TAの集い:レポート

2019年度

集い「関東衣料管理士の集い」見学会

日 時
2020年1月17日(金)18:30~20:30
場 所
大阪産業大学サテライトキャンパス レクチャールームB
テーマ
SDGsとZDHC
講 師
(一財)日本繊維製品品質技術センター 田坂 俊樹氏

〔概 要〕
 サスティナビリティ、SDGs、ZDHCと話題のワードを取り上げてご講演いただきました。
CSRとサスティナビリティの違いやSDGsの17のゴールについての踏み込んだ内容、企業はSDGsにどのように取り組んで行くべきかをSDGsコンパスを参考にして例を示していただきながら具体的にお話くださいました。
 またZDHCについても昨年にロゴマークの変更があったことなど化学物質の管理に一点集中特化した部分をご説明いただきました。
 昨年から関西TAの集いで開催された勉強会や見学会の内容が一連となり、よりわかりやすい言葉での説明だったので多くのことが理解できたように思います。これから企業がそれぞれに目標を掲げてクリアし、2030年のSGDsのゴールに向かっていけるよう業界全体として取り組んで行かなければならないことを実感しました。

集い「3支部合同見学会」

日 時
2019年11月14日(木)13:30~16:30
見学先
㈱白洋舎 リネンサプライ千葉事業所/㈱白洋舎 千葉支店

〔概 要〕
 リネンサプライ千葉事業所は、主に国内の高級ホテルの客室リネン(タオル・シーツ・バスローブ等)を取り扱っており、取扱量は約24t/日とのことでした。同一製品を大量に処理するために工場内では大型の機械による自動化・効率化が進んでいましたが、高級リネンの品質を保つため、バスローブは手畳みするなど、要所要所で手作業が行われていました。
千葉支店では、主に千葉県の総武線・京葉線沿線エリアの一般衣料のクリーニングを取り扱っているとのことでした。リネンサプライとは異なり、素材・形状・色・製品の状態(汚れ具合等)がバラバラの製品を扱うため、入荷時の検品・仕分け、ボタンの保護などを1点1点丁寧に行い、情報管理システムを導入して、工程ごとの確認作業・進捗管理も細かく実施されていました。また、シロセット加工やシミ抜き、ジャケットのプレス仕上げなどは実際の作業を見せていただくことができました。
今回の見学会で、「リネンサプライ」と「一般衣料のクリーニング」という、性格の異なるクリーニングを同時に見学させていただいたことで、双方の特徴を対比することができ、非常に勉強になりました。

掲載日2019.12.5

集い「関東衣料管理士の集い」勉強会

日 時
2019年10月2日(水) 18:30~20:30
場 所
南部労政会館 第5会議室
テーマ
SDGsについて
講 師
(一財)ニッセンケン品質評価センター 
佐々木 康一氏

〔概 要〕
 昨今関心の高まっている「SDGs」について、ニッセンケン品質評価センターの佐々木氏を迎え、ご講演頂きました。
 CSR、SDGs、サスティナブルといった言葉を良く耳にしますが、これらは取り組むべき課題が多種多様であり、正解や完結というものがありません。SDGsは17の国際目標と169のターゲットが掲げられています。現状、繊維産業が品質を確保するために行っている取組みや活動の中で、プラスチックの削減や工場、外国人就労者の人権・労働条件問題、素材の開発、商品のリサイクルなど、まだまだ改善すべき点が多々あると実感しました。 講演の中では世界情勢や地球温暖化などの環境問題をクイズなど取り入れながら、結果をわかりやすく説明して頂き、意外な答えにたびたび参加者の方々からも驚きの声が上がりました。
 これからは一人一人が広い視野を持ち、何をすべきか考え、意識をする事が大切であると、とても考えさせられるテーマでした。

掲載日2019.12.5

集い「関西衣料管理士の集い」勉強会

日 時
2019年8月23日(金) 18:30~20:30
会場
大阪産業大学サテライトキャンパス レクチャールームA
テーマ
最近の羊毛・獣毛事情について
講 師
一般財団法人ケケン試験認証センター
獣毛総合研究所 所長  丸茂 征也様

〔概 要〕
 秋冬シーズンの定番素材となっている羊毛・カシミヤ素材の商品は、近年ファストファッションでも気軽に入手できるようになりました。これらの販売シーズンを前に羊毛・獣毛を取り巻く状況について勉強しました。
 カシミヤ、アンゴラ、モヘヤ、アルパカ、キャメル、ヤク、ビキューナの毛の特徴などやご自身も体験された採毛のお話、牧民の現状、リサイクルウールについてなど幅広くお話いただきました。獣毛製品での事故事例紹介ではLEDでの漂白実験をしてくださり、短時間での事故再現に受講生から驚きの声があがりました。
 意欲的に技術研究されているトレーサビリティーについても一部ご紹介いただきました。 市場が求めている情報をタイムリーに提供いただけることはとてもありがたく、今後の業務で活用していきたいと思いました。

掲載日2019.9.12

集い「中部衣料管理士の集い」勉強会

日 時
2019年8月22日(木) 18:30~20:00
テーマ
「最近の小売業における品質問題と品質管理の状況」
講 師
株式会社阪急クオリティーサポート 春元 隆 氏

〔概 要〕
 今回は品質問題や品質管理の状況というテーマで、百貨店業の目線からお話をいただききました。
 法律の改正や、食品偽装の発覚、優良誤認表示の発覚などの事件があったことから、それらを商品として扱う側の継続的な管理体制の構築についてや、実際にどのような対応をされてきたのか、また、どのような法的措置があったかなどを、資料を用いて詳しく説明いただきました。
 小売業は多種多様な商品を取扱う側であり、繊維、化粧品、食品、電気用品それぞれの業界での法律や運用があります。販売員教育のためにも独自の手帳を作成して配布し、知識や情報の水平展開をするなど、様々な企業努力の積み重ねによって消費者を守っているということを痛感しました。

 時代の空気はコンプライアンス重視になっており、加えて安心安全を求められていると思います。直接消費者の手に届ける側だからこそ、間違った情報提供や対応をしないことを心掛けているのだと感じました。

掲載日2019.8.22

集い「関東衣料管理士の集い」勉強会

日 時
2019年7月30日(火)18:30~20:30
①テーマ
「RFIDとは(初級編)~サトーのRFIDへの取り組み(導入事例を含む)」
講 師
株式会社サトー 
東京第一事業部 RFID事業アパレルID担当  
シニアエキスパート 山本弘志氏
②テーマ
「デンソーウェーブのRFIDへの取り組み」
講 師
株式会社デンソーウェーブ 
社会ソリューション営業部 営業2室  
RFID推進プロジェクトチーム 担当課長 小林輝彦氏

〔概 要〕
 近年、アパレルでもRFIDタグが使用されてきています。そこで今回はRFIDについての基本と取り組みについてご講演を頂きました。
 株式会社サトー山本様からは、RFIDと従来から使用されているバーコードとの違い、リーダライタと交信するインレイの構造、交信の原理、国際基準フォーマット、電波法関連等についてご説明頂きました。また、店頭での在庫管理や製品の搬入時の事例については、動画を見せて頂いたのでとても良く理解出来ました。衣料品の在庫管理以外にも備品の個数管理やデータ活用等幅広く利用できるとの事でした。更に、次世代はブルートゥース対応でスマートフォンにて読み取れるようになるとのことで、常に進化しているのだなと感じました。
 株式会社デンソーウェーブ小林様からは、RFIDの特徴、リーダライタの種類、店頭での利用事例等についご説明頂きました。リーダライタの落下・輸送振動等の耐久性試験を実施されており、品質管理も徹底されているのだなと感じました。また、在庫管理の際にRFIDでは100%読み取りが出来るとは限らないため予定データとの比較確認が必要であることや、特徴として水や金属、タグ同士が重なっている場合は読み取り難い性質があり、ラメ糸使用製品や梅雨時は読み取れないまたは読み取り難い場合もあるなどデメリットについてもご説明頂き、今後の参考になりました。

掲載日2019.7.24

集い「関東衣料管理士の集い」見学会

日 時
2019年6月12日(水)13:00~15:00/15:00~17:00
見学先
㈱福装 東京
テーマ
縫製工場見学

〔概 要〕
 高級婦人服の製造を行う㈱福装の東京工場(埼玉県草加市)を見学させていただきました。東京工場ではスカート、ワンピース、コート等、布帛のアウター製品を中心に、パターンチェックから延反、裁断、本縫い・特殊ミシンによる縫製、まとめ、仕上げプレス、検品に至るまで、ほぼ全工程を内製化しており、納品を行っております。国内外の一流ブランドの商品を多く取り扱っており、スタッフは30名ほどと少人数ながらも、小ロット短サイクルのオーダーをスピーディーに対応するため、3人組で5チームを作り、常に1週間で5~6アイテムを同時に製造しています。最近はスカートの裾の手まつり、ブランドネームやサイズタグの手縫いのオーダーも多いそうで、細やかで丁寧な仕上がりに感嘆の声が上がりました。
 品質や技術の向上、若手の育成にも力を入れており、ずっと同じ工程ばかりを行うのではなく、チーム体制を取り、2,3年かけて1着の洋服が丸上げできるように縫製の技術を磨かれているそうです。また、国家技能検定(婦人服製造技能士)の有資格者も年々増えており、社員のモチベーションアップにもなっているそうです。参加者の質問にも熱心に答えてくださり、大変有意義な見学会となりました。

掲載日2019.7.24

集い「関西衣料管理士の集い」勉強会

日 時
2019年5月21日(火)18:30~20:30
会 場
大阪工業大学 梅田キャンパス 2F 会議室202
テーマ
オーガニックコットンについて
講 師
豊島㈱ 営業企画室 平沢 希久子氏

〔概 要〕
 近年、"サスティナブル"や"エシカル"などの取り組みがファッション業界にも求められようになってきたことから、『オーガビッツ』ブランドなどで社会貢献プロジェクトを展開している豊島㈱の平沢様をお招きし、環境に配慮した素材に欠かせないオーガニックコットンについて勉強しました。
 今回は特に、繊維製品におけるオーガニックコットンの基準と認証についてお話いただきました。 GOTSとOCSという大きく2種の基準があり、認証書や取引証明書の見方など実例を見せていただきながら詳しく伺うことができました。
 また自社で取り組まれている、原料調達から製造、販売、廃棄、リサイクルに至るまでのサスティナブルな活動や企業の枠を超えたコラボレーションなど数多くの活動をされておられます。
 繊維製品の製造販売に留まることなく、環境や社会に貢献する企業体制も求められていることを感じました。