TAの集い:レポート

2020年度

集い「オンライン勉強会」

日 時
2021年3月19日(金) 15:00~16:30
テーマ
繊維製品の抗ウイルス試験について
講 師
一般財団法人日本繊維製品品質技術センター 神戸試験センター 射本康夫様

〔概 要〕
 Microsoft Teamsを使ったオンラインの勉強会の第二弾は、一般財団法人日本繊維製品品質技術センター 神戸試験センター 射本康夫様を講師にお招きし、「繊維製品の抗ウイルス試験について」をテーマに講演いただきました。
 まずは、ウイルスを知るところからスタート。細菌や真菌(かび、酵母)と異なる生物学的特徴を詳しくご説明いただき、ウイルスの細胞への感染には特異性があるということ、また、ウイルスは感染することで細胞に様々なダメージを与えるが、ウイルスそのものには毒性がなく「病原性」と表現されることを学びました。
また、電子顕微鏡ではウイルスそのものや感染による形が変わった細胞の状態を詳しく観察できること、一方、光学顕微鏡ではウイルスそのものは見えないが細胞の形が変わる状態は確認ができることも分かりました。
 SEKマークに記載されている、「繊維上の特定のウイルスの数を減少させます。」と「抗ウイルス加工は、ウイルスの働きを抑制するものではありません。」は相反する内容のように一般の方には感じられる表現です。しかし、今回のセミナーでウイルスに感染した細胞の写真を拝見したことで、ウイルスの働きは人の体に入って働くもので、人の体で起こる現象を抑制するものではないことを表していることが、よくわかり、これらの表現についての理解が深まりました。
 オンライン勉強会の特徴のひとつである"どこからでも参加ができる"メリットを生かして、今回の勉強会も全国からご参加いただきました。どうもありがとうございました。
*オンライン勉強会のご案内は、メールでお知らせしております。郵送でのご案内登録のみの方がおられましたら、この機会にぜひメールアドレスのご登録をお願いします。

集い「オンライン勉強会」

日 時
2020年12月17日(木) 14:00~15:30
テーマ
衛生加工の基礎
講 師
㈱シキボウ江南 開発部 開発課 岩井 亮太氏

〔概 要〕
 コロナ禍でTAの集いの活動が思うようにできない日々が続いていましたが、だからこそ知りたいことを学べる機会を設けたいと思い、Microsoft Teamsを使ったオンラインの勉強会を企画、開催しました。 昨今、関心が高まっている「衛生加工の基礎」をテーマに、㈱シキボウ江南 岩井亮太様を講師にお招きし、講演いただきました。
 衛生加工である抗菌防臭、制菌加工、防かび加工、抗ウイルス加工の定義、試験方法、試験結果の見方、作用機序について基本的なところからわかりやすく解説をいただきました。未加工品と加工品でカビの繁殖の状態等を動画で説明いただき、実際に検査をしたことがない方にも理解しやすかったと思います。  また衛生加工と薬機法の関わりについても解説いただき、医薬品等とみなされるような内容を標榜すると、行政指導や製品回収、悪質な場合は懲役や罰金などの刑罰が科されるので、加工品の訴求についても注意を払わなければなりません。
 衛生加工剤はカチオンまたはアニオンに偏っていることが多いため、イオン性を持つ洗剤や柔軟剤の使用で衛生加工の効果を消失する可能性があることや、イオン性のある汚れや染料が衛生加工品に吸着し汚染が発生する可能性や、保管中に黄変する可能性があり、取扱い時に注意が必要です。
 はじめてのオンライン勉強会でしたが、質疑応答の時間では、参加者の皆さんから積極的にご質問をいただき、活発な意見交換ができました。また従来の勉強会と異なる雰囲気であった中、講師の岩井様には衛生加工の基本を知らない人にもわかりやすく、興味を持って聞けるように様々な工夫をしていただいたおかげで、はじめてのオンラインでの勉強会も無事に終えることができ、感謝申し上げます。まだしばらくは従来の勉強会の開催は難しい状況ですので、皆様にご興味を持っていただける様な内容をテーマとしたオンラインでの勉強会を企画していきたいと考えております。