TAの集い:レポート

2021年度

集い「オンライン勉強会」

日 時
2022年2月2日(水)15:00~16:30
テーマ
化粧品の広告規制について
講 師
株式会社阪急クオリティーサポート  村本祐子様

〔概 要〕
 4回目のオンライン勉強会は、株式会社阪急クオリティーサポート 村本祐子様を講師にお招きし、「化粧品の広告規制について」というテーマでご講演いただきました。
 小売店での化粧品広告の取り組みの紹介、化粧品広告に関わる法律やルールなど「医薬品医療機器等法(薬機法)」や「景品表示法」についても詳しく説明してくださり、とても充実した内容で90分間受講することが出来ました。
 また、繊維製品の品質管理は試験結果の数値で品質の良否を判断すること、化粧品の広告点検は広告全体から受ける印象で良否を判断することなど、判断基準の違いについてのお話から、法律違反になるか否かのグレーゾーンにあたる判断し難い広告もあるところが大きな違いで、消費者にクリーンな印象を持っていただける広告になるよう日々努めておられるとのことでした。
 注意すべきワードについては、解説を入れて丁寧に紹介いただいたことで、とてもわかり易く、身体に効能・効果がある表現や医薬品的な表現などのNGワードは、クイズ方式でお話ししてくださったおかげで理解がより深まりました。
 近年、繊維製品に携わる仕事をしていても化粧品に関わる機会が増えてきているという中で、法律や公正競争規約、ガイドラインなどの難しい内容を分かりやすくご説明いただき、非常に勉強になりました。

集い「オンライン勉強会」

日 時
2021年11月25日(木)14:00~15:30
テーマ
再生ポリエステルとこれからの服作り
講 師
日本環境設計株式会社 沖田 愛子氏

〔概 要〕
 今回は、着なくなった服を回収し、その中のポリエステルを再生させ、新たな服に生まれ変わらせるという「服から服をつくる」BRINGプロジェクトに取り組んでいる日本環境設計株式会社の沖田様にお話しをいただきました。
 ポリエステルは便利で使いやすい素材として、様々な分野で使用されており、特に2000年以降、人口増加に比例してポリエステルの生産量が上昇し、その生産に伴うCO2排出量も顕著に増加しています。日本環境設計様は、ポリエステルを使うことをやめたり、減らしたりするのではなく、サステイナブルな原料に変えるという選択をして、技術開発を行ってきたそうです。
 BRINGではケミカルリサイクル法という方法でポリエステルをリサイクルしています。ケミカルリサイクル法とは、ポリエステルの古着をエチレングリコールで解重合してポリエステルモノマーを精製することで不純物を除去し、石油由来と同等品質の再生ポリエステルをつくることができるそうです。その方法で作られた服はまた何度でもリサイクルでき、バージンポリエステルと同等の品質も確保できるというところはとても驚きました。
 アパレル産業は汚染産業と呼ばれていますが、それが循環のものづくりを実現することでサステイナブル産業になり得るという考えが素晴らしいと感じました。参加者からも質問が寄せられ、リサイクル素材や循環型社会への関心の高さがうかがえました。

集い「オンライン勉強会」

日 時
2021 年9月15 日(水)14:00~15:30
テーマ
スナップファスナーについて
講 師
YKKスナップファスナー株式会社 大阪支店 瀬名波 優太氏

〔概 要〕
 今回はYKKスナップファスナー株式会社 大阪支店 瀬名波 優太氏をお招きし、「スナップファスナーについて」というテーマでご講演頂きました。YKKスナップファスナー㈱様は、金属や樹脂製のスナップボタンの製造販売、取付機の製造・販売・レンタル、機械を工場に納入後のメンテナンスをされており、「スナップボタンはガーメントに取り付けて初めて製品になる」を念頭に置き製造販売をされているとのことです。
 金属のスナップボタンについては、衣類の厚みと着脱強度に合わせ、様々なバリエーションのものを作られており、金属以外では専用の機械を使用せずにミシンで取り付けられる、テープに樹脂ボタンが付いたものなど様々なスナップボタン類をご紹介頂きました。
 取付機は自社で設計し姉妹会社で製造されており、ボタンの種類によってアタッチメントを交換出来、ほぼ全ての種類が取り付けられるという汎用性のある電動式の半自動機が一番に良く使われているとの事でした。衣類には部位によって生地の重なり枚数が異なる所があります。通常はそれぞれの厚みによって作業される方が調整して適切な圧力をかけて取り付けをする必要がありますが、この取付機は自動で圧力を調整してくれるので、作業される方は特に調整の必要はなくどなたが作業をしても同様の品質の取り付けが出来るということでした。取付機も自社製品なのでそれぞれのスナップボタンにぴったり合った機械で取り付けることが出来て、サンプルチェックや取り付けの相談などもして下さるのはとても安心感があります。
 事故事例では、それぞれの事例について原因と改善方法をご紹介頂き、とても勉強になりました。また、取り付けが十分であるかの確認方法についてもとても参考になりました。
 サスティナブルへの取り組みとしては、エネルギーの効率化、製造過程での環境配慮と緑化推進、資源使用量削減と再生材の利用促進などに取り組まれているそうです。また、メッキをせずに素材の色を生かした製品も提案されており、かなりの水資源の削減になるとのことでした。
 新用途としては電子機器と衣類を合体させて使う用途が広がっており、その繋ぐ部分にスナップボタンが使用されることが多くなってきているそうです。自社で開発・製造・メンテナンスまでされているので、商品のバリエーションを増やしたり、新たな用途への開発も出来るのだなと感じました。

集い「オンライン勉強会」

日 時
2021年7月5日(月) 15:00~16:30
テーマ
衛生関連用品について-日本のマスク市場の現状と今後
講 師
一般社団法人 日本衛生材料工業連合会 専務理事 髙橋紳哉様

〔概 要〕
「衛生加工の基礎」「繊維製品の抗ウイルス試験について」に続く、オンライン勉強会の3回目は、私阿智の生活必需品となったマスクをテーマに、一般社団法人 日本衛生材料工業連合会の髙橋専務理事をお迎えし、お話をお伺いしました。
 マスクの日本産業規格 JIS T 9001/9002 が2021年6月16日に制定された直後、対無理な勉強会となり、規格の内容や適合審査、表示関連について広くご説明いただきました。また、勉強会の冒頭では、COVID-19(新型コロナウイルス)に対する日本衛生材料工業連合会の対応やマスクの国内出荷量の推移、1879年(明治12年)に風邪の呼吸器広告から始まった"日本のマスク"の歴史についてもご説明いただきました。
 JIS規格運用が始まってすぐの勉強会ということもあり、聴講者からの質問も多くとても有意義な勉強会となりました。
 特に、マスクの表示では、①医薬品的な効能・効果は表示・標榜できない ②マスク全体の機能、効果と誤認させる表示・標榜に注意 ③マスク着用中の機能と着用していない時の機能、効果を混同させない ④合理的な根拠に基づく表示・標榜する 等注意すべき点が多いのですが、ポイントを押さえて大変わかりやすくご説明くださいました。
 まだまだマスクが手放せない日々が続きますが、試験規格が制定され、適合審査に合格した多くの製品が医療従事者や一般消費者の手に渡る日が早々に来ることを願います。

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