なものだと我慢してしまっている人が非常に多いことに衝撃を受けました。
 このようにまだあまり高くない認知度のフェムテックですが、男女問わず広く社会に認知されることで、更なる新しい商品開発が進み、もっとフェムテック商品を手に取りやすくなるのではないかと感じました。思春期~更年・老年期まで、ライフステージに合わせて変化していくフェムテックを学んだことで、一人でも多くの人のウィルビーイングのきっかけとなる、有意義な勉強会となりました。